(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016974
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/19 20180101AFI20240201BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240201BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20240201BHJP
F21W 103/40 20180101ALN20240201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240201BHJP
【FI】
F21S43/19
F21S43/14
F21W103:55
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:00
F21W103:45
F21W103:40
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119297
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】白石 寛光
(57)【要約】
【課題】発光モジュールの小型化を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられ、配線パターンを有する基板と;枠状を呈し、前記基板に設けられた枠部と;チップ状を呈し、前記枠部の内側に設けられ、前記配線パターンと電気的に接続された発光素子と;前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;前記枠部の外側に設けられ、前記配線パターンの実装パッドに接合された回路素子と;を具備している。車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合に、前記回路素子が接合された前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部が、前記枠部と重なっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられ、配線パターンを有する基板と;
枠状を呈し、前記基板に設けられた枠部と;
チップ状を呈し、前記枠部の内側に設けられ、前記配線パターンと電気的に接続された発光素子と;
前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;
前記枠部の外側に設けられ、前記配線パターンの実装パッドに接合された回路素子と;
を具備し、
車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合に、前記回路素子が接合された前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部が、前記枠部と重なっている車両用照明装置。
【請求項2】
前記枠部は、前記枠部の外面と、前記枠部の前記基板側の端部と、に開口する凹部を有し、
前記車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合に、前記凹部は、前記回路素子が接合された前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部と重っている請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記枠部の内面は、前記車両用照明装置の中心軸に直交する方向において、前記中心軸と、前記枠部の内面との間の距離が、前記枠部の、前記基板側とは反対側の端部に近づくに従い漸増する傾斜面であり、
前記枠部の外面は、前記枠部の内面と同じ方向に傾斜する傾斜面であり、
前記車両用照明装置の中心軸に沿った方向において、前記枠部の外面と、前記基板との間のスペースに、前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部が設けられている請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記枠部は、前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部を覆っている請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを備えた車両用照明装置に代えて発光ダイオードなどの発光素子を備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。例えば、ソケットと、ソケットの一方の端部側に設けられた発光モジュールと、を備えた車両用照明装置が提案されている。
【0003】
発光モジュールは、基板、基板の上に設けられたチップ状の発光素子、チップ状の発光素子を囲む枠部、および、枠部の内側に設けられ、チップ状の発光素子を覆う封止部を有している。また、基板には、抵抗やダイオードなどの回路素子が設けられる。回路素子は、枠部の外側に設けられ、配線パターンを介して、チップ状の発光素子と電気的に接続されている。回路素子が設けられていれば、チップ状の発光素子の保護や、車両用照明装置の多機能化を図ることができる。
【0004】
ここで、近年においては、車両用照明装置の小型化が求められている。この場合、発光モジュールの小型化を図れば、車両用照明装置を小型化することができる。しかしながら、前述した様に、枠部の内側にはチップ状の発光素子が設けられ、枠部の外側には回路素子が設けられている。そのため、単に、発光モジュールを小型化すると、チップ状の発光素子の数や大きさが制限されたり、回路素子の数や大きさが制限されたりすることになる。
そこで、発光モジュールの小型化を図ることができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-137959号公報
