(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169731
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B41J2/175 101
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024169195
(22)【出願日】2024-09-27
(62)【分割の表示】P 2020130771の分割
【原出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 皓樹
(72)【発明者】
【氏名】土岐 宣浩
(72)【発明者】
【氏名】武田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】亀山 文恵
(72)【発明者】
【氏名】麻田 翔太
(72)【発明者】
【氏名】武永 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑典
(72)【発明者】
【氏名】荒木 裕太
(72)【発明者】
【氏名】丸山 泰司
(72)【発明者】
【氏名】松山 淳志
(72)【発明者】
【氏名】楢谷 友輔
(72)【発明者】
【氏名】田中 耕輔
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 広弥
(72)【発明者】
【氏名】松村 英明
(72)【発明者】
【氏名】濱野 徹
(57)【要約】
【課題】液体の収容容器に特徴のある技術を提供すること。
【解決手段】液体を吐出して記録を行う記録手段と、開口部を有する周壁部と該開口部を封止する封止部材とによって画定され、前記液体を収容する収容室、及び、前記液体の出口部を含む液体収容容器と、を備えた記録装置であって、前記液体収容容器は、前記記録手段により記録が行われる記録領域側の第一の側部と、前記第一の側部に対して反対側の第二の側部と、を有し、前記第一の側部には、前記開口部と前記封止部材が配置され、前記第二の側部には、前記収容室と前記出口部とを連通する流路が形成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出して記録を行う記録手段と、
開口部を有する周壁部と該開口部を封止する封止部材とによって画定され、前記液体を収容する収容室、及び、前記液体の出口部を含む液体収容容器と、
を備えた記録装置であって、
前記液体収容容器は、
前記記録手段により記録が行われる記録領域側の第一の側部と、
前記第一の側部に対して反対側の第二の側部と、を有し、
前記第一の側部には、前記開口部と前記封止部材が配置され、
前記第二の側部には、前記収容室と前記出口部とを連通する流路が形成される、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタに代表されるように、液体を吐出する記録ヘッドを備えた記録装置が知られている。記録ヘッドで消費される液体は液体収容容器に収容される。記録装置が使用時の姿勢の場合、液体収容容器と記録ヘッドの配置による水頭差によって、記録ヘッドから液体が漏れないように設計されている。しかし、記録装置は輸送や梱包状態によって、使用時とは異なる姿勢で設置される可能性がある。例えば、輸送時に記録装置の側部を上側にした姿勢で記録装置が設置される状況が考えられる。
【0003】
その結果、記録ヘッドの液体吐出面よりも液体収容容器が上方に位置されることがある。記録ヘッドの液体吐出面が、キャップにより覆われず、また、異物の付着によりノズルのメニスカスが壊れていると、重力によって液体が記録ヘッドから漏れる虞がある。記録装置の姿勢変化に起因した液体の漏出を抑制する技術として、特許文献1にはインクを収容する収容室(インク室)を2つ設けて、漏出するインク量を低減する技術が開示されている。収容室は、その一部が可撓性を有するフィルムで封止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のインクタンクの構成ではフィルムが記録装置の外壁側に位置する。このような構成であると、記録装置の製造過程において、外装部品を組み込む際にフィルムに傷が付く場合がある。また、インク残量をユーザが確認するために、記録装置の外壁にインクタンクの収容室を外部から視認可能な窓部が形成される場合が多い。特許文献1の構成では、フィルムが窓部に面するため、記録装置の外部からの異物の進入によってフィルムに傷が付く場合がある。こうした傷によってフィルムが破れる場合がある。
【0006】
本発明は、液体の収容容器に特徴のある技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
液体を吐出して記録を行う記録手段と、
開口部を有する周壁部と該開口部を封止する封止部材とによって画定され、前記液体を収容する収容室、及び、前記液体の出口部を含む液体収容容器と、
を備えた記録装置であって、
前記液体収容容器は、
前記記録手段により記録が行われる記録領域側の第一の側部と、
前記第一の側部に対して反対側の第二の側部と、を有し、
前記第一の側部には、前記開口部と前記封止部材が配置され、
前記第二の側部には、前記収容室と前記出口部とを連通する流路が形成される、
ことを特徴とする記録装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液体の収容容器に特徴のある技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る記録装置の斜視図である。
【
図2】
図1の記録装置の別の角度から見た斜視図である。
【
図3】
図1の記録装置の内部の機構の模式図である。
【
図4】(A)及び(B)はキャリッジの位置の説明図である。
【
図5】(A)及び(B)はキャリッジ及び液体収容容器の正面図と平面図である。
【
図6】(A)及び(B)は液体収容容器の分解斜視図である。
【
図7】(A)及び(B)は液体収容容器の本体の右側面図及び左側面図である。
【
図8】(A)及び(B)は液体収容容器の分解斜視図である。
【
図9】(A)及び(B)は液体収容容器の本体の右側面図及び左側面図である。
【
図10】(A)~(C)は記録装置の異なる姿勢の説明図である。
【
図11】(A)及び(B)は記録装置の異なる姿勢の説明図である。
【
図12】(A)及び(B)は記録装置の異なる姿勢の説明図である。
【
図13】(A)及び(B)は記録装置の異なる姿勢の説明図である。
【
図14】(A)及び(B)は記録装置の異なる姿勢の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<記録装置の概要>
図1及び
図2は本発明の一実施形態に係る記録装置1の斜視図である。記録装置1は記録ヘッドが往復移動するキャリッジに搭載されたシリアル型のインクジェット記録装置である。しかし、本発明は記録媒体の幅に相当する領域に液体を吐出する複数のノズルが設けられた、いわゆるフルラインヘッドの記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置等、他の記録装置にも適用可能である。図中、矢印D1及びD2は互いに直交する水平方向を示し、矢印D3は上下方向(重力方向)を示している。以下の説明において、特に言及しない限り、記録装置1の使用時における各方向は、記録装置1が水平面上に設置され、かつ、D1方向を奥行き方向、D2方向を左右方向、D3方向を高さ方向とした場合を想定する。
