(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169960
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】馬の走行状態判定方法及び走行状態判定プログラム、並びに歩数取得方法及び歩数取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20241129BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q50/34
A01K29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086841
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592120885
【氏名又は名称】日本中央競馬会
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 健一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 史隆
(72)【発明者】
【氏名】井上 智晶
(72)【発明者】
【氏名】沼田 理恵
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC54
5L050CC54
(57)【要約】
【課題】馬の位置データから馬の走行状態を判定する。
【解決手段】馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出し(
図13(a))、各時刻を含む所定時間の平均速度を算出し(
図13(a))、前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する(
図13(b)、
図13(c))。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出し、
各時刻を含む所定時間の平均速度を算出し、
前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする馬の走行状態判定方法。
【請求項2】
前記判定する処理において、前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯を特定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して右向きの方向を示している場合に、前記馬が右手前で走行していると判定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して左向きの方向を示している場合に、前記馬が左手前で走行していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の馬の走行状態判定方法。
【請求項3】
前記判定する処理において、前記速度データが前記平均速度を下回る時間帯を特定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して右向きの方向を示している場合に、前記馬が左手前で走行していると判定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して左向きの方向を示している場合に、前記馬が右手前で走行していると判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の馬の走行状態判定方法。
【請求項4】
前記判定する処理の判定結果に基づいて、前記馬が走行状態を右手前から左手前に切り替えたとき又は左手前から右手前に切り替えたときの、時刻情報及び前記馬の位置情報の少なくとも一方を出力する、処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の走行状態判定方法。
【請求項5】
馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データを抽出し、
前記速度データにおいて繰り返し出現する特徴を抽出し、
前記特徴の抽出数を前記馬の歩数とする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする馬の歩数取得方法。
【請求項6】
前記速度データを用いて、各時刻を含む所定時間の平均速度を算出する処理を前記コンピュータが実行し、
前記繰り返し出現する特徴は、前記速度が前記平均速度よりも小さい状態から大きい状態になること、前記速度が前記平均速度よりも大きい状態から小さい状態になること、のいずれか一方である、ことを特徴とする請求項5に記載の馬の歩数取得方法。
【請求項7】
前記繰り返し出現する特徴は、前記馬の速度が上昇した後に下降すること、前記馬の速度が下降した後に上昇すること、のいずれか一方である、ことを特徴とする請求項5に記載の馬の歩数取得方法。
【請求項8】
馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出し、
