(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169970
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】誘引紐支持具
(51)【国際特許分類】
A01G 9/12 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
A01G9/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086857
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】514074762
【氏名又は名称】有限会社シーム
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】山 和幸
【テーマコード(参考)】
2B023
【Fターム(参考)】
2B023AC03
2B023AF01
2B023AF02
2B023AF05
(57)【要約】
【課題】誘引紐の取り付けと長さ調整を容易に行うことが可能な誘引紐支持具の提供。
【解決手段】植物を誘引する誘引紐Rを誘引線に掛けて支持するための誘引紐支持具1であって、上下方向に吊り下げられた誘引紐を沿わせる本体部2と、本体部2に沿って上下方向に延び、本体部2よりも肉厚に形成され、本体部2との間に段差面を形成する第1肉厚部4と、本体部2の上部および下部に、それぞれ本体部2および第1肉厚部4との間に隙間5A,5Bを隔てて第1肉厚部4がある側の側方へ向かって延びる第1および第2の腕部3A,3Bと有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を誘引する誘引紐を誘引線に掛けて支持するための誘引紐支持具であって、
上下方向に吊り下げられた前記誘引紐を沿わせる本体部と、
前記本体部に沿って上下方向に延び、前記本体部よりも肉厚に形成され、前記本体部との間に段差面を形成する第1肉厚部と、
前記本体部の上部および下部に、それぞれ前記本体部および前記第1肉厚部との間に隙間を隔てて前記第1肉厚部がある側の側方へ向かって延びる第1および第2の腕部と
を有する誘引紐支持具。
【請求項2】
前記腕部の先端部に、前記腕部よりも肉厚に形成され、前記腕部との間に段差面を形成する第2肉厚部を有する請求項1記載の誘引紐支持具。
【請求項3】
前記第1肉厚部は、前記腕部よりも側方へ突出している請求項1または2に記載の誘引紐支持具。
【請求項4】
前記第1肉厚部は、前記本体部よりも上下方向に長い請求項1または2に記載の誘引紐支持具。
【請求項5】
前記本体部は、前記第1肉厚部と反対側の端部が肉厚に形成された摘み部を有する請求項1または2に記載の誘引紐支持具。
【請求項6】
前記摘み部の上部および下部にそれぞれ突起部を有する請求項5記載の誘引紐支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピーマン等の植物を誘引する誘引紐を誘引線に掛けて支持するための誘引紐支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
ピーマンの誘引方法は、誘引角度が直立に近いV字型から、ふところを大きく広げたU字型の方法がある。誘引角度をV字型にすると栄養成長に傾き、U字型にすると生殖成長に傾く。ピーマンのような樹勢が弱い品種は、一旦弱まると回復が遅れるので、初期は直立に近いV字型に立て、主枝摘心後、樹勢に応じて誘引紐の長さを調節して、栄養成長と生殖成長のバランスを取る必要がある(非特許文献1参照。)。
【0003】
図8は従来のピーマンの誘引方法を示す説明図である。
