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特開2024-169900収穫量推定方法、収穫量推定システムおよび収穫量推定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169900
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】収穫量推定方法、収穫量推定システムおよび収穫量推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20241129BHJP
   A01D 41/127 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01D41/127
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086753
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】沢村 亮
【テーマコード(参考)】
2B074
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2B074BA09
2B074EB11
2B074EC01
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】収量センサーを備えない収穫機にも適用可能な収穫量推定方法、収穫量推定システムおよび収穫量推定プログラムを提供する。
【解決手段】収穫量推定方法は、圃場(9)内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機(2)の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得すること(S01)と、収穫機と並走しながら収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両(3、3A、3B)の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得すること(S02)と、収穫機から伴走車両までの車間距離(D1、D2、D3、D4)と、伴走車両が収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、伴走車両が収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、収穫機が収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定すること(S05)とを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得することと、
前記収穫機と並走しながら前記収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得することと、
前記収穫機から前記伴走車両までの車間距離と、前記伴走車両が前記収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、前記伴走車両が前記収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、前記収穫機が前記収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した前記収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定することと、
前記総収穫量を表す情報を外部に出力することと
を含む
収穫量推定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の収穫量推定方法において、
前記伴走車両が、前記収穫機との並走状態を開始した後に前記並走状態を解除して前記収穫機から離脱した離脱回数を、前記車間距離に基づいて算出すること
をさらに含み、
前記総収穫量を推定することは、
前記離脱回数にさらに基づいて前記総収穫量を推定すること
を含む
収穫量推定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の収穫量推定方法において、
前記離脱回数を算出することは、
前記伴走車両が、前記収穫機から所定の閾値車間距離までの範囲内に入ってから、前記範囲から出て前記収穫機から離脱するまでの状態が、所定の閾値期間にわたって継続したとき、前記状態を前記並走状態として検出すること
を含む
収穫量推定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の収穫量推定方法において、
前記伴走車両は、複数の伴走車両を含み、
前記離脱回数は、前記複数の伴走車両が前記収穫機から離脱した回数をそれぞれ表す複数の離脱回数を含む
収穫量推定方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の収穫量推定方法において、
前記収穫作業の間に行われる複数の並走のうち、最後の並走で前記収穫機から受け取った前記収穫物の収穫量を、前記最後の並走における並走距離の、所定の基準並走距離に対する比率と、前記基準積載量とに基づいて推定すること
をさらに含む
収穫量推定方法。
【請求項6】
請求項5に記載の収穫量推定方法において、
前記基準並走距離は、前記複数の並走のうち、最初の並走における並走距離である
収穫量推定方法。
【請求項7】
請求項5に記載の収穫量推定方法において、
