(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169826
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】現場映像管理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/2343 20110101AFI20241129BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20241129BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20241129BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241129BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H04N21/2343
H04N5/77
H04N21/431
H04N23/60 300
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086596
(22)【出願日】2023-05-26
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】523027625
【氏名又は名称】ピクトグラム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121773
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 正
(72)【発明者】
【氏名】峰岡 孝平
(72)【発明者】
【氏名】池田 竜司
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE02
5C054FE17
5C054FE23
5C054GB02
5C054GB05
5C054HA19
5C122DA04
5C122DA11
5C122EA47
5C122EA55
5C122EA61
5C122FA10
5C122FK23
5C122FK24
5C122GA31
5C122GC07
5C122GC14
5C122GC36
5C122GC52
5C122GC75
5C122HB01
5C122HB05
5C164FA07
5C164MA04S
5C164PA31
5C164SB02P
5C164UB41S
5C164UB81P
5C164YA11
(57)【要約】
【課題】現場を静止画で撮影する場合であっても効率良く現場の状況を確認することができる現場映像管理システムを提供する。
【解決手段】現場映像管理システム1は、カメラ30と、カメラ30と接続された管理サーバー10であって、カメラ30から受信した現場静止画を順次記憶する静止画記憶部153と、現場静止画から現場動画を生成する動画生成部12と、現場動画を記憶する動画記憶部154と、を有する管理サーバー10と、ディスプレイ27を有する端末20であって、管理サーバー10からダウンロードした現場静止画及び現場動画を記憶する画像記憶部252と、画像記憶部252に記憶された複数の現場静止画をディスプレイ27に順次高速で切り換えて表示するプレビュー表示を行うプレビュー表示部231と、現場動画をディスプレイ27に再生表示する動画表示部232と、を有する端末20と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場の映像を管理する現場映像管理システムにおいて、
現場静止画を撮影するカメラと、
前記カメラとネットワークを介して接続された管理サーバーであって、
前記カメラから受信した現場静止画を順次記憶する静止画記憶部と、
前記静止画記憶部に記憶された複数の前記現場静止画から現場動画を生成する動画生成部と、
前記現場動画を記憶する動画記憶部と、
を有する管理サーバーと、
前記管理サーバーと前記ネットワークを介して接続された、ディスプレイを有する端末であって、
前記管理サーバーからダウンロードした前記現場静止画及び前記現場動画を記憶する画像記憶部と、
前記画像記憶部に記憶された複数の前記現場静止画を前記ディスプレイに順次高速で切り換えて表示するプレビュー表示を行うプレビュー表示部と、
前記画像記憶部に記憶された前記現場動画を前記ディスプレイに再生表示する動画表示部と、
を有する端末と、
を備えることを特徴とする現場映像管理システム。
【請求項2】
前記端末は、ユーザーが現場状況を確認したい期間である抽出期間を入力する入力部を備え、