図8に示すように、従来、ピーマンPの誘引においては、茎Sに取り付けた誘引紐Rを誘引線Lに掛けて結ぶことにより誘引する。そして、それぞれの茎Sの生長に合わせて誘引紐Rの長さを調整する際には、紐の長さを調整できる様な結び目を作っておき、結び目を上下動させることで、誘引紐Rの長さ調整を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】高知県農業振興部 産地・流通支援課 細川卓也,“促成ピーマン栽培の作業体系のポイント”,一般管理1(誘引・整枝・摘葉),[online],一般社団法人全国農業改良普及支援協会・株式会社クボタ,みんなの農業広場,[令和5年5月1日検索],インターネット<URL:https://www.jeinou.com/benri/vegetable/fru-vege/2013/10/221000.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のピーマンの誘引方法では、誘引紐Rの長さを調節するために紐の長さを調整できるような結び目を作る作業が必要となる。また、紐の長さを調整できる様な結び目を作るには熟練度が必要であり、結び目を習得できたとしても、栽培本数分の紐を結ぶ労力と時間を要するため、非常に手間がかかるという問題がある。特に、作業用手袋をしたまま誘引紐Rの結び目Kを上下動させることは結び目が小さくて難しいため、手袋を脱いで作業する必要がある。
【0006】
そこで、本発明においては、誘引紐の取り付けと長さ調整を容易に行うことが可能な誘引紐支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の誘引紐支持具は、植物を誘引する誘引紐を誘引線に掛けて支持するための誘引紐支持具であって、上下方向に吊り下げられた誘引紐を沿わせる本体部と、本体部に沿って上下方向に延び、本体部よりも肉厚に形成され、本体部との間に段差面を形成する第1肉厚部と、本体部の上部および下部に、それぞれ本体部および第1肉厚部との間に隙間を隔てて第1肉厚部がある側の側方へ向かって延びる第1および第2の腕部と有するものである。
【0008】
本発明の誘引紐支持具によれば、誘引紐の一端部側を植物の茎に固定し、誘引紐を誘引線に掛け、本発明の誘引紐支持具の上側の腕部と本体部および第1肉厚部との隙間に誘引紐の他端部側を挿入して腕部に巻き付け、本発明の誘引紐支持具を吊り下げるか、あるいは本発明の誘引紐支持具を誘引線に掛けて吊り下げた際に上側となる腕部と本体部および第1肉厚部との隙間に誘引紐の他端部側を挿入して予め巻き付けた状態で誘引線に誘引紐を掛けて吊り下げ、植物の茎に固定している側の誘引紐を本発明の誘引紐支持具の下側の腕部と本体部および第1肉厚部との隙間から挿入して引っ掛けると、誘引紐に固定されている植物の茎の重量により誘引紐が引っ張られ、この隙間に誘引紐が係止されるので、誘引紐は本体部に沿わせた状態でテンションが掛かり固定され、植物の茎を誘引することができる。また、この誘引紐を本発明の誘引紐支持具の上側の腕部と本体部および第1肉厚部との隙間にも挿入して引っ掛けることにより、誘引紐が2個所で係止されることになり、より強固に誘引紐が固定される。さらに、隙間に係止された誘引紐は、本体部と第1肉厚部との間に形成された段差面により支持されるので、この隙間から脱落することが防止される。
【0009】
一方、誘引紐の張力を緩めると誘引紐の係止が解かれ、本発明の誘引紐支持具を誘引紐に沿って上下方向に移動させることが可能となるので、茎の生長に合わせて誘引紐の長さを調整することができる。また、誘引紐の長さの調整後は、植物の茎の重量により誘引紐が引っ張られた状態とすると、誘引紐は再び隙間に固定される。
【0010】
本発明の誘引紐支持具は、腕部の先端部に、腕部よりも肉厚に形成され、腕部との間に段差面を形成する第2肉厚部を有することが望ましい。これにより、隙間に挿入して巻き付けた誘引紐が腕部の先端部から抜け落ちることが防止される。
【0011】
