(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169911
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241129BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241129BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G03B21/14 E
H05K5/02 B
G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086772
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】大月 伸行
(72)【発明者】
【氏名】玉井 聡志
【テーマコード(参考)】
2K203
4E360
【Fターム(参考)】
2K203FB04
2K203KA02
2K203KA62
2K203MA40
4E360AB42
4E360AB61
4E360AC05
4E360AC16
4E360GB51
(57)【要約】
【課題】レバーを目立たなくすることが可能なプロジェクターを提供する。
【解決手段】設置面と対向する対向面を有し、設置面に配置される外装筐体と、対向面からの突出量を調節可能な軸部、及び、軸部に設けられた複数の被係合部を有し、軸部の先端が設置面と接触する第1脚部と、複数の被係合部のうち少なくとも1つに係合して軸部を固定する係合部を有し、回転軸を中心に回転可能に設けられたレバーと、係合部が被係合部に係合する第1回転方向にレバーを付勢する付勢部材と、を備え、外装筐体は、対向面と連続し、レバーの一部が露出する第1側面と、対向面に設けられ、設置面に向かって開口する収容凹部と、第1側面の一部を構成し、収容凹部における第1側面側の辺縁を構成する壁部とを有し、レバーは、第1回転方向とは反対方向にレバーが回転されて係合部と被係合部との係合が解除されたときに、収容凹部の内部に挿入される挿入部を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面と対向する対向面を有し、前記設置面に配置される外装筐体と、
前記対向面からの突出量を調節可能な軸部、及び、前記対向面からの前記軸部の突出方向に沿って前記軸部に設けられた複数の被係合部を有し、前記軸部の先端が前記設置面と接触する第1脚部と、
前記複数の被係合部のうち少なくとも1つの被係合部に係合して、前記軸部を固定する係合部を有し、回転軸を中心に回転可能に設けられたレバーと、
前記係合部が前記少なくとも1つの被係合部に係合する第1回転方向に前記レバーを付勢する付勢部材と、を備え、
前記外装筐体は、
前記対向面と連続し、前記レバーの一部が露出する第1側面と、
前記対向面に設けられ、前記設置面に向かって開口する収容凹部と、
前記第1側面における一部を構成し、前記収容凹部における前記第1側面側の辺縁を構成する壁部と、を有し、
前記レバーは、前記第1回転方向とは反対方向に前記レバーが回転されて前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部との係合が解除されたときに、前記収容凹部の内部に挿入される挿入部を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記挿入部の端部は、前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部とが係合している場合、前記壁部の先端部を通り、かつ、前記設置面に沿う第1仮想面と交差する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体は、前記対向面に前記設置面と接触する第2脚部を有し、
前記第1脚部と前記第2脚部とは、合わせて3つ以上設けられ、
前記壁部の先端部を通り、かつ、前記設置面に沿う第1仮想面は、前記第1脚部及び前記第2脚部のそれぞれの前記設置面と接触する部分を通る第2仮想面と平行である、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体は、
前記外装筐体において前記第1側面とは反対側に設けられた第2側面と、
前記第1側面と前記対向面とに跨り、前記第2側面に向かうに従って前記設置面に近接する筐体側傾斜面と、を有し、
前記収容凹部は、前記筐体側傾斜面にて前記設置面に向かって開口している、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項4に記載のプロジェクターにおいて、
前記レバーは、前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部とが係合する前記レバーの係合位置において、前記外装筐体の外部に露出する外面を有し、
前記外面は、
前記筐体側傾斜面に沿う第1傾斜面と、
前記第1傾斜面に対して前記挿入部側に設けられ、前記筐体側傾斜面よりも内側に配置される第2傾斜面と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記収容凹部の底面は、前記係合部が前記少なくとも1つの被係合部から離間したときに前記挿入部が接触して、前記回転軸を中心とする前記レバーの回転を規制する規制面である、ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設置面と接触する脚部を備えたプロジェクターが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、本体からの突出量を調整可能な2つの脚を備える。各脚の突出量は、脚部の外周に形成されたラック状の複数の凹部と係合する係止手段を操作することによって調節される。具体的に、係止手段の操作部を上方向に移動させると、係止手段において凹部と係合する係止片が凹部から離間し、これにより、本体からの脚の突出、及び、本体に対する脚の挿入が可能となる。一方、操作部を下方向に移動させると、係止片が凹部と係合し、これにより、脚が係止される。