前記基準並走距離は、前記複数の並走のうち、前記最後の並走以外の並走における並走距離の平均値である
収穫量推定方法。
【請求項8】
請求項1に記載の収穫量推定方法において、
前記総収穫量を推定することは、
前記並走距離の総和の、基準並走距離に対する比率と、基準積載量とに基づいて前記総収穫量を推定すること
を含む
収穫量推定方法。
【請求項9】
圃場内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報と、前記収穫機と並走しながら前記収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報とを取得する位置情報取得部と、
前記収穫機から前記伴走車両までの車間距離と、前記伴走車両が前記収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、前記伴走車両が前記収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、前記収穫機が前記収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した前記収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定する総収穫量推定部と、
前記総収穫量を表す情報を外部に出力する出力部と
を備える
収穫量推定システム。
【請求項10】
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための収穫量推定プログラムであって、
前記処理は、
圃場内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得することと、
前記収穫機と並走しながら前記収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得することと、
前記収穫機から前記伴走車両までの車間距離と、前記伴走車両が前記収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、前記伴走車両が前記収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、前記収穫機が前記収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した前記収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定することと、
前記総収穫量を表す情報を外部に出力することと
を含む
収穫量推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収穫量推定方法、収穫量推定システムおよび収穫量推定プログラムに関し、例えば、収穫機が収穫した収穫物を、収穫機と並走する伴走車両が受け取る場合に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許6767892号公報)には、収穫量管理システムに係る発明が開示されている。この収穫量管理システムは、圃場で農作物を収穫する収穫機の位置情報と、この収穫機が収穫した収穫物の収穫量を表す収穫量情報と、この収穫機との並走状態において収穫物を受け入れて運搬する運搬車両の位置情報とを取得する。また、この収穫量管理システムは、収穫機および運搬車両の位置関係に基づいて両者が並走状態であるか否かを判定し、並走状態において収穫機が収穫した収穫物の収穫量を、運搬車両が運搬する収穫物の収穫量として関連付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6767892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明は、収穫機が収量センサーを備えていれば、収穫機および運搬車両のそれぞれの位置情報に基づいて両者の並走状態を検出することによって、運搬車両が収穫機との並走時に受け取って運搬する収穫物の収穫量を推定することができる。しかし、比較的旧型の収穫機や、比較的安価な収穫機の中には、収量センサーを備えていないものも存在し、収量センサーを備えていない収穫機に特許文献1の発明を適用することは困難である。
【0005】
上記状況に鑑み、本開示は、収量センサーを備えない収穫機にも適用可能な収穫量推定方法、収穫量推定システムおよび収穫量推定プログラムを提供することを目的の1つとする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
一実施の形態によれば、収穫量推定方法は、圃場(9)内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機(2)の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得すること(S01)を含む。収穫量推定方法は、さらに、収穫機(2)と並走しながら収穫機(2)が収穫した収穫物を受け取る伴走車両(3、3A、3B)の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得すること(S02)を含む。収穫量推定方法は、さらに、収穫機(2)から伴走車両(3、3A、3B)までの車間距離(D1、D2、D3、D4)と、伴走車両(3、3A、3B)が収穫機(2)との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、伴走車両(3、3A、3B)が収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、収穫機(2)が収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定すること(S05)を含む。収穫量推定方法は、さらに、総収穫量を表す情報を外部に出力すること(S06)を含む。