【特許文献2】特開2015-220034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、発光モジュールの小型化を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられ、配線パターンを有する基板と;枠状を呈し、前記基板に設けられた枠部と;チップ状を呈し、前記枠部の内側に設けられ、前記配線パターンと電気的に接続された発光素子と;前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;前記枠部の外側に設けられ、前記配線パターンの実装パッドに接合された回路素子と;を具備している。車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合に、前記回路素子が接合された前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部が、前記枠部と重なっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、発光モジュールの小型化を図ることができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図2】比較例に係る発光モジュールを例示するための模式断面図である。
【
図3】本実施の形態に係る発光モジュールを例示するための模式断面図である。
【
図4】他の実施形態に係る発光モジュールを例示するための模式断面図である。
【
図5】枠部に設けられた凹部の形状を例示するための模式斜視図である。
【
図6】枠部に設けられた凹部の形状を例示するための模式斜視図である。
【
図7】他の実施形態に係る枠部を例示するための模式断面図である。
【
図8】他の実施形態に係る枠部を例示するための模式断面図である。
【
図9】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図1に示すように、車両用照明装置1には、例えば、ソケット10、発光モジュール20、および給電部30が設けられている。
【0013】
ソケット10は、例えば、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、例えば、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有する。
【0014】
バヨネット12は、例えば、装着部11の側面に設けられる。バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対向している。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を、例えば、後述する車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いられる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0015】
フランジ13は、例えば、板状を呈している。フランジ13は、例えば、略円板状を呈している。フランジ13の側面は、バヨネット12の側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
【0016】
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。
図1に例示をした放熱フィン14は、フランジ13の外縁に沿って1つ設けられている。また、例えば、板状、または筒状を呈する放熱フィンを複数設けることもできる。複数の放熱フィンは、例えば、所定の方向に並べて設けることができる。
【0017】
コネクタホルダ15は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。コネクタホルダ15は、放熱フィン14と並べて設けることができる。コネクタホルダ15は、筒状を呈し、内部にシール部材105aを有するコネクタ105が挿入される。
【0018】
ソケット10は、発光モジュール20、および給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有する。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。
ソケット10は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
【0019】
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、例えば、高熱伝導性樹脂から形成することもできる。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と、無機材料を用いたフィラーと、を含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン(Nylon)などの樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものである。
【0020】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法を用いて、ソケット10、給電部30、および、後述する伝熱部を一体成形することもできる。
【0021】
発光モジュール20(基板21)は、ソケット10の一方の端部側に設けられる。
発光モジュール20は、例えば、基板21、発光素子22、枠部23、封止部24、および回路素子25を有する。
基板21は、例えば、装着部11の凹部11aの底面に接着することができる。この場合、接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。
【0022】
基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形である。基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板などであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0023】