各時刻を含む所定時間の平均速度を算出し、
前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする馬の走行状態判定プログラム。
【請求項9】
馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻とを含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データを抽出し、
前記速度データにおいて繰り返し出現する特徴を抽出し、
前記特徴の抽出数を前記馬の歩数とする、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする馬の歩数取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、馬の走行状態判定方法及び走行状態判定プログラム、並びに歩数取得方法及び歩数取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
馬の走り方(走行状態)を表現する方法として、「手前」という表現が用いられることがある。馬は左右の肢の動きが非対称であり、右前肢よりも左前肢を前に出す場合が「左手前」、その逆が「右手前」とされている。
【0003】
一般的に、競馬においては、コーナーを回る際に遠心力で外側にふくれてしまうのを防ぐため、右回りのコースでは右手前、左回りのコースでは左手前で走るのが良いとされている。また、直線では、走りやすい手前に替えるのが良いとされている。
【0004】
従来、馬の手前を判断する方法としては、映像で確認する方法が知られている。また、馬の前両肢の間に携帯端末を装着し、携帯端末を用いて検出した上下方向の振動と、上下方向の軸周りの角速度に基づいて手前を判定する方法が知られている(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、映像から馬の手前を把握する場合、作業者は馬の映像をコマ送りするなどして着目すべき馬を目で追っていく必要があるため、手間がかかる。また、映像では複数の馬が重なることもあるため、正確に手前を把握できないおそれもある。また、特許文献1の場合、加速度センサや角速度センサなど複数種類のセンサが必要となり、装置構成が複雑になるおそれがある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、馬の位置データから馬の走行状態を判定することが可能な馬の走行状態判定方法及び走行状態判定プログラムを提供することを目的とする。また、別の側面では、本発明は、馬の位置データから馬の歩数を取得することが可能な馬の歩数取得方法及び歩数取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、馬の走行状態判定方法は、馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出し、各時刻を含む所定時間の平均速度を算出し、前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する、処理をコンピュータが実行するものである。
【発明の効果】
【0009】
馬の位置データから馬の走行状態や馬の歩数を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1(a)は、競走馬が「右手前」で走っている状態を模式的に示す図であり、
図1(b)は、競走馬が「左手前」で走っている状態を模式的に示す図である。
【
図2】
図2(a)は、「右手前」の場合において肢が地面につく順番を示す図であり、
図2(b)は、「左手前」の場合において肢が地面につく順番を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る情報処理システムの構成を概略的に示す図である。
【
図4】
図4(a)は、情報処理装置のハードウェア構成を示す図であり、
図4(b)は、馬用センサユニットのハードウェア構成を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図6】
図6(a)は、位置データから速度データを抽出する方法について説明するための図であり、
図6(b)は、位置データから角速度データを抽出する方法について説明するための図である。
【
図7】位置データから得られた速度データと角速度データの一例を示す図である。
【
図8】速度データと角速度データとともに、平均速度データを示す図である。
【
図10】
図10(a)は、平均角速度データの一例を示す図であり、
図10(b)は、
図10(a)から右手前、左手前、手前の切り替えを判定する方法について説明するための図である。
【
図11】情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
【
図12】手前の切り替えのタイミングを映像で確認した結果と、第1の実施形態の方法で分析した結果と、両結果の誤差を示す表である。
