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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169910
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】駆動装置及び測色装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/22 20160101AFI20241129BHJP
   F16H 7/02 20060101ALI20241129BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H02K11/22
F16H7/02 A
H02K7/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086771
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】木下 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真輝
【テーマコード(参考)】
3J049
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
3J049AA03
3J049BE02
3J049BH02
3J049BH05
3J049BH07
5H607BB01
5H607EE28
5H611AA01
5H611BB01
5H611PP07
5H611RR05
5H611UA01
(57)【要約】
【課題】持ち運びの際に装置を落とすと大きな落下衝撃を受ける。その落下衝撃に対する効果的な耐性構造を有する駆動装置を提供すること。
【解決手段】駆動装置20は、回転軸21を備えた駆動モーター11と、複数のスリット22が形成されたスリット円板23とスリット22を検出するセンサー24とを有するセンサーユニット25と、駆動モーター11に保持される保持部材26とを備えている。そして、スリット円板23は駆動モーター11の回転軸21に配置され、センサー24は保持部材26に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を備えた駆動モーターと、
複数のスリットが形成されたスリット円板と前記スリットを検出するセンサーとを有するセンサーユニットと、
前記駆動モーターに保持される保持部材と、を備え、
前記スリット円板は、前記回転軸に配置され、
前記センサーは、前記保持部材に配置される、駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記回転軸は、
前記駆動モーターの一方の第1端面から突出する第1回転軸と、
前記駆動モーターの他方の第2端面から突出する第2回転軸と、を有し、
前記駆動モーターは、前記第1端面においてフレームに固定される片持ち構造であり、
前記スリット円板は、前記第2回転軸に配置されている、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動装置において、
前記駆動モーターは、
前記第1回転軸の軸受となる第1フランジ部と、
前記第2回転軸の軸受となる第2フランジ部と、とを有し、
前記保持部材は、
前記回転軸の軸方向に沿う基体部と、
前記基体部の一端から前記軸方向と交差する方向に延設され、前記第1フランジ部と係合する第1係合部を有する第1延設部と、
前記基体部の他端から前記軸方向と交差する方向に延設され、前記第2フランジ部と係合する第2係合部を有する第2延設部と、を備え、
前記保持部材は、前記駆動モーターに保持された状態で、前記第1延設部が前記フレームに固定されている、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駆動装置において、
前記第1延設部は、
前記基体部の前記一端にネジで固定されており、
前記第1係合部は前記第1フランジ部が貫通して係合する貫通穴であり、
前記第2係合部は、前記第2フランジ部が前記軸方向と交差する方向から進入可能な入り口を有するスナップフィット構造である、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の駆動装置と、
測定対象物を測色する測色器と、
前記測色器を支持し、前記測色器を走査可能なキャリッジと、を備えた測色装置。
【請求項6】
第1プーリーと、
第2プーリーと、
前記第1プーリーと前記第2プーリーとに張架されたタイミングベルトと、
前記第1プーリーを駆動回転させる駆動モーターと、
前記タイミングベルトのずれ移動を規制するベルト規制部と、を備え、
前記ベルト規制部は、前記第1プーリーに張架された部位における前記タイミングベルトの外周面に沿って形成された規制面を有する、駆動装置。
【請求項7】
請求項6に記載の駆動装置において、
前記規制面は、前記第1プーリーの部位における前記タイミングベルトの円弧の部分が占める180度の範囲以上に亘って存在する、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項7に記載の駆動装置において、
前記第1プーリーは軸部材を有し、
前記軸部材を回転可能に支持する軸受けと、
前記軸受けが被挿入部に挿入された状態で取り付けられるフレームと、を備え、
前記ベルト規制部は、
前記規制面を有する第1板部と、
前記第1板部の板面に沿って位置し、前記フレームに固定される第2板部と、
前記第1板部と前記第2板部とを連結する連結板部と、を備える、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項8に記載の駆動装置において、
