(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001698
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231227BHJP
B41J 29/50 20060101ALI20231227BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/12 308
G06F3/12 356
B41J29/50 Z
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100533
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】山崎 辰也
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AS02
2C061HJ07
2C061HK07
2C061HL03
2C061HL04
2C061HN05
2C061HN19
2C061HQ01
(57)【要約】
【課題】印刷データの行間、改行幅等を設定したり、画像を拡大又は縮小したりすることなく、媒体の余白幅を適正に変更することができるようにする。
【解決手段】媒体サイズを設定するステップと、印刷データに基づいて媒体に対して印刷を行った場合に、前記媒体の所定の縁に対して垂直の方向に形成される余白幅を解析するステップと、余白幅を調整するための調整項目に基づいて、媒体の第1の縁に対して垂直の方向に形成された第1の余白幅と、第2の縁に対して垂直の方向に形成される第2の余白幅とが異なると解析された場合に、第1、第2の余白幅を変更するための設定画面を表示部22に形成するステップとを前記情報処理装置に実行させる。媒体の余白幅を適正に変更し、適切な用紙設定で印刷を行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、画像形成装置において印刷を行うための機能を実行させるプログラムであって、
(a)印刷に使用される媒体の媒体サイズを設定するステップと、
(b)印刷データに基づいて、設定された前記媒体サイズの媒体に対して印刷を行った場合に、前記媒体の所定の縁に対して垂直の方向に形成される余白幅を解析するステップと、
(c)前記余白幅の解析において、前記情報処理装置が有する操作部が操作されることによって選択された、余白幅を調整するための調整項目に基づいて、前記媒体の第1の縁に対して垂直の方向に形成された第1の余白幅と、前記媒体の前記第1の縁と対向する第2の縁に対して垂直の方向に形成される第2の余白幅とが異なると解析された場合に、前記第1、第2の余白幅を変更するための設定画面を表示部に形成するステップとを前記情報処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1の余白幅に対する第2の余白幅の割合が所定の値以上であると解析された場合に、前記第1の余白幅と第2の余白幅との差が所定の長さ以下になるように、前記第1、第2の余白幅の推定結果を前記表示部に表示するステップを前記情報処理装置に実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
印刷データを所定の角度回転させて印刷を行った場合に、画像が、設定された前記媒体サイズの媒体に収まるかどうかを解析し、画像が、設定された前記媒体サイズの媒体に収まる場合に、前記第1、第2の余白幅の解析結果を前記表示部に表示するステップを前記情報処理装置に実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定の長さは0〔mm〕以上、かつ、20〔mm〕以下である請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記所定の長さは0〔mm〕以上、かつ、1〔mm〕以下である請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定の値は200〔%〕以上の値である請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定の角度は1〔°〕以上、かつ、359〔°〕以下である請求項3に記載のプログラム。
【請求項8】
(a)印刷に使用される媒体の媒体サイズを設定する設定処理部と、
(b)印刷データに基づいて、設定された前記媒体サイズの媒体に対して印刷を行った場合に、前記媒体の所定の縁に対して垂直の方向に形成される余白幅を解析する余白幅解析処理部と、
(c)前記媒体サイズの選択を受け付ける操作部と、
(d)前記余白幅の解析において、前記操作部が操作されることによって選択された、余白幅を調整するための調整項目に基づいて、前記媒体の第1の縁に対して垂直の方向に形成された第1の余白幅と、前記媒体の前記第1の縁と対向する第2の縁に対して垂直の方向に形成される第2の余白幅とが異なると解析された場合に、前記第1、第2の余白幅を変更するための設定画面を表示部に形成する画面表示処理部とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
前記請求項8に記載の情報処理装置と、該情報処理装置から送信された印刷データに従って印刷を行う画像形成装置とを有する画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、情報処理装置としてのホストコンピュータから印刷データが送られると、印刷データに基づいて媒体としての用紙に画像が形成されて印刷が行われるようになっている。
【0003】
ところで、前記ホストコンピュータにおいては、用紙上の印刷範囲のアスペクト比が適度な値になるように、印刷データの行間、改行幅等を設定したり、画像を拡大又は縮小したりすることによって、用紙上の印刷範囲外に形成される余白の幅、すなわち、余白幅を変更することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のホストコンピュータにおいては余白幅を適正に変更することができない場合がある。