前記動画生成部は、前記端末から受信した前記抽出期間に撮影された前記現場静止画を時系列順に高速で切り換えることで前記現場動画を生成すると共に、前記現場動画の長さが所定の動画上限時間を超える場合には、所定の間隔で前記現場動画を間引くことで、生成される前記現場動画の長さが前記動画上限時間内に収まるように調整することを特徴とする請求項1記載の現場映像管理システム。
【請求項3】
前記静止画記憶部は、前記カメラが10秒以上20分以下の間隔で撮影した前記現場静止画を順次記憶することを特徴とする請求項1記載の現場映像管理システム。
【請求項4】
前記動画生成部は、フレームレートが1fps以上15fps以下で前記現場動画を生成することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の現場映像管理システム。
【請求項5】
前記プレビュー表示部は、フレームレートが1fps以上15fps以下でプレビュー表示を行うことを特徴とする請求項4記載の現場映像管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場映像管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場等の現場に設置されたカメラを用いて現場を撮影し、遠隔地から現場の状況を映像で確認することのできるシステムが提供されており、例えば、下記特許文献1,2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-267149号公報
【特許文献2】特開2000-282684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来の現場映像管理システムは、現場の映像を動画や静止画で撮影して管理サーバーに記憶し、ユーザー端末からこの管理サーバーに記憶された映像を視聴するように構成されているものも多い。
【0005】
しかし、現場を動画で撮影する場合には、カメラと管理サーバーとの間で大容量の動画データを送受信するため、現場にも大容量の通信環境が必要であるが、建設現場にはそもそも有線LANや無線LAN等の通信環境が整備されていない場合が多く、携帯電話網を使うと高額な通信料金がかかってしまう。
【0006】
また、現場を静止画で撮影する場合には、通信量を抑えることができるが、現場の状況を静止画で確認するためには、多くの枚数の静止画を見る必要があり、効率が悪い。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、現場を静止画で撮影する場合であっても効率良く現場の状況を確認することができる現場映像管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る現場映像管理システムは、現場の映像を管理する現場映像管理システムにおいて、現場静止画を撮影するカメラと、前記カメラとネットワークを介して接続された管理サーバーであって、前記カメラから受信した現場静止画を順次記憶する静止画記憶部と、前記静止画記憶部に記憶された複数の前記現場静止画から現場動画を生成する動画生成部と、前記現場動画を記憶する動画記憶部と、を有する管理サーバーと、前記管理サーバーと前記ネットワークを介して接続された、ディスプレイを有する端末であって、前記管理サーバーからダウンロードした前記現場静止画及び前記現場動画を記憶する画像記憶部と、前記画像記憶部に記憶された複数の前記現場静止画を前記ディスプレイに順次高速で切り換えて表示するプレビュー表示を行うプレビュー表示部と、前記画像記憶部に記憶された前記現場動画を前記ディスプレイに再生表示する動画表示部と、を有する端末と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現場を静止画で撮影する場合であっても、簡易的に短時間で確認可能なプレビュー表示と、時間をかけて詳細を確認可能な現場動画表示とにより確認できるため、効率良く現場の状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る現場映像管理システムの構成を概略的に示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る管理サーバーの構成を概略的に示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る端末の構成を概略的に示す模式図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るユーザーによる現場映像管理の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る端末に表示されるサムネイル表示画面を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る端末に表示されるダイジェストプレビュー表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態である現場映像管理システムについて詳細に説明する。本実施形態では、戸建て住宅を建設する建設現場に設置されたカメラ30により撮影した現場映像(静止画)を遠隔地のユーザーがスマートフォンやパソコン等の端末で管理したり確認したりすることのできるシステムについて説明する。