【0008】
一実施の形態によれば、収穫量推定システム(1)は、位置情報取得部(521)と、総収穫量推定部(524)と、出力部(525)とを備える。位置情報取得部(521)は、圃場(9)内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機(2)の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報と、収穫機(2)と並走しながら収穫機(2)が収穫した収穫物を受け取る伴走車両(3、3A、3B)の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報とを取得する。総収穫量推定部(524)は、収穫機(2)から伴走車両(3、3A、3B)までの車間距離(D1、D2、D3、D4)と、伴走車両(3、3A、3B)が収穫機(2)との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、伴走車両(3、3A、3B)が収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、収穫機(2)が収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定する。出力部(525)は、総収穫量を表す情報を外部に出力する。
【0009】
一実施の形態によれば、収穫量推定プログラムは、演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するためのものである。この処理は、圃場(9)内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機(2)の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得すること(S01)を含む。この処理は、さらに、収穫機(2)と並走しながら収穫機(2)が収穫した収穫物を受け取る伴走車両(3、3A、3B)の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得すること(S02)を含む。この処理は、さらに、収穫機(2)から伴走車両(3、3A、3B)までの車間距離(D1、D2、D3、D4)と、伴走車両(3、3A、3B)が収穫機(2)との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、伴走車両(3、3A、3B)が収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、収穫機(2)が収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定すること(S05)を含む。この処理は、さらに、総収穫量を表す情報を外部に出力すること(S06)を含む。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、収穫機が収量センサーを備えていなくても、伴走車両が収穫機から受け取った収穫物の収穫量を、収穫機および伴走車両の位置情報に基づいて推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態による収穫量推定システムの一構成例を示す図である。
図2図2は、一実施形態による収穫量推定装置の一構成例を示すブロック回路図である。
図3図3は、一実施形態による収穫量推定方法の処理の一例を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、一実施形態による収穫量推定システムにおける収穫機および伴走車両の位置関係について説明するための図である。
図4B図4Bは、一実施形態による収穫量推定システムにおける収穫機および伴走車両の位置関係について説明するための図である。
図4C図4Cは、一実施形態による収穫量推定システムにおける収穫機および伴走車両の位置関係について説明するための図である。
図4D図4Dは、一実施形態による収穫量推定システムにおける収穫機および伴走車両の位置関係について説明するための図である。
図5図5は、一実施形態による収穫量推定方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本開示による収穫量推定方法、収穫量推定システムおよび収穫量推定プログラムを実施するための形態を以下に説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1に示すように、一実施形態による収穫量推定システム1は、収穫量推定装置5を含む。収穫量推定システム1は、さらに、収穫機2の測位装置20、伴走車両3の測位装置30および外部端末6のうち、一部または全てを含んでもよい。
【0014】
収穫機2の測位装置20は、収穫機2に搭載される。収穫機2は、圃場9内を移動しながら農作物を収穫する。収穫機2は、コンバインなどのように移動手段を備える収穫作業用の車両であってもよいし、トラクターなどの車両に接続された収穫機であってもよい。
【0015】
伴走車両3の測位装置30は、伴走車両3に搭載される。伴走車両3は、収穫機2と並走しながら、収穫機2が収穫した農作物である収穫物を受け取って積載する。
