(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169979
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】加熱装置
(51)【国際特許分類】
B05C 9/14 20060101AFI20241129BHJP
B05B 13/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B05C9/14
B05B13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086879
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】滝本 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】チュ リウェイ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隼
【テーマコード(参考)】
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
4F035AA03
4F035CA02
4F035CA05
4F035CB03
4F035CB13
4F035CB29
4F042AA02
4F042BA08
4F042BA19
4F042DB18
4F042DB36
4F042DF16
4F042DF28
4F042DH09
(57)【要約】
【課題】加熱装置は、高精度で加熱できる。
【解決手段】加熱装置は、温風を生成し、生成した温風を送風する温風発生部と、温風発生部から温風が送風される開口、開口に接続され内部に設けられる空洞、空洞に接続され空洞を通過した温風を吹出す吹出口、吹出口を含む領域に設けられワークが載置される載置部を有し、ワークに熱を伝えるケースと、空洞内に設けられ空洞を通過する温風を加熱する第1加熱部と、ケースの底面に接続されケースを加熱する第2加熱部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風を生成し、生成した温風を送風する温風発生部と、
前記温風発生部から温風が送風される開口、前記開口に接続され内部に設けられる空洞、前記空洞に接続され前記空洞を通過した温風を吹出す吹出口、前記吹出口を含む領域に設けられワークが載置される載置部を有し、前記ワークに熱を伝えるケースと、
前記空洞内に設けられ、前記空洞を通過する温風を加熱する第1加熱部と、
前記ケースの底面に接続され、前記ケースを加熱する第2加熱部と、
を備える加熱装置。
【請求項2】
前記載置部に向かって赤外線を照射する第3加熱部と、
前記載置部に向かって塗布物を噴霧する噴霧部と、
をさらに備える請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記第3加熱部は、前記載置部より上方に複数設けられており、
前記噴霧部は、前記複数の第3加熱部の間に設けられており、
前記第2加熱部が載置され、前記複数の第3加熱部によって赤外線が照射される位置及び前記噴霧部から前記塗布物が噴霧される位置の間を移動するように前記第2加熱部を搬送する搬送部をさらに備える請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記吹出口は、前記載置部に複数設けられている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記吹出口の内部に設けられ、前記吹出口の温度を測定する第1温度測定部と、
前記ケース内に設けられ、前記ケースの温度を測定する第2温度測定部と、
前記第1温度測定部及び前記第2温度測定部による測定結果に基づいて、前記温風発生部が生成する温風の温度、並びに前記第1加熱部及び前記第2加熱部による加熱の動作を制御する制御部と、
をさらに備える請求項1~3のいずれか一項に記載の加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワークを加熱する加熱装置が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、板状のワークを載置する載置面を有し載置面を介してワークを下面から加熱する加熱テーブルと、加熱テーブルの上方からワークの上面に塗布物を塗布する噴霧ノズルとを備える装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、凹凸がある形状のワークを加熱する場合、ワークに載置面が接していない部分ができてしまい、加熱の精度が低下してしまう可能性があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高精度でワークを加熱できる加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の加熱装置は、温風を生成し、生成した温風を送風する温風発生部と、前記温風発生部から温風が送風される開口、前記開口に接続され内部に設けられる空洞、前記空洞に接続され前記空洞を通過した温風を吹出す吹出口、前記吹出口を含む領域に設けられワークが載置される載置部を有し、前記ワークに熱を伝えるケースと、前記空洞内に設けられ、前記空洞を通過した温風を加熱する第1加熱部と、前記ケースの底面に接続され、前記ケースを加熱する第2加熱部と、を備える。