また、基板21の表面には、配線パターン21aが設けられている。配線パターン21aは、例えば、実装パッド21a1、接続バッド21a2、および実装パッド21a3を有する(例えば、後述する
図3などを参照)。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料などから形成される。
【0024】
また、基板21の、枠部23が設けられる領域の外側には、配線パターン21aや、後述する膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることができる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含んでいる。
【0025】
発光素子22は、基板21の上(基板21の、ソケット10側とは反対側の面)に設けられている。発光素子22は、枠部23の内側に設けられ、配線パターン21aと電気的に接続されている。発光素子22は、例えば、ダイアタッチ材やダイアタッチシートなどの接合材を用いて、実装パッド21a1に接合される。発光素子22は、少なくとも1つ設けることができる。
図1に例示をした車両用照明装置1には複数の発光素子22が設けられている。複数の発光素子22を設ける場合には、複数の発光素子22を直列接続することができる。
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどである。
【0026】
発光素子22は、チップ状の発光素子である。発光素子22がチップ状の発光素子であれば、発光素子22が設けられる領域を小さくすることができる。そのため、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により配線パターン21a(実装パッド21a1)に実装することができる。
【0027】
発光素子22は、上下電極型の発光素子、上部電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子のいずれであってもよい。発光素子22が上下電極型の発光素子、または上部電極型の発光素子である場合には、発光素子22の上部電極は、ワイヤ配線21bにより配線パターン21a(接続バッド21a2)と電気的に接続される(例えば、後述する
図3などを参照)。ワイヤ配線21bは、例えば、ワイヤボンディング法により、発光素子22の上部電極と、配線パターン21aの接続バッド21a2とに接続される。発光素子22がフリップチップ型の発光素子である場合には、発光素子22が配線パターン21a(実装パッド21a1)に直接接合される。
以下においては、一例として、発光素子22が上下電極型の発光素子である場合を説明する。
【0028】
なお、発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0029】
枠部23は、枠状を呈し、基板21の上に設けられている。枠部23は、発光素子22を囲んでいる。枠部23は、基板21に接着されている。そのため、枠部23と基板21の間には、接着層23aが形成されている(例えば、後述する
図3などを参照)。接着層23aは、接着剤が硬化したものであってもよいし、封止部24を形成する際に用いる樹脂が硬化したものであってもよい。
【0030】
枠部23は、例えば、樹脂から形成される。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。枠部23は、例えば、射出成形法や、切削加工などにより形成することができる。
【0031】
枠部23は、封止部24の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。そのため、枠部23は、反射率を向上させるために、酸化チタンの粒子などを含んでいたり、白色の樹脂を含んでいたりすることができる。枠部23が反射率の高い材料を含んでいれば、発光素子22から照射された光の利用効率を向上させることができる。また、枠部23が設けられていれば、封止部24が形成される範囲を小さくすることができるので、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0032】
封止部24は、枠部23の内側に設けられる。封止部24は、枠部23により囲まれた領域を覆うように設けられる。封止部24は、発光素子22とワイヤ配線21bを覆うように設けられる。封止部24は、透光性を有する樹脂を含んでいる。封止部24は、例えば、枠部23の内側に樹脂を充填することで形成される。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行われる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などである。
【0033】
また、封止部24には蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)などとすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0034】
回路素子25は、発光素子22を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。回路素子25は、例えば、枠部23の外側に設けられている。回路素子25は、半田などの接合材を用いて、配線パターン21aの実装パッド21a3に接合されている(例えば、後述する
図3などを参照)。回路素子25は、例えば、少なくとも1つ設けることができる。
【0035】
回路素子25は、例えば、抵抗25a、保護素子25b、およびコンデンサ25cとすることができる。
ただし、回路素子25の種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22を有する発光回路の構成に応じて適宜変更することができる。例えば、回路素子25は、前述したものの他に、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ、集積回路、演算素子などであってもよい。
【0036】
