(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170001
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】予定管理装置、予定管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20241129BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q10/109
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086905
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 茂彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】太田 祥司
(72)【発明者】
【氏名】箱嶋 修二
(72)【発明者】
【氏名】小村田 美玖
(72)【発明者】
【氏名】松島 ひかる
【テーマコード(参考)】
5K201
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA01
5K201BA02
5K201CC02
5K201CC04
5K201CC10
5K201DC04
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
5K201ED09
5K201EF10
5K201FA03
5L010AA13
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置、予定管理方法、及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る予定管理装置は、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を装置から取得する取得部と、操作履歴情報を記憶する操作履歴記憶部と、操作履歴記憶部に記憶された操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、装置の近くにユーザが所在する時間帯を行動情報として予測する予測部と、ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を記憶する予定記憶部と、ユーザに予定を報知手段で報知する装置を決定する決定部と、決定された装置に対して、予定行動と報知時刻の情報を通知する通知部と、を備え、決定部は、行動情報と、予定記憶部に記憶された予定情報とに基づいて、予定行動を報知する報知時刻と装置を決定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を前記装置から取得する取得部と、
前記操作履歴情報を記憶する操作履歴記憶部と、
前記操作履歴記憶部に記憶された前記操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、前記装置の近くに前記ユーザが所在する時間帯を行動情報として予測する予測部と、
前記ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を記憶する予定記憶部と、
前記ユーザに予定を報知手段で報知する前記装置を決定する決定部と、
決定された前記装置に対して、前記予定行動と報知時刻の情報を通知する通知部と、を備え、
前記決定部は、前記行動情報と、前記予定記憶部に記憶された前記予定情報とに基づいて、前記予定行動を報知する報知時刻と前記装置を決定する、
予定管理装置。
【請求項2】
前記装置から取得した前記操作履歴情報は、前記装置を操作したユーザを識別するユーザ識別子などのユーザ情報を含み、
前記予定情報は、あらかじめ指定された指定ユーザの情報であり、
前記予測部は、複数の前記ユーザ情報から前記指定ユーザについての前記操作履歴情報を抽出して前記行動情報を予測する、
請求項1に記載の予定管理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記行動情報と前記予定情報に基づいて、前記予定時刻に前記ユーザがいずれの前記装置の近くにもいないと判断した場合、前記予定時刻の直近で、かついずれかの前記装置から所定の距離範囲にいると予測される時刻を前記報知時刻とする、
請求項1または2に記載の予定管理装置。
【請求項4】
装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を前記装置から取得するステップと、
前記操作履歴情報を操作履歴記憶部に記憶するステップと、
前記操作履歴記憶部に記憶された前記操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、前記装置の近くに前記ユーザが所在する時間帯を行動情報として予測するステップと、
前記ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を予定記憶部に記憶するステップと、
前記ユーザに予定を報知手段で報知する前記装置を決定するステップと、
決定された前記装置に対して、前記予定された行動の情報と報知時刻の情報を通知するステップと、を含み、
前記決定するステップにおいては、前記行動情報と、前記予定記憶部に記憶された前記予定情報とに基づいて、前記予定行動を報知する報知時刻と前記装置を決定する、
予定管理方法。
【請求項5】
装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を前記装置から取得するステップと、
前記操作履歴情報を操作履歴記憶部に記憶するステップと、
前記操作履歴記憶部に記憶された前記操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、前記装置の近くに前記ユーザが所在する時間帯を行動情報として予測するステップと、
前記ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を予定記憶部に記憶するステップと、
前記ユーザに予定を報知手段で報知する前記装置を決定するステップと、
決定された前記装置に対して、前記予定された行動の情報と報知時刻の情報を通知するステップと、を含み、