【0016】
収穫量推定装置5は、収穫機2が収穫して伴走車両3が受け取った収穫物の収穫量を推定する。伴走車両3は、後述するように、複数であってもよい。複数の伴走車両3を用いる場合は、それぞれの伴走車両が受け取った収穫物の収穫物をそれぞれ推定する。いずれの場合も、収穫量推定装置5は、さらに、収穫機2が収穫して伴走車両3に受け渡した収穫物の収穫量の総和である総収穫量を推定する。
【0017】
外部端末6は、通信機能、表示機能および入力機能を有するスマートフォンやタブレット端末などを含んでもよい。
【0018】
収穫機2の測位装置20と、伴走車両3の測位装置30と、収穫量推定装置5と、外部端末6とは、ネットワーク4を介した無線通信および/または有線通信によって各種情報の送受信を行う。一例として、収穫機2の測位装置20は、収穫機2が移動しながら通過した複数の地点の位置をGNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)などで測定した位置情報を、ネットワーク4を介して、収穫量推定装置5へ送信する。同様に、伴走車両3の測位装置30は、伴走車両3が移動しながら通過した複数の地点の位置をGNSSなどで測定した位置情報を、ネットワーク4を介して、収穫量推定装置5へ送信する。このように位置を測定した地点は、測位点とも呼ばれる。位置情報は、それぞれの測位点の位置を測定した測位時刻を含んでもよい。収穫量推定装置5は、受信したそれぞれの位置情報を記録し、受信した位置情報に基づいて収穫量を推定し、推定した収穫量を表す情報を外部へ出力する。外部端末6は、収穫量推定装置5が送信する情報を受信して、外部端末6を操作する使用者が目視などにより確認できるように出力する。
【0019】
図2に示すように、収穫量推定装置5は、いわゆるコンピュータとして構成されてもよい。図2の例において、収穫量推定装置5は、バス51と、演算装置52と、記憶装置53と、通信装置54と、入出力装置55とを備える。バス51は、演算装置52、記憶装置53、通信装置54および入出力装置55の間の通信を実現するように構成されてもよい。
【0020】
演算装置52は、位置情報取得部521と、車間距離算出部522と、離脱回数算出部523と、総収穫量推定部524と、出力部525とを備える。記憶装置53は、プログラム記憶部531を備える。プログラム記憶部531は、収穫量推定プログラムを記憶する。
【0021】
演算装置52は、収穫量推定プログラムを実行することによって、位置情報取得部521、車間距離算出部522、離脱回数算出部523、総収穫量推定部524および出力部525のそれぞれの機能を実現する。位置情報取得部521、車間距離算出部522、離脱回数算出部523、総収穫量推定部524および出力部525のそれぞれは、演算装置52および記憶装置53が協働して実現する処理を実行する仮想的な機能ブロックである。位置情報取得部521は、通信装置54を制御して、収穫機2の測位装置20から収穫機2の位置情報を取得し、伴走車両3の測位装置30から伴走車両3の位置情報を取得する。車間距離算出部522は、収穫機2の位置情報と、伴走車両3の位置情報とに基づいて、ある時刻における収穫機2と伴走車両3の間の車間距離を算出する。離脱回数算出部523は、収穫機2および伴走車両3の位置情報または車間距離に基づいて、伴走車両3が、収穫機2との並走状態から離脱した離脱回数を算出する。総収穫量推定部524は、収穫機2および伴走車両3の位置情報、車間距離または離脱回数と、伴走車両3が収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、収穫機2による収穫作業の間に収穫されて伴走車両3によって運搬された収穫物の収穫量の総和を総収穫量として推定する。出力部525は、推定した収穫量を表す情報を外部へ出力する。これらの機能ブロックのより具体的な処理については、後述する。
【0022】
収穫量推定プログラムは、外部の記録媒体530から読み出されてプログラム記憶部531に格納されてもよい。記録媒体530は、非一時的で有形の媒体(non-transitory and tangible media)であってもよい。
【0023】
通信装置54は、ネットワーク4を介する無線通信および/または有線通信により、測位装置20、測位装置30および外部端末6を含む外部の装置との通信を行う。
【0024】
入出力装置55は、使用者に情報を出力し、使用者が入力する操作を受け付ける。一例として、入出力装置55は、画像を出力する表示装置、入力を受け付けるキーボードおよび/またはマウスなどを含む。
【0025】
一例として、外部端末6も、演算装置と、記憶装置と、通信装置と、入出力装置とを備えるコンピュータとして構成されてもよい。入出力装置は、画像を出力する表示装置と、タッチ操作による入力を受け付けるタッチパッドとを一体化したタッチパネルを備えてもよい。
【0026】
図3のフローチャートを参照して、一実施形態による収穫量推定方法の処理の一例について説明する。収穫量推定方法の処理は、収穫量推定装置5が起動するときに開始してもよい。このとき、収穫量推定装置5の演算装置52が収穫量推定プログラムを実行することによって、収穫量推定方法の処理が実現される。
【0027】
図3のフローチャートの処理が開始すると、ステップS01が実行される。ステップS01において、図2の位置情報取得部521が、収穫機2の位置情報を取得する。より詳細には、図1の収穫機2の測位装置20が送信する収穫機2の位置情報を、図2の位置情報取得部521が受信して取得する。位置情報取得部521は、取得した位置情報を、記憶装置53に格納する。