抵抗25aは、基板21の上に設けられている。抵抗25aは、配線パターン21aと電気的に接続される。抵抗25aは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などである。膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO
2)である。なお、
図1に例示をした抵抗25aは、表面実装型の抵抗器である。
【0037】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子22に直列接続された抵抗25aにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗25aの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0038】
抵抗25aが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗25aを選択する。抵抗25aが膜状の抵抗器の場合には、抵抗25aの一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。なお、抵抗25aの数、大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0039】
保護素子25bは、基板21の上に設けられている。保護素子25bは、配線パターン21aと電気的に接続される。保護素子25bは、例えば、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けられる。保護素子25bは、例えば、ダイオードである。
図1に例示をした保護素子25bは、表面実装型のダイオードである。
【0040】
コンデンサ25cは、基板21の上に設けられている。コンデンサ25cは、配線パターン21aと電気的に接続される。コンデンサ25cは、例えば、ノイズ対策や電圧を平滑化させるために設けられる。
図1に例示をしたコンデンサ25cは、表面実装型のコンデンサである。
【0041】
回路素子25が表面実装型の素子であれば、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
その他、必要に応じて光学要素を設けることもできる。光学要素は、例えば、封止部24の上に設けることができる。光学要素は、例えば、凸レンズ、凹レンズ、導光体などである。
【0042】
給電部30は、例えば、複数の給電端子31、および保持部32を有する。
複数の給電端子31は、棒状体とすることができる。複数の給電端子31は、例えば、所定の方向に並べて設けられる。複数の給電端子31の一方の端部は、凹部11aの底面11a1から突出している。複数の給電端子31の一方の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと半田付けされる。複数の給電端子31の他方の端部は、コネクタホルダ15の孔の内部に露出している。コネクタホルダ15の孔の内部に露出する複数の給電端子31には、後述するコネクタ105が嵌め合わされる。複数の給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成される。なお、複数の給電端子31の数、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0043】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、アルミニウム合金などの金属や、炭素を用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、複数の給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、保持部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有する。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムを用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持する。保持部32は、例えば、絶縁性を有する樹脂から形成される。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔に圧入したり、孔の内壁に接着したりすることができる。
【0044】
また、発光モジュール20(基板21)と、ソケット10との間には、伝熱部を設けることもできる。例えば、伝熱部は、板状を呈し、熱伝導率の高い材料から形成される。伝熱部は、例えば、アルミニウム合金などの金属から形成される。伝熱部が設けられる場合には、基板21は伝熱部の上に接着される。
【0045】
伝熱部は、熱伝導率の高い接着剤を用いて、例えば、凹部11aの底面、凹部11aの底面に開口する凹部、凹部11aの底面に設けられた凸状の台座などに接着される。また、インサート成形法により、伝熱部とソケット10を一体に成形することもできる。また、熱伝導グリス(放熱グリス)を含む層を介して、伝熱部をソケット10に取り付けてもよい。なお、例えば、発光モジュール20において発生する熱が少ない場合や、ソケット10が金属から形成される場合などには、伝熱部を省くことができる。
【0046】
ここで、近年においては、車両用照明装置1の小型化が求められている。この場合、発光モジュール20の小型化を図れば、車両用照明装置1を小型化することができる。
【0047】
図2は、比較例に係る発光モジュール120を例示するための模式断面図である。
図2に示す様に、発光モジュール120は、例えば、基板21、発光素子22、枠部123、封止部24、および回路素子25を有する。
枠部123は、枠状を呈し、基板21の上に接着されている。枠部123と基板21との間には、膜状の接着層123aが形成されている。枠部123の内側には発光素子22が設けられている。枠部123の外側には回路素子25が設けられている。
【0048】