前記決定するステップにおいては、前記行動情報と、前記予定記憶部に記憶された前記予定情報とに基づいて、前記予定行動を報知する報知時刻と前記装置を決定すること、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予定管理装置、予定管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末が有する機能の一つとして、スケジュール機能が知られている。このスケジュール機能は、携帯端末のユーザが自身の将来の予定などの日時を予め設定登録しておき、その設定登録した日時になると、通知することが一般的である。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、ユーザのスケジュール情報に関連付けられた通知方法を選択する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術は、携帯端末が備える音声出力、表示出力、振動出力等によるイベント通知であるため、ユーザが能動的に携帯端末を操作する状況を除いて、当該携帯端末を頻繁に携帯する習慣のない人には、イベント通知が行われても気づかずに放置されてしまい、通知未達成となってしまうという課題があった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置、予定管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る予定管理装置は、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を前記装置から取得する取得部と、前記操作履歴記憶部に記憶された前記操作履歴情報を記憶する操作履歴記憶部と、前記操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、前記装置の近くに前記ユーザが所在する時間帯を行動情報として予測する予測部と、前記ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を記憶する予定記憶部と、前記ユーザに予定を報知手段で報知する前記装置を決定する決定部と、決定された前記装置に対して、前記予定行動と報知時刻の情報を通知する通知部と、を備え、前記決定部は、前記行動情報と、前記予定記憶部に記憶された前記予定情報とに基づいて、前記予定行動を報知する報知時刻と前記装置を決定する。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る予定管理方法は、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を前記装置から取得するステップと、前記操作履歴記憶部に記憶された前記操作履歴情報を記憶するステップと、前記操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、前記装置の近くに前記ユーザが所在する時間帯を行動情報として予測するステップと、前記ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を予定記憶部に記憶するステップと、前記ユーザに予定を報知手段で報知する前記装置を決定するステップと、決定された前記装置に対して、前記予定された行動の情報と報知時刻の情報を通知するステップと、を含み、前記決定するステップにおいては、前記行動情報と、前記予定記憶部に記憶された前記予定情報とに基づいて、前記予定行動を報知する報知時刻と前記装置を決定する。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を前記装置から取得するステップと、前記操作履歴記憶部に記憶された前記操作履歴情報を記憶するステップと、前記操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、前記装置の近くに前記ユーザが所在する時間帯を行動情報として予測するステップと、前記ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を予定記憶部に記憶するステップと、前記ユーザに予定を報知手段で報知する前記装置を決定するステップと、決定された前記装置に対して、前記予定された行動の情報と報知時刻の情報を通知するステップと、を含み、前記決定するステップにおいては、前記行動情報と、前記予定記憶部に記憶された前記予定情報とに基づいて、前記予定行動を報知する報知時刻と前記装置を決定すること、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置、予定管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示に係る予定管理システムの概要を説明する図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る予定管理装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る予定管理装置の制御部の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る予定管理装置の取得部が取得する操作履歴情報の一例を説明する図である。
【
図5】
図5は、本開示に係る予定管理装置の取得部が取得する予定情報の一例を説明する図である。
【
図6】
図6は、本開示に係る予定管理装置の決定部が決定した報知時刻と報知装置の一例を説明する図である。
【
図7】
図7は、本開示に係る予定管理装置の記憶部の構成例の第一態様を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示に係る予定管理装置の記憶部の操作履歴記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示に係る予定管理装置の記憶部の予定記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示に係る予定管理方法の第一実施形態のフローを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示に係る予定管理方法の第一実施形態のステップS140の処理のフローを示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示に係る予定管理方法の第一実施形態のステップS150の処理のフローを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本開示に係る予定管理装置の第一実施形態の変形例の取得部が取得する位置情報の一例を説明する図である。
【
図14】
図14は、本開示に係る予定管理装置の第一実施形態の変形例の記憶部の構成例を示す図である。
【
図15】
図15は、本開示に係る予定管理装置の第一実施形態の変形例の記憶部の位置情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本開示に係る予定管理方法の第二実施形態のフローを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第一態様を示す図である。
【
図18】
図18は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第二態様を示す図である。
【
図19】
図19は、本開示に係る予定管理装置がTVに表示させる情報を示す図である。
【
図20】
図20は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第三態様を示す図である。
【
図21】
図21は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第四態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0013】
