(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169827
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】無線タグ読取装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241129BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G06K7/10 264
G06K7/10 132
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086601
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大竹 遼
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 渉
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA01
3E142FA42
3E142GA04
3E142GA35
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA08
(57)【要約】
【課題】対象外の商品を誤って読み取る不都合が発生しにくく、対象の商品を読み取るための空間への出し入れがしやすく操作性が高い無線タグ読取装置を提供する。
【解決手段】無線タグ読取装置は、所定範囲に存在する無線タグが保持する情報を読み取るための電波を自身の上方に向けて放射する1以上のアンテナと、平面視において前記アンテナに重ならない位置且つ前記アンテナよりも高さが低い位置に設けられて前記アンテナによる読取の対象外の無線タグが付された物品を載置可能な載置部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定範囲に存在する無線タグが保持する情報を読み取るための電波を自身の上方に向けて放射する1以上のアンテナと、
平面視において前記アンテナに重ならない位置且つ前記アンテナよりも高さが低い位置に設けられて前記アンテナによる読取の対象外の無線タグが付された物品を載置可能な載置部と、
を備える無線タグ読取装置。
【請求項2】
前記アンテナの電波を放射する位置と前記載置部との高低差は、
顧客が店内で商品を運ぶために使用する容器の高さよりも大きく設定されている
請求項1に記載の無線タグ読取装置。
【請求項3】
前記アンテナは、電波を放射する面を傾けて設けられ、
前記面を前記載置部の方へ延長した仮想線と、前記載置部とがなす角は、前記仮想線が前記載置部に載置された前記容器に交差せず前記容器の上方に位置する大きさ以上である
請求項2に記載の無線タグ読取装置。
【請求項4】
前記アンテナは、前記載置部との距離が異なる複数の位置に設けられ、
複数の前記アンテナのうち、前記載置部に近い位置に位置するものが放射する電波の強度は、前記載置部から遠い位置に位置するものが放射する電波の強度よりも、弱い
請求項1に記載の無線タグ読取装置。
【請求項5】
電波を吸収または反射するものを含んで構成され、前記アンテナが設けられる位置と前記載置部とを隔てる仕切部材をさらに備える
請求項1~3のいずれか1つに記載の無線タグ読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線タグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、アパレル(衣類)の量販店やスーパーマーケット等の店舗において、当該店舗で販売される商品に無線タグを取り付け、顧客が購入する商品に係る情報を当該無線タグから読み取る無線タグ読取装置が採用されている(例えば特許文献1)。無線タグ読取装置は、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)技術等の近距離無線通信を用いてタグ情報を読み取る。顧客が購入する商品は、例えば買物籠に入れられて精算所に持ち込まれる。
【0003】
このような精算する商品の情報の読み取りに使用される無線タグ読取装置は、読取対象の商品に付された無線タグを漏れなく読み取って精算対象として登録する一方、読取対象外の商品を誤って登録しないことが必要である。このため、例えば、電波を遮蔽する壁などで読取対象の商品を囲み、その内側で電波を放射する等、読取対象と電波を送受信しつつ読取対象外との電波の送受信を起こさない工夫が行われている。
【0004】