【0003】
特許文献2に記載のプロジェクターは、チルトフット機構を備える。チルトフット機構は、操作部を有するレバーと、レバーの部分円筒部に挿通される棒状の雄ねじ部を有するフットと、を備える。レバーの一部には、雄ねじ部と噛合する雌ねじ部が設けられている。操作部が押圧されてレバーが後方に回転されると、雌ねじ部が雄ねじ部から離間することによって、フットはベースに対して雄ねじ部の長手方向に移動可能となる。一方、操作部への押圧が解除されると、ばねの弾性力によって、レバーは前方に回転され、雌ねじ部が雄ねじ部に圧接される。これにより、フットがベースに再び固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第98/12601号
【特許文献2】国際公開第2011/010360号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載のプロジェクターのように、脚部の突出量を調節するレバーは、プロジェクターの底面に近い位置に設置される。これに対し、レバーの操作性の観点から、ユーザーがレバーの存在を認識できるように、レバーは、比較的目立つように設置されている。
近年、よりデザイン性が高いプロジェクターが要望されており、シンプルな外観を有するプロジェクターの需要が高まっている。このような需要の高まりから、脚部の突出量を調整するレバーを目立たなくすることが可能な構成が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るプロジェクターは、設置面と対向する対向面を有し、前記設置面に配置される外装筐体と、前記対向面からの突出量を調節可能な軸部、及び、前記対向面からの前記軸部の突出方向に沿って前記軸部に設けられた複数の被係合部を有し、前記軸部の先端が前記設置面と接触する第1脚部と、前記複数の被係合部のうち少なくとも1つの被係合部に係合して、前記軸部を固定する係合部を有し、回転軸を中心に回転可能に設けられたレバーと、前記係合部が前記少なくとも1つの被係合部に係合する第1回転方向に前記レバーを付勢する付勢部材と、を備え、前記外装筐体は、前記対向面と連続し、前記レバーの一部が露出する第1側面と、前記対向面に設けられ、前記設置面に向かって開口する収容凹部と、前記第1側面における一部を構成し、前記収容凹部における前記第1側面側の辺縁を構成する壁部と、を有し、前記レバーは、前記第1回転方向とは反対方向に前記レバーが回転されて前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部との係合が解除されたときに、前記収容凹部の内部に挿入される挿入部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
【
図2】第1実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
【
図3】第1実施形態に係るロアーケースの一部を拡大して示す斜視図。
【
図8】第1実施形態に係るロアーケース及び調節脚部を示す断面図。
【
図9】第1実施形態に係るロアーケース及び調節脚部を示す断面図。
【
図10】第1実施形態に係るプロジェクターを示す正面図。
【
図11】第2実施形態に係るプロジェクターが備えるロアーケース及び調節脚部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの構成]
図1及び
図2は、本実施形態に係るプロジェクター1を示す斜視図である。詳述すると、
図1は、下方正面側から見たプロジェクター1を示す斜視図であり、
図2は、上方背面側から見たプロジェクター1を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、画像情報に応じた画像光を被投射面に投射する。プロジェクター1は、
図1及び
図2に示すように、外装筐体2を備える。
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Y方向は、
図2に示すように、プロジェクター1が設置される設置面SFに対して垂直に起立する方向である。+Y方向からプロジェクター1を見た場合、+Z方向は、プロジェクター1が画像光を投射する方向である。
図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。図示を省略するが、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。
【0009】
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、
図1及び
図2に示すように、プロジェクター1の外装を構成する筐体である。外装筐体2は、+Y方向の部分を構成するアッパーケース2Aと、-Y方向の部分を構成するロアーケース2Bと、を備え、アッパーケース2Aとロアーケース2Bとが組み合わされて略直方体形状に構成されている。外装筐体2は、正面21、背面22、右側面23、左側面24、天面25、底面26及び傾斜面28を有する。
正面21、背面22、右側面23及び左側面24のそれぞれは、アッパーケース2Aにおける-Y方向の部分とロアーケース2Bにおける+Y方向の部分とによって構成される。天面25は、アッパーケース2Aによって構成され、底面26は、ロアーケース2Bによって構成される。