(予定管理システムの構成)
まず、本開示に係る予定管理システム1の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本開示に係る予定管理システムの概要を説明する図である。
図1に示すように、本開示に係る予定管理システム1は、予定管理装置100と、無線基地局201と、GPS(Global Positioning System)衛星202と、自宅300と、自動車400と、職場500を含む。以下、これらの構成について簡単に説明する。
【0014】
予定管理装置100は、通信プロトコルを含む制御用のアプリケーションプログラムを実行することにより、各部の動作を制御して、予定管理を行う情報処理装置である。予定管理装置100は、スマートフォンや、タブレット型端末、携帯電話機、サーバ装置などであってよく、ユーザのスケジュール管理機能を実行する。
【0015】
無線基地局201は、予定管理装置100の基地局である。無線基地局201は、予定管理装置100の無線通信を中継する。すなわち、無線基地局201は、アンテナと、送受信機を備えて、予定管理装置100から送信された情報を含む電波を受信して、交換局など介して、通信先の装置の最寄りの基地局から通信先の装置に電波を送信する。また、無線基地局201は、通信先の装置から送信された情報を含む電波を受信して、予定管理装置100に電波を送信する。
【0016】
GPS衛星202は、予定管理装置100が自身の位置情報を計測するための電波を送信する。GPS衛星202は、準同期軌道上に複数のGPS衛星202が周回するように投入され、予定管理装置100は、複数のGPS衛星202から送信された電波に基づいて、自身の位置情報を演算して求める。
【0017】
自宅300には、ユーザの所在する場所の一例であり、ユーザの自宅であって、報知手段を備えた装置として、固定電話301、及びTV(Television)302が設置されている。固定電話301は、無線基地局201を介して予定管理装置100と通信可能に接続されている。TV302は、無線基地局201を介した通信以外に、Wi-Fi(登録商標)や、Bluetooth(登録商標)、もしくはIrDA(Infrared Data Association)(登録商標)といった無線通信機能を有していてもよく、予定管理装置100との無線通信が可能である。また、TV302は、操作ログ記録機能を有しており、ユーザによるTV302の操作内容を日時情報と併せて記録する。
【0018】
上述したように、自宅300は、ユーザの所在する場所の一例であって、その他のユーザの所在する場所の例としては、自動車400であってもよく、その場合の報知手段を備えた装置としてはカーラジオ401であってよい。また、その他のユーザの所在する場所は、職場500であってもよく、その場合の報知手段を備えた装置としてはパソコン501であってもよい。なお、カーラジオ401やパソコン501は、固定電話301やTV302と同様に予定管理装置100と通信可能に接続されている。
【0019】
以上のように、予定管理システム1は、予定管理装置100を中心として、複数の装置が互いに情報を送受信することにより一つのシステムとして機能する。
【0020】
(予定管理装置の構成)
(第一実施形態)
次に、本開示に係る予定管理装置100の第一実施形態の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、本開示に係る予定管理装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、本開示に係る予定管理装置100は、制御部110と、記憶部120と、タイマ部130と、無線通信部140と、入力操作部150と、表示部160と、振動通知部170と、音声入出力部180と、振動検知部190と、を備える。以下、これらの構成について、順を追って説明する。
【0021】
(制御部110について)
制御部110は、予定管理装置100を司り、制御するコントローラである。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)や、MPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部110は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0022】
制御部110の構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、本開示に係る予定管理装置の制御部の構成例を示す図である。
図3に示すように、制御部110は、取得部111と、予測部112と、決定部113と、通知部114と、を備える。制御部110は、記憶部120からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、これらの機能を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部110のこれらの構成は、電子回路によって実現されてもよい。また、制御部110は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0023】
取得部111は、各種の情報を取得する。例えば、取得部111は、報知手段を備えた装置に対するユーザの操作内容と操作時刻を対応付けた操作履歴情報を取得する。例えば、取得部111は、報知手段を備えた装置から「操作履歴情報」として、曜日(行に曜日)×時間(列に1時間ごとの時刻)のマトリクスで表現された表に、特定の装置の使用回数情報を、無線通信部140を介して取得し、取得した操作履歴情報を操作履歴記憶部121(
図7参照)に記憶する。使用回数情報は、例えば、特定の期間において、同じ曜日の同じ時刻に特定の装置が稼働していた回数である。曜日×時間のマトリクスにおいて、数値が記載されず空欄のセルは使用されたことがない、すなわち、使用回数が0であることを示している。第1実施例では、ユーザが日常的に使用している特定の装置として、TV302、カーラジオ401、パソコン501を報知手段と通信機能を備えた装置として取り上げる。取得部111は、これら装置から「操作履歴情報」として、曜日×時間のマトリクスで表現された使用回数情報を無線通信部140で取得し、操作履歴記憶部121(
図7参照)に記憶する。このような操作履歴情報の例を、
図4を用いて説明する。
図4は、本開示に係る予定管理装置の取得部が取得する操作履歴情報の一例を説明する図である。
図4には、ユーザU1の直近3ヶ月における特定の装置(TV302、カーラジオ401、パソコン501)の曜日ごと、及び時間帯ごとの利用回数を表形式により示している。
【0024】
なお、操作履歴情報は、報知手段を備えた装置を操作したユーザを識別するユーザ識別子を含むユーザ情報を含む。すなわち、操作履歴情報には、ユーザ情報が紐付けて記憶されている。
【0025】