上述の構成であると、対象外の無線タグを誤って読み取る不都合を起こしにくくできるが、壁で囲まれる空間に商品を出し入れしなければならない点で操作性がよくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対象外の商品を誤って読み取る不都合が発生しにくく、対象の商品を読み取るための空間への出し入れがしやすく操作性が高い無線タグ読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の無線タグ読取装置は、所定範囲に存在する無線タグが保持する情報を読み取るための電波を自身の上方に向けて放射する1以上のアンテナと、平面視において前記アンテナに重ならない位置且つ前記アンテナよりも高さが低い位置に設けられて前記アンテナによる読取の対象外の無線タグが付された物品を載置可能な載置部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る無線タグ読取装置を備えたPOSシステムの一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、無線タグ読取装置を備えたセミセルフPOSシステムの一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。
【
図4】
図4は、無線タグ読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、POS端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。
【
図9】
図9は、第5実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。
【
図10】
図10は、第6実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、実施形態により、この発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。まず、
図1および
図2を用いて、POSシステム5およびセミセルフPOSシステム6の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る無線タグ読取装置1を備えたPOSシステム5の一例を示す平面図である。
図2は、無線タグ読取装置1を備えたセミセルフPOSシステム6の一例を示す平面図である。
【0010】
POSシステム5およびセミセルフPOSシステム6は、購入する商品に付された無線タグの読取操作および決済操作を行うための装置である。POSシステム5は、無線タグ読取装置1とPOS端末3とを備え、店員Oにより操作される。セミセルフPOSシステム6は、無線タグ読取装置1と会計装置4とを備える。無線タグ読取装置1は、店員Oにより操作される。会計装置4は、支払いを行う顧客Cpにより操作される。POS端末3および会計装置4は、無線タグ読取装置1が出力する情報に基づいた会計処理を実行する。
【0011】
ここで、無線タグについて説明する。無線タグは、例えば、RFタグ等の電子タグである。RFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)技術に対応し、電波等を用いた非接触での読み取りが可能に構成されたIC(Integrated Circuit)を含んだタグである。
【0012】
無線タグは、ICチップ等の記憶部とアンテナとを有する。無線タグのアンテナが電波を受信すると、起電力が生じる。この起電力によって、無線タグは、記憶部に記憶されているタグ情報を送信する。タグ情報は、例えば、個品番号や商品コード等、商品を識別可能な情報である。
【0013】
無線タグ読取装置1は、載置台9に設けられている。載置台9は、第1載置部91および第2載置部92を備える。第1載置部91および第2載置部92は、物品を載置可能な上向きの平面(上面)をそれぞれ有する。第1載置部91および第2載置部92が有する平面は、1つ以上の買物籠8を載置可能な広さを、それぞれ有する。買物籠8は、顧客が店内で商品を運ぶために使用する容器の一例である。
【0014】
無線タグ読取装置1は、第1載置部91に内蔵されて第1載置部91の上面の近傍に位置し、第1載置部91の上の所定範囲に存在する無線タグが保持する情報(タグ情報)を読み取る。
【0015】
第2載置部92は、載置部の一例である。待ち行列に並ぶ顧客Cqは、購入予定の商品7を入れた買物籠8(或いは商品7そのもの)を、第2載置部92に置くことができる。
【0016】
なお、本実施形態がセルフPOSシステムに適用されてもよく、本実施形態の各装置によってセルフPOSシステムが構成されてもよい。セルフPOSシステムは、商品に付された無線タグの読取操作および決済操作を、顧客が自身で行うためのシステムである。例えば、上述のセミセルフPOSシステム6における無線タグ読取装置1が、精算中の顧客C自身により操作されるよう構成されていれば、セルフPOSシステムとして運用可能である。
【0017】
図3は、無線タグ読取装置1の一例を示す正面図である。第1載置部91の上面と第2載置部92の上面とは、高さ方向の位置が異なっており、第1載置部91の上面の方が高い位置に位置している。第1載置部91の上面の下には、第1アンテナ17および第2アンテナ18が、配置されている。第1アンテナ17および第2アンテナ18は、第2載置部92の上面よりも高い位置に位置している。
【0018】