【0012】
図1に示すように、現場映像管理システム1は、管理サーバー10と、現場映像を管理・確認したいユーザーが使用する端末20と、建設現場に設置されたカメラ30とを備えている。管理サーバー10、端末20及びカメラ30とは、インターネット等のネットワーク5を介して接続されており、相互に通信が可能である。
【0013】
図2に示すように、管理サーバー10は、各種演算を行うためのCPU(Central Processing Unit)等の演算装置11と、各種情報を記憶するためのHDD(Hard Disc Drive)や演算処理のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)等の記憶装置15とを備えている。
【0014】
演算装置11は、機能的に、静止画から動画を作成する動画生成部12を備える。記憶装置15は、各種プログラムを記憶しておくプログラム格納部151と、カメラ30から順次受信した現場の静止画を保存する静止画記憶部153と、動画生成部12が生成した動画を保存する動画記憶部154とを備える。
【0015】
本実施形態では、カメラ30は、建設現場に固定設置されており、静止画を1分置きに撮影して、管理サーバー10へと送信し、現場静止画を静止画記憶部153に記憶するように設定されている。
【0016】
動画生成部12は、端末20から抽出期間と共に動画生成の指示を受けると、当該抽出期間中に撮影された現場静止画から現場動画を生成する。ここで、抽出期間とは、ユーザーが現場の状況を確認したい過去の具体的な期間であり、ユーザーが後述する入力デバイス28を介して端末20に入力した期間である。
【0017】
動画生成部12は、抽出期間内に撮影された静止画を時系列順に0.1秒毎に高速で切り換えた現場動画(10fps)、いわゆるタイムラプスの動画を生成し、動画記憶部154に記憶する。よって、現場動画(タイムラプス)の長さは、抽出期間内の静止画の枚数により決まり、静止画1枚あたり0.1秒であるため、例えば、動画の生成の基となる静止画が1,000枚であれば、100秒(1分40秒)の動画が生成される。
【0018】
なお、カメラ30の静止画撮影周期は1分であるため、1,000枚の静止画からなる動画は、16時間40分間の現場の状況を撮影した動画となる。よって、この現場動画を等倍速で再生した場合、ユーザーは100秒間の動画視聴で、16時間40分間の現場状況を確認することができる。
【0019】
現場動画が長くなり過ぎると、ファイル容量が大きくなってしまうと共に、ユーザーによる取り扱いも不便となるため、本実施形態では、動画生成部12は、生成する現場動画の長さが10分以下となるように設定されている。もちろん、動画の上限時間はユーザーが適宜変更可能であり、例えば、5分や3分等、所望の長さを上限とすることができる。
【0020】
抽出期間内に含まれる現場静止画の数が6,000枚を超えると、現場動画の長さが10分を超えてしまう。このように、動画の長さが動画上限時間を超える場合には、動画生成部12は、抽出期間に含まれる時系列順の現場静止画から、所定の周期で現場静止画を間引くことで、動画の基となる現場静止画を6,000枚に収めてから現場動画を生成する。これにより、生成される現場動画の長さを動画上限時間の10分に収めることができる。
【0021】
もちろん、動画生成部12が生成する現場動画のフレームレートは、適宜変更可能であり、より高速に現場静止画をコマ送りするようにしても良いし、より低速に現場静止画をコマ送りするようにしても良い。
【0022】
但し、フレームレートが15fpsを越えると、動画のデータ容量が大きくなると共に、現場静止画の切り換えが早くなり過ぎて、ユーザーが現場の状況を正確に確認するのが困難になる可能性もあるため、現場動画のフレームレートは15fps以下であるのが望ましい。また、フレームレートが低速になると、現場静止画の切り換えが遅くなり、ユーザーが現場の状況を確認するのに長時間を要することになるため、現場動画のフレームレートは、1fps以上であるのが望ましい。
【0023】
図3に示すように、端末20は、各種演算を行う演算装置21と、各種情報を記憶する記憶装置25と、ディスプレイ27と、ユーザーが情報を入力するための入力デバイス28とを備えている。