【0010】
正面21と背面22とは、Z軸において互いに反対側となる面である。正面21は、第1側面に相当し、背面22は、第2側面に相当する。
正面21は、
図1に示すように、外装筐体2において+Z方向を向く側面であり、底面26と連続している。正面21には、被投射面に投射される画像光が通過する投射口211が設けられている。
背面22は、
図2に示すように、外装筐体2において+Z方向を向く側面である。背面22における-Y方向の部分は、図示しないスピーカーユニットを-Z方向にて覆うファブリックユニットFBによって構成されている。
【0011】
右側面23と左側面24とは、X軸において互いに反対側となる面である。上記したファブリックユニットFBは、背面22から右側面23の一部と左側面24の一部とに跨って配置されている。
右側面23は、
図2に示すように、外装筐体2において+X方向を向く側面である。右側面23には、電源ボタン231、接続端子232~235及びインレット236が設けられている。
左側面24は、
図1に示すように、外装筐体2において-X方向を向く側面である。左側面24には、外装筐体2内を流通した冷却気体を排出する排出口241,242が設けられている。
天面25と底面26とは、Y軸において互いに反対側となる面である。
天面25は、
図2に示すように、外装筐体2において+Y方向を向く側面である。
【0012】
[底面の構成]
底面26は、
図1に示すように、外装筐体2において-Y方向を向く面である。詳述すると、底面26は、設置面SFにプロジェクター1が載置されたときに、設置面SFと対向する対向面である。
底面26には、第1導入口261、第2導入口262、第3導入口263、突出部264、固定脚部265、配置部266及び調節脚部3が設けられている。すなわち、プロジェクター1は、調節脚部3を備える。
【0013】
第1導入口261は、底面26において+X方向かつ+Z方向の部分に配置され、第2導入口262は、底面26において-X方向かつ+Z方向の部分に配置されている。第3導入口263は、底面26において-Z方向の端部で、かつ、X軸における略中央に配置されている。
各導入口261~263は、外装筐体2の外部の気体を外装筐体2の内部に、冷却気体として導入する。外装筐体2の内部に導入された冷却気体は、外装筐体2の内部に配置された図示しないファンによって、冷却対象に流通する。冷却対象を冷却した冷却気体は、排出口241,242から外装筐体2の外部に排出される。
【0014】
突出部264は、Z軸において導入口261,262と導入口263との間にて-Y方向に突出した部分であり、-Y方向から見て略矩形状に形成されている。
固定脚部265は、第2脚部に相当する。固定脚部265は、突出部264における+X方向かつ-Z方向の隅部と、突出部264における-X方向かつ-Z方向の隅部とのそれぞれに設けられている。固定脚部265は、
図2に示すように、プロジェクター1が設置面SF上に載置されたときに、設置面SFと接触する。固定脚部265は、調節脚部3とは異なり、底面26から-Y方向への突出量を調節できない脚部である。
【0015】
図3は、正面21側のロアーケース2Bの部分を拡大して示す斜視図である。詳述すると、
図3は、-X方向かつ-Y方向から見たロアーケース2Bを示す斜視図である。
配置部266は、
図1及び
図3に示すように、第1導入口261と第2導入口262との間に設けられ、調節脚部3が配置される凹状部分である。配置部266は、
図3に示すように、固定部267、貫通部268、突出部269、切欠部270、収容凹部271、壁部272及び規制面273を有する。
【0016】
固定部267は、
図1に示したねじSCが固定される部分である。ねじSCは、調節脚部3の後述する支持部材5をロアーケース2Bに固定する固定部材である。
貫通部268は、ロアーケース2BをY軸に沿って貫通している。貫通部268には、調節脚部3の後述する脚部本体4がY軸に沿って挿通される。
突出部269は、配置部266の底部から-Y方向に突出した部分である。詳述すると、突出部269は、-Z方向に向かうに従って-Y方向に突出した部分である。
切欠部270は、突出部269をZ軸に沿って切り欠いた部分である。切欠部270は、突出部269に2つ設けられており、各切欠部270には、調節脚部3の後述するレバー6を構成するリブ64が配置される。なお、2つの切欠部270によって分断される3つの突出部269のうち、2つの切欠部270に挟まれる1つの突出部269は、調節脚部3の後述する付勢部材7が外装筐体2の外部から視認されることを抑制する目隠し部として機能する。
【0017】
収容凹部271は、突出部269に対する+Z方向に設けられ、+Y方向に凹んだ凹状部分である。収容凹部271には、レバー6が後述する第2回転方向D2に回転されたときに、レバー6の後述する挿入部66が挿入される。
壁部272は、正面21の一部を構成する。すなわち、壁部272における+Z方向の面は、正面21の一部である。壁部272は、収容凹部271の辺縁のうち正面21側の辺縁を形成する。すなわち、壁部272における-Y方向の端部は、収容凹部271の底部から-Y方向に離間している。換言すると、収容凹部271は、壁部272における-Y方向の端部から+Y方向に凹んでいる。
規制面273は、収容凹部271の底面である。規制面273には、レバー6が第2回転方向D2に回転されたときに、挿入部66の端部が接触する。これにより、レバー6が必要以上に第2回転方向D2に回転されることが規制される他、後述する脚部本体4の被係合部43からレバー6の後述する係合部62が離間したことをユーザーが把握できる。
【0018】
[傾斜面の構成]
