(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016976
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】配筋支援システム及び鉄筋加工支援方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240201BHJP
【FI】
G06F30/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119299
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(74)【代理人】
【識別番号】100227455
【弁理士】
【氏名又は名称】莊司 英史
(72)【発明者】
【氏名】大越 潤
(72)【発明者】
【氏名】三戸 景資
(72)【発明者】
【氏名】上中 登貴弥
(72)【発明者】
【氏名】佐脇 宗生
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DC06
5B146DE06
5B146DE13
5B146DG01
5B146DJ02
5B146DJ15
5B146EC04
5B146EC10
(57)【要約】
【課題】 従来と比較して、鉄筋工事を効率的に進めることができる配筋支援システム及び配筋支援方法を提供する。
【解決手段】 配筋支援システム1は、対象とする構造物10の構造データを入力する入力部2と、入力部2に入力された構造データから対象とする構造物10に対する配筋データを演算する演算部3と、演算部3が演算した結果から少なくとも構造物10に鉄筋20を設置した配筋モデルを表示する表示部4と、演算部3が演算した結果を調整する調整部5と、を備え、調整部5は、演算部3に調整後の配筋データを演算させるデータを送る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする構造物の構造データを入力する入力部と、
前記入力部に入力された構造データから前記対象とする構造物に対する配筋データを演算する演算部と、
前記演算部が演算した結果から少なくとも前記構造物に鉄筋を設置した配筋モデルを表示する表示部と、
前記演算部が演算した結果を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記演算部に調整後の配筋データを演算させるデータを送る
ことを特徴とする配筋支援システム。
【請求項2】
対象とする構造物の構造データを入力する入力部と、
前記入力部に入力された構造データから前記対象とする構造物に対する配筋データを演算する演算部と、
前記演算部が演算した結果から少なくとも前記構造物に鉄筋を設置した配筋モデルを表示し、配筋調整が必要な部分を明示する表示部と、
前記表示部が明示した部分を調整する調整部をさらに備え、
前記調整部は、前記配筋調整が必要な部分を調整し、前記演算部に調整後の配筋データを演算させるデータを送る
ことを特徴とする配筋支援システム。
【請求項3】
対象とする構造物の構造データを入力するステップと、
入力された前記構造データから前記対象とする構造物に対する配筋データを演算するステップと、
演算した結果から少なくとも前記構造物に鉄筋を設置した配筋モデルを表示し、配筋調整が必要な部分を明示するステップと、
前記配筋調整が必要な部分を調整するステップと、
調整後の配筋データを演算させるステップと、
を有する
ことを特徴とする配筋支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配筋支援システム及び鉄筋加工支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋配設工事において、鉄筋の納まり検討と加工は、2次元CAD等を用いて鉄筋工事業者が行っていた。一方、鉄筋の数量に関しては、ゼネコン等の元請けでは積算基準を元にした数量算出が行われ、鉄筋工事業者では実際に加工した所要数量の算出が行われている。元請けと鉄筋工事業者の鉄筋数量の算出基準の違いは、鉄筋数量の乖離を生じさせ、最終的な清算の段階で再度互いの数量を突き合わせる必要があった。