【0028】
図3のステップS01の後、ステップS02が実行される。ステップS02において、図2の位置情報取得部521が、伴走車両3の位置情報を取得する。より詳細には、図1の伴走車両3の測位装置30が送信する伴走車両3の位置情報を、図2の位置情報取得部521が受信して取得する。位置情報取得部521は、取得した位置情報を、記憶装置53に格納する。
【0029】
図3のステップS02の後、ステップS03が実行される。ステップS03において、図2の車間距離算出部522が、収穫機2と伴走車両3との距離を算出する。より詳細には、車間距離算出部522は、記憶装置53に格納されている収穫機2および伴走車両3の位置情報に基づいて、複数の時刻のそれぞれにおける収穫機2と伴走車両3との距離を算出する。これら複数の時刻は、例えば、収穫機2の位置を測定した複数の測位時刻を含んでもよいし、伴走車両3の位置を測定した複数の測位時刻を含んでもよい。
【0030】
なお、収穫機2の測位装置20と伴走車両3の測位装置30とにおける測位のタイミングが同期されていなかったなどの理由により、たとえ、収穫機2のある測位時刻と同一の時刻に伴走車両3の測位が行われていなかったとしても、当該測位時刻における伴走車両3の位置を推定することは可能である。一例として、伴走車両3の測位時刻から、収穫機2の当該測位時刻より前で当該測位時刻に最も近い第1測位時刻と、収穫機2の当該測位時刻より後で当該測位時刻に最も近い第2測位時刻とを抽出する。伴走車両3の第1測位時刻から収穫機2の当該測位時刻までの第1期間と、収穫機2の当該測位時刻から伴走車両3の第2測位時刻までの第2期間とを算出し、第1期間および第2期間の比率を算出する。伴走車両3の位置情報から、第1測位時刻における第1位置と、第2測位時刻における第2位置とを抽出し、第1期間の比率を第1位置の重みとして設定し、第2期間の比率を第2位置の重みとして設定した場合の、第1位置および第2位置の加重重心を、収穫機2の当該測位時刻における伴走車両3の位置として推定してもよい。同様の手法により、伴走車両3のある測位時刻と同一の時刻に収穫機2の測位が行われていなかったとしても、当該測位時刻における収穫機2の位置を推定することも可能である。
【0031】
図3のステップS03の後、ステップS04が実行される。ステップS04において、図2の離脱回数算出部523が、伴走車両3が収穫機2から離脱した回数を算出する。より詳細には、まず、離脱回数算出部523は、伴走車両3が収穫機2との並走を開始したと判定される並走開始時刻と、その後に伴走車両3が収穫機2との並走を終了したと判定される並走終了時刻とを検出する。次に、離脱回数算出部523は、並走開始時刻から並走終了時刻までの期間が所定の閾値期間より長い場合に、この期間において伴走車両3は収穫機2と並走状態にあったと判定し、当該期間が終わる並走終了時刻に伴走車両3が収穫機2から離脱したと判定する。離脱回数算出部523は、収穫機2が収穫作業を開始してから終了するまでの収穫期間にわたって、伴走車両3が収穫機2から離脱した回数を算出する。
【0032】
図3のステップS04の後、ステップS05が実行される。ステップS05において、図2の総収穫量推定部524が、収穫機2が収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した収穫物の収穫量の総和である総収穫量を推定する。より詳細には、総収穫量推定部524は、伴走車両3が収穫物を一度に積載する基準積載量と、図3のステップS04で算出した離脱回数とを積算して、中間収穫量を算出する。一例として、基準積載量は、伴走車両3が収穫機2から受け取った収穫物を別の場所まで運搬するために収穫機2から離脱するまでに、一度に積載する収穫物の量であってもよい。さらに、総収穫量推定部524は、収穫機2が圃場9で収穫作業を始めてから終わるまでの収穫期間のうち、最後に並走した伴走車両3に受け渡した、基準積載量に満たない最終積載量を、中間収穫量に加算して、総収穫量の推定値を算出する。
【0033】
最終積載量は、例えば、基準積載量と、基準並走距離と、最終並走距離とに基づいて算出してもよい。ここで、基準並走距離は、収穫機2が収穫作業を開始してから最初に収穫機2と並走した伴走車両3が収穫機2から受け取って荷台31に積載した収穫物の積載量がゼロから基準積載量になるまで伴走車両3が収穫機2と並走した距離である。また、最終並走距離は、収穫期間の最後に、伴走車両3が収穫機2から受け取って荷台31に積載した収穫物の積載量がゼロから最終積載量になるまで伴走車両3が収穫機2と並走した距離である。基準並走距離および最終並走距離は、伴走車両3の位置情報に基づいて算出してもよい。最終積載量は、基準積載量を基準並走距離で除算し、最終並走距離と積算した値として算出してもよい。この算出方法は、収穫機2が単位距離ごとに収穫して伴走車両3に受け渡す収穫物の収穫量が一定であるとの推定に基づいている。
【0034】
図3のステップS05の後、ステップS06が実行される。ステップS06において、図2の出力部525が、総収穫量の推定値を出力する。より詳細には、出力部525は、通信装置54を制御して総収穫量を表す総収穫量情報を外部端末6へ、ネットワーク4を介して送信する。外部端末6は、通信機能によって総収穫量情報を受信すると、総収穫量情報が表す総収穫量の値を、表示機能によって表示する。総収穫量情報の受信および/または表示は、利用者が外部端末6を操作によって実行されてもよい。
【0035】
図3のステップS06の後、収穫量推定方法の処理は終了する。
【0036】
