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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169902
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】湯水混合水栓
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20241129BHJP
   E03C 1/044 20060101ALI20241129BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
F16K27/00 C
E03C1/044
E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086758
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 謙輔
【テーマコード(参考)】
2D060
3H051
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BB01
2D060BC00
2D060BD01
2D060BD03
2D060BE00
2D060BF01
3H051AA09
3H051BB04
3H051CC11
3H051DD01
3H051FF02
(57)【要約】
【課題】給湯用接続部と吐水用接続部との間隔が異なる水栓本体に対してハウジングを共通して使用可能な湯水混合水栓を提供する。
【解決手段】湯水混合水栓10は、給湯用接続部25及び吐水用接続部22,23を有する水栓本体20と、前記水栓本体20の内側に配置された筒状のハウジング30と、前記ハウジング30の内側に収納された混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13と、を備え、前記ハウジング30は、湯流入用開口34が形成された第1管部51と、流出用開口31,32が形成された第2管部52と、を有し、前記第1管部51及び前記第2管部52は、一方の端部を他方の端部に差し込むことによって軸方向に接続されるものであり、前記第1管部51及び前記第2管部52の端部の差し込み長さは変更できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯用接続部及び吐水用接続部を有する水栓本体と、
前記水栓本体の内側に配置された筒状のハウジングと、
前記ハウジングの内側に収納された混合弁ユニット及び開閉弁ユニットと、
を備え、
前記ハウジングは、湯流入用開口が形成された第1管部と、流出用開口が形成された第2管部と、を有し、
前記第1管部及び前記第2管部は、一方の端部を他方の端部に差し込むことによって軸方向に接続されるものであり、前記第1管部及び前記第2管部の端部の差し込み長さは変更できる、湯水混合水栓。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第2管部に対して前記軸方向に接続される第3管部を有し、
前記第3管部の外周面には、前記水栓本体の内面に密着する本体用シール部が設けられ、
前記第2管部及び前記第3管部は、一方の端部を他方の端部に差し込むことによって接続されるものであり、前記第2管部及び前記第3管部の端部の差し込み長さは変更できる、請求項1に記載の湯水混合水栓。
【請求項3】
前記第2管部の外周面には、前記水栓本体の内面に密着する第2の本体用シール部が設けられている、請求項2に記載の湯水混合水栓。
【請求項4】
前記第2管部と前記第3管部とを固定する固定部材を備えている、請求項2から請求項3までの何れか一項に記載の湯水混合水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、湯水混合水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湯水の温度及び吐水量を調節して吐水部から吐出させる湯水混合水栓が知られている。湯水混合水栓は、給水用配管及び給湯用配管に接続される。例えば下記特許文献1に記載された湯水混合水栓は、水栓本体と、水栓本体の内側に配置されたハウジングと、湯水を混合する混合弁ユニットと、流路を切り替える切替弁ユニットと、を備えている。混合弁ユニットおよび切替弁ユニットは、ハウジングに収納されている。水栓本体には給湯用配管を接続する給湯用接続部と、吐水部を接続する吐水用接続部と、が設けられている。ハウジングには、湯流入用開口と流出用開口とが形成されている。