(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169913
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】水準器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01C 9/28 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
G01C9/28
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086775
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】591006634
【氏名又は名称】株式会社エビス
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】丸山 清
(57)【要約】
【課題】水準器においてこれまでにない装飾性(美感)を有する水準器及びその水準器を安価で容易に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板1aの上下方向端面に基準面1bを設けた側面視略I字状の基体1と、この基体1に設けられる気泡管2と、前記基体1に組み付ける外装体3とを備え、被測定面に前記基準面1bを当接させ、前記気泡管2により前記被測定面の水平度若しくは垂直度を測定する水準器であって、前記基体1の基板1aは、光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色部に構成され、さらに、前記外装体3は透明樹脂製部材であり、前記玉虫色部が視認可能に構成されている水準器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上下方向端面に基準面を設けた側面視略I字状の基体と、この基体に設けられる気泡管と、前記基体に組み付ける外装体とを備え、被測定面に前記基準面を当接させ、前記気泡管により前記被測定面の水平度若しくは垂直度を測定する水準器であって、前記基体の基板は、光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色部に構成され、さらに、前記外装体は透明樹脂製部材であり、前記玉虫色部が視認可能に構成されていることを特徴とする水準器。
【請求項2】
請求項1記載の水準器において、前記基板は、玉虫色のフィルム材の貼着により前記玉虫色部に構成されていることを特徴とする水準器。
【請求項3】
請求項2記載の水準器において、前記基板は、表面が黒色であり、この黒色表面上に前記フィルム材が貼着されて前記玉虫色部に構成されていることを特徴とする水準器。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の水準器において、前記基板は、表裏両面が前記玉虫色部に構成されていることを特徴とする水準器。
【請求項5】
基板の上下方向端面に基準面を設けた側面視略I字状の基体と、この基体に設けられる気泡管と、前記基体に組み付ける外装体とを備え、被測定面に前記基準面を当接させ、前記気泡管により前記被測定面の水平度若しくは垂直度を測定する水準器の製造方法であって、前記基体となる側面視略I字状の基体原部材を形成する基体原部材形成工程と、前記基体原部材に光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色の装飾を施す装飾工程と、前記基体原部材に前記気泡管を取り付ける気泡管取付部を形成する気泡管取付部形成工程と、前記基体に前記気泡管を取り付けた後、この基体に透明樹脂製の前記外装体を組み付ける組付工程とを含み、前記装飾工程は、前記基体原部材の前記気泡管取付部が形成される基板部に前記玉虫色のフィルム材を貼着することを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の水準器の製造方法において、前記基体原部材形成工程は、長尺基体原部材を押出成形する押出成形工程と、前記長尺基体原部材を所定の前記基体原部材の長さに切断する切断工程とを含むことを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項7】
請求項5記載の水準器の製造方法において、前記装飾工程は、前記基板部の表裏両面に前記フィルム材を貼着することを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項8】
請求項6記載の水準器の製造方法において、前記装飾工程は、前記基板部の表裏両面に前記フィルム材を貼着することを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項9】
請求項5~8いずれか1項に記載の水準器の製造方法において、前記気泡管取付部形成工程は、前記装飾工程よりも後に行われ、前記フィルム材が貼着された前記基板部を該フィルム材と共に打ち抜き加工して前記気泡管取付部を形成することを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項10】
請求項5~8いずれか1項に記載の水準器の製造方法において、前記長尺基体原部材若しくは前記基体原部材または前記基体を黒色に着色する黒色着色工程を含むことを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項11】
請求項9記載の水準器の製造方法において、前記長尺基体原部材若しくは前記基体原部材または前記基体を黒色に着色する黒色着色工程を含むことを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項12】
請求項10記載の水準器の製造方法において、前記黒色着色工程は、黒色アルマイト処理を行うことを特徴とする水準器の製造方法。
