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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016977
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H02K3/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119300
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】594183299
【氏名又は名称】株式会社松尾製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100083998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 丈夫
(74)【代理人】
【識別番号】100096644
【弁理士】
【氏名又は名称】中本 菊彦
(72)【発明者】
【氏名】黒野 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】松尾 烈
(72)【発明者】
【氏名】竹下 直弥
(72)【発明者】
【氏名】久野 俊平
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA05
5H604AA08
5H604BB08
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC13
5H604DA15
5H604DB02
5H604PE06
5H604QB14
5H604QB15
(57)【要約】
【課題】動力線の耐久性を向上させることができるステータを提供する。
【解決手段】コイルのうちのコア2の軸線方向に突出したコイルエンド部12に接続された動力線14uと、コイルエンド部12を囲って形成されたモールド部18とを備えたステータであって、動力線14uは、コイルエンド部12に接続された一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された端子部と、一方の端部側の部分を所定方向に屈曲した屈曲部16uと、屈曲部16uの両端に亘って屈曲部16uを被覆した被覆部17uとを有し、モールド部18は、コイルエンド部12と、動力線14uのうちの一方の端部と、動力線14uのうちの被覆部17uの少なくとも一部とを一体に囲って形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に形成されたヨーク部と、前記ヨーク部の中心側に向けて突出するとともに、前記ヨーク部の円周方向に所定の間隔を空けて形成された複数のティース部とを有するコアと、前記ティース部の外周を囲って配置されたコイルと、前記コイルのうちの前記コアの軸線方向に突出したコイルエンド部に接続された動力線と、前記コイルエンド部を囲って形成されたモールド部とを備えたステータであって、
前記動力線は、前記コイルエンド部に接続された一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された端子部と、所定方向に屈曲した屈曲部と、前記屈曲部の両端に亘って前記屈曲部を被覆した被覆部とを有し、
前記モールド部は、前記コイルエンド部と、前記動力線のうちの一方の端部と、前記被覆部の少なくとも一部とを一体に囲って形成されている
ことを特徴とするステータ。
【請求項2】
請求項1に記載のステータであって、
前記被覆部は、前記屈曲部と前記一方の端部とをインサートモールドして形成されている
ことを特徴とするステータ。
【請求項3】
請求項1に記載のステータであって、
前記被覆部は、前記屈曲部と前記一方の端部とを被覆した熱収縮チューブと熱融着チューブとの少なくともいずれか一方を含む
ことを特徴とするステータ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のステータであって、
前記動力線は、前記一方の端部と前記他方の端部との間に複数箇所の屈曲部を有し、
前記被覆部は、前記複数箇所の屈曲部のうちの前記一方の端部側に最も近い部分を含む
ことを特徴とするステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータコアの軸線方向に突出したコイルエンド部に、動力線を接続して構成されたステータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ステータコアから軸線方向に突出したコイルエンド部に、動力線の一方の端部を溶接し、その溶接された接合部とコイルエンド部とを樹脂モールドによって固定したステータが記載されている。なお、インバータなどの外部電気回路に接続される端子が、動力線の他方の端部に連結されている。
【0003】
特許文献2には、コイルエンド部と動力線の一方の端部とが樹脂モールドによって一体に固定され、また樹脂モールド内または樹脂モールド外に設けられた引き出し線によって、コイルエンド部と動力線とが電気的に接続されたステータが記載されている。
【0004】