【0012】
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
【0013】
記録装置1は、全体として扁平な直方体形状を有しており、その外壁部を構成する筐体101を有している。記録装置1の前部には、記録対象の記録媒体が積載されるトレイ110がD1方向にスライド自在に設けられている。また、トレイ110の上方には記録済みの記録媒体が排出される排出口111が形成されている。
【0014】
筐体101には複数の窓部104~109が形成されている。ユーザは窓部104~109を介して、筐体101の内部の構成を視認することができる。本実施形態の場合、ユーザは窓部104~109を介して、液体収容容器6(
図3参照)に収容されているインクの残量を視認することができる。本実施形態の窓部104~109は筐体101に形成された開口である。窓部104~109は開口ではなく、透光性を有する部材で構成されてもよく、この部材は有色透明であってもよいし、無色透明であってもよい。窓部104~107は、筐体101の前部に形成されており、窓部104は左側端部、窓部105~107は右側端部に形成されている。窓部104と、窓部105~107との間に、トレイ110及び排出口111が位置している。窓部108は筐体101の左側部の前側に形成されており、窓部109は筐体101の右側部の前側に形成されている。
【0015】
記録装置1は、開閉可能なカバー102、103を備えている。カバー102、103を開放することで、その内側(下側)に配置されている、後述する液体収容容器に対する液体インクの補充が可能となる。カバー102は記録装置1の上部前方左端部に位置し、カバー103は記録装置1の上部前方右端部に位置している。
【0016】
図1及び
図2に加えて
図3~
図5(B)を参照する。
図3は記録装置1の内部の機構の模式図である。
図4(A)及び(B)はキャリッジ2の位置の説明図である。
図5(A)及び
図5(B)はキャリッジ2及び複数の液体収容容器6B、6C、6M、6Yの配置を示す正面図及び平面図である。なお、
図1及び
図2は、筐体101内部の構成を示すために上部が一部開放された模式的な斜視図である。
【0017】
キャリッジ2は、D2方向に延設されたレール3に支持されており、不図示の駆動機構によってD2方向に往復可能に設けられている。駆動機構は、例えば、キャリッジ2に連結された無端ベルトを含むベルト伝動機構と、ベルト伝動機構を駆動する駆動源としてのモータとを含む。キャリッジ2は記録ヘッド9を搭載してD2方向に移動する。本実施形態の場合、インクの種類に応じた二つの記録ヘッド9がキャリッジ2に搭載されている(
図5(A)参照)。一方の記録ヘッド9は液体収容容器6Bに収容された液体インクを吐出し、他方の記録ヘッド9は液体収容容器6C、6M、6Yに収容された液体インクを吐出する。各記録ヘッド9は、インクを吐出する複数のノズルが形成されたインク吐出面9aを有しており、インク吐出面9aは記録媒体Pを支持するプラテン8に対向している。キャリッジ2の移動の過程で記録ヘッド9からインクを記録媒体Pに吐出することで画像が記録される。この動作を記録走査と呼ぶ。キャリッジ2の移動範囲に伴うインク吐出面9aの、プラテン8上の移動範囲は、記録が行われる記録領域である。
【0018】
搬送ユニット7は記録媒体Pを搬送する機構である。搬送ユニット7は搬送ローラ7aを備える。搬送ローラ7aには不図示のピンチローラが圧接され、これらのニップ部で記録媒体Pを挟持しつつ、搬送ローラ7aの回転によって記録媒体PをD1方向で前側に搬送する。搬送ユニット7は、プラテン8とインク吐出面9aとの間を通過するように記録媒体Pを間欠的に搬送する。搬送ユニット7による記録媒体Pの搬送動作と、記録走査とを交互に繰り返すことで記録媒体Pに頁単位の画像を記録することができる。
【0019】
キャリッジ2の移動範囲の一端には、回復ユニット4が設けられている。回復ユニット4は、記録ヘッド9のインク吐出性能を維持するための機構である。回復ユニット4は、記録ヘッド9を覆うキャップ4aを備える。キャップ4aは、記録ヘッド9毎に設けられており、インク吐出面9aをキャッピングしてそのノズルの乾燥を防ぐ。回復ユニット4は、この他に、キャップ4aの内部を負圧にして記録ヘッド9からインクを吸引する回復動作等が可能である。
図4(A)はキャリッジ2がその移動範囲の右端(ホームポジション)に位置している状態を示している。キャリッジ2は回復ユニット4上に位置しており、この位置においてキャップ4aによるインク吐出面9aのキャッピングや、記録ヘッド9の回復動作が可能となる。
図4(B)はキャリッジ2がその移動範囲の左端に位置している状態を示している。この位置においては、キャリッジ2は回復ユニット4上に位置しておらず、インク吐出面9aのキャッピングはできない。
【0020】
液体収容容器6B、6C、6M、6Yは、記録ヘッド9が吐出する液体インクを収容するインクタンクである。以下の説明において、液体収容容器6B、6C、6M、6Yを総称する場合、或いは、区別しない場合は液体収容容器6と表記する。本実施形態の場合、液体収容容器6は記録装置1に固定された据え置き式の容器である。インク残量が低下した場合、ユーザは液体収容容器6を記録装置1から取り外すことなく、液体収容容器6にインクを補充する。
【0021】
各液体収容容器6には、それぞれ種類の異なるインクが収容される。本実施形態の場合、液体収容容器6B、6C、6M、6Yには、順に、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが収容される。なお、記録ヘッド9が吐出する液体インクの種類は、本実施形態のように4種類に限られず、1種類であってもよいし、4種類以外の複数種類であってもよく、液体収容容器は液体インクの種類に対応した数以上あればよい。
【0022】
液体収容容器6C、6M、6Yは、同じ構造の容器であり、液体収容容器6Bは、液体収容容器6C、6M、6Yよりも大容量の容器である。このため、液体収容容器6Bは液体収容容器6C、6M、6YよりもD2方向の幅が広い容器である。液体収容容器6Bは、記録装置1の前部で左端部に配置されている。液体収容容器6Bは透光性を有する材料で構成されており、ユーザは収容されるインクの残量を窓部104及び108を介して視認可能である。インクを補充する場合、ユーザはカバー102を開放する。これにより液体収容容器6Bの上部が露出し、インクの補充が可能となる。
【0023】
液体収容容器6C~6Yは、記録装置1の前部で右端部にD2方向に並べて配置されている。液体収容容器6C~6Yも透光性を有する材料で構成されている。ユーザは収容されるインクの残量を、液体収容容器6Cについては窓部105を介して、液体収容容器6Mについては窓部106を介して、液体収容容器6Yについては窓部107及び109を介して、それぞれ視認可能である。液体収容容器6C~6Yにインクを補充する場合、ユーザはカバー103を開放する。これにより液体収容容器6C~6Yの上部が露出し、インクの補充が可能となる。
【0024】