【請求項13】
請求項11記載の水準器の製造方法において、前記黒色着色工程は、黒色アルマイト処理を行うことを特徴とする水準器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水準器及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでの水準器は、使い勝手が良いものや携帯性に優れたものなどの実用性に優れたものが求められていたが、近年、水準器を含む携帯作業工具において、美感や高級感を有するものを求める使用者が増えてきている。
【0003】
このような背景ものと、出願人は、特許第4767341号(以下、「従来例」という。)に開示される水準器を提案している。
【0004】
この従来例は、気泡管を取り付ける取付窓を備えた基体(アルミ製フレーム)と、前記取付窓に取り付けられる気泡管と、基体が取り付けられた基体を両側から挟み込むようにしてこの基体に装着される一対の外装部とで構成され、また、外装部は透明な樹脂部材により形成され、外装部を基体に装着した状態において、水準器の内部、すなわち、基体が直接視認できる所謂スケルトンタイプに構成され、これまでの有色外装部が採用されている水準器とは一線を画するデザインとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来例の改良発明であり、水準器においてこれまでにない装飾性(美感)を有する水準器及びその水準器を安価で容易に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
基板1aの上下方向端面に基準面1bを設けた側面視略I字状の基体1と、この基体1に設けられる気泡管2と、前記基体1に組み付ける外装体3とを備え、被測定面に前記基準面1bを当接させ、前記気泡管2により前記被測定面の水平度若しくは垂直度を測定する水準器であって、前記基体1の基板1aは、光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色部に構成され、さらに、前記外装体3は透明樹脂製部材であり、前記玉虫色部が視認可能に構成されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の水準器において、前記基板1aは、玉虫色のフィルム材5の貼着により前記玉虫色部に構成されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載の水準器において、前記基板1aは、表面が黒色であり、この黒色表面上に前記フィルム材5が貼着されて前記玉虫色部に構成されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0011】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の水準器において、前記基板1aは、表裏両面が前記玉虫色部に構成されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0012】
また、基板1aの上下方向端面に基準面1bを設けた側面視略I字状の基体1と、この基体1に設けられる気泡管2と、前記基体1に組み付ける外装体3とを備え、被測定面に前記基準面1bを当接させ、前記気泡管2により前記被測定面の水平度若しくは垂直度を測定する水準器の製造方法であって、前記基体1となる側面視略I字状の基体原部材21を形成する基体原部材形成工程と、前記基体原部材21に光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色の装飾を施す装飾工程と、前記基体原部材21に前記気泡管2を取り付ける気泡管取付部4を形成する気泡管取付部形成工程と、前記基体1に前記気泡管2を取り付けた後、この基体1に透明樹脂製の前記外装体3を組み付ける組付工程とを含み、前記装飾工程は、前記基体原部材21の前記気泡管取付部4が形成される基板部21aに前記玉虫色のフィルム材5を貼着することを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0013】
また、請求項5記載の水準器の製造方法において、前記基体原部材形成工程は、長尺基体原部材20を押出成形する押出成形工程と、前記長尺基体原部材20を所定の前記基体原部材21の長さに切断する切断工程とを含むことを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0014】
また、請求項5記載の水準器の製造方法において、前記装飾工程は、前記基板部21aの表裏両面に前記フィルム材5を貼着することを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項6記載の水準器の製造方法において、前記装飾工程は、前記基板部21aの表裏両面に前記フィルム材5を貼着することを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0016】
また、請求項5~8いずれか1項に記載の水準器の製造方法において、前記気泡管取付部形成工程は、前記装飾工程よりも後に行われ、前記フィルム材5が貼着された前記基板部21aを該フィルム材5と共に打ち抜き加工して前記気泡管取付部4を形成することを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0017】
また、請求項5~8いずれか1項に記載の水準器の製造方法において、前記長尺基体原部材20若しくは前記基体原部材21または前記基体1を黒色に着色する黒色着色工程を含むことを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0018】
また、請求項9記載の水準器の製造方法において、前記長尺基体原部材20若しくは前記基体原部材21または前記基体1を黒色に着色する黒色着色工程を含むことを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0019】