第1肉厚部は、腕部よりも側方へ突出していることが望ましい。これにより、誘引紐を隙間へ挿入する際に、誘引紐をこの第1肉厚部の腕部よりも側方へ突出した部分に当てることで、この突出部分をガイドとして容易に誘引紐を隙間へ挿入することができる。
【0012】
本体部は、第1肉厚部と反対側の端部が肉厚に形成された摘み部を有することが望ましい。これにより、第1肉厚部と反対側の端部に形成された肉厚の摘み部を摘まむことで、本体部を安定保持し、誘引紐の固定および長さ調整を行うことができる。
【0013】
また、摘み部の上部および下部には、それぞれ突起部を有することが望ましい。これにより、摘み部を指で摘まんだ際に上部および下部の突起部により指の滑りを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
(1)本発明の誘引紐支持具によれば、植物の茎に一端部側を固定した誘引紐の他端部側を腕部に巻き付けて誘引線に誘引紐を掛けて吊り下げ、隙間に挿入して引っ掛けるだけで植物の茎の重量により係止され、植物の茎を容易に誘引することができる。特に、もう一方の隙間にも誘引紐を挿入して引っ掛けることで、より強固に誘引紐を固定することができるので、大きく育った植物の重量にも耐えることが可能となる。また、誘引紐の長さ調整の際には、誘引紐の張力を緩めるだけで本発明の誘引紐支持具を誘引紐に沿って上下方向に移動させることが可能となるので、茎の生長に合わせて誘引紐の長さを容易に調整することができる。
【0015】
(2)腕部の先端部に、腕部よりも肉厚に形成され、腕部との間に段差面を形成する第2肉厚部を有することにより、隙間に挿入して巻き付けた誘引紐が腕部の先端部から抜け落ちることが防止され、植物の茎を安定保持することが可能となる。
【0016】
(3)第1肉厚部が腕部よりも側方へ突出していることにより、誘引紐を隙間へ挿入する際に、誘引紐をこの第1肉厚部の腕部よりも側方へ突出した部分に当てることで、この突出部分をガイドとして容易に誘引紐を隙間へ挿入することが可能となり、作業性が向上する。
【0017】
(4)本体部が、第1肉厚部と反対側の端部が肉厚に形成された摘み部を有することにより、第1肉厚部と反対側の端部に形成された肉厚の摘み部を摘まむことで、本体部を安定保持し、誘引紐の固定および長さ調整を容易に行うことが可能となり、作業性が向上する。
【0018】
(5)摘み部の上部および下部にそれぞれ突起部を有することにより、摘み部を指で摘まんだ際に上部および下部の突起部により指の滑りを防止することができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)は本発明の実施の形態における誘引紐支持具を右側方からみた斜視図、(B)は左側方からみた斜視図である。
【
図2】(A)は
図1の誘引紐支持具の正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図である。
【
図3】
図1の誘引紐支持具の使用状態を示す説明図である。
【
図4】
図1の誘引紐支持具の使用手順を示す説明図である。
【
図5】
図1の誘引紐支持具の使用手順を示す説明図である。
【
図6】
図1の誘引紐支持具の使用手順を示す説明図である。
【
図7】
図1の誘引紐支持具の使用手順を示す説明図である。
【
図8】従来のピーマンの誘引方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1(A)は本発明の実施の形態における誘引紐支持具を右側方からみた斜視図、(B)は左側方からみた斜視図、
図2(A)は
図1の誘引紐支持具の正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図、(D)は右側面図、
図3は
図1の誘引紐支持具の使用状態を示す説明図である。
【0021】
図3に示すように、本発明の実施の形態における誘引紐支持具1は、ピーマンP等の植物を誘引する誘引紐Rを誘引線Lに掛けて支持するためのものである。