【
図14】第1の実施形態の変形例について説明するための図(その1)である。
【
図15】
図15(a)、
図15(b)は、第1の実施形態の変形例について説明するための図(その2)である。
【
図16】第2の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図17】第2の実施形態の速度データと平均速度データとを示す図である。
【
図18】第2の実施形態における歩数のカウント方法について説明するための図である。
【
図19】第2の実施形態の変形例(その1)における歩数のカウント方法について説明するための図である。
【
図20】第2の実施形態の変形例(その2)における歩数のカウント方法について説明するための図である。
【
図21】第2の実施形態の変形例(その3)における歩数のカウント方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、情報処理システムの第1の実施形態について、
図1~
図12に基づいて詳細に説明する。
【0012】
本第1の実施形態の情報処理システムは、馬(例えば競走馬)の走り方(右手前又は左手前)を解析するシステムである。
【0013】
ここで、競走馬の走り方について
図1、
図2に基づいて説明する。
図1(a)には、競走馬が「右手前」で走っている状態が模式的に示され、
図1(b)には、競走馬が「左手前」で走っている状態が模式的に示されている。なお、
図1(a)、
図1(b)においては、競走馬の左前肢及び左後肢を太線で示している。競走馬は通常「交差歩法」と呼ばれる走行方法で走行しており、
図1(a)の右手前の場合、
図2(a)に示すように、(1)左後肢→(2)右後肢→(3)左前肢→(4)右前肢の順に地面につくようになっている。その一方で、
図1(b)の左手前の場合、
図2(b)に示すように、(1)右後肢→(2)左後肢→(3)右前肢→(4)左前肢の順に地面につくようになっている。なお、走行速度がゆっくりの場合(歩行の場合)には、(2)、(3)がほぼ同時となるが、走行速度が上昇するにつれて(2)、(3)の間の時間差が大きくなる。
【0014】
図2(a)の右手前の場合、(1)左後肢において最も蹴りが強く、(4)右前肢に強い負荷がかかる。すなわち、右手前の場合、加速時において、破線白抜き矢印で示すように、やや斜め右方向に馬体が進行し、馬体はやや右回転方向に回転する。これに対し、
図2(b)の左手前の場合、(1)右後肢において最も蹴りが強く、(4)左前肢に強い負荷がかかる。すなわち、左手前の場合、加速時において、破線白抜き矢印で示すように、やや斜め左方向に馬体が進行し、馬体はやや左回転方向に回転する。本第1の実施形態では、このような馬体の動きを考慮して、競走馬の走り方を分析することとしている。
【0015】
図3には、第1の実施形態に係る情報処理システム100の構成が概略的に示されている。
【0016】
情報処理システム100は、
図3に示すように、歩行状態判定装置としての情報処理装置10と、馬用センサユニット110と、を備える。情報処理装置10は、競走馬に関する解析を行う担当者が利用するPC(Personal Computer)などの端末である。馬用センサユニット110は、競走馬に装着して使用される。情報処理装置10と馬用センサユニット110は、インターネットやLTE(Long Term Evolution)回線などのネットワークNWを介して接続されている。
【0017】
情報処理装置10は、馬用センサユニット110において得られた競走馬の位置データを取得し、取得した位置データに基づいて競走馬の走り方(走行状態)を解析する。
【0018】
図4(a)には、情報処理装置10のハードウェア構成が示されている。
図4(a)に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)190、ROM(Read Only Memory)192、RAM(Random Access Memory)194、ストレージ(HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら情報処理装置10の構成各部は、バス198に接続されている。情報処理装置10においては、ROM192あるいはストレージ196に格納されているプログラム(走行状態判定プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ199が可搬型記憶媒体191から読み取ったプログラムをCPU190が実行することにより、
図5に示す各部の機能が実現されている。なお、
図5の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。なお、
図5の各部の詳細については後述する。
【0019】
馬用センサユニット110は、競走馬の位置情報を検出するユニットである。
図4(b)には、馬用センサユニット110の構成が示されている。
図4(b)に示すように、馬用センサユニット110は、位置検出装置12と、計時装置14と、通信装置16と、制御装置18と、位置DB30と、を備える。