【0024】
演算装置21は、機能的に、ディスプレイ27に現場静止画をサムネイル表示するサムネイル表示部22と、ディスプレイ27に現場状況の概要を表示するダイジェスト表示部23とを備えている。ダイジェスト表示部23は、ダイジェストとして、現場静止画を高速で切り換えてコマ送り表示するプレビュー表示部231と、管理サーバー10で生成された現場動画を再生表示する動画表示部232とを備えている。
【0025】
プレビュー表示部231は、抽出期間内に撮影された現場静止画を管理サーバー10の静止画記憶部153からダウンロードし、順次高速でディスプレイ27上に切換表示する。本実施形態では、静止画の切換周期は0.1秒、すなわち、プレビュー表示のフレームレートが10fpsである。
【0026】
プレビュー表示部231によるプレビュー表示の時間は、上限が30秒に設定されており、抽出期間内に撮影された現場静止画を全てコマ送り表示すると30秒を超える場合、すなわち、抽出期間内の現場静止画の枚数が300枚を超える場合には、プレビュー表示部231は、所定の間隔で静止画を間引いて30秒(300枚)となるようにプレビュー表示を行う。
【0027】
プレビュー表示部231は、ユーザーが指定した抽出期間内の現場静止画が300枚以下の場合には、対象となる全ての現場静止画を管理サーバー10からダウンロードして、高速切換表示によるプレビュー表示を行い、抽出期間内の現場静止画が300枚を超える場合には、間引いた後の300枚の静止画のみをダウンロードし、プレビュー表示を行う。
【0028】
もちろん、抽出期間内の現場静止画が300枚を超える場合であっても、全ての対象となる現場静止画をいったん管理サーバー10から端末20にダウンロードし、プレビュー表示部231が間引き処理を行って300枚の静止画によるプレビュー表示を行うように処理しても良い。
【0029】
また、プレビュー表示の時間の上限も適宜変更可能であり、プレビュー表示の際のフレームレートも適宜変更可能である。プレビュー表示の際のフレームレートは、上述した現場動画のフレームレートと同様の理由により、1fps以上15fps以下であるのが望ましい。
【0030】
本実施形態では、動画生成部12が生成する現場動画のフレームレートと、プレビュー表示部231のフレームレートを同じ10fpsとしているが、両者のフレームレートを異ならせれば、現場動画とプレビュー表示とで現場状況の確認スピードを変えることもできる。
【0031】
動画表示部232は、管理サーバー10に対して、所定の抽出期間の現場動画の生成を指示すると共に、管理サーバー10において生成されて動画記憶部154に保存された現場動画をダウンロードしてディスプレイ27上に再生表示する。
【0032】
記憶装置25は、各種プログラムを記憶しておくプログラム格納部251と、端末20からダウンロードした静止画や動画を記憶する画像記憶部252とを備える。ディスプレイ27はタッチパネルであり、本実施形態では、ディスプレイ27が入力デバイス28を兼ねている。
【0033】
カメラ30は、移動体通信部31とバッテリー32とを備えている。移動体通信部31を備えることで、カメラ30は、有線LANや無線LANがない場所であっても携帯電話網を経由してネットワーク5にアクセスし、管理サーバー10と通信が可能である。
【0034】
また、バッテリー32を備えることで、カメラ30は、AC電源がない現場であっても撮影や通信を行うことができる。特に、本実施形態では、撮影するのが静止画であるため、動画を扱う場合と比較して、撮影や通信時の電力消費が小さくて済むため、バッテリー駆動であってもカメラ30を長時間駆動させることができる。
【0035】
以上、現場映像管理システム1の構成について説明したが、上述した管理サーバー10の機能は、演算装置11がプログラム格納部151に記憶されている各種プログラムを実行することで実現され、上述した端末20の機能は、演算装置21がプログラム格納部251に記憶されている各種プログラムを実行することで実現される。
【0036】
続いて、現場映像管理システム1において、ユーザーが現場映像を確認する際の処理の流れについて、
図4を参照しながら説明する。現場映像の管理・視聴は、端末20から管理サーバー10が提供する現場映像管理ウェブサイトにアクセスするか、端末20上で現場映像管理アプリを立ち上げて管理サーバー10にアクセスすることで実施することができる。ここでは、現場映像管理ウェブサイトにアクセスする場合について説明する。
【0037】
現場映像を確認したいユーザーは、S10において、端末20を操作して、現場映像管理ウェブサイトにアクセスする。サイトにアクセス後、ユーザーは、まず、現場静止画のサムネイル表示において、現場映像を確認したい期間、すなわち、抽出期間を端末20から指定する(S11)。