前記軸受けが前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部を備える、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項10】
請求項9に記載の駆動装置において、
前記抜け規制部は、前記第2板部に設けられている、
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項11】
請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の駆動装置と、
測定対象物を測色する測色器と、
前記測色器を収容可能なキャリッジと、
前記キャリッジが移動可能に取り付けられ、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に移動可能なガントリーと、を備えた測色装置。
【請求項12】
第1プーリーと、
第2プーリーと、
前記第1プーリーと前記第2プーリーとに張架されたタイミングベルトと、
前記第1プーリーを駆動回転させる駆動モーターと、
前記第1プーリーに接続され、前記第1プーリーの回転軸線に沿った方向に配置された軸部材と、
前記軸部材を回転可能に支持する軸受けと、
前記軸受けが被挿入部に挿入された状態で取り付けられるフレームと、
前記軸受けが前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部と、
を備えた駆動装置。
【請求項13】
請求項12に記載の駆動装置と、
測定対象物を測色する測色器と、
前記測色器を収容可能なキャリッジと、
前記キャリッジが移動可能に取り付けられ、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に移動可能なガントリーと、を備えた測色装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置及び測色装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の駆動装置の一例として、特許文献1と特許文献2に記載のものが挙げられる。特許文献1には、モーターと前記モーターの回転を検出するエンコーダーとを支持する支持プレートを備えた画像読取装置が開示されている。特許文献2には、プーリーに架設されたタイミングベルトの外周面側に配置された回転部材を備えたシート収納装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-11655号公報
【特許文献2】特開2017-88310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記各装置は持ち運びされて使われる場合がある。その持ち運びの際に前記装置を落とすと大きな落下衝撃を受ける。特許文献1及び特許文献2には、その落下衝撃に対する効果的な耐性構造については考慮する記載は見当たらない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る駆動装置は、回転軸を備えた駆動モーターと、複数のスリットが形成されたスリット円板と前記スリットを検出するセンサーとを有するセンサーユニットと、前記駆動モーターに保持される保持部材と、を備え、前記スリット円板は前記回転軸に配置され、前記センサーは前記保持部材に配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る測色装置は、後述する第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様に記載の駆動装置と、測定対象物を測色する測色器と、前記測色器を支持し、前記測色器を走査可能なキャリッジと、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る駆動装置は、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに張架されたタイミングベルトと、前記第1プーリーを回転駆動させる駆動モーターと、前記タイミングベルトのずれ移動を規制するベルト規制部と、を備え、前記ベルト規制部は、前記第1プーリーに張架された部位における前記タイミングベルトの外周面に沿って形成された規制面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る測色装置は、後述する第6の態様から第10の態様のいずれか一つの態様に記載の駆動装置と、測定対象物を測色する測色器と、前記測色器を収容可能なキャリッジと、前記キャリッジが移動可能に取り付けられ、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に移動可能なガントリーと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る駆動装置は、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに張架されたタイミングベルトと、前記第1プーリーを回転駆動させる駆動モーターと、前記第1プーリーに接続され、前記第1プーリーの回転軸線に沿った方向に配置された軸部材と、前記軸部材を回転可能に支持する軸受けと、前記軸受けが被挿入部に挿入された状態で取り付けられるフレームと、前記軸受けが前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る測色装置は、後述する第12の態様に記載の駆動装置と、測定対象物を測色する測色器と、前記測色器を収容可能なキャリッジと、前記キャリッジが移動可能に取り付けられ、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に移動可能なガントリーと、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る測色装置の外観を上方から見た斜視図。