この場合、枠部123の内側に設けられる発光素子22の数を少なくしたり、発光素子22の大きさを小さくしたりすれば、枠部123の内壁を枠部123の中心側に寄せることができる。そのため、枠部123の小型化、ひいては発光モジュール120の小型化を図ることができる。しかしながら、発光素子22の数や大きさを制限すれば、発光モジュール120から照射される光の全光束が不足したり、所定の配光特性が得られなくなったりするおそれがある。
【0049】
また、枠部123の外側に設けられる回路素子25の数を少なくしたり、回路素子25の大きさを小さくしたりすれば、基板21の、枠部123の外側の領域を小さくすることができる。そのため、基板21の小型化、ひいては発光モジュール120の小型化を図ることができる。しかしながら、回路素子25の数や大きさを制限すれば、発光素子22の保護が図れなくなったり、車両用照明装置1の多機能化が図れなくなったりするおそれがある。
【0050】
図3は、本実施の形態に係る発光モジュール20を例示するための模式断面図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る発光モジュール20においては、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、回路素子25が接合された実装パッド21a3の少なくとも一部が、枠部23と重なっている。この様にすれば、基板21の、枠部23の外側の領域を小さくすることができる。そのため、発光モジュール20の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。また、回路素子25の数や大きさが制限されるのを抑制することができる。
【0051】
なお、枠部23と、実装パッド21a3との位置関係を説明したが、枠部23と、回路素子25とが干渉しないようにすることもできる。例えば、回路素子25の厚みが薄い場合などには、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、回路素子25の少なくとも一部が、枠部23と重なるようにすることもできる。この様にすれば、基板21の、枠部23の外側の領域をさらに小さくすることができる。そのため、発光モジュール20のさらなる小型化、ひいては車両用照明装置1のさらなる小型化を図ることができる。
【0052】
この場合、枠部23は、例えば、以下の様にして基板21に接着することができる。
例えば、基板21の、発光素子22、およびワイヤ配線21bが設けられた領域を囲む様に接着剤を枠状に塗布し、枠状の接着剤の上に枠部23を載せて接着剤を硬化させる。接着剤を硬化させる際には、枠部23を基板21の上方の所定の位置に維持する。また、枠部23と基板21との間に所定の隙間を設けた状態で、枠部23の内側に樹脂を充填して、封止部24を形成するとともに、枠部23を基板21の上方の所定の位置に接着することもできる。
【0053】
また、
図3に示すように、枠部23の、基板21側の端部に凸部23dを設けることもできる。車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、凸部23dは、実装パッド21a3と重ならない位置に設けることができる。枠部23を接着する際には、凸部23dを基板21に接触させることができる。凸部23dが基板21に接触していれば、枠部23の位置を安定させることができる。この場合、複数の凸部23dが設けられていれば、枠部23の位置をさらに安定させることができる。前述した様に、枠部23はリフレクタの機能を有する場合がある。枠部23がリフレクタの機能を有している場合に、枠部23の位置を安定させることができれば、配光特性が変動するのを抑制することができる。
【0054】
図4は、他の実施形態に係る発光モジュール20aを例示するための模式断面図である。
図4に示すように、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、回路素子25が接合された実装パッド21a3の少なくとも一部が、枠部23と重なっている。また、枠部33には、凹部33a(33a1)が設けられている。凹部33a(33a1)は、枠部33の外面33bと、枠部33の基板21側の端部とに開口している。例えば、枠部33は、前述した枠部23に凹部33a(33a1)をさらに設けたものとすることができる。車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、凹部33a(33a1)は、回路素子25が接合された実装パッド21a3の少なくとも一部と重っている。
【0055】
また、回路素子25の厚みが薄い場合などには、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、回路素子25の少なくとも一部が、枠部23と重なっていてもよい。この場合、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、凹部33a(33a1)は、回路素子25の少なくとも一部と重っていてもよい。
【0056】
図5は、枠部33に設けられた凹部33aの形状を例示するための模式斜視図である。
図5に示すように、凹部33aは、実装パッド21a3と重なる部分、または、回路素子25と重なる部分にのみ設けることができる。なお、枠部33の外面33bに沿って複数の凹部33aを設けることもできる。凹部33aが、枠部33の外面33bの所定の領域にのみ設けられていれば、枠部33の剛性が低下するのを抑制することができる。
【0057】
図6は、枠部33に設けられた凹部33a1の形状を例示するための模式斜視図である。
図6に示すように、凹部33a1は、枠部33の外面33bと、枠部33の基板21側の端部とに開口している。
図5に例示をした凹部33aは、枠部33の外面33bの所定の領域にのみ設けられている。これに対して、凹部33a1は、環状を呈し、枠部33の外面33bに沿って1つ設けられている。環状を呈する凹部33a1を設ければ、複数種類の実装パッド21a3の位置、または複数種類の回路素子25の位置に対応することができる。そのため、枠部33の兼用化を図ることができる。
【0058】
凹部33a(33a1)が設けられていれば、基板21の、枠部33の外側の領域をさらに小さくすることができる。そのため、発光モジュール20aのさらなる小型化、ひいては車両用照明装置1のさらなる小型化を図ることができる。