【0038】
端末20に入力された抽出期間は、S12において、端末20から管理サーバー10へと送信される。抽出期間を受信した管理サーバー10は、抽出期間内に撮影された所定のサムネイル表示用の現場静止画を静止画記憶部153から抽出し(S13)、抽出された静止画はS14において、端末20へと送信される。
【0039】
S14で抽出された現場静止画を受信した端末20では、
図5に示すように、サムネイル表示部22が受信した静止画をディスプレイ27上にサムネイル表示する(S15)。
図5のサムネイル表示画面に、「日単位」、「時間単位」、「分単位」のボタンが表示されているように、本実施形態では、抽出期間内の現場静止画を1日毎のグループ、1時間毎のグループ、1分毎のグループにグループ化してサムネイル表示することが可能である。
【0040】
「日単位」の場合は、1日あたり1枚の静止画、「時間単位」の場合には、1時間あたり1枚の静止画、分単位の場合には全ての静止画がサムネイル表示される。「日単位」、「時間単位」の場合には、グループ内の静止画から時系列順に真ん中の静止画が代表して表示される。
図5では、「日単位」のボタンが選択されており、現場静止画が1日毎にグループ化され、1日毎に1枚の静止画が代表して表示されている。
【0041】
なお、S13及びS14における現場静止画の抽出・送信は、S15でサムネイル表示される抽出期間内の所定のサムネイル表示用の静止画のみが抽出・送信される。このため、S12の抽出期間が送信される際には、上述したグループ化の情報も一緒に送信され、「日単位」の場合は、1日あたり1枚の静止画のみ、「時間単位」の場合には、1時間あたり1枚の静止画のみ、分単位の場合には全ての静止画が抽出・送信される。
【0042】
S15のサムネイル表示では、適宜、サムネイル表示される静止画の抽出期間やグループ化の方法が変更可能であり、変更された場合には、新しい条件でS11~S15が繰り返され、サムネイル表示画面が更新される。
【0043】
また、サムネイル表示画面上には、「一括ダウンロード」及び「ダイジェスト作成」のボタンが表示されており、ユーザーが「一括ダウンロード」のボタンを選択すれば、抽出期間内の全ての静止画を管理サーバー10から一括してダウンロード可能である。
【0044】
ユーザーは「ダイジェスト作成」のボタンを選択することで、プレビュー表示を指示することができる(S20)。プレビュー表示が指示されると、S21において、端末20から管理サーバー10へと、抽出期間内の所定のプレビュー表示用の静止画のダウンロードが要求される。
【0045】
管理サーバー10は、S22において、抽出期間内のプレビュー表示用の現場静止画を静止画記憶部153から抽出し、抽出した静止画を端末20へと送信する(S23)。ここで、上述したように、プレビュー表示される静止画の枚数の上限は300枚であるため、抽出期間内の現場静止画の300枚を超える場合には、S22では、間引いた後の300枚の静止画のみが抽出される。
【0046】
プレビュー表示用の静止画を受信した端末20においては、S24において、プレビュー表示部231によるダイジェストプレビュー表示が行われる(
図6参照)。具体的には、プレビュー表示部231が、受信したプレビュー表示用の静止画を時系列順に0.1秒毎にディスプレイ27に切り換えてコマ送り表示する。
【0047】
図6に示すように、プレビュー表示画面上には、「作成する」のボタンが表示されており、ユーザーが「作成する」のボタンを選択すれば、ダイジェスト動画の作成を指示することができる(S30)。プレビュー表示画面には、動画上限時間が表示されており、本実施形態では、デフォルトで「10分0秒」と設定されているが、10分以下の所望の上限時間に変更可能である。
【0048】
S30において、動画生成の指示が行われると、端末20から管理サーバー10へと、抽出期間の情報と共に動画上限時間を含む動画生成の指示が送信される(S31)。動画生成指示を受信した管理サーバー10においては、動画生成部12が抽出期間内の現場静止画から現場動画を生成し(S32)、動画記憶部154に記憶する。記憶された現場動画は、S33において、管理サーバー10から端末20へと送信される。
【0049】
S34では、端末20において、動画表示部232が受信したダイジェスト現場動画をディスプレイ27上に再生表示する。これにより、端末20を所有するユーザーは、手元のディスプレイ27上で、現場映像のダイジェストを動画で確認することができる。
【0050】
なお、ユーザーは、随時、動画記憶部154にアクセス可能であり、過去に生成したダイジェスト動画の一覧から所望の動画を選択することで、所望のタイミングで所望の過去の現場動画を確認することが可能である。上記実施形態では、プレビュー表示後に動画生成するようにしているが、サムネイル表示後、直接動画生成・ダウンロードできるように構成しても良い。