傾斜面28は、ロアーケース2Bにおいてアッパーケース2A側の部分に、正面21、背面22、右側面23及び左側面24と底面26とに跨るように設けられている。傾斜面28は、正面側傾斜面28A、背面側傾斜面28B、右側傾斜面28C及び左側傾斜面28Dを含む。
正面側傾斜面28Aは、正面21における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。正面側傾斜面28Aは、正面21と底面26とに跨り、正面21とは反対側の背面22に向かうに従って設置面SFに近接する面である。上記した配置部266における+Z方向の部分は、正面側傾斜面28Aにて設置面SF側及び正面21側に開口している。具体的に、収容凹部271は、正面側傾斜面28Aにて設置面SFに向かって開口している。
【0019】
背面側傾斜面28Bは、背面22における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。右側傾斜面28Cは、右側面23における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。左側傾斜面28Dは、左側面24における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。背面側傾斜面28B、右側傾斜面28C及び左側傾斜面28Dは、正面側傾斜面28Aと同様に傾斜している。
【0020】
[調節脚部の構成]
図4及び
図5は、調節脚部3を示す斜視図である。詳述すると、
図4は、+Z方向から見た調節脚部3を示す斜視図であり、
図5は、-Z方向から見た調節脚部3を示す斜視図である。
調節脚部3は、
図1に示すように、底面26の配置部266に配置され、底面26からの突出量を調節可能な脚部である。調節脚部3は、
図4及び
図5に示すように、脚部本体4、支持部材5、レバー6及び付勢部材7を備える。
【0021】
[脚部本体の構成]
図6は、+Z方向から見た調節脚部3を示す斜視図である。なお、
図6では、支持部材5の図示を省略している。
脚部本体4は、第1脚部に相当する。脚部本体4は、
図4~
図6に示すように、軸部41、設置部42、被係合部43及び脱落防止部44を備える。
軸部41は、Y軸に沿う四角柱状に形成されている。軸部41は、脚部本体4を支持する支持部材5が配置部266に固定されることによって、底面26に対してY軸に沿ってスライド可能となる。詳述すると、軸部41は、-Y方向にスライドされて、底面26から-Y方向に突出可能である他、+Y方向にスライドされて、底面26に対して+Y方向に挿入可能である。
【0022】
設置部42は、軸部41における-Y方向の端部に設けられている。すなわち、設置部42は、底面26から突出する軸部41の先端に設けられている。設置部42は、脚部本体4が底面26に配置されたときに、底面26に対して-Y方向に配置される。設置部42は、プロジェクター1が設置面SFに設置されたときに、設置面SFと接触する。設置部42は、ゴム等の樹脂によって形成されている。
被係合部43は、レバー6の係合部62が係合可能な部分である。被係合部43は、底面26からの軸部41の突出方向に沿って軸部41の外面に複数設けられている。具体的に、複数の被係合部43のそれぞれは、軸部41の外面にY軸に沿って配列された凸部によって構成されている。複数の被係合部43の少なくとも1つには、レバー6の係合部62が係合し、これにより、軸部41、ひいては、脚部本体4のY軸に沿うスライドが規制される。
脱落防止部44は、軸部41における+Y方向の端部に設けられている。脱落防止部44は、支持部材5からの軸部41の脱落、ひいては、底面26からの脚部本体4の脱落を防止する。
【0023】
[支持部材の構成]
支持部材5は、Y軸に沿ってスライド可能に脚部本体4を支持する他、X軸に沿う回転軸Rxを中心にレバー6を回転可能に支持する。支持部材5は、脚部本体4、レバー6及び付勢部材7を支持した状態にて、配置部266に-Y方向から挿入され、
図1に示したねじSCによって配置部266に固定される。
【0024】
[レバーの構成]
図7は、YZ平面に沿う調節脚部3の断面を示す図である。
レバー6は、支持部材5が配置部266に固定されることによって、回転軸Rxを中心に回転可能に外装筐体2に設けられる。レバー6は、脚部本体4が固定された固定状態と、脚部本体4をY軸に沿ってスライド可能なスライド可能状態とを切り替える。具体的に、レバー6は、
図7に示すように、+X方向から見て反時計回りの方向である第1回転方向D1に回転することによって、脚部本体4の被係合部43と係合して、脚部本体4の状態を固定状態とする。レバー6は、第1回転方向D1とは反対方向である第2回転方向D2に回転することによって被係合部43から離間して、脚部本体4の状態をスライド可能状態とする。
【0025】
レバー6は、
図6及び
図7に示すように、回転軸部61、係合部62、被付勢部63、リブ64、操作部65及び挿入部66を有する。
回転軸部61は、支持部材5に支持されて、レバー6の回転軸Rxを構成する。回転軸部61は、レバー6において脚部本体4側の位置で、かつ、係合部62よりも+Y方向の位置に配置されている。回転軸部61は、+X方向及び-X方向に突出する円柱状に形成されている。
【0026】
係合部62は、回転軸部61に対する-Y方向の位置で、かつ、被係合部43と対向する位置に設けられている。係合部62は、被係合部43のうち少なくとも1つの被係合部43と係合して、脚部本体4を固定する。本実施形態では、係合部62は、複数の被係合部43のうち、隣り合う4つの被係合部43のそれぞれの間に挿入される3つの凸部によって構成されている。このような係合部62が被係合部43と係合することによって、Y軸に沿う脚部本体4の移動が規制され、ひいては、脚部本体4が固定される。