また、取得部111は、ユーザU1の予定情報を取得する。なお、予定情報は、ユーザが所持する外部端末を操作して入力した予定の情報を、無線通信部140を介して取得したり、例えば、予定情報が服薬の予定であれば、薬剤師が所持する外部端末を操作して入力した予定情報を、無線通信部140を介して、取得したりしてもよい。なお、予定情報は、予定時刻(予定日時)と予定する内容を含む。取得部111は、取得した予定情報を予定記憶部122(
図7参照)に記憶する。このような予定情報の例を、
図5を用いて説明する。
図5は、本開示に係る予定管理装置の取得部が取得する予定情報の一例を説明する図である。
図5は、服薬の予定を示す表で、毎日12時に服薬(A)することを曜日×時間帯で表している。
図5の例では、Aという薬の服薬予定だけが記憶されているが、その他の薬の服薬予定も記憶されていてもよい。
【0026】
予測部112は、操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、装置の近くにユーザが習慣的に所在する時間帯を行動情報として予測する。例えば、予測部112は、操作履歴情報に基づいて、所定の閾値、例えば、直近3ヶ月に5回よりも多く特定の装置を使用していた時間帯をユーザが習慣的にその装置の近くにいる時間帯であるとして、行動情報を生成する。
【0027】
なお、予定情報は、あらかじめ指定された特定の指定ユーザの情報であってもよい。また、予定情報は、ユーザを識別するユーザ識別子を含むユーザ情報と紐づけて記憶されてもよい。
【0028】
予測部112は、操作履歴記憶部121(
図7参照)から指定ユーザについての操作履歴情報を抽出して行動情報を予測する。例えば、指定ユーザがユーザU1、ユーザU2、及びユーザU3であった場合は、予測部112は、操作履歴記憶部121からユーザU1、ユーザU2、及びユーザU3の操作履歴情報を抽出して、行動情報を予測する。すなわち、予測部112は、指定ユーザごとに所定の閾値(例えば、5回)よりも多く装置を使用している時間帯をそのユーザが習慣的にその装置の近くにいる時間帯であるとして、ユーザごとに行動情報を生成する。
【0029】
決定部113は、ユーザに予定を報知手段で報知する報知装置を決定する。具体的には、決定部113は、行動情報と予定情報とに基づいて、予定行動を報知する報知時刻(報知日時)と装置を決定する。例えば、前述の第一実施例で言うと、決定部113は、ユーザU1の日曜の12時においては、「行動情報」から使用回数が5回よりも多く、使用回数が最も大きい10回である、カーラジオ401を聞いている可能性が高いため、服薬(A)について日曜の12時を報知時刻、カーラジオ401を報知装置として決定する。また、ユーザU1は、月曜から金曜の12時においては、いずれの装置も使用していない可能性が高いため、予定時刻(12時)よりも前の直近の時間帯で使用している可能性の高いパソコン501を報知装置として決定し、11時を報知時刻として決定する。月曜と金曜の12時においては、パソコン501が使用された実績(1回)はあるが、閾値(5回)以下の回数のため、「行動情報」ではパソコン501を利用している可能性は低いと判断する。また、決定部113は、土曜の12時もいずれの装置も使用されていない可能性が高いため、予定時刻(12時)よりも前の直近の時間帯で使用している可能性の高いTV302を報知装置、8時を報知時刻として決定する。このように、決定部113は、行動情報が示すユーザが装置を使用する時間帯と、使用する装置を把握したうえで、予定情報に基づいて、予定の時刻の以前に、ユーザが使用している可能性が高い装置を報知装置として決定し、ユーザが当該装置を使用している可能性が高い時間帯を報知時刻として決定する。
【0030】
なお、以上のように説明した決定部113の決定した報知時刻と報知装置の例について、
図6に示す。
図6は、本開示に係る予定管理装置の決定部が決定した報知時刻と報知装置の一例を説明する図である。
【0031】
通知部114は、決定された報知装置に対して、予定行動と報知時刻の情報を通知する。例えば、前述の例で言うと、ユーザU1の日曜日の12時においては、カーラジオ401が報知装置として決定されるため、カーラジオ401に薬を飲む時刻である12時を報知時刻として無線通信部140を介して通知する。また、ユーザU1の月曜日から金曜日は、パソコン501が報知装置として決定されるため、パソコン501に薬を飲む時間である12時よりも前の直近の時間帯でパソコン501を使用している可能性の高い11時を報知時刻として無線通信部140を介して通知する。また、ユーザU1の土曜は、TV302が報知装置として決定されるため、TV302に、予定時刻(12時)よりも前の直近の時間帯で使用している可能性の高い8時を報知時刻として、無線通信部140を介して通知する。
【0032】
なお、通知部114は、決定された報知時刻において、決定された報知装置の電源がオフの場合は、電源をオンにして報知を開始する。
【0033】
このように、通知部114は、予定時刻に報知装置の近くにユーザがいない可能性を予測して、前もって報知する。さらに、予定管理装置100は、無線通信部140を通じて報知装置の電源や操作の情報を常に監視してもよい。これにより、前もって報知した後に、予定時刻になった時点で、ユーザがいずれかの装置を操作していた場合には、改めてその装置に対して、予定行動と予定時刻の情報を通知してもよい。また、決定された報知時刻において、決定された報知装置と異なる装置が操作されていた(電源オン)場合には、決定された報知装置ではなく、操作されている装置に通知してもよい。また、報知時刻を、予定時刻よりも前の直近の時刻としたが、予定の内容によっては、予定時刻よりも後の直近の時刻としてもよい。例えば、15時以降にクリーニングが仕上がる予定情報がある場合は、15時以降の直近の時刻を報知時刻としてもよい。
【0034】
(記憶部について)
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と、補助記憶装置と、を備える。主記憶装置は、例えばシステム(プログラム)用の一時データ記憶やスケジュール情報の一時記憶、更にGPS電波に基づく位置情報の一時記憶に利用されるRAM(Random Access Memory)、携帯情報端末制御用のアプリケーションプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0035】
図7は、本開示に係る予定管理装置の記憶部の構成例を示す図である。
図7に示すように、記憶部120は、操作履歴記憶部121と、予定記憶部122と、を備える。以下、これらの構成に記憶される情報について説明する。
【0036】
(操作履歴記憶部121について)
操作履歴記憶部121は、報知手段を備えた装置に対するユーザの操作内容と操作時刻を対応付けた操作履歴情報を記憶する。
図8を用いて、操作履歴記憶部121に記憶される情報の一例について説明する。
図8は、本開示に係る予定管理装置の記憶部の操作履歴記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。対象とするユーザは複数であってよく、図示しないが、予定管理装置100、及び報知手段を備えた装置には操作したユーザを特定するユーザ特定部が備えられているものとする。ユーザ特定部は、例えば、装置に備わった操作部によりユーザが「ユーザID」を入力したり、装置に備わったカメラ部で撮影した顔画像により識別したり、装置に備わった指紋検出部にユーザが触れることで識別したりしてよい。