図2】実施形態1の駆動装置の構成を示す上方から見た斜視図。
図3】実施形態1の駆動装置の構成を示す下方から見た斜視図。
図4】実施形態1の駆動装置の下部の要部側面図。
図5】実施形態1のフレームの要部斜視図。
図6】実施形態1の駆動装置の構成を示す図2と異なる上方から見た斜視図。
図7】実施形態2と3に係る測色装置の支持台の下面側から見た概略の図。
図8】実施形態2と3の駆動装置の構成を示す下方から見た要部斜視図。
図9】実施形態2と3の駆動装置の構成を示す下方から見た要部斜視図。
図10】実施形態2と3のベルト規制部、抜け規制部の全体斜視図。
図11】実施形態2と3の駆動装置の要部斜視図。
図12】実施形態2と3の駆動装置の一部を断面で示した要部斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について先ず概略的に説明する。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る駆動装置は、回転軸を備えた駆動モーターと、複数のスリットが形成されたスリット円板と前記スリットを検出するセンサーとを有するセンサーユニットと、前記駆動モーターに保持される保持部材と、を備え、前記スリット円板は前記回転軸に配置され、前記センサーは前記保持部材に配置されることを特徴とする。
ここで、「駆動モーターに保持される保持部材」とは、前記駆動モーターが衝撃を受けて振れる場合に前記保持部材は独立に振れないで前記駆動モーターと一体的に振れる状態であることを意味する。
【0010】
本態様によれば、前記駆動モーターと前記スリット円板と前記センサーは、前記保持部材によって一体化されている。これにより、装置が落下衝撃を受けた場合に、前記駆動モーターと前記スリット円板と前記センサーが一体的に振れる、或いは同期して振れることになる。以って、前記駆動モーターと前記スリット円板と前記センサーの配置ズレの発生を小さく抑えることができる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る駆動装置は、第1の態様に従属する態様であって、前記回転軸は、前記駆動モーターの一方の第1端面から突出する第1回転軸と、前記駆動モーターの他方の第2端面から突出する第2回転軸と、を有し、前記駆動モーターは、前記第1端面においてフレームに固定される片持ち構造であり、前記スリット円板は、前記第2回転軸に配置されていることを特徴とする。
【0012】
前記駆動モーターが上記構造の片持ち構造である場合、両持ち構造に比して構造的に落下衝撃を大きく受ける。本発明は、このような駆動モーターが片持ち構造である装置に適用することで、その得られる効果は大きい。
【0013】
本発明の第3の態様に係る駆動装置は、第2の態様に従属する態様であって、前記駆動モーターは、前記第1回転軸の軸受となる第1フランジ部と、前記第2回転軸の軸受となる第2フランジ部とを有し、前記保持部材は、前記回転軸の軸方向に沿う基体部と、前記基体部の一端から前記軸方向と交差する方向に延設され、前記第1フランジ部と係合する第1係合部を有する第1延設部と、前記基体部の他端から前記軸方向と交差する方向に延設され、前記第2フランジ部と係合する第2係合部を有する第2延設部と、を備え、前記保持部材は、前記駆動モーターに保持された状態で、前記第1延設部が前記フレームに固定されていることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記保持部材は、前記基体部と、前記第1フランジ部と係合する第1係合部を有する前記第1延設部と、前記第2フランジ部と係合する第2係合部を有する前記第2延設部と、を備えている。更に、前記保持部材は、前記第1延設部の前記第1係合部が前記駆動モーターの第1フランジ部に係合し、前記第2延設部の前記第2係合部が前記駆動モーターの第2フランジ部に係合した状態で、即ち前記駆動モーターに保持された状態で、前記第1延設部が前記フレームに固定されている。
これにより、装置が落下衝撃を受けた場合に、前記駆動モーターと前記スリット円板と前記センサーが一層強固な状態で一体的に振れることになるので、前記駆動モーターと前記スリット円板と前記センサーの配置ズレの発生を一層小さく抑えることができる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る駆動装置は、第3の態様に従属する態様であって、前記第1延設部は、前記基体部の前記一端にネジで固定されており、前記第1係合部は前記第1フランジ部が貫通して係合する貫通穴であり、前記第2係合部は、前記第2フランジ部が前記軸方向と交差する方向から進入可能な入り口を有するスナップフィット構造であることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、前記第1延設部は、前記基体部の前記一端にネジで固定されている。即ち、前記第1延設部は、前記基体部及び第2延設部と分離可能な別体構造に構成されている。これにより、前記第1係合部の前記第1フランジ部への係合の作業及び前記第2係合部の前記第2フランジ部への係合の作業が行い易い。
また、前記第1係合部は前記第1フランジ部が貫通して係合する貫通穴であり、前記第2係合部は、前記第2フランジ部が前記軸方向と交差する方向から進入可能な入り口を有するスナップフィット構造である。これにより、即ち前記貫通孔及びスナップフィット構造により、前記係合の作業が行い易いことに加えて、前記駆動モーターとの強固な一体性を実現することができる。
【0017】