ハウジングの湯流入用開口及び流出用開口はそれぞれ、水栓本体の給湯用接続部及び吐水用接続部に対応した位置に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-229758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成では、給湯用接続部と吐水用接続部との間隔が異なる水栓本体に対して、それぞれ専用のハウジングが必要であり、コスト等の面から改善が望まれていた。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、給湯用接続部と吐水用接続部との間隔が異なる水栓本体に対してハウジングを共通して使用可能な湯水混合水栓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の湯水混合水栓は、給湯用接続部及び吐水用接続部を有する水栓本体と、前記水栓本体の内側に配置された筒状のハウジングと、前記ハウジングの内側に収納された混合弁ユニット及び開閉弁ユニットと、を備え、前記ハウジングは、湯流入用開口が形成された第1管部と、流出用開口が形成された第2管部と、を有し、前記第1管部及び前記第2管部は、一方の端部を他方の端部に差し込むことによって軸方向に接続されるものであり、前記第1管部及び前記第2管部の端部の差し込み長さは変更できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1パターンの湯水混合水栓を示す断面図
図2】湯水混合水栓を示す背面図
図3】湯水混合水栓を示す断面図であって、図2のA-A位置における断面に相当する断面図
図4】混合弁ユニット及び開閉弁ユニットを収納した状態のハウジングを示す背面図
図5】混合弁ユニット及び開閉弁ユニットを収納した状態のハウジングを示す断面図
図6】混合弁ユニット及び開閉弁ユニットを収納した状態のハウジングを示す断面図であって、図4のB-B位置における断面に相当する断面図
図7】ハウジングを示す分解斜視図
図8】第2パターンの湯水混合水栓を示す断面図
図9】混合弁ユニット及び開閉弁ユニットを収納した状態のハウジングを示す背面図
図10】混合弁ユニット及び開閉弁ユニットを収納した状態のハウジングを示す断面図
図11】第3パターンの湯水混合水栓を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
本実施形態における湯水混合水栓10は、湯水の温度及び吐水量を調節して吐水管及びシャワーのいずれかから湯水を吐出させる。湯水混合水栓10は、給水用配管及び給湯用配管に接続され、浴室の壁面等に取り付けられる。給水用配管は給水源に接続されている。給湯用配管は給湯源に接続されている。「湯水」は、給水源から供給される水のみ、給湯源から供給される湯のみ、及び給水源から供給される水と給湯源から供給される湯とを混合した混合水を含む。給水用配管、給湯用配管、吐水管及びシャワー用部品の図示は省略する。
【0009】
湯水混合水栓10は、図1に示すように、水栓本体20と、左右の操作ハンドル11と、ハウジング30と、混合弁ユニット12と、開閉弁ユニット13と、を備えている。湯水混合水栓10は、水栓本体20の内側にハウジング30を有する二重構造である。水栓本体20とハウジング30との間には、給水用配管から水栓本体20の内側に流入した水の通路が形成される。混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13は、ハウジング30の内側に収納されている。
【0010】
以下、各構成部材において、浴室の壁面等に取り付けた状態の湯水混合水栓10に向かって右側を右側、左側を左側、上側を上側、下側を下側、浴室の壁面側を後側、その反対側を前側として説明する。各図においてX軸の正方向側は前側、X軸の負方向側は後側、Y軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側、Z軸の正方向側は左側、Z軸の負方向側は右側を示す。Z軸は、ハウジング30の軸方向と平行である。「平行」は、厳密に平行な状態に加えて、概ね平行な状態を含む。
【0011】
水栓本体20は、金属製である。水栓本体20は、左右方向に長い筒状をなしている。水栓本体20の内面のZ軸に直交する断面は円形である。水栓本体20の左右両端は、開口している。水栓本体20の内面の左右両端部は、シール面21である。
【0012】
操作ハンドル11は、水栓本体20の左右両側に取り付けられている。左右の操作ハンドル11はそれぞれ回転操作される。左側の操作ハンドル11は、湯水混合水栓10から吐出する湯水の温度調節を行う。右側の操作ハンドル11は、湯水混合水栓10の吐水及び止水の切り替え、吐水管側の吐水及びシャワー側の吐水の切り替え、吐水時における吐水量の調節を行う。左側の操作ハンドル11と混合弁ユニット12の回転軸12Sとの接続構造は、図示を省略する。右側の操作ハンドル11と開閉弁ユニット13の回転軸13Sとの接続構造は、図示を省略する。