第1アンテナ17および第2アンテナ18は、無線タグ読取装置1が備える1以上のアンテナの一例である。なお、本実施形態では無線タグ読取装置1は二つのアンテナ17,18を備えるが、実施にあたっては無線タグ読取装置1が備えるアンテナは1つでも3つ以上でもよい。
【0019】
第1アンテナ17および第2アンテナ18は、所定範囲(第1領域171および第2領域181、後述)に存在する無線タグが保持する情報を読み取るための電波を、自身の上方に向けて放射する。上述の所定範囲は、第1載置部91の上面に載置された物品に付された無線タグが存在し得る範囲である。第1アンテナ17および第2アンテナ18の出力(或いは電波強度)は、上述の所定範囲の読み取りに必要十分な程度に設定される。
【0020】
また、第2載置部92は、平面視においてアンテナ(第1アンテナ17および第2アンテナ18)に重ならない位置且つアンテナよりも高さが低い位置に設けられてアンテナによる読取の対象外の無線タグが付された物品を載置可能な載置部の一例である。第1載置部91に対する第2載置部92の位置は、第2載置部92に載置された物品に付された無線タグが、上述の所定範囲に含まれない位置に設定される。
【0021】
無線タグ読取装置1は、第1アンテナ17および第2アンテナ18から放射する電波により、商品に付された無線タグから発信されるタグ情報(無線タグが付された商品7を一意に特定する個品番号を含む)を読み取る。以降、「無線タグから発信されるタグ情報」を「無線タグのタグ情報」という。
【0022】
第1アンテナ17は、第1領域171内に存在する無線タグから発信されたタグ情報を受信する。第1領域171は、無線タグのタグ情報を第1アンテナ17で受信可能な領域である。つまり、第1領域171の外の無線タグは、第1アンテナ17で読み取ることができない。第1領域171は、第1アンテナ17の形状、出力、偏波の種類、指向性などに応じて定まる。また、第1領域171は、第1載置部91の上に位置する。よって、第1アンテナ17は、第1載置部91に載置された商品7に付された無線タグのタグ情報を受信する。
【0023】
同様に、第2アンテナ18は、第2領域181内に存在する無線タグのタグ情報を受信する。第2領域181は、無線タグのタグ情報を第2アンテナ18で受信可能な領域である。つまり、第2領域181の外の無線タグは、第2アンテナ18で読み取ることができない。第2領域181は、第2アンテナ18の形状、出力、偏波の種類、指向性などに応じて定まる。また、第2領域181も、第1載置部91の上に位置する。よって、第2アンテナ18も、第1載置部91に載置された商品7に付された無線タグのタグ情報を受信する。但し、第2領域181は、第1領域171に隣接または近接して位置するよう設定されている。また、第1領域171と第2領域181とは、一部重複していてもよい。
【0024】
無線タグ読取装置1は、第1アンテナ17および第2アンテナ18が無線タグのタグ情報を受信することで、当該タグ情報を読み取る。なお、第1領域171および第2領域181は、所定範囲の一例である。
【0025】
さて、第1アンテナ17および第2アンテナ18は、第2載置部92の上面よりも、高さが高い位置に設けられている。これにより、第1領域171および第2領域181は、第2載置部92の上面から高さ方向に離れて、高い位置に位置する。
【0026】
より詳細には、第1アンテナ17および第2アンテナ18は、第1領域171および第2領域181が、第2載置部92に載置された買物籠8に収められた商品7に付された無線タグを含み得ない位置に、配置されている。このような無線タグ読取装置1によれば、待ち行列に並ぶ顧客Cqが購入する予定の商品7に付された無線タグが、精算中の顧客Cが購入する商品のものとして誤って読み取られることがない。
【0027】
図4は、無線タグ読取装置1の構成の一例を示すブロック図である。無線タグ読取装置1は、さらに、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、通信部14、記憶部19などを備える。
【0028】
CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。記憶部19は各種プログラム191を記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、記憶部19は、互いにバスを介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部10を構成する。すなわち、制御部10は、CPU11がROM12や記憶部19に記憶されRAM13に展開されたプログラムに従って動作することによって、無線タグ読取装置1の制御処理を実行する。
【0029】
RAM13は、タグ情報部131を備える。タグ情報部131は、無線タグ読取装置1が読み取った無線タグのタグ情報に基づいて取得した、当該商品の商品情報(個品番号を含む)を記憶する。
【0030】