なお、係合部62は、隣り合う2つの被係合部43の間に挿入される1つの凸部であってもよい。すなわち、係合部62を構成する凸部の数は、適宜変更可能である。
【0027】
被付勢部63は、回転軸部61に対して脚部本体4とは反対側に設けられ、付勢部材7による付勢力が作用する。詳しくは後述するが、付勢部材7は、係合部62が被係合部43に係合する第1回転方向D1にレバー6を回転させる付勢力を作用させる。このため、ユーザーによってレバー6が操作されていない状態では、係合部62が被係合部43と係合する位置にレバー6は配置される。
本実施形態では、付勢部材7が圧縮コイルばねによって構成されているため、被付勢部63は、付勢部材7における-Y方向の端部に挿入される凸部と、付勢部材7における-Y方向の端部が挿入される凹部とによって構成されている。
【0028】
リブ64は、
図6に示すように、被付勢部63をX軸にて挟むとともに、Z軸に沿って延出して回転軸部61と挿入部66とを接続する。レバー6が配置部266に配置された場合に、リブ64のそれぞれは、
図3に示した切欠部270に-Y方向から挿入される。
【0029】
操作部65は、レバー6において、-Y方向に開口する配置部266を介して外装筐体2の外部に露出する部分であり、ユーザーによって操作される部分である。すなわち、操作部65は、外装筐体2の正面21側及び底面26側に露出するレバー6の外面である。
詳述すると、操作部65は、被付勢部63に対して回転軸部61とは反対側に設けられ、レバー6において-Y方向及び+Z方向を向く。操作部65は、レバー6が配置部266に配置されたときに、正面側傾斜面28Aに沿う。
【0030】
操作部65は、第1傾斜面651及び第2傾斜面652を有する。
第1傾斜面651は、正面側傾斜面28Aに沿う曲面状に形成された傾斜面である。
第2傾斜面652は、第1傾斜面651に対して+Y方向かつ+Z方向に、第1傾斜面651と連続して形成されている。すなわち、第2傾斜面652は、第1傾斜面651に対して挿入部66側に設けられている。
第2傾斜面652は、第1傾斜面651に交差している。具体的に、係合部62が被係合部43と係合している状態では、
図7に示すように、設置面SFに沿う仮想面VSに対する第2傾斜面652の角度は、仮想面VSに対する第1傾斜面651の角度よりも大きい。このため、詳しくは後述するが、レバー6が配置部266に配置された状態では、第1傾斜面651は、正面側傾斜面28Aに沿って配置され、第2傾斜面652は、正面側傾斜面28Aに対して外装筐体2の内側に配置される。
なお、仮想面VSは、各固定脚部265において設置面SFと接触する部分と、脚部本体4の設置部42において設置面SFと接触する部分とを結ぶ仮想面と平行である。
【0031】
挿入部66は、レバー6において操作部65に対する+Y方向かつ+Z方向に、第2傾斜面652と連続して設けられている。挿入部66は、レバー6において回転軸部61とは反対側の端部に設けられている。
挿入部66は、第2回転方向D2にレバー6が回転されたときに、
図3に示した収容凹部271内に-Y方向から挿入される。
【0032】
[付勢部材の構成]
付勢部材7は、レバー6を付勢する。詳述すると、付勢部材7は、係合部62が被係合部43と係合する第1回転方向D1にレバー6を付勢する。付勢部材7は、支持部材5の内部に配置され、付勢部材7の一端は、支持部材5に係止され、付勢部材7の他端は、レバー6の被付勢部63と接触する。
本実施形態では、付勢部材7は、圧縮コイルばねによって構成されている。しかしながら、これに限らず、付勢部材7は、捻りコイルばね及び板ばね等の他のばねであってもよく、ゴム体等の弾性部材であってもよい。
【0033】
[レバーの作用]
図8は、レバー6が第2回転方向D2に回転された状態のロアーケース2B及び調節脚部3のYZ平面に沿う断面を示す図である。すなわち、
図8は、脚部本体4の状態がスライド可能状態である場合のロアーケース2B及び調節脚部3のYZ平面に沿う断面を示す図である。なお、
図8では、複数の被係合部43のうち一部の被係合部43のみ符号を付す。
操作部65が、正面側傾斜面28Aをなぞるような指の動きに応じて+Y方向に押し上げられると、レバー6は、回転軸Rxを中心として第2回転方向D2に回転される。収容凹部271内に挿入された挿入部66が規制面273と接触するまでレバー6が第2回転方向D2に回転されると、
図8に示すように、係合部62が、脚部本体4の被係合部43から離間する。これにより、脚部本体4の状態は、上記スライド可能状態となる。
【0034】
図9は、レバー6が第1回転方向D1に回転された状態のロアーケース2B及び調節脚部3のYZ平面に沿う断面を示す図である。すなわち、
図9は、脚部本体4の状態が固定状態であるときのロアーケース2B及び調節脚部3のYZ平面に沿う断面を示す図である。なお、
図9では、複数の被係合部43のうち一部の被係合部43のみ符号を付す。
図10は、脚部本体4の状態が固定状態であるときのプロジェクター1を+Z方向から見た正面図である。
一方、ユーザーによる操作部65の押上が解除されて、レバー6が、付勢部材7の付勢力によって第1回転方向D1に回転されると、係合部62が被係合部43と係合する。この固定状態では、Y軸に沿う脚部本体4のスライドが規制される。これにより、底面26からの突出量が調節された脚部本体4が、レバー6によって固定される。
このとき、
図9に示すように、収容凹部271の内部に配置されていた挿入部66は、レバー6の第1回転方向D1への回転に伴って、収容凹部271の外部に移動する。しかしながら、壁部272における-Y方向の端部と挿入部66における+Y方向の端部との間の隙間は僅かである。このため、+Y方向かつ+Z方向からプロジェクター1を見た場合には、