【0008】
また、本発明の加熱装置は、前記載置部に向かって赤外線を照射する第3加熱部と、前記載置部に向かって塗布物を噴霧する噴霧部とをさらに備える。
【0009】
また、前記第3加熱部は、前記載置部より上方に複数設けられており、前記噴霧部は、前記複数の第3加熱部の間に設けられており、本発明の加熱装置は、前記第2加熱部が載置され、前記複数の第3加熱部によって赤外線が照射される位置及び前記噴霧部から前記塗布物が噴霧される位置の間を移動するように前記第2加熱部を搬送する搬送部をさらに備える。
【0010】
また、前記吹出口は、前記載置部に複数設けられている。
【0011】
また、本発明の加熱装置は、前記吹出口の内部に設けられ、前記吹出口の温度を測定する第1温度測定部と、前記ケース内に設けられ、前記ケースの温度を測定する第2温度測定部と、前記第1温度測定部及び前記第2温度測定部による測定結果に基づいて、前記温風発生部が生成する温風の温度、並びに前記第1加熱部及び前記第2加熱部による加熱の動作を制御する制御部と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加熱装置は、高精度でワークを加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第一実施形態に係る加熱装置の上面図である。
【
図2】
図1に示す加熱装置のI-I線に沿った断面図である。
【
図3】第二実施形態に係る加熱装置の正面図である。
【
図4】第二実施形態に係る加熱装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「第一実施形態」又は「第二実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0015】
―――第一実施形態―――
まず、第一実施形態について説明する。
【0016】
図1は、第一実施形態に係る加熱装置1Aの上面図である。また、
図2は、
図1に示す加熱装置1AのI-I線に沿った断面図である。なお、第一実施形態及び第二実施形態において、上面側に向かう方向をZ軸方向とする。また、第一実施形態及び第二実施形態において、Z軸方向に対して垂直であり、かつ
図1及び
図2を正面側から見た場合に右側となる方向をX軸方向とする。また、第一実施形態及び第二実施形態において、Z軸方向及びX軸方向に対して垂直であり、背面側に向かう方向をY軸方向とする。
【0017】
加熱装置1Aは、金属板などであり凹凸のあるワーク100が上面に載置され、載置されたワーク100を下方から加熱しつつ上方から塗布物を塗布する装置である。加熱装置1Aは、例えば、ケース10と、温風発生部20と、第1加熱部30と、第2加熱部40と、制御部50と、第1温度測定部51と、第2温度測定部52と、噴霧部60とを含んで構成される。
【0018】
温風発生部20は、例えば、ドライヤーであり、空気を加熱して温風を生成し、生成した温風を送風する。具体的には、温風発生部20は、制御部50の制御に従って、空気を加熱して温風を生成し、生成した温風をケース10の開口11に送風する。
【0019】
ケース10は、加熱装置1Aの上面にある載置部14に載置されるワーク100に対して、下方から熱を伝える機構であり、直方体に近い形状に形成されている。ケース10は、温風発生部20から開口11に送風される温風を開口11に接続される空洞12に設けられる第1加熱部30によってさらに加熱する。また、ケース10は、載置部14が設けられている上面にあり空洞12に接続される複数の吹出口13から、加熱した温風をワーク100の下面に向かって吹き出すことによって、載置部14に載置されているワーク100を下方から加熱する。さらに、ケース10は、底面に接続される第2加熱部40による加熱を外壁の熱伝導によって載置部14に伝導し、載置部14が有する熱を熱伝達によってワーク100に伝達することによって、ワーク100を下方から加熱する。
【0020】
開口11は、ケース10内の空洞12に接続されており、温風発生部20から送風された温風を空洞12に供給する。開口11は、例えば、ケース10の底面側から第2加熱部40を介して加熱装置1Aの底面に貫通するように複数設けられている。なお、開口11は、温風を空洞12に供給できるのであれば、ケース10の上面以外であればどの位置に設けられてもよく、任意の数だけ設けられていて良い。
【0021】