【0006】
本発明は、前記従来のホストコンピュータの問題点を解決して、印刷データの行間、改行幅等を設定したり、画像を拡大又は縮小したりすることなく、媒体の余白幅を適正に変更することができるプログラム、情報処理装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明のプログラムは、情報処理装置に、画像形成装置において印刷を行うための機能を実行させるようになっている。
【0008】
そして、印刷に使用される媒体の媒体サイズを設定するステップと、印刷データに基づいて、設定された前記媒体サイズの媒体に対して印刷を行った場合に、前記媒体の所定の縁に対して垂直の方向に形成される余白幅を解析するステップと、前記余白幅の解析において、前記情報処理装置が有する操作部が操作されることによって選択された、余白幅を調整するための調整項目に基づいて、前記媒体の第1の縁に対して垂直の方向に形成された第1の余白幅と、前記媒体の前記第1の縁と対向する第2の縁に対して垂直の方向に形成される第2の余白幅とが異なると解析された場合に、前記第1、第2の余白幅を変更するための設定画面を表示部に形成するステップとを前記情報処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プログラムは、情報処理装置に、画像形成装置において印刷を行うための機能を実行させるようになっている。
【0010】
そして、印刷に使用される媒体の媒体サイズを設定するステップと、印刷データに基づいて、設定された前記媒体サイズの媒体に対して印刷を行った場合に、前記媒体の所定の縁に対して垂直の方向に形成される余白幅を解析するステップと、前記余白幅の解析において、前記情報処理装置が有する操作部が操作されることによって選択された、余白幅を調整するための調整項目に基づいて、前記媒体の第1の縁に対して垂直の方向に形成された第1の余白幅と、前記媒体の前記第1の縁と対向する第2の縁に対して垂直の方向に形成される第2の余白幅とが異なると解析された場合に、前記第1、第2の余白幅を変更するための設定画面を表示部に形成するステップとを前記情報処理装置に実行させる。
【0011】
この場合、媒体の所定の縁に対して垂直の方向に形成される余白幅の解析において、第1の余白幅と第2の余白幅とが異なると解析された場合に、第1、第2の余白幅を変更するための設定画面が表示部に形成されるので、印刷データの行間、改行幅等を設定したり、画像を拡大又は縮小したりすることなく、媒体の余白幅を適正に変更し、適切な用紙設定で印刷を行うことができる。
【0012】
したがって、画像品位を向上させることができるだけでなく、媒体が無用に消費されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施の形態におけるホストコンピュータの制御ブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における印刷システムを示す概念図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における表示部に形成される用紙設定画面の例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における印刷システムの動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における用紙、印刷範囲及び画像範囲の概念図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における用紙サイズを調整する場合の推奨値表示画面の例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における印刷位置を調整する場合の推奨値表示画面の例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における用紙サイズを調整して余白幅を変更する前と変更した後の画像の位置を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における印刷位置を調整して余白幅を変更する前と変更した後の画像の位置を示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施の形態における印刷システムの動作を示す第1のフローチャートである。
【
図11】本発明の第2の実施の形態における印刷システムの動作を示す第2のフローチャートである。
【
図12】本発明の第2の実施の形態における用紙、印刷範囲及び画像範囲の概念図である。
【
図13】本発明の第2の実施の形態における画像を回転させたときの用紙、印刷範囲及び画像範囲の概念図である。
【
図14】本発明の第2の実施の形態における画像を回転させて用紙サイズを調整する場合の推奨値表示画面の例を示す図である。
【
図15】本発明の第2の実施の形態における画像を回転させない場合に用紙に形成される画像の例を示す図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態における画像を回転させた場合に用紙に形成される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、プログラム、情報処理装置としての、かつ、上位装置としてのホストコンピュータ、画像形成装置としてのプリンタ、及び画像形成システムとしての印刷システムについて説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態における印刷システムを示す概念図である。
【0016】