また、請求項10記載の水準器の製造方法において、前記黒色着色工程は、黒色アルマイト処理を行うことを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【0020】
また、請求項11記載の水準器の製造方法において、前記黒色着色工程は、黒色アルマイト処理を行うことを特徴とする水準器の製造方法に係るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述のように構成したから、これまでにない装飾性(美感)を有する水準器及びその水準器を安価で容易に製造することができる製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】本実施例に係る水準器の製造方法における押出成形工程の説明図である。
【
図5】本実施例に係る水準器の製造方法における切断工程の説明図である。
【
図6】本実施例に係る水準器の製造方法における装飾工程の説明図(フィルム材貼着前状態)である。
【
図7】本実施例に係る水準器の製造方法における装飾工程の説明図(フィルム材貼着後状態)である。
【
図8】本実施例に係る水準器の製造方法における気泡管取付部形成工程の説明図である。
【
図9】本実施例に係る水準器の製造方法における組付工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
本発明の水準器は、基体1の基板1aが光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色部に構成され、さらに、基体1に装着される(基体1を覆う)外装体3が透明樹脂製部材であり、玉虫色部が視認可能に構成されているから、基体1が玉虫色に輝く美感と、見る角度によって色が変化する面白さとを兼ね備え、従来の水準器と差別化され注目度の高いものとなる。
【0025】
また、本発明の水準器は、光が当たることでキラキラと輝く色を発するから、屋外では太陽光により輝きを発し、また、室内では照明により輝きを発するので、この基体1の輝きにより、目立つ水準器となり、置き場所が分からなくなっても容易に見つけ出すことができる。
【0026】
また、本発明の水準器の製造方法は、装飾工程において、玉虫色のフィルム材5の貼着により、基体原部材21に光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色の装飾を施すから、容易に且つ安価に基体1を装飾することができる。
【実施例0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、基板1aの上下方向端面に基準面1bが設けられた側面視略I字状の基体1と、この基体1に設けられる気泡管2と、前記基体1に組み付けられる外装体3とを備え、被測定面に前記基準面1bを当接させ、前記気泡管2により前記被測定面の水平度若しくは垂直度を測定する水準器である。
【0029】
具体的には、本実施例は、
図1に示すような、被測定面の水平度、垂直度及び45度の角度を測定する三種の気泡管2を備え、また、基体1の基板1aが、光(光線)の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色部に構成され、さらに、外装体3が透明樹脂製部材で構成され、玉虫色部に構成された基板1aが視認可能に構成された装飾性を有する水準器である。
【0030】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。
【0031】
基体1は、アルミ製であり、
図2に示すように、垂直板に構成された基板1aの上端面に天面1cが設けられ、下端面に被測定物に当接させる基準面1bとなる底面が設けられた側面視I字状に構成されている。
【0032】
また、
図3に示すように、基体1の基板1aには、各気泡管2を取り付ける気泡管取付部4(垂直度測定用気泡管取付部4a、水平度測定用気泡管取付部4b及び45度測定用気泡管取付部4c)、と、磁石部6を取り付ける磁石取付部7が設けられ、また、天面1cには、基準面1bと平行に設けられる水平度測定用気泡管2bを上方から視認可能とするための開口部8が形成されている。
【0033】
また、本実施例の基体1は、基板1a、基準面1b及び天面1cが黒色に着色されている。具体的には、黒色アルマイト処理により黒色に着色されている。
【0034】
さらに、基体1の基板1は、表裏両面にこの黒色を下地として、その下地上に光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色の装飾が施され、玉虫色部に構成されている。
【0035】
具体的には、
図3中の拡大図に示すように、黒色に着色された基板1aの表裏に玉虫色のフィルム材5(株式会社オーテック製:タマムシフィルム(商品名:BOR022若しくはBOB022)が貼着されて玉虫色部に構成されている。
【0036】
また、気泡管2は、
図1,2に示すように、基準面1bに対して垂直に設けられる垂直度測定用気泡管2aと、基準面1bと平行に設けられる水平度測定用気泡管2bと、基準面1bに対して45度の傾斜状態に設けられる45度測定用気泡管2cの三つの気泡管2を有し、各気泡管2は、夫々、基体1の基板1aに設けられた所定の気泡管取付部4(垂直度測定用気泡管用取付部4a、水平度測定用気泡管用に嵌め込みにより取り付けられるように構成されている。
【0037】
また、本実施例は、前述した玉虫色部の色合いと同色系の液色の気泡管2が設けられている。具体的には、玉虫色部が青、黄、緑色等の寒色系に変化して見える玉虫色に装飾されている場合は、液色が黄緑色の気泡管2が設けられ、また、玉虫色部が赤、ピンク、オレンジ色等の暖色系に変化して見える玉虫色に装飾されている場合は、液色がピンク色の気泡管2が設けられている。