【0013】
混合弁ユニット12は、左側の操作ハンドル11の操作に従って湯水の温度を変更する機能を有している。混合弁ユニット12は、水栓本体20の左側の領域に配置されている。混合弁ユニット12は、サーモスタット式の湯水混合弁を有している。
【0014】
開閉弁ユニット13は、右側の操作ハンドル11の操作に従って、混合弁ユニット12の下流側において混合水の流路を開閉する。開閉弁ユニット13は、水栓本体20の右側の領域に配置されている。
【0015】
水栓本体20は、図2に示すように、第1吐水用接続部22、第2吐水用接続部23、給水用接続部24及び給湯用接続部25を有している。第1吐水用接続部22、第2吐水用接続部23、給水用接続部24及び給湯用接続部25はいずれも、水栓本体20に形成された円形状の開口である。
【0016】
給水用接続部24の中心と給湯用接続部25の中心との間のZ軸と平行な距離を、配管ピッチ14と称する。水栓本体20の配管ピッチ14は、給水用配管と給湯用配管との間隔に対応して異なっている。本実施形態では、配管ピッチ14が150mmである場合と、120mmである場合と、100mmである場合とについて説明する。配管ピッチ14が150mmである場合を第1パターンと称する。配管ピッチ14が120mmである場合を第2パターンと称する。配管ピッチ14が100mmである場合を第3パターンと称する。
【0017】
第1吐水用接続部22は、水栓本体20の下面に設けられている。第1吐水用接続部22は、水栓本体20の左右方向中心に位置している。第1吐水用接続部22は、水栓本体20を上下方向に貫通している(図1参照)。第1吐水用接続部22には、吐水管を接続するための筒部材15が接続されている。吐水管は、筒部材15を介して第1吐水用接続部22に接続される。
【0018】
第2吐水用接続部23は、図2に示すように、水栓本体20の後面に設けられている。第2吐水用接続部23は、水栓本体20の左右方向中心に位置している。第2吐水用接続部23の左右方向の位置と第1吐水用接続部22の左右方向の位置とは揃っている。第2吐水用接続部23は、水栓本体20を前後方向に貫通している(図3参照)。第2吐水用接続部23には、シャワー用部品が接続される。具体的には、第2吐水用接続部23には、図示しないシャワーエルボが接続される。シャワーエルボには、図示しないシャワーホースが接続される。シャワーホースの先端には、図示しないシャワーヘッドが接続される。
【0019】
給水用接続部24は、図2に示すように、水栓本体20の後面に設けられている。給水用接続部24は、水栓本体20の左右方向中心よりも右側に位置している。給水用接続部24は、水栓本体20を前後方向に貫通している(図3参照)。給水用接続部24には、給水用配管を接続するための接続部材が接続される。接続部材の図示は省略する。
【0020】
給湯用接続部25は、図2に示すように、水栓本体20の後面に設けられている。給湯用接続部25は、水栓本体20の左右方向中心よりも左側に位置している。給湯用接続部25は、水栓本体20を前後方向に貫通している(図3参照)。給湯用接続部25には、給湯用配管を接続するための接続部材が接続される。接続部材の図示は省略する。
【0021】
給湯用接続部25の中心と第2吐水用接続部23の中心との間のZ軸に平行な距離を給湯吐水間ピッチ18と称する。給水用接続部24の中心と第2吐水用接続部23の中心との間のZ軸に平行な距離を給水吐水間ピッチ19と称する。給湯吐水間ピッチ18と給水吐水間ピッチ19とはほぼ等しい。
【0022】
ハウジング30は、第1管部51、第2管部52及び第3管部53によって構成されている。第1管部51、第2管部52及び第3管部53については後程詳しく説明する。ハウジング30は、合成樹脂製である。ハウジング30は、水栓本体20より一回り小さい円筒状である。
【0023】
ハウジング30は、図1に示すように、左側の空間と右側の空間とを仕切る壁部39を有している。ハウジング30の左側の空間には、混合弁ユニット12が配置されている。ハウジング30の右側の空間には、開閉弁ユニット13が配置されている。壁部39には、貫通穴41が形成されている。混合弁ユニット12を通過した混合水は、貫通穴41を通って開閉弁ユニット13側に流出する。
【0024】
ハウジング30の左右両端部には、図1に示すように、本体用シール溝38が形成されている。本体用シール溝38には、本体用シール部材16が装着されている。本体用シール部材16はOリングである。本体用シール部材16は、水栓本体20のシール面21に密着する。これによって、水栓本体20の内部に形成された水の通路は密閉される。
【0025】
