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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169926
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、搬送制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241129BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G03G21/00 530
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086792
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】石田 圭樹
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270LA64
2H270LC10
2H270LD03
2H270LD15
2H270MC55
2H270MC60
2H270MD17
2H270MD20
2H270MD29
2H270PA26
2H270SA09
2H270SB13
2H270SB15
2H270SC15
2H270SC21
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】定着部で発生する熱によりシートを検出するセンサーが誤作動を起こすことを抑制可能な画像形成装置、及び搬送制御方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置100は、二次転写ローラー27よりもシートの搬送方向D7の下流側であって定着装置28よりも搬送方向D7の上流側でシートを検出するセンサー49と、自装置の上面で開口する吸気口51からセンサー49へ向けて開口する送風口52まで延びるダクト53と、ダクト53内を吸気口51から送風口52へ向けて移動する気流AFを発生させる送風ファン54と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像をシートに転写する転写部と、
前記転写部によって前記シートに転写された前記トナー像を前記シートに定着させる定着部と、
前記転写部よりも前記シートの搬送方向の下流側であって前記定着部よりも前記搬送方向の上流側で前記シートを検出するセンサーと、
自装置の上面で開口する吸気口から前記センサーへ向けて開口する送風口まで延びるダクトと、
前記ダクト内を前記吸気口から前記送風口へ向けて移動する気流を発生させる気流発生部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記定着部の上側で上下方向と直交する第1方向へ開口し、前記定着部によって前記トナー像が定着された前記シートを排出するシート排出口を備え、
前記転写部は、前記定着部の下側に設けられ、
前記センサーは、前記定着部を経由する前記シートの搬送路よりも前記第1方向とは逆の第2方向側に設けられる、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送方向に直交する前記シートの幅方向に沿って並ぶ複数の前記センサーを備え、
前記ダクトは、前記吸気口から下方向に延びる第1案内部、及び前記第1案内部から分岐して前記センサーごとに設けられる前記送風口まで延びる複数の第2案内部を含む、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記センサーは、前記シートの撓みを検出する、
請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記センサーよりも前記第2方向側で上下方向に沿って延在する反転搬送路を備え、
前記送風口は、前記反転搬送路における前記第2方向側のガイド面に形成され、
前記画像形成装置は、
前記シートの両面に画像を形成する両面画像形成処理の実行中において予め定められた停止タイミングが到来した場合に、前記シートの搬送を停止させる停止処理部と、
前記停止タイミングが到来した場合において前記シートが前記センサーと前記送風口との対向部を通過中である場合に、前記シートが前記対向部を通過し終えるまで前記停止処理部による前記シートの搬送の停止を留保させる留保処理部と、
を備える請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記センサーよりも前記第2方向側で上下方向に沿って延在する反転搬送路を備え、
前記送風口は、前記反転搬送路における前記第2方向側のガイド面に形成される、
請求項2又は3に記載の画像形成装置で実行される搬送制御方法であって、
前記シートの両面に画像を形成する両面画像形成処理の実行中において予め定められた停止タイミングが到来した場合に、前記シートの搬送を停止させる停止ステップと、
前記停止タイミングが到来した場合において前記シートが前記センサーと前記送風口との対向部を通過中である場合に、前記シートが前記対向部を通過し終えるまで前記停止ステップによる前記シートの搬送の停止を留保させる留保ステップと、
を含む搬送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
