(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169861
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】ゲーム用のコンピュータプログラム、並びにゲームシステム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20241129BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20241129BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/80 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086678
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】西村 夏夫
(72)【発明者】
【氏名】下川 尚吾
(57)【要約】
【課題】形成が見込まれるゲーム要素の組み合わせをプレイヤに提示する場合の混乱を低減、又は解消する。
【解決手段】ゲーム要素を取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、ゲーム要素に関する少なくとも一の組み合わせが形成されるように、プレイヤがゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するゲームシステムにおいて、形成の可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別し、組み合わせの候補をプレイヤに把握させるための候補情報141をプレイヤに提示し、候補情報141が提示された組み合わせの候補に関し、形成される可能性が所定基準を満たす第1状態から満たさない第2状態へと変化したか否かを判別し、その状態への変化をプレイヤに把握させるための変化情報143、145をプレイヤに提示する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するようにコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段、
前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報を当該プレイヤに提示する候補提示手段、
前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段、及び
前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段、
として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記候補判別手段は、前記可能性が所定の水準以上となる組み合わせを、前記組み合わせの候補として判別する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記状態判別手段は、前記第2状態を、前記可能性が消滅した消滅状態と、前記可能性が前記所定基準を満たさない範囲で残っている低下状態とに区別して判別し、
前記状態変化提示手段は、前記第2状態が、前記消滅状態又は前記低下状態のいずれであるかを区別できるようにして前記変化情報を提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記複数種類の組み合わせのそれぞれには名称が設定され、前記候補提示手段は、前記組み合わせの候補に対して設定された名称を含むようにして前記候補情報を提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記状態変化提示手段は、前記変化情報を、前記候補提示手段にて提示された候補情報と関連付けて提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記状態変化提示手段は、前記第1状態から前記第2状態への変化に対応して前記候補情報の視覚的態様を変化させることにより前記変化情報を提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記状態変化提示手段は、前記第1状態から前記第2状態への変化を記述した文字情報を含むようにして前記変化情報を提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記複数回の取得機会は、前記プレイヤによる前記ゲーム要素の取得と引き換えに前記プレイヤが取得しているゲーム要素を捨てる取捨選択の機会を含んでいる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記状態変化提示手段は、前記第1状態から前記第2状態への変化を生じさせる契機となる事象と関連付けるようにして前記変化情報を提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記ゲームは、前記プレイヤ及び対戦相手間で進行し、前記プレイヤ又は前記対戦相手の行為が前記事象となり得るように構成されている請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記対戦相手の行為が前記事象として生じた場合に、前記状態変化提示手段は、当該対戦相手の行為と関連付けるようにして前記変化情報を提示する請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記ゲームは、前記プレイヤを含む対局者が対戦する麻雀ゲームとして構成され、前記ゲーム要素が麻雀牌であり、前記組み合わせが前記麻雀ゲームにおける役である請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するように機能するコンピュータを含んだゲームシステムであって、
前記コンピュータを、
前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段、
前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報を当該プレイヤに提示する候補提示手段、
前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段、及び
前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段、
として機能させるように構成されたゲームシステム。
【請求項14】
複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲームシステムの制御方法であって、
前記コンピュータを、
前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段、
前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報を当該プレイヤに提示する候補提示手段、
前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段、及び
前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段、
として機能させるゲームシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のゲーム要素により所定の組み合わせを形成することを目標に含んだゲームを提供するためのコンピュータプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
麻雀ゲーム、カードゲーム等のゲームは、牌やカードといった複数種類のゲーム要素を使用するゲームの一種であって、例えば「役」と呼ばれるゲーム要素の所定の組み合わせが形成されるようにプレイヤがゲーム要素を集めることを目標に含むゲームである。そのようなゲームをコンピュータの制御を通じて提供するゲームシステムも種々提供されている。その種のゲームシステムとしては、既に形成されている役、あるいは形成の可能性が一定程度に見込まれる役をプレイヤに提示する機能を提供するシステムも知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”セガNET麻雀mj”(「役ナビと待ち牌」の項を参照)、[online]、株式会社セガ、[令和5年5月10日検索]、インターネット<URL:https://sega-mj.com/players/gameguide/manual/operation/assist/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した種類のゲームでは、複数種類の役が設定されることが通例である。プレイヤが保持する麻雀牌等のゲーム要素はゲームの進行に伴って適宜に取捨選択され、それに伴って、各種の役が形成される可能性も刻々と変化する。したがって、形成の可能性が一定程度に見込まれる役をプレイヤに提示した場合、提示される役が随時に変化し、プレイヤに混乱を与えるおそれがある。例えば、先刻まで提示されていた役が突然に消失し、あるいは提示される役が突然に変化した場合には、何が起きたかをプレイヤが俄かに理解できず、混乱をきたすおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、プレイヤが混乱する可能性を低減、又は解消しつつ、形成が見込まれるゲーム要素の組み合わせをプレイヤに提示するようにコンピュータを機能させることが可能なコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するようにコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段、前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報を当該プレイヤに提示する候補提示手段、前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段、及び前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段、として機能させるように構成されたものである。