図10に示すように、挿入部66と壁部272との間に隙間は観察されない。すなわち、設置面SFに設置されたプロジェクター1を正面21側かつ上方から見た場合に、挿入部66と壁部272との間に隙間は観察されない。これにより、プロジェクター1の外観を良好に維持できる。
【0035】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
プロジェクター1は、外装筐体2、脚部本体4、レバー6及び付勢部材7を備える。
外装筐体2は、設置面SFに配置される。外装筐体2は、設置面SFと対向する底面26を有する。底面26は、対向面に相当する。
脚部本体4は、第1脚部に相当する。脚部本体4は、底面26からの突出量を調節可能な軸部41と、底面26からの軸部41の突出方向に沿って軸部41に設けられた複数の被係合部43と、を有する。脚部本体4は、軸部41の先端が設置面SFと接触する。
レバー6は、回転軸Rxを中心に回転可能に外装筐体2に設けられる。レバー6は、複数の被係合部43のうち少なくとも1つの被係合部43に係合して、軸部41を固定する係合部62を有する。
付勢部材7は、係合部62が被係合部43に係合する第1回転方向D1にレバー6を付勢する。
【0036】
外装筐体2は、底面26の他、正面21、収容凹部271及び壁部272を有する。
正面21は、底面26と連続し、正面21には、レバー6の一部である操作部65が露出する。正面21は、第1側面に相当する。
収容凹部271は、底面26に設けられ、設置面SFに向かって開口する。
壁部272は、正面21における一部を構成し、収容凹部271における正面21側の辺縁を構成する。
レバー6は、第2回転方向D2にレバー6が回転されて係合部62と被係合部43との係合が解除されたときに、収容凹部271の内部に挿入される挿入部66を有する。第2回転方向D2は、第1回転方向D1とは反対方向である。
【0037】
このような構成によれば、付勢部材7の付勢力によってレバー6が第1回転方向D1に回転されることによって、係合部62を被係合部43に係合させることができるので、底面26からの突出量が調節された脚部本体4を固定できる。一方、第2回転方向D2にレバー6が回転されることによって、係合部62を被係合部43から離間させることができるので、底面26からの脚部本体4の突出量を調節できる。
また、挿入部66の先端部と収容凹部271の底部との間の空間の少なくとも一部を、壁部272によって遮蔽できる。これにより、レバー6を目立たなくすることができる他、収容凹部271の底部と挿入部66との間に指や異物が挿入されて、レバー6が第1回転方向D1に回転されることを抑制できる。
【0038】
プロジェクター1では、外装筐体は、背面22と、正面側傾斜面28Aと、を有する。
背面22は、外装筐体2において正面21とは反対側に設けられている。
正面側傾斜面28Aは、正面21と底面26とに跨り、背面22に向かうに従って設置面SFに近接する。正面側傾斜面28Aは、筐体側傾斜面に相当する。
収容凹部271は、正面側傾斜面28Aにて設置面SFに向かって開口している。
このような構成によれば、収容凹部271が正面側傾斜面28Aに開口していることによって、レバー6において外装筐体2の外部に露出される部分を正面側傾斜面28Aに沿って配置できる。このため、レバー6を目立たなくすることができる。この他、係合部62が被係合部43から離間する第2回転方向D2にレバー6を操作する場合に、ユーザーは、正面側傾斜面28Aに沿って指を滑らすことによって容易にレバー6を操作でき、壁部272とレバー6との間に指が挟まれることを抑制できる。
【0039】
プロジェクター1では、レバー6は、係合部62と被係合部43とが係合するレバー6の係合位置において、外装筐体2の外部に露出する操作部65を有する。操作部65は、レバー6の外面に相当する。
操作部65は、第1傾斜面651及び第2傾斜面652を有する。
第1傾斜面651は、正面側傾斜面28Aに沿う。
第2傾斜面652は、第1傾斜面651に対して挿入部66側に設けられている。第2傾斜面652は、正面側傾斜面28Aよりも内側に配置される。
このような構成によれば、レバー6における正面21側の部分を、正面側傾斜面28Aよりも外装筐体2の内側に配置できるので、
図10に示したように、正面21に対向する位置からプロジェクター1を見たときに、レバー6を一層目立たなくすることができる。
【0040】
プロジェクター1では、収容凹部271の底面は、回転軸を中心とするレバー6の第2回転方向D2への回転を規制する規制面273である。規制面273は、レバー6が第2回転方向D2に回転されて係合部62が被係合部43から離間したときに、挿入部66が接触する。
このような構成によれば、挿入部66が規制面273に接触することによって、ユーザーは、係合部62と被係合部43との係合状態が解除されたことを把握できる。従って、レバー6の操作性を高めることができる。
【0041】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成を備えるが、レバーにおける挿入部の大きさが相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
図11は、本実施形態に係るプロジェクターが備えるロアーケース2B及び調節脚部3Aを示すYZ平面に沿う断面を示す図である。詳述すると、
図11は、脚部本体4の状態が固定状態であるときのロアーケース2B及び調節脚部3Aを示すYZ平面に沿う断面を示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係る調節脚部3に代えて、
図11に示す調節脚部3Aを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成及び機能を備える。調節脚部3Aは、レバー6に代えて、レバー6Aを備える他は、調節脚部3と同様の構成及び機能を備える。すなわち、調節脚部3Aは、脚部本体4、支持部材5、レバー6A及び付勢部材7を備える。