例えば、元請けの施工図に基づき作成された施工対象のBIMと鉄筋工事業者の加工図に基づき作成された加工部材のBIMを統合したBIMを作成する技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術によって、施工図と加工図とを作成する主体が異なる場合でも、加工時に従うべき加工図の情報が統合BIMに反映されることにより、統合BIMを用いて施工図への加工図の整合性を検証することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、元請けと鉄筋工事業者がそれぞれ重複してBIMを作成し、それらを付き合わせることは非効率である。
【0005】
本発明は、従来と比較して、鉄筋工事を効率的に進めることができる配筋支援システム及び鉄筋加工支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる配筋支援システムは、
対象とする構造物の構造データを入力する入力部と、
前記入力部に入力された構造データから前記対象とする構造物に対する配筋データを演算する演算部と、
前記演算部が演算した結果から少なくとも前記構造物に鉄筋を設置した配筋モデルを表示する表示部と、
前記演算部が演算した結果を調整する調整部と、
を備え、
前記調整部は、前記演算部に調整後の配筋データを演算させるデータを送る
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる配筋支援システム及び鉄筋加工支援方法によれば、従来と比較して、鉄筋工事を効率的に進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の配筋支援システムの構成図を示す。
【
図2】本実施形態の配筋支援システムに用いる構造物の一例を示す。
【
図3】本実施形態の配筋支援システムに用いる構造物の一例の鉄筋モデル図を示す。
【
図4】本実施形態の配筋支援システムが作成した鉄筋明細書を示す。
【
図5】本実施形態の配筋支援システムが作成した鉄筋数量書を示す。
【
図6】本実施形態の配筋支援システムが作成した絵符を示す。
【
図7】本実施形態の配筋支援システムが作成した配筋図を示す。
【
図8】本実施形態の鉄筋加工支援方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0010】
図1は、本実施形態の配筋支援システム1の構成図を示す。
図2は、本実施形態の配筋支援システム1に用いる構造物10の一例を示す。
【0011】
配筋支援システム1は、タブレット又はスマートフォン等の携帯端末、及び、コンピュータ等の情報機器で、構造物10への配筋を支援するものである。本実施形態の配筋支援システム1は、対象とする構造物10の構造データを入力する入力部2と、入力部2に入力された構造データから対象とする構造物10に対する配筋データを演算する演算部3と、演算部3が演算した結果から図及び表を表示する表示部4と、演算部3が演算した結果を調整する調整部5と、を備える。
【0012】
入力部2は、配筋の演算に必要な対象とする構造物10の構造データを入力する。本実施形態の構造データは、設計仕様のデータ及び配筋要領データ等でよい。入力部2は、データを入力できるキーボード、マウス等でよい。また、入力部2は、予め記憶されたデータを読み込むものでもよい。さらに、入力部2は、予め記憶されたデータを選択するタッチパネル又はタッチペン等でもよい。また、入力部2は、構造データをダウンロード等すると、自動的に入力されるものでもよい。
【0013】
設計仕様のデータは、構造関係基準に基づき必要な鉄筋量を算定した構造計算データである。本実施形態の配筋支援システム1は、設計仕様のデータ及び配筋要領データを入力することで作成されるBIM(Building Information Modeling)を用いる。BIMは、市販の一貫構造計算ソフトを用いて変換すればよく、変換後、柱又は梁等の部材の位置の調整をしてもよい。一貫構造計算ソフトは、建築基準法に規定される構造計算書に必要な項目を自動作成する。設計仕様のデータは、コンクリート強度、断面寸法、鉄筋強度(JIS用語では「種類の記号」後述する