図において、Syは印刷システムであり、該印刷システムSyは、ホストコンピュータPC、プリンタ10、及びホストコンピュータPCとプリンタ10とを接続する有線又は無線によるネットワークNtを備える。
【0017】
次に、ホストコンピュータPCについて説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるホストコンピュータの制御ブロック図である。
【0019】
ホストコンピュータPCは、プリンタ10の操作者が文書、イメージ等のファイルを作成するためのアプリケーション16、各種のデータ、情報等、本実施の形態においては、印刷設定及び印刷データが記録されるハードディスク等から成る記憶部としてのメモリ17、ホストコンピュータPCに、プリンタ10において印刷を行うための各機能を実行させるプログラムから成るプリンタドライバ18、図示されないキーボード、マウス等から成る操作部21、図示されないディスプレイ等から成り、操作者がGUI(グラフィカル操作者インタフェース)を認識するための表示部22等を備える。
【0020】
プリンタドライバ18は、設定処理部Pr1、入力処理部Pr2、画面表示処理部Pr3、印刷データ作成処理部Pr4、印刷データ送信処理部Pr5等の各処理部から成り、印刷データ作成処理部Pr4は、印刷データ生成処理部Pr11、余白幅解析処理部としての余白幅推定処理部Pr12、推奨情報解析処理部Pr13等を備える。
【0021】
前記設定処理部Pr1は、設定処理を行い、表示部22に形成された第1の設定画面としての図示されない印刷設定画面上に表示された事項について、操作者による操作部21の操作に基づいて一般的な印刷設定を行ったり、媒体設定画面としての、かつ、第2の設定画面としての後述される用紙設定画面ds1(
図3)上に表示された事項について、操作者による操作部21の操作に基づいて印刷に使用される媒体としての用紙Pの用紙サイズの設定、用紙P上の印刷位置の設定等の用紙設定を行ったりする。なお、前記設定処理部Pr1は、ホストコンピュータPCに、プリンタ10において印刷を行うための機能を実行させるステップにおいて前記用紙サイズの設定を行う。
【0022】
入力処理部Pr2は、入力処理を行い、操作者による操作部21の操作に基づいて各種のデータをホストコンピュータPCに入力する。
【0023】
画面表示処理部Pr3は、画面表示処理を行い、表示部22に前記印刷設定画面を形成し、該印刷設定画面に前記一般的な印刷設定の設定内容を表示したり、前記用紙設定画面ds1を形成し、用紙設定画面ds1に用紙設定を表示したり、第3、第4の設定画面としての後述される推奨値表示画面ds2(
図6)、ds3(
図7)を形成し、推奨値表示画面ds2、ds3に、操作者に推奨される設定値を表示したりする。
【0024】
印刷データ作成処理部Pr4は、印刷データ作成処理を行い、プリンタ10に送信する印刷データを作成する。
【0025】
印刷データ生成処理部Pr11は、印刷データ生成処理を行い、前記設定処理部Pr1によって行われた印刷設定に基づいて印刷データを生成する。
【0026】
余白幅推定処理部Pr12は、余白幅解析処理としての余白幅推定処理を行い、印刷データ、及び前記用紙設定において設定された用紙サイズ、印刷位置等に基づいて用紙Pに画像を形成し、印刷を行った場合に用紙Pに形成される印刷範囲外の余白の量を表す余白幅を解析し、推定する。
【0027】
推奨情報解析処理部Pr13は、推奨情報解析処理を行い、余白幅の解析結果(推定結果)を表す、余白幅を変更するための推奨値を算出する。
【0028】
印刷データ送信処理部Pr5は、印刷データ送信処理を行い、印刷データをプリンタ10に送信し、プリンタ10に印刷を行うよう指令する。
【0029】
前記メモリ17は、前記設定処理部Pr1によって行われた印刷設定、用紙設定等が記録された第1の記憶領域としての設定値記憶部Me1、印刷データ作成処理部Pr4によって作成された印刷データが記録された第2の記憶領域としての印刷データ記憶部Me2等を備える。
【0030】
ところで、用紙Pの種類、例えば、媒体サイズとしての用紙サイズによって余白幅を適正に変更することができない場合、用紙P上の画像の位置が偏り、画像品位が低くなるだけでなく、用紙Pが無用に消費されてしまう。
【0031】
また、用紙Pとして長尺状のロール紙等を使用し、任意の箇所でロール紙等をカットして画像を形成する場合には、操作者が指定した用紙Pが継続して使用されるので、画像品位が一層低くなり、用紙Pが一層無用に消費されてしまう。
【0032】
そこで、本実施の形態においては、用紙Pの設定及び印刷データに基づいて余白幅が解析され、推定され、推定された余白幅を変更することができるようになっている。
【0033】
次に、表示部22に形成される用紙設定画面ds1の例について説明する。
【0034】
図3は本発明の第1の実施の形態における表示部に形成される用紙設定画面の例を示す図である。
【0035】
図において、ds1は用紙設定画面であり、該用紙設定画面ds1は、操作者が、例えば、前記アプリケーション16において、印刷しようとする所定のドキュメントについて印刷メニューを指定し、プリンタドライバ18のプロパティを選択すると、画面表示処理部Pr3が表示部22に形成する印刷ダイアログである。
【0036】
用紙設定画面ds1には、用紙設定の設定状態が簡易的に表示されるプレビュー表示部Ar1、印刷に使用される用紙Pの寸法を表す用紙サイズ、及び印刷開始位置を調整するための印刷位置補正値が表示される用紙・印刷位置設定表示部Ar2、用紙設定の推定モードを有効にするかどうかの選択肢、及び後述される調整項目が表示される推定処理設定部Ar3等が形成されるとともに、用紙設定画面ds1における設定を保存するための操作要素としてのOKボタンbt1、及び用紙設定画面ds1における設定を取り消すための操作要素としてのキャンセルボタンbt2が表示される。
【0037】