【0043】
レバー6Aは、第1実施形態に係るレバー6と同様の構成を備える。
本実施形態では、脚部本体4の状態が固定状態である場合、レバー6Aの挿入部66は、壁部272における設置面SF側の端部を通り、かつ、設置面SFに沿う第1仮想面VS1と交差する。第1仮想面VS1は、2つの固定脚部265のそれぞれにおいて設置面SFと接触する部分と、1つの調節脚部3Aの設置部42において設置面SFと接触する部分とを通る第2仮想面VS2と平行である。
なお、挿入部66が第1仮想面VS1と交差するとは、挿入部66の少なくとも一部が第1仮想面VS1と交差することを示す。より具体的には、挿入部66の少なくとも+Y方向又は第2回転方向D2の端部が、第1仮想面VS1と交差することを示す。
【0044】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
本実施形態に係るプロジェクターでは、挿入部66において+Y方向又は第2回転方向D2の端部は、係合部62と被係合部43とが係合している場合、壁部272の設置面SF側の端部を通り、かつ、設置面SFに沿う第1仮想面VS1と交差する。挿入部66において+Y方向又は第2回転方向D2の端部は、挿入部66の先端部に相当し、壁部272の設置面SF側の端部は、壁部272の先端部に相当する。
このような構成によれば、正面21に対向する位置から見て、壁部272と挿入部66との間に隙間が発生しない。これにより、レバー6Aを一層目立たなくすることができる。この他、壁部272と挿入部66との間に指が挟まれることがないので、レバー6Aを操作しやすくすることができる。
【0045】
本実施形態に係るプロジェクターでは、外装筐体2は、底面26に設置面SFと接触する固定脚部265を有する。固定脚部265は、第2脚部に相当する。
固定脚部265と調節脚部3Aとは、合わせて3つ設けられている。
第1仮想面VS1は、固定脚部265及び調節脚部3Aのそれぞれの設置面SFと接触する部分を通る第2仮想面VS2と平行である。
このような構成によれば、第2仮想面VS2は、固定脚部265及び調節脚部3Aが接触する設置面SFに沿うので、第1仮想面VS1を設置面に沿わせることができる。このため、正面21に対向する位置から見て、レバー6Aを効果的に目立たなくすることができる他、レバー6Aを操作しやすくすることができる。
【0046】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、レバー6,6Aの一部が露出される外装筐体2の側面は、正面21であるとした。しかしながら、これに限らず、レバー6,6Aの一部が露出される外装筐体2の側面は、背面22、右側面23及び左側面24のうちのいずれかであってもよい。この場合、当該側面が第1側面に相当し、当該側面とは反対側の側面が第2側面に相当する。
【0047】
上記各実施形態では、プロジェクターは、2つの固定脚部265と、1つの調節脚部3,3Aを備えるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクターは、1つの固定脚部265と、2つ以上の調節脚部3,3Aを備えていてもよい。すなわち、固定脚部265の数と、調節脚部3,3Aの数とは、適宜変更可能である。
【0048】
上記各実施形態では、外装筐体2は、正面21と底面26とに跨り、正面21の一部と底面26の一部とによって形成される正面側傾斜面28Aを備えるとした。しかしながら、これに限らず、外装筐体2は、正面側傾斜面28Aを備えていなくてもよく、他の傾斜面28B,28C,28Dを備えなくてもよい。この場合、レバー6,6Aは、ユーザーによって操作可能に、設置面SFに向かって露出していればよい。
【0049】
上記各実施形態では、レバー6,6Aの外面である操作部65は、第1傾斜面651及び第2傾斜面652を有するとした。しかしながら、これに限らず、挿入部66が収容凹部271内に挿入可能であれば、操作部65は、一様の平面であってもよく、同じ曲率の曲面であってもよい。
【0050】
上記各実施形態では、収容凹部271の底面は、第2回転方向D2に回転したレバー6,6Aの挿入部66が接触する規制面273であるとした。すなわち、収容凹部271において-Y方向を向く底面は、規制面273であるとした。しかしながら、これに限らず、挿入部66は、必ずしも収容凹部271の底面に接触しなくてもよい。すなわち、係合部62が被係合部43から離間した状態からレバー6,6Aの第2回転方向D2への更なる回転は、支持部材5等の他の構成によって規制されてもよい。
【0051】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
設置面と対向する対向面を有し、前記設置面に配置される外装筐体と、
前記対向面からの突出量を調節可能な軸部、及び、前記対向面からの前記軸部の突出方向に沿って前記軸部に設けられた複数の被係合部を有し、前記軸部の先端が前記設置面と接触する第1脚部と、
前記複数の被係合部のうち少なくとも1つの被係合部に係合して、前記軸部を固定する係合部を有し、回転軸を中心に回転可能に設けられたレバーと、
前記係合部が前記少なくとも1つの被係合部に係合する第1回転方向に前記レバーを付勢する付勢部材と、を備え、
前記外装筐体は、
前記対向面と連続し、前記レバーの一部が露出する第1側面と、
前記対向面に設けられ、前記設置面に向かって開口する収容凹部と、
前記第1側面における一部を構成し、前記収容凹部における前記第1側面側の辺縁を構成する壁部と、を有し、