【0007】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するように機能するコンピュータを含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段、前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報を当該プレイヤに提示する候補提示手段、前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段、及び前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段、として機能させるように構成されたものである。
【0008】
本発明の一態様に係るゲームシステムの制御方法は、複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲームシステムの制御方法であって、前記コンピュータを、前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段、前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報を当該プレイヤに提示する候補提示手段、前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段、及び前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段、として機能させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの構成例を示す図。
【
図2】
図1のゲーム装置における制御系の構成例を示す機能ブロック図。
【
図5】
図2のアシスト制御部が実行する候補役提示処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図7】変化情報を、その変化を生じさせる契機となった事象と関連付けて提示する例を示す図。
【
図8】
図7の提示を実現するために
図2のアシスト制御部が実行する関連付け表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】変化情報を、その変化が生じる前に、当該変化を生じさせる契機となる事象と関連付けて予告的に提示する例を示す図。
【
図10】変化情報をプレイヤの手牌に反映させる例を示す図。
【
図11】
図10の提示を実現するために
図2のアシスト制御部が実行する手牌反映処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の一形態を説明する。以下では、麻雀牌をゲーム要素として用いる麻雀ゲームを提供するためのゲームシステムを例に挙げて説明する。周知のように、麻雀ゲームでは、「萬子」、「索子」、及び「筒子」のそれぞれについて1~9までの数値で区別された数牌と、「東」、「南」、「西」及び「北」の字牌と、「白」、「發」及び「中」の三元牌とで合計34種類の牌がゲーム要素として存在する。各種類の牌は4枚ずつ存在し、合計で136枚の牌が使用される。プレイヤには、牌を取得する機会として、山牌から1枚の牌を取得する自摸の機会が席順に従って、複数回与えられる。他家の牌を鳴く機会もまた牌を取得する機会として与えられる。牌を取得する機会は、プレイヤがあがりとなる場合を除いて、1枚の牌の取得と引き換えに手牌(自摸牌を含む。)から1枚の牌を捨てる取捨選択の機会として与えられる。
【0011】
図1は、本発明の一形態に係る麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムが適用されるゲームシステムの一例を示している。
図1のゲームシステム1は、ゲームサーバ2と、そのゲームサーバ2に対してネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されることにより、ゲームサーバ2のクライアントとして機能するゲーム装置3、及びユーザ装置4とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
【0012】
ゲームサーバ2は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてゲームサーバ2が構成されてもよい。ゲームサーバ2は、ゲーム装置3にてプレイされるゲームに関連した各種のサービスをゲーム装置3及びユーザ装置4のそれぞれに提供する。例えば、ユーザによるゲームのプレイを記録したプレイデータをユーザ識別情報と対応付けて保存し、ユーザの求めに応じてプレイデータをゲーム装置3に提供し、あるいはゲーム装置3及びユーザ装置4のそれぞれのユーザが参加してユーザ間で対話するチャット機能を提供するといった各種のサービスがゲームサーバ2によって提供されてよい。なお、ユーザは、ゲーム装置3やユーザ装置4を利用し、あるいは利用しようとする者を総称する概念であって、麻雀ゲームを実際にプレイするユーザをプレイヤと称する。
【0013】
ゲーム装置3は、一例として、プレイ料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機として構成されている。この種のゲーム装置3はアーケードゲーム機と呼ばれることがある。プレイ料金は、現金通貨にて徴収される例に限らず、代替的な通貨、電子的な決済手段を利用して徴収されてよい。プレイ料金はゲームがプレイされる都度に徴収される例に限らず、所定期間ごとの定額的な課金によって徴収されてもよい。ゲーム装置3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的としたアミューズメント店舗等の施設5に設置される。ゲーム装置3は、所定の麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムを実行することにより、麻雀ゲームを提供する。
【0014】
ユーザ装置4は、ユーザの個人的な使用に供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置である。一例として、通信通話機能を備えたスマートフォン4a、PC(パーソナルコンピュータの略)4b等がユーザ装置4として利用されてよい。ユーザ装置4は、例えばゲーム装置3にてプレイされたゲームのデータを閲覧し、ユーザ間でゲームに関する情報を交換し、あるいは麻雀ゲームがプレイされている様子を視聴するといった用途に利用されてよい。ゲーム装置3のユーザと共通のゲームをプレイするためにユーザ装置4が利用されてもよい。
【0015】
複数のゲーム装置3間で共通の麻雀ゲームがプレイされる場合、それらのゲーム装置3間で麻雀ゲームが整合的に進行するようにゲームの進行が制御される。例えば、共通の麻雀ゲームがプレイされるゲーム装置3間でネットワークNTを介して各種の情報を共有しつつ各ゲーム装置3にてゲームの進行に必要な演算処理が実行されてよい。あるいは、いずれか1台のゲーム装置3がホストとして麻雀ゲームの進行に必要な演算処理を実行し、その処理結果が他のゲーム装置3に提供されてもよい。ゲーム装置3に代えて、又は加えて、ゲームサーバ2が麻雀ゲームの進行に必要な演算処理の少なくとも一部を担当してもよい。
【0016】
図2は、ゲーム装置3における制御系の構成の一例を示している。ゲーム装置3は、制御ユニット10及び記憶ユニット11を備えている。制御ユニット10は、CPU及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータとして構成されている。記憶ユニット11は制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する不揮発性でかつ随時の書き換えが可能な記憶装置である。
【0017】
制御ユニット10には、入力装置としての操作装置21、及び出力装置としての表示装置22及びスピーカ装置23が接続されている。操作装置21は、一例としてゲーム装置3の操作部に配置される物理的な操作ボタン、レバー等の入力装置、あるいは表示装置22の画面上に配置されるタッチパネル型の入力装置等を適宜に含んでよい。本形態では、プレイヤが表示装置22に表示される画面上の適宜の位置にタッチしてゲームにおける各種の行動や選択を指示することが可能となるように、タッチパネル型の入力装置が含まれるものとする。なお、制御ユニット10には、上述した装置21~23の他にも適宜の関連装置が接続されてよい。
【0018】