【0059】
ここで、前述した様に、枠部はリフレクタの機能を有する場合がある。例えば、
図2に例示をした比較例に係る発光モジュール120においては、発光素子22から出射し、枠部123の内面123bに入射した光が、内面123bにより反射されて、封止部24から出射する。この場合、枠部123の内面123bと、発光素子22の光の出射面との間の角度θ1が小さいと、内面123bにより反射され、封止部24と外気との界面に入射する光の入射角が大きくなる。そのため、封止部24と外気との界面に入射した光が反射されやすくなるので、光の取り出し効率の向上が図れなくなるおそれがある。
【0060】
図7は、他の実施形態に係る枠部43を例示するための模式断面図である。
図7に示すように、枠部43の内面43bは傾斜面となっている。車両用照明装置1の中心軸1aに直交する方向において、中心軸1aと、枠部43の内面43bとの間の距離は、枠部43の基板21側とは反対側の端部に近づくに従い漸増している。
【0061】
この場合、枠部43の内面43bと、発光素子22の光の出射面との間の角度θを大きくすれば、内面43bにより反射され、封止部24と外気との界面に入射する光の入射角を小さくすることができる。そのため、封止部24と外気との界面に入射した光が反射され難くなるので、光の取り出し効率を向上させることができる。
本発明者の得た知見によれば、「115°≦θ≦150°」とすれば、光の取り出し効率の向上を図ることができる。
【0062】
ここで、単に、角度θを大きくすれば、車両用照明装置1の中心軸1aに直交する方向における枠部43の外形寸法が大ききなる。そのため、基板21の、枠部43の外側の領域が大きくなる。
【0063】
そこで、
図7に示すように、枠部43の外面43aは、傾斜面となっている。車両用照明装置1の中心軸1aに直交する方向において、中心軸1aと、枠部43の外面43aとの間の距離は、枠部43の基板21側とは反対側の端部に近づくに従い漸増している。すなわち、外面43aは、内面43bと同じ方向に傾斜する傾斜面とすることができる。この場合、外面43aは、内面43bと平行とすることもできる。
【0064】
この様にすれば、
図7に示すように、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向において、枠部43の外面43aと、基板21の上面との間にスペースを設けることができる。そのため、枠部43の外面43aと、基板21の上面との間にスペースに、実装パッド21a3の少なくとも一部、または回路素子25の少なくとも一部を設けることができる。
すなわち、車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、回路素子25が接合された実装パッド21a3の少なくとも一部、または回路素子25の少なくとも一部が、枠部43と重なるようにすることができる。
本実施の形態に係る枠部43とすれば、車両用照明装置1の小型化を図ることができ、且つ、光の取り出し効率の向上を図ることができる。
【0065】
図8は、他の実施形態に係る枠部53を例示するための模式断面図である。
図8に示すように、枠部53は、枠状を呈し、基板21の、発光素子22、およびワイヤ配線21bが設けられた領域を囲んでいる。車両用照明装置1の中心軸1aに沿った方向から見た場合に、回路素子25が接合された実装パッド21a3の少なくとも一部、または回路素子25の少なくとも一部が、枠部53と重なっている。
【0066】
前述した枠部23、33、43は、実装パッド21a3、および、回路素子25には接触していない。これに対して、枠部53は、実装パッド21a3の少なくとも一部、または回路素子25の少なくとも一部を覆っている。
【0067】
この様な枠部53は、以下の様にして形成することができる。例えば、基板21の、発光素子22、およびワイヤ配線21bが設けられた領域を囲む様に、軟化させた樹脂を枠状に塗布する。この際、実装パッド21a3の少なくとも一部、または回路素子25の少なくとも一部が、枠状に塗布された樹脂により覆われる様にする。枠状に塗布された樹脂を硬化させることで、実装パッド21a3の少なくとも一部、または回路素子25の少なくとも一部を覆う枠部53を形成することができる。
【0068】
例えば、熱可塑性樹脂を加熱して軟化させた樹脂を枠状に塗布することができる。例えば、ホットメルト装置を用いて、熱可塑性樹脂を枠状に塗布することができる。また、溶剤などを用いて軟化させた樹脂を枠状に塗布することができる。例えば、ディスペンサなどを用いて、軟化させた樹脂を枠状に塗布することができる。この場合、樹脂の枠状の塗布は、複数回に分けて行うことができる。例えば、基板21の上に樹脂を枠状に塗布し、枠状に塗布された樹脂の上に、樹脂を枠状に塗布することができる。
【0069】
枠部53とすれば、基板21の、枠部53の外側の領域を小さくすることができる。そのため、基板21の小型化、ひいては発光モジュールの小型化を図ることができる。また、枠部53の形成が容易となるので、車両用照明装置1の生産性の向上や製造コストの低減を図ることができる。
【0070】
なお、軟化させた樹脂を枠状に塗布して枠部53を形成すると、枠部53の形状がばらつく場合がある。枠部53の形状がばらつくと、配光特性がばらつくおそれがある。これに対して、枠部23、33、43は、前述した様に、射出成形法や、切削加工などにより形成することができる。そのため、枠部23、33、43とすれば、枠部23、33、43の形状がばらつくのを抑制することができるので、配光特性がばらつくのを抑制することができる。
【0071】
枠部23、33、43、53は、例えば、要求される配光特性や、製造コストなどに応じて適宜選択することができる。
【0072】
(車両用灯具)
本発明の1つの実施形態において、車両用照明装置1を具備した車両用灯具100を提供することができる。前述した車両用照明装置1に関する説明、および車両用照明装置1の変形例(例えば、前述した枠部33、43、53など)は、いずれも車両用灯具100に適用することができる。
【0073】