ハウジング30には、図1及び図3に示すように、第1流出用開口31、第2流出用開口32、水流入用開口33及び湯流入用開口34が形成されている。
【0026】
第1流出用開口31は、図1に示すように、ハウジング30の下面に形成されている。第1流出用開口31は、ハウジング30の左右方向中心に設けられている。第1流出用開口31は、ハウジング30を上下方向に貫通している。第1流出用開口31は、第1吐水用接続部22の真上に配置されている。
【0027】
第2流出用開口32は、図3に示すように、ハウジング30の後面に形成されている。第2流出用開口32は、ハウジング30の左右方向中心に設けられている。第2流出用開口32は、ハウジング30を前後方向に貫通している。第2流出用開口32は、第2吐水用接続部23のすぐ前に配置されている。第2流出用開口32の左右方向の位置と、第1流出用開口31の左右方向の位置とは揃っている。第1流出用開口31及び第2流出用開口32は、90度異なる方向に開口している。
【0028】
湯流入用開口34は、図3に示すように、ハウジング30の後面に形成されている。湯流入用開口34は、ハウジング30の左右方向中心よりも左側に設けられている。湯流入用開口34は、ハウジング30を前後方向に貫通している。湯流入用開口34は、2つの方形状に形成されている(図2参照)。湯流入用開口34は、給湯用接続部25のすぐ前に配置されている。
【0029】
水流入用開口33は、図3に示すように、ハウジング30の前面に形成されている。水流入用開口33は、左右方向において湯流入用開口34と同じ位置に設けられている。水流入用開口33は、ハウジング30を前後方向に貫通している。水流入用開口33は、水栓本体20とハウジング30との間の水の通路に通じている。
【0030】
ハウジング30は、図4に示すように、第1流出用接続部35、第2流出用接続部36及び湯流入用接続部37を有している。第1流出用接続部35は、第1流出用開口31を囲っている(図7参照)。第1流出用接続部35は、円形状をなしている。第1流出用接続部35は、第1流出用開口31から一段下側に突出している。第1流出用接続部35には、吐水管を接続するための筒部材15が固定される(図1参照)。
【0031】
第2流出用接続部36は、図4に示すように、後方から見た背面視において、第2流出用開口32を囲っている。第2流出用接続部36は、第1流出用接続部35と同じ円形状をなしている。第2流出用接続部36は、第2流出用開口32から一段後側に突出している。第2流出用接続部36及び第2吐水用接続部23には、シャワーエルボが固定される。
【0032】
湯流入用接続部37は、図4に示すように、後方から見た背面視において、湯流入用開口34を囲っている。湯流入用接続部37は、方形状をなしている。湯流入用接続部37は、湯流入用開口34から一段後側に突出している。湯流入用接続部37には、給湯用配管を接続するための接続部材が嵌め込まれて固定される。
【0033】
ハウジング30は、図7に示すように、軸方向に3つに分割されている。ハウジング30は、第1管部51、第2管部52、第3管部53及び固定部材54を有している。第1管部51及び第2管部52は、第1パターン、第2パターン及び第3パターンで共通して使用される。第3管部53及び固定部材54は、第1パターン及び第2パターンで共通して使用される。
【0034】
第1管部51及び第2管部52は、第1管部51の右端部を第2管部52の左端部に差し込むことによって軸方向に接続される。第1管部51の右端部と第2管部52の左端部との差し込み長さは変更できる。第2管部52及び第3管部53は、第3管部53の左端部を第2管部52の右端部に差し込むことによって軸方向に接続される。第2管部52の右端部及び第3管部53の左端部の差し込み長さは変更できる。固定部材54は、第2管部52と第3管部53とを固定する。
【0035】
第1管部51には、図3に示すように、水流入用開口33、湯流入用開口34及び湯流入用接続部37が形成されている。湯流入用接続部37は、第1管部51の軸方向の中心部に設けられている。湯流入用接続部37は、本体用シール溝38に隣接している。
【0036】
第1管部51の右端部は、図3に示すように、第2管部52との接続部である。第1管部51の右端部は、第2管部52の内側に入る。第1管部51の右端部の外周面は、ハウジング用シール溝42を有している。ハウジング用シール溝42には、ハウジング用シール部材43が装着される。ハウジング用シール部材43はOリングである。ハウジング用シール部材43は、第2管部52の内面に密着する。これによって、第1管部51と第2管部52との接続部は水密状に保持される。
【0037】
第1管部51は、図3に示すように、混合弁ユニット12を収納する。混合弁ユニット12は、取付部材17によって第1管部51に固定されている。取付部材17は、第1管部51の左端部に取り付けられる。