転写部と、定着部と、センサーと、を備える画像形成装置が知られている。前記転写部は、トナー像をシートに転写する。前記定着部は、前記転写部によって前記シートに転写された前記トナー像を前記シートに定着させる。前記センサーは、前記転写部よりも前記シートの搬送方向の下流側であって前記定着部よりも前記搬送方向の上流側で前記シートを検出する。
【0003】
前記画像形成装置では、前記定着部で発生する熱により、前記センサーが誤作動を起こすことがある。これに対し、前記センサーに空気を吹き付けて前記センサーを冷却する前記画像形成装置が関連技術として知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-33520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の関連技術に係る前記画像形成装置では、前記センサーに吹き付けられる空気の吸気に用いられる開口部が前記画像形成装置の側面に形成されている。そのため、前記開口部と対向する位置に物又は壁が配置された場合に、その物又は壁によって前記開口部からの吸気が阻害され、前記センサーの冷却が不十分となり、それによって前記センサーが誤作動を起こすおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、定着部で発生する熱によりシートを検出するセンサーが誤作動を起こすことを抑制可能な画像形成装置、及び搬送制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、転写部と、定着部と、センサーと、ダクトと、気流発生部と、を備える。前記転写部は、トナー像をシートに転写する。前記定着部は、前記転写部によって前記シートに転写された前記トナー像を前記シートに定着させる。前記センサーは、前記転写部よりも前記シートの搬送方向の下流側であって前記定着部よりも前記搬送方向の上流側で前記シートを検出する。前記ダクトは、自装置の上面で開口する吸気口から前記センサーへ向けて開口する送風口まで延びる。前記気流発生部は、前記ダクト内を前記吸気口から前記送風口へ向けて移動する気流を発生させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、定着部で発生する熱によりシートを検出するセンサーが誤作動を起こすことを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す断面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のダクトの構成を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される搬送制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[画像形成装置100の構成]
まず、図1、及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。なお、図1では、ガイド部材48が太線で示されている。また、図1では、気流AFが矢印付きの破線で示されている。
【0012】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図1に示される画像形成装置100の紙面左側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0013】
画像形成装置100は、電子写真方式で画像データに基づく画像をシートに形成するプリント機能を有するプリンターである。なお、本発明の画像形成装置は、プリンターに限られず、前記プリント機能を有する装置であればよい。
【0014】
図1、及び図2に示されるように、画像形成装置100は、画像形成部1、シート搬送部2、操作表示部3、記憶部4、及び制御部5を備える。
【0015】
画像形成部1は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部1は、電子写真方式に従って、シート搬送部2から供給されるシートにカラー、又はモノクロの画像を形成する。
【0016】
シート搬送部2は、画像形成部1によって画像が形成されるシートを搬送する。
【0017】
操作表示部3は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。操作表示部3は、表示部、及び操作部を備える。前記表示部は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記表示部は、液晶ディスプレーである。前記操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する。例えば、前記操作部は、タッチパネルである。
【0018】
記憶部4は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部4は、フラッシュメモリーである。なお、記憶部4は、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)であってもよい。
【0019】
制御部5は、画像形成装置100を統括的に制御する。なお、制御部5は、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0020】
