(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169935
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】除電装置を含む画像形成装置、その制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 5/00 20060101AFI20241129BHJP
G03G 15/02 20060101ALI20241129BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241129BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241129BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241129BHJP
B41J 29/00 20060101ALN20241129BHJP
【FI】
B65H5/00 A
G03G15/02 102
G03G21/00 376
G03G21/00 386
B41J29/38 206
G03G15/00 460
B41J29/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086808
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】品川 一貴
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H200
2H270
3F101
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061BB28
2C061CP02
2C061HJ10
2C061HK03
2C061HK07
2C061HN08
2C061HN15
2H072AB22
2H072CA01
2H072CB05
2H072GA00
2H072HB03
2H072JA02
2H200FA01
2H200GA02
2H200GA03
2H200GA04
2H200GA09
2H200HA02
2H200HA12
2H200HA29
2H200HB06
2H200HB12
2H200HB48
2H200NA02
2H200PA03
2H200PA18
2H200PA22
2H270LC02
2H270MA40
2H270MB07
2H270PA04
2H270PA14
2H270QB05
2H270QB09
2H270QB14
2H270QB21
3F101AA02
3F101LA02
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】複数種類のシートに対してユーザーの要望に応じてハードウェア的又はソフトウェア的に適切且つ容易に除電バイアスの調整値を設定して除電処理を実行する画像形成装置が望まれていた。
【解決手段】除電装置200-3aと印刷装置100を備えた画像形成装置1000であって、受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段211から取得する取得手段S903と、前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段S909,S918を有し、前記設定手段は、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合はS907、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定しS909、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定するS918ことを特徴とする。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段を有し、
前記設定手段は、
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記印刷ジョブにおいてシートの種類が変るごとに、シートの除電制御に関する情報を管理手段から取得することを
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、印刷ジョブを一時停止して、ユーザーに前記取得した除電バイアスの調整値に基づいて除電設定を行う旨を報知する画面を表示する第1の表示手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合であって、前記除電装置の除電設定が無効であった場合は、印刷ジョブを一時停止して、ユーザーに前記除電装置の除電設定が無効である旨を報知する画面を表示する第2の表示手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報であるシートデータを管理する管理手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報のシートの環境変動による影響に関する情報が、影響が大きい旨であった場合は、印刷ジョブの開始を保留し、ユーザーに除電設定の確認を促す画面を表示する表示手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得工程と、
前記取得工程において取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を設定する設定工程を有し、