また、本発明の第5の態様に係る測色装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様に記載の駆動装置と、測定対象物を測色する測色器と、前記測色器を支持し、前記測色器を走査可能なキャリッジと、を備えたことを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、落下衝撃時における測色装置の耐性を向上することができる。
【0019】
本発明の第6の態様に係る駆動装置は、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに張架されたタイミングベルトと、前記第1プーリーを駆動回転させる駆動モーターと、前記タイミングベルトのずれ移動を規制するベルト規制部と、を備え、前記ベルト規制部は、前記第1プーリーに張架された部位における前記タイミングベルトの外周面に沿って形成された規制面を有することを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記ベルト規制部は、前記第1プーリーに張架された部位における前記タイミングベルトの外周面に沿って形成された規制面を有する。これにより、落下衝撃を受けた場合でも、前記規制面によって前記第1プーリーに対する前記タイミングベルトのずれが規制される。以って、前記第1プーリーからの前記タイミングベルトの外れや歯飛びを抑制することができる。
【0021】
本発明の第7の態様に係る駆動装置は、第6の態様に従属する態様であって、前記規制面は、前記第1プーリーの部位における前記タイミングベルトの円弧の部分が占める180度の範囲以上に亘って存在することを特徴とする。
ここで、「前記第1プーリーの部位における前記タイミングベルトの円弧の部分である180度の範囲以上に亘って存在する」とは、前記規制面が前記タイミングベルトの前記第1プーリーの部位における円弧の外周面の範囲以上に亘って存在することを意味する。
【0022】
本態様によれば、前記規制面は、前記第1プーリーの部位における前記タイミングベルトの円弧の部分が占める180度の範囲以上に亘って存在する。これにより、前記第1プーリーからの前記タイミングベルトの外れや歯飛びを効果的に抑制することができる。
【0023】
本発明の第8の態様に係る駆動装置は、第7の態様に従属する態様であって、前記第1プーリーは軸部材を有し、前記軸部材を回転可能に支持する軸受けと、前記軸受けが被挿入部に挿入された状態で取り付けられるフレームと、を備え、前記ベルト規制部は、前記規制面を有する第1板部と、前記第1板部の板面に沿って位置し、前記フレームに固定される第2板部と、前記第1板部と前記第2板部とを連結する連結板部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、前記ベルト規制部は、前記規制面を有する第1板部と、前記第1プーリーの前記軸受けが取り付けられる前記フレームに固定される第2板部と、前記第1板部と前記第2板部とを連結する連結板部と、を備える。これにより、前記タイミングベルトの円弧の部分が占める180度の範囲以上に亘って前記規制面が存在するように配置する構造を容易に実現することができる。
【0025】
本発明の第9の態様に係る駆動装置は、第8の態様に従属する態様であって、前記軸受けが前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部を備えることを特徴とする。
【0026】
前記軸受けは、前記落下衝撃を受けた場合に前記フレームの前記被挿入部から抜ける方向に力がかかる場合がある。本態様によれば、前記抜け規制部が前記軸受けの前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する。これにより、前記落下衝撃を受けた場合でも、前記軸受けが前記被挿入部から抜ける虞を低減することができる。
【0027】
本発明の第10の態様に係る駆動装置は、第9の態様に従属する態様であって、前記抜け規制部は、前記第2板部に設けられていることを特徴とする。
【0028】
本態様によれば、前記抜け規制部は、前記第2板部に設けられている。即ち、前記ベルト規制部を前記フレームに固定するための構成要素である前記第2板部に、前記軸受けの抜けを規制する機能を兼ね備えさせているので、部品点数を増加せず、小型化を図ることができる。
【0029】
また、本発明の第11の態様に係る測色装置は、第6の態様から第10の態様のいずれか一つの態様に記載の駆動装置と、測定対象物を測色する測色器と、前記測色器を収容可能なキャリッジと、前記キャリッジが移動可能に取り付けられ、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に移動可能なガントリーと、を備えたことを特徴とする。
【0030】
本態様によれば、落下衝撃時における測色装置の耐性を向上することができる。
【0031】
本発明の第12の態様に係る駆動装置は、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに張架されたタイミングベルトと、前記第1プーリーを駆動回転させる駆動モーターと、前記第1プーリーに接続され、前記第1プーリーの回転軸線に沿った方向に配置された軸部材と、前記軸部材を回転可能に支持する軸受けと、前記軸受けが被挿入部に挿入された状態で取り付けられるフレームと、前記軸受けが前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部と、を備えたことを特徴とする。
【0032】
本態様によれば、前記軸受けが前記フレームの前記被挿入部から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部を備えている。これにより、落下衝撃を受けた場合でも、前記軸受けが前記フレームから外れることを抑制できる。