図2に示されるように、制御部5は、CPU11、ROM12、及びRAM13を備える。CPU11は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM12は、CPU11に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM13は、CPU11が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU11は、ROM12に予め格納された各種の制御プログラムを実行することにより、画像形成装置100を統括的に制御する。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。
【0021】
[画像形成部1の構成]
次に、図1図3を参照しつつ、画像形成部1の構成について説明する。ここで、図3は、画像形成ユニット24の構成を示す断面図である。
【0022】
図1に示されるように、画像形成部1は、複数の画像形成ユニット21~24、光走査装置25、中間転写ベルト26、二次転写ローラー27、定着装置28、及び排紙トレイ29を備える。
【0023】
画像形成ユニット21は、Y(イエロー)のトナーを用いて中間転写ベルト26にトナー像を形成する。画像形成ユニット22は、C(シアン)のトナーを用いて中間転写ベルト26にトナー像を形成する。画像形成ユニット23は、M(マゼンタ)のトナーを用いて中間転写ベルト26にトナー像を形成する。画像形成ユニット24は、K(ブラック)のトナーを用いて中間転写ベルト26にトナー像を形成する。図1に示されるように、画像形成ユニット21~24は、画像形成装置100の前後方向D2に沿って、画像形成装置100の前方側からイエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの順に併設される。
【0024】
図3に示されるように、画像形成ユニット24は、感光体ドラム31、帯電ローラー32、現像装置33、一次転写ローラー34、及びドラム清掃部35を備える。また、画像形成ユニット21~23各々は、画像形成ユニット24と同様の構成を備える。また、画像形成ユニット21~24各々は、図1に示されるトナーコンテナ36を備える。
【0025】
感光体ドラム31には、静電潜像が形成される。感光体ドラム31は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて、図3に示されるドラム回転方向D4に回転する。これにより、感光体ドラム31は、表面に形成される静電潜像を搬送する。
【0026】
帯電ローラー32は、予め設定された帯電電圧の印加を受けて、感光体ドラム31の表面を帯電させる。帯電ローラー32によって帯電された感光体ドラム31の表面には、光走査装置25から射出される画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。
【0027】
現像装置33は、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像を現像する。現像装置33は、一対の撹拌部材、及び現像ローラーを備える。前記一対の撹拌部材は、現像装置33の内部に収容されたトナー、及びキャリアを撹拌する。この撹拌により、トナーとキャリアとが摩擦帯電する。前記現像ローラーは、前記一対の撹拌部材によって撹拌されたトナーを汲み上げて、汲み上げたトナーを感光体ドラム31との間の対向領域に搬送する。また、前記現像ローラーは、予め設定された現像バイアス電圧の印加を受けて、前記対向領域に搬送されたトナーを感光体ドラム31へ供給する。これにより、感光体ドラム31における光走査装置25から射出された光が照射された露光領域に対して選択的にトナーが供給されて、感光体ドラム31の表面に形成された静電潜像が現像される。なお、現像装置33には、トナーコンテナ36からトナーが供給される。
【0028】
一次転写ローラー34は、予め設定された一次転写電流の供給を受けて、感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト26に転写する。
【0029】
ドラム清掃部35は、一次転写ローラー34によるトナー像転写後の感光体ドラム31の表面に残存するトナーを除去する。
【0030】
光走査装置25は、画像形成ユニット21~24各々の感光体ドラム31の表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。
【0031】
中間転写ベルト26には、画像形成ユニット21~24各々の感光体ドラム31の表面に形成されたトナー像が転写される。中間転写ベルト26は、駆動ローラー、張架ローラー、及び4つの一次転写ローラー34によって所定のテンションで張架される。中間転写ベルト26は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて前記駆動ローラーが回転することで、図1、及び図3に示されるベルト回転方向D5に回転する。これにより、中間転写ベルト26は、転写されたトナー像を搬送する。
【0032】