空洞12は、ケース10内に設けられており、複数の開口11及び複数の吹出口13に接続されている。空洞12は、内部に温風をさらに加熱するための第1加熱部30が設けられている。空洞12は、開口11から供給され第1加熱部30によってさらに加熱された温風を吹出口13に供給する。
【0022】
吹出口13は、ケース10内の空洞12に接続されており、空洞12から供給される第1加熱部30によってさらに加熱された温風をケース10の上面にある載置部14から、載置部14に載置されているワーク100の下面に向かって吹き出す。吹出口13は、例えば、ケース10の上面にある載置部14に、Z軸方向から見て格子状になるように複数設けられている。なお、第一実施形態では、Y軸方向の行数が6行であり、X軸方向の列数が9列であるため、吹出口13は、載置部14に54個設けられている。
【0023】
載置部14は、ワーク100が載置されるための機構であり、ケース10の上面において複数の吹出口13を含む領域に設けられている。載置部14には、ケース10をZ軸方向から見た場合に、X軸方向と、X軸方向と反対側の方向の両側に載置されたワーク100を固定するためのクランプ部141が設けられている。
【0024】
第1加熱部30は、ヒータであり、開口11から空洞12内を通って吹出口13に向かう温風を加熱する。第1加熱部30は、X軸方向に延在するように棒状に形成されており、空洞12内においてY軸方向に複数設けられている。第一実施形態では、第1加熱部30は、Z軸方向から見て、吹出口13の行数と同じ6本がX軸方向に沿って、それぞれ平行になるように空洞12内に設けられている。また、第1加熱部30は、制御部50の制御に基づいて、加熱及び当該加熱の停止を行う。
【0025】
第2加熱部40は、ヒータであり、ケース10の底面に接続されており、ケース10を底面側から加熱する。第2加熱部40は、ケース10の底面外壁の熱伝導によって載置部14に伝導し、載置部14が有する熱を熱伝達によってワーク100に伝達することによって、ワーク100を下方から加熱する。また、第2加熱部40は、制御部50の制御に基づいて、加熱及び当該加熱の停止を行う。
【0026】
第1温度測定部51は、例えば、熱電対であり、空洞12から供給され吹出口13を通過する温風の温度を測定し、測定結果を制御部50に伝達する。第1温度測定部51は、複数の吹出口13のうち所定の吹出口13の内部に設けられている。また、第1温度測定部51は、熱接点が空洞12及び吹出口13の内壁の温度を測定しないように、空洞12及び吹出口13の内壁から離れて設けられる。なお、第一実施形態では、第1温度測定部51は、6個の吹出口13の内部にそれぞれ1個ずつ合計6個設けられており、それぞれ領域A1~A6における吹出口13内部の温度を測定する。
【0027】
第2温度測定部52は、例えば、熱電対であり、ケース10の温度を測定し、測定結果を制御部50に伝達する。第2温度測定部52は、ケース10の外壁の内部における載置部14の近傍でありかつ第1温度測定部51が設けられている所定の吹出口13の近傍の位置に埋め込まれるように設けられている。なお、第一実施形態では、第2温度測定部52は、6個の吹出口13の近傍の位置にそれぞれ1個ずつ合計6個埋め込まれて設けられており、それぞれ領域A1~A6におけるケース10の温度を測定する。
【0028】
噴霧部60は、例えば、スプレーノズルであり、ケース10の載置部14の上方に設けられており、制御部50の制御に基づいて載置部14に向かって塗布物を噴霧することによってワーク100を塗布する。
【0029】
制御部50は、例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、加熱装置1Aの動作を制御する。制御部50は、第1温度測定部51から伝達される吹出口13内部の温度の測定結果を参照して、予め定められている第1設定温度に基づいて第1加熱部30における加熱及び当該加熱の停止の動作を制御する。具体的には、制御部50は、第1温度測定部51の測定結果が第1設定温度よりも低い場合、加熱を実行するように第1加熱部30の動作を制御する。これに対して、制御部50は、第1温度測定部51の測定結果が第1設定温度よりも高い場合、加熱を停止するように第1加熱部30の動作を制御する。また、制御部50は、予め定められている温風設定温度であり、かつ予め定められている設定流量の温風を生成するように、温風発生部20の温風の生成及び送風の動作を制御する。
【0030】
また、制御部50は、第1温度測定部51から伝達されるケース10の温度の測定結果を参照して、予め定められている第2設定温度に基づいて、第2加熱部40における加熱及び当該加熱の停止の動作を制御する。具体的には、制御部50は、第2温度測定部52の測定結果が第2設定温度よりも低い場合、加熱を実行するように第2加熱部40の動作を制御する。これに対して、制御部50は、第2温度測定部52の測定結果が第2設定温度よりも高い場合、加熱を停止するように第2加熱部40の動作を制御する。
【0031】