記憶ユニット11には、ゲームプログラムPg、ゲームデータDg、及びプレイデータDpが記録される。ゲームプログラムPgは、制御ユニット10の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御を制御ユニット10に実行させるためのコンピュータプログラムであって、いわゆるアプリケーションプログラムとして位置付けられるものである。ゲームデータDgは、制御ユニット10によるゲームの制御において適宜に参照されるデータである。例えば、ゲーム画面上に表示されるべき各種のオブジェクト等の画像のデータ、ゲームで登場するキャラクタに対して設定されるパラメータ群の初期値等がゲームデータDgに含まれる。プレイデータDpは、ユーザによるゲームのプレイを記録したデータであって、ゲームのプレイに伴って適宜に更新され、適宜のタイミングでゲームサーバ2に保存される。
【0019】
制御ユニット10には、そのコンピュータハードウエアとゲームプログラムPgとの組み合わせによって実現される論理的装置として、対局制御部12、演出制御部13、及びアシスト制御部14が設けられる。制御ユニット10の内部記憶装置には、麻雀ゲームの進行の状態を記述したステータスデータDsが記憶される。ステータスデータDsは、対局制御部12、演出制御部13及びアシスト制御部14の処理に応じて随時更新される。ステータスデータDsに含まれる情報の少なくとも一部は適宜のタイミングで記憶ユニット11のプレイデータDpに保存される。
【0020】
対局制御部12は、麻雀ゲームの対局を進めるために必要な各種の演算処理を実行する。対局制御部12による制御は、通常の麻雀ゲームにおける対局のルール、手順等に沿って実行されてよい。例えば、洗牌、親決め、配牌といった対局開始段階の処理、摸打(自摸及び打牌)、鳴き、リーチ、ロンといった対局中に生じる各種の行為の処理、あがり(和了)又は流局に対応した点数(点棒)の清算といったように、麻雀の対局を進行させるために必要な各種の処理が対局制御部12にて制御される。対局制御部12の制御は、一般的な麻雀のルール及び手順に沿ったものであればよく、その手順の詳細は説明を省略する。
【0021】
演出制御部13は、麻雀ゲームにおける演出を制御する。演出制御部13による演出は、一局の対戦ごとに、その対戦の進行中における対局の状況に応じて変化するものを含む。「一局の対戦」は、例えば東一局の対戦といったように、対戦開始から、あがり又は流局によって対戦の単位としての「局」の結果が確定するまでの範囲をいう。したがって、演出制御部13は一局の対戦中において演出を適宜に変化させる。アシスト制御部14は、一局の対戦中において、プレイヤによるプレイを援助するために用意されている各種のアシスト機能をプレイヤに対して提供する。アシスト制御部14は、アシスト機能の一種として、麻雀の各種の役のうち、プレイヤの手牌の状況や、対局中の捨て牌の状況といったゲームの進行状況からみて、プレイヤが集めた牌によって形成される可能性が所定基準を満たす役を判別し、判別された役を、形成が見込まれる候補の役(以下、候補役と呼ぶ。)として案内する候補役案内機能を提供する。候補役案内機能の内容は後述する。
【0022】
図3は、一局の対戦中に表示されるゲーム画面の一例を示している。以下の説明において、麻雀ゲームは、物理的な麻雀牌を利用して4名でプレイされる一般的な麻雀と同様のルール及び手順でプレイされるものとし、対戦する4名を対局者と称する。対局者のうち、ゲーム装置3を操作する主体である1名の対局者がプレイヤであり、プレイヤと対戦する他の3名の対局者が対戦相手である。プレイヤは自家、対戦相手は他家と称されることがある。対戦相手は、他のゲーム装置3においてプレイヤとなるべき実在の対戦相手であってもよいし、コンピュータが生成してその行為を制御する仮想的な対戦相手であってもよい。
【0023】
図3のゲーム画面100は、一局の対戦中において、対局の状況をゲーム装置3のプレイヤに認識させるべく表示装置22に表示される画面の一例である。ゲーム画面100には、対局表示部101と、情報表示部102とが設けられる。対局表示部101には、対局者と1対1で対応付けられた仮想的な打ち手、あるいは分身としてのキャラクタ103がステージ104上にて盤面を囲んで麻雀をプレイする様子が表示される。ゲーム装置3のプレイヤに関しても、対戦相手と同様に1体のキャラクタが仮想的な打ち手として設定される。ただし、対局表示部101は、ゲーム装置3のプレイヤが盤面を観察する主観的視点からの画像として生成される。そのため、プレイヤに対応するキャラクタは対局表示部101に表示されない。これに代えて、情報表示部102にプレイヤのキャラクタ103が表示される。
【0024】
対局表示部101には、プレイヤの13枚の牌からなる手牌105がその内容を確認できるように各牌を左右に並べて表示される。プレイヤが牌を自模った場合には、自模牌106が手牌105の右隣に表示される。自模牌106は、一例として情報表示部102に表示される。
図3の例では、「東」の牌を自模った状態が示されている。また、対局表示部101には、各対局者の捨て牌107が表示され、各捨て牌107の内側には各対局者の現在の持ち点108が表示される。手牌105の近傍には、プレイヤに捨て牌等の操作を促す操作誘導部109も表示される。なお、山牌及びドラ牌の表示は省略されているが、それらが対局表示部101中に表示されてもよい。さらに、対局表示部101には、演出制御部13による演出制御に関連する要素として背景画像120も表示される。背景画像120は、一例として、対局の盛り上がりの程度を多数の観戦者121の様子によって表現した画像として生成される。
【0025】
図4に拡大して示すように、情報表示部102には、対局情報部130と、案内情報部140と、キャラクタ表示部150とが設けられている。対局情報部130は、対戦中の対局に関連する各種の情報を表示する領域である。例えば、
図4の対局情報部130には、何局目の対戦であるかを示す情報として「東2局」が表示され、対局中における残り牌数を示す情報として「43」の数値が表示され、対局が何本場であるかを示す積み棒(芝棒)、及びドラ表示牌の「六筒」が表示されている。ドラ表示牌が「六筒」の場合、ドラ牌はその次の「七筒」である。さらに、対局情報部130には、キャラクタ103の情報を表示するために操作されるキャラクタ情報ボタン131、及びゲームを終了させるために操作される終了ボタン132も表示されている。
【0026】
案内情報部140は、プレイヤによるゲームのプレイを案内するための各種の情報を表示するための領域である。
図2に示したアシスト制御部14が提供するアシスト機能に関連した各種の情報も案内情報部140に表示される。案内情報部140の詳細は後述する。キャラクタ表示部150には、プレイヤに対応するキャラクタ103、及び自模牌106に加えて、ゲームに関する幾つかの設定をプレイヤが変更するための設定ボタン151が表示される。設定ボタン151は、一例として、一局の対戦であがる状態になった時点で直ぐにあがるか否か、及び鳴き行為をするか否かを予め設定するための設定ボタン151が表示されている。ただし、設定ボタン151は適宜に追加又は削除され、あるいは変更されてよい。キャラクタ103と関連付けて、麻雀ゲームをプレイする際のヒント等がキャラクタ表示部150に表示されてもよい。
【0027】
次に、案内情報部140についてさらに説明する。アシスト機能の一部である候補役案内機能に従って、プレイヤの手牌105にて形成の可能性が所定基準を満たす候補役を、「狙えそうな役」として表示した状態が示されている。
図4の例では、「チートイツ」、「イーペーコー」及び「ピンフ」の3種類の役が候補役と判別され、各候補役の名称である役名を表す文字が付された三つの候補役ラベル141が表示されている。それらの候補役ラベル141は、形成の可能性が所定基準を満たす候補役をプレイヤに把握させるための候補情報の一例としてプレイヤに提示される。候補役ラベル141には、候補役の翻数が、例えば「☆2」、「☆1」といったように、翻数の数値を含んだ態様で付記されている。候補役ラベル141の表示は候補役の翻数に応じて差別化されてもよい。例えば、候補役ラベル141の少なくとも一部の色、模様、あるいは役名を示すフォント、役名文字の大きさや太さ等が翻数に応じて差別化されてもよい。対戦中における鳴き行為の有無によって翻数が変化する役、例えば「三色同順」や「一気通貫」等の役が候補役として表示される場合には、鳴き行為の有無に応じて候補役ラベル141に付記される翻数の値も変化する。
【0028】
候補役ラベル141によって示される翻数は、麻雀における候補役の絶対的な価値、あるいは重要度の高低を表す指標として機能する。翻数が大きいほど価値が高い。ただし、候補役の価値は、翻数のような絶対的な価値に限らない。麻雀ゲームの開始から終了までの各局の結果によっては、役の価値が相対的に変化することがある。例えば、プレイヤの持ち点が対戦相手に対して大きい状態で終盤の対局を迎えている場合には、翻数が大きい役の形成を目指すよりも、形成の可能性が高い役の形成を優先して対局を進めた方が好ましい場合がある。このように、麻雀の役の価値はゲームの進行状況に応じて相対的に変化する場合がある。よって、候補役ラベル141の表示態様は、候補役の絶対的な価値に代えて、又は加えて、候補役の相対的な価値に応じて差別化されてもよい。
【0029】