前記レバーは、前記第1回転方向とは反対方向に前記レバーが回転されて前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部との係合が解除されたときに、前記収容凹部の内部に挿入される挿入部を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
【0052】
このような構成によれば、付勢部材の付勢力によってレバーが第1回転方向に回転されることによって、係合部を被係合部に係合させることができるので、対向面からの突出量が調節された第1脚部を固定できる。一方、第1回転方向とは反対方向にレバーが回転されることによって、係合部を被係合部から離間させることができるので、対向面からの第1脚部の突出量を調節できる。
また、挿入部の先端部と収容凹部の底部との間の空間の少なくとも一部を、壁部によって遮蔽できる。これにより、レバーを目立たなくすることができる他、収容凹部の底部と挿入部との間に指や異物が挿入されて、レバーが第1回転方向に回転されることを抑制できる。
【0053】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記挿入部の端部は、前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部とが係合している場合、前記壁部の先端部を通り、かつ、前記設置面に沿う第1仮想面と交差する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第1側面に対向する位置から見て、壁部と挿入部との間に隙間が発生しない。これにより、レバーを一層目立たなくすることができる。この他、壁部と挿入部との間に指が挟まれることがないので、レバーを操作しやすくすることができる。
【0054】
[付記3]
付記1又は付記2に記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体は、前記対向面に前記設置面と接触する第2脚部を有し、
前記第1脚部と前記第2脚部とは、合わせて3つ以上設けられ、
前記壁部の先端部を通り、かつ、前記設置面に沿う第1仮想面は、前記第1脚部及び前記第2脚部のそれぞれの前記設置面と接触する部分を通る第2仮想面と平行である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第2仮想面は、第1脚部及び第2脚部が接触する設置面に沿うので、第1仮想面を設置面に沿わせることができる。このため、第1側面に対向する位置から見て、レバーを効果的に目立たなくすることができる他、レバーを操作しやすくすることができる。
【0055】
[付記4]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体は、
前記外装筐体において前記第1側面とは反対側に設けられた第2側面と、
前記第1側面と前記対向面とに跨り、前記第2側面に向かうに従って前記設置面に近接する筐体側傾斜面と、を有し、
前記収容凹部は、前記筐体側傾斜面にて前記設置面に向かって開口している、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、収容凹部が筐体側傾斜面に開口していることによって、レバーにおいて外装筐体の外部に露出される部分を筐体側傾斜面に沿って配置できる。このため、レバーを目立たなくすることができる。この他、係合部が被係合部から離間する方向にレバーを操作する場合に、ユーザーは、筐体側傾斜面に沿って指を滑らすことによって容易にレバーを操作でき、壁部とレバーとの間に指が挟まれることを抑制できる。
【0056】
[付記5]
付記4に記載のプロジェクターにおいて、
前記レバーは、前記係合部と前記少なくとも1つの被係合部とが係合する前記レバーの係合位置において、前記外装筐体の外部に露出する外面を有し、
前記外面は、
前記筐体側傾斜面に沿う第1傾斜面と、
前記第1傾斜面に対して前記挿入部側に設けられ、前記筐体側傾斜面よりも内側に配置される第2傾斜面と、を有する、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、レバーにおける第1側面側の部分を、筐体側傾斜面よりも外装筐体の内側に配置できるので、第1側面に対向する位置からプロジェクターを見たときに、レバーを一層目立たなくすることができる。
【0057】
[付記6]
付記1から付記5のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記収容凹部の底面は、前記係合部が前記少なくとも1つの被係合部から離間したときに前記挿入部が接触して、前記回転軸を中心とする前記レバーの回転を規制する規制面である、ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、レバーの挿入部が規制面に接触することによって、ユーザーは、係合部と被係合部との係合状態が解除されたことを把握できる。従って、レバーの操作性を高めることができる。
【符号の説明】
【0058】
1…プロジェクター、2…外装筐体、21…正面(第1側面)、22…背面(第2側面)、26…底面(対向面)、264…突出部、265…固定脚部(第2脚部)、266…配置部、267…固定部、268…貫通部、269…突出部、270…切欠部、271…収容凹部、272…壁部、273…規制面、28…傾斜面、28A…正面側傾斜面(筐体側傾斜面)、3,3A…調節脚部、4…脚部本体(第1脚部)、41…軸部、42…設置部、43…被係合部、5…支持部材、6,6A…レバー、61…回転軸部、62…係合部、63…被付勢部、64…リブ、65…操作部、651…第1傾斜面、652…第2傾斜面、66…挿入部、7…付勢部材、Rx…回転軸、SF…設置面、VS1…第1仮想面、VS2…第2仮想面。