【0037】
図8に示す例において、操作履歴記憶部121は、「ユーザID」、「操作内容」、「操作時刻」という項目に係る情報を紐付けて、報知手段を備えた装置ごとに記憶する。
図4の例では、TV302、カーラジオ401、パソコン501のそれぞれについての操作履歴情報が記憶される。また、操作履歴記憶部121は、予定管理装置100に対する操作について、「ユーザID」、「操作内容」、「操作時刻」という項目に係る情報を紐付けて記憶してもよい。
【0038】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別子であり、文字列や番号によって表される。「操作内容」は、報知手段を備えた装置に対する「ユーザID」により識別されるユーザの操作の内容を示す情報である。「操作時刻」は、「ユーザID」により識別されるユーザにより装置に対して「操作内容」が示す操作が行われた時刻を示す情報である。
【0039】
すなわち、
図8においては、ユーザID「UID#1」により識別されるユーザの操作内容が「OPCT#1」であり、当該の操作を行った操作時刻「OPTM#1」であるとして記憶されている例が示されている。
【0040】
なお、操作履歴記憶部121は、「ユーザID」、「操作内容」、「操作時刻」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のユーザの操作履歴情報に関係する情報が記憶されてよい。また、操作履歴記憶部121は、
図8に示す情報に基づいて、ユーザそれぞれについて、報知手段を備えた装置ごとの
図4に示す表形式の情報を作成してもよい。
【0041】
(予定記憶部122について)
予定記憶部122は、ユーザの予定行動と、予定時刻と、を対応付けた予定情報を記憶する。
図9を用いて、予定記憶部122に記憶される情報の一例について説明する。
図9は、本開示に係る予定管理装置の記憶部の予定記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0042】
図9に示す例において、予定記憶部122は、「ユーザID」、「予定行動」、「予定時刻」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0043】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別子であり、文字列や番号によって表される。「予定行動」は、「ユーザID」により識別されるユーザが予定している行動に関する情報であり、例えば、薬を飲むことや、ランニングをすることなどであってよい。「予定時刻」は、「ユーザID」により識別されるユーザが「予定行動」が示す予定している行動を行う予定の時刻を示す。
【0044】
すなわち、
図9においては、ユーザID「UID#1」により識別されるユーザが、予定行動「PLAC#1-1」を行うこととする予定時刻が「PLTM#1-1」であるとして記憶されている例が示されている。
【0045】
なお、予定記憶部122は、「ユーザID」、「予定行動」、「予定時刻」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のユーザの予定行動と、予定時刻と、を対応付けた予定情報に関係する情報が記憶されてよい。また、予定記憶部122は、
図9に示す情報に基づいて、ユーザそれぞれについて
図5に示す表形式の情報を作成してもよい。
【0046】
タイマ部130は、予定管理装置100における時間情報を一括して管理する。例えば、タイマ部130は、システムクロックを参照して現在時刻情報を取得して、予定記憶部122に記憶された予定情報に含まれる時刻に一致したか否かを検知する。また、例えば、タイマ部130は、無線通信部140を介して予定管理装置100と報知手段を備えた装置との間で時刻を一致させる。
【0047】
無線通信部140は、予定管理装置100が携帯電話機として通信網の無線基地局201と通信をしたり、近距離無線通信により報知手段を備えた装置と通信をしたり、予定管理装置100の位置情報を計測するためにGPS衛星202の電波(マイクロ波)を受信したりする。無線通信部140は、アンテナを含み、例えば、ロッドアンテナや、内臓アンテナにより実現されてよい。また、無線通信部140は、GPSセンサを備えてよく、GPSセンサは、アンテナを備えて、複数のGPS衛星からの電波を受信して、複数のGPS衛星の電波に基づいて位置情報を計測する。
【0048】
入力操作部150は、ユーザから各種の操作情報が入力される。入力操作部150は、ユーザが予定管理装置100を操作するために用意されたキーパッドや、ボタン、ポインティングデバイスなどにより実現されてよい。入力操作部150は、例えば、ユーザが予定情報を入力するために使用される。
【0049】
表示部160は、ユーザに向けて各種の情報を表示する。表示部160は、例えば、予定管理装置100に無線基地局201からの着信処理が発生した場合や、予定管理装置100をユーザに操作させる場合に、文字(テキスト)やキャラクタを表示する。表示部160は、予定管理装置100における報知手段として機能してもよい。表示部160は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等によって実現されてよい。
【0050】
振動通知部170は、振動によってユーザに情報を通知(報知)する。振動通知部170は、偏心ローターを取り付けたモーターや、ピエゾ素子の逆圧電効果を利用したアクチュエータなどによって振動を発生させて、ユーザに情報を通知してよい。
【0051】
音声入出力部180は、音声通話や音楽などの音を入出力する。音声入出力部180は、予定管理装置100における報知手段として機能してもよい。音声入出力部180は、スピーカーとマイクロフォンであってよく、スピーカーは電気信号をダイヤフラムにより音に変換し、マイクロフォンは逆にダイヤフラムの振動を電気信号に変換する。すなわち、スピーカーは、電気信号により与えられる制御指令に基づいて、ダイヤフラムを所定の振幅、振動数によって振動させることにより、ダイヤフラムに接している空気を振動させて音を出力する。マイクロフォンは、その逆に、ダイヤフラムの振動を電気信号に変換する。
【0052】
振動検知部190は、予定管理装置100の操作や移動等により生じる振動を検出する。振動検知部190は、加速度センサにより実現されてよく、加速度センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによる静電容量の変化と加速度の関係を用いて加速度を計測する静電容量式の加速度センサであってよい。
【0053】
以上説明した予定管理装置100の第一実施形態によれば、予定管理装置100が身近にない状態でも、ユーザはイベント通知を受けることができる。また、複数のイベント通知方法を適宜実施することで、イベントを忘れることを防止できイベントの達成率を上げることができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置100を提供することができる。