【0033】
また、本発明の第13の態様に係る測色装置は、第12の態様に記載の駆動装置と、測定対象物を測色する測色器と、前記測色器を収容可能なキャリッジと、前記キャリッジが移動可能に取り付けられ、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に移動可能なガントリーと、を備えたことを特徴とする。
【0034】
本態様によれば、落下衝撃時における測色装置の耐性を向上することができる。
【0035】
[実施形態]
以下、本発明に係る駆動装置及び前記駆動装置を備える測色装置の実施形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
以下の説明においては、互いに直交する3つの軸を、各図に示すように、それぞれX軸、Y軸、Z軸とする。3つの軸(X,Y,Z)の矢印の示す方向が各方向の+方向であり、その逆が-方向である。Z軸方向は鉛直方向即ち重力が作用する方向に相当し、+Z方向が鉛直上方を示し、-Z方向が鉛直下方を示す。X軸方向及びY軸方向は、水平方向に相当する。+Y方向が装置の背面方向を示し、-Y方向が装置の正面方向を示す。+X方向が装置の右方向を示し、-X方向が装置の左方向を示す。
【0036】
図1及び図7に基づいて、先ず本実施形態の測色装置1の全体構造を説明する。測色装置1は、X軸方向及びY軸方向に延設される支持台2を有する本体部3を備え、また、支持台2の一部を+Z方向側から覆うようにY軸方向に延設されるガントリー4を備えている。ガントリー4には、測色器5を収容可能なキャリッジ6が取り付けられている。
ガントリー4は、駆動装置60(図7図8)によって支持台2に対してX軸方向に移動可能である。キャリッジ6は、駆動装置20(図1図2)によって、ガントリー4に対してY軸方向に移動可能である。更にキャリッジ6は、Z軸方向にも移動可能である。これらの移動は、走査とも言われる。キャリッジ6をガントリー4に対してY軸方向に移動させる動力源となる駆動モーター11は、ガントリー4の-Y方向側の端部に設けられている。この駆動モーター11の部分については、追って更に説明する。図1において、符号12は外装である。
USBケーブル7の一端は、図示を省くプロセッサーに接続されている。USBケーブル7の他端は、キャリッジ6に収容された測色器5に接続される。
【0037】
支持台2には、測定対象物の一例である図示を省くカラーチャートが載置可能である。カラーチャートは例えば複数のカラーパッチと黒枠等で構成される。カラーチャートは、例えば粘着テープをカラーチャートの周囲に貼り付けることで支持台2に固定される。
本体部3の-Y方向側には支持台2よりも下がった位置にフロント面8が設けられ、本体部3の+Y方向側には支持台2よりも下がった位置にリア面9が設けられている。フロント面8には、測色装置1の操作部の一例である電源ボタン10が設けられている。
【0038】
[実施形態1]
次に、図2から図6に基いて、実施形態1に係る駆動装置20について説明する。
本実施形態の駆動装置20は、回転軸21を備えた駆動モーター11と、複数のスリット22(図3)が形成されたスリット円板23とスリット22を検出するセンサー24とを有するセンサーユニット25を備えている。尚、複数のスリット22は、スリット円板23の全周に亘って設けられているが、図3では、図を単純化するためにその一部だけ記載され、残りの図示は省かれている。図2図4ではスリット22の図示が全て省かれている。
駆動装置20は、更に駆動モーター11に保持される保持部材26を備えている。即ち、保持部材26は、駆動モーター11が落下等の衝撃を受けて振れる場合に駆動モーター11と一体的に振れる状態で保持されている。別の言い方をすると、保持部材26は、前記落下等の衝撃を駆動モーター11と独立して受けるのではなく一体的に受けるように駆動モーター11に一体化されている。
そして、保持部材26の上記保持状態の下で、スリット円板23は回転軸21に配置され、センサー24は保持部材26に配置されている。
【0039】
<駆動モーター>
駆動モーター11は、上記の通り、キャリッジ6をガントリー4に対してY軸方向に移動させる動力源となるものである。
図2から図4に示したように、本実施形態では、駆動モーター11は、回転軸21として、駆動モーター11の一方の第1端面27から上方に突出する第1回転軸211と、駆動モーター11の他方の第2端面28から下方に突出する第2回転軸212と、を有している。そして、図2図5及び図6に示したように、駆動モーター11は、第1端面27においてフレーム29のモーター固定部56にネジ43、44(図6)によって固定されている。即ち、駆動モーター11は、フレーム29のモーター固定部56の下面に位置する状態で片持ち構造で固定されている。具体的には、図5に示したように、モーター固定部56には貫通孔50、51が形成されている。駆動モーター11は、モーター固定部56の上面側から下面側に向かって、ネジ43、44を各貫通孔50、51にそれぞれ通して駆動モーター11の第1端面27にねじ込むことによって、モーター固定部56の下面に締結固定されている。
【0040】
そして、スリット円板23は、第2回転軸212に配置されている。更に、駆動モーター11は、第1回転軸211の軸受となる第1フランジ部31と、第2回転軸212の軸受となる第2フランジ部32とを有している。
図5に示したように、フレーム29のモーター固定部56には、第1フランジ部31が貫通できる貫通孔55が形成されている。駆動モーター11は、その第1フランジ部31が貫通孔55をモーター固定部56の下面側から上面側に貫通し、上方に突出する状態でモーター固定部56に固定される。尚、図3図6においては、図面を解り易くするためにフレーム29の図示が省かれている。
【0041】