上記のように、候補役は、プレイヤの手牌105にて形成される可能性が所定基準を満たす役である。役が形成される可能性は、一例として、プレイヤの手牌105に含まれている牌を参照牌として、参照牌の種類及び枚数に基づいて判別されてよい。プレイヤが牌を自模り、かつ牌を捨てていない段階で候補役か否かを判別する場合には、自模牌も手牌中の牌の一つとして参照牌に含まれてよい。手牌に基づいて可能性を判別する場合には、例えば、役を形成するために必要な牌を必要牌としたときに、プレイヤの手牌105に含まれていない必要牌の枚数が少ないほど可能性が高いと判別されてもよい。
【0030】
上述した参照牌は、手牌に含まれている牌に必ずしも限定されない。プレイヤがいずれの種類の牌であるかを識別することができ、かつ、プレイヤが取得不可能な牌を取得不能牌としたときに、その取得不能牌が参照牌の範囲に含まれてもよい。例えば、プレイヤが鳴くことが可能な牌を除く各対局者の捨て牌、王牌中に含まれているドラ表示牌は、プレイヤが種類を識別可能であって、かつプレイヤが自摸や鳴き行為によって取得することができない点で取得不能牌である。また、対戦相手が鳴き行為や槓によって開示した牌についても、プレイヤが種類を識別可能であって、かつプレイヤが取得不可能な取得不能牌である。
【0031】
取得不能牌を参照牌に含める場合には、プレイヤが取得できる可能性がある必要牌の残り枚数を判別することができる。役の形成の可能性は、役の形成に必要とされる必要牌の枚数と、プレイヤの手牌105に含まれている必要牌の枚数との差を不足数としたときに、その不足数に応じて変化する。不足数が少ないほど役が形成される可能性が高まる。一方、麻雀で使用される牌は各種類で4枚ずつであり、取得不能牌の枚数に応じてプレイヤが取得可能な必要牌の残り枚数は変化する。例えば、特定の役に関する必要牌の不足数が1枚である場合において、3枚の必要牌が取得不能牌として存在すれば、プレイヤが取得可能な必要牌の残り枚数は1枚である。プレイヤが自摸又は鳴き行為によってその必要牌を取得する可能性は、取得不能牌となっている必要牌の枚数が2枚以下の場合と比較して低下する。取得不能牌を参照牌に含めて役の形成の可能性を判別すれば、必要牌の残り枚数を考慮して形成の可能性をより正確に判別することが可能である。ただし、取得不能牌を参照牌に含めることは必須ではない。手牌105のみを参照牌として可能性を判別してプレイヤに候補役を提示し、プレイヤが自ら取得不能牌を確認して候補役の形成の可能性を判断するものとしてもよい。
【0032】
一方、山牌中に残されている牌、対戦相手の手牌に含まれている未開示の牌、ドラ表示牌以外の王牌に含まれている牌は、プレイヤが種類を識別できない牌であって、取得不能牌には該当しない。麻雀ゲームの制御主体となるコンピュータは、プレイヤに未知の牌についてもその種類を知ることが可能である。そのような未知の牌を参照牌に含めて役が形成される可能性を判別すれば、判別の精度をより高めることができる。しかしながら、そのような未知の牌を考慮して役の形成の可能性を判別することは、プレイヤが識別可能な範囲を超えて役の形成の可能性を判別することになり、プレイヤを必要以上に援助することになり得る。したがって、上記のような未知の牌は参照牌に含めないものとされてよい。あるいは一定の例外として、例えば、初心者レベルのプレイヤを対象とする場合といった限定的な場面で未知の牌も参照牌に含める程度であってよい。
【0033】
候補役か否かを判別するための基準は、役が形成される可能性の高低と関連付けて設定される。一例として、形成の可能性をその高低に応じて複数段階に区分し、可能性が所定の水準以上の段階にある役を候補役として判別してもよい。あるいは、形成の可能性を百分率等で定量的に演算し、演算された値が所定水準以上の役を、所定基準を満たす候補役として判別してもよい。上述した必要牌の不足数に関して上限値を設定し、不足数が上限値を超える役に関しては所定基準を満たさないと判別してもよい。
【0034】
案内情報部140に表示される候補役ラベル141の個数については、上限が設定されてもよい。
図4の例では候補役ラベル141の個数の上限が4に設定されている。ただし、上限は適宜に設定されてよい。候補役の数に応じて候補役ラベル141の個数の上限が動的に変更されてもよい。候補役ラベル141の表示順は適宜に設定されてよい。一例として、価値が高い候補役を優先するように表示順が設定されてもよい。案内情報部140の上段左側に最も価値が高い候補役を表示し、その右隣に2番目の価値の候補役を、下段左側に3番目の価値の候補役を、その右隣に4番目の価値の候補役を表示するといったごとくである。ここでいう価値は、上記の通り、役の絶対的な価値であってもよいし、相対的な価値を考慮して決定された価値であってもよい。候補役ラベル141の表示数の上限を超える役が候補役として判別された場合、優先度が高い候補役から順に上限数内の候補役に限って表示対象となるように候補役が絞り込まれ、表示対象の候補役に対応する候補役ラベル141が表示される。上限数を超える候補役は案内情報部140の表示対象から除外される。
【0035】
上述したように、案内情報部140を介して提示される候補役は、形成の可能性が所定基準を満たす役である。一方、役が形成される可能性は、プレイヤによる自摸や捨て牌の選択に伴う手牌105の変化、各対戦相手の捨て牌等に応じて刻々と変化する。そのため、ゲームの進行状況によっては、直前まで候補役として提示されていた役に関する形成の可能性が低下又は消滅し、その可能性が候補役としての基準を満たさなくなる場合が生じる。そのような役が基準を満たさなくなった時点で、対応する候補役ラベル141を案内情報部140から直ちに消去するとプレイヤが混乱をきたす可能性がある。
【0036】
そこで、案内情報部140では、候補役ラベル141にて提示された役に関する形成の可能性が、所定基準を満たす状態から所定基準を満たさない状態へと変化した場合、その状態の変化を把握させるための変化情報がプレイヤに提示される。なお、以下では、所定基準を満たす状態を第1状態と称し、満たさない状態を第2状態と称して両者を区別することがある。
【0037】
図4においては、変化情報が提示された例が破線で囲んで示されている。
図4の例では、「チートイツ」の役に関して形成の可能性が消滅した状態に変化し、「イーペーコー」の役に関して形成の可能性が基準を満たさない範囲で残っている状態に変化した場合が想定されている。なお、以下では、形成の可能性が消滅した状態を消滅状態と呼び、消滅状態へと変化した役を消滅役と呼び、形成の可能性が基準を満たさない範囲で残る状態を低下状態と呼び、低下状態へと変化した役を低下役と呼ぶことがある。消滅状態及び低下状態は第2状態におけるさらなる区分である。第1状態から第2状態への変化に対応して、「チートイツ」の役に対応する候補役ラベル141は、形成の可能性が消滅したことを示す消滅指標142として例えば「×」印が付されることにより、消滅役ラベル143へと視覚的態様が変化する。それにより消滅状態に対応する変化情報が提示される。「イーペーコー」の役に対応する候補役ラベル141は、形成の可能性が低下したことを示す低下指標144として、例えば「△」印が付されることにより低下役ラベル145へと視覚的態様が変化する。それにより低下状態に対応する変化情報が提示される。消滅役ラベル143及び低下役ラベル145が、候補役ラベル141の視覚的態様を変化させたものとして構成されることにより、候補情報としての候補役ラベル141と関連付けて変化情報としての消滅役ラベル143及び低下役ラベル145を提示することができる。
【0038】
消滅役ラベル143の表示順は、案内情報部140に表示される候補役ラベル141及び低下役ラベル145よりも劣後に設定される。一方、低下役ラベル145の表示順は、候補役ラベル141よりも劣後でかつ消滅役ラベル143よりも優先して設定される。
図4の例では、「ピンフ」の役に対応する候補役ラベル141が最優先で表示され、それに続いて「イーペーコー」の役に対応する低下役ラベル145が表示され、「チートイツ」の役に対応する消滅役ラベル143が最下位に表示されている。ただし、表示順は必ずしも
図4の態様に限定されない。プレイヤが候補役ラベル141、消滅役ラベル143及び低下役ラベル145を区別して認識可能な限りにおいて、それらのラベル141、143、145の表示順は適宜に設定されてよい。
【0039】
上述したように、案内情報部140における候補役ラベル141の表示数は上限が設定されている。消滅役ラベル143及び低下役ラベル145の表示については、候補役ラベル141の表示数の上限との関連で制限が設定されてもよい。例えば、候補役ラベル141の表示の優先度を、消滅役ラベル143及び低下役ラベル145の表示の優先度よりも高く設定し、消滅役ラベル143及び低下役ラベル145は、候補役ラベル141の表示数が上限に満たない場合、つまり案内情報部140に空きが生じる場合に限って表示されてもよい。一例として、候補役ラベル141の表示数が3個であって、上述した消滅状態又は低下状態に転じた役が複数存在する場合には、消滅状態又は低下状態に変化したいずれか一つの役に対応する消滅役ラベル143又は低下役ラベル145のみが表示されてもよい。あるいは、消滅役ラベル143及び低下役ラベル145が所定の時間間隔で選択的に表示されてもよい。候補役ラベル141の表示数が上限に達している場合、候補役ラベル141の表示を優先する限りにおいて、消滅役ラベル143及び低下役ラベル145はいずれも表示されない。ただし、消滅役ラベル143や低下役ラベル145を一旦表示し、それらと入れ替わるように候補役ラベル141を表示することによって、候補役であった役が消滅状態又は低下状態へと変化したことをプレイヤに提示してもよい。この場合、消滅役ラベル143や低下役ラベル145を徐々にフェードアウトさせ、これと入れ替わりに別の役の候補役ラベル141を徐々に出現させるといった演出が施されてもよい。