前記設定工程は、
前記取得工程において取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、
前記取得工程において取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を除電バイアスの調整値として設定する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電したシートを除電する除電装置を含む画像形成装置及びその制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷作業に用いる記録媒体(以下「シート」という。)は、電子写真プロセスの過程における残荷電、もしくはシート搬送中に生じる搬送ローラーやガイドとの僅かな摩擦により、静電気を帯びた状態で搬送される。そしてこの静電気により、シート同士が貼り付いてしまうことがある。また、埃や紙粉が成果物に付着することによる成果物品質の低下を引き起こす。
ここで、普通紙等はシート自体が持つ電気抵抗が低く、シート内で電荷が移動しやすいため、帯電量自体も小さく解消も早い。一方、厚紙や合成紙、コート紙といった合成樹脂(プラスチック)を用いたシートは、シートが持つ電気抵抗が高く、シート内での電荷移動が起こりにくい。そのため、結果として合成紙やコート紙のようなシートほど帯電しやすく、電荷が残りやすいという傾向がある。また、環境、特に湿度の影響を受けやすく、湿度が低い環境ほど空気中への放電量が減る影響で、静電気を帯びやすくなることが一般的に知られている。水分含有量の多い普通紙等は湿度の影響を受けやすいものの帯電量自体は少ない一方、水分含有量の少ない合成樹脂を用いたシートは湿度の影響を受けにくいが帯電の影響は起こりやすい。
仮にシート同士が貼り付いた状態で後処理を行うと、シートの整合処理に影響を及ぼし、後処理の品質が低下するばかりか、後処理時の給紙不良や搬送不良によるJAMを誘発し、シートや機器へダメージを与えかねない。
そのため、このようなリスクを発生させないよう、後処理の実施前に、印刷工程後のシートの静電気を除電することが望ましい。そこで、シート搬送方向の下流に位置する搬送ローラー対に対して電圧を印加することで、シートに帯電した電荷を打ち消す手法などが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送ローラーに電圧を印加した構成(以下「除電ローラー」という。)による除電は、シートに帯電している電荷と逆の電荷を、除電ローラーを介してシートに与えることにより、帯電している静電気を打ち消すものである。そのため、除電ローラーによる除電制御(除電ローラーへの、シートと逆電荷の印加)は、シートの帯電量に合わせて実施される必要がある。これは、湿度といった印刷環境やシートの銘柄ごとに、最適な除電用の電荷調整値というものが存在するからである。
最適な除電調整に関して、ハード的に調整可能な構成とすると、調整結果を確認しながら直接調整可能となり調整が容易となる。しかし、複数種類のシートに対応可能なハード調整機能を用意することは操作性の観点から難しいため単一シートに対する調整を想定することになる。一方、ソフト的に調整可能な構成とすると、複数種類のシートに対応可能となる一方で、普通紙のように環境影響を受けやすく頻繁に調整を行いたい場合には調整に手間がかかるようになる。この2つの構成を使い勝手よく両立させることが望まれる。
本発明は、複数種類のシートに対してユーザーの要望に応じてハードウェア的又はソフトウェア的に適切且つ容易に除電バイアスの調整値を設定して除電処理を実行する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得手段と、前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段を有し、前記設定手段は、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば複数種類のシートに対してユーザーの要望に応じてハードウェア的又はソフトウェア的に適切且つ容易に除電バイアスの調整値を設定して除電処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図8】シートデータ管理手段を介したシートデータベース参照、変更画面の図
【
図9A】各ページのシートに応じた除電制御処理のフローチャート
【
図11】環境変動の影響を考慮した除電制御処理のフローチャート
【
図12】除電設定の確認をユーザーに問う印刷開始確認画面の図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態1]
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
なお、以下の実施の形態には特許請求の範囲係る発明を限定するものでなく、まった実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は本実施形態の最も簡単な構成であり、画像形成装置1000、クライアントコンピュータ102(以下「PC102」という。)を有し、それらは相互にネットワーク101を介して接続されている。そして、PC102はネットワーク101を介して、画像形成装置1000へ印刷ジョブであるPDL(ページ記述言語)コードデータを送信することが可能である。
【0009】
次に、