上記の通り、駆動モーター11は、ガントリー4のY軸方向における-Y方向側の端部に配置されている(図1)。駆動モーター11の第1回転軸211にはピニオン46が取り付けられている。また、ガントリー4のY軸方向における+Y方向側の端部には、図示を省く歯付きプーリーが配置されている。そして、無端で歯付きのタイミングベルト47が、-Y方向側に位置するピニオン46と+Y方向側に位置する前記歯付きプーリーとに張架されている、即ち張った状態で架け渡されている。
これにより、駆動モーター11の回転がピニオン46からタイミングベルト47に伝わり、タイミングベルト47が周回するように移動することで、キャリッジ6がガントリー4に対してY軸方向に移動するように構成されている。尚、タイミングベルト47の歯57は全体にわたって設けられているが、ここでは、その歯57の一部だけを記載し、残りの記載は省かれている。
【0042】
<保持部材>
図2図3及び図6に示したように、保持部材26は、回転軸21の軸方向(Z軸方向)に沿う基体部33と、基体部33の一端から軸方向(Z軸方向)と交差する方向(X軸方向)に延設され、第1フランジ部31と係合する第1係合部34を有する第1延設部35と、基体部33の他端から軸方向(Z軸方向)と交差する方向(X軸方向)に延設され、第2フランジ部32と係合する第2係合部36を有する第2延設部37と、を備えている。
そして、図2に示したように、保持部材26は、駆動モーター11に保持された状態で、第1延設部35の下面がフレーム29の上面に接する配置でネジ45によって固定されている。即ち、保持部材26は、第1延設部35の第1係合部34が駆動モーター11の第1フランジ部31に係合し、第2延設部37の第2係合部36が駆動モーター11の第2フランジ部32に係合した状態で、第1延設部35がフレーム29にネジ45で固定されている。図5において、符号54は、ネジ45が通る貫通孔である。
【0043】
<センサーユニット>
センサーユニット25は、上記の通り、複数のスリット22(図3)が形成されたスリット円板23と、スリット22を検出するセンサー24との対で構成されている。センサーユニット25は、回転するスリット円板23のスリット22をセンサー24でカウントすることで駆動モーター11の回転量をセンシングすることができる。
図3図4に示したように、スリット円板23は、駆動モーター11の第2回転軸212にホルダー48を介して第2回転軸212と一体に回転するように取り付けられている。一方、センサー24は、保持部材26に取り付けられている。具体的には、センサー24は、保持部材26の第2延設部37の2ヶ所に設けられた2つの突円柱49にネジ52,53で固定されている。
【0044】
本実施形態では、図2図6に示したように、保持部材26は、その第1延設部35が、基体部33の一端である上端にネジ38,39で固定されることで基体部33と一体化されている。更に、第1係合部34は、第1フランジ部31が貫通して係合する貫通穴40で構成されている。本実施形態では、第1延設部35は、貫通穴40のY軸方向における両側に位置するネジ43、44をそれぞれ開放する開放孔58、59が貫通穴40に連なって形成されている。開放孔58、59は、貫通穴40とつながっている。
一方、保持部材26の第2延設部37の第2係合部36は、図3に示したように、第2フランジ部32が軸方向(Z軸方向)と交差する方向(+X方向)から進入可能な入り口41を有する略U字状のスナップフィット構造42で構成されている。基体部33と第2延設部37は、樹脂材による一体成形で作られている。
【0045】
<実施形態1の効果の説明>
(1)本実施形態では、駆動モーター11とスリット円板23とセンサー24は、保持部材26によって一体化されている。これにより、装置が落下衝撃を受けた場合に、駆動モーター11とスリット円板23とセンサー24が一体的に振れる、或いは同期して振れることになる。以って、駆動モーター11とスリット円板23とセンサー24の配置ズレの発生を小さく抑えることができる。
(2)また、駆動モーター11が上記片持ち構造である場合、両持ち構造に比して構造的に落下衝撃を大きく受ける。本実施形態は、このような駆動モーター11が片持ち構造である装置に適用することで、その得られる効果は大きい。
【0046】
(3)また、本実施形態では、保持部材26は、基体部33と、第1フランジ部31と係合する第1係合部34を有する第1延設部35と、第2フランジ部32と係合する第2係合部36を有する第2延設部37とを備えている。更に、保持部材26は、第1延設部35の第1係合部34が駆動モーター11の第1フランジ部31に係合し、第2延設部37の第2係合部36が駆動モーター11の第2フランジ部32に係合した状態で、即ち駆動モーター11に保持された状態で、第1延設部35がフレーム29に締結固定されている。これにより、装置が落下衝撃を受けた場合に、駆動モーター11とスリット円板23とセンサー24が一層強固な状態で一体的に振れることになり、以って駆動モーター11とスリット円板23とセンサー24の配置ズレの発生を一層小さく抑えることができる。
【0047】
(4)また、本実施形態では、第1延設部35は、基体部33の一端にネジ38、39で固定されている。即ち、第1延設部35は、基体部33及び第2延設部37と分離可能な別体構造に構成されている。これにより、第1係合部34の第1フランジ部31への係合の作業及び第2係合部36の第2フランジ部32への係合の作業が行い易い。
また、第1係合部34は第1フランジ部31が貫通して係合する貫通穴40であり、第2係合部36は、第2フランジ部32が回転軸21の軸方向(X軸方向)と交差する方向(X軸方向)から進入可能な入り口41を有するスナップフィット構造42である。これにより、即ち貫通孔40及びスナップフィット構造42により、前記係合の作業が行い易いことに加えて、駆動モーター11との強固な一体性を実現することができる。