二次転写ローラー27は、予め設定された二次転写電流の供給を受けて、中間転写ベルト26の表面に転写されたトナー像をシート搬送部2によって搬送されるシートに転写する。二次転写ローラー27は、中間転写ベルト26を挟んで、前記駆動ローラーと対向して設けられる。二次転写ローラー27は、不図示の付勢部材によって前記駆動ローラーへ向けて付勢されている。これにより、中間転写ベルト26と二次転写ローラー27との間にシートをつまむ転写ニップ部が形成される。二次転写ローラー27は、給紙路45と排紙路46との間に設けられ、前記転写ニップ部を通過するシートに圧接して当該シートを第2搬送方向D7(図1参照)へ搬送する。図1に示されるように、二次転写ローラー27は、定着装置28の下側に設けられる。二次転写ローラー27は、本発明の転写部の一例である。
【0033】
定着装置28は、二次転写ローラー27によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。図1に示されるように、定着装置28は、定着部材28A、及び加圧部材28Bを備える。定着部材28Aは、シートに転写されたトナー像を加熱するローラー状、又はベルト状の部材である。定着部材28Aの温度は、不図示のヒーターによって予め定められた目標温度に維持される。加圧部材28Bは、シートを加圧するローラー状の部材である。加圧部材28Bは、不図示の付勢部材によって定着部材28Aへ向けて付勢されている。これにより、定着部材28Aと加圧部材28Bとの間にシートをつまむ定着ニップ部が形成される。加圧部材28Bは、排紙路46に設けられ、前記定着ニップ部を通過するシートに圧接して当該シートを第2搬送方向D7(図1参照)へ搬送する。定着装置28は、本発明の定着部の一例である。
【0034】
排紙トレイ29には、定着装置28によってトナー像が定着されたシートが排出される。
【0035】
[シート搬送部2の構成]
次に、図1図2、及び図4を参照しつつ、シート搬送部2の構成について説明する。ここで、図4は、ダクト53の構成を示す斜視図である。
【0036】
図1に示されるように、シート搬送部2は、給紙カセット41、ピックアップローラー42、給紙ローラー43、分離ローラー44、給紙路45、排紙路46、反転搬送路47、ガイド部材48、及びセンサー49を備える。
【0037】
給紙カセット41は、画像形成部1によって画像が形成されるシートを収容する。例えば、給紙カセット41には、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシートが収容される。給紙カセット41の底部には、リフト板41A(図1参照)が設けられている。リフト板41Aは、給紙カセット41に収容されたシート束をピックアップローラー42との接触位置まで持ち上げる。
【0038】
ピックアップローラー42は、給紙カセット41の上側に設けられる。ピックアップローラー42は、リフト板41Aによって持ち上げられたシート束における最上層のシートと接触して、当該シートを給紙ローラー43へ搬送する。
【0039】
給紙ローラー43は、給紙路45に設けられ、ピックアップローラー42によって搬送されるシートの上面と接触して、当該シートを第1搬送方向D6(図1参照)へ搬送する。
【0040】
分離ローラー44は、給紙ローラー43の下側に設けられる。分離ローラー44は、不図示の付勢部材によって給紙ローラー43へ向けて付勢されている。これにより、給紙ローラー43と分離ローラー44との間に、シートをつまむ給紙ニップ部が形成される。分離ローラー44は、前記ニップ部に複数枚のシートが搬送される場合に、その複数枚のシートのうちの給紙ローラー43と接触するシートから他のシートを分離する。
【0041】
給紙路45は、給紙カセット41から二次転写ローラー27によってトナー像が転写される前記転写ニップ部へ至るシートの移動通路である。給紙路45では、シートが図1に示される第1搬送方向D6へ搬送される。
【0042】
排紙路46は、前記転写ニップ部から前記定着ニップ部を経由して排紙トレイ29へ至るシートの移動通路である。排紙路46では、シートが図1に示される第2搬送方向D7へ搬送される。排紙路46における第2搬送方向D7の下流側の端部には、シート排出口46A(図1参照)が設けられている。シート排出口46Aは、定着装置28の上側で上下方向D1と直交する第1方向D9(図1参照)へ開口する。例えば、第1方向D9は、画像形成装置100の背面から正面へ向かう方向(図1参照)である。シート排出口46Aは、定着装置28によってトナー像が定着されたシートを排出する。具体的に、シート排出口46Aには、排紙ローラー46B(図1参照)が設けられている。排紙ローラー46Bは、シートを排紙トレイ29へ排出する。
【0043】
反転搬送路47は、二次転写ローラー27、及び定着装置28を通過したシートの反転、並びに二次転写ローラー27、及び定着装置28への再搬送に用いられる。反転搬送路47は、排紙路46における定着装置28よりも第2搬送方向D7の下流側の分岐位置P1(図1参照)で排紙路46から分岐する。また、反転搬送路47は、給紙路45における二次転写ローラー27よりも第1搬送方向D6の上流側の合流位置P2(図1参照)で給紙路45に合流する。また、反転搬送路47は、定着装置28よりも第1方向D9とは逆の第2方向D10(図1参照)側で上下方向D1に沿って延在する延在区間を有する。反転搬送路47では、シートが図1に示される第3搬送方向D8へ搬送される。
【0044】