図2のシステムブロック図を用いて画像形成装置1000の説明を行う。画像形成装置1000は、図中点線で囲まれた部分である印刷装置100と、シート処理装置200とを有する。なお、印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。また、本実施形態では、印刷装置100として、コピー機能及びプリンタ機能等、複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)を例に取り説明する。しかしながら、印刷装置100は、コピー機能のみ、あるいは、プリンタ機能のみの単一機能型の印刷装置であってもよい。本実施形態では、一例として、画像形成装置1000が以下に説明する各種構成要件を具備するものとする。
画像形成装置1000は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。ただし、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで画像形成装置1000を構成することも可能である。シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するようなシート処理を実行することができる。
スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取り、これを画像データに変換し、他のユニットに転送する。
外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置との間でデータの送受信を行う。
プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。
操作部204は
図4のような構成となっており、ハードキー入力部(キー入力部)402や、タッチパネル部401を有し、それらを介してユーザーからの指示を受付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネル部401に各種表示を行う。
【0010】
制御部205は、画像形成装置1000が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御するもので、具体的にはCPUである。即ち、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。
ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させる為のプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、PC102から受信したPDLコードデータを、制御部205が解釈し、ラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。
RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データやPDLコードデータ、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。またRAM208は、シート処理装置200に関する情報(印刷装置100に接続されている各シート処理装置200の種類や機能に関する情報等)を記憶する。制御部205は、RAM208に記憶されたこれらシート処理装置200に関する情報を制御に利用することができる。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶する為の大容量の記憶装置である。制御部205は、ユーザーからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、HDD209はスプーラとしても用いられ、制御部205はPC102から受信したPDLコードデータを印刷ジョブとして管理し、HDD209に格納することができる。また、制御部205は、HDD209に格納されている印刷ジョブの管理を行うことができ、格納されている印刷ジョブの個数や、印刷ジョブになされている設定情報を取得することも可能である。
圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
シートデータ管理部211は、シートを印刷する際に用いる制御パラメータの情報や、除電制御パラメータの優先情報や、環境変動影響情報を、シート種類毎、更にはシートの銘柄毎に管理している。制御パラメータを例示すると、シートの坪量、表面性、転写時の電圧調整値、除電制御時の除電バイアスの調整値等の情報である。なお、ブロック図としてはこのように記載しているが、シートデータ管理部211の実体は用紙情報テーブル格納されたデータベースであり、当該データベース自体は、HDD209に格納されている。
用紙情報テーブルの具体例を表1に示す。
【0011】
【0012】
上記用紙情報テーブルの名称のカラムには、”普通紙”、”合成紙”、”厚紙”などのシートの名称が、坪量のカラムには、シートの厚さを表す坪量が、サイズのカラムには、シートのサイズが格納されている。また、表面性のカラムには、”上質紙”、”ポリプロピレン”などのシートの表面性に係る情報が、特徴のカラムには、用紙の特徴に関する情報が、環境変動影響のカラムには、環境が変動した場合の帯電量の変動の大きさが格納されている。また、除電バイアスの調整のカラムには、具体的な調整値、若しくは、HWスイッチの設定に従うという優先設定等の調整に必要なパラメータ情報が格納されている。
【0013】
また、シートデータ管理部211は、用紙情報テーブルの内容を参照、および編集するための専用画面を有する。