液体収容容器6B、6C、6M、6Yは、個別のチューブ5を介して記録ヘッド9に接続されており、チューブ5を介してインクが記録ヘッド9へ供給される。チューブ5は可撓性を有しており、キャリッジ2の移動や位置に関わらず、記録ヘッド9に対して安定してインクを供給可能である。
【0025】
<液体収容容器の構造>
<液体収容容器6Bの構造>
液体収容容器6Bの構造について、
図5(A)及び
図5(B)に加えて、
図6(A)及び
図6(B)を参照して説明する。
図6(A)及び
図6(B)は液体収容容器6Bの分解斜視図である。
【0026】
液体収容容器6Bは、全体として直方体形状の外形を有し、前側部6a、左側部6b、右側部6c、天部6d、底部6e及び後側部6fを有する。前側部6aと後側部6fは互いに反対側の側部であり、左側部6bと右側部6cとは互いに反対側の側部である。左側部6bと右側部6cとの位置を比較すると、右側部6cは記録ヘッド9の側の、装置内側の側部であり、左側部6bは反対側の装置外側の側部である。すなわち右側部6cは、記録ヘッド9により記録が行われる記録領域側の側部である。後側部6fはD3方向の途中の部位で段差が設けられており、液体収容容器6BのD1方向の幅は、天部6dの側で短く、底部6eの側で長い。
【0027】
液体収容容器6Bは、本体11と、本体11に固着される封止部材12及び13とを有する。本実施形態の封止部材12及び13は、可撓性を有するフィルムであり、本体11に接着又は溶着により固着されている。封止部材12は、液体収容容器6Bの右側部6cに配置されており、本体11の右側部の開口や溝を覆って封止する。封止部材13は、液体収容容器6Bの左側部6bに配置されており、本体11の左側部の開口や溝を封止する。本体11は樹脂製の中空構造体であり、以下の各構成を形成する形成部材である。本体11、封止部材12及び13はいずれも透光性を有する部材であり、液体収容容器6Bの内部を外部から視認可能である。これらの部材は有色透明であってもよいし、無色透明であってもよい。
【0028】
液体収容容器6Bは、本体11により天部6dに形成された筒状の注入部21を有する。カバー102を開放すると注入部21が露出する。インクを補充する場合、注入部21からインクを注入する。注入部21には取り外し可能な蓋20が取り付けられる。本体11の天部6dには、注入部21の周囲に溝21aが形成されている。溝21aは、インクの補充時に注入部21の外側に垂れ落ちたインクを受け取る。
【0029】
液体収容容器6Bは、本体11により後部6fの段差部に形成された筒状の出口部22を有する。出口部22は、液体収容容器6Bに収容されたインクの出口であって、インクを記録ヘッド9へ流出させるための液体導出口である。出口部22にはチューブ5が接続され、液体収容容器6Bに収容されたインクは出口部22からチューブ5を介して記録ヘッド9へ供給される。
【0030】
液体収容容器6Bは、本体11により天部6dに形成された筒状の大気連通部23を有する。大気連通部23は液体収容容器6B内を大気に連通させ、収容されるインクの流出に伴って気液交換を行うための連通口である。
【0031】
液体収容容器6Bは、本体11により前側部6aに形成されたインク視認面25を有する。インク視認面25は、その背後の収容室26に収容されたインクの残量をユーザが外部(窓部104及び108)から視認するための透光面である。インク視認面25には、インクの補充タイミングとなる残量の下限の目安を示す下限表示部25b、インクを補充するときの上限の目安を示す上限表示部25a、及び、回復装置4による回復動作が可能な残量の目安を示す表示部25cが形成されている。これらの表示部25a~25cは、本体11の形状(凹部又は凸部の形成等)又は線図の印刷により形成される。
【0032】
液体収容容器6Bは、本体11により前側部6aに形成された係合部24aと、本体11により後側部6fに形成された係合部24bとを有する。係合部24a及び24bは、筐体101の内側に形成された係合部(不図示)と係合して、液体収容容器6Bの固定と位置決めをする。
【0033】
液体収容容器6Bは底部6eの側にインクを収容する収容室26を有し、天部6dの側にバッファ室29a~29eを有する。収容室26はバッファ室29a~29eを介して大気連通部23と連通している。バッファ室29a~29eは収容室26から大気連通部23へインクが流れて液体収容容器6Bの外部に漏れることを防止する。
【0034】
収容室26は、本体11と封止部材12とによって画定される。本体11は、収容室26を形成する構成として、開口部26cを有する周壁部26a、26b、26d~26fを有し、開口部26cが封止部材12によって封止されることで液密な収容室26が形成される。周壁部26a、26b、26d~26fは、それぞれ、収容室26の前壁部、左壁部、上壁部、底壁部、後壁部を形成する。開口部26cは、本体11の右側部に開口しており、封止部材12は収容室26の右壁部を形成する。
【0035】
周壁部(上壁部)26dは、収容室26とその上方の空間であるバッファ室29a~29eとを区画する。また、周壁部(上壁部)26dは、その上方の空間である注入通路28と連通部26d’(
図7(B)参照)において連通しており、注入通路28は注入部21と連通している。注入通路28は本体11と封止部材12とによって画定される。注入部21から注入されたインクは、注入通路28を通って収容室26に流入し、貯留される。周壁部(左壁部)26bは、液体収容容器6Bの左側部6bの下部を形成し、かつ、外側(左側)に突出した突出部26gを有している。突出部26gは窓部108に突出している。記録装置1の外部からユーザは、透光性を有する突出部26gを介して収容室26のインク残量を視認できる。また、突出部26gを形成したことで、収容室26のインク収容空間を拡張することができる。
【0036】
収容室26内には、本体11により形成される複数のリブ27が配置されている。リブ27は周壁部(左壁部)26bから開口部26cに近い位置まで延設されており、封止部材12を内側から支えるようにして、その凹凸の発生を低減する。
【0037】
収容室26に最大量のインクが収容された場合、その液面は上限表示部25aの位置に略一致する。出口部22は上限表示部25aよりも高い位置にある。したがって、収容室26に最大量のインクが収容された場合、インクの液面よりも出口部22は上方に位置しており、出口部22からインクが漏出することはない。
【0038】
バッファ室29a~29eは、本体11と封止部材13とによって画定される。本体11は、バッファ室29a~29eを個別に形成する、左側部に開口した周壁部を有しており、その開口部を封止部材13で封止することで、各バッファ室29a~29eが形成される。
【0039】
図6(A)及び
図6(B)に加えて
図7(A)及び
図7(B)を参照して液体収容容器6Bが備える流路について説明する。
【0040】
流路31は、収容室26と出口部22とを連通する流路である。流路31は、液体収容容器6Bの左側部6bに形成されている。具体的には、流路31は、本体11の周壁部(左壁部26b)に形成された溝31cと、溝31cを封止する封止部材13とによって画定されている。流路31は、D3方向に延設する部分とD1方向に延設する部分とを有し、全体としてL字型を有している。流路31の一方の端部31aは、収容室26の側の端部であり、周壁部(左壁部26b)の前部で下部を貫通して収容室26に開口している。流路31の他方の端部31bは、出口部22の側の端部であり、出口部22に連通している。