また、制御部50は、噴霧部60のワーク100に対して塗布物を塗布する動作を制御する。制御部50は、例えば、第1温度測定部51から伝達される測定結果が第1設定温度を基準として所定の範囲内にあり、かつ第2温度測定部52から伝達される測定結果が第2設定温度を基準として所定の範囲内にある場合、ワーク100に対する塗布物の塗布動作を行うように、噴霧部60の動作を制御する。
【0032】
<効果>
以上、第一実施形態では、加熱装置1Aは、温風を生成し、生成した温風を送風する温風発生部20と、温風発生部20から温風が送風される開口11、開口11に接続され内部に設けられる空洞12、空洞12に接続され空洞12を通過した温風を吹出す吹出口13、吹出口13を含む領域に設けられワーク100が載置される載置部14を有し、ワーク100に熱を伝えるケース10とを備える。また、加熱装置1Aは、空洞12内に設けられ、空洞12を通過する温風を加熱する第1加熱部30と、ケース10の底面に接続され、ケース10を加熱する第2加熱部40とを備える。
【0033】
これにより、加熱装置1Aは、載置部14からワーク100への熱伝達による加熱に加えて、さらに吹出口13から吹出す温風によってワーク100の下面を加熱するため、ワーク100に凹凸があってもワーク100が均等に加熱される。したがって、加熱装置1Aは、高精度でワーク100を加熱できる。
【0034】
また、吹出口13は、載置部14に複数設けられている。
【0035】
したがって、加熱装置1Aは、複数設けられている吹出口13から温風を吹出すことによってワーク100の下面を加熱するため、さらに高精度でワーク100を加熱できる。
【0036】
また、加熱装置1Aは、吹出口13の内部に設けられ吹出口13の温度を測定する第1温度測定部51と、ケース10内に設けられケース10の温度を測定する第2温度測定部52と、第1温度測定部51及び第2温度測定部52による測定結果に基づいて、温風発生部20が生成する温風の温度、並びに第1加熱部30及び第2加熱部40による加熱の動作を制御する制御部50とをさらに備える。
【0037】
したがって、加熱装置1Aは、吹出口13の温度と、ケース10の温度とに従って、第1加熱部30及び第2加熱部40の動作を制御するため、さらに高精度でワーク100を加熱できる。
【0038】
―――第二実施形態―――
続いて、第二実施形態について説明する。
【0039】
図3は、第二実施形態に係る加熱装置1Bの正面図である。また、
図4は、第二実施形態に係る加熱装置1Bの側面図である。加熱装置1Bは、第一実施形態における加熱装置1Aに加えて、搬送部70と、第3加熱部80と、保持部81とをさらに含んで構成される。加熱装置1Bの説明にあたって、加熱装置1Aと同様の部分については、その説明を省略する。
【0040】
第3加熱部80は、例えば、赤外線照射装置であり、制御部50の制御に基づいて上方から載置部14に向かって赤外線を照射する。第3加熱部80は、ケース10の上方に保持部81に固定されて複数設けられる。なお、第二実施形態では、第3加熱部80は、2個設けられている。
【0041】
保持部81は、例えば、X軸方向に延在する棒状に形成されているアルミフレームであり、ケース10の上方に設けられ、第3加熱部80を保持する。保持部81は、X軸方向に沿って、互いに平行になるように2本設けられている。保持部81は、1つの第3加熱部80の上面が2本の保持部81の底面に接続されることによって、第3加熱部80を保持する。第3加熱部80は、ケース10の上方に保持部81に固定されて複数設けられる。
【0042】
噴霧部60は、X軸方向において2つの第3加熱部80の間に設けられる。また、噴霧部60は、Y軸方向において、2本の保持部81の間に設けられる。噴霧部60の動作については、第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0043】
搬送部70は、上面に第2加熱部40が載置され、第2加熱部40と第2加熱部40の上面に接続されるケース10とを搬送する。具体的には、搬送部70は、制御部50の制御に基づいて、複数の第3加熱部80のうち一の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置と、一の第3加熱部80と異なる他の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置との間を噴霧部60によって塗布物が噴霧される位置を介して往復するように移動することによって、第2加熱部40を搬送する。
【0044】
制御部50は、第一実施形態と同様に、温風発生部20、第1加熱部30及び第2加熱部40の動作の制御を行う。また、制御部50は、所定回数又は所定時間だけ、一の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置から、噴霧部60によって塗布物が噴霧される位置を介して、他の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置までの間を往復するように搬送部70を移動させる。
【0045】