【0054】
(予定管理方法、及びプログラムについて)
(第一実施形態)
次に、本開示に係る予定管理方法、及びプログラムについて、
図10を用いて説明する。
図10は、本開示に係る予定管理方法の第一実施形態のフローを示すフローチャートである。
図10に示すフローに沿って、本開示に係る予定管理方法、及びプログラムについて説明する。
【0055】
まず、予定管理装置100は、報知手段を備えた装置から操作履歴情報を取得する(ステップS110)(前述の段落0023から0024の記述に対応)。次に、予定管理装置100は、ユーザの予定情報を取得する(ステップS120)(前述の段落0025の記述に対応)。次に、予定管理装置100は、ユーザの行動情報を予測する(ステップS130)(前述の段落0026から0028の記述に対応)。次に、予定管理装置100は、報知時刻と報知機器の選択と決定を行う(ステップS140)(前述の段落0029から0030の記述に対応)。次に、予定管理装置100は、決定された報知時刻と、予定行動を、報知装置に通知して報知を指示する(ステップS150)(前述の段落0031から0033の記述に対応)。
【0056】
次に、本開示に係る予定管理方法、及びプログラムのステップS140の処理の詳細について、
図11を用いて説明する。
図11は、本開示に係る予定管理方法の第一実施形態のステップS140の処理のフローを示すフローチャートである。
図11に示すフローに沿って、本開示に係る予定管理方法、及びプログラムのステップS140の処理について説明する。
【0057】
まず、予定管理装置100は、予定時刻にユーザが装置の使用習慣があるか否かを判定する(ステップS142)。予定時刻にユーザが装置の使用習慣がある場合(ステップS142:Yes)、予定管理装置100は、予定の日時で使用習慣のある装置を選択する(ステップS144)。すなわち、報知時刻を予定の時刻、報知装置を選択された装置として選択する。次に、予定管理装置100は、選択された報知時刻と報知装置を決定する(ステップS148)。
【0058】
なお、予定時刻にユーザが装置の使用習慣がない場合(ステップS142:No)、予定の直近の時刻で使用習慣のある装置を選択する(ステップS146)。すなわち、報知時刻を装置が選択された直近の時刻、報知装置を選択された装置として選択する。次に、予定管理装置100は、前述したステップS148と同じ処理を実行する。
【0059】
次に、本開示に係る予定管理方法、及びプログラムのステップS150の処理の詳細について、
図12を用いて説明する。
図12は、本開示に係る予定管理方法の第一実施形態のステップS150の処理のフローを示すフローチャートである。
図12に示すフローに沿って、本開示に係る予定管理方法、及びプログラムのステップS150の処理について説明する。
【0060】
まず、予定管理装置100は、決定された報知時刻と、予定行動を報知装置に通知する(ステップS152)。次に、予定管理装置100は、報知時刻に到達するのを待つ(ステップS154)。報知時刻に到達した場合、予定管理装置100は、ユーザがいずれかの装置を使用中であるかを検出する(ステップS156)。ユーザがいずれかの装置を使用中の場合(ステップS156:Yes)、予定管理装置100は、使用中の装置に予定行動を報知するように通知し、報知させる(ステップS160)。
【0061】
なお、ステップS156において、ユーザがいずれの装置も使用中ではない場合(ステップS156:No)、予定管理装置100は、ステップS140において決定された報知装置が予定行動をユーザに報知する(ステップS158)。
【0062】
次いで、予定管理装置100は、予定時刻に到達するのを待つ(ステップS162)。予定時刻に到達した場合、予定管理装置100は、ユーザがいずれかの装置を使用中であるかを判定する(ステップS164)。ユーザがいずれかの装置を使用中の場合(ステップS164:Yes)、予定管理装置100は、使用中の装置に予定行動を報知するように通知し、報知させる(ステップS166)ステップS164において、ユーザがいずれかの装置を使用していない場合(ステップS164:No)、予定管理装置100は、処理を終了する。
【0063】
以上説明した予定管理方法、及びプログラムの第一実施形態によれば、予定管理装置100が身近にない状態でも、ユーザはイベント通知を受けることができる。また、複数のイベント通知方法を適宜実施することで、イベントを忘れることを防止できイベントの達成率を上げることができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【0064】
(予定管理装置の構成)
(第一実施形態の変形例)
次に、本開示に係る予定管理装置100の第一実施形態の変形例について説明する。本開示に係る予定管理装置100の第一実施形態の変形例は、取得部111と、予測部112と、決定部113の処理が異なる以外は、予定管理装置100の第一実施形態と同じである。本開示に係る予定管理装置100の第一実施形態の変形例の構成のうち、予定管理装置100の第一実施形態の構成と異なる構成である決定部113の処理について説明し、それ以外の構成についての説明は省略する。
【0065】
取得部111は、ユーザの位置情報を取得する。取得部111は、無線通信部140が受信した複数のGPS衛星202から発信されたGPS電波に基づいて、演算を実行することにより、ユーザの位置情報を取得する。取得部111が取得する位置情報の一例について、
図4で説明した表と同様の
図13を用いて説明する。
図13は、本開示に係る予定管理装置の第一実施形態の変形例の取得部が取得する位置情報の一例を説明する図である。
図13は、ユーザU1の位置情報を示す表であり、ユーザU1の所在する場所(リビング(自宅300)、自動車400、職場500)に対して、曜日ごと、及び時間帯ごとに所在した回数を表形式により示している。このように、取得部111は、位置情報に、位置情報を取得した時刻を対応付けて、位置情報記憶部123(
図14参照)に記憶する。
【0066】
予測部112は、ユーザの位置情報に基づいて、行動情報として生成する。予測部112は、ユーザの位置情報に基づいて、所定の閾値、例えば5回よりも多く所在している場所をユーザが習慣的に所在する場所であるとして、行動情報を生成する。
【0067】
決定部113は、ユーザに予定を報知手段で報知する装置を決定する。具体的には、決定部113は、行動情報と予定情報とに基づいて、予定行動を報知する報知時刻と装置を決定する。例えば、位置情報を利用する場合は、取得部111が取得した位置情報に基づいて、
図13に示したように報知手段が設置された報知場所に滞在した回数を求めた表を作成して、第1実施例と同様に、報知時刻と報知場所を決定する。なお、報知場所(リビング(自宅300)、自動車400、職場500)には装置(例えば、TV302、カーラジオ401、パソコン501)が備えられており、これらの装置から報知する装置を決定する。
【0068】
図14は、本開示に係る予定管理装置の第一実施形態の変形例の記憶部の構成例を示す図である。