図1および
図2に示すように、誘引紐支持具1は、上下方向に吊り下げられた誘引紐Rを沿わせる本体部2と、本体部2の上部および下部にそれぞれ設けられた第1および第2の腕部3A,3Bとを有する。また、誘引紐支持具1は、本体部2に沿って上下方向に延びる第1肉厚部4を有する。
【0022】
なお、本明細書において、方向を示す用語としての「上」は、
図3に示す誘引紐支持具1の使用状態を基準として上側を指し、「下」はその反対側を指す。すなわち、「上」「下」は
図2(A)を基準としてそれぞれ上側および下側を指す。「左」「右」は
図2(A)を基準としてそれぞれ左側および右側を指す。また、本明細書において、「前」は
図2(B)を基準として下側を指し、「後」はその反対側を指す。
【0023】
本体部2は、上下方向に長い板状である。本体部2は、第1肉厚部4と反対側(
図2(A)の左側)の端部が肉厚に形成された摘み部2Aを有する。なお、本明細書において、「厚」とは
図2(C)および(D)の左右方向の幅をいい、「肉厚」とは、この幅が広いことを指す。本体部2の厚さは、最も薄い部分で3mm程度である。摘み部2Aの厚さは、最も厚い部分で4~4.5mm程度である。また、摘み部2Aの上部および下部の前面および後面には、それぞれ左右方向に延びる棒状の突起部2Bが形成されている。
【0024】
第1および第2の腕部3A,3Bは、本体部2と同程度の厚さ3mm程度であって、幅4mm程度で本体部2の上部および下部へそれぞれ延び、さらに第1肉厚部4がある側の側方へ曲がり、本体部2および第1肉厚部4との間に幅1.5mm程度の隙間5Aを隔てて第1肉厚部4がある側の側方へ向かって幅5mm程度で延びている。第1および第2の腕部3A,3Bの先端部には、腕部3A,3Bよりも肉厚に形成された第2肉厚部6を有する。
【0025】
第1肉厚部4は、本体部2よりも肉厚に形成されている。第1肉厚部4は、本体部2との間に前後それぞれ1.5mm程度の段差面4Aを形成している。同様に、第2肉厚部6は、腕部3A,3Bとの間に前後それぞれ1.5mm程度の段差面6Aを形成している。第1肉厚部4の段差面4Aと第2肉厚部6の段差面6Aは面一の状態となっている。
【0026】
また、第1肉厚部4は、本体部2よりも上下方向に長く形成されており、第1肉厚部4と第2肉厚部6との間の隙間5Bは、本体部2および第1肉厚部4との間の隙間5Aよりも狭くなっている。隙間5Aの上下方向の幅が1.5mm程度に対し、隙間5Bは1mm程度である。
【0027】
また、第1肉厚部4の隙間5Bを形成する部分は、第1および第2の腕部3A,3Bよりも側方へ2mm程度突出した突出部4Bとなっている。突出部4Bと第1肉厚部4の外側面との間には補強用のリブ4Cが設けられている。リブ4Cは、植物の茎や実が触れたとしても傷つかないような形状としている。
【0028】
次に、上記構成の誘引紐支持具1の使用方法について、
図4~
図7を参照して説明する。
図4~
図7は
図1の誘引紐支持具1の使用手順を示す説明図である。
【0029】
まず、誘引紐支持具1を使用するに当たって、誘引紐Rの一端部側R1をピーマンP等の植物の茎Sに巻き付けたり、結んだりして固定し、
図4に示すように誘引紐Rを誘引線Lに引っ掛ける。次に、
図5に示すように、茎Sに固定した誘引紐Rの一端部側R1と反対側の他端部側R2を、誘引紐支持具1の第1肉厚部4と上側の第2肉厚部6との隙間5Bから第1肉厚部4と腕部3Aとの隙間5Aに挿入して腕部3Aに巻き付け、誘引紐支持具1を吊り下げる。あるいは、誘引紐Rを誘引線Lに掛けて誘引紐支持具1を吊り下げた際に上側となる腕部3Aと本体部2および第1肉厚部4との隙間5A,5Bに誘引紐Rの他端部側R2を挿入して予め巻き付けた状態とした後、誘引線Lに誘引紐Rを掛けて吊り下げても良い。
【0030】
そして、