特許文献3には、ステータと、ステータの軸線方向における一方側の端部に設けられた円弧状のリテーナとをケースに固定することにより、リテーナの周長方向での中央部が、ステータを軸線方向に押圧するように弾性変形して固定されるように構成された電動機が記載されている。この電動機は、リテーナが設けられた領域から引き出し線が引き出されるとともに、コイルと一体に引き出し線がモールドされるように構成されている。
【0005】
なお、電線、熱収縮チューブ、保護チューブの3層構造とした温度センサ用配線の固定構造が、特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-068494号公報
【特許文献2】特開2019-161716号公報
【特許文献3】特開2017-127132号公報
【特許文献4】特開2010-081742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1ないし特許文献3に記載されたステータのように、コイルエンド部と動力線の端部とを樹脂モールドによって一体化して固定することにより、動力線を安定して固定することができる。一方、交流モータなどの複数の動力線をコイルエンド部に接続するステータは、電源に接続するための端子台に各動力線の一方に設けられた端子が固定される。そのため、通常、コイルエンド部に接続された端部と、端子が設けられた端部との間の少なくとも一部が、所定の方向に屈曲して構成される。そのように一方の端部がコイルエンド部に固定され、他方の端部が端子台に固定され、更に所定位置に屈曲部を有する動力線は、コイルエンド部と動力線との接合部を樹脂モールドで固定したとしても、ステータが振動することにより屈曲部に負荷(応力)が掛り、動力線の耐久性が低下する可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、動力線の耐久性を向上させることができるステータを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の目的を達成するために、環状に形成されたヨーク部と、前記ヨーク部の中心側に向けて突出するとともに、前記ヨーク部の円周方向に所定の間隔を空けて形成された複数のティース部とを有するコアと、前記ティース部の外周を囲って配置されたコイルと、前記コイルのうちの前記コアの軸線方向に突出したコイルエンド部に接続された動力線と、前記コイルエンド部を囲って形成されたモールド部とを備えたステータであって、前記動力線は、前記コイルエンド部に接続された一方の端部とは反対側の他方の端部に接続された端子部と、所定方向に屈曲した屈曲部と、前記屈曲部の両端に亘って前記屈曲部を被覆した被覆部とを有し、前記モールド部は、前記コイルエンド部と、前記動力線のうちの一方の端部と、前記被覆部の少なくとも一部とを一体に囲って形成されていることを特徴としている。
【0010】
本発明においては、前記被覆部は、前記屈曲部と前記一方の端部とをインサートモールドして形成されていてよい。
【0011】
本発明においては、前記被覆部は、前記屈曲部と前記一方の端部とを被覆した熱収縮チューブと熱融着チューブとの少なくともいずれか一方を含んでよい。
【0012】
本発明においては、前記動力線は、前記一方の端部と前記他方の端部との間に複数箇所の屈曲部を有し、前記被覆部は、前記複数箇所の屈曲部のうちの前記一方の端部側に最も近い部分を含んでよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コイルに接続される動力線は、所定方向に屈曲した屈曲部を備え、その屈曲部の両端に亘って被覆部によって被覆されている。したがって、屈曲部の断面二次モーメントを増加させて剛性を向上させることができる。また、被覆部によって動力線の固有値が向上することによって、振動した場合における動力線の振幅を低減することができる。そのため、動力性の耐久性を向上させることができる。さらに、本発明によれば、コイルエンド部と、そのコイルエンド部に接続される動力線の一方の端部と、被覆部の少なくとも一部とが、モールド部によって一体に囲われている。そのため、被覆部がモールド部によって保持されているため、屈曲部が振動することを抑制でき、動力線の耐久性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態におけるステータの一例を説明するための斜視図である。
図2図1におけるII-II線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明を具体化した場合の一例に過ぎないのであって、本発明を限定するものではない。
【0016】
本発明の実施形態におけるステータの一例を説明するための斜視図を図1に示してある。図1に示すステータ1は、三相交流型の電動機に使用されるステータであって、従来のステータと同様に、ステータコア2と、そのステータコア2に取り付けられたコイル3とを備えている。
【0017】
ステータコア2は、複数の鋼板4を積層して構成されている。それぞれの鋼板4は、円環状に形成されたヨーク部5と、そのヨーク部5の中心に向かって突出した複数のティース部6とを有し、ヨーク部5の外周面には、半径方向の外側に突出した取り付け部7が形成されている。この取り付け部7は、ステータコア2を図示しないケースに固定するとともに、積層された鋼板4を束ねるためのものであり、図1に示す例では、ヨーク部5の円周方向に所定の間隔を空けて複数の取り付け部7が形成され、それぞれの取り付け部7には、ステータコア2をケースに固定するための図示しないボルトが挿入される貫通孔8が形成されている。すなわち、ステータコア2をケースに取り付けることによって、それぞれのヨーク部5が軸線方向に拘束されるように構成されている。
