(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169908
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】慣性センサーモジュール、および電子機器
(51)【国際特許分類】
G01C 19/5628 20120101AFI20241129BHJP
G01P 15/08 20060101ALI20241129BHJP
G01P 15/18 20130101ALI20241129BHJP
【FI】
G01C19/5628
G01P15/08 102Z
G01P15/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086769
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 正泰
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105AA02
2F105BB09
(57)【要約】
【課題】外的変動が生じた場合でも、検出精度の信頼性が低下することを抑制できる慣性センサーモジュールを提供すること。
【解決手段】慣性センサーモジュール100は、Z軸回りの角速度を検出する第1慣性センサー1と、Z軸回りの角速度を検出する第2慣性センサー2と、第1慣性センサー1と第2慣性センサー2とを搭載するインターポーザー4と、インターポーザー4を搭載し、インターポーザー4を介して第1慣性センサー1に電気的に接続される端子7と、インターポーザー4を介して第2慣性センサー2に電気的に接続される端子7と、を有する基板5と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸の物理量を検出する第1慣性センサーと、
前記第1軸の物理量を検出する第2慣性センサーと、
前記第1慣性センサーと前記第2慣性センサーとを搭載する第1基板と、
前記第1基板を搭載し、前記第1基板を介して前記第1慣性センサーに電気的に接続される第1端子と、前記第1基板を介して前記第2慣性センサーに電気的に接続される第2端子と、を有する第2基板と、を備える、
慣性センサーモジュール。
【請求項2】
前記第1基板は、
前記第1慣性センサーと前記第1端子とを電気的に接続する第1導通部材と、
前記第2慣性センサーと前記第2端子とを電気的に接続する第2導通部材と、を備える、
請求項1に記載の慣性センサーモジュール。
【請求項3】
前記第1基板の弾性率は、前記第2基板の弾性率より大きい、
請求項1に記載の慣性センサーモジュール。
【請求項4】
前記第1基板の線膨張係数は、前記第2基板の線膨張係数より小さい、
請求項1に記載の慣性センサーモジュール。
【請求項5】
前記第1慣性センサーからの第1検出信号及び前記第2慣性センサーからの第2検出信号を処理する処理装置をさらに備える、
請求項1に記載の慣性センサーモジュール。
【請求項6】
前記処理装置は、前記第2基板に搭載される、
請求項5に記載の慣性センサーモジュール。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6に記載の慣性センサーモジュールを備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、慣性センサーモジュール、および、当該慣性センサーモジュールを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
加速度や角速度などを測定する慣性センサーモジュールとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1には、3軸の角速度センサーと3軸の加速度センサーとを収納する多軸の慣性センサー、1軸の角速度センサー、およびコネクターを搭載した回路基板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような慣性センサーモジュールでは、温度変化や湿度変化などの外的変動が生じた場合において、検出精度の信頼性が担保されることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様に係る慣性センサーモジュールは、第1軸の物理量を検出する第1慣性センサーと、前記第1軸の物理量を検出する第2慣性センサーと、前記第1慣性センサーと前記第2慣性センサーとを搭載する第1基板と、前記第1基板を搭載し、前記第1基板を介して前記第1慣性センサーに電気的に接続される第1端子と、前記第1基板を介して前記第2慣性センサーに電気的に接続される第2端子と、を有する第2基板と、を備える。
【0006】
本願の一態様に係る電子機器は、上記に記載の慣性センサーモジュールを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係る慣性センサーモジュールの斜視図。
【
図2】
図1のII-II線に沿う慣性センサーモジュールの断面図。
【
図6】実施形態2に係る慣性計測装置の分解斜視図。
【