図14に示すように、記憶部120は、予定管理装置100の第一実施形態の記憶部120の構成に加えて、位置情報記憶部123を有する。
【0069】
(位置情報記憶部123について)
位置情報記憶部123は、ユーザの位置情報を記憶する。
図15を用いて、位置情報記憶部123に記憶される情報の一例について説明する。
図15は、本開示に係る予定管理装置の第一実施形態の変形例の記憶部の位置情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0070】
図15に示す例において、位置情報記憶部123は、「ユーザID」、「位置情報」、「取得時刻」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0071】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別子であり、文字列や番号によって表される。「位置行動」は、「ユーザID」により識別されるユーザの位置情報であり、緯度、及び経度によって表される。「取得時刻」は、「位置情報」を取得した時刻を示す。
【0072】
すなわち、
図15においては、ユーザID「UID#1」により識別されるユーザの位置情報が「LCINF#1」であり、当該の位置情報を取得した取得時刻が「ACTM#1」であることが記憶されている例が示されている。
【0073】
なお、位置情報記憶部123は、「ユーザID」、「位置情報」、「取得時刻」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意の位置情報に関係する情報が記憶されてよい。
【0074】
この構成によれば、位置情報に基づいて、ユーザが所在する場所を予測して、ユーザが所在する場所にある装置に対して、イベント通知を発信することができる。したがって、
ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置100を提供することができる。
【0075】
(予定管理装置の構成)
(第二実施形態)
次に、本開示に係る予定管理装置100の第二実施形態について説明する。本開示に係る予定管理装置100の第一実施形態では、ユーザが予定管理装置100を携帯する習慣がない場合を示したが、本開示に係る予定管理装置100の第二実施形態では、ユーザが予定管理装置100を携帯している場合の予定管理方法である。例えば、予定管理装置100はスマートフォンや、タブレット型端末、携帯電話機などである。
【0076】
(予定管理方法、及びプログラムについて)
(第二実施形態)
第二実施形態に係る予定管理方法のフローについて、
図16を用いて説明する。
図16は、本開示に係る予定管理方法の第二実施形態のフローを示すフローチャートである。
図16に示すフローに沿って、本開示に係る予定管理方法について説明する。なお、ここでのイベントは、所定時刻での服薬とする。
【0077】
まず、予定管理装置100は、イベント通知日時に到達したことをタイマ部130によって検知する(ステップS301)。次に、予定管理装置100は、GPS衛星202から送信された電波を受信して自身の位置情報を確認する(ステップS302)。次に、予定管理装置100は、GPS位置情報に基づいて予定管理装置100の所在が自宅300内か否かを判定する(ステップS303)。なお、ステップ303において、予定管理装置100の所在が自宅300ではない、すなわち屋外である場合(ステップS303:No)、予定管理装置100は、ユーザがイベントの実施が困難であることを予測して、帰宅後にイベント実施を促す旨をユーザに通知する内容を表示部160に出力する(ステップS310)。この場合の表示部160に表示させるメッセージの一例について、
図17を用いて説明する。
図17は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第一態様を示す図である。
図17に示すように、予定管理装置100は、ステップS310において、表示部160に「20XX年X月X日、午前XX時、薬AをYY錠服薬する時間です。現在、薬Aを所持していなければ、帰宅後に服薬してください。」といったメッセージMS1を表示させてよい。以降の説明では、予定管理装置100を、端末と表現する場合がある。
【0078】
なお、ステップS303において、予定管理装置100の所在が自宅300である場合(ステップS303:Yes)、予定管理装置100は、現在、ユーザが予定管理装置100を操作中か否かを判定する(ステップS304)。ユーザが予定管理装置100を操作中である場合(ステップS304:Yes)、当該の予定管理装置100による通知が最も迅速であることより、イベント実施を促す旨をユーザに通知する内容を表示部160に出力する(ステップS311)。
図18は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第二態様を示す図である。
図18に示すように、予定管理装置100は、ステップS311において、表示部160に「20XX年X月X日、午前XX時、薬AをYY錠服薬する時間です。」といったメッセージMS2を表示させてよい。
【0079】
なお、ステップS304において、現在、ユーザが予定管理装置100を操作中ではない場合(ステップS304:No)、予定管理装置100は、操作履歴記憶部121に記憶されている操作履歴を確認し、ユーザは当該のイベント通知直前で予定管理装置100を操作していたかを確認する(ステップS305)。イベント通知直前でユーザの操作履歴がある場合(ステップS305:Yes)、ユーザはまだ予定管理装置100の近くに居る可能性が高いことより、音声入出力部180からイベント通知音を発してユーザに注意喚起を行い、さらにイベント実施を促す旨をユーザに通知する内容を表示部160に出力させる(ステップS312)。この場合の通知内容は、前述した
図18を用いて説明したものと同じ内容であってよい。
【0080】
なお、ステップS305において、イベント通知直前で操作履歴がない場合(ステップS305:No)、予定管理装置100は、現在、ユーザがTV302を視聴中であるか(すなわち、電源ON状態であるか)を、TV302との通信に基づいて判定する(ステップS306)。ユーザがTV302を視聴中である場合(ステップS306:Yes)、予定管理装置100は、イベント実施を促す旨をユーザに通知する内容をTV302に表示させる(ステップS313)。
図19は、本開示に係る予定管理装置がTV302に表示させる情報を示す図である。
図19に示すように、予定管理装置100は、ステップS313において、TV302に「20XX年X月X日、午前XX時、薬AをYY錠服薬する時間です。」といったメッセージMS3を表示させてよい。
【0081】