前記用紙・印刷位置設定表示部Ar2の用紙サイズ欄には、リストボックスBx1に、日本工業規格で規定されたA列系統、B列系統等の用紙サイズがプルダウンで表示されるとともに、選択された用紙サイズの用紙長及び用紙幅が表示される。また、前記用紙・印刷位置設定表示部Ar2の印刷位置補正値欄には、選択された用紙サイズの用紙Pにおける印刷の開始位置である印刷位置の補正値がx座標及びy座標で表示される。そして、プレビュー表示部Ar1に、用紙P及び印刷範囲q1のイメージが表示されるとともに、用紙長、用紙幅、x座標及びy座標が矢印で表示される。
【0038】
推定処理設定部Ar3には、操作者が用紙設定の推定モードを有効にする場合にチェックマークを入れるためのチェックボックスBx2、並びに操作者が第1の調整項目としての用紙サイズを選択するためのラジオボタンRb1、及び操作者が第2の調整項目としての印刷位置を選択するためのラジオボタンRb2が表示される。
【0039】
次に、印刷システムSyの動作について説明する。
【0040】
図4は本発明の第1の実施の形態における印刷システムの動作を示すフローチャート、
図5は本発明の第1の実施の形態における用紙、印刷範囲及び画像範囲の概念図、
図6は本発明の第1の実施の形態における用紙サイズを調整する場合の推奨値表示画面の例を示す図、
図7は本発明の第1の実施の形態における印刷位置を調整する場合の推奨値表示画面の例を示す図、
図8は本発明の第1の実施の形態における用紙サイズを調整して余白幅を変更する前と変更した後の画像の位置を示す図、
図9は本発明の第1の実施の形態における印刷位置を調整して余白幅を変更する前と変更した後の画像の位置を示す図である。なお、
図8及び9において、(a)は余白幅を変更する前の画像の位置を示す図であり、(b)は余白幅を変更した後の画像の位置を示す図である。
【0041】
図5において、Pは用紙、Fegは用紙Pの前縁、Regは用紙Pの後縁、q1は印刷範囲、q2は印刷範囲q1内に形成される画像の範囲である画像範囲、Umは、用紙Pの所定の縁、本実施の形態においては、前縁Fegと印刷範囲q1との間に、前縁Fegに対して垂直方向に形成される余白の幅である第1の余白幅としての上部余白幅、Lmは、用紙Pの後縁Regと印刷範囲q1との間に、後縁Regに対して垂直方向に形成される余白の幅である第2の余白幅としての下部余白幅である。なお、前記前縁Fegは用紙Pの第1の縁を、後縁Regは用紙Pの第2の縁を構成する。
【0042】
操作者が操作部21(
図1)を操作し、プリンタ10(
図2)における印刷を指示すると、印刷データ生成処理部Pr11は、設定値記憶部Me1から印刷設定及び用紙設定を読み出し、印刷設定及び用紙設定に基づいて印刷データを生成し(ステップS1)、メモリ17の印刷データ記憶部Me2に記録する。この時点では、操作者が印刷設定画面上で設定した印刷設定、及び操作者が用紙設定画面ds1(
図3)上で設定した用紙設定に基づいた印刷データが生成される。
【0043】
続いて、余白幅推定処理部Pr12は、用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてチェックボックスBx2にチェックマークが入っているかどうかによって、用紙設定の推定モードが有効にされているかどうかを判断する(ステップS2)。
【0044】
推定処理設定部Ar3においてチェックボックスBx2にチェックマークが入っていて、用紙設定の推定モードが有効にされている場合、余白幅推定処理部Pr12は、余白幅推定処理を行い(ステップS3)、メモリ17の印刷データ記憶部Me2から印刷データを読み出し、印刷データ及び印刷設定に基づいて用紙Pに画像を形成して印刷を行った場合に形成される上部余白幅Umを上部推定余白幅として、下部余白幅Lmを下部推定余白幅として解析し、推定する。
【0045】
推定処理設定部Ar3においてチェックボックスBx2にチェックマークが入っておらず、用紙設定の推定モードが有効にされていない場合、印刷データ送信処理部Pr5は、印刷データ記憶部Me2から印刷データを読み出し、該印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS11)。
【0046】
そして、推奨情報解析処理部Pr13は、余白幅推定処理部Pr12によって解析され、推定された上部推定余白幅及び下部推定余白幅に基づいて、余分な余白があるかどうかを、上部余白幅Umと下部余白幅Lmとが異なるかどうかによって判断する(ステップS4)。上部余白幅Umと下部余白幅Lmとが異なり、例えば、推定上部余白幅に対して推定下部余白幅が2倍(百分率で表したときの200〔%〕)以上である場合、推奨情報解析処理部Pr13は余分な余白があると判断する。
【0047】
余分な余白がある場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を変更して上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にするに当たり、用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb1がクリックされているかどうかによって、用紙サイズを調整するかどうかを判断する(ステップS5)。
【0048】
用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb1がクリックされていて、用紙サイズを調整する場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を読み込むとともに、用紙・印刷位置設定表示部Ar2において設定された用紙長を読み込み、上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にするのに必要な用紙長を用紙長の推奨値として算出する(ステップS6)。この場合、前記上部余白幅Umに対する下部余白幅Lmの割合(百分率)が所定値、本実施の形態においては、200〔%〕以上である場合に、上部余白幅Umと下部余白幅Lmとの差が所定の長さ、本実施の形態においては、0〔mm〕以上、かつ、20〔mm〕以下、好ましくは、0〔mm〕以上、かつ、1〔mm〕以下になるように前記用紙長の推奨値が算出される。