また、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0074】
図9は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図9に示すように、車両用灯具100は、例えば、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素103、シール部材104、およびコネクタ105を有する。
【0075】
筐体101には、車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成される。筐体101の底面には、装着部11の、バヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられる。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられる。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0076】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、例えば、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0077】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられる。カバー102は、透光性樹脂などから形成される。カバー102は、レンズなどの機能を有することもできる。
【0078】
光学要素103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、
図9に例示をした光学要素103はリフレクタである。この場合、光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンを形成する。
【0079】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられる。シール部材104は、環状を呈し、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成される。
【0080】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間を密閉することができる。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0081】
コネクタ105は、コネクタホルダ15の内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、点灯回路などが電気的に接続される。そのため、コネクタ105を複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることで、点灯回路などと、発光素子22とを電気的に接続することができる。
【0082】
また、コネクタ105には、シール部材105aが設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が、コネクタホルダ15の内部に挿入された際には、コネクタホルダ15の内部が水密となるように密閉される。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0084】
以下、前述した実施形態に関する付記を示す。
【0085】
(付記1)
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられ、配線パターンを有する基板と;
枠状を呈し、前記基板に設けられた枠部と;
チップ状を呈し、前記枠部の内側に設けられ、前記配線パターンと電気的に接続された発光素子と;
前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;
前記枠部の外側に設けられ、前記配線パターンの実装パッドに接合された回路素子と;
を具備し、
車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合に、前記回路素子が接合された前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部が、前記枠部と重なっている車両用照明装置。
【0086】
(付記2)
前記枠部は、前記枠部の外面と、前記枠部の前記基板側の端部と、に開口する凹部を有し、
前記車両用照明装置の中心軸に沿った方向から見た場合に、前記凹部は、前記回路素子が接合された前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部と重っている付記1記載の車両用照明装置。
【0087】
(付記3)
前記枠部の内面は、前記車両用照明装置の中心軸に直交する方向において、前記中心軸と、前記枠部の内面との間の距離が、前記枠部の、前記基板側とは反対側の端部に近づくに従い漸増する傾斜面であり、
前記枠部の外面は、前記枠部の内面と同じ方向に傾斜する傾斜面であり、
前記車両用照明装置の中心軸に沿った方向において、前記枠部の外面と、前記基板との間のスペースに、前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部が設けられている付記1記載の車両用照明装置。
【0088】
(付記4)
前記枠部は、前記実装パッドの少なくとも一部、または前記回路素子の少なくとも一部を覆っている付記1記載の車両用照明装置。
【0089】
(付記5)
付記1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【符号の説明】
【0090】
1 車両用照明装置、1a 中心軸、10 ソケット、20 発光モジュール、21 基板、21a 配線パターン、21a3 実装パッド、22 発光素子、23 枠部、23b 外面、23c 内面、33 枠部、33a 凹部、33a1 凹部、33b 外面、33c 内面、43 枠部、43a 外面、43b 内面、53 枠部、53a 外面、53b 内面、100 車両用灯具、101 筐体