図4A図4Dを参照して、図3のステップS03およびS04の処理の具体例について説明する。図4Aに示すように、収穫機2は圃場9内を矢印方向に移動しながら圃場9で育成された農作物を収穫する。図4Aの例では、圃場9のうち、農作物が収穫された後の領域を収穫済み領域91と呼び、農作物がまだ収穫されていない領域を未収穫領域92と呼ぶ。
【0037】
図4Aに示すように、第1の伴走車両3Aは収穫機2と同じ矢印方向に並走しながら、収穫機2が収穫した農作物である収穫物を受け取って荷台31Aに積載する。一例として、収穫機2が収穫した収穫物は、収穫機2のコンベアー21を介して第1の伴走車両3Aの荷台31Aへ移し替えられてもよい。収穫物は、荷台31Aに直接積載されてもよいし、荷台31Aに配置された容器の中に積載されてもよい。
【0038】
図4Aに示すように、収穫機2は測位装置20を備えており、第1の伴走車両3Aは測位装置30Aを備えている。図3のステップS03において、図2の車間距離算出部522は、図4Aに示す測位装置20から測位装置30Aまでの車間距離D1を、収穫機2から第1の伴走車両3Aまでの距離として算出する。また、図3のステップS04において、図2の離脱回数算出部523は、測位装置20から測位装置30Aまでの車間距離D1が所定の閾値車間距離より短く、かつ、測位装置20から測位装置30Aまでの車間距離D1が所定の閾値車間距離より短い状態が所定の閾値期間より長く続く場合に、第1の伴走車両3Aが収穫機2と並走していたと判定してもよい。言い換えれば、第1の伴走車両3Aが収穫機2から閾値車間距離までの範囲内に入っており、かつ、第1の伴走車両3Aが収穫機2から閾値車間距離までの範囲内に入ってから、当該範囲から出て収穫機2から離脱するまでの状態が、閾値期間にわたって継続したとき、当該状態を、第1の伴走車両3Aの収穫機2との並走状態として検出してもよい。
【0039】
図4Bに示すように、第1の伴走車両3Aは、収穫機2から受け取った収穫物が基準積載量に達すると、収穫機2との並走を終了し、収穫機2から離脱し、収穫物を別の場所へ運搬する。このとき、第1の伴走車両3Aが収穫機2から受け取った収穫物が基準積載量に達したか否かの判定を、収穫物の体積に基づいて行ってもよい。一例として、第1の伴走車両3Aの荷台31Aまたは荷台31Aに載せた容器が一杯になったことが目視によって確認されたときに、第1の伴走車両3Aが受け取った収穫物が基準積載量に達したと判定してもよい。
【0040】
なお、収穫機2のコンベアー21の先に収穫物を受け取る伴走車両3が存在しない間、収穫機2は前進および収穫作業を中断し、次の伴走車両3が合流するまで停止状態で待機してもよい。第1の伴走車両3Aが収穫機2から離脱した後、収穫機2と第1の伴走車両3Aとの距離は徐々に長くなる。図3のステップS04において、図2の離脱回数算出部523は、収穫機2の測位装置20と第1の伴走車両3Aの測位装置30Aとの車間距離D2が閾値車間距離より長くなった時刻をもって第1の伴走車両3Aは収穫機2から離脱したと判定して離脱回数をインクリメントしてもよい。
【0041】
その後、図4Cに示すように第2の伴走車両3Bが収穫機2に接近し、図4Dに示すように第2の伴走車両3Bの荷台31Bが収穫機2のコンベアー21の先に配置されると、収穫機2は前進および収穫作業を再開し、第2の伴走車両3Bは収穫機2との並走を開始する。図3のステップS04において、図2の離脱回数算出部523は、収穫機2の測位装置20から第2の伴走車両3Bの測位装置30Bまでの車間距離D3を算出し、図4Cの時点では閾値車間距離より長かった車間距離D3が、図4Dに示す車間距離D4のように閾値車間距離より短くなったまま所定の閾値期間が経過したとき、車間距離D4が閾値車間距離より短くなった時点で第2の伴走車両3Bが収穫機2との並走を開始したと判定する。
【0042】
なお、収穫機2が収穫作業を中断する時間を短くするために、第2の伴走車両3Bを第1の伴走車両3Aとは別に用意して、第2の伴走車両3Bの荷台31Bを予め空にしておいてもよい。ただし、第2の伴走車両3Bの都合がつかなかった場合などには、図4Bに示すように第1の伴走車両3Aが収穫機2から離脱した後、収穫物を運搬した先などで荷台31Aを空にしてから、図4Cおよび図4Dに示した第2の伴走車両3Bの代わりに第1の伴走車両3Aを用いてもよい。また、複数の伴走車両3を用意できる場合は、収穫機2との並走および収穫機2からの収穫物の受け取りを、3台以上の伴走車両3が順番に行ってもよい。いずれの場合も、中間収穫量および/または総収穫量の計算に用いる離脱回数は、全ての伴走車両3の離脱回数の総和であり、それぞれの伴走車両3が収穫機2から離脱した回数を含む。
【0043】
以上に説明したように、一実施形態による収穫量推定システム1、収穫量推定方法および収穫量推定プログラムは、収穫機2が収穫した収穫物の収穫量を測定する収量センサーを収穫機2が備えていなくても、伴走車両3が収穫機2から受け取った収穫物の収穫量を、収穫機2および伴走車両3の位置情報に基づいて推定することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、中間収穫量の推定値を基準積載量と離脱回数との積として算出し、最後収穫量の推定値を、基準積載量を基準並走距離で除算した比と最終並走距離との積として算出し、総収穫量の推定値を中間収穫量の推定値と最後収穫量の推定値との和として算出した。ここで、もし、収穫機2および伴走車両3が収穫作業を行いながら移動した並走距離と、当該収穫作業において収穫された収穫物の収穫量とが比例の関係にあり、かつ、並走距離の単位長さあたりの収穫量が過去の実測などによって既知であるなら、当該収穫作業における総収穫量は、並走距離と、並走距離の単位長さあたりの収穫量との積として算出可能である。