【0040】
変化情報は、候補役ラベル141によって提示された役に関する第1状態から第2状態への変化をプレイヤに把握させることができる限りにおいて、適宜の態様で提示されてよい。役が形成される可能性が所定の基準を満たさなくなったことをプレイヤに提示できれば十分である場合、消滅状態と低下状態との区別は必ずしも必須ではない。その場合、消滅状態又は低下状態のいずれへの変化であるかに関わりなく、第1状態から第2状態への変化を示すように変化情報が提示されてよい。
【0041】
また、変化情報は、必ずしも候補役ラベル141に対して消滅指標142や低下指標144を付記して視覚的態様を変化させることにより提示される例に限らない。例えば、候補役ラベル141が徐々に消える一方で、消滅役ラベル143又は低下役ラベル145が徐々に出現するといったように時間的な関連性が生じるように変化情報が提示されてもよい。あるいは、候補役ラベル141をグレーアウトして消滅役ラベル143又は低下役ラベル145を表現する、といったように表示態様を変化させることにより、変化情報が提示されてもよい。いずれにしても、候補役ラベル141にて提示された役が第1状態から第2状態へと変化した場合、その役に対応する候補役ラベル141にて示された候補情報と関連付けて変化情報を提示することにより、役の形成の可能性が消滅又は低下して第1状態から第2状態へと変化したことをプレイヤに把握させることができる。つまり、候補役を提示するための候補情報と関連付けて変化情報を提示することにより、いずれの候補役が第1状態から第2状態へ変化したかをプレイヤに把握させることが可能である。
【0042】
消滅役ラベル143及び低下役ラベル145に対しては、第1状態から第2状態としての消滅状態又は低下状態への変化をより詳細に記述した文字情報が関連付けて提示されてもよい。例えば、消滅役ラベル143に関しては、「この役は実現の可能性が消滅しました。」といった文字情報が、低下役ラベル145に関しては、「この役は実現が困難となりました。」といった文字情報が、第1状態から第2状態への変化に対応する変化情報の一種として関連付けて提示されてもよい。
図4の例では、消滅役ラベル143に添えるようにして、上記の文字情報を記述したメッセージ146が例えばポップアップ形式で表示されている。メッセージ146は、消滅役ラベル143や低下役ラベル145をタッチした際に一時的に表示されてもよいし、消滅役ラベル143が表示されている間は継続的に表示されてもよい。メッセージ146は、消滅役ラベル143等の内部に包含されるようにして表示されてもよい。
【0043】
次に、
図5及び
図6を参照して、候補役ラベル141等の表示を制御するためにアシスト制御部14が実行する候補役提示処理の一例を説明する。
図5及び
図6の候補役提示処理は、一例として、役の形成の可能性が変化し得る事象の発生をトリガとして実行される。例えば、プレイヤが自模又は鳴き行為にて取得した場合、及び牌を捨てた場合にそれらの行為をトリガとして候補役提示処理が実行されてよい。あるいは、候補役提示処理は一定周期で繰り返し実行されてよい。なお、
図5及び
図6の処理で役の形成の可能性を判別する対象者は、ゲーム装置3を操作するプレイヤである。つまり、ゲーム装置3のアシスト制御部14は、自家となるプレイヤの手牌にて役が形成される可能性を判別する。
【0044】
候補役提示処理が開始されると、まずアシスト制御部14は、ステータスデータDsを参照して、役が成立する可能性を判別するために必要な参照情報を取得する(ステップS101)。ここで取得する参照情報は、上述した参照牌を特定するための情報を含む。対局の終了までの山牌の枚数等も加味して役の形成の可能性を判別する等、参照牌以外の情報も可能性の判別に利用する場合にはステップS101で併せて取得されてよい。続いて、アシスト制御部14は、取得した参照情報に基づいてプレイヤの手牌105における各役の形成の可能性を判別する(ステップS102)。形成の可能性は、役を形成するための必要牌を参照牌に基づいて判別し、その必要牌の不足数に従って判別されてよい。
【0045】
可能性の判別後、アシスト制御部14は、形成される可能性が所定基準を満たす役があるか否かを判別する(ステップS103)。所定基準を満たす役があると判断された場合、アシスト制御部14は、その役を今回の処理における候補役として設定する(ステップS104)。複数の役が所定基準を満たす場合には、各役が候補役として設定される。続いて、アシスト制御部14は、ステップS104で設定した候補役の優先度を判別する(ステップS105)。優先度は、上述したように、役の翻数等の価値に関する高低に基づいて判別されてよい。その後、アシスト制御部14は、形成の可能性が消滅状態又は低下状態へ変化したことをプレイヤに提示するために、ステップS106以下の処理へと進む。なお、ステップS103にて所定基準を満たす役がないと判断された場合、アシスト制御部14はステップS104及びS105の処理をスキップしてステップS106の処理に進む。
【0046】
ステップS106において、アシスト制御部14は、ステータスデータDsを参照して、現時点で案内情報部140に表示されている候補役、言い換えれば前回の候補役提示処理にて表示対象とされた候補役を判別する。続いて、アシスト制御部14は、ステップS106にて判別した候補役に関し、ステップS102にて形成の可能性が消滅したと判断された役があるか否かを判別する(ステップS107)。消滅したと判断された役がある場合、アシスト制御部14はその役を消滅役として設定する(ステップS108)。その後、アシスト制御部14は、ステップS106にて判別した候補役に関し、ステップS102にて形成の可能性が所定基準を満たさない範囲で残っていると判断された役があるか否かを判別する(ステップS109)。ステップS109の条件に合致する役がある場合、アシスト制御部14はその役を低下役として設定し(ステップS110)、その後に
図6のステップS111へと進む。ステップS107が否定判断された場合にはステップS108の処理がスキップされてステップS109へと処理が進められる。ステップS109が否定判断された場合にはステップS110の処理がスキップされてステップS111へと処理が進められる。
【0047】
図6のステップS111において、アシスト制御部14は、ステップS104で設定した候補役、ステップS108で設定した消滅役、及びステップS110で設定した低下役を対象役としたときに、その合計数である対象役数が案内情報部140におけるラベル141の表示数の上限を超えているか否かを判別する。上限を超えている場合、アシスト制御部14は案内情報部140に表示すべき対象の役(表示対象役)の個数を上限と一致するように絞り込む。この場合、表示対象役とすべき役の絞り込みは、所定の優先順位に従って行われる。優先順位は、まず候補役が最優先とされ、その次に低下役が優先され、消滅役の優先順位は最も低い。候補役同士の優先順位は、候補役の価値が高いものほど優先されるように設定される。候補役の数が上限未満であれば、その差分に相当する数の低下役及び消滅役が表示対象役として選ばれる。
【0048】
表示対象役を絞り込んだ後、アシスト制御部14は表示対象役間における表示順を決定する(ステップS113)。表示順はステップS112の絞り込みにおける優先順位と同じでよい。次いで、アシスト制御部14は表示対象役の表示態様を決定する(ステップS114)。候補役に関しては候補役ラベル141として表示態様が決定され、消滅役に関しては消滅役ラベル143として表示態様が決定され、低下役に関しては低下役ラベル145として表示態様が決定される。候補役ラベル141に関しては、翻数等の価値に応じて表示態様がさらに差別化されてもよい。
【0049】
表示態様が決定されると、アシスト制御部14は、表示対象役がステップS113で決定した表示順、及びステップS114で決定した表示態様で表示されるように、案内情報部140の表示内容を更新する(ステップS115)。さらに、アシスト制御部14は、表示の更新に伴う演出がゲーム画面100に生じるように演出制御部13に演出を指示する(ステップS116)。例えば、候補役が消滅役又は低下役に変化し、その変化が案内情報部140にて提示される場合、プレイヤのキャラクタ103がその変化に対応したリアクションを取るような演出が施されてよい。ただし、ステップS116の処理は適宜に省略されてもよい。
【0050】
以上の処理が終わると、アシスト制御部14は今回の候補役提示処理の処理結果、例えばステップS112で選択した表示対象役、ステップS113で決定した表示順、ステップS114で決定した表示態様等をステータスデータDsに記憶し(ステップS117)、その後に候補役提示処理を終える。
【0051】
以上の候補役提示処理によれば、形成の可能性が所定基準を満たす候補役の数が案内情報部140における表示の上限未満である限り、直前まで候補役として表示されていた役が消滅役又は低下役に変化した場合、その役に対応する候補役ラベル141が消滅役ラベル143又は低下役ラベル145に変化する。したがって、役が形成される可能性が消滅状態又は低下状態へと変化したことをプレイヤに確実に把握させ、プレイヤが混乱する可能性を低減し、又は解消することができる。候補役の数が上限に達する場合には、消滅役ラベル143や低下役ラベル145が表示されない制約があったとしても、表示対象となる候補役の数が上限未満であるにも拘わらず、候補役から消滅役や低下役への変化に伴って直ちに案内情報部140における表示を消滅させる場合と比較して、プレイヤが混乱する可能性を低減し、又は解消できる作用効果を期待することができる。表示対象の候補役の数が上限に達した場合でも、上述したように消滅役ラベル143や低下役ラベル145と入れ替わるように新たな候補役ラベル141を表示するものとすれば、候補役から消滅役又は低下役への変化をプレイヤに把握させることが可能である。あるいは、ステップS111で判別する対象役数に応じて、上限を一時的に拡張するといった処理を適用することにより、消滅役ラベル143や低下役ラベル145が表示される機会を増加させることも可能である。