【0020】
位置検出装置12は、例えばRTK-GNSS(Real-Time Kinematic-Global Navigation Satellite System)受信機を有し、馬の位置情報(緯度、経度)を高精度で(2~3cm程度の誤差範囲内で)検出する。制御装置18は、位置検出装置12を用いて、所定時間間隔(例えば、0.1秒間隔)で位置検出を行う。制御装置18は、位置検出装置12により所定時間間隔で検出された位置検出結果(位置情報)を位置DB30に格納する。なお、制御装置18は、位置検出装置12による位置検出のタイミングごとに、計時装置14から時刻情報を取得し、取得した時刻情報を位置情報と紐づけて位置DB30に格納する。なお、以下においては、時間情報が紐づけられた位置情報を「位置データ」と呼ぶものとする。
【0021】
通信装置16は、制御装置18の指示の下、位置DB30に格納されている位置データを情報処理装置10に送信する。
【0022】
制御装置18は、各装置を制御して位置データを位置DB30に格納する処理を実行する。また、制御装置18は、情報処理装置10からの求めに応じて、位置データを通信装置16を介して情報処理装置10に送信する。
【0023】
(情報処理装置10の機能について)
図5は、情報処理装置10の機能ブロック図である。
図5に示すように、情報処理装置10においては、CPU190が走行状態判定プログラムを実行することにより、位置データ取得部50、データ抽出部51、平均速度算出部としての平均速度データ算出部52、着目範囲特定部54、平均角速度データ算出部56、手前判定部58、判定結果出力部60、として機能する。
【0024】
位置データ取得部50は、馬用センサユニット110から送信されてくる位置データを取得する。位置データは、前述のように、位置情報と当該位置情報が検出された時刻情報とを含む。
【0025】
データ抽出部51は、位置データ取得部50が取得した位置データから各時刻における馬の速度情報である速度データと、各時刻における馬の角速度情報である角速度データとを抽出する。
【0026】
図6(a)は、馬の速度情報の算出方法を説明するための図である。例えば、時刻t
kの速度情報は、時刻t
k-1における位置情報と、時刻t
kにおける位置情報との間の距離Dを、時間(t
k-t
k-1)で除すことにより算出できる。
【0027】
また、
図6(b)は、馬の角速度情報の算出方法を説明するための図である。
図6(b)に示すように、時刻t
k-1、t
k、t
k+1において位置情報(丸印で示す)が得られたとする。この場合、時刻t
k-1と時刻t
kの間の第1の進行方向と、時刻t
kと時刻t
k+1の間の第2の進行方向とを求める。そして、第1の進行方向と第2の進行方向の間の角度を求め、この角度を時間(t
k+1-t
k)で除した値を時刻t
kにおける角速度(deg/s)とする。なお、本実施形態においては、角速度が正値であれば、右回転を意味し、角速度が負値であれば、左回転を意味するものとする。
【0028】
図7には、競走馬が競馬場を走行したときに得られた位置データから算出された速度データと角速度データの一例が示されている。
図7に示すように、競走馬が走行しているときには、速度及び角速度が時々刻々と変化することが分かる。
【0029】
平均速度データ算出部52は、各時刻を含む所定時間(例えば前後1秒ずつ、合計2秒)の平均速度を算出し、算出した各時刻の平均速度を時系列に沿ってグラフ化したものを平均速度データとする。例えば、
図7の11時27分45秒における平均速度は、11時27分44秒から11時27分46秒までの2秒間(
図7の期間T)の速度を平均したものとなる。平均速度データ算出部52は、0.1秒毎の各時刻について、平均速度を算出し時系列に沿ってグラフ化する。この結果、
図8において破線で示すような平均速度データが得られる。
【0030】
着目範囲特定部54は、速度データが平均速度を上回る時間帯を着目範囲として特定する。すなわち、
図8の例の場合、
図9に示す範囲(白塗りした範囲以外の範囲)を着目範囲として特定する。なお、本実施形態では、馬が加速している時間を着目範囲として特定しているといえる。
【0031】
平均角速度データ算出部56は、着目範囲の角速度データを参照し、各時刻における平均角速度を算出し、算出した平均角速度を時系列に沿ってグラフ化した平均角速度データを取得する。例えば、
図9の11時27分45秒における平均角速度は、11時27分44秒から11時27分46秒までの2秒間(
図7の期間T)のうち着目範囲内の角速度を平均したものとなる。各時刻の平均角速度をグラフ化した平均角速度データは、例えば、
図10(a)に示すようなデータとなる。
【0032】
手前判定部58は、平均角速度データに基づいて、手前を判定する処理を実行する。
図10(a)の例では、平均角速度は、正値を維持し続けた後、負値に変わり、負値を維持し続けている。この場合、手前判定部58は、
