(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169835
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】行先階登録装置
(51)【国際特許分類】
B66B 1/14 20060101AFI20241129BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B66B1/14 K
B66B3/00 P
B66B3/00 K
B66B1/14 L
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086621
(22)【出願日】2023-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友宏
(72)【発明者】
【氏名】濱口 萌子
(72)【発明者】
【氏名】水戸 陵人
(72)【発明者】
【氏名】立岡 利茂弥
(72)【発明者】
【氏名】山田 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】平田 智之
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303CA01
3F303CB23
3F303CB31
3F502HB02
3F502KA07
3F502KA08
3F502KA19
3F502MA03
3F502MA19
(57)【要約】
【課題】利用者が行先階を登録することによる渋滞を緩和することができる行先階登録装置を提供する。
【解決手段】行先階登録装置は、エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する。行先階登録装置は、撮像装置がエレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、画像に基づいて利用者の移動を検出する制御部と、を備える。通路には、エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれる。制御部は、画像において利用者が複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、行先階として決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
行先階登録装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記画像における前記利用者の移動方向を検出し、
前記検出した移動方向が前記エレベータに向かう所定方向であるときに、前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかに応じて前記行先階を決定する、
請求項1に記載の行先階登録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検出した移動方向が前記所定方向でないときは、前記行先階を決定しない、請求項2に記載の行先階登録装置。
【請求項4】
前記複数の所定領域は、前記エレベータに向かう所定方向と交差する方向を列方向として一列に並び、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
請求項1~3のいずれかに記載の行先階登録装置。
【請求項5】
前記複数の所定領域は、前記エレベータに向かう所定方向と交差する方向を列方向として複数列で並び、
前記複数列は、第1の列と、前記第1の列より前記エレベータに近い位置に配置された第2の列とを含み、
前記制御部は、
前記画像において前記利用者が前記第1の列に含まれる前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した前記第1の列の所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記画像において前記利用者が、前記第1の列に含まれる前記複数の所定領域の上を前記所定方向に移動せずに、前記第2の列に含まれる前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した前記第2の列の所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
請求項1~3のいずれかに記載の行先階登録装置。
【請求項6】
前記複数の所定領域は、第1の方向に延在する第1の領域と、第2の方向に延在する第2の領域とを含み、
前記第1の方向は、前記通路が延在する進行方向と、前記進行方向に直交する幅方向に平行であって、前記通路の前記幅方向の中央から、前記通路の前記幅方向の一端に向かう方向と、の間の方向であり、
前記第2の方向は、前記進行方向と、前記幅方向に平行であって、前記中央から前記通路の前記幅方向の他端に向かう方向と、の間の方向であり、
前記制御部は、
前記画像において前記利用者が前記第1の領域上を前記第1の方向に移動したとき、前記第1の領域に対応する前記階床を前記行先階として決定し、
前記画像において前記利用者が前記第2の領域上を前記第2の方向に移動したとき、前記第2の領域に対応する前記階床を前記行先階として決定する、
請求項1~3のいずれかに記載の行先階登録装置。
【請求項7】
前記第1の領域の前記幅方向の位置は、前記通路の前記幅方向の中央と前記一端との間にあり、
前記第2の領域の前記幅方向の位置は、前記第1の領域の前記幅方向の位置と、前記通路の前記幅方向の前記他端との間にある、
請求項6に記載の行先階登録装置。
【請求項8】
管理制御装置に送信)
前記制御部は、前記決定された行先階を示す信号を、前記エレベータの運行を制御する管理制御装置に送信する、請求項1に記載の行先階登録装置。
【請求項9】
前記複数の所定領域と、前記複数の所定領域が対応付けられた前記複数の階床と、を示す情報を表示装置に出力する出力部を更に備え、
前記制御部は、前記出力部を介して、前記情報を表示するように前記表示装置を制御する、
請求項1に記載の行先階登録装置。
【請求項10】
前記表示装置は、前記通路上に前記情報を投影するプロジェクタであり、
前記制御部は、所定条件が満たされる場合に前記複数の所定領域のうちの少なくとも1つの大きさを変更し、変更後の前記複数の所定領域を示す情報を前記通路上に投影するように前記出力部を介して前記プロジェクタを制御する、
請求項9に記載の行先階登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行先階登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、乗場への通路にエレベータ利用者の通過検出手段を備え、通過検出手段により通過位置を行先階に変換して登録する車椅子用エレベータの呼び登録装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、利用者が行先階を登録することによる渋滞を緩和することができる行先階登録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、利用者が行先階を登録することによる渋滞を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階における機器配置を示した概略平面図である。
【
図2】
図1の通路領域及びその周囲の拡大図である。
【
図3】エレベータシステムの構成を例示したブロック図である。
【
図4】エレベータ制御装置の構成を例示したブロック図である。
【
図5】行先階登録装置の構成を示したブロック図である。
【