図8にその専用画面の例を示す。本画像形成装置1000は、操作部204を介してユーザーからシート毎の設定画面を呼び出すことができるよう構成されている。そして、この呼び出しを受けると制御部205は、操作部204のタッチパネル部401に
図8(a)のシートのパラメータ一覧画面801を表示する。
パラメータ一覧画面801は、各パラメータと、その現在の設定値を表示するフィールド802を持ち、各パラメータには、その設定値を変更する際に押下する[変更]ボタンが具備されている。そして例えば、除電バイアスの調整のパラメータを変更すべく、ユーザーによって[変更]ボタン803が押下された場合、制御部205は操作部204のタッチパネル部401に、
図8(b)の除電バイアスの調整画面804を表示する。除電バイアスの調整画面804は、現在の除電バイアスの調整値805を表示するフィールドと、設定値の増減を入力する入力ボタン806を有する。そして、当該シートに対して後述する除電装置200-3aにて実施する除電処理のバイアス電圧を設定することができる。本実施形態では、ここで設定する除電処理のバイアス電圧は、直接の電圧値[kV]ではなく、+-の符号を持った強度レベルを-50~50の範囲で設定する構成とした。ここでの設定に対して、実動作としては例えば、1あたり0.1[kV]の電圧印可を除電ローラーに対して行う、といった制御を行う。なお、ここで示した設定値の単位や設定可能な範囲については一部の例であり、この内容に限ったものではない。また、HW優先のON/OFFを設定するHW優先設定807にて、前述の除電バイアスの調整画面にて設定したバイアス電圧か、後述する除電装置200-3aの操作部502の調整ダイヤル602で設定したバイアス電圧のどちらを有効とするかを設定する。他のパラメータ例として、環境変動影響の項目では、シートの水分含有量を考慮して主に湿度に関する環境変動影響を設定可能とする。
そして制御部205は、シートデータ管理部211を介して、用紙情報テーブルにアクセスすることができ、印刷に用いるシートの特徴情報や印刷制御に用いるパラメータ情報を取得することが可能な構成となっている。
【0014】
・画像形成装置のハードウェア構成
次に画像形成装置1000のハードウェア構成について、
図3を用いて説明する。
図3は印刷装置100と印刷装置100に接続されたシート処理装置200の断面図である。本図ではシート処理装置として、除電装置200-3a、中綴じ製本機200-3bを具備した構成とした。
(印刷装置)
まず印刷装置100について説明する。自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ302によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。スキャナ302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)303は、画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上にレーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム305上に貼り付けられたシート材に対してトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。4回の画像形成プロセスの後に、フルカラー画像形成された転写ドラム305上のシート材は、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。定着器308は、ローラーやベルトの組合せによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シート材の搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中時計回りの方向に揺動しているときには、シート材は真直ぐに搬送され、排紙ローラー310によって機外へ排出される。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、片面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
【0015】
一方、シート材の両面に画像を形成する場合には、排紙フラッパ309が図中反時計回りの方向に揺動し、シート材は下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラー312、反転ガイド313および両面トレイ314を備える。反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動し、シート材の搬送方向を規定する。制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面にプリント済みのシートを、反転フラッパ311を図中反時計回りの方向に揺動し、反転ローラー312を介して、反転ガイド313へと送り込むよう制御する。そして、シート材後端が反転ローラー312に狭持された状態で反転ローラー312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311が図中時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラー312を逆方向に回転させる。これにより、シートスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で、このシートを両面トレイ314へと導くよう制御する。両面トレイ314ではシート材を一旦積載し、その後、再給紙ローラー315によってシート材は再びレジストローラ316へと送り込まれる。このときシート材は、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られてきている。そして、先述したプロセスと同様にしてシートの第2面に対して2面目の画像を形成させる。そして、シート材の両面に画像が形成され、定着工程を経て排紙ローラー310を介して印刷装置100本体内部から機外へとシートを排出させる。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、両面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