【0038】
また、外装体3は、基体1の表側に装着される外装体3(表側外装体3a)と、裏側に装着される外装体3(裏側外装体3b)の二体の外装体3を備え、夫々、透明樹脂製部材で構成されている。
【0039】
また、各外装体3には、垂直度測定用気泡管2aを視認可能に露出させるための垂直気泡管用開口部9a、水平度測定用気泡管2bを視認可能に露出させるための水平気泡管用開口部9b及び45度測定用気泡管2cを視認可能に露出させるための45度気泡管用開口部9cが夫々、形成されている。
【0040】
なお、上記以外の構成部材に関し、符号10は、カラビナタイプの工具ホルダーに掛止めたり落下防止コードの連結環を掛止めたりすることが可能な掛杆10(シャックル)であり、また、符号11a,11bは、外装体3を基体1に装着固定するためのボルト11a,ナット11bである。
【0041】
また、本実施例は、基体1が黒色に着色されているが、黒色とせず、アルミ色そのままでも良い。また、気泡管2の種類や数は適宜設計変更可能なものとする。
【0042】
次に、上述した本実施例に係る水準器の製造方法について説明する。
【0043】
本実施例に係る水準器の製造方法は、基体1となる側面視略I字状の基体原部材21を形成する基体原部材形成工程と、基体原部材21に光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色の装飾を施す装飾工程と、基体原部材21に気泡管2を取り付ける気泡管取付部4を形成する気泡管取付部形成工程と、基体原部材21に気泡管取付部4を形成して得られた基体1に気泡管2を取り付けた後、この基体1に透明樹脂製の外装体3を組み付ける組付工程とを含むものである。
【0044】
具体的には、本実施例に係る水準器の製造方法は、さらに、基体原部材21を黒色に着色する黒色着色工程を含むものである。
【0045】
以下、本実施例に係る水準器の製造方法の各工程について説明する。
【0046】
基体原部材形成工程は、
図4に示すような、アルミ母材から長尺基体原部材20を押出成形する押出成形工程と、この長尺基体原部材20を黒色に着色する黒色着色工程と、
図5に示すような、長尺基体原部材20を基体原部材21の長さに切断する切断工程と、切断した部材の所定部位に開口部を形成する開口部形成工程を含み、基体1となる基体原部材21を得る。
【0047】
具体的には、黒色着色工程は、黒色アルマイト処理を行い、長尺基体原部材20を黒色に着色すると共に、表面に酸化皮膜を生成させ、表面保護の耐久性向上を図っている。
【0048】
また、開口部形成工程は、基体1の天面1cとなる部位に水平度測定用気泡管2bを上方から視認可能とするための開口部8と、基体1の基準面1bとなる部位に吸着用の磁石部6の一部を露出させるための吸着用開口部12を形成する。
【0049】
また、装飾工程は、基体原部材形成工程で得た基体原部材21の基板部21a(基体1の基板1aとなる部位)に玉虫色の装飾を施す。
【0050】
具体的には、
図6,7に示すように、基体原部材21の黒色に着色された基板部21aの表裏両面に、夫々、玉虫色のフィルム材5(本実施例では株式会社オーテック製のタマムシフィルム(商品名:BOR022若しくはBOB022)を使用)を貼着する。
【0051】
また、気泡管取付部形成工程は、装飾工程で玉虫色のフィルム材5が貼着された基体原部材21の基板部21aに、気泡管2を取り付ける気泡管取付部4及び磁石部6を取り付ける磁石取付部7を形成する。
【0052】
具体的には、
図8に示すように、フィルム材5が貼着された基板部21aを、プレス加工によりフィルム材5ごと打ち抜き加工して、気泡管取付部4、具体的には、垂直度測定用気泡管取付部4a、水平度測定用気泡管取付部4b及び45度測定用気泡管取付部4cと、磁石取付部7を形成する。
【0053】
また、組付工程は、気泡管取付部形成工程を経て形成された基体1に、外装体3等の構成部材を組み付ける。
【0054】
具体的には、
図9に示すように、基体1の基板1aに設けられた磁石取付部7に磁石部6を取り付けると共に、垂直度測定用気泡管取付部4a、水平度測定用気泡管取付部4b及び45度測定用気泡管取付部4cに、夫々、垂直度測定用気泡管2a、水平度測定用気泡管2b及び45度測定用気泡管2cを取り付け、掛杆10を取り付けた外装体3を基体1に装着し、ボルト11a,ナット11bで固定する。
【0055】
なお、上述した本実施例に係る水準器の製造方法において、基体原部材21を得るまでの方法は上述した方法に限定されるものでは無く、プレス加工と切削加工の組み合わせ等で基体原部材21を形成しても良い。
【0056】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0057】
本実施例に係る水準器は、光の当たり具合で色の見え方が変化する玉虫色部に構成され、さらに、基体1に装着される(基体1を覆う)外装体3が透明樹脂製部材で構成され、玉虫色部が視認可能に構成されているから、基体1が玉虫色に輝く美感と、見る角度によって色が変化する面白さとを兼ね備え、従来の水準器と差別化され注目度の高いものとなる。
【0058】
しかも、本実施例に係る水準器は、黒色に着色された基板1a上に玉虫色のフィルム材5が貼着されているので、玉虫色が色濃くはっきりするものとなり、一層きれいに輝く美感を有する者となる。
【0059】
さらに、基体1の基板1aが、光が当たることによりキラキラと輝く色を発するから、屋外では太陽光により輝きを発し、また、室内では照明により輝きを発するので、この基体1の輝きにより、目立つ存在となり、置き場所が分からなくなっても容易に見つけ出すことができるものとなる。
【0060】
また、本実施例に係る水準器の製造方法は、上述した玉虫色の装飾を、フィルム材5の貼着により行っているから、容易に且つ安価に実施することができる。
【0061】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。