【0045】
そこで、本実施形態では、図3のステップS04において、伴走車両3が収穫機2から離脱した回数を図2の離脱回数算出部523が算出する代わりに、伴走車両3が収穫作業中の収穫機2と並走しながら移動した並走距離の総和である総並走距離を算出する。ここで、離脱回数算出部523は、収穫機2および伴走車両3の位置情報に基づいて、伴走車両3が収穫機2との並走を開始してから終了するまでの並走距離を算出し、算出したそれぞれの並走距離の総和として総並走距離を算出する。なお、上述したように、伴走車両3が離脱している間、収穫機2は前進および収穫作業を中断するので、ある時刻において収穫機2が収穫作業中であるか否かは、収穫機2が移動中であるか否かに基づいて判定することが可能であり、したがって収穫機2の位置情報に基づいて判定することが可能である。
【0046】
図5は、本実施形態による収穫量推定方法の処理の一例を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、図3のフローチャートのうち、ステップS04を、ステップS04Aに変更することで得られる。図5のステップS04Aにおいて、図2の離脱回数算出部523は、上述したように、収穫作業中の収穫機2と伴走車両3が並走した並走距離を算出する。
【0047】
以上に説明したように、本実施形態による収穫量推定システム1、収穫量推定方法および収穫量推定プログラムも、収穫機2が収穫した収穫物の収穫量を測定する収量センサーを収穫機2が備えていなくても、伴走車両3が収穫機2から受け取った収穫物の収穫量を、収穫機2および伴走車両3の位置情報に基づいて推定することができる。
【0048】
(変形例、その1:ステップS01およびS02を実行する順番について)
上述した実施形態として、図3のステップS01の後にステップS02を実行する構成について説明した。この構成の変形例として、図3のステップS01はステップS02の後に実行されてもよいし、ステップS02と並列に実行されてもよい。
【0049】
(変形例、その2:ステップS04の閾値期間を設定するための基準について)
上述した実施形態として、図3のステップS04において、収穫機2の測位装置20から第1の伴走車両3Aの測位装置30Aまでの車間距離D1が所定の閾値車間距離より短く保たれる時間が、所定の閾値期間より長いか否かの判定を、図2の離脱回数算出部523が行う場合の構成について説明した。この構成における閾値期間は、第1の伴走車両3Aが収穫機2と並走しながら収穫物を受け取っていた場合と、それ以外の走行の場合、例えば、第1の伴走車両3Aが収穫物を受け取らずに、偶然、収穫機2の付近を通過しただけの場合などとを判別することができるように、適宜に設定してもよい。
【0050】
(変形例、その3:基準並走距離について)
上述した実施形態として、基準並走距離が、収穫機2が収穫作業を開始してから最初に収穫機2と並走した伴走車両3が収穫機2から受け取って荷台31に積載した収穫物の積載量が、ゼロから基準積載量になるまでに、伴走車両3が収穫機2と並走した距離である場合の構成について説明した。この構成の変形例として、基準並走距離は、収穫機2が収穫作業を開始してから最後の並走を開始するまでに、収穫作業中の収穫機2と伴走車両3が並走した並走距離の総和を離脱回数で除算して得られる、最後の並走以外の並走における並走距離の平均値であってもよい。
【0051】
(変形例、その4:閾値期間と最終並走距離との関係について)
上述した変形例において、閾値期間を設定するために、収穫機2との並走またはそれ以外の走行とを判別できることを基準とする場合の構成について説明した。この構成の変形例として、図3のステップS04における最後収穫量の推定精度をさらに考慮して閾値期間を設定してもよい。すなわち、収穫機2が最後収穫量を収穫するときに経過する最後収穫期間が、閾値期間より短いとき、図2の離脱回数算出部523は、図3のステップS04において、最後収穫期間中は伴走車両3が収穫機2と並走していないと判定する。その結果、最後収穫量は総収穫量に含まれない。したがって、最後収穫量が、総収穫量から最後収穫量を除いた中間収穫量に対して無視できる程度の収穫量となるように、閾値期間を設定してもよい。
【0052】
(変形例、その5:伴走車両の構造について)
上述した実施形態として、伴走車両3が、収穫機2の進行方向に対して、収穫機2の横方向に並んで並走する場合の構成について説明した。この構成の変形例として、伴走車両3は収穫機2の進行方向に対して、収穫機2の真後ろに連なって並走して、コンベアー21を介して収穫物を受け取ってもよい。この場合、伴走車両3の荷台31は、伴走車両3の運転席よりも、進行方向に対して前方に配置されていてもよい。
【0053】
以上、発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。また、実施の形態に説明したそれぞれの特徴は、技術的に矛盾しない範囲で自由に組み合わせることが可能である。
【0054】
(付記)
各実施の形態で記載した収穫量推定システム、収穫量推定方法および収穫量推定プログラムは、以下のように言うことができる。
【0055】
第1の態様に係る収穫量推定方法は、
圃場内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得することと、
前記収穫機と並走しながら前記収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得することと、