【0016】
また、印刷装置100は印刷処理に要するシートを収納する給紙部を有する。給紙部には、給紙カセット317、318(例えば、それぞれ500枚のシートを収容可能)、給紙デッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。給紙カセット317、318、給紙デッキ319は、サイズや材質の異なる各種シートを、給紙部ごとに区別してセットできる。また、手差しトレイ320には、OHPシート等の特殊なシートを含む各種シートをセットすることができる。
【0017】
(除電装置)
次に除電装置200-3aについて説明する。まず、
図5に除電装置200-3aのシステムブロック図を示す。除電装置も印刷装置100とは別にCPUである制御部501を有し、この制御部501は、不図示のバスを介して
図2の印刷装置100の制御部205と通信を行いつつ、除電装置200-3a全体を統括管理する。
【0018】
〈操作部〉
操作部502は
図6のような構成となっており、本操作部502を介して、ユーザーは除電装置200-3aに対する設定を行うことができる。
図6のモード設定スイッチ601は、除電装置200-3aによる除電を行うか否か(ON/OFF)を切り替えるものであり、制御部501は当該スイッチがONの時に、後述する除電処理部503での除電処理を実行するよう制御を行う。また当該スイッチがOFFの時でも、
図8(b)のシートパラメータの除電バイアスの調整画面804のHW優先設定807が無効に設定され、且つ除電バイアスの調整値805が0以外に設定されている場合も、除電処理を実行するよう制御を行う。また、サムロータリースイッチで構成された調整ダイヤル602は、モード設定スイッチ601がONの時に行われる除電制御の強さを調節するものであり、モード設定スイッチ601がONの時のみ有効となるよう、制御部501によって制御される。当該調整ダイヤル602で設定される除電制御の強さである除電バイアスの調整値は、前述の除電バイアスの調整画面804の現在の調整値805で設定する調整値と同じ単位で調整可能とする。
除電処理部503は、後述する除電ローラー322、及びイオナイザー323、それぞれへの電圧印加コントローラ321から構成され、搬送されてきたシートに対する除電処理を担う箇所である。制御部501は、電圧印加コントローラ321を介して、除電ローラー322、およびイオナイザー323に電圧を印加する制御を実現する。
ROM504は、除電装置200-3aのブートプログラム、及び操作部204の制御プログラム、除電処理部503における除電処理プログラム等が記憶されている。そして制御部501は、適宜ROM504から、必要なプログラムをRAM505へロードし実行する。
【0019】
ここで除電処理部503にて実施される除電処理について、
図7を用いて説明を付加する。
図7は印刷装置100にて印刷処理が実行されたシートに対して、除電装置200-3aでの除電処理が実施される様子を模式的に表した図である。また、
図3と共通の部品に関しては同様の番号を用いている。まずシート701が搬送経路704を介して、感光ドラム304、および転写ドラム305から成る現像転写部へ搬送され、シートにトナーが載せられる。シートに載せられた帯電トナー702はマイナスに帯電しており、次に定着器308を通して定着された後のシートは、印字面703側がマイナスに帯電した状態で除電装置200-3aへ搬送される。除電装置200-3aは+に帯電した除電ローラー322を具備しており、マイナスに帯電した印字面703に対してローラーによる接触除電で+電荷を与え、帯電状況の解消を行う。ただし、除電ローラー322による除電処理で取りきれなかったマイナス電荷、もしくは逆に帯電したプラス電荷が、除電ローラー通紙後のシート705に残ることが想定される。そこで、さらに本実施形態で取り上げる除電装置200-3aは、除電ローラー322の下流にイオナイザー323を具備した構成としている。イオナイザー323は自装置内に具備した電極針に電圧を印加することでコロナ放電を発生させ、これにより生じたイオンを用いて帯電を解消する装置である。このように除電ローラー322にて粗除電を行い、さらにイオナイザーで残電荷を整えることにより、除電装置200-3aから排出された除電処理後のシート707は帯電が解消された状態となる。
【0020】
ここで
図3の断面図を用いた説明へ戻ると、除電装置200-3aは除電ローラー322とその対のローラーを持ち、除電装置200-3aに搬送されたシートは、両ローラーに挟持されつつ搬送され、上述の除電ローラー322による粗除電が実施される。その後搬送ローラー324によって装置外へ搬送されつつ、イオナイザー323による残電荷の除電処理が実行される。
(中とじ製本機)