【0041】
流路32は、注入通路28とバッファ室29aとを連通する流路である。流路32は、液体収容容器6Bの左側部6bに形成されている。具体的には、流路32は、本体11に形成された溝32cと、溝32cを封止する封止部材13とによって画定されている。流路32の一方の端部32aは、注入通路28の側の端部であり、注入通路28に開口している。端部32aは、注入通路28の左側の壁部から右側に突出した突起部に形成されている。流路32の他方の端部32bは、バッファ室29aの側の端部であり、バッファ室29aに開口している。
【0042】
流路33は、バッファ室29aとバッファ室29bとを連通する流路である。流路33は、液体収容容器6Bの右側部6cに形成されている。具体的には、流路33は、本体11に形成された溝33cと、溝33cを封止する封止部材12とによって画定されている。流路33の一方の端部33aは、バッファ室29aの側の端部であり、バッファ室29aに開口している。流路33の他方の端部33bは、バッファ室29bの側の端部であり、バッファ室29bに開口している。
【0043】
流路34は、バッファ室29bとバッファ室29cとを連通する流路である。流路34は、液体収容容器6Bの右側部6cに形成されている。具体的には、流路34は、本体11に形成された溝34cと、溝34cを封止する封止部材12とによって画定されている。流路34の一方の端部34aは、バッファ室29bの側の端部であり、バッファ室29bに開口している。流路34の他方の端部34bは、バッファ室29cの側の端部であり、バッファ室29cに開口している。
【0044】
流路35は、バッファ室29cとバッファ室29dとを連通する流路である。流路35は、液体収容容器6Bの右側部6cに、曲がりくねって形成されている。具体的には、流路35は、本体11に形成された溝35cと、溝35cを封止する封止部材12とによって画定されている。流路35の一方の端部35aは、バッファ室29cの側の端部であり、バッファ室29cに開口している。端部35aは、バッファ室29cの右側の壁部から左側に突出した突起部に形成されている。流路35の他方の端部35bは、バッファ室29dの側の端部であり、バッファ室29dに開口している。
【0045】
流路36は、バッファ室29dとバッファ室29eとを連通する流路である。流路36は、液体収容容器6Bの右側部6cに形成されている。具体的には、流路36は、本体11に形成された溝36cと、溝36cを封止する封止部材12とによって画定されている。流路36の一方の端部36aは、バッファ室29dの側の端部であり、バッファ室29dに開口している。流路36の他方の端部36bは、バッファ室29eの側の端部であり、バッファ室29eに開口している。バッファ室29eは大気連通部23と連通している。
【0046】
なお、収容室26と大気連通部23とを連通させる、各流路32~36には、気液分離膜を設けてもよい。これにより収容室26から大気連通部23へインクが流出する際、大気連通部23から外部へインクが漏出することを低減することができる。
【0047】
<液体収容容器6Yの構造>
液体収容容器6Yの構造について、
図5(A)及び
図5(B)に加えて、
図8(A)及び
図8(B)を参照して説明する。
図8(A)及び
図8(B)は液体収容容器6Yの分解斜視図である。なお、液体収容容器6C及び6Mは液体収容容器6Yと同じ構造であるため、説明を省略する。
【0048】
液体収容容器6Yは、液体収容容器6Bと基本的に同じ構造を有しているが、左右の幅が狭い点と、左右の構成を入れ替えた点、及び、支持部41aを備えた点が異なっている。このため、各図において液体収容容器6Yの各構成のうち、液体収容容器6Bが備える構成と同様の構成については同じ符号を付している。なお、支持部41aは不図示のハーネスを支持する部分である。
【0049】
液体収容容器6Yは、全体として直方体形状の外形を有し、前側部6a、左側部6b、右側部6c、天部6d、底部6e及び後側部6fを有する。前側部6aと後側部6fは互いに反対側の側部であり、左側部6bと右側部6cとは互いに反対側の側部である。左側部6bと右側部6cとの位置を比較すると、左側部6bは記録ヘッド9の側の、装置内側の側部であり、右側部6cは反対側の装置外側の側部である。すなわち左側部6bは、記録ヘッド9により記録が行われる記録領域側の側部である。後側部6fはD3方向の途中の部位で段差が設けられており、液体収容容器6YのD1方向の幅は、天部6dの側で短く、底部6eの側で長い。
【0050】
液体収容容器6Yは、液体収容容器6Bの本体11に相当する本体41と、本体41に固着される、液体収容容器6Bの封止部材12に相当する封止部材43と、本体41に固着される、液体収容容器6Bの封止部材13に相当する封止部材42と、を有する。
【0051】
本実施形態の封止部材42及び43は、可撓性を有するフィルムであり、本体41に接着又は溶着により固着されている。封止部材43は、液体収容容器6Yの右側部6cに配置されており、本体41の右側部の開口や溝を覆って封止する。封止部材42は、液体収容容器6Yの左側部6bに配置されており、本体41の左側部の開口や溝を封止する。本体41は樹脂製の中空構造体であり、以下の各構成を形成する形成部材である。本体41、封止部材42及び43はいずれも透光性を有する部材であり、液体収容容器6Yの内部を外部から視認可能である。これらの部材は有色透明であってもよいし、無色透明であってもよい。
【0052】
液体収容容器6Yは、本体41により天部6dに形成された筒状の注入部21を有する。カバー103を開放すると注入部21が露出する。インクを補充する場合、注入部21からインクを注入する。注入部21には取り外し可能な蓋20が取り付けられる。本体41の天部6dには、注入部21の周囲に溝21aが形成されている。溝21aは、インクの補充時に注入部21の外側に垂れ落ちたインクを受け取る。
【0053】
液体収容容器6Yは、本体41により後部6fの段差部に形成された筒状の出口部22を有する。出口部22は、液体収容容器6Yに収容されたインクの出口であって、インクを記録ヘッド9へ流出させるための液体導出口である。出口部22にはチューブ5が接続され、液体収容容器6Yに収容されたインクは出口部22からチューブ5を介して記録ヘッド9へ供給される。
【0054】
液体収容容器6Yは、本体41により天部6dに形成された筒状の大気連通部23を有する。大気連通部23は液体収容容器6Y内を大気に連通させ、収容されるインクの流出に伴って気液交換を行うための連通口である。
【0055】
液体収容容器6Yは、本体41により前側部6aに形成されたインク視認面25を有する。インク視認面25は、その背後の収容室26に収容されたインクの残量をユーザが外部(窓部107及び109)から視認するための透光面である。インク視認面25には、インクの補充タイミングとなる残量の下限の目安を示す下限表示部25b、インクを補充するときの上限の目安を示す上限表示部25a、及び、回復装置4による回復動作が可能な残量の目安を示す表示部25cが形成されている。これらの表示部25a~25cは、本体41の形状(凹部又は凸部の形成等)又は線図の印刷により形成される。
【0056】
液体収容容器6Yは、本体41により前側部6aに形成された係合部24aと、本体41により後側部6fに形成された係合部24bとを有する。係合部24a及び24bは、筐体101の内側に形成された係合部(不図示)と係合して、液体収容容器6Yの固定と位置決めをする。