図6】群管理制御装置の記憶部に格納される表示装置DBの構成を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る行先階登録装置の動作を説明したフローチャートである。
【
図8】カメラによって撮像された通路の画像を例示する模式図である。
【
図9】群管理制御装置による割当号機の決定及び表示ON動作を説明したフローチャートである。
【
図10】表示指示のデータ形式を例示する表である。
【
図11】群管理制御装置の表示OFF動作を説明したフローチャートである。
【
図12A】表示指示のデータ形式を例示する表である。
【
図12B】表示指示のデータ形式を例示する表である。
【
図13】表示装置に表示される画像を例示する模式図である。
【
図14】エレベータ制御装置の動作を説明したフローチャートである。
【
図15】エレベータ制御装置の動作を説明したフローチャートである。
【
図16】実施の形態2に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階の通路を示した概略平面図である。
【
図17】実施の形態2に係る行先階登録装置の動作を説明したフローチャートである。
【
図18】実施の形態3に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階の通路を示した概略平面図である。
【
図19】実施の形態3に係る行先階登録装置の動作を説明したフローチャートである。
【
図20】第1変形例に係るプロジェクタと、プロジェクタによって投影される表示例とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
(実施の形態1)
1.構成例
1-1.エレベータシステムの概要
図1は、実施の形態1に係るエレベータシステムが適用されるビル(建物)の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。
【0010】
本実施の形態に係るエレベータシステムは、複数台のエレベータ50と、複数台のエレベータ50の運行を統合的に制御する群管理システムとを含む。本実施の形態では、エレベータシステムが6台のエレベータ50(A号機~F号機)を有する例を示している。
【0011】
各階床には、行先階登録装置30と、カメラ34と、表示装置35が配置されている。
【0012】
カメラ34は、エレベータへの通路の少なくとも一部を含む通路領域Rの画像を時系列で撮像して画像を生成する。
【0013】
本実施の形態に係るエレベータシステムは、利用者がエレベータ50のかごに乗車する前に行先階登録装置30で行先階を予め登録する行先階登録方式を採用する。行先階登録装置30は、カメラ34から取得した画像に基づいて、利用者の行先階を決定する。
【0014】
群管理システムは、このように行先階登録装置30を用いて予め登録された行先階又は出発階に関する呼び(乗場呼び)を、複数台のエレベータ50のうちのいずれかの号機に割り当てる。群管理システムは、割り当てた号機を示す情報を利用者に報知し、割り当てた号機に利用者を乗車させるように構成されている。
【0015】
なお、特定階の行先階登録装置30は、操作部を有してもよい。例えば、利用者は、行先階の登録に失敗したとき、群管理システムにより指定されたエレベータ50に乗り遅れたとき等に、操作部を用いて行先階を設定し、エレベータ50を利用することが可能となる。
【0016】
表示装置35は、各エレベータ50の行先階を表示する。表示装置35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用して構成される。表示装置35は、群管理制御装置10から受信した指示又は信号を解釈又は複合する演算回路と、プログラム、データ等を記憶する記憶部を含む。このような演算回路及び記憶部は、例えば、後述の群管理制御装置10の制御部11及び記憶部12とそれぞれ同様の構成を有してもよい。
【0017】
各エレベータ50は、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。
【0018】
なお、
図1には、説明の便宜のため、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示している。
図1に示す例では、Z軸は、鉛直方向を示し、上向きを正とする。X軸は、通路領域Rを含む通路の延びる方向(通路の進行方向)を示し、エレベータ乗場に向かう方向を正とする。Y軸は、通路の幅方向を示す。
【0019】
図2は、
図1の通路領域R及びその周囲の拡大図である。
図1及び
図2の例では、通路領域Rは、2階の通路を表している。すなわち、この例では特定階は2階である。
【0020】
通路領域Rには、複数の所定領域(レーン)L1~L7が配置されている。
図2の例では、レーンL1~L7は、Y方向を列方向として一列に並んでいる。レーンL1~L7は、それぞれ、地下1階(B1階)、1階、3階~7階に対応付けられている。各レーンL1~L7には、利用者が行先階を認識できるように、対応付けられた行先階が表示される。レーン上の行先階を表す文字又は記号は、例えば、ペイント、ステッカー等の表示手段によって表示される。
【0021】
例えば、利用者がレーンL1内をエレベータに向かう方向(+X方向)に移動した場合、行先階登録装置30は、カメラ34から取得した画像に基づいて、行先階をB1階とする行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。
【0022】
これにより、利用者は、立ち止まることなく行先階を登録してエレベータ50を呼ぶことができる。したがって、行先階登録装置30は、行先階登録のために利用者が立ち止まることによる渋滞を緩和することができる。
【0023】
1-2.エレベータシステムの構成
1-2-1.概要
図3は、エレベータシステム100の構成を例示したブロック図である。エレベータシステム100は、複数台のエレベータ50と、これらのエレベータ50を統合的に制御する群管理システムと、を含む。
【0024】
エレベータの群管理システムは、群管理制御装置10と、複数台の行先階登録装置30と、複数台のエレベータ制御装置40とを含む。例えば、行先階登録装置30は、各階に設置される。エレベータ制御装置40は、エレベータ50に対応して設置される。本実施の形態では、エレベータシステム100は、A号機~F号機のエレベータ50にそれぞれ対応する6個のエレベータ制御装置40を備える。
【0025】
各階にカメラ34が設置される。カメラ34は、対応する行先階登録装置30に撮像画像を送信する。カメラ34の所定画角領域は、通路領域Rを通る利用者を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、利用者の検出を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばHD、FHD、4Kなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば15fpsや30fpsとすることができる。
【0026】
表示装置35は、各階のエレベータ乗場の近傍に少なくとも1つ設置される。表示装置35は、通路領域Rの近傍に設置されてもよい。
【0027】
群管理制御装置10は、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40と通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置間は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。群管理制御装置10は、管理制御装置の一例である。
【0028】
なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。例えば、群管理制御装置10は、各エレベータ制御装置40とシリアル通信を行ってもよい。
【0029】
1-2-2.群管理制御装置
群管理制御装置10は、複数台のエレベータ50の運行を統合的に制御する。
【0030】
群管理制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13と、を備える。
【0031】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納する。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部12は、データとして、少なくとも表示装置データベース(以下「表示装置DB」という。)を格納する。表示装置DBの構成については後述する。
【0032】
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、画像処理に適したGPUを含んでもよい。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10の各種の機能を実現する。
【0033】
入出力インタフェース13は、群管理制御装置10が、行先階登録装置30、及びエレベータ制御装置40との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。
【0034】
入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して行先階登録装置30、エレベータ制御装置40等の外部装置に出力する出力部の一例である。また、入出力インタフェース13は、外部装置から受信した信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に入力する入力部の一例である。入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ、シリアルポート等を利用して構成される。
【0035】
1-2-3.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40は、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ50の巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、エレベータ50のかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40は、対応するエレベータ50のかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置10に出力する。
【0036】
図4は、エレベータ制御装置40の構成を例示したブロック図である。エレベータ制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43とを備える。制御部41、記憶部42、及び入出力インタフェース43は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0037】
記憶部42は、エレベータ制御装置40の各種機能を実現するためのプログラム、及び種々のデータを格納する。
【0038】
制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における各種の機能を実現する。
【0039】
1-2-4.行先階登録装置
図5は、行先階登録装置30の構成を示したブロック図である。行先階登録装置30は、行先階の登録(指定)を行う装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33とを備える。
【0040】
記憶部32は、本実施の形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラム、及び種々のデータを格納する。
【0041】
制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
【0042】
入出力インタフェース33は、行先階登録装置30が、カメラ34、群管理制御装置10等の外部装置との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。
【0043】
制御部31、記憶部32、及び入出力インタフェース33は、それぞれ、群管理制御装置10の制御部11、記憶部12、及び入出力インタフェース13と同様の構成を有してもよい。
【0044】
1-3.データ構成
図6は、群管理制御装置10の記憶部12に格納される表示装置DBの構成を示す図である。表示装置DBは、出発階と表示装置IDとを関連付けた情報を含む。
図6の例では、地下1階を示す出発階情報“B1F”と、地下1階に設置された表示装置35の表示装置IDである“D01”とが紐付けられている。残りの階床に関するデータについても同様に、出発階と表示装置IDとが紐付けられている。
【0045】
群管理制御装置10の制御部11は、各階の行先階登録装置30から行先階呼びを受信し、この行先階呼びを最適号機に割り当てる。行先階呼びは、出発階及び行先階の情報を含む信号である。制御部11は、出発階をキーにして表示装置DBから表示装置IDを取得し、取得した表示装置IDに対応する表示装置35に対して、表示指示(“ON”、号機、行先階)を送信する。
【0046】
2.エレベータシステムの動作
2-1.行先階登録装置の動作
以下、エレベータシステム100の動作を説明する。まず、行先階登録装置30の動作を説明する。
【0047】
図7は、本実施の形態に係る行先階登録装置30の動作を説明したフローチャートである。各階の行先階登録装置30の制御部31が、それぞれ、
図7の処理を繰り返し実行する。
【0048】
制御部31は、カメラ34によって撮像された通路の画像を取得する(S1)。
【0049】
制御部31は、取得した画像を解析する(S2)。制御部31は、画像解析S2の結果に基づいて、後続のステップS3~S4を行う。あるいは、制御部31は、画像を取得するステップS1を実行した後、ステップS3~S5の各処理において画像解析処理を実行してもよい。
【0050】
画像解析S2では、画像から人を検出する任意の技術を利用することができる。このような技術は、公知の人物検出技術を含む。
【0051】
制御部31は、画像においてエレベータ乗場に向かう利用者を検知する(S3)。エレベータ乗場に向かう利用者を検知しなかった場合(S3でNo)はステップS1に戻る。
【0052】
制御部31は、エレベータ乗場に向かう利用者を検知した場合(S3でYes)、利用者がレーン上を所定方向に移動したかを判定する(S4)。
【0053】
図8を参照してステップS4について説明する。
図8は、カメラ34によって撮像された通路の画像Vを例示する模式図である。制御部31は、
図7のステップS1で画像Vを取得する。なお、便宜上、
図8の画像V中にも、
図1,2に示した座標軸に相当する座標軸を示している。
【0054】
本実施の形態では、制御部31は、エレベータに向かう方向と交差する方向を列方向としてレーンL1~L7が一列に並ぶように、画像V中のレーンL1~L7をそれぞれ規定する。
図8の例では、制御部31は、レーンL1~L7がY方向を列方向として一列に並ぶように、画像V中のレーンL1~L7をそれぞれ規定する。
【0055】
本明細書では、レーンL1~L7に対応する画像V中の領域を「行先階指定領域」又は単に「領域」ということがある。また、行先階指定領域には、レーンと同じ符号を付すことがある。例えば、レーンL1に対応する画像V中の領域を行先階指定領域L1と記載することがある。
図8の例では、行先階指定領域L1は、行先階をB1階に指定するための領域である。
