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特開2024-16987スマートフォンの冷却装置及びスマートフォンの冷却システム
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  • 特開-スマートフォンの冷却装置及びスマートフォンの冷却システム 図1
  • 特開-スマートフォンの冷却装置及びスマートフォンの冷却システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016987
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】スマートフォンの冷却装置及びスマートフォンの冷却システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/21 20060101AFI20240201BHJP
   B62J 11/00 20200101ALI20240201BHJP
   B62J 50/22 20200101ALI20240201BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H04M1/21 M
B62J11/00
B62J50/22
H05K7/20 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119317
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】522300204
【氏名又は名称】野元 隆博
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】野元 隆博
【テーマコード(参考)】
5E322
5K023
【Fターム(参考)】
5E322AA03
5E322BA01
5E322BB03
5E322EA10
5K023AA07
5K023DD06
5K023MM01
5K023MM25
5K023PP02
5K023PP12
5K023QQ05
(57)【要約】
【課題】バイクや自転車のスマートフォンホルダに装着できる、スマートフォンの冷却装置を提供する。
【解決手段】スマートフォンの冷却装置1は、少なくとも入口24及び出口25を有するケーシング20と、入口24に配置されて出口25に向かって送風する送風ファン30と、ケーシング20の入口24と出口25の間において、スマートフォンと接触する面に開口する接触開口部23と、を備えている。このうち、送風ファン30と接触開口部23とは、スマートフォンと接触した状態で、スマートフォンの面方向にみて異なる位置にずれて配置されていることが好ましい。また、送風ファン30と接触開口部23との間には、スマートフォンホルダに嵌合しやすいように、幅が狭くされた括れ部22が形成されていることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも入口及び出口を有するケーシングと、
前記入口に配置されて前記出口に向かって送風する送風ファンと、
前記ケーシングの前記入口と前記出口の間において、スマートフォンと接触する面に開口する接触開口部と、
を備える、スマートフォンの冷却装置。
【請求項2】
前記送風ファンと前記接触開口部とは、スマートフォンと接触した状態で、スマートフォンの面方向にみて異なる位置にずれて配置されている、請求項1に記載された、スマートフォンの冷却装置。
【請求項3】
前記送風ファンと前記接触開口部との間には、スマートフォンホルダに嵌合しやすいように、幅が狭くされた括れ部が形成されている、請求項1又は請求項2に記載された、スマートフォンの冷却装置。
【請求項4】
前記ケーシングは、合成樹脂によって、スマートフォンの面外方向にみて厚さ3mm~25mmに形成されている、請求項3に記載された、スマートフォンの冷却装置。
【請求項5】
前記接触開口部は、格子窓状に形成されている、請求項4に記載された、スマートフォンの冷却装置。
【請求項6】
請求項3に記載されたスマートフォンの冷却装置と、
バイク又は自転車のハンドルに取り付けられたスマートフォンホルダであって、複数のホルダ爪によってスマートフォンを把握するようにされている、スマートフォンホルダと、から構成され、
前記括れ部が前記ホルダ爪の間に嵌合するようになっている、スマートフォンの冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンのホルダに取り付けることのできるスマートフォンの冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンを使用したビジネスが隆盛となっている。その1つとして、オンラインでのフード注文・配達プラットフォームが展開されている。このフード注文・配達プラットフォームでは、ウェブブラウザやモバイルアプリケーションを使って、登録されている飲食店にフードを注文できるようになっている。