【0057】
液体収容容器6Yは底部6eの側にインクを収容する収容室26を有し、天部6dの側にバッファ室29a~29eを有する。収容室26はバッファ室29a~29eを介して大気連通部23と連通している。バッファ室29a~29eは収容室26から大気連通部23へインクが流れて液体収容容器6Yの外部に漏れることを防止する。
【0058】
収容室26は、本体41と封止部材42とによって画定される。本体41は、収容室26を形成する構成として、開口部26cを有する周壁部26a、26b、26d~26fを有し、開口部26cが封止部材42によって封止されることで液密な収容室26が形成される。周壁部26a、26b、26d~26fは、それぞれ、収容室26の前壁部、右壁部、上壁部、底壁部、後壁部を形成する。開口部26cは、本体41の左側部に開口しており、封止部材42は収容室26の左壁部を形成する。
【0059】
周壁部(上壁部)26dは、収容室26とその上方の空間であるバッファ室29a~29eとを区画する。また、周壁部(上壁部)26dは、その上方の空間である注入通路28と連通部26d’(
図9(B)参照)において連通しており、注入通路28は注入部21と連通している。注入通路28は本体41と封止部材42とによって画定される。注入部21から注入されたインクは、注入通路28を通って収容室26に流入し、貯留される。周壁部(右壁部)26bは、液体収容容器6Yの右側部6cの下部を形成し、かつ、外側(右側)に突出した突出部26gを有している。突出部26gは窓部109に突出している。記録装置1の外部からユーザは、透光性を有する突出部26gを介して収容室26のインク残量を視認できる。また、突出部26gを形成したことで、収容室26のインク収容空間を拡張することができる。
【0060】
収容室26内には、本体41により形成される複数のリブ27が配置されている。リブ27は周壁部(右壁部)26bから開口部26cに近い位置まで延設されており、封止部材42を内側から支えるようにして、その凹凸の発生を低減する。
【0061】
収容室26に最大量のインクが収容された場合、その液面は上限表示部25aの位置に略一致する。出口部22は上限表示部25aよりも高い位置にある。したがって、収容室26に最大量のインクが収容されても出口部22からインクが漏出することはない。
【0062】
バッファ室29a~29eは、本体41と封止部材43とによって画定される。本体41は、バッファ室29a~29eを個別に形成する、右側部に開口した周壁部を有しており、その開口部を封止部材43で封止することで、各バッファ室29a~29eが形成される。
【0063】
図8(A)及び
図8(B)に加えて
図9(A)及び
図9(B)を参照して液体収容容器6Yが備える流路について説明する。
【0064】
流路31は、収容室26と出口部22とを連通する流路である。流路31は、液体収容容器6Yの右側部6cに形成されている。具体的には、流路31は、本体41の周壁部(右壁部26b)に形成された溝31cと、溝31cを封止する封止部材43とによって画定されている。流路31は、D3方向に延設する部分とD1方向に延設する部分とを有し、全体としてL字型を有している。流路31の一方の端部31aは、収容室26の側の端部であり、周壁部(右壁部26b)の前部で下部を貫通して収容室26に開口している。流路31の他方の端部31bは、出口部22の側の端部であり、出口部22に連通している。
【0065】
流路32は、注入通路28とバッファ室29aとを連通する流路である。流路32は、液体収容容器6Yの右側部6cに形成されている。具体的には、流路32は、本体41に形成された溝32cと、溝32cを封止する封止部材43とによって画定されている。流路32の一方の端部32aは、注入通路28の側の端部であり、注入通路28に開口している。端部32aは、注入通路28の右側の壁部から左側に突出した突起部に形成されている。流路32の他方の端部32bは、バッファ室29aの側の端部であり、バッファ室29aに開口している。
【0066】
流路33は、バッファ室29aとバッファ室29bとを連通する流路である。流路33は、液体収容容器6Yの左側部6bに形成されている。具体的には、流路33は、本体41に形成された溝33cと、溝33cを封止する封止部材42とによって画定されている。流路33の一方の端部33aは、バッファ室29aの側の端部であり、バッファ室29aに開口している。流路33の他方の端部33bは、バッファ室29bの側の端部であり、バッファ室29bに開口している。
【0067】
流路34は、バッファ室29bとバッファ室29cとを連通する流路である。流路34は、液体収容容器6Yの左側部6bに形成されている。具体的には、流路34は、本体41に形成された溝34cと、溝34cを封止する封止部材42とによって画定されている。流路34の一方の端部34aは、バッファ室29bの側の端部であり、バッファ室29bに開口している。流路34の他方の端部34bは、バッファ室29cの側の端部であり、バッファ室29cに開口している。
【0068】
流路35は、バッファ室29cとバッファ室29dとを連通する流路である。流路35は、液体収容容器6Yの左側部6bに、曲がりくねって形成されている。具体的には、流路35は、本体41に形成された溝35cと、溝35cを封止する封止部材42とによって画定されている。流路35の一方の端部35aは、バッファ室29cの側の端部であり、バッファ室29cに開口している。端部35aは、バッファ室29cの左側の壁部から右側に突出した突起部に形成されている。流路35の他方の端部35bは、バッファ室29dの側の端部であり、バッファ室29dに開口している。
【0069】
流路36は、バッファ室29dとバッファ室29eとを連通する流路である。流路36は、液体収容容器6Yの左側部6bに形成されている。具体的には、流路36は、本体41に形成された溝36cと、溝36cを封止する封止部材42とによって画定されている。流路36の一方の端部36aは、バッファ室29dの側の端部であり、バッファ室29dに開口している。流路36の他方の端部36bは、バッファ室29eの側の端部であり、バッファ室29eに開口している。バッファ室29eは大気連通部23と連通している。
【0070】
なお、収容室26と大気連通部23とを連通させる、各流路32~36には、気液分離膜を設けてもよい。これにより収容室26から大気連通部23へインクが流出する際、大気連通部23から外部へインクが漏出することを低減することができる。
【0071】
<記録装置の姿勢>
記録装置1が使用時以外の姿勢となった場合に、インクの漏れが抑制される仕組みについて説明する。
図10(A)は記録装置1が使用時の姿勢である場合の、液体収容容器6及びキャリッジ2(及び記録ヘッド9)の配置を模式的に示している。各液体収容容器6には収容室26に最大量のインク10が収容されている。この姿勢において、D2方向におけるキャリッジ2の側を内側、反対側を外側と呼ぶとすると、各液体収容容器6の流路31はその液体収容容器6の外側に位置し、収容室26の壁部を形成する封止部材12及び42は内側に位置している。
【0072】