図10(b)に示すように、競走馬が時刻txまで「右手前」で走行した後、時刻txにおいて手前を切り替え、その後は「左手前」で走行したと判定する。なお、馬の位置データからは、時刻txにおける馬の位置情報がわかるため、馬が競馬場のどの位置において手前切り替えを行ったかを特定することができる。
【0033】
判定結果出力部60は、手前判定部58の判定結果を出力する。例えば、判定結果出力部60は、
図10(b)のような情報や、手前切り替えを行った時刻情報や位置情報などを、表示部193上に表示する。
【0034】
(情報処理装置10の処理について)
次に、情報処理装置10の処理を
図11のフローチャートに沿って説明する。なお、本実施形態では、競馬場において開催されたレースに出走した全馬(n頭の馬)の手前を分析する場合について説明する。
【0035】
図11の処理が開始されると、まず、ステップS10において、位置データ取得部50は、レースの実施時間と、出走していた馬の情報の入力があるまで待機する。担当者は、レースの実施時間(スタートから全馬がゴールするまでの間の時間)とレースに出走していた馬の情報(識別情報等)を入力部195を介して情報処理装置10に入力する。この入力が行われると、位置データ取得部50は、ステップS12に移行する。
【0036】
ステップS12に移行すると、位置データ取得部50は、入力された馬の識別情報に対応する馬用センサユニット110それぞれに対し、入力された時間(レースの実施時間)に対応する位置データの送信を要求する。馬用センサユニット110それぞれから位置データが送信されてくると、位置データ取得部50は、位置データを取得し、データ抽出部51に受け渡す。
【0037】
次いで、ステップS14において、データ抽出部51は、各馬の位置データから、速度データと角速度データとを抽出する。これにより、レースに出走した全馬の1レース分の速度データと角速度データ(
図7参照)が得られる。
【0038】
次いで、ステップS16において、平均速度データ算出部52は、各馬の速度データを用いて、各時刻の平均速度を算出し、算出した各時刻の平均速度を時系列に沿ってグラフ化した平均速度データを取得する。この処理により、
図8において破線で示すような平均速度データを全頭分取得することができる。
【0039】
次いで、ステップS18において、着目範囲特定部54は、n頭の馬のうちの1頭の馬を選択する。
【0040】
次いで、ステップS20において、着目範囲特定部54は、選択した馬の速度データが平均速度を上回る時間帯を着目範囲として特定する(
図9に示す白塗りした範囲以外の範囲参照)。
【0041】
次いで、ステップS22において、平均角速度データ算出部56は、着目範囲の角速度データから各時刻における平均角速度を算出し、算出した平均角速度を時系列に沿ってグラフ化した平均角速度データを取得する(
図10(a)参照)。
【0042】
次いで、ステップS24において、手前判定部58は、平均角速度データに基づいて、走り方(手前)を判定する処理を実行する。この処理により、選択した馬が、右手前で走っていた時間及び位置や、左手前で走っていた時間及び位置、どのタイミング(時刻、位置)で手前切り替えが行われたか、などを特定することができる。
【0043】
次いで、ステップS26において、着目範囲特定部54は、n頭全ての馬を選択済であるか否かを判断する。このステップS26の判断が否定された場合には、ステップS28に移行し、着目範囲特定部54は、次の馬(未選択の馬)を選択する。その後は、ステップS20に戻り、ステップS26の判断が肯定されるまで、ステップS20~S28の処理・判断が繰り返される。
【0044】
ステップS26の判断が肯定された場合、すなわち、全馬の走り方の判定処理が終了した段階で、ステップS30に移行すると、判定結果出力部60は、手前判定部58の判定結果を表示部193上に出力する。これにより、担当者は、レースに出走した全馬の走り方(どの位置でどのように走っているのか)を確認することができる。
【0045】
【0046】
図12には、あるレースにおいて、最終コーナーから最後の直線にかけて手前の切り替えを行った馬に関し、各馬の手前の切り替えのタイミングを映像で確認した結果と、本第1の実施形態の方法で分析した結果とを示している。各結果は、レースのスタートからの時間(秒)で示されている。なお、「誤差」の欄には、映像で確認した結果と、本第1の実施形態の方法で分析した結果との差(秒)が示されている。なお、
図12の馬番号「7」の馬については、映像で他の馬との重なりがあったため、映像からは手前の切り替えのタイミングを確認することができなかった。
【0047】
図12において、例えば馬番号「1」の馬については、映像で確認した結果と、本第1の実施形態の方法で分析した結果とは一致しており、誤差は「0.0秒」であった。また、その他の馬についても、誤差は+0.5秒以内に収まった。このように、本第1の実施形態の方法を用いることで、精度よく馬の走り方の判定を行うことができる。また、映像では他の馬との重なりがあるなどして手前の切り替えのタイミングを確認できないような場合であっても、馬の走り方の判定を精度よく行うことができる。
【0048】