【0038】
第2管部52には、図3及び図5に示すように、第1流出用開口31、第2流出用開口32、第1流出用接続部35及び第2流出用接続部36が形成されている。第2管部52は、図3に示すように、開閉弁ユニット13を収納する。
【0039】
第2管部52の外周面には、第2の本体用シール溝44が形成されている。第2の本体用シール溝44は、第1パターン及び第2パターンでは使用されない。第3パターンでは、本体用シール部材16は、第2の本体用シール溝44に装着される(図11参照)。
【0040】
第2管部52の左端部は、図3に示すように、第1管部51との接続部である。第2管部52の左端部は、第1管部51の外側に被さる。第2管部52の左端部の内側は、第1移動空間45である。第1移動空間45の右側に設けられた壁部39はストッパ面として機能する。第1管部51の差し込み程度は、第1移動空間45において変更される。これによって、給湯吐水間ピッチ18を変更できる。
【0041】
第2管部52の右端部は、図3に示すように、第3管部53との接続部である。第2管部52の右端部は、それより左側と比べて一段外側に拡径している。第2管部52の右端部は、第3管部53の外側に被さる。第2管部52の右端部の内側は、第2移動空間46である。第2移動空間46は、開閉弁ユニット13のまわりに形成されている。第2移動空間46の左側にはストッパ面46Mが形成されている。第3管部53の差し込み程度は、第2移動空間46において変更される。これによって、右側の本体用シール溝38の左右方向の位置を変更できる。
【0042】
第3管部53の外周面には、図3に示すように、本体用シール溝38が形成されている。第3管部53の左端部は、第2管部52との接続部である。第3管部53の左端部は、第2管部52の内側に入る。第3管部53の左端部の外周面は、ハウジング用シール溝42を有している。ハウジング用シール溝42には、ハウジング用シール部材43が装着される。ハウジング用シール部材43は、第2管部52の内面に密着し、第3管部53と第2管部52との接続部を水密状に保持する。
【0043】
第2管部52の右端部は、図7に示すように、延出部47を有している。延出部47は、第2管部52の右端部の周方向の一部から右側に延出している。延出部47は、第3管部53の外周面に沿う。延出部47の外面には固定用溝48が形成されている。固定用溝48には凹部49が形成されている。
【0044】
第3管部53には、第1位置決め溝55及び第2位置決め溝56が形成されている。第1位置決め溝55は、第1パターンにおいて使用される。第2位置決め溝56は第2パターンにおいて使用される。第1位置決め溝55は、第2位置決め溝56よりも左側に位置している。第1位置決め溝55及び第2位置決め溝56はそれぞれ、周方向に離れて2つずつ形成されている(図6参照)。
【0045】
固定部材54は、図4及び図7に示すように、第2管部52と第3管部53との接続部に取り付けられる。固定部材54は、リング状である。固定部材54は、第2管部52と第3管部53とを連結した状態に保持するとともに、第2管部52と第3管部53とを回り止めする。
【0046】
固定部材54は、図6に示すように、本体部57と第1突部58と2つの第2突部59とを有している。本体部57は、第3管部53の外周面に沿って円弧状をなすように湾曲している。第1突部58は、本体部57の長さ方向の中間部に設けられている。第1突部58は、本体部57の内周面において一段内側に突出している。第2突部59は、本体部57の長さ方向の両端部に設けられている。第2突部59は、本体部57から内側に突出している。
【0047】
固定部材54を第2管部52と第3管部53との接続部に取り付けた状態において、本体部57は、固定用溝48に嵌る。第1突部58は、固定用溝48の凹部49に嵌る。2つの第2突部59は、第1位置決め溝55及び第2位置決め溝56のいずれかに嵌る。
【0048】
第1パターンの湯水混合水栓10について説明する。図1図6には、第1パターンの湯水混合水栓10を示す。第1パターンの湯水混合水栓10の全幅Wは、332mmである。湯水混合水栓10の全幅Wは、左右の操作ハンドル11を含む湯水混合水栓10の幅寸法であり、左側の操作ハンドル11の左端から右側の操作ハンドル11の右端までのZ軸に平行な長さ寸法である。
【0049】
第1パターンにおいて第1管部51の右端は、第1移動空間45の左端に位置している。第1管部51の右端と壁部39とはZ軸方向に大きく離れている。第1管部51のハウジング用シール部材43は、第2管部52の左端に密着している。
【0050】