【0056】
ステップS4では、制御部31は、画像Vを解析して、利用者がレーンL1~L7のいずれかの上を所定方向に移動したかを判定する。所定方向は、通路に沿ってエレベータに向かう方向である。所定方向は、例えば、
図1,2の例ではX方向である。利用者が厳密にはX方向に進んでいなくても、特定のレーンを、当該レーンの中央より-X方向にある一端から、当該レーンの中央より+X方向にある他端まで通過した場合、制御部31は、利用者が所定方向に移動したと判定する。
【0057】
図7に戻り、制御部31は、利用者がレーン上を所定方向に移動していないと判定した場合(S4でNo)、ステップS1に戻る。この場合、後述のステップS6に進まず行先階呼びを送信しない。これにより、レーン上をエレベータ乗場から離れる方向に進む人を検知した場合に行先階呼びを群管理制御装置10に送信することを防止することができる。
【0058】
制御部31は、利用者がレーン上を所定方向に移動したと判定した場合(S4でYes)、当該利用者が通ったレーンを特定し(S5)、特定されたレーンに応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する(S6)。例えば、
図8の例では、利用者がレーンL1を+X方向に移動した場合、制御部31は、行先階をB1階とする行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。
【0059】
利用者は、レーンL1~L7のいずれかを通過するだけで、立ち止まることなく行先階を登録してエレベータ50を呼ぶことができる。したがって、行先階登録装置30は、行先階登録のために利用者が立ち止まることによる渋滞を緩和することができる。
【0060】
2-2.群管理制御装置の動作
2-2-1.割当号機の決定及び表示ON動作
図9は、群管理制御装置10による割当号機の決定及び表示ON動作を説明したフローチャートである。
図9の処理は、群管理制御装置10の制御部11によって繰り返し実行される。
【0061】
群管理制御装置10の制御部11は、行先階登録装置30から行先階呼びを受信したか否かを判定する(S11)。制御部11は、行先階呼びを受信するまでステップS11を繰り返す。
【0062】
制御部11は、行先階呼びを受信した場合(S11でYes)、行先階呼びに含まれる出発階及び行先階の情報に基づいて、割当号機を決定する(S12)。
【0063】
割当号機の決定は、例えば、輸送性能に関連する指標である割当評価値に基づいて行われる。制御部11は、号機毎に割当評価値を求め、求めた割当評価値のうち最適割当てを示す割当評価値を有する号機に行先階呼びを割り当て、当該号機を割当号機に決定する。割当評価値に基づく割当方法は公知の方法を利用することができる。例えば、全号機及び全呼びについての待ち時間の総和やサービス完了時間の総和が最も少なくなる割当方法を利用することができる。
【0064】
制御部11は、行先階呼びに含まれる出発階及び行先階の情報と、ステップS12で決定された割当号機の情報を記憶部12に記憶する(S13)。
【0065】
制御部11は、割当号機のエレベータ制御装置40に、出発階及び行先階の情報を送信する(S14)。
【0066】
制御部11は、割当号機について行先階表示をONにするための表示指示を表示装置35に送信する(S15)。表示指示は、例えば、行先階表示をONにするかOFFにするかに関する表示態様情報と、対象号機を示す号機情報と、行先階を示す行先階情報とを含む信号である。
図10は、このような表示指示のデータ形式を例示する表である。
図10の例は、表示装置35がA号機についての6階の行先階表示をONにすべきことを示す表示指示を表している。
【0067】
ステップS13~S15は、
図9と異なる順序で実行されてもよい。
【0068】
2-2-2.表示OFF動作
図11は、群管理制御装置10の表示OFF動作を説明したフローチャートである。
図11の処理は、群管理制御装置10の制御部11によって繰り返し実行される。
【0069】
制御部11は、号機が階床に到着したか否かを判定する(S21)。本実施の形態の例では、制御部11は、A~F号機のいずれかが階床に到着したか否かを判定する。制御部11は、号機が階床に到着するまでステップS21を繰り返す。
【0070】
制御部11は、号機が階床に到着した場合(S21でYes)、到着号機に関する所定条件が満たされるか否かを判定する(S22)。所定条件は、例えば、次の要件(i)~(iii)が全て満たされることである。
(i)到着号機に割り当てられた行先階呼びがある
(ii)当該行先階呼びに含まれる出発階が到着階に一致する
(iii)当該行先階呼びの行先階が、到着号機が次に移動する方向にある
【0071】
所定条件が満たされない場合(S22でNo)、制御部11は、
図11の処理を終了する。
【0072】
所定条件が満たされる場合(S22でYes)、制御部11は、到着号機の到着階についての行先階表示をOFFにするための表示指示を表示装置35に送信する(S23)。例えば、制御部11は、出発階をキーにして表示装置DBから表示装置IDを取得し、取得した表示装置IDに対応する表示装置35に対して、表示指示(“OFF”、号機、行先階)を送信する。これにより、号機が階床に到着した場合、表示装置35において当該号機の到着階についての表示がOFFとなる。
【0073】
図12A及び
図12Bは、このような表示指示のデータ形式を例示する表である。
図12Aの例は、表示装置35がA号機についての6階の行先階表示をOFFにすべきことを示す表示指示を表している。
図12Bの例は、表示装置35がC号機についての4階、5階、及び6階の行先階表示をOFFにすべきことを示す表示指示を表している。
【0074】
図11に戻り、制御部11は、所定条件に関するデータを群管理制御装置10の記憶部12から消去する(S24)。例えば、制御部11は、上記の要件(i)~(iii)に係る行先階呼びと一致するデータを記憶部12から消去する。
【0075】
2-3.表示装置の動作
図13は、2階に設置された表示装置35に表示される画像を例示する模式図である。表示装置35は、ステップS15、S23等で群管理制御装置10の制御部11から送信された表示指示を受信した場合、表示指示に従って表示態様(行先階表示のON又はOFF)を変更する。
【0076】
図13の表示例では、2階を出発階とする各号機の停止予定階に丸印が表示されている。表示装置35は、行先階表示をONにするための表示指示(“ON”、号機、行先階)を受信すると、表示指示に含まれる号機の行先階に丸印を表示する。一方、表示装置35は、行先階表示をOFFにするための表示指示(“OFF”、号機、行先階)を受信すると、表示指示に含まれる号機の行先階に表示された丸印を削除する。
【0077】
2-4.エレベータ制御装置の動作
図14及び
図15は、エレベータ制御装置40の動作を説明したフローチャートである。
図14及び
図15の処理は、各号機のエレベータ制御装置40の制御部41によって繰り返し実行される。制御部41は、
図14及び
図15の処理を並行して実行してもよいし、順次実行してもよい。
【0078】
図14では、制御部41は、群管理制御装置10から行先階呼びを受信したか否かを判定する(S31)。制御部41は、行先階呼びを受信するまでステップS31を繰り返す。
【0079】
制御部41は、行先階呼びを受信した場合(S31でYes)、行先階呼びに関する情報、例えば行先階呼びに含まれる出発階及び行先階の情報を記憶部42に格納する(S32)。
【0080】
図15では、制御部41は、記憶部42に行先階呼び又はかご呼びに関する情報があるか否かを判定する(S41)。
【0081】