なお、本第1の実施形態では、着目範囲特定部54、平均角速度データ算出部56、及び手前判定部58により、速度データと平均速度データと角速度データに基づいて手前を判定する処理部としての機能が実現されている。
【0049】
図13(a)~
図13(c)には、第1の実施形態の処理の概要が示されている。本第1の実施形態によると、位置データ取得部50は、馬用センサユニット110から位置データを取得し(S12)、データ抽出部51は、位置データから速度データと角速度データとを抽出する(S14、
図13(a))。また、平均速度データ算出部52は、各時刻の平均速度を算出し、算出した各時刻の平均速度を時系列に沿ってグラフ化した平均速度データを取得する(S16、
図13(a))。そして、着目範囲特定部54は、馬の速度データが平均速度を上回る時間帯(すなわち、加速している時間帯)を着目範囲として特定する(S20、
図13(b))。更に、平均角速度データ算出部56は、着目範囲の角速度データから平均角速度データを算出し(S22、
図13(c))、手前判定部58は、平均角速度データに基づいて、馬の走り方が右手前であるか左手前であるかを判定する(S24、
図13(c))。これにより、本第1の実施形態では、映像を用いなくても、馬の走り方が右手前であるか左手前であるかや、いつ手前の切り替えが行われたかを精度よく判定することができる。また、馬用センサユニット110には加速度センサや角速度センサを設けなくてもよいため、馬用センサユニット110の装置の煩雑化を防ぐことができる。また、本第1の実施形態では、RTK-GNSS受信機を用いて馬の位置データを精度よく検出しているので、この位置データを用いることで、馬の走り方を精度よく判定することができる。
【0050】
なお、上記第1の実施形態では、着目範囲特定部54は、速度データが平均速度を上回る時間帯(すなわち、加速している時間帯)を着目範囲として特定する場合について説明した(
図9参照)。しかしながら、これに限られるものではなく、着目範囲特定部54は、速度データが平均速度を下回る時間帯(すなわち、減速している時間帯)を着目範囲として特定してもよい。この場合、
図8の速度データと平均速度データからは、
図14に示す範囲(白塗りした範囲以外の範囲)が着目範囲として特定される。通常、右手前で走っている場合、減速している時間帯で、馬体は左回転しており、左手前で走っている場合、減速している時間帯で、馬体は右回転している。したがって、
図14の着目範囲から得られる平均角速度データが、仮に
図15(a)に示すようなデータであった場合には、手前判定部58は、
図15(b)に示すように、平均角速度が「正値」であれば「左手前」と判定する。また、手前判定部58は、平均角速度が「負値」であれば「右手前」と判定する。このような処理を行うこととしても、上記第1の実施形態と同様、精度よく馬の走り方を判定することができる。
【0051】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態に係る情報処理システムについて、
図16~
図18に基づいて説明する。
【0052】
本第2の実施形態の情報処理システム100は、馬(例えば競走馬)の歩数を解析(カウント)するシステムである。なお、情報処理システム100のシステム構成及びハードウェア構成は、上記第1の実施形態と同様である(
図3、
図4参照)。
【0053】
図16には、第2の実施形態に係る歩数取得装置としての情報処理装置10の機能ブロック図が示されている。
図16に示すように、第2の実施形態に係る情報処理装置10は、CPU190が歩数取得プログラムを実行することにより、位置データ取得部70、データ抽出部71、平均速度データ算出部72、特徴抽出部74、歩数判定部78、判定結果出力部80、として機能する。
【0054】
位置データ取得部70は、馬用センサユニット110から送信されてくる位置データを取得する。位置データは、第1の実施形態と同様、位置情報と当該位置情報が検出された時刻情報とを含む。
【0055】
データ抽出部71は、位置データ取得部70が取得した位置データから各時刻における馬の速度情報である速度データを抽出する。
図17には、速度データが太実線にて示されている。
【0056】
平均速度データ算出部72は、各時刻を含む所定時間(例えば前後1秒ずつ、合計2秒)の平均速度を算出し、算出した各時刻の平均速度を時系列に沿ってグラフ化したものを平均速度データとする。この結果、
図17において破線で示すような平均速度データが得られる。
【0057】
特徴抽出部74は、速度データにおいて繰り返し出現する所定の特徴を抽出する。本第2の実施形態において、所定の特徴は、速度が平均速度よりも小さい状態から大きい状態になること、であるものとする。
図17の例では、
図18において太実線で示す部分が所定の特徴として抽出される。
【0058】
歩数判定部78は、特徴抽出部74が抽出した太実線部分の数(所定の特徴の出現回数)をカウントし、馬の歩数とする。ここで、馬は、前述のように4本の肢が地面につく間に、加速と減速を繰り返している。このため、速度が平均速度よりも小さい状態から大きい状態になる回数、すなわち、加速の回数をカウントすることで、実質的に歩数をカウントしているといえる。