図7】実施形態2に係る慣性センサーモジュールの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の各図面では、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
また、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸、およびZ軸とする。また、X軸に平行な方向をX軸方向、Y軸に平行な方向をY軸方向、Z軸に平行な方向をZ軸方向とも言う。また、各軸の矢印方向先端側をプラス側とも言い、反対側をマイナス側とも言う。また、Z軸方向に見ることを平面視とも言い、Z軸を含む断面に対してY軸方向から見ることを断面視とも言う。
【0009】
さらに、以下の説明において、例えば「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表すものとする。また、例えば「基板の上面」との記載は、基板のZ軸方向プラス側の面、を示すものとする。また、例えば「基板の下面」との記載は、基板のZ軸方向マイナス側の面、を示すものとする。
【0010】
1.実施形態1
本実施形態では、最初に、実施形態1に係る慣性センサーモジュール100の基本的な構成について説明し、次に、応用的な構成について説明する。
【0011】
1.1.慣性センサーモジュールの基本的な構成
図1は、実施形態1に係る慣性センサーモジュール100の斜視図である。
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。
【0012】
図1に示すように、慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1、第2慣性センサー2、処理装置3、インターポーザー4、基板5、配線6、および端子7を備える。第1慣性センサー1と第2慣性センサー2とは、インターポーザー4に搭載され、インターポーザー4と処理装置3とは、基板5に搭載される。
【0013】
なお、本実施形態において、第1慣性センサー1は、第1慣性センサーの一例である。第2慣性センサー2は、第2慣性センサーの一例である。処理装置3は、処理装置の一例である。インターポーザー4は、第1基板の一例である。基板5は、第2基板の一例である。
【0014】
第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、それぞれ第1軸の物理量を検出して出力する慣性センサーである。
第1軸の物理量が、例えば、Z軸回りの角速度の場合、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、それぞれZ軸回りの角速度を検出する角速度センサーである。
【0015】
第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、第1軸の物理量を検出するセンサー素子がパッケージに収容されたデバイスであり、それぞれ1つのチップとして構成されている。好適には、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、それぞれセンサー素子と、検出回路と、出力回路とを、パッケージに収容する。
【0016】
第1慣性センサー1および第2慣性センサー2が、Z軸回りの角速度を検出する角速度センサーの場合は、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2のセンサー素子は、それぞれZ軸回りの角速度を検出するセンサー素子である。
【0017】
第1慣性センサー1の検出回路は、センサー素子から出力される信号に対して検出処理を行い、出力回路は、検出処理によって得られた信号を第1検出信号をとして出力する。
第2慣性センサー2の検出回路は、センサー素子から出力される信号に対して検出処理を行い、出力回路は、検出処理によって得られた信号を第2検出信号をとして出力する。
【0018】
第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、それぞれA/Dコンバーターを有していてもよい。A/Dコンバーターは、センサー素子から出力されるZ軸回りの角速度信号に基づいて、デジタルの検出信号を生成する。
【0019】
なお、第1軸の物理量は、Z軸回りの角速度に限定されない。第1軸の物理量は、X軸回りの角速度、Y軸回りの角速度、X軸の加速度、Y軸の加速度、Z軸の加速度であってもよい。また、慣性センサーモジュール100は、第1軸の物理量を検出する3個以上の慣性センサーを有していてもよい。
【0020】
また、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、それぞれ1軸の慣性センサーおよび多軸の慣性センサーのどちらであってもよい。また、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、同じ種類の慣性センサーまたは異なる種類の慣性センサーのどちらであってもよい。なお、1軸の慣性センサーおよび多軸の慣性センサー、ならびに、同じ種類の慣性センサーおよび異なる種類の慣性センサーについては、後述する応用的な構成で説明する。