【0018】
複数のティース部6は、ヨーク部5の円周方向に所定の間隔を空けて形成されている。言い換えると、ヨーク部5の円周方向で隣り合うティース部6同士の間に隙間(スロット)9が形成されている。すなわち、上記の取り付け部7の位相(回転方向の位置)を合わせることによって、それぞれの鋼板4に形成されたティース部6の位相も同一位置となるように構成されている。したがって、各鋼板4を位置決めして組み付けることによって、スロット9が、ステータコア2の軸線方向に貫通する。
【0019】
図1に示すコイル3は、断面が矩形状に形成された銅材の平角線10によって構成されている。具体的には、U字状に形成された複数の平角線10を、ステータコア2の半径方向に並べて配置し、平角線10における互いに対向した長軸部11をスロット9に挿入するように、ステータコア2の軸線方向における一方側(図1に示す下側)から各平角線10をティース部6に組み付け、さらに、ステータコア2の軸線方向における他方側に突出した部分を溶接することにより、複数の平角線10が一連の導線となるように構成されている。
【0020】
より具体的には、ステータコア2の軸線方向に突出した所定の平角線10における二つの端部のうちの一方の端部を、他の平角線10における一つの端部に接触するように折り曲げて溶接し、所定の平角線10における他方の端部を、更に他の平角線10における一つの端部に接触するように折り曲げて溶接してコイル3が構成されている。このようにそれぞれの平角線10を溶接して一連の導線とすることにより、ティース部6を囲うようにコイル3が構成されている。このように構成されたコイル3は、ステータコア2の軸線方向における両側に突出した部分を有し、以下の説明では、その突出した部分を「コイルエンド部12」と記す。
【0021】
なお、図1に示すステータ1は、三相交流型の電動機に用いるステータであって、U相、V相、W相の三つのセグメントに対応したコイル3がステータコア2の円周方向に交互に配置されている。したがって、同一のセグメントを構成する平角線10同士が、図示しない渡り線(またはバスバ)などによって、他の二つのセグメントを構成するコイル3を跨いで直列に接続されている。そして、各セグメントを構成するコイル3のそれぞれの端部は、図示しない中性点において互いに電気的に接続されている。また、各セグメントを構成するコイル3の他方の端部は、コイルエンド部12からステータコア2の半径方向の外側に引き出された引き出し線13が形成され、その引き出し線13に、動力線14が接続されている。すなわち、図1に示すステータ1は、三つの動力線14u,14v,14wを備えている。
【0022】
これらの動力線14u,14v,14wは、蓄電装置やインバータなどによって構成された図示しない電気機器とコイル3とを接続するためのものであって、断面が円形の銅材によって構成されている。そして、一方の端部にコイル3が連結され、他方の端部に電気機器の図示しない端子台に接続するための端子部15u,15v,15wが連結されている。
【0023】
図1に示す例では、端子台を小型化するために、端子部15u,15v,15w同士の間隔はコイル3に接続された部分の動力線14u,14v,14wの間隔よりも狭く形成されている。したがって、動力線14u,14v,14wは、コイル3に接続された端部と、端子部15u,15v,15wが連結された端部との間の部分をフォーミング加工によって屈曲して形成されている。具体的には、各セグメントのコイル3に接続された動力線14u,14v,14wは、コイル3に接続された部分からステータコア2の軸線方向に引き出され、その部分からステータコア2の円周方向に向けて屈曲し、さらにその先端がステータコア2の軸線方向に沿って屈曲して構成されている。なお、以下の説明では、ステータコア2の軸線方向に沿った部分からステータコア2の円周方向に向けて屈曲した部分、すなわち、コイル3に溶接する側に最も近い屈曲部を、単に「屈曲部16u,16v,16w」と記す。
【0024】
この動力線14u,14v,14wは、上記のように予め定められた方向に屈曲させるなどによって成型され、また一方の端部がコイル3に固定され、他方の端部が端子部15u,15v,15wを介して端子台に固定されている。したがって、電動機が振動すると、その振動によって動力線14u,14v,14wが振動して動力線14u,14v,14wを湾曲させるように荷重が作用する。特に、屈曲部16u,16v,16wの上側と下側との境界部分には、その境界部分を中心として上側の部分と下側の部分とでなす角度が増減し、また上側の部分に対して下側の部分が捩れるなどの荷重が作用するため、耐久性が低下する可能性がある。
【0025】
そのため、図1に示す動力線14u,14wは、屈曲部16u,16wを樹脂材料によって被覆して断面二次モーメントを増加させることにより、屈曲部16u,16wの剛性を向上させている。具体的には、屈曲部16u,16wを挟んで上下方向に亘って樹脂材料によってモールドすることによって被覆部17u,17wが形成されている。なお、図1に示す例では、V相のコイル3に接続された動力線14vは、屈曲する区間が他の動力線14u,14wと比較して短く、そのため、屈曲部16vに作用する荷重(またはモーメント)が比較的小さいと考えられる。したがって、動力線14vにおける屈曲部16vには、被覆部を形成していない。すなわち、屈曲部16u,16wと、その屈曲部16u,16wよりも端子部15u,15w側の屈曲箇所との間隔が予め定められた間隔以上となる動力線14u,14wに被覆部17u,17wを設けている。