【0003】
ところで、このフード注文・配達プラットフォームにおいては、配達員はバイクや自転車のスマートフォンホルダにスマートフォンを装着して地図や注文を含む各種の情報を見ている。他方で、従来から太陽光発電式のスマートフォンの冷却器は存在していた(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-510344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の冷却装置(冷却器)は、バイクや自転車のスマートフォンホルダに装着できるものではなかった。そのため、特に炎天下での配達作業では、スマートフォンが熱によってフリーズしたり暴走したりして、注文・配達が滞ってしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明は、バイクや自転車のスマートフォンホルダに装着できる、スマートフォンの冷却装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のスマートフォンの冷却装置は、少なくとも入口及び出口を有するケーシングと、前記入口に配置されて前記出口に向かって送風する送風ファンと、前記ケーシングの前記入口と前記出口の間において、スマートフォンと接触する面に開口する接触開口部と、を備えている。
【0008】
また、本発明のスマートフォンの冷却システムは、括れ部を備えるスマートフォンの冷却装置と、バイク又は自転車のハンドルに取り付けられたスマートフォンホルダであって、複数のホルダ爪によってスマートフォンを把握するようにされている、スマートフォンホルダと、から構成され、前記括れ部が前記ホルダ爪の間に嵌合するようになっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスマートフォンの冷却装置は、少なくとも入口及び出口を有するケーシングと、入口に配置されて出口に向かって送風する送風ファンと、ケーシングの入口と出口の間において、スマートフォンと接触する面に開口する接触開口部と、を備えている。このような構成であれば、バイクや自転車のスマートフォンホルダに装着できる、スマートフォンの冷却装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例のスマートフォンの冷却装置である。(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は背面図であり、(d)は側面図である。
図2】実施例のスマートフォンの冷却システムである。(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例0012】
(構成)
まず、図1を用いて本発明のスマートフォンの冷却装置1の全体構成を説明する。本発明のスマートフォンの冷却装置1は、図1に示すように、ケーシング20と、ケーシング20に収容される送風ファン30と、から構成されている。なお、ケーシング20の平面的な形状については、スマートフォンPの形状・大きさに合わせて、適宜変更することができる。なお、図示しないが、送風ファン30の電源としては、スマートフォン用のバッテリー(蓄電池)などを用いることができる。
【0013】
ケーシング20は、合成樹脂によって薄型のケース状(容器状)に形成されるものである。ケーシング20は、送風ファン30を収容するファン収容部21と、接触開口部23と、両者の間に位置する括れ部22と、から主に構成される。そして、ケーシング20は、スマートフォンPの面外方向(画面に垂直な方向)にみて厚みが3mm~25mmにされていることが好ましい。より好ましくは、厚みが3mm~10mmにされていることが好ましい。
【0014】
このうちファン収容部21の片面には円形の開口部である入口24が形成されており、入口24に対応して送風ファン30が設置されている。ファン収容部21に隣接する括れ部22は、ケーシング20の左右の幅を狭くすることで形成される。このように括れ部22が形成されることで、(後述するように)スマートフォンホルダ(5)に嵌合しやすくなっている。
【0015】
また、ケーシング20には、外部と通じる開口部として、入口24、出口25、接触開口部23を有している。出口25は、接触開口部23の近傍のケーシング20の側面(正面)に形成されるも。
【0016】
そして、接触開口部23は、ケーシング20の入口24と出口25の間において、スマートフォンPと接触する面に開口している。なお、図示しないが、ケーシング20の接触開口部23に対向する底面の内面側には、気流をスマートフォンP側に方向付けるための突条(左右に幅のあるジャンプ台状の突起)を配置することも好ましい。
【0017】