封止部材12及び42は収容室26の壁部を形成しているため、その破損はインク漏れに直結する。本実施形態の封止部材12及び42は、フィルムであるため、傷がつきやすい。仮に、封止部材12及び42が液体収容容器6の外側に位置しているとすると、液体収容容器6Bや液体収容容器6Yを組み付ける際に、筐体101の内壁面やその周囲の構成と接触して、封止部材12及び42に傷が付く可能性がある。また、使用時においては、窓部108、109を介して外部の異物と接触する可能性もある。本実施形態では、封止部材12及び42が液体収容容器6の内側に配置される構成であるため、封止部材12及び42の保護性能を向上することができ、これらに傷がつくことを構造的に抑制することができる。
【0073】
また、流路31が液体収容容器6の外側に位置していることは、記録装置1が使用時以外の姿勢となった場合のインクの漏れ抑制に寄与する。以下、
図10(A)の使用時の姿勢(インクは最大量)から別の姿勢に変化した場合のインクの漏れ抑制について、記録装置1の姿勢毎に場合を分けて説明する。
【0074】
まず、キャリッジ2がホームポジションに位置している場合について説明する。キャリッジ2は、正常に記録装置1の動作が終了した場合、ホームポジションで停止するように制御される。
【0075】
図10(B)は記録装置1の右側部が下、左側部が上となった姿勢の例を示している。この姿勢では液体収容容器6Bが上側に位置し、液体収容容器6C、6M、6Y及びキャリッジ2が下側に位置する。
【0076】
この姿勢の場合、液体収容容器6C、6M、6Yと記録ヘッド9のインク吐出面9aとの高さの差は小さい。したがって、インク吐出面9aにおいてメニスカスが壊れていたとしても、液体収容容器6C、6M、6Yに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。
【0077】
一方、液体収容容器6Bは記録ヘッド9のインク吐出面9aよりも高い位置にある。しかし、液体収容容器6Bの流路31は収容室26よりも高い位置にある。換言すると、流路31の端部31aは、収容室26のインクの液面よりも上方に位置している。したがって、流路31が収容室26のインクによって満たされることはなく、出口部22からインクが外部に流出しない。結果、液体収容容器6Bに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞も小さい。
【0078】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。逆に、放置開始時より外気圧が下がる場合(例えば、記録装置1が高地へ輸送された場合や、記録装置1の設置地域に熱帯低気圧が到来など)は、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。
【0079】
この場合、液体収容容器6Bについては、流路32が左側部6bに形成されており、収容室26及び注入通路28よりも高い位置にあるため、インクによって満たされない。したがって、大気連通部23からのインクが漏れる虞は小さい。
【0080】
液体収容容器6C、6M、6Yについては、流路32が右側部6cに形成されており収容室26及び注入通路28よりも低い位置にあるため、インクで満たされ得る。しかし、流路32の端部32aが突起部に設けられているため、注入通路28においてインクの液位が突起部の高さ以上にならないと、流路32にインクが流入しない。まずはこの段階で流路32に流入するインクの量を減らすことができる。また、流路33~36は、左側部6bに形成されているため、収容室26及び注入通路28よりも高い位置にある。よって、インクが流入しない。したがって、大気連通部23からのインクが漏れる虞も小さい。
【0081】
図10(C)は記録装置1の左側部が下、右側部が上となった姿勢の例を示している。この姿勢では液体収容容器6C、6M、6Y及びキャリッジ2が上側に位置し、液体収容容器6Bが下側に位置する。
【0082】
この姿勢の場合、液体収容容器6C、6M、6Yと記録ヘッド9のインク吐出面9aとの高さの差は小さい。したがって、インク吐出面9aにおいてメニスカスが壊れていたとしても、液体収容容器6C、6M、6Yに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。また、液体収容容器6Bは記録ヘッド9のインク吐出面9aよりも低い位置にあるため、液体収容容器6Bに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞も小さい。
【0083】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。放置開始時より外気圧が下がる場合、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。
【0084】
この場合、液体収容容器6C、6M、6Yについては、流路32が右側部6cに形成されており、収容室26及び注入通路28よりも高い位置にあるため、インクによって満たされない。したがって、大気連通部23からのインクが漏れる虞は小さい。
【0085】
液体収容容器6Bについては、流路32が左側部6bに形成されており収容室26及び注入通路28よりも低い位置にあるため、インクで満たされ得る。しかし、流路32の端部32aが突起部に設けられているため、注入通路28においてインクの液位が突起部の高さ以上にならないと、流路32にインクが流入しない。まずはこの段階で流路32に流入するインクの量を減らすことができる。また、流路33~36は、右側部6cに形成されているため、収容室26及び注入通路28よりも高い位置にある。よって、インクが流入しない。したがって、大気連通部23からのインクが漏れる虞も小さい。
【0086】
図11(A)は記録装置1の前部が下、後部が上となった姿勢を例示している。この姿勢ではキャリッジ2が上側に位置し、液体収容容器6が下側に位置する。液体収容容器6よりも記録ヘッド9のインク吐出面9aが高い位置にあるため、インク吐出面9aにおいてメニスカスが壊れていたとしても、液体収容容器6に収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。また、出口部22は収容室26に収容されたインクの液面よりも高い位置にあり、出口部22からインクが流出することもない。
【0087】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。放置開始時より外気圧が下がる場合、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。
【0088】
しかし、流路32の端部32aが、液体収容容器6の前側部6aよりも高い位置に位置することから、注入通路28においてインクの液位が端部32aの高さ以上にならないと、流路32にインクが流入しない。まずはこの段階で流路32に流入するインクの量を減らすことができる。また、バッファ室29a~29e及び流路33~36は、注入通路28よりも高い位置にある。これらの一部の空間にインクが流入してそれ以上、液位が上がらない結果、大気連通部23からのインクが漏れる虞も小さい。
【0089】
図11(B)は記録装置1の前部が上、後部が下となった姿勢を例示している。この姿勢では液体収容容器6が上側に位置し、キャリッジ2が下側に位置する。しかし、流路31の端部31aが収容室26の高い位置に位置することになることから、収容室26のインクが流路31に流入する虞は小さい。換言すると、流路31の端部31aは、収容室26のインクの液面よりも上方に位置している。