図4では材質)、本数、及び、ピッチの情報を含む。なお、鉄筋の長さ、又は、位置等の情報のうち、少なくとも1つを含むと好ましい。
【0014】
演算部3は、入力部2に入力された構造データから、対象とする構造物10に対する配筋データを演算する。本実施形態の演算部3は、入力部2に入力された設計仕様のデータ、配筋要領データ及び調整データ等の少なくとも1つから対象とする構造物10の配筋データをBIMにアドオンされたプログラムによって演算する。演算部3は、プログラムを実行するCPU、プログラムを記憶するROM又はRAM等の内部メモリ等でよい。
【0015】
配筋要領データは、建物毎に変更される部分は少ないので、一般的に標準的な仕様が定められている。演算部3は、最初、その標準的な仕様を用いればよい。配筋要領データは、変更の必要がある場合、修正することは可能である。本実施形態の配筋要領データは、鉄筋の加工が少なくなるように考慮している。本実施形態の演算部3は、入力部2に入力された設計仕様のデータに配筋要領データをインポートすることで配筋データを演算する。
【0016】
図3は、本実施形態の配筋支援システム1に用いる構造物10の一例の鉄筋モデル図を示す。
図4は、本実施形態の配筋支援システム1が作成した鉄筋明細表を示す。
図5は、本実施形態の配筋支援システム1が作成した鉄筋数量書を示す。
図6は、本実施形態の配筋支援システム1が作成した絵符を示す。
図7は、本実施形態の配筋支援システム1が作成した配筋図を示す。
【0017】
表示部4は、演算部3が演算し作成した図表等を表示する。本実施形態の配筋支援システム1の表示部4は、
図3に示すように、BIMの構造物10に鉄筋20を設置した配筋状態を表示することができる。この時点で、表示部4は、鉄筋20同士が干渉している部分等の配筋調整が必要な部分を、明示することが好ましい。本実施形態の表示部4は、例えば、鉄筋20同士が干渉している部分等の配筋調整が必要な部分を、他の部分とは別の色、大きさ、矢印等で示したり、丸や角形等で囲んでもよい。
【0018】
このように表示部4が3次元空間上に鉄筋20を表示可能なので、視認性を高め、鉄筋20の納まり確認を効率良く実施することができる。
【0019】
また、表示部4は、
図4乃至
図7に示すような鉄筋明細表、鉄筋数量書、絵符及び配筋図のうち、少なくとも1つを出力することができる。
図4に示す鉄筋明細表(カットリスト)は、現場の同一加工長さの鉄筋毎に集計され、径毎と、定尺長さ毎に表示される。例えば、
図4に示す例では、径がD10、単位重量が0.56kg/m、材質がSD295A、メーカーがAAAの鉄骨は、少なくとも4.0mが40本、4.5mが240本必要であるとわかる。定尺長さ毎に集計されることで、どの定尺長さの鉄筋20が何本必要なのか明らかとなり、容易に材料を発注することができる。
【0020】
図5に示す鉄筋数量書は、部位や径毎に集計して表示する。例えば、
図5に示す例では、13Fのスラブに、USD685のS16高強度せん断補強筋が100本必要であるとわかる。
【0021】
図6に示す絵符は、加工帳を元に加工形状毎に実際の加工に用いる指示書として形状、径、本数等が表示される。例えば、
図6に示す例では、左上の物件名称○○地上Nの6-1工区43F床に5月6日の加工番号U-287の径N19の長さ4,000mmの鉄骨が127本必要であるとわかる。
【0022】
図7に示す配筋図は、柱や梁等の特定の部位に対して断面及び立面等に配筋状況を図示する。配筋図は、BIMを用いればよく、3次元又は2次元のCAD図でもよい。
【0023】
このように表示部4が図表を表示可能なので、設計仕様の鉄筋20と実際の加工に必要な鉄筋20の長さや配置の差異を確認することができる。また、表示部4は、鉄筋1本毎の長さ、加工形状、重量等を帳票形式で出力することができ、納まり検討段階から加工段階まで一貫した情報を利用することができる。
【0024】
図4乃至
図7に示す図表は、少なくとも調整部5の調整を行った後で表示できればよく、調整部5の調整を行う前に表示できるようにしてもよい。
【0025】