また、制御部50は、搬送部70が噴霧部60によって塗布物が噴霧される位置を通過する際に、搬送部70が搬送するケース10の載置部14に載置されるワーク100に塗布物を噴霧するように噴霧部60の動作を制御する。また、制御部50は、搬送部70が一の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置に搬送部70が到達した際に、赤外線を照射するように一の第3加熱部80の動作を制御する。また、搬送部70が他の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置に搬送部70が到達した際に、赤外線を照射するように他の第3加熱部80の動作を制御する。なお、制御部50は、搬送部70が移動している間に継続して赤外線を照射し続けるように、第3加熱部80の動作を制御しても良い。
【0046】
<効果>
以上、第二実施形態では、加熱装置1Bは、載置部14に向かって赤外線を照射する第3加熱部80と、載置部14に向かって塗布物を噴霧する噴霧部60とをさらに備える。
【0047】
したがって、加熱装置1Aは、噴霧部60から噴霧される塗布物によってワーク100を塗布しつつ、第3加熱部80によってワーク100に対して赤外線を照射するため、ワーク100に塗布された塗布物に赤外線が吸収されてワーク100が加熱される。したがって、加熱装置1Aは、載置部14によるワーク100の加熱及び吹出口13から吹出される温風によるワーク100の加熱に加えて赤外線の照射によってワーク100を加熱するため、さらに高精度でワーク100を加熱できる。
【0048】
また、第二実施形態では、第3加熱部80は、載置部14より上方に複数設けられている。また、噴霧部60は、複数の第3加熱部80の間に設けられている。さらに、加熱装置1Bは、第2加熱部40が載置され、複数の第3加熱部80によって赤外線が照射される位置及び噴霧部60から塗布物が噴霧される位置の間を移動するように第2加熱部40を搬送する搬送部70をさらに備える。
【0049】
これにより、加熱装置1Bは、赤外線が照射される位置及び塗布物が噴霧される位置の第を搬送部70が移動するため、ワーク100に対する塗布物の噴霧及び赤外線による加熱を繰り返す。したがって、加熱装置1Bは、高効率かつ高精度でワーク100を加熱できる。
【0050】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0051】
例えば、第一実施形態では、加熱装置1Aは、複数設けられている第1加熱部30の加熱及び当該加熱の停止を一律に制御していたが、これに限られるものではない。加熱装置1Aは、複数の第1加熱部30のうち、複数設けられている第1温度測定部51のうち一の第1温度測定部51の近傍に設けられている一の第1加熱部30に対して、一の第1温度測定部51の測定結果に基づいて、加熱及び当該加熱の停止の動作の制御を行っても良い。
【0052】
この構成によれば、加熱装置1Aは、近傍に設けられている第1温度測定部51の測定結果に基づいて第1加熱部30の加熱及び当該加熱の停止の動作を制御するため、さらに高精度でワーク100を加熱できる。
【0053】
また、第一実施形態では、加熱装置1Aは、複数設けられている第2加熱部40の加熱及び当該加熱の停止を一律に制御していたが、これに限られるものではない。加熱装置1Aは、複数の第2加熱部40のうち、複数設けられている第2温度測定部52のうち一の第2温度測定部52の近傍に設けられている一の第2加熱部40に対して、一の第2温度測定部52の測定結果に基づいて、加熱及び当該加熱の停止の動作の制御を行っても良い。
【0054】
この構成によれば、加熱装置1Aは、近傍に設けられている第2温度測定部52の測定結果に基づいて第2加熱部40の加熱及び当該加熱の停止の動作を制御するため、さらに高精度でワーク100を加熱できる。
【0055】
また、第二実施形態では、加熱装置1Bは、2本の保持部81をまたがるように設けられている第3加熱部80を2つ有していたが、これに限られるものではない。加熱装置1Bは、例えば、2本の保持部81をまたがるように設けられている2個の第3加熱部80が任意のセット数だけX軸方向に沿って平行に設けられていても良い。さらに、加熱装置1Bは、X軸方向からみた場合に、端のセットにおける第3加熱部80よりも、中央付近のセットにおける第3加熱部80の方が、載置部14からの高さが高くなる位置に設けられていても良い。
【0056】
この構成によれば、加熱装置1Bは、中央付近に設けられている第3加熱部80の高さが端に設けられている第3加熱部80よりも高い位置に設けられているため、ワーク100の中央付近に照射される赤外線の量が多くなりすぎることが抑制される。したがって、加熱装置1Bは、さらに高精度かつ高効率でワーク100を加熱できる。
【符号の説明】
【0057】
1A…加熱装置、10…ケース、11…開口、12…空洞、13…吹出口、14…載置部、20…温風発生部、30…第1加熱部、40…第2加熱部、100…ワーク