【0021】
第1軸は、第1慣性センサー1の検出軸a1の向きおよび第2慣性センサー2の検出軸a2の向きに一致する。なお、検出軸a1の向きおよび検出軸a2の向きは、慣性センサーモジュール100の用途や目的などによって、適宜、設定する。検出軸a1の向きおよび検出軸a2の向きが決まると、検出軸a1の向きおよび検出軸a2の向きが、第1軸となる。
【0022】
例えば、慣性センサーモジュール100を、自動車などの移動体に用いる場合、第1軸は、ヨー(yaw)角を算出するための軸とすることが好ましい。移動体の姿勢制御や位置計測などを行う場合、移動体のロール(roll)角、ピッチ(pitch)角、ヨー角のうち、特に、ヨー角を正確に算出することが、精度の向上に効果的だからである。
【0023】
ここで、移動体の直進方向をX軸、移動体の重力方向をZ軸、X軸とZ軸とに直交する方向をY軸としたとき、移動体のヨー角は、Z軸回りの角速度を検出することで算出される。
したがって、慣性センサーモジュール100を移動体に用いる場合、検出軸a1の向きおよび検出軸a2の向きは、Z軸と一致するように設けるとよい。この場合、Z軸が、第1軸となる。
【0024】
第1慣性センサー1の検出軸a1の向きをZ軸と一致させることで、第1慣性センサー1は、Z軸回りの角速度を検出し、Z軸回りの角速度信号を出力するZ軸角速度センサーとして機能する。
【0025】
第2慣性センサー2の検出軸a2の向きをZ軸と一致させることで、第2慣性センサー2も、Z軸回りの角速度を検出し、Z軸回りの角速度信号を出力するZ軸角速度センサーとして機能する。
【0026】
第1慣性センサー1および第2慣性センサー2は、インターポーザー4の上面に実装される。インターポーザー4の上面において、第1慣性センサー1の検出軸a1と第2慣性センサー2の検出軸a2の向きとは、それぞれZ軸と一致するように設けられる。
【0027】
このように、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、Z軸回りの角速度を検出する角速度センサーを2個有することで、Z軸回りの角速度の検出に関してセンサーの冗長性を向上させることができる。さらには、Z軸回りの角速度の検出に関してセンサーの検出精度を向上させることができる。
【0028】
インターポーザー4には、基板5よりも弾性率が大きいもの、およびまたは、基板5よりも線膨張率が小さいものを用いる。インターポーザー4としては、例えば、ガラス繊維を含んだエポキシ樹脂のような汎用樹脂を主体として構成されたガラスエポキシ基板を用いることができる。なお、インターポーザー4は、セラミック基板やコンポジット基板などの他のリジット基板であってもよい。
【0029】
インターポーザー4に、基板5よりも、弾性率が大きなものを用いた場合、慣性センサーモジュール100に、外的変動としての物理的曲げ応力が印加された場合であっても、インターポーザー4の変形を抑制することができる。
【0030】
また、インターポーザー4に、基板5よりも、線膨張率が小さいものを用いた場合、慣性センサーモジュール100に、外的変動としての温度変化が生じた場合であっても、インターポーザー4の変形を抑制することができる。
【0031】
また、インターポーザー4に、基板5よりも、線膨張率が小さいものを用いた場合、慣性センサーモジュール100に、外的変動としての湿度変化が生じた場合であっても、インターポーザー4の変形を抑制することができる。
【0032】
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、外的変動によって、インターポーザー4が変形して、それに伴い、第1慣性センサー1の検出軸a1の向き、およびまたは、第2慣性センサー2の検出軸a2の向きがZ軸からずれることを抑制できる。よって、外的変動が生じた場合において、検出精度が低下することを抑制することができる。換言すると、第1慣性センサー1と第2慣性センサー2とをインターポーザー4に搭載することで、外的変動が生じた場合でも、検出精度の信頼性は、維持ないし担保される。
【0033】
なお、インターポーザー4は、基板5よりも弾性率が大きいこと、および、基板5よりも線膨張率が小さいこと、の両方の特徴を備える必要なない。インターポーザー4に具備させる特徴は、予想される外的変動に応じて、選択すればよい。
【0034】
図2に示すように、インターポーザー4は、貫通穴41と、貫通穴41内に設けられた導通部材42と、導通部材42と電気的に接続された電極43および電極44と、を有する。なお、導通部材42は貫通穴41内に設けられていたが、貫通穴41に代えて図示しない非貫通穴内に導通部材42は設けてもよい。換言すると、貫通穴41は、複数の非貫通穴に分割されていてもよい。この場合、電極43と電極44との間は、複数の非貫通穴内の設けられた複数の導通部材42と、複数の導通部材42の間を接続する配線を介して、電気的に接続される。また、
図2において、導通部材42、電極43および電極44はZ軸方向から見た平面視で重なっているが、電極43および電極44は互いに重ならなくてもよい。
【0035】