【0048】
(5)また、本実施形態の測色装置では、駆動装置20の上記構造によって、落下衝撃時における測色装置の耐性を向上することができる。
【0049】
[実施形態2]
次に、図7から図12に基いて、実施形態2に係る駆動装置60について説明する。実施形態1と同一部分については同一符号を付して、その構成及び対応する効果の説明は省略する。
本実施形態の駆動装置60は、図7に示したように、支持台2の下面64に設けられている。駆動装置60は、第1プーリー61と、第2プーリー62と、タイミングベルト63を備えている。タイミングベルト63は、第1プーリー61と第2プーリー62とに張架されている無端の歯付きベルトである。第1プーリー61は、支持台2の+X方向における端部で且つ-Y方向の端部に位置する。第2プーリー62は、支持台2の-X方向における端部で且つ-Y方向の端部に位置する。
本実施形態では、駆動装置60は、更に、第3プーリー65と、第4プーリー66と、タイミングベルト67を備えている。第3プーリー65は、支持台2の+X方向における端部で且つ+Y方向の端部に位置する。第4プーリー66は、支持台2の-X方向における端部で且つ+Y方向の端部に位置する。
【0050】
<軸部材、軸受け>
図11図12に示したように、第1プーリー61は、軸部材76を有し、フレーム78に取り付けられている軸受け77に回転可能に支持されている。軸受け77は、フレーム78の被挿入部85(図12)に挿入されて取り付けられている。第3プーリー65も第1プーリー61と同様に図示を省く軸部材を有し、フレーム79(図7)に取り付けられている図示を省く軸受けに回転可能に支持されている。第1プーリー61は、駆動モーター69からギア輪列70を介して動力が伝達されて回転駆動する。
図8に示したように、ギア輪列70は、駆動モーター69の回転軸83に取り付けられたピニオン80と、第1プーリー61の軸部材76に取り付けられた第1ギア81と、ピニオン80の回転を第1ギア81に伝達する伝達ギアである第2ギア82で構成されている。図11図12においては、ギア輪列70の図示は省かれている。
本実施形態では、軸受け77は、円柱体形状の挿入部86と、挿入部86より大径であるフランジ部87とで構成されている。軸受け77は、被挿入部85に+Y側から-Y側に向かって挿入され、フランジ部87がフレーム78の+Y側の面に接した状態で取り付けられている。
【0051】
図7図11及び図12に示したように、第1プーリー61の軸部材76と第3プーリー65の前記軸部材は、連結軸68によって一体に回転するように連結されている。第1プーリー61が駆動モーター69からギア輪列70を介して動力が伝達されて回転すると、連結軸68が回転するので第3プーリー65も一体に回転する。第1プーリー61と第3プーリー65が一体的に回転することでタイミングベルト63、67が同じ移動速度で周回する。
ガントリー4は、タイミングベルト63、67が周回移動することで支持台2に対してX軸方向に移動する。尚、タイミングベルト63、67の歯71は全体にわたって設けられているが、ここでは、その歯71の一部だけを記載し、残りの記載は省かれている。
【0052】
<ベルト規制部>
図8及び図9に示したように、本実施形態では、駆動装置60は、タイミングベルト63のずれ移動を規制するベルト規制部72を備えている。このベルト規制部72は、第1プーリー61に張架された部位におけるタイミングベルト63の外周面73に沿って形成された規制面74を有する。
図10に示したように、本実施形態では、規制面74は、第1プーリー61の部位におけるタイミングベルト63の円弧の部分が占める180度の範囲75(図8)以上に亘って存在するように、略U字形状に形成されている。尚、規制面74は、前記180度の範囲75以上に亘って存在するのが望ましいが、設計の仕様等によって180度以下の範囲に存在する構成にしてもよい。
【0053】
本実施形態では、図10に示したように、ベルト規制部72は、規制面74を有する第1板部88と、第1板部88の板面に沿って位置し、フレーム78に固定される第2板部89と、第1板部88と第2板部89とを連結する連結板部90とを備える。第2板部89は、貫通孔91が形成されており、ネジ92によってフレーム78に固定される。即ち、第2板部89をネジ92によってフレーム78に固定することで、第1板部88の規制面74が、タイミングベルト63の円弧の部分が占める180度の範囲75に存在するように設計される。別の言い方をすると、第2板部89をフレーム78に固定することで、第1板部88の規制面74が、タイミングベルト63の落下衝撃時のずれ移動を規制する位置に存在するように設計される。
【0054】
<抜け規制部>
図9から図11に示したように、本実施形態では、更に、軸受け77が被挿入部85から抜ける方向(+Y方向)への移動を規制する抜け規制部93を備えている。この抜け規制部93は、図10に示した形状で第2板部89に設けられている。第1板部88、第2板部89、連結板部90、及び抜け規制部93は、樹脂材の一体成形によって作られている。
本実施形態では、軸受け77は、+Y方向には抜けるが、-Y方向にはフランジ部87によって抜けない構造である。そのため、抜け規制部93は、フランジ部87側にだけ設けられている。尚、抜け規制部93はフランジ部87と隙間95を有して配置されている。この隙間95により、軸受け77はY軸方向に僅かに移動する自由がある。
【0055】
<実施形態2の効果の説明>
(1)本実施形態では、ベルト規制部72は、第1プーリー61に張架された部位におけるタイミングベルト63の外周面73に沿って形成された規制面74を有する。これにより、落下衝撃を受けた場合でも、規制面74によって第1プーリー61に対するタイミングベルト63のずれが規制される。以って、第1プーリー61からのタイミングベルト63の外れや歯飛びを抑制することができる。