【0059】
判定結果出力部80、歩数判定部78によってカウントされた歩数を表示部193上に表示する。
【0060】
以上、説明したように、本第2の実施形態によると、位置データ取得部70が、馬用センサユニット110から位置データを取得し、データ抽出部71が、位置データに基づいて速度データを抽出する。そして、平均速度データ算出部72は、平均速度データを算出し、特徴抽出部74は、速度が平均速度よりも小さい状態から大きい状態になる、という特徴部分を抽出し、歩数判定部78は、特徴部分の出現回数を歩数とする。これにより、本第2の実施形態によれば、馬の歩数を精度よくカウントすることができる。例えば、レースの開始時刻からゴールするまでの間の馬の位置データを取得して、上記のような処理を行えば、レース距離を走行するのに要した歩数を精度よくカウントすることができる。
【0061】
なお、上記第2の実施形態では、速度が平均速度よりも小さい状態から大きい状態になることを、所定の特徴とする場合について説明したが、これに限られるものではない。所定の特徴は、例えば、速度が平均速度よりも小さい状態から大きい状態になること、であってもよい。馬は、前述のように4本の肢が地面につく間に、加速と減速を繰り返している。このため、速度が平均速度よりも大きい状態から小さい状態になる回数、すなわち、減速の回数をカウントすることで、実質的に歩数をカウントしているといえる。この場合、
図19に示す太実線部分が所定の特徴として抽出される。
図19のような方法を採用しても、上記第2の実施形態と同様、馬の歩数を精度よくカウントすることができる。
【0062】
なお、上記第2の実施形態では、速度データと加速度データの交点の数をカウントし、その1/2を歩数としてカウントしてもよい。
【0063】
なお、所定の特徴は、
図18、
図19で説明したような特徴でなくてもよく、例えば、速度が上昇した後に下降する点を所定の特徴としてもよい。この場合、
図20において白丸で示す点の数を歩数としてカウントすることになる。このようにしても、実質的に、加速と減速の繰り返しの数を歩数としてカウントすることができるので、
図18、
図19と同様、馬の歩数を精度よくカウントすることができる。
【0064】
更に、例えば、速度が下降した後に上昇する点を所定の特徴としてもよい。この場合、
図21おいて白丸で示す点の数を歩数としてカウントすることになる。このようにしても、実質的に、減速と加速の繰り返しの数を歩数としてカウントすることができるので、
図18~
図20と同様、馬の歩数を精度よくカウントすることができる。
【0065】
なお、
図20、
図21の例においては、速度データのグラフのうち、上に凸な部分の数や、下に凸な部分の数をカウントすることとしてもよい。
【0066】
なお、角速度データを用いて、上記第2の実施形態や第2の実施形態の変形例のようにして、歩数をカウントすることも可能である。この場合、角速度データが正値から負値に変化する点や、角速度データが負値から正値に変化する点の数を歩数としてカウントしてもよい。また、角速度データにおいて、角速度が大きくなった後に小さくなる点や、小さくなった後に大きくなる点の数を歩数としてカウントしてもよい。ただし、角速度データは、値が0になる場合があったり、手前の切り替えによる影響を受けて、角速度データが通常の走行時とは異なる挙動を示すこともある。したがって、加速度データを用いて歩数をカウントする場合、速度データを用いる場合よりも精度が多少低くなる可能性がある。
【0067】
なお、上記第1、第2の実施形態及び変形例では、馬用センサユニット110と情報処理装置10がネットワークNWを介して接続されている場合について説明したが、これに限られるものではない。馬用センサユニット110と情報処理装置10がネットワークNWを介して接続されていなくてもよく、この場合には、馬用センサユニット110と情報処理装置10との間の位置データのやり取りを、メモリカード等の記憶媒体を介して行うこととしてもよい。
【0068】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0069】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0070】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0071】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0072】
なお、以上の第1、第2の実施形態及び変形例の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出し、
各時刻を含む所定時間の平均速度を算出し、
前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする馬の走行状態判定方法。