第1慣性センサー1は、インターポーザー4上に実装される。第1慣性センサー1は、下面に複数の電極11を有し、当該電極11がインターポーザー4の電極43に接続するように、インターポーザー4上に実装される。
なお、第1慣性センサー1は、インターポーザー4と第1慣性センサー1との間に設けられた図示しない接着材などによって、インターポーザー4の上面に固定されてもよい。
【0036】
第2慣性センサー2は、インターポーザー4上に実装される。第2慣性センサー2は、下面に複数の電極21を有し、当該電極21がインターポーザー4の電極43に接続するように、インターポーザー4上に実装される。
なお、第2慣性センサー2は、インターポーザー4と第2慣性センサー2との間に設けられた図示しない接着材などによって、インターポーザー4の上面に固定されてもよい。
【0037】
基板5の上面には、インターポーザー4と処理装置3とが実装される。
基板5の上面には、第1端子または第2端子としての端子7と、端子7に電気的に接続された配線6と、が設けられる。
【0038】
インターポーザー4は、下面の電極44が、基板5の端子7と接続するように、基板5上に実装される。なお、インターポーザー4は、基板5とインターポーザー4との間に設けられた図示しない接着材などによって、基板5の上面に固定されてもよい。第1慣性センサー1は、インターポーザー4の導通部材42を介して基板5の端子7に電気的に接続される。ここで、導通部材42は貫通穴41に設けてもよいし、内非貫通穴内に設けてもよい。第2慣性センサー2は、インターポーザー4の導通部材42を介して基板5の端子7に電気的に接続される。ここで、導通部材42は貫通穴41に設けてもよいし、内非貫通穴内に設けてもよい。
【0039】
処理装置3は、下面に複数の電極31を有する。
処理装置3は、電極31が基板5の端子7に接続するように、基板5上に実装される。なお、処理装置3は、基板5と処理装置3との間に設けられた図示しない接着材などによって、基板5の上面に固定されてもよい。
【0040】
処理装置3は、例えばMCU(Micro Controller Unit)であり、1チップのICとして構成されている。第1慣性センサー1及び第2慣性センサー2は、インターポーザー4の導通部材42及び基板5の配線6により処理装置3と接続されている。
【0041】
処理装置30は、第1慣性センサー1からの第1検出信号及び第2慣性センサー2からの第2検出信号の読み取り処理を行う。
処理装置30は、第1慣性センサー1から出力される第1検出信号が入力され、第1検出信号に基づく第1検出データを生成し、第2慣性センサー2から出力される第2検出信号が入力され、第2検出信号に基づく第2検出データを生成する。
また、処理装置3は、第1検出信号及び第2検出信号に対して各種の演算処理を行う。当該演算処理は、例えば、平均化処理である。なお、処理装置3は、温度特性やミスアライメントなどを補正する機能を備えてもよい。
【0042】
また、処理装置3は、不揮発性メモリーを含む記憶部などを内蔵する。記憶部は、平均化処理などの各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。
【0043】
1.2.慣性センサーモジュールの応用的な構成
1.2.1.応用構成1
応用構成1に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2の種類と検出軸の数とが異なる。
図3は、応用構成1に係る慣性センサーモジュール100の構成を示すブロック図である。
【0044】
応用構成1に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1として1軸の水晶ジャイロセンサー1sと、第2慣性センサー2として多軸の6DoF(Degrees of Freedom)センサー2sと、を備える。
【0045】
水晶ジャイロセンサー1sと6DoFセンサー2sとは、インターポーザー4上に実装され、インターポーザー4と処理装置3とは、基板5上に実装される。
【0046】
1軸の水晶ジャイロセンサー1sは、具体的には、振動する物体に加わるコリオリの力から角速度を検出する共振周波数変化型水晶ジャイロであり、第2慣性センサー2よりも高精度の角速度センサーである。
【0047】
6DoFセンサー2sは、3軸の角速度センサー22と3軸の加速度センサー23とを搭載した多軸の慣性センサーである。換言すると、1軸の水晶ジャイロセンサー1sと6DoFセンサー2sとは、検出軸の数が異なる。
【0048】
また、6DoFセンサー2sにおいて、角速度センサー22は、静電容量変化型Si(シリコン)-MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)角速度センサーであり、加速度センサー23は、静電容量変化型Si-MEMS加速度センサーである。換言すると、水晶ジャイロセンサー1sと6DoFセンサー2sとは、センサーの種類が異なる。
【0049】