次に中綴じ製本機200-3bについて説明する。中綴じ製本機200-3bによるシート処理には、例えば、中綴じ製本、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、折り処理、ステイプル処理等がある。ここでは、これらのジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
中綴じ製本ジョブを処理する場合、まず制御部205は印刷装置100で印刷されたこのジョブのシートを、中綴じ製本機200-3bに搬送させ、その後、制御部205は、このジョブのシート処理を中綴じ製本機200-3bで実行させる。そして、制御部205は、この中綴じ製本機200-3bによるシート処理がなされた中綴じ製本ジョブの印刷物を、中綴じ製本機200-3bの排紙先Zに保持させる。なお、排紙先Zには複数の排紙先候補がある。これは、中綴じ製本機200-3bが複数種類のシート処理を実行することができ、シート処理ごとに排紙先をわける際に用いられるものである。本実施形態では中綴じ製本ジョブの詳細な搬送手順に関しては説明を割愛する。
【0021】
・印刷処理
次に本稿で述べる、除電装置で設定された除電バイアスの調整値とシート毎に設定された除電バイアスの調整値を利用して印刷を行う処理について、
図9Aの(a)のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、CPUである制御部205がROM207又はHDD209に格納されたプログラムをRAM208上に展開して実行することにより実現される。
まずS901で、印刷装置100の制御部205は、ネットワーク101、及び外部I/F202を介して、印刷ジョブを受信する。
次にS902で、制御部205は、S901にて受信した印刷ジョブの設定を解釈し、例えば印刷部数や排紙先、後処理等の指定内容を把握する。
次にS903で制御部205は、除電装置200-3aの除電処理設定を取得する。本処理では、印刷装置100の制御部205からの問い合わせを受けた除電装置200-3aの制御部501が、除電装置200-3aの操作部502のモード設定スイッチ601と調整ダイヤル602の状態を取得し、印刷装置100の制御部205へ返信する。
次にS904で、制御部205は、1ページ分のPDLデータをスプーラから読み込み、展開し、当該ページの印刷に使用するシートの種類を確定する。
そしてS905で、制御部205は、現在処理しているのが先頭ページか否か、そうでなければS904にて確定したシートの種類が、直前に処理したページから変わっているか否かを判断する。先頭ページでもなく、シートの種類も直前ページから変更されていないと判断された場合(S905でNoの場合)、制御部205は、処理をS911に進める。一方、先頭ページである、もしくは直前に処理したページからシートの種類が変わっていると判断した場合(S905でYesの場合)、制御部205は処理をS906に進める。
【0022】
このようにS905の判断制御を加えることにより、先頭ページ、もしくは印刷途中にシートが切り替わった時にのみ対象シートの印刷パラメータの取得処理、並びに除電バイアスの調整が実行されるよう制御することができる。このような制御を印刷ジョブに含まれる各ページに対して実行することにより、複数のシート種類が含まれた印刷ジョブであっても、各ページのシート種類に応じた除電制御を実現することが可能となる。
S906で、制御部205はシートデータ管理部211を介して、当該シートに設定されている除電制御のパラメータ情報を取得する。そのうち除電バイアスの調整に関する情報としてHW優先設定か、除電バイアスの調整値が取得される。
次にS907で、制御部205はS906にて取得したHW優先設定が有効とされているか否かを判断する。当該シートに設定されているHW優先設定が有効とされている(S907にてYes)と判断された場合、制御部処理をS909に進める。また、当該シートに設定されているHW優先設定が有効でないすなわち除電バイアスの調整値が取得された判断された場合は、制御部205は処理をS918に進める。
HW優先設定が有効である場合、S909で、制御部205は除電装置200-3aの制御部501に対して、調整ダイヤル602の設定値を除電ローラー322のバイアス値として設定指示し、処理をS910に進める。
HW優先設定が有効でないすなわち除電バイアスの調整値である場合は、S918で、制御部205は除電装置200-3aの制御部501に対して、指定シートの除電バイアスの調整値805を除電バイアスの調整値として指示する。その後制御部205は処理をS910に進める。
続くS910で、除電装置200-3aの制御部501は、S806にて受け取った除電バイアスの調整値を用い、電圧印加コントローラ321を介して、除電ローラー322へ実際に除電バイアスの電圧印可を実行する。そして、除電バイアスの電圧印可を実行した旨(Ack)を印刷装置100の制御装置205へ通知する。そして印刷装置100の制御部205は、除電装置200-3aの制御部501より除電バイアスの電圧印可実行の通知を受け取ると、処理をS911に進める。
S911で、制御部205は、プリンタ部203を介して、当該ページの印刷を実行するよう制御を行う。
その後S912で、制御部205は、印刷したページが印刷ジョブの最終ページか否かを判断する。最終ページであると判断された(S912でYes)場合は本処理を終了し、最終ページでないと判断された(S912でNo)場合、制御部205は処理をS904へ戻し、次ページ以降に対して処理を継続する。
【0023】
なお、S907における除電設定のHW優先/非優先の切り替え時に、正しく除電設定が切り替えられていなかった場合に備えた付加的なフローについて