【0049】
したがって、本実施の形態においては、上部余白幅Umと下部余白幅Lmとをほぼ均等にすることができるので、画像品位を向上させることができる。また、上部余白幅Umと下部余白幅Lmとをほぼ均等にすることができなくても、上部余白幅Umと下部余白幅Lmとの差が小さくなるので、画像品位を向上させることができる。
【0050】
一方、前記用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb2がクリックされていて、印刷位置を調整する場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を読み込むとともに、用紙・印刷位置設定表示部Ar2において設定された印刷位置を読み込み、上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にするのに必要な印刷位置を印刷位置の推奨値として算出する(ステップS7)。
【0051】
次に、画面表示処理部Pr3は、用紙サイズを調整することによって上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にする場合、表示部22に、
図6に示されるような推奨値表示画面ds2をポップアップで形成し、印刷位置を調整することによって上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にする場合、表示部22に、
図7に示されるような推奨値表示画面ds3をポップアップで形成する(ステップS8)。
【0052】
すなわち、画像表示処理部Pr3は、推奨値表示画面ds2において、余白幅表示部Ar4に上部推定余白幅及び下部推定余白幅を表示し、推奨情報表示部Ar5に、「上下の余白が均等になるように「用紙サイズ」を変更しますか?」等のような、操作者に用紙サイズの用紙設定の変更を促すメッセージm1、並びに変更前の用紙長Ls1、及び推奨値である変更後の用紙長Le1を表示するとともに、推奨値表示画面ds2における用紙設定の変更を保存するための操作要素としてのOKボタンbt3、及び推奨値表示画面ds2における用紙設定の変更を取り消すための操作要素としてのキャンセルボタンbt4を表示する。
【0053】
また、画面表示処理部Pr3は、推奨値表示画面ds3において、余白幅表示部Ar6に上部推定余白幅及び下部推定余白幅を表示し、推奨情報表示部Ar7に、「上下の余白が均等になるように「印刷位置」を変更しますか?」等のような、操作者に印刷位置の用紙設定の変更を促すメッセージm2、並びに変更前の印刷位置のY座標Ys、及び推奨値である変更後の印刷位置のY座標Yeを表示するとともに、推奨値表示画面ds3における用紙設定の変更を保存するための操作要素としてのOKボタンbt5、及び推奨値表示画面ds3における用紙設定の変更を取り消すための操作要素としてのキャンセルボタンbt6を表示する。
【0054】
続いて、印刷データ生成処理部Pr11は、操作者が、推奨値表示画面ds2においてOKボタンbt3を、推奨値表示画面ds3においてOKボタンbt5を押下し、用紙設定を変更したかどうかを判断する(ステップS9)。
【0055】
操作者が用紙設定を変更した場合、印刷データ生成処理部Pr11は、変更された用紙設定に基づいて、すなわち、推奨情報解析処理部Pr13によって算出された用紙長の推奨値、印刷位置の推奨値等に基づいて印刷データを生成し(ステップS10)、印刷データ送信処理部Pr5は、前記印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS11)。
【0056】
なお、画面表示処理部Pr3が用紙サイズを調整した場合、プリンタ10において、用紙Pに、
図8の(b)に示されるような画像が形成され、画面表示処理部Pr3が印刷位置を調整した場合、プリンタ10において、用紙Pに、
図9の(b)に示されるような画像が形成される。
【0057】
また、操作者が用紙設定を変更しなかった場合、印刷データ送信処理部Pr5は、変更前の印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS11)。
【0058】
さらに、例えば、推定上部余白幅に対して推定下部余白幅が2倍未満であり、余分な余白がないと判断された場合も、印刷データ送信処理部Pr5は、変更前の印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS11)。したがって、本実施の形態においては、複数のページにわたって印刷が行われる場合に、各ページに形成される画像に統一感を与えることができる。
【0059】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 印刷データ生成処理部Pr11は印刷設定及び用紙設定に基づいて印刷データを生成する。
ステップS2 余白幅推定処理部Pr12は用紙設定の推定モードが有効にされているかどうかを判断する。用紙設定の推定モードが有効にされている場合はステップS3に進み、用紙設定の推定モードが有効にされていない場合はステップS11に進む。
ステップS3 余白幅推定処理部Pr12は余白幅推定処理を行う。
ステップS4 推奨情報解析処理部Pr13は余分な余白があるかどうかを判断する。余分な余白がある場合はステップS5に進み、余分な余白がない場合はステップS11に進む。
ステップS5 推奨情報解析処理部Pr13は用紙サイズを調整するかどうかを判断する。用紙サイズを調整する場合はステップS6に進み、用紙サイズを調整しない場合はステップS7に進む。
ステップS6 推奨情報解析処理部Pr13は用紙長の推奨値を算出する。