なお、水晶ジャイロセンサー1sは、静電容量変化型Si-MEMSを複数個用いたマルチセンサーやFOG(Fiber Optic Gyro)などであってよい。また、6DoFセンサー2sの角速度センサー22は、水晶ジャイロなどであってもよく、加速度センサー23は、水晶加速度センサー、ピエゾ抵抗型加速度センサー、および熱検知型加速度センサーであってもよい。
【0050】
6DoFセンサー2sの角速度センサー22は、X軸角速度センサー22x、Y軸角速度センサー22y、およびZ軸角速度センサー22zを含む。
X軸角速度センサー22xは、X軸回りの角速度を検出し、第1の角速度信号を出力する。Y軸角速度センサー22yは、Y軸回りの角速度を検出し、第2の角速度信号を出力する。Z軸角速度センサー22zは、Z軸回りの角速度を検出し、第3の角速度信号を出力する。
【0051】
6DoFセンサー2sの加速度センサー23は、X軸加速度センサー23x、Y軸加速度センサー23y、およびZ軸加速度センサー23zを含む。
X軸加速度センサー23xは、X軸方向での加速度を検出し、第1の加速度信号を出力する。Y軸加速度センサー23yは、Y軸方向での加速度を検出し、第2の加速度信号を出力する。Z軸加速度センサー23zは、Z軸方向での加速度を検出し、第3の加速度信号を出力する。
【0052】
応用構成1に係る慣性センサーモジュール100は、例えば、上述した自動車に用いることができる。
この場合、第1軸は、ヨー角を算出するための軸、すなわち、Z軸とする。
したがって、水晶ジャイロセンサー1sの検出軸a1の方向と、Z軸角速度センサー22zの検出軸a2の方向とは、それぞれZ軸と一致するように設けられる。なお、第1軸は、Z軸に限定されない。用途や目的などに応じて、適宜、X軸またはY軸としてもよい。
【0053】
応用構成1に係る慣性センサーモジュール100は、水晶ジャイロセンサー1sと6DoFセンサー2sとが、インターポーザー4上に実装され、インターポーザー4と処理装置3とが、基板5上に実装される。
したがって、応用構成1に係る慣性センサーモジュール100によれば、外的変動が生じた場合でも、水晶ジャイロセンサー1sおよびまたは6DoFセンサー2sの検出精度が低下することが抑制される。よって、外的変動が生じた場合でも、慣性センサーモジュール100の検出精度の信頼性が維持ないし担保される。
【0054】
また、応用構成1に係る慣性センサーモジュール100は、Z軸回りの角速度を検出する角速度センサーとして、水晶ジャイロセンサー1sおよびZ軸角速度センサー22zの複数の角速度センサーを有することで、Z軸回りの角速度の検出に関してセンサーの冗長性を向上させることができる。
【0055】
さらには、第1慣性センサー1に、第2慣性センサー2よりも高精度の1軸の水晶ジャイロセンサー1sを用いることで、検出精度を向上させることができる。この点について、本出願人は、本発明者等の実験によって、1軸の水晶ジャイロセンサー1sと6DoFセンサー2sとを用いた場合、それらを単独で用いた場合よりも、検出精度を向上させることができる、という知見を得ている。
【0056】
さらには、1軸の水晶ジャイロセンサー1sと6DoFセンサー2sとを備えた慣性センサーモジュール100は、3軸の水晶ジャイロセンサーよりも安価であるが、高価な3軸の水晶ジャイロセンサーと同等の検出精度を実現することができる。したがって、実用性が高く、産業上の利用価値が高い慣性センサーモジュール100を実現できる。
【0057】
1.2.2.応用構成2
応用構成2に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2の種類およびまたは検出軸の数が同じである。
【0058】
具体的には、応用構成2に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1として6DoFセンサー2sと、第2慣性センサー2として6DoFセンサー2sと、を備える。
【0059】
または、応用構成2に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1として1軸の水晶ジャイロセンサー1sと、第2慣性センサー2として1軸の水晶ジャイロセンサー1sと、を備える。
【0060】
または、応用構成2に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1として3軸の角速度センサーと、第2慣性センサー2として3軸の角速度センサーと、を備える。
【0061】
または、応用構成2に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1として3軸の加速度センサーと、第2慣性センサー2として3軸の加速度センサーと、を備える。
【0062】
応用構成2に係る慣性センサーモジュール100において、第1軸は、X軸、Y軸、およびZ軸のいずれであってもよい。
また、応用構成2に係る慣性センサーモジュール100において、第1慣性センサー1と第2慣性センサー2とが検出する第1軸の物理量は、X軸回りの角速度、Y軸回りの角速度、Z軸回りの角速度、X軸方向の加速度、Y軸方向の加速度、Z軸方向の加速度のいずれかであってもよい。
【0063】