【0052】
以上の候補役提示処理においては、ステップS112の処理にて、表示対象役から除外されない限り、消滅役ラベル143や低下役ラベル145が継続して表示される。ただし、それらのラベル143、145の表示期間には制限が設定されてもよい。例えば、表示開始後、一定時間が経過した場合、あるいは各対局者の自摸が所定回数に亘って循環した場合等に表示期間が経過したと判断して、消滅役ラベル143や低下役ラベル145を消去してもよい。
【0053】
次に、上述した候補役提示機能に関連した変形例を説明する。
図7は、候補役から消滅役又は低下役への変化を生じさせる契機となる事象と関連付けるようにして変化情報を提示する例を示している。ここでいう事象とは、ゲーム中に生じる出来事であって、ゲームをプレイする者の行為を含む。麻雀ゲームにおいては、ゲーム中に生じる何らかの事象、例えば、対局者としてのプレイヤ又はその対戦相手による捨て牌等の行為が契機となって、特定の役が形成される可能性が消滅し、又は低下することがある。一例として、役を形成するための必要牌が対戦相手から捨て牌として放出され、その捨て牌をプレイヤが鳴くことができない場合、あるいはプレイヤ自身が手牌に含まれている必要牌を捨てた場合、その役の形成の可能性が消滅し、又は低下することがある。
図7は、そのような事象が発生した場合に、その事象と関連付けて変化情報を提示する例を示している。
【0054】
図7の例では、プレイヤの手牌105に含まれている「伍萬」、「六萬」及び「七萬」の3種類を必要牌とする「イーペーコー」の役が候補役として提示され、かつ「伍萬」の牌が、ハッチングを付した「伍萬」の牌107aを除いて既に2枚捨てられた状態が想定されている。この状態から、例えば、対戦相手が3枚目の「伍萬」の牌107aを捨てた場合、プレイヤが「伍萬」の牌を取得できる可能性がなくなり、「イーペーコー」の役が形成される可能性は消滅する。このような場合、3枚目の「伍萬」の牌107aを捨て牌として放出する行為は、消滅役への変化を生じさせる契機となる事象の一例に相当する。その牌107aを捨てる行為をトリガとして
図5及び
図6の候補役提示処理が実行される場合、案内情報部140では、「イーペーコー」に対応する候補役ラベル141が消滅役ラベル143に変化する。しかしながら、候補役ラベル141から消滅役ラベル143への変化から、牌107aが捨てられた行為が契機となってその変化が生じたことをプレイヤが容易には理解できないことがある。そこで、
図7の例では、3枚目の「伍萬」の牌107aと関連付けて消滅役ラベル143への変化を表示することにより、消滅役への変化を生じさせた事象をプレイヤに把握させている。
【0055】
例えば、3枚目の「伍萬」の捨て牌107aが放出された段階でその表示態様を変化させることにより捨て牌107aが明示される。それにより、変化を生じさせる契機となる事象をまずはプレイヤに把握させる。次に、捨て牌107aから案内情報部140に向かって関連付けを象徴するオブジェクト160が表示される。オブジェクト160は、消滅役ラベル143が表示される位置に向かって表示されてよい。その後に、「イーペーコー」の役に対応する候補役ラベル141が消滅役ラベル143へと変更される。消滅役ラベル143の表示位置が候補役ラベル141の表示位置から変化する場合、その表示位置の変化は、消滅役ラベル143への変更後であってもよいし、変更前であってもよいし、表示位置の変化とラベルの変化とが同時的に適用されてもよい。
【0056】
以上のように消滅役ラベル143を捨て牌107aと関連付けて表示することにより、牌107aが捨てられた行為が契機となって消滅役ラベル143への変化が生じたことがプレイヤに提示される。捨て牌107aの明示は、例えば捨て牌107aの色、模様、明度といった視覚的要素を変化させることによって行われてよい。オブジェクト160は、捨て牌107aと案内情報部140との関連性、言い換えれば捨て牌107aと案内情報部140との結び付きをプレイヤが認識できるように表示される限り、適宜の態様で表示されてよい。例えば、捨て牌107aから発生した光が案内情報部140に向けて流れ、あるいは捨て牌107aから案内情報部140に向けて矢印状等のシンボルが進む、といったごとくオブジェクト160が表示されてよい。
【0057】
図7では、対戦相手による捨て牌107aの放出を、候補役から消滅役への変化を生じさせる契機となる事象の一例として示したが、プレイヤ自らの行為がそのような変化を生じさせる契機となる場合もあり得る。例えば、
図7の例において、プレイヤが「イーペーコー」の役の形成を断念し、又はその形成の可能性を失念して、手牌105から「伍萬」の牌を捨て牌として放出した場合には、「イーペーコー」の役が形成される可能性が消滅し、又は低下して同役が消滅役又は低下役に変化する。そのような場合には、プレイヤの捨て牌と案内情報部140との間で同様に関連付けを表示すればよい。
【0058】
図8は、上述した関連付け表示を実現するためにアシスト制御部14が実行する関連付け表示処理の一例を示している。
図8の関連付け表示処理は、例えば、
図6のステップS114におけるサブルーチン処理として実行することができる。
図8の関連付け表示処理において、アシスト制御部14は、まず今回の候補役提示処理のステップS108にて消滅役に変化した役として設定され、又はステップS110にて低下役に変化した役として設定された役の有無を判別する(ステップS201)。該当する役がない場合、アシスト制御部14は
図8の処理を終える。一方、ステップS201にて該当する役があると判断された場合、アシスト制御部14はその変化の契機となった事象を判別する(ステップS202)。この場合、例えば、
図5のステップS101にて取得した参照情報に含まれている参照牌の情報を利用して事象を判別してもよいし、
図5の候補役提示処理を開始するトリガとなった行為を特定して事象を判別してもよい。
【0059】
その後、アシスト制御部14は、消滅役に対応する消滅役ラベル143、又は低下役に対応する低下役ラベル145に関し、ステップS202で判別した事象を代表する視覚要素、例えば対戦相手又はプレイヤの捨て牌と消滅役ラベル143又は低下役ラベル145との間に上記のような関連付けが生じるように、消滅役ラベル143又は低下役ラベル145の表示態様を設定する(ステップS203)。その後、アシスト制御部14は
図8の処理を終える。ステップS203にて設定された表示態様に従って
図6のステップS115でゲーム画面100の表示が更新されることにより、消滅役ラベル143又は低下役ラベル145が、
図7に例示したような関連付けを付加した態様で表示される。
【0060】
図7及び
図8の例は、消滅役又は低下役への変化の契機となった事象の発生後、例えば捨て牌の確定後に、その事象と関連付けて消滅役や低下役への変化を提示するものである。しかしながら、そのような事象が発生する前の段階で候補役から消滅役又は低下役への変化を、その変化の契機となる事象と関連付けて予告的にプレイヤに提示することも可能である。
図9はそのような予告の例を示す。この例では、
図7の例と同様に「イーペーコー」の役が候補役として提示され、既に2枚の「伍萬」の牌が捨て牌として放出済で、かつプレイヤが手牌105からの捨て牌として「伍萬」の牌105aを捨て牌の候補としてカーソル161にて仮選択した状態が想定されている。仮選択は、プレイヤが捨て牌の候補として選択した牌が対戦相手に対して未開示で、捨て牌が確定していない状態をいう。プレイヤの「伍萬」の牌105aが捨て牌として放出されて捨て牌が確定すれば、その行為を契機として「イーペーコー」の役が形成される可能性が消滅する。
【0061】
以上の状態において、消滅役や低下役への変化を予告するには、一例として以下のような処理を適用すればよい。プレイヤが牌105aを仮選択した時点で、その牌105aを捨てたと仮定したならば消滅役や低下役への変化が生じるか否かを判別する。変化が生じると判断された場合には、該当する役に関する候補役ラベル141を消滅役ラベル143又は低下役ラベル145へと一時的に変化させ、かつその変化を、仮選択された牌105aと関連付けて表示する。それにより、プレイヤに変化を予告することができる。
図9の例では、仮選択された牌105aと案内情報部140との間に、
図7と同様のオブジェクト160が表示され、かつ消滅役ラベル143が一時的に表示されることにより、関連付けが提示されている。
【0062】
図9のような予告は、
図5及び
図6の候補役提示処理、及び
図8の関連付け表示処理を利用して実現することが可能である。例えば、プレイヤが仮選択した牌105aを捨て牌と見做して
図5及び
図6の候補役提示処理を実行し、そのステップS114のサブルーチン処理として
図8の関連付け表示を実行すればよい。ただし、仮選択の段階では捨て牌が確定せず、各役の成立の可能性もまた未確定である。したがって、
図6のステップS117の処理は省略されてよい。また、ステップS116の演出も省略されてよい。ステップS116の演出を施す場合にも、プレイヤのみを対象とした演出であって対戦相手は認識できない演出が施されてよい。なお、