【0051】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態によれば、建設現場にカメラ30を設置しておくことで、現場を訪問することなく、遠隔地から現場の進捗状況を確認することができる。
【0052】
建設現場では、作業が細分化されており、多くの事業者は、進捗状況を確認しながら自分の担当の作業に適したタイミングで現場入りする必要があるため、各事業者が遠隔地から手軽に現場の進捗状況を確認することができれば、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、現場状況のダイジェストを確認する方法として、簡易的に短時間で確認可能なプレビュー表示と、時間をかけて詳細を確認可能な現場動画表示とにより確認できるため、状況に応じて使い分けることで効率良く現場状況を確認することができる。
【0054】
また、プレビュー表示及び現場動画表示の双方共に、現場に設置されたカメラ30により1分置きに撮影された現場静止画を10fpsでコマ送り表示するタイムラプスの動画により現場の状況をダイジェストで確認するため、動画と比べて格段に短時間で状況確認をすることができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、高負荷の作業である静止画からの動画生成は管理サーバー10で行われるため、性能の高くない端末20であっても現場静止画から生成された現場動画を見ることができる。
【0056】
また、ダイジェストプレビュー表示であれば、専用のウェブサイトか専用のアプリでなければ再生できず、再生環境が限定されるが、動画であれば、ダウンロードすれば適宜汎用の動画再生アプリで再生することができ、使い勝手が良い。例えば、現場動画を記念に施主に送ったりすることもできる。
【0057】
また、本実施形態では、カメラ30が移動体通信部31を備え、現場での撮影画像が記憶容量の小さな静止画であるため、LAN等の通信環境が整っていない建設現場であっても、カメラ30を設置して現場映像の送信を行うことができる。
【0058】
また、現場での撮影画像が動画ではなく記憶容量の小さな静止画であって、さらに、静止画記憶部153に記憶される静止画も1分間隔と時間当たりの枚数も少ないため、撮影や送信時の消費電力も小さくて済む。よって、カメラ30をバッテリー32により実用的に駆動させることもでき、AC電源の設置されていない現場であっても現場映像の管理を実現することができる。
【0059】
ここで、カメラの撮影間隔は適宜変更可能であり、30秒置きや5分置きとしても良い。撮影間隔を長くすれば、時間当たりの撮影枚数が少なくなって通信データの容量を抑えることができるが、現場状況を確認できる間隔が長くなってしまう。一方、撮影間隔が短くなれば、現場状況を確認できる間隔が短くなるが、時間当たりの撮影間数が多くなって通信容量も大きくなってしまう。
【0060】
現場状況を確認したい周期は現場やユーザーによって異なるが、例えば、カメラの撮影間隔が30分と長くなると、現場状況を確認できる間隔も30分置きになり、現場静止画の撮影合間の30分の間に出入りする人を確認できなくなるおそれがある。
【0061】
反対に、カメラの撮影間隔が1秒と短くなると、カメラと管理サーバーとの間の通信の頻度やデータ容量が大きくなり、通信環境への負荷が大きくなり、消費電力も大きくなってしまう。よって、カメラ15の現場静止画の撮影間隔は、10秒以上20分以下が望ましい。
【0062】
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、管理サーバーの機能は、外部管理サーバーを含む複数の管理サーバーに分散させるようにしても良い。
【0063】
また、抽出期間の指定において、曜日指定等を可能にしても良い。また、建築現場において、業者が出入りするのは日中の昼間であるため、夜間には状況確認する必要性がない場合には、抽出期間の指定において、日の出から日没までの時間帯のみに限定できるように構成しても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 現場映像管理システム
5 ネットワーク
10 管理サーバー
11 演算装置
12 動画生成部
15 記憶装置
151 プログラム格納部
153 静止画記憶部
154 動画記憶部
20 端末
21 演算装置
22 サムネイル表示部
23 ダイジェスト表示部
231 プレビュー表示部
232 動画表示部
25 記憶装置
251 プログラム格納部
252 画像記憶部
27 ディスプレイ
28 入力デバイス
30 カメラ
31 移動体通信部
32 バッテリー