図9B(b),(c)を参照し以下に説明する。
まず、S907でYesの場合で、S907からS909にかけてのフローについて
図9B(c)を参照して説明する。
S908では、制御部205はS903にて取得したモード設定スイッチ601の状態で、除電装置200-3aの除電設定が有効か否かを判断する。除電装置200-3aの除電設定が有効と判断された場合(S908でYesの場合)、制御部205は処理をS909に進める。
S909で、制御部205は除電装置200-3aの制御部501に対して、調整ダイヤル602の設定値を除電ローラー322のバイアス値として設定指示する。
S908において除電装置200-3aの除電設定が無効(S908でNo)と判断された場合(S908でNoの場合)、制御部205は処理をS913に進める。
S913で、制御部205は、印刷ジョブを一時停止し、
図10(a)に示す画面1001を操作部204に表示し、ユーザーへ除電装置の設定が無効であることを報知する。画面1001は、印刷指定されたシートのHW優先設定807が有効にも関わらず、除電装置200-3aのモード設定スイッチ601がOFFの状態で、除電が必要なシートに対して除電処理が行われない恐れがあるケースに表示すべき画面である。ユーザーは、確認の上で印刷を継続する場合、もしくは除電装置の除電処理をONに変更した上で、改めて印刷の継続を指示する場合、[印刷継続]ボタン1002を押下する。また、一度印刷を取りやめる場合は、[印刷キャンセル]ボタン1003を押下する。
図10の印刷開始確認の画面1001にて、[印刷継続]ボタン1002が押下されたと判断された場合(S914でYesの場合)、制御部205は処理をS909に進める。一方、[印刷キャンセル]ボタン1003が押下されたと判断された場合は(S914でNoの場合)、印刷装置100の制御部205は、指示に従って印刷ジョブをキャンセルし、何もせずに処理を終了する。
S907において当該シートに設定されているHW優先設定が無効と判断された場合(S907でNoの場合)、制御部205は諸処理をS915に進める。
【0024】
次に、S907でNoの場合で、S907からS918にかけてのフローについて
図9B(b)を参照して説明する。
S915で、制御部205はS903にて取得したモード設定スイッチ601の状態で、除電装置200-3aの除電設定が有効か否かを判断する。除電装置200-3aの除電設定が有効と判断された場合(S915でYesの場合)、制御部205は処理をS916に進める。また、除電装置200-3aの除電設定が有効でないと判断された場合(S915でNoの場合)、制御部205は処理をS918に進める。
S916で制御部205は、印刷ジョブを一時停止し、
図10(b)に示す画面1004を操作部204に表示し、ユーザーへシートの除電バイアス調整値が意図通りか確認する表示を行う。画面1004は、印刷指定されたシートのHW優先設定807が無効にも関わらず、除電装置200-3aのモード設定スイッチ601がONの状態で、有効となる除電バイアス調整値が意図通りか確認が必要なケースに表示する画面例である。
S917でユーザーは、確認の上で印刷を継続する場合、[印刷継続]ボタン1005を押下する。また、一度印刷を取りやめる場合、もしくは当該シートの設定ではなく除電装置の除電処理を有効にしたいためシートの設定変更後に改めて印刷する場合、[印刷キャンセル]ボタン1006を押下する。
図10(b)の印刷開始確認画面1004にて、[印刷キャンセル]ボタン1006が押下されたと判断された場合(S917でNoの場合)、印刷装置100の制御部205は、指示に従って印刷ジョブをキャンセルし、何もせずに処理を終了する。
図10(b)の印刷開始確認画面1004にて、印刷継続ボタン1005が押下されたと判断された場合(S917でYesの場合)、制御部205は、処理をS918に進める。
S918で、制御部205は除電装置200-3aの制御部501に対して、指定シートの除電バイアスの調整値805を除電バイアスの調整値として指示する。その後制御部205は処理をS910に進める。
なお、本実施形態ではページ毎にシート種類の除電設定を確認したが、印刷ジョブ開始前に全ページのシート情報及び除電設定を取得してユーザーに確認するフローとしてもよい。
【0025】
[実施形態2]
実施形態1では除電装置のハードウェアで設定された除電バイアスの調整値とシート毎にソフトウェア的に設定された除電バイアスの調整値を切り替えて印刷を行う処理について説明した。
背景技術でも述べたように、静電気を帯びることによるシートの貼り付きを考慮する場合、環境変動の中で特に湿度の影響が大きく、湿度の影響はシートの水分含有量によって影響度が異なる。シートの種類によっては、水分含有量が異なるため湿度の影響を受けやすいものもある。例えば、水分含有量の多い普通紙や厚紙は環境変動特に湿度の影響を受けやすく、合成紙のように水分含有量の少ないシートは影響を受けにくい。
実施形態2では環境変動影響を受けやすいシートの印刷フローについて
図11のフローチャートを用いて説明する。本印刷処理は、印刷装置100のCPUである制御部205がROM207又はHDD209に格納されたプログラムをRAM208に展開して実行することにより実現される。
まずS1101で、印刷装置100の制御部205は、ネットワーク101、及び外部I/F202を介して、印刷ジョブを受信する。
次にS1102で、制御部205は、S1101にて受信した印刷ジョブの設定を解釈し、シートデータ管理部211を介して、指定された全シートに設定されている環境変動影響の設定値をそれぞれ取得する。