ステップS7 推奨情報解析処理部Pr13は印刷位置の推奨値を算出する。
ステップS8 画面表示処理部Pr3は表示部22に推奨値表示画面ds2、ds3をポップアップで形成する。
ステップS9 印刷データ生成処理部Pr11は操作者が用紙設定を変更したかどうかを判断する。操作者が用紙設定を変更した場合はステップS10に進み、操作者が用紙設定を変更しなかった場合はステップS11に進む。
ステップS10 印刷データ生成処理部Pr11は印刷データを生成する。
ステップS11 印刷データ送信処理部Pr5は印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令し、処理を終了する。
【0060】
このように、本実施の形態においては、印刷データ、及び用紙設定において設定された用紙サイズ、印刷位置等に基づいて用紙Pに画像を形成し、印刷を行った場合に用紙Pに形成される印刷範囲外の余白の余白幅が解析され、前記上部余白幅Umと前記下部余白幅Lmとが異なると解析され、推定された場合に、前記上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを変更するための推奨値表示画面ds2が表示部22に形成されるので、印刷データの行間、改行幅等を設定したり、画像を拡大又は縮小したりすることなく、用紙Pの余白幅を適正に変更し、適切な用紙設定で印刷を行うことができる。
【0061】
ところで、本実施の形態においては、上部余白幅Um及び下部余白幅Lmが異なる場合に上部余白幅Um及び下部余白幅Lmが変更されるようになっているが、使用される用紙Pの種類によっては、用紙Pの左右の側縁と印刷範囲q1との間に形成される余白の幅である側部余白幅が大きい場合に、画像品位が低くなったり、用紙Pが無用に消費されたりする。
【0062】
次に、画像を回転させることによって余白幅を変更することができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0063】
図10は本発明の第2の実施の形態における印刷システムの動作を示す第1のフローチャート、
図11は本発明の第2の実施の形態における印刷システムの動作を示す第2のフローチャート、
図12は本発明の第2の実施の形態における用紙、印刷範囲及び画像範囲の概念図、
図13は本発明の第2の実施の形態における画像を回転させたときの用紙、印刷範囲及び画像範囲の概念図、
図14は本発明の第2の実施の形態における画像を回転させて用紙サイズを調整する場合の推奨値表示画面の例を示す図、
図15は本発明の第2の実施の形態における画像を回転させない場合に用紙に形成される画像の例を示す図、
図16は本発明の第2の実施の形態における画像を回転させた場合に用紙に形成される画像の例を示す図である。
【0064】
図において、Pは媒体としての用紙、Fegは用紙Pの前縁、Regは用紙Pの後縁、Seg1は用紙Pの第1の側縁としての左側縁、Seg2は用紙Pの第2の側縁としての右側縁、q1、q11は印刷範囲、q2、q12は印刷範囲q1、q11内に形成される画像の範囲である画像範囲、Umは第1の余白幅としての上部余白幅、Lmは第2の余白幅としての下部余白幅、Sm1は、左側縁Seg1と印刷領域q1との間の余白幅を表す第1の側部余白幅としての左側部余白幅、Sm2は、右側縁Seg2と印刷領域q1との間の余白幅を表す第2の側部余白幅としての右側部余白幅、Umeは画像を90〔°〕回転させたときの上部余白幅、Lmeは画像を90〔°〕回転させたときの下部余白幅である。
【0065】
操作者が操作部21を操作し、プリンタ10による印刷を指示すると、印刷データ生成処理部Pr11は、記憶部としてのメモリ17の第1の記憶領域としての設定値記憶部Me1から印刷設定及び用紙設定を読み出し、印刷設定及び用紙設定に基づいて印刷データを生成し(ステップS21)、メモリ17の第2の記憶領域としての印刷データ記憶部Me2に記録する。
【0066】
続いて、余白幅解析処理部としての余白幅推定処理部Pr12は、媒体設定画面としての用紙設定画面ds1(
図3)の推定処理設定部Ar3においてチェックボックスBx2にチェックマークが入っているかどうかによって、用紙設定の推定モードが有効にされているかどうかを判断する(ステップS22)。
【0067】
推定処理設定部Ar3においてチェックボックスBx2にチェックマークが入っていて、用紙設定の推定モードが有効にされている場合、余白幅推定処理部Pr12は、余白幅推定処理を行い(ステップS23)、印刷データ記憶部Me2から印刷データを読み出し、該印刷データ、及び印刷設定に基づいて用紙Pに画像を形成して印刷を行った場合に形成される上部余白幅Umを上部推定余白幅として、下部余白幅Lmを下部推定余白幅として解析し、推定する。
【0068】
推定処理設定部Ar3においてチェックボックスBx2にチェックマークが入っておらず、用紙設定の推定モードが有効にされていない場合、印刷データ送信処理部Pr5は、印刷データ記憶部Me2から印刷データを読み出し、該印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS32)。
【0069】
そして、推奨情報解析処理部Pr13は、余白幅推定処理部Pr12によって解析され、推定された上部推定余白幅及び下部推定余白幅に基づいて、余分な余白があるかどうかを判断する(ステップS24)。
【0070】
余分な余白がある場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を変更して上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にするに当たり、用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb1がクリックされているかどうかによって、用紙サイズを調整するかどうかを判断する(ステップS25)。