記憶部19は、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ等で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部19は、プログラム191と商品マスタ192を記憶している。プログラム191は無線タグ読取装置1を制御するための制御プログラムである。商品マスタ192は、個品を特定する個品番号、または当該個品番号が含まれる商品の商品コードに対応付けて、当該商品の商品情報を記憶する。
【0031】
制御部10は、通信部14や第1アンテナ17、第2アンテナ18と、バスを介して接続される。通信部14は、POS端末3(或いは会計装置4)等と通信可能に接続するための通信インタフェースである。
【0032】
図5は、POS端末3の構成の一例を示すブロック図である。なお、会計装置4も、
図5に示すものとほぼ同様のものを含んで構成される。POS端末3は、CPU31、ROM32、RAM33、通信部34、表示部35、操作部36、記憶部39、音声出力部40、釣銭機41、カードリーダ42、印字部43などを備えている。
【0033】
CPU31は、POS端末3の各部を統括的に制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。CPU31、ROM32、およびRAM33は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部30を構成する。また、RAM33は、商品情報部331を備える。商品情報部331は、少なくとも一つの取引の開始から完了までの間、登録した商品(登録商品)の情報を記憶する。
【0034】
記憶部39は、HDDやSSD或いはフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部39は、CPU31が実行可能なプログラム391や、各種の設定情報などを記憶する。
【0035】
通信部34は、制御部30と無線タグ読取装置1とを通信可能に接続する通信インタフェースである。表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU31の制御の下、各種の情報を表示する。操作部36は、表示部35の表面に重ねて設けられるタッチパネルや、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを有し、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU31に出力する。音声出力部40は、スピーカーやブザーを有し、CPU31の制御の下、音声を出力する。
【0036】
釣銭機41は、現金(硬貨や紙幣)を内蔵し、決済において入金を受け付けて釣銭を出金する。カードリーダ42は、クレジットカード等の記憶媒体が記憶する情報を読み取る。印字部43は、取引を記録したレシートを印字し発行する。
【0037】
このような構成において、無線タグ読取装置1は、第1アンテナ17および第2アンテナ18から所定の出力で(或いは所定の強度の)電波を放射することにより、第1載置部91の上の所定範囲(第1領域171および第2領域181)内に存在する無線タグから、タグ情報を読み取る。
【0038】
これにより、第1載置部91上の商品7に付された無線タグのタグ情報が、無線タグ読取装置1に読み取られる。無線タグ読取装置1は、読み取ったタグ情報に合致する個品番号或いは商品コードに対応付けられた商品情報を商品マスタ192から取得し、POS端末3や会計装置4に送信する。
【0039】
第2載置部92に載置された商品7に付された無線タグは、第1領域171および第2領域181)内に位置しない。よって、無線タグ読取装置1は、第2載置部92上の商品7に付された無線タグを読み取らない。したがって、第2載置部92上の商品7の商品情報が、POS端末3や会計装置4に送信されることがない。
【0040】
また、店員は、顧客Cとの取引を終えると、待ち行列に並ぶ顧客Cqの買物籠8を、第2載置部92から第1載置部91に引き上げるだけでよく、従来のような、壁などで囲まれた空間に商品7を移し替える等の手間は不要である。
【0041】
このように、第1実施形態によれば、対象外の商品を誤って読み取る不都合が発生しにくく、対象の商品を読み取るための空間への出し入れがしやすく、操作性が高い無線タグ読取装置1を提供することができる。
【0042】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0043】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。本実施形態における第1載置部91の上面と第2載置部92の上面との高低差は、買物籠8の高さよりも大きい。なお、ここで言う買物籠8の高さは、持ち手を除いた容器の部分の高さである。買物籠8の高さは、第2載置部92に載置される物品に付された無線タグが位置し得る高さの最大値とも言える。
【0044】
このような構成によれば、第2載置部92に置かれた買物籠8内の商品7は、より確実に、第1領域171および第2領域181の外に位置することとなる。また、本実施形態によれば、第1載置部91と第2載置部92との境と、第1アンテナ17および第2アンテナ18との距離を、第1実施形態の場合よりも小さくすることができる。