第1パターンにおいて第3管部53の左端は、第2移動空間46の右端に位置している。第3管部53の左端とストッパ面46MとはZ軸方向に大きく離れている。第3管部53のハウジング用シール部材43は、第2管部52の右端に密着している。固定部材54の第2突部59は第1位置決め溝55に差し込まれる。
【0051】
第2パターンの湯水混合水栓10について説明する。図8図10には、第2パターンの湯水混合水栓10を示す。第2パターンの湯水混合水栓10の全幅Wは、302mmである。第1管部51の右端は、壁部39に近接もしくは接触している。第1管部51の右端は、第1移動空間45の右端に位置している。第1管部51のハウジング用シール部材43は、第2管部52の壁部39に近い位置に密着している。
【0052】
第2パターンにおいて第3管部53の左端は、第2移動空間46のストッパ面46Mに近接もしくは接触している。第3管部53のハウジング用シール部材43は、第2移動空間46の左端において第2管部52に密着している。固定部材54の第2突部59は第2位置決め溝56に差し込まれる。
【0053】
第3パターンの湯水混合水栓10について説明する。図11には、第3パターンの湯水混合水栓10を示す。第3パターンの湯水混合水栓10は、浴槽の縁上面や浴室のカウンター上面等に設置されるデッキ型の湯水混合水栓である。第1吐水用接続部22は、水栓本体20の上面に設けられている。第2吐水用接続部23は、水栓本体20の後面に設けられている。図11において、第2吐水用接続部23の図示は省略する。給水用接続部24及び給湯用接続部25は、水栓本体20の下面に設けられている。第3パターンでは、第1管部51及び第2管部52のみを使用してハウジング30を形成する。第3管部53及び固定部材54は使用しない。
【0054】
第3パターンにおいて第1管部51の右端は、壁部39に近接もしくは接触している。第1管部51の右端は、第1移動空間45の右端に位置している。第1管部51のハウジング用シール部材43は、第2管部52の壁部39に近い位置に密着している。
【0055】
湯水混合水栓10の組み付け作業の一例を説明する。まず、ハウジング30を組み付ける。第1パターン及び第2パターンでは、第1管部51、第2管部52及び第3管部53を接続する。第1管部51、第2管部52及び第3管部53の軸方向の位置を調節し、固定部材54を取り付ける。第3パターンでは、第1管部51及び第2管部52の軸方向の位置を調節して接続する。
【0056】
次に、混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13をハウジング30の内側に入れる。具体的には、混合弁ユニット12を左側から第1管部51の内側へ入れ、取付部材17を第1管部51に取り付けて混合弁ユニット12を固定する。第1パターン及び第2パターンの場合には、開閉弁ユニット13を右側から第3管部53及び第2管部52の内側へ入れ、取付部材17を第3管部53に取り付けて開閉弁ユニット13を固定する。第3パターンの場合には、開閉弁ユニット13を右側から第2管部52の内側へ入れ、取付部材17を第2管部52に取り付けて、開閉弁ユニット13を固定する。
【0057】
次に、水栓本体20にハウジング30を入れる。第1管部51の湯流入用接続部37と水栓本体20の給湯用接続部25とを位置合わせする。湯流入用接続部37及び給湯用接続部25に、給湯用配管を接続するための接続部材を接続する。これによって、第1管部51はハウジング30に位置決めされる。
【0058】
第2管部52の第1流出用接続部35と水栓本体20の第1吐水用接続部22とを位置合わせするとともに、第2管部52の第2流出用接続部36と水栓本体20の第2吐水用接続部23とを位置合わせする。第1流出用接続部35及び第1吐水用接続部22に筒部材15を接続し、第2流出用接続部36及び第2吐水用接続部23にシャワーエルボを接続する。これによって、第2管部52はハウジング30に位置決めされる。
【0059】
こうして、ハウジング30は、水栓本体20に対して位置決めされる。水栓本体20の左右両側に操作ハンドル11を取り付ける。以上により、湯水混合水栓10の組み付け作業が完了する。
【0060】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。湯水混合水栓10は、水栓本体20と、ハウジング30と、混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13と、を備えている。水栓本体20は、給湯用接続部25と、第1吐水用接続部22及び第2吐水用接続部23とを有している。ハウジング30は筒状をなし、水栓本体20の内側に配置される。混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13は、ハウジング30の内側に収納される。ハウジング30は、第1管部51と第2管部52とを有している。