【0071】
用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb1がクリックされていて、用紙サイズを調整する場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を読み込むとともに、用紙・印刷位置設定表示部Ar2において設定された用紙長を読み込み、上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にするのに必要な用紙長を用紙長の推奨値として算出する(ステップS26)。
【0072】
用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb2がクリックされていて、印刷位置を調整する場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白値及び下部推定余白値を読み込むとともに、用紙・印刷位置設定表示部Ar2において設定された印刷位置を読み込み、上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にするのに必要な印刷位置を印刷位置の推奨値として算出する(ステップS27)。
【0073】
続いて、推奨情報解析処理部Pr13は、左側部余白幅Sm1及び右側部余白幅Sm2に基づいて、画像を1〔°〕以上、かつ、359〔°〕以下の所定の角度、本実施の形態においては、90〔°〕回転させることができるかどうかを判断する(ステップS28)。
【0074】
画面表示処理部Pr3は、画像を90〔°〕回転させることができない場合において、用紙サイズを調整することによって上部余白幅Um及び下部余白幅Lmを均等にする場合、表示部22に、
図6に示されるような推奨値表示画面ds2をポップアップで形成し、印刷位置を調整することによって左側部余白幅Sm1及び右側部余白幅Sm2を均等にする場合、表示部22に、
図7に示されるような推奨値表示画面ds3をポップアップで形成する(ステップS29)。
【0075】
次に、印刷データ生成処理部Pr11は、操作者が、推奨値表示画面ds2においてOKボタンbt3を、推奨値表示画面ds3においてOKボタンbt5を押下し、用紙設定を変更したかどうかを判断する(ステップS30)。
【0076】
操作者が用紙設定を変更した場合、印刷データ生成処理部Pr11は、変更された用紙設定に基づいて、すなわち、用紙長の推奨値、印刷位置の推奨値等に基づいて印刷データを生成し(ステップS31)、印刷データ送信処理部Pr5は、前記印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS32)。このとき、プリンタ10において、用紙Pに
図15に示されるような画像が形成される。
【0077】
また、操作者が用紙設定を変更しなかった場合、印刷データ送信処理部Pr5は、変更前の印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS32)。
【0078】
一方、画像を90〔°〕回転させることができる場合、印刷データ生成処理部Pr11は画像を90〔°〕回転させた印刷データを生成する(ステップS33)。
【0079】
そして、余白幅推定処理部Pr12は、余白幅推定処理を行い(ステップS34)、印刷データ記憶部Me2から印刷データを読み出し、印刷データ及び印刷設定に基づいて用紙Pに画像を形成して印刷を行った場合に形成される上部余白幅Umeを上部推定余白幅として、下部余白幅Lmeを下部推定余白幅として解析し、推定する。
【0080】
続いて、推奨情報解析処理部Pr13は、余白幅推定処理部Pr12によって推定された上部推定余白幅及び下部推定余白幅に基づいて、余分な余白があるかどうかを判断する(ステップS35)。
【0081】
余分な余白がある場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を変更して上部余白幅Ume及び下部余白幅Lmeを均等にするに当たり、用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb1がクリックされているかどうかによって、用紙サイズを調整するかどうかを判断する(ステップS36)。
【0082】
用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb1がクリックされていて、用紙サイズを調整する場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を読み込むとともに、用紙・印刷位置設定表示部Ar2において設定された用紙長を読み込み、上部余白幅Ume及び下部余白幅Lmeを均等にするのに必要な用紙長を用紙長の推奨値として算出する(ステップS37)。余分な余白がない場合、画面表示処理部Pr3は、表示部22に、画像を回転させた印刷データが生成される前に算出された用紙長の推奨値、及び印刷位置の推奨値を表示するための推奨値表示画面ds3を形成する(ステップS29)。
【0083】
一方、用紙設定画面ds1の推定処理設定部Ar3においてラジオボタンRb2がクリックされていて、印刷位置を調整する場合、推奨情報解析処理部Pr13は、上部推定余白値及び下部推定余白値を読み込むとともに、用紙・印刷位置設定表示部Ar2において設定された印刷位置を読み込み、上部余白幅Ume及び下部余白幅Lmeを均等にするのに必要な印刷位置を印刷位置の推奨値として算出する(ステップS38)。
【0084】
次に、画面表示処理部Pr3は、用紙サイズを調整する場合、表示部22に、
図6に示されるような推奨値表示画面ds2、及び
図14に示されるような第5の設定画面としての推奨値表示画面ds4をポップアップで形成し、印刷位置を調整する場合、表示部22に、
図7に示されるような推奨値表示画面ds3をポップアップで形成する(ステップS39)。