応用構成2に係る慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2の2つの慣性センサーを有するが、3つ以上の慣性センサーを有してもよい。
【0064】
以上、述べたとおり、本実施形態の慣性センサーモジュール100によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の慣性センサーモジュール100は、第1軸の物理量としてのZ軸回りの角速度を検出する第1慣性センサー1と、Z軸回りの角速度を検出する第2慣性センサー2と、第1慣性センサー1と第2慣性センサー2とを搭載する第1基板としてのインターポーザー4と、インターポーザー4を搭載し、インターポーザー4を介して第1慣性センサー1に電気的に接続される第1端子としての端子7と、インターポーザー4を介して第2慣性センサー2に電気的に接続される第2端子としての端子7と、を有する第2基板としての基板5と、を備える。
【0065】
このように、慣性センサーモジュール100は、Z軸回りの角速度を検出する第1慣性センサー1とZ軸回りの角速度を検出する第2慣性センサー2とをインターポーザー4に搭載し、インターポーザー4を基板5に搭載する。
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、曲げ応力の印加や温度変化や湿度変化などの外的変動が生じた場合でも、第1慣性センサー1およびまたは第2慣性センサー2の検出精度の信頼性が低下することを抑制できる。よって、本実施形態の慣性センサーモジュール100によれば、外的変動が生じた場合でも、慣性センサーモジュール100の検出精度の信頼性が維持ないし担保される。
【0066】
本実施形態の慣性センサーモジュール100は、さらに、第1基板としてのインターポーザー4は、第1慣性センサー1と第1端子しての端子7とを電気的に接続する第1導通部材としての導通部材42と、第2慣性センサー2と第2端子としての端子7とを電気的に接続する第2導通部材としての導通部材42と、を備える。
【0067】
このように、慣性センサーモジュール100は、第1慣性センサー1は、インターポーザー4の導通部材42を介して、端子7に電気的に接続され、第2慣性センサー2は、インターポーザー4の導通部材42を介して、端子7に電気的に接続される。
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、曲げ応力の印加や温度変化や湿度変化などの外的変動が生じた場合でも、電気的な接続の信頼性が維持されるため、検出精度の信頼性が低下することを抑制できる。
【0068】
本実施形態の慣性センサーモジュール100は、さらに、第1基板としてのインターポーザー4の弾性率は、第2基板としての基板5の弾性率より大きい。
このように、インターポーザー4に、基板5よりも弾性率が大きいものを用いた場合、慣性センサーモジュール100に、外的変動としての物理的曲げ応力が印加された場合であっても、インターポーザー4の変形を抑制することができる。
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、外的変動によって、インターポーザー4が変形して、それに伴い、第1慣性センサー1の第1軸としての検出軸a1の向き、およびまたは、第2慣性センサー2の第1軸としての検出軸a2の向きがZ軸からずれることで、検出精度が低下することを抑制できる。
【0069】
本実施形態の慣性センサーモジュール100は、さらに、第1基板としてのインターポーザー4の線膨張係数は、第2基板としての基板5の線膨張係数より小さい。
このように、インターポーザー4に、基板5よりも線膨張率が小さいものを用いた場合、慣性センサーモジュール100に、外的変動としての温度変化や湿度変化が生じた場合であっても、インターポーザー4の変形を抑制することができる。
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、外的変動によって、インターポーザー4が変形して、それに伴い、第1慣性センサー1の第1軸としての検出軸a1の向き、およびまたは、第2慣性センサー2の第1軸としての検出軸a2の向きがZ軸からずれることで、検出精度が低下することを抑制できる。
【0070】
本実施形態の慣性センサーモジュール100は、さらに、第1慣性センサー1からの第1検出信号および第2慣性センサー2からの第2検出信号を処理する処理装置3をさらに備える。
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、信頼性の高い処理を実行することができる。
【0071】
本実施形態の慣性センサーモジュール100は、さらに、処理装置3は、第2基板としての基板5に搭載される。
このように、処理装置3は、インターポーザー4には搭載されない。
したがって、本実施形態の慣性センサーモジュール100は、処理装置3がインターポーザー4に搭載される場合よりも、慣性センサーモジュール100に、外的変動が印加された場合のインターポーザー4の変形を抑制することができる。
【0072】
2.実施形態2