調整部5は、演算部3が演算した結果、又は、表示部4が表示した結果、を調整する必要があるか否か判定し、配筋の調整が必要であると判定した場合には、調整データを作成し、再び演算部3で演算させる。なお、調整する必要があるか否かを判定するのは、演算結果が出力された時点又は表示結果が出力された時点のうち少なくとも1つの時点でよい。
【0026】
本実施形態の調整部5は、演算結果又は表示結果に配筋の調整が必要な部分がある場合、その部分を調整する。調整部5は、干渉を回避する等の納まりを検討するため、1本ずつ個別に、鉄筋20の鉄筋の位置、長さ、断面寸法、鉄筋強度、本数、及び、ピッチの情報のうち、少なくとも1つを調整することができる。調整部5によって調整されたデータは、演算部3に送られる。演算部3は、調整部5から送られた調整データを考慮して再び演算を行うとよい。
【0027】
調整部5は、プログラムを実行するCPU、プログラムを記憶するROM又はRAM等の内部メモリ等でよい。調整部5による調整は、予めプログラミング等によって調整方法を決めておいてもよい。また、調整することが決定した時点で人手によって調整方法を決めて調整してもよい。
【0028】
例えば、演算部3で演算した際に柱主筋と梁主筋の干渉部分が確認された場合、調整部5は、梁主筋の位置を移動させるロジックを用いて干渉を回避させる。その後、演算部3で再度演算し、干渉部分があるか否かを確認する。また、表示部4において丸印等で干渉部分が表示された場合、調整部5は、梁主筋の位置を移動させるロジックを用いて干渉を回避させる。その後、再度演算部3において演算させた後、表示部4で干渉部分があるか否かを確認すればよい。
【0029】
具体的には、基準となる柱又は梁をロックして移動しないように固定し、その他の部分の移動させる演算を繰り返すことで全体の調整を図る。その他の部分は、移動させた後、1つずつ移動をロックして演算してもよく、まとめて移動をロックして演算してもよい。また、干渉を回避するための策は、少なくとも1種類、できれば複数提案できると好ましい。使用者は、提案された移動回避策から選択すればよい。なお、先に下層から上層までの柱の主筋の位置を決めて、その後各階の梁の主筋の位置を決めると好ましい。その後、再度演算部3において演算させた後、表示部4で干渉部分があるか否かを確認すればよい。
【0030】
さらに、表示部4において丸印等で干渉部分が表示された場合、使用者は、BIM上で手作業によって柱又は梁の位置を移動させて、鉄筋位置の調整を行い、干渉を回避させてもよい。例えば、基準となる柱又は梁をロックして移動しないように固定し、その他の部分の移動を繰り返すことで全体の調整を図る。その他の部分は、移動させた後、1つずつ移動をロックしてもよく、まとめて移動をロックしてもよい。また、干渉を回避するための策は、少なくとも1種類、できれば複数提案できると好ましい。使用者は、提案された移動回避策から選択すればよい。なお、先に下層から上層までの柱の主筋の位置を決めて、その後各階の梁の主筋の位置を決めると好ましい。その後、再度演算部3において演算させた後、表示部4で干渉部分があるか否かを確認すればよい。
【0031】
このような本実施形態の配筋支援システム1によれば、従来、元請けと鉄筋工事業者がそれぞれ重複してBIMを作成し、それらを付き合わせていた鉄筋20の納まり検討の問題を、元請けの構造設計段階で早期に解決することができ、従来と比較して、鉄筋20の納まり検討を効率的に進めることができる。
【0032】
次に、本実施形態の鉄筋加工支援方法について説明する。
【0033】
図8は、本実施形態の鉄筋加工支援方法のフローチャートを示す。
【0034】
本実施形態の鉄筋加工支援方法は、まず、ステップ1で、入力部2から構造物10の設計仕様のデータ及び配筋要領データ等の構造データを入力する(S1)。
【0035】
次に、ステップ2で、演算部3は、入力部2に入力されたデータから、対象とする構造物10に対する配筋データを演算する(S2)。
【0036】
次に、ステップ3で、調整部5は、演算部3が演算した結果を調整する必要があるか否かを判定する(S3)。ステップ3において、演算部3が演算した結果を調整する必要が無いと調整部5が判定した場合、ステップ4で、表示部4は、演算部3が演算した結果から図及び表等を表示する(S4)。
【0037】