【0085】
すなわち、画像表示処理部Pr3は、推奨値表示画面ds4において、余白値表示部Ar8に、上部推定余白幅及び下部推定余白幅を表示し、推奨情報表示部Ar9に、「上下の余白が均等になるように「用紙サイズ」を変更しますか?」等のような、操作者に用紙サイズの用紙設定の変更を促すメッセージm3、並びに変更前の用紙長Ls2、及び推奨値である変更後の用紙長Le2を表示するとともに、推奨値表示画面ds4における用紙設定の変更を保存するための操作要素としてのOKボタンbt7、及び推奨値表示画面ds4における用紙設定の変更を取り消すための操作要素としてのキャンセルボタンbt8を表示する。
【0086】
続いて、印刷データ生成処理部Pr11は、操作者が、推奨値表示画面ds4においてOKボタンbt7を押下し、用紙設定を変更したかどうかを判断する(ステップS30)。
【0087】
操作者が用紙設定を変更した場合、印刷データ生成処理部Pr11は、変更した用紙設定に基づいて、すなわち、用紙長の推奨値に基づいて印刷データを生成し(ステップS31)、印刷データ送信処理部Pr5は、前記印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令する(ステップS32)。このとき、プリンタ10において、用紙Pに、
図16に示されるような画像が形成される。
【0088】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 印刷データ生成部Pr11は印刷設定及び用紙設定に基づいて印刷データを生成する。
ステップS22 余白幅推定処理部Pr12は用紙設定の推定モードが有効にされているかどうかを判断する。用紙設定の推定モードが有効にされている場合はステップS23に進み、用紙設定の推定モードが有効にされていない場合はステップS32に進む。
ステップS23 余白幅推定処理部Pr12は余白幅推定処理を行う。
ステップS24 推奨情報解析処理部Pr13は余分な余白があるかどうかを判断する。余分な余白がある場合はステップS25に進み、余分な余白がない場合はステップS32に進む。
ステップS25 推奨情報解析処理部Pr13は用紙サイズを調整するかどうかを判断する。用紙サイズを調整する場合はステップS26に進み、用紙サイズを調整しない場合はステップS27に進む。
ステップS26 推奨情報解析処理部Pr13は用紙長の推奨値を算出する。
ステップS27 推奨情報解析処理部Pr13は印刷位置の推奨値を算出する。
ステップS28 推奨情報解析処理部Pr13は画像を90〔°〕回転させることができるかどうかを判断する。画像を90〔°〕回転させることができる場合はステップS33に進み、画像を90〔°〕回転させることができない場合はステップS29に進む。
ステップS29 画面表示処理部Pr3は表示部22に推奨値表示画面ds2、ds3をポップアップで形成する。
ステップS30 印刷データ生成処理部Pr11は操作者が用紙設定を変更したかどうかを判断する。操作者が用紙設定を変更した場合はステップS31に進み、操作者が用紙設定を変更しなかった場合はステップS32に進む。
ステップS31 印刷データ生成処理部Pr11は印刷データを生成する。
ステップS32 印刷データ送信処理部Pr5は印刷データをプリンタ10に送信し、印刷を指令し、処理を終了する。
ステップS33 印刷データ生成処理部Pr11は画像を90〔°〕回転させた印刷データを生成する。
ステップS34 余白幅推定処理部Pr12は余白幅推定処理を行う。
ステップS35 推奨情報解析処理部Pr13は余分な余白があるかどうかを判断する。余分な余白がある場合はステップS36に進み、余分な余白が無い場合はステップS29に進む。
ステップS36 推奨情報解析処理部Pr13は用紙サイズを調整するかどうかを判断する。用紙サイズを調整する場合はステップS37に進み、用紙サイズを調整しない場合はステップS38に進む。
ステップS37 推奨情報解析処理部Pr13は用紙長の推奨値を算出する。
ステップS38 推奨情報解析処理部Pr13は印刷位置の推奨値を算出する。
ステップS39 画面表示処理部Pr3は表示部22に推奨値表示画面ds2~ds4をポップアップで形成し、ステップS30に進む。
【0089】
このように、本実施の形態においては、画像を所定の角度回転させて印刷を行った場合において、画像が用紙Pに収まる場合に上部余白幅Ume及び下部余白幅Lmeを変更するための推奨値が算出されるので、使用される用紙Pの種類によって、側部余白幅が大きくても、画像品位を向上させることができ、用紙Pが無用に消費されるのを防止することができる。
【0090】
前記各実施の形態においては、上部余白幅Um、Ume及び下部余白幅Lm、Lmeがいずれも解析され、推定されるようになっているが、上部余白幅Um、Ume及び下部余白幅Lm、Lmeの一方、例えば、上部余白幅Um、Ume及び印刷範囲q1、q11のサイズに基づいて下部余白幅Lm、Lmeを解析し、推定したり、下部余白幅Lm、Lme及び印刷範囲q1、q11のサイズに基づいて上部余白幅Um、Umeを解析し、推定したりすることができる。
【0091】
また、前記各実施の形態においては、ホストコンピュータPCにおいて印刷データが生成されるようになっているが、プリンタ10を情報処理装置及び画像形成装置として使用し、プリンタ10において印刷データを生成することもできる。
【0092】
そして、前記各実施の形態においてはホストコンピュータPCについて説明しているが、本発明をプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0093】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0094】
10 プリンタ
22 表示部
Feg 前縁
Le1 用紙長
Lm 下部余白幅
P 用紙
PC ホストコンピュータ
Reg 後縁
Um 上部余白幅
Ye Y座標