(付記2) 前記判定する処理において、前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯を特定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して右向きの方向を示している場合に、前記馬が右手前で走行していると判定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して左向きの方向を示している場合に、前記馬が左手前で走行していると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の馬の走行状態判定方法。
(付記3) 前記判定する処理において、前記速度データが前記平均速度を下回る時間帯を特定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して右向きの方向を示している場合に、前記馬が左手前で走行していると判定し、特定した時間帯の前記角速度データが前記馬の進行方向に対して左向きの方向を示している場合に、前記馬が右手前で走行していると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の馬の走行状態判定方法。
(付記4) 前記判定する処理の判定結果に基づいて、前記馬が走行状態を右手前から左手前に切り替えたとき又は左手前から右手前に切り替えたときの、時刻情報及び前記馬の位置情報の少なくとも一方を出力する、処理を前記コンピュータが実行することを特徴とする付記1~3のいずれかに記載の走行状態判定方法。
(付記5) 馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データを抽出し、
前記速度データにおいて繰り返し出現する特徴を抽出し、
前記特徴の抽出数を前記馬の歩数とする、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする馬の歩数取得方法。
(付記6) 前記速度データを用いて、各時刻を含む所定時間の平均速度を算出する処理を前記コンピュータが実行し、
前記繰り返し出現する特徴は、前記速度が前記平均速度よりも小さい状態から大きい状態になること、前記速度が前記平均速度よりも大きい状態から小さい状態になること、のいずれか一方である、ことを特徴とする付記5に記載の馬の歩数取得方法。
(付記7) 前記繰り返し出現する特徴は、前記馬の速度が上昇した後に下降すること、前記馬の速度が下降した後に上昇すること、のいずれか一方である、ことを特徴とする付記5に記載の馬の歩数取得方法。
(付記8) 馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻を含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出し、
各時刻を含む所定時間の平均速度を算出し、
前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする馬の走行状態判定プログラム。
(付記9) 馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻とを含む位置データを取得し、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データを抽出し、
前記速度データにおいて繰り返し出現する特徴を抽出し、
前記特徴の抽出数を前記馬の歩数とする、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする馬の歩数取得プログラム。
(付記10) 馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻とを含む位置データを取得する位置データ取得部と、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データと、前記馬の角速度を示す角速度データとを抽出するデータ抽出部と、
各時刻を含む所定時間の平均速度を算出する平均速度算出部と、
前記速度データが前記平均速度を上回る時間帯又は下回る時間帯の前記角速度データに基づいて、前記馬の走行状態が右手前であるか左手前であるかを判定する処理部と、
を備える馬の走行状態判定装置。
(付記11) 馬に装着され前記馬の位置情報を検出する位置検出装置から、前記位置情報と前記位置情報の検出時刻とを含む位置データを取得する位置データ取得部と、
前記位置データに基づいて、前記馬の速度を示す速度データを抽出するデータ抽出部と、
前記速度データにおいて繰り返し出現する特徴を抽出する特徴抽出部と、
前記特徴の抽出数を前記馬の歩数とする歩数判定部と、
を備える馬の歩数取得装置。
【符号の説明】
【0073】
10 情報処理装置(走行状態判定装置、歩数取得装置)
12 位置検出装置
50 位置データ取得部
51 データ抽出部
52 平均速度データ算出部(平均速度算出部)
54 着目範囲特定部(処理部の一部)
56 平均角速度データ算出部(処理部の一部)
58 手前判定部(処理部の一部)
70 位置データ取得部
71 データ抽出部
74 特徴抽出部
78 歩数判定部