記憶部42に行先階呼び又はかご呼びに関する情報がある場合(S41でYes)、制御部41は、次の停止階を決定する(S42)。例えば、制御部41は、行先階呼びに含まれる出発階、かご呼び等の情報に基づいて次の停止階を決定する。
【0082】
制御部41は、かごを次の停止階まで移動させる(S43)。かごは、この停止階に到着して停止する。
【0083】
制御部41は、到着階が、行先階呼びに含まれる出発階に一致するか否かを判定する(S44)。
【0084】
到着階が行先階呼びの出発階に一致する場合(S44でYes)、制御部41は、到着階で利用者が乗車したか否かを判定する(S45)。例えば、制御部41は、エレベータ50のかごに加わる荷重を検出するロードセルから出力される荷重値を示す信号に基づいて、利用者がかごに乗車したか否かを判定する。これに加えて、又はこれに代えて、利用者がかごに乗車したか否かの判定は、光学センサ等の検出結果に基づいて行われてもよい。
【0085】
制御部41は、到着階で利用者が乗車したと判定した場合(S45でYes)、ステップS46に進む。ステップS46では、制御部41は、行先階呼びの出発階が到着階と一致し、かつ、行先階呼びの行先階が次に移動する方向にあると判定した場合、行先階呼びの行先階をかご呼びとして記憶部42に登録し、当該行先階呼びを記憶部42から消去する。
【0086】
ステップS44において、到着階が行先階呼びの出発階に一致しない場合(S44でNo)、制御部41は、到着階を示すかご呼びを記憶部42から消去する(S47)。
【0087】
制御部41は、ステップS45において到着階で利用者が乗車しない場合(S45でNo)、到着階に対応する出発階を有する行先階呼びを記憶部42から消去する(S48)。すなわち、記憶部42に記憶された行先階呼びに含まれる出発階が、当該到着階に一致する場合、制御部41は、当該行先階呼びを記憶部42から消去する。これに加えて、制御部41は、到着階を示すかご呼びを記憶部42から消去してもよい。
【0088】
3.効果等
以上のように、本実施の形態に係る行先階登録装置30は、撮像装置の一例であるカメラ34がエレベータ50への通路を時系列で撮像して生成した画像Vを取得する入力部の一例である入出力インタフェース33と、画像Vに基づいて利用者の移動を検出する制御部31と、を備える。通路には、エレベータ50が停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域(レーン)L1~L7が含まれる。制御部31は、画像Vにおいて利用者が複数のレーンL1~L7のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、行先階として決定する(S5)。
【0089】
この構成により、利用者は、立ち止まることなく行先階を登録できる。したがって、行先階登録装置30は、利用者が行先階を登録することによって生じる渋滞を緩和することができる。
【0090】
制御部31は、画像Vにおける利用者の移動方向を検出し(S4)、利用者の移動方向がエレベータに向かう所定方向であるときに、利用者が複数のレーンL1~L7のいずれを通ったかに応じて行先階を決定してもよい(S5)。この構成により、レーン上をエレベータ乗場から離れる方向に進む人を検知した場合に行先階を決定することを防止することができる。
【0091】
制御部31は、利用者の移動方向が所定方向でないときは(S4でNo)、行先階を決定しなくてもよい。この構成により、レーン上をエレベータ乗場から離れる方向に進む人を検知した場合に行先階を決定することを防止することができる。
【0092】
複数のレーンL1~L7は、エレベータ50に向かう所定方向と交差する方向を列方向として一列に並んでもよい。この場合、制御部31は、画像Vにおいて利用者が複数のレーンL1~L7のいずれかの上を所定方向に移動したとき(S4でYes)、利用者が移動したレーンに対応する階床を行先階として決定する(S5)。この構成により、利用者が行先階を登録することによって生じる渋滞を緩和することができる。
【0093】
制御部31は、決定された行先階を示す信号を、エレベータの運行を制御する管理制御装置の一例である群管理制御装置10に送信してもよい(S6)。この構成により、利用者は、立ち止まることなく行先階を登録してエレベータ50を呼ぶことができるため、行先階登録装置30は、利用者が行先階を登録することによって生じる渋滞を緩和することができる。
【0094】
(実施の形態2)
実施の形態1では、
図2に示すように、レーンL1~L7は、一列に並ぶように配置されるのに対して、実施の形態2では、レーンは複数列に配置される。本実施の形態では、レーンを一列に配置する必要がなく、複数列に配置できることにより、レーンを配置するために必要な通路幅を抑えることができる。例えば、本実施の形態に係るエレベータシステムによれば、通路が狭くても、全行先階に対応するレーンを配備することができる。
【0095】
図16は、本実施の形態に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階の通路を示した概略平面図である。
【0096】
実施の形態1の
図2と比較すると、実施の形態1では、レーンL1~L7が一列に並ぶのに対し、本実施の形態では、レーンL1~L8は、Y方向を列方向として複数列で並んでいる。
【0097】
以下の本実施の形態に係るエレベータシステムに関する説明においては、実施の形態1に係るエレベータシステムと同様の構成、動作等の説明を省略することがある。例えば、本実施の形態に係るエレベータシステムの構成及び動作は、以下に述べる点を除き、実施の形態1に係るエレベータシステムの構成及び動作と実質的に同一であってもよい。
【0098】
複数列のレーン群は、第1の列C1と第2の列C2とを含む。第2の列は、第1の列よりエレベータに近い位置に配置されている。
【0099】
第1の列C1には、B1階に対応するレーンL1と、1階に対応するレーンL2と、6階に対応するレーンL6と、7階に対応するレーンL7とが配置されている。第1の列C1の通路(非指定領域)Leは、いずれの階床にも対応しない領域であり、利用者が通路Leを通っても、行先階は登録されない。
【0100】
第2の列C2には、3階に対応するレーンL3と、4階に対応するレーンL4と、5階に対応するレーンL5と、2階に対応するレーンL8と、通路Leとが配置されている。
【0101】
なお、
図16の例では、全階床に対応するレーンL1~L8があるが、出発階に対応するレーンはなくてもよい。例えば、2階の通路には、2階に対応するレーンL8はなくてもよい。
【0102】
図17は、本実施の形態に係る行先階登録装置30の動作を説明したフローチャートである。
図7のフローチャートと比較すると、
図17のフローチャートは、ステップS4に代えて、ステップS204を含む。
【0103】
ステップS204では、制御部31は、利用者が第1の列C1又は第2の列C2のレーン上を所定方向に移動したかを判定する。制御部31は、利用者が第1の列C1のレーン上を所定方向に移動せず、かつ、第2の列C2のレーン上も所定方向に移動していないと判定した場合(S204でNo)、ステップS1に戻る。なお、通路Leは、レーンに含まれない。
【0104】
制御部31は、利用者が第1の列C1又は第2の列C2のレーン上を所定方向に移動したと判定した場合(S204でYes)、当該利用者が通ったレーンを特定し(S5)、特定されたレーンに応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する(S6)。
【0105】
なお、利用者が第1の列C1のレーン上及び第2の列C2のレーン上の両方を所定方向に移動した場合、制御部31は、例えば、第1の列C1のレーンに応じた行先階呼びと、第2の列C2のレーンに応じた行先階呼びと、の両方を群管理制御装置10に送信する。あるいは、この場合、制御部31は、先に通った第1の列C1のレーンに応じた行先階呼びのみを群管理制御装置10に送信してもよい。あるいは、この場合、制御部31は、後に通った第2の列C2のレーンに応じた行先階呼びのみを群管理制御装置10に送信してもよい。