図1に示されるように、排紙路46における分岐位置P1には、可動ガイド部材46Cが設けられている。可動ガイド部材46Cは、第2搬送方向D7へ搬送されるシートをシート排出口46Aへ案内する第1姿勢(図1参照)と、排紙ローラー46Bによって第2搬送方向D7とは逆方向へ搬送されるシートを反転搬送路47へ案内する第2姿勢との間で姿勢変化可能に設けられる。
【0045】
画像形成装置100では、シートの両面に画像が形成される場合に、排紙ローラー46B、及び可動ガイド部材46Cが用いられて、片面に画像が形成されたシートが反転搬送路47へ送られる。具体的に、制御部5は、第2搬送方向D7へ搬送されるシートの後端が分岐位置P1を通過した後であって当該シートが排紙トレイ29へ排出される前に、排紙ローラー46Bを逆回転させる。これにより、シートが第2搬送方向D7とは逆方向へ搬送される。また、制御部5は、可動ガイド部材46Cを前記第1姿勢から前記第2姿勢へ姿勢変化させる。これにより、第2搬送方向D7とは逆方向へ搬送されるシートが反転搬送路47へ案内される。
【0046】
ガイド部材48は、反転搬送路47の前記延在区間におけるシートを案内する一対のガイド面のうち、第1方向D9とは逆の第2方向D10(図1参照)側のガイド面を形成する。図1、及び図4に示されるように、ガイド部材48は、上面形成部48Aと、ガイド面形成部48Bとを備える。上面形成部48Aは、上下方向D1に厚みを有する平板状に形成されており、画像形成装置100の上面を形成する。ガイド面形成部48Bは、前後方向D2に厚みを有する平板状に形成されており、反転搬送路47の前記延在区間における第2方向D10側のガイド面を形成する。ガイド面形成部48Bは、上面形成部48Aの前端部から下方へ延出している。
【0047】
センサー49は、二次転写ローラー27よりも第2搬送方向D7の下流側であって、定着装置28よりも第2搬送方向D7の上流側でシートを検出する。
【0048】
具体的に、センサー49は、二次転写ローラー27によって搬送されるシートに発生する撓みを検出する。
【0049】
例えば、センサー49は、発光部、及び受光部を有する透過型の光センサーである。また、シート搬送部2は、前記発光部と前記受光部との間の光路を開放する開放位置と当該光路を遮断する遮断位置との間で移動可能なアクチュエーター(不図示)を備える。前記アクチュエーターは、二次転写ローラー27によって搬送されるシートに発生する撓みの量が所定値を超える場合に、当該撓みと接触して、前記開放位置から前記遮断位置へ移動可能に設けられる。つまり、二次転写ローラー27によって搬送されるシートに発生する撓みの量が所定値を超えるか否かに応じて、センサー49の出力信号が切り替わる。なお、センサー49は、シートとの間の距離を計測可能な距離センサーであってもよい。
【0050】
画像形成装置100では、センサー49によるシートの撓みの検出結果に基づいて、加圧部材28Bによるシートの搬送速度が制御される。
【0051】
図1に示されるように、センサー49は、定着装置28を経由する排紙路46よりも第1方向D9とは逆の第2方向D10(図1参照)側に設けられる。また、図1に示されるように、センサー49は、反転搬送路47の前記延在区間よりも第1方向D9側に設けられる。反転搬送路47の前記延在区間は、センサー49よりも第2方向D10側で上下方向D1に沿って延在する。排紙路46は、本発明の搬送路の一例である。
【0052】
例えば、シート搬送部2は、第2搬送方向D7と直交するシートの幅方向(左右方向D3と同じ方向)に沿って並ぶ2つのセンサー49を備える。なお、シート搬送部2は、1つ、又は3つ以上のセンサー49を備えていてもよい。
【0053】
なお、センサー49は、二次転写ローラー27によって搬送されるシートに発生する撓みを検出する機能を備えておらず、単にシートの存否を検出する機能のみを備えていてもよい。
【0054】
ところで、画像形成装置100では、定着装置28で発生する熱により、センサー49が誤作動を起こすことがある。これに対し、センサー49に空気を吹き付けてセンサー49を冷却する前記画像形成装置が関連技術として知られている。
【0055】
しかしながら、上述の関連技術に係る前記画像形成装置では、センサー49に吹き付けられる空気の吸気に用いられる開口部が前記画像形成装置の側面に形成されている。そのため、前記開口部と対向する位置に物又は壁が配置された場合に、その物又は壁によって前記開口部からの吸気が阻害され、センサー49の冷却が不十分となり、それによってセンサー49が誤作動を起こすおそれがある。
【0056】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、定着装置28で発生する熱によりセンサー49が誤作動を起こすことを抑制可能である。
【0057】
具体的に、シート搬送部2は、図1、及び図4に示される吸気口51、送風口52、ダクト53、及び送風ファン54を備える。
【0058】
吸気口51は、画像形成装置100の上面で開口する。
【0059】
図1、及び図4に示されるように、吸気口51は、ガイド部材48の上面形成部48Aに設けられる。
【0060】
送風口52は、センサー49へ向けて開口する。
【0061】
図1、及び図4に示されるように、送風口52は、ガイド部材48のガイド面形成部48Bに設けられる。つまり、送風口52は、反転搬送路47の前記延在区間における第2方向D10側のガイド面に形成される。
【0062】