【0090】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。放置開始時より外気圧が下がる場合、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。
【0091】
しかし、注入通路28及び流路32の端部32aが、高い位置に位置することになるから、収容室26のインクが注入通路28及び流路32に流入する虞は小さい。したがって、大気連通部23からのインクが漏れる虞も小さい。
【0092】
図14(A)は記録装置1の天地が反転した姿勢を例示している。この姿勢の場合、液体収容容器6と記録ヘッド9のインク吐出面9aとの高さの差は小さいため、インク吐出面9aにおいてメニスカスが壊れていたとしても、液体収容容器6に収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。また、流路31の端部31aが収容室26の高い位置に位置するため、流路31が収容室26のインクによって満たされることはなく、出口部22からインクが外部に流出しない。この点からも、液体収容容器6に収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞も小さい。
【0093】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。放置開始時より外気圧が下がる場合、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。
【0094】
収容室26のインクは注入通路28に流入するが、流路32の端部32aが、液体収容容器6の上部6dから離れた高い位置に位置することから、注入通路28においてインクの液位が端部32aの高さ以上にならないと、流路32にインクが流入しない。まずはこの段階で流路32に流入するインクの量を減らすことができる。また、流路33~35の端部33a~35aも各バッファ室29a~29cの高い位置に位置することから、バッファ室29a~29cの一部の空間にインクが流入してそれ以上、液位が上がらない結果、大気連通部23からのインクが漏れる虞も小さい。
【0095】
次に、キャリッジ2が移動範囲でホームポジションと反対側の端部(
図4(B)の位置)に位置し、インク吐出面9aにおいてノズルのメニスカスが壊れている場合を説明する。上記の通り、キャリッジ2は通常、ホームポジションに位置することになるが、記録装置1の動作がエラーで終了した場合や、停電の発生によってキャリッジ2がホームポジション以外の位置で停止した状態となり得る。この場合、インク吐出面9aがキャップ4aで覆われず、インク吐出面9aのノズルのメニスカスが壊れる可能性が高まることになる。
【0096】
図12(A)は記録装置1の右側部が下、左側部が上となった姿勢の例を示している。この姿勢では液体収容容器6B及びキャリッジ2が上側に位置し、液体収容容器6C、6M、6Y及びキャリッジ2が下側に位置する。
【0097】
この姿勢の場合、液体収容容器6Bと記録ヘッド9のインク吐出面9aとの高さの差は小さいため、液体収容容器6Bに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。また、液体収容容器6C、6M、6Yは記録ヘッド9よりも低い位置にあるため、液体収容容器6C、6M、6Yに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。
【0098】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。逆に、放置開始時より外気圧が下がる場合は、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。この場合、
図10(B)の例で説明した理由と同じ理由で、各液体収容容器6のインクが大気連通部23から漏れる虞は小さい。
【0099】
図12(B)は記録装置1の左側部が下、右側部が上となった姿勢の例を示している。この姿勢では液体収容容器6C、6M、6Yが上側に位置し、液体収容容器6B及びキャリッジ2が下側に位置する。
【0100】
この姿勢の場合、液体収容容器6Bと記録ヘッド9のインク吐出面9aとの高さの差は小さいため、液体収容容器6Bに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。
【0101】
一方、液体収容容器6C、6M、6Yは記録ヘッド9のインク吐出面9aよりも高い位置にある。しかし、液体収容容器6C、6M、6Yの各流路31は収容室26よりも高い位置にある。換言すると、流路31の端部31aは、収容室26のインクの液面よりも上方に位置している。したがって、流路31が収容室26のインクによって満たされることはなく、出口部22からインクが外部に流出しない。結果、液体収容容器6C、6M、6Yに収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞も小さい。
【0102】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。逆に、放置開始時より外気圧が下がる場合は、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。この場合、
図10(C)の例で説明した理由と同じ理由で、各液体収容容器6のインクが大気連通部23から漏れる虞は小さい。
【0103】
図13(A)は記録装置1の前部が下、後部が上となった姿勢を例示している。この姿勢ではキャリッジ2が上側に位置し、液体収容容器6が下側に位置する。液体収容容器6よりも記録ヘッド9のインク吐出面9aが高い位置にあるため、液体収容容器6に収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。また、出口部22は収容室26に収容されたインクの液面よりも高い位置にあり、出口部22からインクが流出することもない。
【0104】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。逆に、放置開始時より外気圧が下がる場合は、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。この場合、
図11(A)の例で説明した理由と同じ理由で、各液体収容容器6のインクが大気連通部23から漏れる虞は小さい。
【0105】
図13(B)は記録装置1の前部が上、後部が下となった姿勢を例示している。この姿勢では液体収容容器6が上側に位置し、キャリッジ2が下側に位置する。しかし、流路31の端部31aが収容室26の高い位置に位置することになることから、収容室26のインクが流路31に流入する虞は小さい。換言すると、流路31の端部31aは、収容室26のインクの液面よりも上方に位置している。
【0106】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。逆に、放置開始時より外気圧が下がる場合は、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。この場合、
図11(B)の例で説明した理由と同じ理由で、各液体収容容器6のインクが大気連通部23から漏れる虞は小さい。