次にS1103で、制御部205は、S1102で取得したシート情報から環境変動を受けやすいシートが含まれているかを確認する。各シートが環境変動を受けやすいシートであるか否かは、各シートの除電設定である
図8の各シートのパラメータ一覧画面801の環境変動影響項目の設定から判断する。この環境変動影響項目は不図示の環境変動影響設定画面にて事前にユーザーが大小を設定してもよいし、システムとして事前にデフォルト設定された情報をそのまま利用してもよい。環境変動を受けやすいシートが含まれている(S1103にてYes)と判断された場合、制御部205は、処理をS1104に進める。
S1104で、制御部205は、印刷ジョブの開始を保留し、
図12に示す画面1201を操作部204に表示し、ユーザーへ除電設定の再確認を促す。画面1201は、印刷指定されたシートが環境変動特に湿度の影響を受けやすいシートであるため、除電設定を行った環境から変化が発生していて適切な除電設定がなされていない可能性があるケースに表示すべき画面例である。ユーザーは、確認の上で印刷を継続する場合、[印刷継続]ボタン1202を押下する。また、一度印刷を取りやめる場合、[印刷キャンセル]ボタン1203を押下する。
図12の印刷開始確認の画面1201にて、[印刷継続]ボタン1202が押下されたと判断された場合(S1105にてYes)、制御部205は処理をS1106に進める。
一方、[印刷キャンセル]ボタン1203が押下されたと判断された場合(S1105でNo)、印刷装置100の制御部205は、処理をS1107に進める。
指示に従って印刷ジョブをキャンセルし、何もせずに処理を終了する。
S1106で、制御部205は、設定されている除電設定を行い印刷実行し、本処理を終了する。
S1107で、制御部205は、指示に従って印刷ジョブをキャンセルし、何もせずに本処理を終了する。
なお、実施形態1の印刷処理において、取得したシートデータから湿度など環境変動の影響を受けやすいシートの場合、除電処理の除電バイアスの調整を印刷時の環境に応じてユーザーが操作部の調整ダイヤルで直接調整できるようしてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本実施形態の開示は、以下の構成、方法およびプログラムを含む。
(構成1)
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を前記除電装置に設定する設定手段を有し、
前記設定手段は、
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を設定する
ことを特徴とする画像形成装置。
(構成2)
前記取得手段は、前記印刷ジョブにおいてシートの種類が変るごとに、シートの除電制御に関する情報を管理手段から取得することを
ことを特徴とする構成1に記載の画像形成装置。
(構成3)
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、印刷ジョブを一時停止して、ユーザーに前記取得した除電バイアスの調整値に基づいて除電設定を行う旨を報知する画面を表示する第1の表示手段を有する
ことを特徴とする構成1又は2に記載の画像形成装置。
(構成4)
前記取得手段により取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合であって、前記除電装置の除電設定が無効であった場合は、印刷ジョブを一時停止して、ユーザーに前記除電装置の除電設定が無効である旨を報知する画面を表示する第2の表示手段を有する
ことを特徴とする構成1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(構成5)
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報であるシートデータを管理する管理手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した情報のシートの環境変動による影響に関する情報が、影響が大きい旨であった場合は、印刷ジョブの開始を保留し、ユーザーに除電設定の確認を促す画面を表示する表示手段を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
(方法1)
除電装置と印刷装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、
受信した印刷ジョブに係るシートの除電制御に関する情報を、前記情報を管理する管理手段から取得する取得工程と、
前記取得工程において取得した情報に基づいて除電バイアスの調整値を設定する設定工程を有し、
前記設定工程は、
前記取得工程において取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報がハードウェアの設定を優先する旨の情報であった場合は、前記除電装置の調整ダイヤルの値を除電バイアスの調整値として設定し、
前記取得工程において取得した情報の除電バイアスの調整に関する情報が除電バイアスの調整値であった場合は、該除電バイアスの調整値を除電バイアスの調整値として設定する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
(プログラム1)
方法1に記載の画像形成装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0026】
1000 画像形成装置
100 印刷装置
200 シート処理装置
200-3a 除電装置
211 シートデータ管理部