【0106】
以上のように、本実施の形態では、複数のレーンL1~L8は、エレベータ50に向かう所定方向と交差する方向、例えばY方向を列方向として複数列で並ぶ。複数列のレーン群は、第1の列C1と、第1の列C1よりエレベータ50に近い位置に配置された第2の列C2とを含む。
【0107】
行先階登録装置30の制御部31は、画像において利用者が第1の列に含まれる複数のレーンL1,L2,L6,L7のいずれかの上を所定方向に移動したとき、利用者が移動した第1の列C1のレーンに対応する階床を、行先階として決定する。制御部31は、画像において利用者が、第1の列C1に含まれる複数のレーンの上を所定方向に移動せずに、第2の列C2に含まれる複数のレーンL3,L4,L5,L8のいずれかの上を所定方向に移動したとき、利用者が移動した第2の列C2のレーンに対応する階床を、行先階として決定する。
【0108】
本実施の形態に係るエレベータシステムでは、レーンL1~L8が複数列に配置できることにより、行先階登録装置30は、多くの行先階に対応できる。例えば、通路が狭くても、全行先階に対応するレーンを配備することができる。また、各レーンの幅を広くすることができ、利用者が渋滞することを防止することができる。
【0109】
(実施の形態3)
実施の形態1では、
図2に示すように、レーンL1~L7が同一方向(X方向)に延在するように配置される例を説明した。これに対して、実施の形態3では、レーン群は、第1の方向に延在するレーンと、第1の方向と異なる第2の方向に延在するレーンとを含む。これにより、行先階登録のために利用者が立ち止まることによる渋滞を緩和することができる。また、行先階登録後の利用者の移動経路が分散されるため、通路が混雑することを防止することができる。
【0110】
図18は、本実施の形態に係るエレベータシステムが適用されるビルの特定階の通路を示した概略平面図である。
【0111】
以下の本実施の形態に係るエレベータシステムに関する説明においては、実施の形態1又は実施の形態2に係るエレベータシステムと同様の構成、動作等の説明を省略することがある。例えば、本実施の形態に係るエレベータシステムの構成及び動作は、以下に述べる点を除き、実施の形態1又は実施の形態2に係るエレベータシステムの構成及び動作と実質的に同一であってもよい。
【0112】
本実施の形態では、レーンL1,L2,L3,L8は、方向D1に延在し、レーンL4~L7は、方向D1と異なる方向D2に延在している。方向D1及びD2は、通路に沿ってエレベータに向かう方向(+X方向)を含む。
【0113】
図18の例では、方向D1はX軸から+45度の方向であり、方向D2はX軸から-45度の方向であるが、方向D1,D2はこれに限定されない。例えば、レーンL1,L2,L3,L8は、(a)通路の幅方向に平行な方向であって、通路の幅方向の中央から、通路の幅方向の一端に向かう方向(+Y方向)と、(b)通路をエレベータに向かう方向(+X方向)との間の第1の方向に延在してもよい。なお、(b)の方向は、通路の進行方向である。
【0114】
また、レーンL4~L7は、(c)通路の幅方向に平行な方向であって、通路の幅方向の中央から、通路の幅方向の他端に向かう方向(-Y方向)と、上記(b)の方向との間の第2の方向に延在してもよい。
【0115】
レーンL1,L2,L3,L8は、通路に沿ってエレベータに向かう方向(+X方向)を向いたときにレーンL4~L7より左側に配置される。例えば、+X方向を向いたとき、レーンL1,L2,L3,L8は、通路の中央より左側に配置され、レーンL4~L7は、通路の中央より右側に配置される。なお、+X方向を向いたときには、方向D1は+X方向より左又は+Y方向であり、方向D2は+X方向より右又は-Y方向である。
【0116】
あるいは、レーンL1,L2,L3,L8の幅方向の位置は、通路の幅方向の中央と、通路の幅方向の一端(通路の幅方向の中央より+Y方向にある端部)との間にあってもよい。この場合、レーンL4~L7の幅方向の位置は、レーンL1,L2,L3,L8の幅方向の位置と、通路の幅方向の他端(通路の幅方向の中央より-Y方向にある端部)との間にあってもよい。レーンL4~L7の幅方向の位置は、通路の幅方向の中央と、通路の幅方向の他端(通路の幅方向の中央より-Y方向にある端部)との間にあってもよい。
【0117】
本実施の形態では、レーンL1,L2,L3,L8については、利用者がレーン上を方向D1に移動すれば呼びが登録されるが、その他の方向に移動しても呼びは登録されない。例えば、利用者がレーンL1を方向D1に移動すれば、行先階登録装置30は、カメラ34から取得した画像に基づいて、行先階をB1階とする行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。
【0118】
これにより、行先階登録のために利用者が立ち止まることによる渋滞を緩和することができる。また、行先階登録後の利用者の移動経路が分散されるため、通路が混雑することを防止することができる。
【0119】
図19は、本実施の形態に係る行先階登録装置30の動作を説明したフローチャートである。
図19のステップS1~S3は、
図7と同様である。
【0120】
制御部31は、エレベータ乗場に向かう利用者を検知した場合(S3でYes)、利用者が第1のレーンL1上を第1の方向に移動したかを判定する(S301)。
図18の例では、第1の方向は方向D1である。
【0121】
制御部31は、利用者が第1のレーンL1上を第1の方向に移動したと判定した場合(S301でYes)、第1のレーンL1に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する(S311)。
図18の例では、制御部31は、行先階をB1階とする行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。
【0122】
同様に、制御部31は、利用者が第2のレーンL2上を第2の方向に移動したと判定した場合(S302でYes)、第2のレーンL2に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する(S312)。
図18の例では、第2の方向は方向D1であり、第2のレーンL2に応じた行先階呼びは、行先階を1階とする行先階呼びである。
【0123】
以降、第3のレーンL3から第8のレーンL8についても同様である。
図19では省略しているが、制御部31は、利用者が第3のレーンL3上を第3の方向に移動したと判定した場合、第3のレーンL3に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。
図18の例では、第3の方向は方向D1であり、第3のレーンL3に応じた行先階呼びは、行先階を3階とする行先階呼びである。
【0124】
制御部31は、利用者が第4のレーンL4上を第4の方向に移動したと判定した場合、第4のレーンL4に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。制御部31は、利用者が第5のレーンL5上を第5の方向に移動したと判定した場合、第5のレーンL5に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。制御部31は、利用者が第6のレーンL6上を第6の方向に移動したと判定した場合、第6のレーンL6に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する。
【0125】