この接触開口部23は、縦部材と横部材を交差させることによって、格子窓状に形成されている。したがって、スマートフォンPに向いた面に、比較的に広い面積を有する開口部を形成するとともに、必要な剛性(強度)を有するようになっている。このように比較的に広い開口面積を有していることで、スマートフォンの機種ごとに微妙に異なる発熱部位に対応しやすくなっている。
【0018】
送風ファン30としては、種々の形状のものを採用することができる。送風ファン30としては、例えば、いわゆるファンやブロアなどを用いることができるが、送風することのできるものであれば、どのような構造であってもよい。全体として薄型のスマートフォンの冷却装置1であるため、送風ファン30自体も薄型のものを用いることが好ましい。ただし、本実施例では、後述するように送風ファン30はスマートフォンホルダ5の外部に位置するため、その意味では送風ファン30の厚みは関係ない。
【0019】
そして、本実施例のスマートフォンの冷却装置1においては、上述した送風ファン30と接触開口部23とは、スマートフォンPと接触した状態で、スマートフォンPの面方向にみて異なる位置にずれて配置されている。すなわち、接触開口部23は、スマートフォンPとちょうど重なるように配置されるが、送付ファン30はスマートフォンPと重ならないように配置される。
【0020】
また、スマートフォンの冷却装置1は、実際の使用時には、スマートフォンの冷却装置1に加えて、バイク又は自転車のハンドルに取り付けられたスマートフォンホルダ5であって、複数のホルダ爪51、51によってスマートフォンPを把握するようにされている、スマートフォンホルダ5と、セットで使用される。
【0021】
そして、本実施例のスマートフォンの冷却システムSは、これらスマートフォンの冷却装置1とスマートフォンホルダ5によって構成される。より具体的に言うと、スマートフォンの冷却システムSは、スマートフォンホルダ5とスマートフォンPの間に、薄型のスマートフォンの冷却装置1を挟み込むことによって完成される。
【0022】
この際には、特に括れ部22を備えるスマートフォンの冷却装置1であれば、括れ部22がホルダ爪51、51の間に嵌合するようになっていることで、しっかりと保持されるようになっている。
【0023】
(作用・効果)
次に、本実施例のスマートフォンの冷却装置1が奏する作用・効果を列挙して説明する。
【0024】
(1)上述してきたように、本実施例のスマートフォンの冷却装置1は、少なくとも入口24及び出口25を有するケーシング20と、入口24に配置されて出口25に向かって送風する送風ファン30と、ケーシング20の入口24と出口25の間において、スマートフォンと接触する面に開口する接触開口部23と、を備えている。このような構成であれば、バイクや自転車のスマートフォンホルダに装着できる、スマートフォンの冷却装置1となる。したがって、送風ファン30の送り出す風(空気)によってスマートフォンPの発する熱を接触開口部23で冷却(熱交換)し、暖められた空気を出口25から排出することで放熱するようになっている。
【0025】
(2)また、送風ファン30と接触開口部23とは、スマートフォンと接触した状態で、スマートフォンの面方向にみて異なる位置にずれて配置されているため、装置全体を薄く形成できるようになり、様々なタイプのスマートフォンホルダ(5)に取付可能となる。
【0026】
(3)さらに、送風ファン30と接触開口部23との間には、スマートフォンホルダ5に嵌合しやすいように、幅が狭くされた括れ部22が形成されているため、括れ部22がホルダ爪51、51の間に位置するようにすれば、ぴったりと収まるようになる(嵌合する)。
【0027】
(4)また、ケーシング20は、合成樹脂によって、スマートフォンの面外方向にみて厚さ3mm~25mmに形成されているので、スマートフォンPのワイヤレス充電にも対応することができる。
【0028】
(5)さらに、接触開口部23は、格子窓状に形成されているため、開口面積を広くすることで、スマートフォンPの熱源(発熱位置)がどこに位置していても、熱源を冷却することができる。
【0029】
(6)また、本実施例のスマートフォンの冷却システムSは、上述した(3)の括れ部22を備えるスマートフォンの冷却装置1と、バイク又は自転車のハンドルに取り付けられたスマートフォンホルダ5であって、複数のホルダ爪51、51によってスマートフォンを把握するようにされているスマートフォンホルダ5と、から構成され、括れ部22がホルダ爪51、51の間に嵌合するようになっている。したがって、バイクや自転車に装着してスマートフォンPを冷却することのできる、スマートフォンの冷却システムSとなる。
【0030】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
S スマートフォンの冷却システム
1 スマートフォンの冷却装置
20 ケーシング
21 ファン収容部
22 括れ部
23 接触開口部
24 入口
25 出口
30 送風ファン
40 電源(不図示)
5 スマートフォンホルダ
50 本体部
51 ホルダ爪
図1
図2