(2)また、本実施形態では、規制面74は、第1プーリー61の部位におけるタイミングベルト63の円弧の部分が占める180度の範囲75以上に亘って存在する。これにより、第1プーリー61からのタイミングベルト63の外れや歯飛びを効果的に抑制することができる。
【0056】
(3)また、本実施形態では、ベルト規制部72は、規制面74を有する第1板部88と、第1プーリー61の軸受け77が取り付けられるフレーム78に固定される第2板部89と、第1板部88と第2板部89とを連結する連結板部90とを備える。これにより、タイミングベルト63の円弧の部分が占める180度の範囲75以上に亘って規制面74が存在するように配置する構造を容易に実現することができる。
【0057】
(4)また、本実施形態では、軸受け77は、前記落下衝撃を受けた場合にフレーム78の被挿入部85から抜ける方向(+Y方向)に力がかかる場合がある。本実施形態によれば、抜け規制部93が軸受け77の被挿入部85から抜ける方向への移動を規制する。これにより、前記落下衝撃を受けた場合でも、軸受け77が被挿入部85から抜ける虞を低減することができる。
(5)また、本実施形態では、抜け規制部93は、第2板部89に設けられている。即ち、ベルト規制部72をフレーム78に固定するための構成要素である第2板部89に、軸受け77の抜けを規制する機能を兼備させているので、部品点数を増加せず、小型化を図ることができる。
【0058】
(6)また、本実施形態の測色装置では、駆動装置60によって、落下衝撃時における測色装置の耐性を向上することができる。
【0059】
[実施形態3]
実施形態3の駆動装置は、実施形態2の駆動装置60における軸受け77と抜け規制部93を主要構成とするものである。実施形態2における規制面74及び規制面74を有する第1板部88は、実施形態3の構成要素からは外されている点で相違するものである。そのため、実施形態3は実施形態2と共通の図面と符号を用いて説明する。
【0060】
実施形態3の駆動装置60は、図7及び図9から図12に示したように、第1プーリー61と、第2プーリー62と、第1プーリー61と第2プーリー62とに張架されたタイミングベルト63とを備えている。更に、第1プーリー61に接続され、第1プーリー61の回転軸線94(図12)に沿った方向(X軸方向)に配置された軸部材76(図11図12)と、軸部材76を回転可能に支持する軸受け77と、軸受け77が被挿入部85に挿入された状態で取り付けられるフレーム78とを備えている。そして、抜け規制部93が、軸受け77が被挿入部85から抜ける方向(+Y方向)への移動を規制するように設けられている。その他の構成部材については、実施形態2と同様であるので、その説明は省略する。
【0061】
<実施形態3の効果の説明>
(1)本実施形態の駆動装置60は、軸受け77がフレーム78の被挿入部85から抜ける方向への移動を規制する抜け規制部93を備えている。これにより、落下衝撃を受けた場合でも、軸受け77がフレーム78から外れることを抑制できる。
(2)また、本実施形態の測色装置では、駆動装置60によって、落下衝撃時における測色装置の耐性を向上することができる。
【0062】
〔他の実施形態〕
本発明に係る駆動装置20、60及び測色装置1は、以上述べた実施形態の構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことは勿論可能である。
上記各実施形態1で駆動装置20、60を備える装置は測色装置として説明したが、この測色装置に限定されず、落下衝撃による耐性を向上できるものであれば、測色装置以外のものでもよい。
【0063】
また、実施形態2では、ベルト規制部72は、第1プーリー61の部位に配置されている場合を説明したが、第2プーリー62、第3プーリー65、第4プーリー66の部位のいずれかの部位、又は総ての部位にも配置してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…測色装置、2…支持台、3…本体部、4…ガントリー、5…測色器、
6…キャリッジ、7…USBケーブル、8…フロント面、9…リア面、
10…電源ボタン、11…駆動モーター、12…外装、20…駆動装置、
21…回転軸、22…スリット、23…スリット円板、24…センサー、
25…センサーユニット、26…保持部材、27…第1端面、28…第2端面、
29…フレーム、31…第1フランジ部、32…第2フランジ部、33…基体部、
34…第1係合部、35…第1延設部、36…第2係合部、37…第2延設部、
38…ネジ、39…ネジ、40…貫通穴、41…入り口、
42…スナップフィット構造、43…ネジ、44…ネジ、45…ネジ、
46…ピニオン、47…タイミングベルト、48…ホルダー、49…突円柱、
50…貫通孔、51…貫通孔、52…ネジ、53…ネジ、54…貫通孔、
55…貫通孔、56…モーター固定部、57…歯、58…開放孔、59…開放孔、
60…駆動装置、61…第1プーリー、62…第2プーリー、
63…タイミングベルト、64…下面、65…第3プーリー、66…第4プーリー、
67…タイミングベルト、68…連結軸、69…駆動モーター、70…ギア輪列、
71…歯、72…ベルト規制部、73…外周面、74…規制面、
75…180度の範囲、76…軸部材、77…軸受け、78…フレーム、
79…フレーム、80…ピニオン、81…第1ギア、82…第2ギア、
83…回転軸、85…被挿入部、86…挿入部、87…フランジ部、88…第1板部、89…第2板部、90…連結板部、91…貫通孔、92…ネジ、93…抜け規制部、94…回転軸線、95…隙間、211…第1回転軸、212…第2回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12