制御部31は、利用者が第8のレーンL8上を第8の方向に移動したと判定した場合(S308でYes)、第8のレーンL8に応じた行先階呼びを群管理制御装置10に送信する(S318)。
図18の例では、第4~第7の方向は方向D2であり、第4~第7のレーンL4~L7に応じた行先階呼びは、それぞれ、行先階を4~7階とする行先階呼びである。
図18の例では、第8の方向は方向D1であり、第8のレーンL8に応じた行先階呼びは、行先階を2階とする行先階呼びである。
【0126】
以上のような構成により、本実施の形態に係る行先階登録装置30は、行先階登録のために利用者が立ち止まることによる渋滞を緩和することができる。また、行先階登録後の利用者の移動経路が分散されるため、通路が混雑することを防止することができる。
【0127】
(他の実施の形態)
以上の実施の形態における技術は、前述の例に限定されず、適宜、置き換え、付加、省略などの変更を行った他の実施の形態にも適用可能である。以下、このような他の実施の形態としての変形例を示す。
【0128】
(第1変形例)
実施の形態1では、各レーンL1~L7上に、文字、記号、図形等、具体的には行先階を示す文字、矢印、及び各レーンを囲む枠が、ペイント、ステッカー等の表示手段によって表示される例について説明した。しかしながら、行先階の表示手段はこれらに限定されない。例えば、行先階を表す文字、記号等の情報は、各レーンL1~L7の付近に設置されたディスプレイに表示されてもよい。例えば、レーンL1の手前に設置されたディスプレイに「B1F」の文字が表示され、レーンL2の手前に設置されたディスプレイに「1F」の文字が表示されてもよい。レーンL3~L7についても同様である。ディスプレイは、本開示の表示装置の一例である。
【0129】
あるいは、又はこれに加えて、エレベータシステムは、通路領域R上の各レーンL1~L7上に、行先階を表す文字、記号、図形等の情報を投影して表示するプロジェクタを備えてもよい。
図20は、このような第1変形例に係るプロジェクタ36と、プロジェクタ36によって投影される表示例Pとを示す図である。例えば、プロジェクタ36は、各階床の通路領域Rの周辺に設置される。プロジェクタ36は、本開示の表示装置の一例である。
【0130】
各レーンL1~L7の大きさは、時間帯によって変更されてもよい。例えば、昼休みなど、食堂階に行く人の数が多くなるような時間帯には、制御部31は、食堂階に対応するレーンの幅を大きくする。
図20は、他の時間帯に比べて、レーンL1の幅が大きくされ、他のレーンL2~L7の幅が小さくされた例を示している。時間帯が昼休みに対応する時間(例えば12時~13時など)であることは、所定条件が満たされる場合の一例である。
【0131】
あるいは、又はこれに加えて、制御部31は、各レーンL1~L7の表示と非表示とを適宜切り替えてもよい。例えば、工事、サービス停止等の理由により5階が立入禁止となった場合、制御部31は、出力部の一例である入出力インタフェース33を介して、5階に対応するレーンL5を表示しないようにプロジェクタ36を制御する。これにより、利用者が誤って立入禁止階に向かい又は進入することを防止することができる。
【0132】
さらに、各レーンL1~L7の付近には、見る角度によって変化して見える文字、記号、図形等の情報を表示する行先階表示器が設置されてもよい。例えば、行先階表示器には、行先階表示器の近くの利用者から見ても、遠くの利用者から見ても行先階を示す文字、記号等の情報が明確に把握できるように構成される。このような行先階表示器は、例えばレンチキュラーを用いることによって実現可能である。
【0133】
各レーンL1~L7の一方又は両方の側部には、他のレーンとの境界を規定する柵が設けられてもよい。また、各レーンL1~L7の柵の高さは、互いに異なるように構成されてもよい。例えば、行先階の階数が上がるほど柵の高さを高くすることにより、利用者は、通るべきレーンがどれかを視覚的に把握し易くなる。
【0134】
以上のように、本変形例に係る行先階登録装置30では、入出力インタフェース33は、複数のレーンL1~L7と、複数のレーンL1~L7が対応付けられた複数の階床と、を示す情報を表示装置に出力する。制御部31は、入出力インタフェース33を介して、当該情報を表示するように表示装置を制御する。
【0135】
一例では、表示装置は、通路上に情報を投影するプロジェクタ36であってもよい。この場合、制御部31は、所定条件が満たされる場合に複数のレーンL1~L7のうちの少なくとも1つの大きさを変更し、変更後のレーンを示す情報を通路上に投影するように、入出力インタフェース33を介して、プロジェクタ36を制御する。
【0136】
(第2変形例)
実施の形態1では、群管理制御装置10とエレベータ制御装置40とが別個に設けられた例を説明した。しかし、群管理制御装置10とエレベータ制御装置40とは一体であってもよい。この場合、一体的な装置(制御装置の一例)の制御部が各エレベータ50を制御する。
【0137】
(第3変形例)
実施の形態1では、エレベータシステム100が複数のエレベータ50を含む例を説明した。しかし、本発明は、エレベータ50が1台である場合にも適用可能である。エレベータ50が1台であるエレベータシステム100では、複数のエレベータの運行を統合的に制御する群管理制御装置10は不要であり、例えば、エレベータ制御装置40がエレベータ50の運行を制御する。
【0138】
(第4変形例)
実施の形態1では、各装置の制御部は、CPU、MPU、GPU等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみで構成されてもよいし、FPGA、ASIC等を利用して構成されてもよい。
【0139】
(第5変形例)
実施の形態1では、各階に1つのカメラ34が設置される例について説明したが、通路領域Rを撮影するカメラの数は2以上であってもよい。例えば、2台のカメラが通路領域Rを異なる方向から撮影することにより、利用者がどのレーンを通ったかを精度良く検出することができる。あるいは、又はこれに加えて、レーンの数と同数のカメラが設けられ、各カメラは担当するレーンを撮影して利用者を検出しもよい。
【0140】
(態様のまとめ)
以下、本発明の態様を例示する。
【0141】
<態様1>
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
行先階登録装置。
【0142】
<態様2>
前記制御部は、
前記画像における前記利用者の移動方向を検出し、
前記検出した移動方向が前記エレベータに向かう所定方向であるときに、前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかに応じて前記行先階を決定する、
態様1に記載の行先階登録装置。
【0143】
<態様3>
前記制御部は、前記検出した移動方向が前記所定方向でないときは、前記行先階を決定しない、態様2に記載の行先階登録装置。
【0144】
<態様4>
前記複数の所定領域は、前記エレベータに向かう所定方向と交差する方向を列方向として一列に並び、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
態様1~3のいずれかに記載の行先階登録装置。
【0145】
<態様5>
前記複数の所定領域は、前記エレベータに向かう所定方向と交差する方向を列方向として複数列で並び、
前記複数列は、第1の列と、前記第1の列より前記エレベータに近い位置に配置された第2の列とを含み、
前記制御部は、
前記画像において前記利用者が前記第1の列に含まれる前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した前記第1の列の所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記画像において前記利用者が、前記第1の列に含まれる前記複数の所定領域の上を前記所定方向に移動せずに、前記第2の列に含まれる前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した前記第2の列の所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