前記収穫機から前記伴走車両までの車間距離と、前記伴走車両が前記収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、前記伴走車両が前記収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、前記収穫機が前記収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した前記収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定することと、
前記総収穫量を表す情報を外部に出力することと
を含む。
【0056】
第2の態様に係る収穫量推定方法は、第1の態様に係る収穫量推定方法であって、
前記伴走車両が、前記収穫機との並走状態を開始した後に前記並走状態を解除して前記収穫機から離脱した離脱回数を、前記車間距離に基づいて算出すること
をさらに含み、
前記総収穫量を推定することは、
前記離脱回数にさらに基づいて前記総収穫量を推定すること
を含む。
【0057】
第3の態様に係る収穫量推定方法は、第2の態様に係る収穫量推定方法であって、
前記離脱回数を算出することは、
前記伴走車両が、前記収穫機から所定の閾値車間距離までの範囲内に入ってから、前記範囲から出て前記収穫機から離脱するまでの状態が、所定の閾値期間にわたって継続したとき、前記状態を前記並走状態として検出すること
を含む。
【0058】
第4の態様に係る収穫量推定方法は、第3の態様に係る収穫量推定方法であって、
前記伴走車両は、複数の伴走車両を含み、
前記離脱回数は、前記複数の伴走車両が前記収穫機から離脱した回数をそれぞれ表す複数の離脱回数を含む。
【0059】
第5の態様に係る収穫量推定方法は、第1~第4のいずれか1つの態様に係る収穫量推定方法であって、
前記収穫作業の間に行われる複数の並走のうち、最後の並走で前記収穫機から受け取った前記収穫物の収穫量を、前記最後の並走における並走距離の、所定の基準並走距離に対する比率と、前記基準積載量とに基づいて推定すること
をさらに含む。
【0060】
第6の態様に係る収穫量推定方法は、第5の態様に係る収穫量推定方法であって、
前記基準並走距離は、前記複数の並走のうち、最初の並走における並走距離である。
【0061】
第7の態様に係る収穫量推定方法は、第5の態様に係る収穫量推定方法であって、
前記基準並走距離は、前記複数の並走のうち、前記最後の並走以外の並走における並走距離の平均値である。
【0062】
第8の態様に係る収穫量推定方法は、第1の態様に係る収穫量推定方法であって、
前記総収穫量を推定することは、
前記並走距離の総和の、基準並走距離に対する比率と、基準積載量とに基づいて前記総収穫量を推定すること
を含む。
【0063】
第9の態様に係る収穫量推定システムは、
圃場内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報と、前記収穫機と並走しながら前記収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報とを取得する位置情報取得部と、
前記収穫機から前記伴走車両までの車間距離と、前記伴走車両が前記収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、前記伴走車両が前記収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、前記収穫機が前記収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した前記収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定する総収穫量推定部と、
前記総収穫量を表す情報を外部に出力する出力部と
を備える。
【0064】
第10の態様に係る収穫量推定プログラムは、
演算装置に実行させることによって所定の処理を実現するための収穫量推定プログラムであって、
前記処理は、
圃場内で移動しながら作物の収穫作業を行う収穫機の、複数の第1測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第1位置情報を取得することと、
前記収穫機と並走しながら前記収穫機が収穫した収穫物を受け取る伴走車両の、複数の第2測位時刻のそれぞれにおける位置を表す第2位置情報を取得することと、
前記収穫機から前記伴走車両までの車間距離と、前記伴走車両が前記収穫機との並走を開始してから終了するまで移動した並走距離と、前記伴走車両が前記収穫物を一度に積載する基準積載量とに基づいて、前記収穫機が前記収穫作業を開始してから終了するまでに収穫した前記収穫物の収穫量の総和を表す総収穫量を推定することと、
前記総収穫量を表す情報を外部に出力することと
を含む。
【符号の説明】
【0065】
1 収穫量推定システム
2 収穫機
20 測位装置
21 コンベアー
3、3A、3B 伴走車両
30、30A、30B 測位装置
31、31A、31B 荷台
4 ネットワーク
5 収穫量推定装置
51 バス
52 演算装置
521 位置情報取得部
522 車間距離算出部
523 離脱回数算出部
524 総収穫量推定部
525 出力部
53 記憶装置
530 記録媒体
531 プログラム記憶部
54 通信装置
55 入出力装置
6 外部端末
9 圃場
91 収穫済み領域
92 未収穫領域
D1、D2、D3、D4 車間距離
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5