送風口52は、センサー49ごとに設けられる。つまり、シート搬送部2は、2つのセンサー49に対応する2つの送風口52を備える(図4参照)。
【0063】
ダクト53は、吸気口51から送風口52まで延びる。
【0064】
図4に示されるように、ダクト53は、第1案内部53A、及び複数の第2案内部53Bを備える。第1案内部53Aは、吸気口51から下方向に延びる形状に形成される。複数の第2案内部53Bは、第1案内部53Aから分岐してセンサー49ごとに設けられる送風口52まで延びる形状に形成される。複数の第2案内部53Bは、ガイド面形成部48Bにおけるガイド面の裏側の面に設けられる。なお、図4では、第1案内部53A、及び2つの第2案内部53Bの背面側を覆う蓋部が取り外されて、第1案内部53A、及び2つの第2案内部53Bの内部が露出した状態が示されている。
【0065】
送風ファン54は、ダクト53内を吸気口51から送風口52へ向けて移動する気流AF(図1参照)を発生させる。送風ファン54は、本発明の気流発生部の一例である。なお、本発明の気流発生部は、ファンに限られず、駆動によって気流AFを発生可能な装置であればよい。
【0066】
図1、及び図4に示されるように、送風ファン54は、吸気口51の下側に設けられる。
【0067】
送風ファン54は、シートに画像を形成する画像形成処理の実行中に駆動される。前記画像形成処理には、シートの両面に画像を形成する両面画像形成処理が含まれる。
【0068】
[制御部5の構成]
次に、図2を参照しつつ、制御部5の構成について説明する。
【0069】
図2に示されるように、制御部5は、停止処理部61、及び留保処理部62を含む。
【0070】
具体的に、制御部5のROM12には、制御部5のCPU11を上述の各処理部として機能させるための搬送制御プログラムが予め格納されている。そして、制御部5のCPU11は、ROM12に格納された前記搬送制御プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。なお、制御部5に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記搬送制御プログラムは、複数のプロセッサーを制御部5に含まれる各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0071】
停止処理部61は、シートの両面に画像を形成する前記両面画像形成処理の実行中において予め定められた停止タイミングが到来した場合に、シートの搬送を停止させる。
【0072】
例えば、前記停止タイミングは、画像形成部1による画像形成条件を調整する調整処理の実行条件を充足したタイミングを含む。例えば、前記調整処理では、不図示の濃度センサーによる、中間転写ベルト26に形成される予め定められた検出用トナー像の濃度の検出結果に基づいて、現像装置33の前記現像ローラーに印加される前記現像バイアス電圧が調整される。前記調整処理の実行中は、シートの搬送が停止される。例えば、前記調整処理の実行条件は、前記両面画像形成処理の開始時からの画像形成枚数が予め定められた基準枚数の倍数に達すること、である。
【0073】
また、前記停止タイミングは、画像形成動作を停止した状態で現像装置33にトナーを補給する補給処理の実行条件を充足したタイミングを含む。具体的に、前記補給処理では、シートの搬送が停止された状態で、トナーコンテナ36から現像装置33へトナーが補給される。例えば、前記補給処理の実行条件は、不図示のトナー濃度センサーによって検出される現像装置33の内部のトナー濃度が予め定められた基準濃度を下回ること、である。
【0074】
なお、前記停止タイミングは、以上に述べたタイミングとは異なるタイミングを含んでいてもよい。
【0075】
留保処理部62は、前記停止タイミングが到来した場合においてシートがセンサー49と送風口52との対向部を通過中である場合に、シートが前記対向部を通過し終えるまで停止処理部61によるシートの搬送の停止を留保させる。
【0076】
例えば、シート搬送部2は、反転搬送路47における前記対向部よりも第3搬送方向D8の上流側でシートの存否を検出可能なシートセンサー(不図示)を備える。留保処理部62は、前記停止タイミングが到来した場合に、直前の前記シートセンサーによるシートの検出タイミングからの経過時間に基づいて、シートが前記対向部を通過中であるか否かを判定する。また、留保処理部62は、シートが前記対向部を通過中であると判定した場合に、直前の前記シートセンサーによるシートの検出タイミングからの経過時間に基づいて、シートが前記対向部を通過し終えたか否かを判定する。
【0077】
[搬送制御処理]
以下、図5を参照しつつ、画像形成装置100において制御部5により実行される搬送制御処理の手順の一例とともに、本発明の搬送制御方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記搬送制御処理は、前記両面画像形成処理の実行指示が入力された場合に、前記両面画像形成処理とともに開始され、前記両面画像形成処理の終了とともに終了される。
【0078】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、前記停止タイミングが到来したか否かを判定する。
【0079】