態様1~3のいずれかに記載の行先階登録装置。
【0146】
<態様6>
前記複数の所定領域は、第1の方向に延在する第1の領域と、第2の方向に延在する第2の領域とを含み、
前記第1の方向は、前記通路が延在する進行方向と、前記進行方向に直交する幅方向に平行であって、前記通路の前記幅方向の中央から、前記通路の前記幅方向の一端に向かう方向と、の間の方向であり、
前記第2の方向は、前記進行方向と、前記幅方向に平行であって、前記中央から前記通路の前記幅方向の他端に向かう方向と、の間の方向であり、
前記制御部は、
前記画像において前記利用者が前記第1の領域上を前記第1の方向に移動したとき、前記第1の領域に対応する前記階床を前記行先階として決定し、
前記画像において前記利用者が前記第2の領域上を前記第2の方向に移動したとき、前記第2の領域に対応する前記階床を前記行先階として決定する、
態様1~3のいずれかに記載の行先階登録装置。
【0147】
<態様7>
前記第1の領域の前記幅方向の位置は、前記通路の前記幅方向の中央と前記一端との間にあり、
前記第2の領域の前記幅方向の位置は、前記第1の領域の前記幅方向の位置と、前記通路の前記幅方向の前記他端との間にある、
態様6に記載の行先階登録装置。
【0148】
<態様8>
前記制御部は、前記決定された行先階を示す信号を、前記エレベータの運行を制御する管理制御装置に送信する、態様1~7のいずれかに記載の行先階登録装置。
【0149】
<態様9>
前記複数の所定領域と、前記複数の所定領域が対応付けられた前記複数の階床と、を示す情報を表示装置に出力する出力部を更に備え、
前記制御部は、前記出力部を介して、前記情報を表示するように前記表示装置を制御する、
態様1~8のいずれかに記載の行先階登録装置。
【0150】
<態様10>
前記表示装置は、前記通路上に前記情報を投影するプロジェクタであり、
前記制御部は、所定条件が満たされる場合に前記複数の所定領域のうちの少なくとも1つの大きさを変更し、変更後の前記複数の所定領域を示す情報を前記通路上に投影するように前記出力部を介して前記プロジェクタを制御する、
態様9に記載の行先階登録装置。
【符号の説明】
【0151】
10 群管理制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
30 行先階登録装置
31 制御部
32 記憶部
33 入出力インタフェース
34 カメラ
35 表示装置
40 エレベータ制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 入出力インタフェース
50 エレベータ
100 エレベータシステム
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記制御部は、
前記画像における前記利用者の移動方向を検出し、
前記検出した移動方向が前記エレベータに向かう所定方向であるときに、前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかに応じて前記行先階を決定し、
前記検出した移動方向が前記所定方向でないときは、前記行先階を決定しない、行先階登録装置。
【請求項2】
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記複数の所定領域は、前記エレベータに向かう所定方向と交差する方向を列方向として一列に並び、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
行先階登録装置。
【請求項3】
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記複数の所定領域は、前記エレベータに向かう所定方向と交差する方向を列方向として複数列で並び、
前記複数列は、第1の列と、前記第1の列より前記エレベータに近い位置に配置された第2の列とを含み、
前記制御部は、
前記画像において前記利用者が前記第1の列に含まれる前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した前記第1の列の所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記画像において前記利用者が、前記第1の列に含まれる前記複数の所定領域の上を前記所定方向に移動せずに、前記第2の列に含まれる前記複数の所定領域のいずれかの上を前記所定方向に移動したとき、前記利用者が移動した前記第2の列の所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定する、
行先階登録装置。
【請求項4】
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する複数の階床にそれぞれ対応付けられた複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記複数の所定領域は、第1の方向に延在する第1の領域と、第2の方向に延在する第2の領域とを含み、
前記第1の方向は、前記通路が延在する進行方向と、前記進行方向に直交する幅方向に平行であって、前記通路の前記幅方向の中央から、前記通路の前記幅方向の一端に向かう方向と、の間の方向であり、
前記第2の方向は、前記進行方向と、前記幅方向に平行であって、前記中央から前記通路の前記幅方向の他端に向かう方向と、の間の方向であり、
前記制御部は、
前記画像において前記利用者が前記第1の領域上を前記第1の方向に移動したとき、前記第1の領域に対応する前記階床を前記行先階として決定し、
前記画像において前記利用者が前記第2の領域上を前記第2の方向に移動したとき、前記第2の領域に対応する前記階床を前記行先階として決定する、
行先階登録装置。
【請求項5】
前記第1の領域の前記幅方向の位置は、前記通路の前記幅方向の中央と前記一端との間にあり、
前記第2の領域の前記幅方向の位置は、前記第1の領域の前記幅方向の位置と、前記通路の前記幅方向の前記他端との間にある、
請求項4に記載の行先階登録装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記決定された行先階を示す信号を、前記エレベータの運行を制御する管理制御装置に送信する、請求項1~5のいずれかに記載の行先階登録装置。
【請求項7】
エレベータへ乗車前の利用者の行先階を登録する行先階登録装置であって、
撮像装置が前記エレベータへの通路を時系列で撮像して生成した画像を取得する入力部と、
前記画像に基づいて前記利用者の移動を検出する制御部と、
複数の所定領域と、前記複数の所定領域が対応付けられた複数の階床と、を示す情報を表示装置に出力する出力部と、を備え、
前記通路には、前記エレベータが停車する前記複数の階床にそれぞれ対応付けられた前記複数の所定領域が含まれ、
前記制御部は、前記画像において前記利用者が前記複数の所定領域のいずれを通ったかを検出して、検出した所定領域に対応する階床を、前記行先階として決定し、
前記制御部は、前記出力部を介して、前記情報を表示するように前記表示装置を制御する、
行先階登録装置。
【請求項8】
前記表示装置は、前記通路上に前記情報を投影するプロジェクタであり、
前記制御部は、所定条件が満たされる場合に前記複数の所定領域のうちの少なくとも1つの大きさを変更し、変更後の前記複数の所定領域を示す情報を前記通路上に投影するように前記出力部を介して前記プロジェクタを制御する、
請求項7に記載の行先階登録装置。