第1管部51には、湯流入用開口34が形成されている。第2管部52には、第1流出用開口31及び第2流出用開口32が形成されている。第1管部51及び第2管部52は、一方の端部を他方の端部に差し込むことによって軸方向に接続される。第1管部51及び第2管部52の端部の差し込み長さは変更できる。この構成によれば、ハウジング30の湯流入用開口34と、第1流出用開口31及び第2流出用開口32とは、第1管部51の端部と第2管部52の端部との差し込み長さを変更することによって、水栓本体20の給湯用接続部25と、第1吐水用接続部22及び第2吐水用接続部23とに対応した位置に設けられる。したがって、給湯用接続部25と、第1吐水用接続部22及び第2吐水用接続部23との間隔が異なる水栓本体20に対してハウジング30を共通して使用できる。
【0061】
ハウジング30は、第2管部52に対して軸方向に接続される第3管部53を有している。第3管部53の外周面には、水栓本体20の内面に密着する本体用シール部材16を装着する本体用シール溝38が形成されている。第2管部52及び第3管部53は、一方の端部を他方の端部に差し込むことによって接続される。第2管部52及び第3管部53の端部の差し込み長さは変更できる。この構成によれば、ハウジング30の第1流出用開口31及び第2流出用開口32と、本体用シール部材16との位置は、第2管部52の端部と第3管部53の端部との差し込み長さを変更することによって、水栓本体20の第1吐水用接続部22及び第2吐水用接続部23と、シール面21とに対応した位置に設けられる。したがって、第1吐水用接続部22及び第2吐水用接続部23と、シール面21との間隔が異なる水栓本体20に対してハウジング30を共通して使用できる。
【0062】
第2管部52の外周面には、水栓本体20の内面に密着する本体用シール部材16を装着する第2の本体用シール溝44が形成されている。この構成によれば、第3管部53を用いない場合には、第2の本体用シール溝44に装着された本体用シール部材16を、水栓本体20の内面に密着させることができる。
【0063】
湯水混合水栓10は、第2管部52と第3管部53とを固定する固定部材54を備えている。この構成によれば、固定部材54によって第2管部52と第3管部53とを固定することで、第2管部52と第3管部53とを一体に取り扱えるから、湯水混合水栓10の組み付け作業を容易に行うことができる。
【0064】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、リング状の固定部材54を用いて第2管部52と第3管部53とを固定している。これに限らず、爪状の止め金で固定する構造、端部同士を差し入れてまわす構造、イモネジで固定する構造、止め輪で固定する構造、等を採用してよい。
(2)上記実施形態においてさらに、水栓本体に対してハウジングを回り止めする構造を追加してもよい。
(3)上記実施形態においてさらに、第1管部と第2管部とを固定する構造を追加してもよい。
(4)上記実施形態では、ハウジング30に混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13を収納してから、ハウジング30を水栓本体20の内側に配置した。これに限らず、水栓本体20にハウジング30を配置してから、ハウジング30に混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13を収納してもよい。
(5)上記実施形態では、第1管部51、第2管部52及び第3管部53を接続してハウジング30を形成した後に、混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13をハウジング30の内側に配置した。これに限らず、接続前の第1管部51、第2管部52に混合弁ユニット12及び開閉弁ユニット13をそれぞれ組み付けてから、第1管部51、第2管部52及び第3管部53を接続してもよい。
(6)上記実施形態において配管ピッチ14の具体的な数値を例示したけれども、配管ピッチ14の数値はこれに限らない。
【符号の説明】
【0065】
10…湯水混合水栓、12…混合弁ユニット、13…開閉弁ユニット、16…本体用シール部材(本体用シール部)、20…水栓本体、30…ハウジング、31…第1流出用開口、32…第2流出用開口、34…湯流入用開口、38…本体用シール溝(本体用シール部)、44…第2の本体用シール溝(第2の本体用シール部)、51…第1管部、52…第2管部、53…第3管部、54…固定部材
図1
図2
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図6
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図10
図11