ここで、制御部5は、前記停止タイミングが到来したと判定すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、制御部5は、前記停止タイミングが到来していないと判定すると(S11のNo側)、ステップS11で前記停止タイミングの到来を待ち受ける。
【0080】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、シートがセンサー49と送風口52との前記対向部を通過中であるか否かを判定する。
【0081】
ここで、制御部5は、シートが前記対向部を通過中であると判定すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、制御部5は、シートが前記対向部を通過中ではないと判定すると(S12のNo側)、処理をステップS14に移行させる。
【0082】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、シートがセンサー49と送風口52との前記対向部を通過し終えたか否かを判定する。
【0083】
ここで、制御部5は、シートが前記対向部を通過し終えたと判定すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、制御部5は、シートが前記対向部を通過し終えてないと判定すると(S13のNo側)、ステップS13でシートが前記対向部を通過し終えるのを待ち受ける。ここで、ステップS13の処理は、本発明の留保ステップの一例であって、制御部5の留保処理部62により実行される。
【0084】
これにより、シートが前記対向部を通過中である場合に、シートが前記対向部を通過し終えるまで、ステップS14の処理、つまりシートの搬送の停止が留保される。そのため、搬送を停止されたシートによって送風口52からセンサー49への送風が阻害されることを回避可能である。
【0085】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、シートの搬送を停止させる。ここで、ステップS14の処理は、本発明の停止ステップの一例であって、制御部5の停止処理部61により実行される。
【0086】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、予め定められた再開タイミングが到来したか否かを判定する。
【0087】
例えば、前記調整処理が実行される場合の前記再開タイミングは、前記調整処理が終了すること、である。また、前記補給処理が実行される場合の前記再開タイミングは、前記補給処理が終了すること、である。
【0088】
ここで、制御部5は、前記再開タイミングが到来したと判定すると(S15のYes側)、処理をステップS16に移行させる。また、制御部5は、前記再開タイミングが到来していないと判定すると(S15のNo側)、ステップS15で前記再開タイミングの到来を待ち受ける。
【0089】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、シートの搬送を再開させる。
【0090】
このように、画像形成装置100では、センサー49に吹き付けられる空気を吸気する吸気口51が画像形成装置100の上面に形成されている。そのため、吸気口51が画像形成装置100の側面に形成される構成と比較して、当該側面と対向する位置に配置される物又は壁により、吸気口51からの吸気が阻害されることを回避可能である。従って、定着装置28で発生する熱によりセンサー49が誤作動を起こすことを抑制可能である。
【0091】
また、画像形成装置100では、シート排出口46Aが定着装置28の上側で第1方向D9へ向けて開口し、二次転写ローラー27が定着装置28の下側に配置され、センサー49が排紙路46よりも第1方向D9とは逆の第2方向D10側に設けられている。これにより、定着装置28の第2方向D10側で、ダクト53を画像形成装置100の上面からセンサー49まで上下方向D1に延ばすことが可能である。従って、ダクト53の形状を簡素にすることが可能である。
【0092】
また、画像形成装置100では、ダクト53が、吸気口51から下方向に延びる第1案内部53A、及び第1案内部53Aから分岐してセンサー49ごとに設けられる送風口52まで延びる複数の第2案内部53Bを含む。これにより、一つのダクト53で、複数のセンサー49を冷却することが可能である。
【0093】
なお、本発明は、水平方向に沿って二次転写ローラー27、及び定着装置28が並んで配置される画像形成装置に適用されてもよい。また、本発明は、モノクロの画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 画像形成部
2 シート搬送部
3 操作表示部
4 記憶部
5 制御部
21 画像形成ユニット(Y)
22 画像形成ユニット(C)
23 画像形成ユニット(M)
24 画像形成ユニット(K)
25 光走査装置
26 中間転写ベルト
27 二次転写ローラー
28 定着装置
29 排紙トレイ
41 給紙カセット
42 ピックアップローラー
43 給紙ローラー
44 分離ローラー
45 給紙路
46 排紙路
47 反転搬送路
48 ガイド部材
49 センサー
51 吸気口
52 送風口
53 ダクト
54 送風ファン
61 停止処理部
62 留保処理部
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5