図7~
図9の例では、候補役から消滅役への変化を、その変化の契機となった事象と関連付けて表示するものとしたが、候補役から低下役への変化に関しても同様にして関連付けが表示されてよい。
【0063】
図10は、案内情報部140における候補役ラベル141から消滅役ラベル143の変化をプレイヤの手牌105の表示に反映させる例を示している。
図10の例は、消滅役への変化に伴って、手牌105から捨て牌として選択しても問題がないか、又は問題があってもその影響が相対的に小さいと判断される牌を、関連牌としてプレイヤに提示するものである。
図10の例では、
図7の例と同様に、手牌105に含まれた「伍萬」、「六萬」及び「七萬」の3種類の牌で「イーペーコー」の役が候補役として提示された後、対戦相手から「伍萬」の牌が捨て牌として放出されたことにより、その役が候補役から消滅役へと変化した場合が想定されている。なお、案内情報部140には、「ピンフ」の役に対応する候補役ラベル141が表示されている。
【0064】
図10の例においては、「イーペーコー」の役が形成される可能性が消滅しているため、その役の形成に必要であった「伍萬」、「六萬」、「七萬」の牌のそれぞれは、「イーペーコー」の役に関する形成の観点から判断する限りは関連牌となり得る。一方、「ピンフ」の役は候補役である。1枚の「伍萬」、2枚の「六萬」、1枚の「七萬」及び1枚の「八萬」の牌により「ピンフ」の形成に必要な面子(順子)が2組形成されている。これらを総合すれば、1枚の「七萬」の牌を関連牌として判断することができる。そこで、このような場合は、「イーペーコー」の役に対応する消滅役ラベル143と、消滅役への変化に伴って関連牌となった1枚の「七萬」の牌105bとを関連付けて表示することにより、消滅役への変化をプレイヤの手牌105の表示に反映させることができる。なお、牌105bは手牌105中の他の牌とは異なる表示態様で区別して表示されてよい。
図10では牌105bをハッチングにて示しているが、牌105bの色、模様、明度といった視覚的要素を変化させることによって関連牌が明示されてよい。また、消滅役ラベル143と、これに対応する関連牌105bとの間には、
図7及び
図9に例示したオブジェクト160と同様のオブジェクト162を表示して両者の関連性をより明確に示してもよい。
【0065】
図10の例では、「ピンフ」の役を形成するための必要牌を考慮して関連牌を判別したが、他の役に関する必要牌であるか否かを考慮することは必ずしも必要ではない。例えば、「ピンフ」の役が形成されるための必要牌を考慮外とすれば、消滅役ラベル143で示された「イーペーコー」の役の形成に必要であった「伍萬」、「六萬」、「七萬」の牌は、「イーペーコー」の役に関する形成の観点からは手牌105中に残す必要性がないか、又は必要性が相対的に低下した牌である。そのような牌が全て関連牌として提示されてもよい。この場合、関連牌の判別に要する処理を簡素化することが可能である。要するに、関連牌は、少なくとも、消滅役又は低下役に変化した役に関する必要牌であったこと、を条件として判別されてよい。他の候補役に関する必要牌か否かは、関連牌の判別における追加的な条件として設定されてよい。
【0066】
他の候補役に関する必要牌か否かを考慮せずに関連牌を判別する場合には、他の候補役の形成に必要な牌であるにも関わらず、関連牌として提示される可能性が生じる。例えば、
図10では、「伍萬」又は「六萬」の牌が「ピンフ」の役に関する必要牌となり得る。そのような牌が関連牌として提示された場合、プレイヤが捨て牌として選択するおそれがある。その不都合を回避するためには、
図9に示した予告機能を併せて適用すればよい。それにより、関連牌として提示された牌を仮選択した時点で「ピンフ」の役が形成される可能性が消滅し、又は低下することを予告的に提示して、捨て牌としての選択の確定を抑止することが可能である。
図9及び
図10に例示した機能は、
図7及び
図8に示した事後的な関連付け表示の機能と組み合わせて実施されてよい。
図10の例では、候補役から消滅役への変化に対応して生じる関連牌を提示しているが、候補役から低下役への変化が生じた場合にも、その低下役の形成に必要な牌が関連牌として提示されてよい。ただし、消滅役に対応する関連牌と、低下役に対応する関連牌とでは表示態様が区別されてもよい。
【0067】
図11は、上述した関連牌を提示するためにアシスト制御部14が実行する手牌反映処理の一例を示している。
図11の手牌反映処理は、例えば、
図6のステップS114におけるサブルーチン処理として実行することができる。
図11の手牌反映処理において、アシスト制御部14は、まず今回の候補役提示処理のステップS108にて消滅役に変化した役として設定され、又はステップS110にて低下役に変化した役として設定された役の有無を判別する(ステップS301)。該当する役がない場合、アシスト制御部14は
図11の処理を終える。一方、ステップS301にて該当する役があると判断された場合、アシスト制御部14は、プレイヤの手牌105を対象として、消滅役又は低下役の形成に必要であった牌を関連牌として判別する(ステップS302)。この場合、候補役として設定されている役に関する必要牌を判別し、その必要牌を関連牌から除外してもよい。
【0068】
その後、アシスト制御部14は、消滅役に対応する消滅役ラベル143、又は低下役に対応する低下役ラベル145の表示と関連付けて、プレイヤの手牌105中にて関連牌105aが提示されるようにゲーム画面100の表示態様を設定する(ステップS303)。その後、アシスト制御部14は
図11の処理を終える。ステップS303にて設定された表示態様に従って
図6のステップS115でゲーム画面100の表示が更新されることにより、消滅役ラベル143又は低下役ラベル145が表示されるとともに、それらと関連付けて関連牌105aがプレイヤに提示される。なお、関連牌105aは、消滅役ラベル143又は低下役ラベル145が表示されている間は継続して提示されてもよいし、時間を限って提示されてもよい。あるいは、消滅役ラベル143又は低下役ラベル145をプレイヤがタッチした場合に関連牌105aが提示されるといったように、プレイヤの指示に従って関連牌105aが提示されてもよい。
【0069】
以上の形態においては、アシスト制御部14が
図5のステップS102~S104の処理を実行することにより候補判別手段の一例として機能し、
図6のステップS114及びS115の処理にて候補役に対応する候補役ラベル141を表示装置22に表示させることにより候補提示手段の一例として機能し、
図5のステップS107~S110の処理を実行することにより状態判別手段の一例として機能し、
図6のステップS114及びS115の処理にて消滅役に対応する消滅役ラベル143又は低下役に対応する低下役ラベル145を表示装置22に表示させることにより状態変化提示手段の一例として機能する。また、アシスト制御部14は、
図6のステップS114のサブルーチン処理として、
図8のステップS201~S203の処理を実行することにより、第1状態から第2状態への変化を生じさせる契機となる事象と関連付けるようにして変化情報を提示するための候補提示手段の一例として機能する。
【0070】
本発明は、上述した形態に限らず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、案内情報部140に候補役ラベル141を表示して候補情報をプレイヤに提示し、かつ消滅役ラベル143及び低下役ラベル145を表示して変化情報をプレイヤに提示したが、候補情報及び変化情報はゲーム画面中の適宜の位置に表示されてよい。例えば、対局表示部101における手牌105の近傍等に候補情報や変化情報が提示されてもよい。
【0071】
役の形成の可能性が変化し得る場面である牌の取捨選択の機会ごとに候補役、消滅役、低下役を判別して表示を更新したが、それらの判別は一局の対戦中の適宜の時期に行われてよい。対局中の例えば序盤、中盤等、一定の時期に限って候補役等の判別及び表示が行われてもよい。プレイヤからの要求があったことを条件として、候補役等の判別及び表示が行われるようにしてもよい。
【0072】
上記の形態では、麻雀ゲームに適用した場合を例示したが、本発明が適用される対象のゲームは麻雀ゲームに限られない。複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、プレイヤが複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んでいる限り、適宜のゲームに本発明が適用されてよい。例えば、ゲーム要素としてのカードを集めて特定の役を形成することを目標に含んだトランプ等のゲーム、アイテム等の要素を収集して特定のアイテム群を構築することを目標に含んだゲーム等に対しても、形成が見込まれるゲーム要素の組み合わせをプレイヤに提示するための機能を、本発明に従って実装することが可能である。ゲーム要素は、ゲームの種類、内容に応じて、牌、カード、アイテムといったように呼び名が変化し得るが、プレイヤが複数回の取得機会を通じて集めることが可能である限り、ゲーム要素の概念に含み得る。ゲーム要素に関する組み合わせについても、役と称される例に限らず、デッキ、セット等、ゲーム要素の集合を示す限りにおいて組み合わせの概念に含み得る。
【0073】