【0045】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。本実施形態における第1アンテナ17は、電波を放射する面170を傾けて設けられている。この面170を、第2載置部92の方へ延長した仮想線1701と、第2載置部92の上面とがなす角αは、仮想線1701が第2載置部92に載置された買物籠8に交差せず買物籠8の上方に位置する大きさ以上である。また、角αの最大値は、90°未満である。
【0046】
なお、第1載置部91に設けられたアンテナが複数ある場合、少なくとも、第2載置部92に近い位置に位置するアンテナを、上述のように傾斜させる。
【0047】
第1アンテナ17を上述のように傾斜させると、第1アンテナ17が発する電波による無線タグ読取可能領域すなわち第1領域172が、平面視における第1載置部91の外に、はみ出しにくい。これにより、第2載置部92に置かれた商品7を、より確実に、第1領域171および第2領域181の外に位置させることができる。
【0048】
また、上記により、
図7に示すように、傾斜させた第1アンテナ17が無線タグを読取可能である第1領域172は、第1アンテナ17を傾斜させない場合の第1領域171よりも、大きくすることが可能になる。つまり、第1アンテナ17の出力を高める(或いは電波強度を強める)ことができる。よって、好適で安定した読取性能を得ることができる。
【0049】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。無線タグ読取装置1は、第2載置部92との距離が異なる複数の位置に、第1アンテナ17および第2アンテナ18を備えている。また、本実施形態では、第1アンテナ17および第2アンテナ18のうち、第2載置部92に近い位置に位置するものが放射する電波の強度は、第2載置部92から遠い位置に位置するものが放射する電波の強度よりも、弱い。
【0050】
つまり、第1アンテナ17が発する電波による無線タグ読取可能領域すなわち第1領域173は、第1実施形態の第1領域171よりも小さく設定されている。また、本実施形態における第2アンテナ18が発する電波による無線タグ読取可能領域すなわち第2領域183は、第1実施形態の第2領域181よりも大きく設定されている。
【0051】
このような構成によれば、第1載置部91と第2載置部92との高低差を抑えつつ、第2載置部92への第1領域173のはみ出しを抑えることができる。
【0052】
(第5実施形態)
図9は、第5実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。本実施形態の無線タグ読取装置1は、第1載置部91と第2載置部92との境に、仕切部材93を備える。仕切部材93は、第1アンテナ17および第2アンテナ18が設けられる位置(第1載置部91)と第2載置部92とを隔てる。また、仕切部材93は、電波を吸収または反射するものを含んで構成されている。
【0053】
このような構成によれば、仕切部材93が電波を遮蔽するので、第1領域171および第2領域181が、仮に、平面視において第1載置部91からはみ出す大きさに設定されていても、第2載置部92上の無線タグが誤って読み取られることを防ぐことができる。また、このような構成によれば、第1載置部91と第2載置部92との高低差を、小さめに設定することも可能である。
【0054】
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態の無線タグ読取装置の一例を示す正面図である。本実施形態は、第5実施形態の変形例である。本実施形態の仕切部材93は、第1載置部91に向いた方の面に、第3アンテナ16を備えている。第3アンテナ16は、第1アンテナ17および第2アンテナ18と同様に、第1載置部91上の無線タグを読み取るための電波を発する。
【0055】
このような構成によれば、第1載置部91上の商品7に付された無線タグを、さらに容易に漏れなく読み取ることができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 …無線タグ読取装置、
10…制御部、11…CPU、12…ROM、13…RAM、131…タグ情報部、
14…通信部、
16…第3アンテナ、
17…第1アンテナ、171、172、173…第1領域、
170…面、1701…仮想線、
18…第2アンテナ、181、183…第2領域、
19…記憶部、191…プログラム、192…商品マスタ、
3 …POS端末、4…会計装置、
30…制御部、31…CPU、32…ROM、33…RAM、331…商品情報部、
34…通信部、35…表示部、36…操作部、
39…記憶部、391…プログラム、
40…音声出力部、41…釣銭機、42…カードリーダ、43…印字部、
5 …POSシステム、6…セミセルフPOSシステム、
7 …商品、8…買物籠、
9 …載置台、91…第1載置部、92…第2載置部、93…仕切部材。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】