実施形態2では、慣性センサーモジュール100を備えた慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)200について、説明する。
【0073】
2.1.慣性計測装置の概要
慣性計測装置200は、例えば、自動車やスマートフォンなどの被装着装置に搭載され、被装着装置の姿勢や挙動などを検出するために用いられる。
【0074】
図4は、実施形態2に係る慣性計測装置200の斜視図であり、慣性計測装置200が、被装着装置の被装着面90に固定される状態を示す図である。
図5は、慣性計測装置200を被装着面90側からみた斜視図である。
【0075】
実施形態2において、慣性計測装置200は、平面形状が四角形状の直方体であり、四角形の対角方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、固定部としてのネジ穴202が形成されている。慣性計測装置200は、ネジ穴202に通したネジ205によって、被装着装置の被装着面90に固定され、使用される。なお、上述した慣性計測装置200の形状および固定方法は、一例であり、使用用途などに応じて相応しい形状や固定方法を採用できる。
【0076】
図5に示すように、慣性計測装置200の被装着面90側の面には、開口部204が形成される。開口部204の内部には、プラグ型のコネクター8が配置される。
コネクター8は、並列に配置された複数のピンを有する。コネクター8には、被装着装置から図示しないソケット型のコネクターが接続される。コネクター8を介して、慣性計測装置200と被装着装置との間で、慣性計測装置200への電力供給や被装着装置への検出データ出力などを含む、電気信号の送受信が行われる。
【0077】
2.2.慣性計測装置の構成
図6は、慣性計測装置200の分解斜視図であり、
図5と同じ方向からみた慣性計測装置200の分解斜視図である。
【0078】
図6に示すように、慣性計測装置200は、アウターケース201、環状の緩衝材206、慣性センサーユニット207を備える。換言すると、慣性計測装置200は、アウターケース201の内部に、環状の緩衝材206を介在させて、慣性センサーユニット207を搭載する。慣性センサーユニット207は、インナーケース208と慣性センサーモジュール100とを含む。
【0079】
アウターケース201の外形は、平面形状が四角形状の直方体であり、正方形の対角線方向に位置する2ヶ所の頂点近傍に、それぞれネジ穴202が形成されている。なお、アウターケース201の外形の平面形状は、例えば6角形や8角形などの多角形であってもよい。
【0080】
2.3.慣性センサーモジュールの構成
図7は、慣性計測装置200に搭載された慣性センサーモジュール100の斜視図である。
実施形態2に係る慣性センサーモジュール100は、基板5にコネクター8、GPS(Global Positioning System)モジュール9、およびその他の回路部品を有する点で、実施形態1に係る慣性センサーモジュール100と異なる。なお、実施形態1と同じ構成には、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0081】
基板5の上面には、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2を搭載するインターポーザー4と、処理装置3と、コネクター8と、GPSモジュール9と、その他の回路部品と、が実装される。
【0082】
コネクター8は、プラグ型のコネクターであり、複数のピンからなる外部接続用の端子を備えている。また、コネクター8は、このような形態に限定されない。例えば、コネクター8は、リード、接続電極、光コネクター、または非接触型コネクターであってもよい。
【0083】
慣性センサーモジュール100は、温度センサー、磁気センサー、キャパシタなどを有していてもよい。なお、温度センサーや磁気センサーを実装する場合は、インターポーザー4に実装する。温度センサーや磁気センサーは、第1慣性センサー1および第2慣性センサー2の近くに配置する方が、正確な測定ができるからである。
【0084】
このように実施形態2の慣性計測装置200は、慣性センサーモジュール100を備える。慣性センサーモジュール100は、曲げ応力の印加や温度変化や湿度変化などの外的変動が印加されても、検出精度の信頼性が維持ないし担保される。
したがって、実施形態2の慣性計測装置200によれば、外的変動が印加された場合において、検出精度の信頼性が維持ないし担保される慣性計測装置200を実現できる。
【0085】
3.実施形態3
実施形態3では、慣性センサーモジュール100を備えた電子機器を説明する。
以下では、電子機器の例として、自動車などの移動体の例と、スマートフォンなどの携帯機器の例と、を説明する。
【0086】
3.1.移動体の概要
図8は、実施形態3に係る電子機器としての移動体の斜視図であり、移動体の一例としての自動車1100の構成を示す図である。
【0087】
自動車1100は、慣性センサーモジュール100を備えた慣性計測装置200を搭載する。
慣性計測装置200は、車体1101の姿勢を検出して、検出信号を出力する。検出信号は、角速度信号および加速度信号を含む。慣性計測装置200の検出信号は、車体1101の姿勢を制御する車体姿勢制御装置1102に供給される。