本発明が適用されるゲームは、プレイヤとその対戦相手を含んだ複数の者間で対戦される例に限らない。ゲーム要素の組み合わせを形成することを目標に含む限りにおいて、プレイヤが単独でプレイできるゲーム、あるいは複数のプレイヤが協力してプレイするゲームであっても、本発明は適用可能である。
【0074】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0075】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるためのコンピュータプログラム(Pg)であって、前記コンピュータを、前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段(14、S102~S104)、前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報(141、146)を当該プレイヤに提示する候補提示手段(14、S114、S115)、前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段(14、S107~S110)、及び前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報(143、145)を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段(14、S114、S115)、として機能させるように構成されたものである。
【0076】
本発明の一態様に係るゲームシステムは、複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するように機能するコンピュータ(10)を含んだゲームシステム(1)であって、前記コンピュータを、前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段(14、S102~S104)、前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報(141、146)を当該プレイヤに提示する候補提示手段(14、S114、S115)、前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段(14、S107~S110)、及び前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報(143、145)を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段(14、S114、S115)、として機能させるように構成されたものである。
【0077】
本発明の一態様に係るゲームシステムの制御方法は、複数種類のゲーム要素の少なくとも一つを取得する取得機会が複数回に亘ってプレイヤに与えられ、前記ゲーム要素に関する複数種類の組み合わせの少なくとも一つが形成されるように、前記プレイヤが前記複数回の取得機会を通じて複数のゲーム要素を集めることを目標に含んだゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲームシステム(1)の制御方法であって、前記コンピュータを、前記プレイヤが取得している複数のゲーム要素により、形成される可能性が所定基準を満たす組み合わせを、形成が見込まれる組み合わせの候補として判別する候補判別手段(14、S102~S104)、前記所定基準を満たすと判別された少なくとも一種類の組み合わせの候補を前記プレイヤに把握させるための候補情報(141、146)を当該プレイヤに提示する候補提示手段(14、S114、S115)、前記候補情報が提示された前記組み合わせの候補に関し、形成される可能性が前記所定基準を満たす第1状態から、前記所定基準を満たさない第2状態へと変化したか否かを判別する状態判別手段(14、S107~S110)、及び前記組み合わせの候補に関する前記第1状態から前記第2状態への変化を前記プレイヤに把握させるための変化情報(143、145)を前記プレイヤに提示する状態変化提示手段(14、S114、S115)、として機能させるものである。
【0078】
上記態様によれば、第1状態にある組み合わせの候補に関して候補情報が提示された後、その候補が第2状態へと変化した場合、第1状態から第2状態への変化をプレイヤに把握させるように変化情報が提示される。したがって、形成の可能性が所定基準を満たさなくなった組み合わせの候補に関し、候補情報の提示が中止され、変化を把握させる情報が何ら提示されない場合と比較して、プレイヤが混乱をきたす可能性を低減し、又は解消することが可能である。
【0079】
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0080】
上記態様においては、以下の事項をさらに付加することが可能である。なお、以下の各種の事項は、相互に矛盾が生じない限りにおいて適宜に組み合わせて適用されてよい。
【0081】
前記候補判別手段は、前記可能性が所定の水準以上となる組み合わせを、前記組み合わせの候補として判別してもよい。これによれば、形成の可能性が所定の水準以上となった組み合わせに関して候補情報を提示し、その後に同一候補の形成の可能性が所定の水準未満に変化した場合に変化情報を提示して、形成の可能性の増減をプレイヤに適確に把握させることができる。
【0082】
前記状態判別手段は、前記第2状態を、前記可能性が消滅した消滅状態と、前記可能性が前記所定基準を満たさない範囲で残っている低下状態とに区別して判別し、前記状態変化提示手段は、前記第2状態が、前記消滅状態又は前記低下状態のいずれであるかを区別できるようにして前記変化情報を提示してもよい。これによれば、形成の可能性が消滅したのか、まだ基準を満たさない範囲で残っているのかを区別してプレイヤに提示することができる。したがって、候補情報で示された組み合わせの候補に関して、その形成の可能性がどのように変化したかをプレイヤにより詳しく把握させることが可能である。
【0083】
前記複数種類の組み合わせのそれぞれには名称が設定され、前記候補提示手段は、前記組み合わせの候補に対して設定された名称を含むようにして前記候補情報を提示してもよい。これによれば、形成の可能性が所定基準以上となった候補を、その名称を通じてプレイヤにより確実に把握させることができる。
【0084】
前記状態変化提示手段は、前記変化情報を、前記候補提示手段にて提示された候補情報と関連付けて提示してもよい。これによれば、第1状態となった候補が第2状態へと変化した場合、その候補情報と関連付けて変化情報が提示される。それにより、状態の変化をプレイヤにより確実に把握させることができる。
【0085】
前記状態変化提示手段は、前記第1状態から前記第2状態への変化に対応して前記候補情報の視覚的態様を変化させることにより前記変化情報を提示してもよい。この場合、候補情報と変化情報とが視覚的に関連付けられるため、両者の対応関係をプレイヤに確実に把握させることができる。
【0086】
前記状態変化提示手段は、前記第1状態から前記第2状態への変化を記述した文字情報(146)を含むようにして前記変化情報を提示してもよい。これによれば、文字情報を介して第1状態から第2状態への変化をプレイヤに確実に把握させることができる。
【0087】
前記複数回の取得機会は、前記プレイヤによる前記ゲーム要素の取得と引き換えに前記プレイヤが取得しているゲーム要素を捨てる取捨選択の機会を含んでいてもよい。これによれば、プレイヤがゲーム要素を取得し、それと引き換えにゲーム要素を捨てることにより、組み合わせが形成される可能性が動的に増減する。その増減に合わせて候補情報や変化情報が適宜に提示されることにより、組み合わせの変化をプレイヤに適切に把握させることが可能である。
【0088】
前記状態変化提示手段は、前記第1状態から前記第2状態への変化を生じさせる契機となる事象と関連付けるようにして前記変化情報を提示してもよい。これによれば、どのような事象が契機となって第1状態から第2状態への変化が生じるか、をプレイヤに把握させることができる。したがって、プレイヤが混乱をきたす可能性をより確実に低減し、又は解消することが可能である。
【0089】
前記ゲームは、前記プレイヤ及び対戦相手間で進行し、前記プレイヤ又は前記対戦相手の行為が前記事象となり得るように構成されてもよい。これによれば、プレイヤ又は対戦相手の行為を契機として第1状態から第2状態への変化が生じることをプレイヤに把握させることができる。
【0090】
前記対戦相手の行為が前記事象として生じた場合に、前記状態変化提示手段は、当該対戦相手の行為と関連付けるようにして前記変化情報を提示してもよい。この場合、対戦相手の行為を契機として第1状態から第2状態への変化が生じることをプレイヤに確実に把握させることができる。
【0091】
前記ゲームは、前記プレイヤを含む対局者が対戦する麻雀ゲームとして構成され、前記ゲーム要素が麻雀牌であり、前記組み合わせが前記麻雀ゲームにおける役であってもよい。これによれば、麻雀ゲームにおける役の形成の可能性に関して候補情報や変化情報が提示されることにより、麻雀ゲームを気軽にプレイできる環境を提供することが可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 ゲームシステム
10 制御ユニット(コンピュータ)
14 アシスト制御部
140 案内情報部
141 候補役ラベル(候補情報)
142 消滅指標
143 消滅役ラベル(変化情報)
144 低下指標(変化情報)
145 低下役ラベル
146 メッセージ
160 オブジェクト
161 カーソル
162 オブジェクト