次に、ステップ5で、調整部5は、表示部4が表示した結果を調整する必要があるか否かを判定する(S5)。ステップ5において、表示部4が表示した結果を調整する必要が無いと調整部5が判定した場合、表示部4は、演算部3が演算した結果から図及び表等を表示したまま制御を終了する。
【0038】
ステップ3において、演算部3が演算した結果を調整する必要があると調整部5が判定した場合、又は、ステップ5において、表示部4が表示した結果を調整する必要があると調整部5が判定した場合、ステップ6で、調整部5は、演算結果又は表示結果における配筋の調整が必要な部分を調整する(S6)。調整後は、ステップ2に戻る。
【0039】
このような本実施形態の鉄筋加工支援方法によれば、従来、元請けと鉄筋工事業者がそれぞれ重複してBIMを作成し、それらを付き合わせていた鉄筋20の納まり検討の問題を、元請けの構造設計段階で早期に解決することができ、従来と比較して、鉄筋20の納まり検討を効率的に進めることができる。
【0040】
以上、本実施形態の配筋支援システム1は、対象とする構造物10の構造データを入力する入力部2と、入力部2に入力された構造データから対象とする構造物10に対する配筋データを演算する演算部3と、演算部3が演算した結果から少なくとも構造物10に鉄筋20を設置した配筋モデルを表示する表示部4と、演算部3が演算した結果を調整する調整部5と、を備え、調整部5は、演算部3に調整後の配筋データを演算させるデータを送る。したがって、鉄筋工事に関連する設計者、施工者、鉄筋工事者の3者を情報連携によって繋ぎ、設計時の鉄筋20の納まり検討から、その施工検討、実際の鉄筋加工及び現場施工に至るまで、一貫した情報を利用することにより、従来と比較して、鉄筋工事を効率的に進めることができる。また、鉄筋20同士が干渉している部分等の配筋調整が必要な部分を早期の段階で迅速に調整することができる。
【0041】
また、本実施形態の配筋支援システム1は、対象とする構造物10の構造データを入力する入力部2と、入力部2に入力された構造データから対象とする構造物10に対する配筋データを演算する演算部3と、演算部3が演算した結果から少なくとも構造物10に鉄筋20を設置した配筋モデルを表示し、配筋調整が必要な部分を明示する表示部4と、表示部4が明示した部分を調整する調整部5と、を備え、調整部5は、配筋調整が必要な部分を調整し、演算部3に調整後の配筋データを演算させるデータを送る。したがって、鉄筋工事に関連する設計者、施工者、鉄筋工事者の3者を情報連携によって繋ぎ、設計時の鉄筋20の納まり検討から、その施工検討、実際の鉄筋加工及び現場施工に至るまで、一貫した情報を利用することにより、従来と比較して、鉄筋工事を効率的に進めることができる。また、配筋調整が必要な部分を一目で把握し、調整することができる。
【0042】
さらに、本実施形態の配筋支援方法は、対象とする構造物10の構造データを入力するステップと、入力された構造データから対象とする構造物10に対する配筋データを演算するステップと、演算した結果から少なくとも構造物10に鉄筋20を設置した配筋モデルを表示し、配筋調整が必要な部分を明示するステップと、配筋調整が必要な部分を調整するステップと、調整後の配筋データを演算させるステップと、を有する。したがって、鉄筋工事に関連する設計者、施工者、鉄筋工事者の3者を情報連携によって繋ぎ、設計時の鉄筋20の納まり検討から、その施工検討、実際の鉄筋加工及び現場施工に至るまで、一貫した情報を利用することにより、従来と比較して、鉄筋工事を効率的に進めることができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0044】
上記実施形態では、各実施形態の配筋支援システム1が有する特徴をそれぞれ説明したが、各実施形態の特徴を適宜組み合わせてもよく、例えば、任意の2つ以上を適宜組み合わせてもよいし、全てを組み合わせてもよい。
【0045】
上記実施形態では、配筋支援システム1が備える各部の機能は、1つの装置で実現されるものとして説明したが、各部の機能が複数の装置に分散されることで複数の装置で実現されてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…配筋支援システム、2…入力部、3…演算部、4…表示部、5…調整部、10…構造物、20…鉄筋