【0026】
この被覆部17u,17wは、後述する浸漬樹脂部18を構成する樹脂材料と線膨張係数が略同一であり、かつ予め定められた強度を有する材料、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)やポリフタルアミド樹脂(PPA)によって構成されている。この被覆部17u,17wは、インサートモールド成型によって形成されている。すなわち、被覆部17u,17wは、屈曲部16u,16wを含む所定の範囲を樹脂材料にインサートすることによって成型されている。なお、動力線14u,14wのうちのコイル3に溶接する先端部分は、樹脂材料によって被覆されておらず、コイル3と電気的に接続されている。
【0027】
図1に示すステータ1は、上記のコイルエンド部12、コイル3と動力線14u,14v,14wとの溶接部19を絶縁するための浸漬樹脂部18を備えている。この浸漬樹脂部18は、本発明の実施形態における「モールド部」に相当する部分であって、コイルエンド部12、および溶接部19u,19v,19wを所定の樹脂材料に浸漬することによって形成されている。この樹脂材料は、例えば、コイル3の線膨張係数と略同一の線膨張係数であり、かつコイル3が昇温した場合であっても融解することがない熱硬化樹脂であるエポキシ樹脂などであってよい。
【0028】
さらに、この浸漬樹脂部18は、コイルエンド部12、および溶接部19u,19v,19wを絶縁する機能に加えて、被覆部17u,17wを保持する機能を備えている。図2には、その構成を説明するための断面図を示してある。図2に示すようにコイル3における端部が、ステータコア2の半径方向における外側に向けて屈曲していて、更にその先端がステータコア2の軸線方向における外側に向けて屈曲している。この略L字型に形成された先端部が、上記の引き出し線13となっていて、その引き出し線13の先端に動力線14uの端部(すなわち、非被覆部)が接触している。
【0029】
その動力線14uは、上述したようにステータコア2の軸線方向に沿って形成され、ステータコア2の半径方向外側の部分で円周方向に向けて屈曲しており、その屈曲部16uの上下両側に亘って被覆部17uが形成されている。そして、その被覆部17uの上端(コイルエンド部12側)が、図2に示すように浸漬樹脂部18に挿入されて、一体化されている。すなわち、コイルエンド部12や動力線14uの先端などとともに、樹脂材料に浸漬されてモールドされている。
【0030】
なお、図1に示す例では、コイルエンド部12の温度を検出するためのセンサ20が、浸漬樹脂部18の内側に設けられていて、そのセンサ20の信号を図示しない電子制御装置に出力するためのハーネス21が浸漬樹脂部18の下端から引き出されている。
【0031】
上述したように屈曲部16u,16wを被覆することによって、屈曲部16u,16wの断面二次モーメントを増加させて剛性を向上させることができる。また、被覆部17u,17wによって動力線14u,14wの固有値が向上することによって、電動機が振動した場合における動力線14u,14wの振幅を低減できる。さらに、被覆部17u,17wの上端を浸漬樹脂部18によって保持されているため、屈曲部16u,16wが振動することを抑制できる。その結果、電動機が振動することによる動力線14u,14wの耐久性の低下を抑制できる。
【0032】
また、動力線14u,14wとケースとを接近して配置したとしても、被覆部17u,17wが樹脂によって形成されているため、絶縁性を確保することができる。言い換えると、動力線14u,14wの振動を考慮してケースとステータコア2との距離を確保するなどの必要がなく、ケースを小型化することができる。
【0033】
さらに、動力線14u,14wを樹脂によって被覆し、その被覆部17u,17wを挿入した状態で、浸漬樹脂部18を成型することによって、浸漬した樹脂から突出する部分の断面積を大きくすることができる。その結果、樹脂が硬化する過程で浸漬樹脂部18が図1に示す上側に反ることを抑制することができる。すなわち、溶接部19と端子部15u,15wとの位置が変化することを抑制すること、ひいては、端子部15u,15wと端子台との位置度のバラツキを抑制できる。また、コイルエンド部12などを樹脂に浸漬した場合に、被覆部17u,17wを固定することができるため、上記の反りをより一層抑制することができる。
【0034】
なお、本発明の実施形態における被覆部は、上記のようにインサート成型したモールドによって構成されたものに限らず、例えば、屈曲部16u,16wを被覆する熱収縮チューブや熱融着チューブであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 ステータ
2 ステータコア
3 コイル
4 鋼板
5 ヨーク部
6 ティース部
9 スロット
10 平角線
11 長軸部
12 コイルエンド部
13 引き出し線
14u,14v,14w 動力線
15u,15v,15w 端子部
16u,16v,16w 屈曲部
17u,17w 被覆部
18 浸漬樹脂部
図1
図2