図6に示すように、誘引紐Rの茎Sに固定している一端部側R1を誘引紐支持具1の第1肉厚部4と下側の第2肉厚部6との隙間5Bから第1肉厚部4と腕部3Bとの隙間5Aに挿入して引っ掛けると、誘引紐Rに固定されている植物の茎Sの重量により誘引紐Rが茎Sに固定している一端部側R1に引っ張られ、この隙間5Aに誘引紐Rが係止される。これにより、誘引紐Rは本体部2に沿わせた状態でテンションが掛かり固定され、茎Sを誘引することができる。あるいは、
図7に示すように、この誘引紐Rを誘引紐支持具1の上側の腕部3Aと本体部2との隙間5Aにも挿入して引っ掛けることも可能である。これにより、誘引紐Rが2個所で係止されることになり、より強固に誘引紐Rが固定される。
【0031】
こうして隙間5Aに係止された誘引紐Rは、本体部2と第1肉厚部4との間に形成された段差面4Aにより支持されるので、隙間5A,5Bから脱落することが防止される。また、本実施形態における誘引紐支持具1には、腕部3Aの先端部に、腕部3Aよりも肉厚に形成され、腕部3Aとの間に段差面6Aを形成する第2肉厚部6を有するので、隙間に挿入して巻き付けた誘引紐Rが腕部3Aの先端部から抜け落ちることも防止される。
【0032】
一方、誘引紐Rの長さ調整の際には、誘引紐Rの張力を緩めると誘引紐Rの係止が解かれ、誘引紐支持具1を誘引紐Rに沿って上下方向に移動させることが可能となるので、茎Sの生長に合わせて誘引紐Rの長さ(誘引線Lからの長さ)を調整することができる。また、誘引紐Rの長さの調整後は、植物の茎Sの重量により誘引紐Rが引っ張られた状態とすると、誘引紐Rは再び隙間5A,5Bに固定される。
【0033】
このように、本実施形態における誘引紐支持具1によれば、ピーマンP等の植物の茎Sに一端部側R1を固定した誘引紐Rの他端部側R2を腕部3Aに巻き付けて誘引線Lに誘引紐Rを掛けて吊り下げ、茎Sを固定した誘引紐Rの一端部側R1側を下側の隙間5Aに挿入して引っ掛けるだけで植物の茎Sの重量により係止され、植物の茎Sを容易に誘引することができる。特に、もう一方の上側の隙間5Aにも誘引紐Rを挿入して引っ掛けることで、より強固に誘引紐Rを固定することができるので、大きく育った植物の重量にも耐えることが可能である。
【0034】
また、誘引紐Rの長さ調整の際には、誘引紐Rの張力を緩めるだけで誘引紐Rの係止が解かれ、誘引紐支持具1を誘引紐Rに沿って上下方向に移動させることが可能となるので、茎Sの生長に合わせて誘引紐Rの長さを容易に調整することができる。
【0035】
また、本実施形態における誘引紐支持具1においては、第1肉厚部4が、腕部3A,3Bよりも側方へ突出した突出部4Bを有するので、誘引紐Rを隙間5A,5Bへ挿入する際に、誘引紐Rをこの突出部4Bに当てることで、この突出部4Bをガイドとして容易に誘引紐Rを隙間5A,5Bへ挿入することができ、作業性が向上している。
【0036】
また、本実施形態における誘引紐支持具1においては、本体部2が、第1肉厚部4と反対側の端部が肉厚に形成された摘み部2Aを有するので、この摘み部2Aを摘まむことで、本体部2を安定保持し、誘引紐Rの固定を行うことができ、作業性が向上している。特に、この摘み部2Aの上部および下部には、それぞれ突起部2Bを有するので、摘み部2Aを指で摘まんだ際に上部および下部の突起部2Bにより指の滑りを防止することができ、作業性が向上している。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の誘引紐支持具は、ピーマン等の植物を誘引する誘引紐を誘引線に掛けて支持するための誘引紐支持具として有用であり、特に、ピーマン等の樹勢が弱い品種の植物の誘引紐の掛け替えを容易に行うことが可能な誘引紐支持具として好適である。
【符号の説明】
【0038】
1 誘引紐支持具
2 本体部
2A 摘み部
2B 突起部
3A,3B 腕部
4 第1肉厚部
4A,6A 段差面
4B 突出部
4C リブ
5A,5B 隙間
6 第2肉厚部
P ピーマン
S 茎
R 誘引紐
L 誘引線