車体姿勢制御装置1102は、その信号に基づいて車体1101の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1103のブレーキを制御したりする。
【0088】
また、慣性計測装置200の検出信号は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、自動運転用慣性航法の制御機器、およびハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター等のECU(Electronic Control Unit)などにおいて、活用してもよい。
【0089】
また、慣性計測装置200は、自動車1100以外の他の移動体に搭載してもよい。例えば、二足歩行ロボット、電車、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、ドローン、農業機械、建築機械などの移動体に、慣性計測装置200を搭載する。これによって、移動体は、慣性計測装置200の検出信号を、移動体の姿勢制御や位置計測などに活用できる。
【0090】
このように本実施形態において、自動車1100などの移動体は、慣性センサーモジュール100を備えた慣性計測装置200を搭載する。慣性センサーモジュール100は、曲げ応力の印加や温度変化や湿度変化などの外的変動が印加されても、検出精度の信頼性を維持ないし担保することができる。
したがって、本実施形態によれば、慣性センサーモジュール100を備えた移動体の信頼性を向上させることができる。
【0091】
3.2.携帯機器の概要
図9は、実施形態3に係る電子機器としての携帯機器の斜視図であり、携帯機器の一例としてのスマートフォン1200の構成を示す図である。
【0092】
スマートフォン1200は、慣性センサーモジュール100を備えた慣性計測装置200を搭載する。
慣性計測装置200によって検出された検出信号は、制御回路1201に出力され、制御回路1201は、受信した検出信号からスマートフォン1200の姿勢や挙動を認識して、表示部1202に表示されている表示画像を変化させたり、警告音や効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させることができる。
【0093】
また、慣性計測装置200は、スマートフォン1200以外の他の携帯機器に搭載してもよい。例えば、スマートウオッチ、携帯型の活動量計、HMD(Head Mounted Display)、モバイルPC(Personal Computer)、タブレットPC、カメラ、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯機器に、慣性計測装置200を搭載してもよい。これによって、携帯機器は、慣性計測装置200からの検出信号によって、携帯機器の姿勢や挙動を認識して、表示画像を変化させたり、警告音や効果音を鳴らしたり、振動モーターを駆動して本体を振動させたりなどをすることができる。
【0094】
このように本実施形態において、スマートフォン1200などの携帯機器は、慣性センサーモジュール100を備えた慣性計測装置200を搭載する。慣性センサーモジュール100は、曲げ応力の印加や温度変化や湿度変化などの外的変動が印加されても、検出精度の信頼性を維持ないし担保することができる。
したがって、本実施形態によれば、慣性センサーモジュール100を備えた携帯機器の信頼性を向上させることができる。
【0095】
以上、述べたとおり、本実施形態の電子機器としての自動車1100およびスマートフォン1200は、上述した慣性センサーモジュール100を備える。
したがって、自動車1100およびスマートフォン1200の信頼性を向上させることができる。
【0096】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、上述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【符号の説明】
【0097】
1…第1慣性センサー、1s…水晶ジャイロセンサー、11…電極、2…第2慣性センサー、2s…6DoFセンサー、21…電極、22…角速度センサー、22x…X軸角速度センサー、22y…Y軸角速度センサー、22z…Z軸角速度センサー、23…加速度センサー、23x…X軸加速度センサー、23y…Y軸加速度センサー、23z…Z軸加速度センサー、3…処理装置、31…電極、4…インターポーザー、41…貫通穴、42…導通部材、43,44…電極、5…基板、6…配線、7…端子、8コネクター、9…GPSモジュール、90…被装着面、100…慣性センサーモジュール、200…慣性計測装置、201…アウターケース、202…ネジ穴、204…開口部、205…ネジ、206…緩衝材、207…慣性センサーユニット、208…インナーケース、1100…自動車、1101…車体、1102…車体姿勢制御装置、1103…車輪、1200…スマートフォン、1201…制御回路、1202…表示部、a1,a2…検出軸。