【0107】
図14(B)は記録装置1の天地が反転した姿勢を例示している。この姿勢の場合、液体収容容器6と記録ヘッド9のインク吐出面9aとの高さの差は小さいため、液体収容容器6に収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞は小さい。また、流路31の端部31aが収容室26の高い位置に位置するため、流路31が収容室26のインクによって満たされることはなく、出口部22からインクが外部に流出しない。この点からも、液体収容容器6に収容されたインクがインク吐出面9aから漏出する虞も小さい。
【0108】
また、この姿勢において記録装置1が長期間放置され、外気圧が変動する場合を説明する。例えば、放置開始時より外気圧が上がる場合は大気連通部23から液体収容容器6の内部に空気が流入する気圧状態となるため、インクの漏れは発生しない。逆に、放置開始時より外気圧が下がる場合は、収容室26のインクが、注入通路28からバッファ室29aに移動する気圧状態となる。この場合、
図14(A)の例で説明した理由と同じ理由で、各液体収容容器6のインクが大気連通部23から漏れる虞は小さい。
【0109】
以上のように、本実施形態において、記録装置1が使用時と異なる異方向姿勢となった場合においても、インク流出の虞を小さくでき、またインク漏れ量を低減させることができる。
【0110】
<他の実施形態>
上記実施形態では、記録ヘッド9がブラックインク用の記録ヘッドと、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク用の記録ヘッドとに分かれている例を例示したが、この構成に限定されず、4色が一体の記録ヘッドを用いてもよい。また、上記実施形態の収容室26やバッファ室29a~29eの数は一例であり、この数に限定されない。
【0111】
また、上記実施形態では、突出部26gを有する液体収容容器6を例示したが、突出部26gが無い構成であってもよい。また、前側部6aにインク視認面25を有する液体収容容器6を例示したが、インク視認面25は、左側部6bや右側部6c等、他の面に形成されてもよい。また、筐体101として、窓部104~109を有する例を例示したが、窓部がない構成も採用可能である。
【0112】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0113】
1 記録装置、6 液体収容容器、6b 左側部、6c 右側部、12 封止部材、13 封止部材、22 出口部、26 収容室、31 流路
【手続補正書】
【提出日】2024-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置であって、
カラーインクを吐出する第1ヘッドとブラックインクを吐出する第2ヘッドを搭載して移動するキャリッジと、
容器と、を備え、
前記容器は、
前記容器の第1壁部に封止部材により封止された開口を有し、前記カラーインクを収容する第1収容室と、
取り外し可能な蓋が取り付けられ前記第1収容室への前記カラーインクの注入を許容する注入部と、
前記注入部に前記蓋が取り付けられた状態で大気と連通し空気を収容する第2収容室と、
前記第1収容室に収容される前記カラーインクの上限量を示す上限表示部と、
前記記録装置の使用時の姿勢において前記上限表示部より高い位置に位置し、前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する連通部と、
前記容器の前記第1壁部と反対の第2壁部に形成され、前記カラーインクが流れる流路を形成するための溝と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
記録装置であって、
カラーインクを吐出する第1ヘッドとブラックインクを吐出する第2ヘッドを搭載して移動するキャリッジと、
容器と、を備え、
前記容器は、
前記容器の第1壁部に封止部材により封止された開口を有し、前記カラーインクを収容する第1収容室と、
取り外し可能な蓋が取り付けられ前記第1収容室への前記カラーインクの注入を許容する注入部と、
前記注入部に前記蓋が取り付けられた状態で大気と連通し空気を収容する第2収容室と、
前記記録装置の使用時の姿勢において前記第1収容室に最大量の前記カラーインクが収容された場合の液面よりも高い位置に位置し、前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する連通部と、
前記容器の前記第1壁部と反対の第2壁部に形成され、前記カラーインクが流れる流路を形成するための溝と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項3】
前記容器は、前記第1収容室に収容される前記カラーインクの下限量を示す下限表示部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記カラーインクは、前記第1ヘッドへ向けて前記流路を流れることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1ヘッドと前記容器を接続するチューブを備え、前記チューブは前記容器の出口部に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記注入部を覆うカバーを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記注入部は前記容器の天部に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記天部には前記注入部の周囲に第2溝が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
記録媒体を第1方向に搬送する搬送ローラを備え、
前記容器は前記第1方向において前記第1ヘッドの下流に設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記溝は前記封止部材により封止されないことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項11】
前記カラーインクは、シアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクのいずれかであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によれば、
記録装置であって、
カラーインクを吐出する第1ヘッドとブラックインクを吐出する第2ヘッドを搭載して移動するキャリッジと、
容器と、を備え、
前記容器は、
前記容器の第1壁部に封止部材により封止された開口を有し、前記カラーインクを収容する第1収容室と、
取り外し可能な蓋が取り付けられ前記第1収容室への前記カラーインクの注入を許容する注入部と、
前記注入部に前記蓋が取り付けられた状態で大気と連通し空気を収容する第2収容室と、
前記第1収容室に収容される前記カラーインクの上限量を示す上限表示部と、
前記記録装置の使用時の姿勢において前記上限表示部より高い位置に位置し、前記第1収容室と前記第2収容室とを連通する連通部と、
前記容器の前記第1壁部と反対の第2壁部に形成され、前記カラーインクが流れる流路を形成するための溝と、を有することを特徴とする記録装置が提供される。