なお、ステップS306において、現在、ユーザがTV302を視聴中ではない(すなわち、電源OFF状態)である場合(ステップS306:No)、予定管理装置100は、記憶部120に記憶されている視聴予測日時を確認する(ステップS307)。そして、予定管理装置100は、現在、視聴予測時間帯であるか(ただし、電源OFF状態)を判定する(ステップS308)。ステップS308において、現在が視聴予測日時である場合(ステップS308:Yes)、ユーザはTV302を視聴していなくても、TV302の近くに居る可能性が高いと見なして、予定管理装置100は、無線通信に基づいてTV302の電源をONにし、イベント実施を促す旨をユーザに通知する内容をTV302に表示出力する(ステップS314)。この場合の通知内容は、前述した
図19を用いて説明したものと同じ内容であってよい。
【0082】
TV302への表示出力が一定時間経過すると、予定管理装置100は、無線通信に基づいて、TV302の電源をOFFにし、TV302を用いてイベント通知した旨をユーザに通知する内容を表示部160に出力する(ステップS315)。
図20は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第三態様を示す図である。
図20に示すように、予定管理装置100は、ステップS315において、表示部160に「20XX年X月X日、午前XX時、薬AをYY錠服薬する時間になったのをTVでお伝えしました。」といったメッセージMS4を表示させてよい。
【0083】
なお、ステップS308において、現在が視聴予測日時でない場合は、ユーザは予定管理装置100、もしくはTV302の近くに居ない(ただし、自宅には居る)と見なして、予定管理装置100は、携帯電話として固定電話301に発信する(ステップS309)。発信においては、具体的には、固定電話301を所定の回数で着信鳴動させたり、ユーザが鳴動する固定電話301の受話器を取った場合には、イベント実施を促す音声が受話器から流れるように音声情報を送信したりする。固定電話301への発信と併せて、予定管理装置100は、固定電話301を用いてイベント通知した旨をユーザに通知する内容を表示部160に出力する。
図21は、本開示に係る予定管理装置が表示部に表示させる情報の第四態様を示す図である。
図21に示すように、予定管理装置100は、ステップS309において、表示部160に「20XX年X月X日、午前XX時、薬AをYY錠服薬する時間になったのをお伝えするのに、自宅の電話機を鳴らしました。」といったメッセージMS5を表示させてよい。
【0084】
なお、ステップS311、及びS312におけるイベント通知において、ユーザはイベント実施を促す旨の通知にはすぐには気づかずに、イベント実施が遅くなってしまう恐れがある。そこで、イベント通知から一定時間が経過したら(ステップS316)、予定管理装置100は、操作履歴記憶部121に記憶されている操作履歴を確認し、当該イベント通知後にユーザは当該端末を操作していたかを判定する(ステップS317)。操作履歴がない場合(ステップS317:No)、予定管理装置100は、ユーザがイベント通知に気づいていないと判断して、上述して説明したステップS309に進む。操作履歴がある場合(ステップS317:Yes)、ユーザがイベント通知に気づいていたと判断して、当通知処理を終了する。
【0085】
なお、上述した予定管理方法は、予定管理装置100により実行されてもよいし、予定管理装置100の制御部110が備えるCPUに処理を実行させるプログラムにより実行されてもよい。
【0086】
これによれば、予定管理装置100が身近にある状態には、予定管理装置100が身近にない状態に比べてより適切にイベント通知を受けることができる。また、複数のイベント通知方法を適宜実施することで、イベントを忘れることを防止できイベントの達成率を上げることができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理方法、及びプログラムを提供することができる。
【0087】
(構成と効果)
本開示に係る予定管理装置100は、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を装置から取得する取得部111と、操作履歴情報を記憶する操作履歴記憶部121と、操作履歴記憶部121に記憶された操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、装置の近くにユーザが所在する時間帯を行動情報として予測する予測部112と、ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を記憶する予定記憶部122と、ユーザに予定を報知手段で報知する装置を決定する決定部113と、決定された装置に対して、予定行動と報知時刻の情報を通知する通知部114と、を備え、決定部113は、行動情報と、予定記憶部122に記憶された予定情報とに基づいて、予定行動を報知する報知時刻と装置を決定する。
【0088】
この構成によれば、予定管理装置100が身近にない状態でも、ユーザはイベント通知を受けることができる。複数のイベント通知方法を適宜実施することで、イベントを忘れることを防止できイベントの達成率を上げることができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置100を提供することができる。
【0089】
本開示に係る予定管理装置100が装置から取得した操作履歴情報は、装置を操作したユーザを識別するユーザ識別子などのユーザ情報を含み、予定情報は、あらかじめ指定された指定ユーザの情報であり、予測部112は、複数のユーザ情報から指定ユーザについての操作履歴情報を抽出して行動情報を予測する。
【0090】
この構成によれば、装置を複数のユーザが使用している場合に、使用しているユーザを特定して、予定情報が入力されたユーザが使用している時に、イベント通知を発信することができる。そのため、予定情報を入力したユーザとは異なるユーザが使用している時に、イベント通知を発信することを防ぐことができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置100を提供することができる。
【0091】
本開示に係る予定管理装置100の決定部113は、行動情報と予定情報に基づいて、予定時刻にユーザがいずれの装置の近くにもいないと判断した場合、予定時刻の直近で、かついずれかの報知手段を備えた装置から所定の距離範囲にいると予測される時刻を報知時刻とする。
【0092】
この構成によれば、ユーザがいずれの報知手段を備えた装置の近くにもいないと判断される場合に、予定時刻の直近で、ユーザが使用していると予測される報知手段を備えた装置にイベント通知を発信することができる。そのため、ユーザが報知手段を備えた装置の近くにいないにも関わらず、イベント通知を発信することを防ぐことができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理装置100を提供することができる。
【0093】
本開示に係る予定管理方法は、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を装置から取得するステップと、操作履歴情報を操作履歴記憶部121に記憶するステップと、操作履歴記憶部121に記憶された操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、装置の近くにユーザが所在する時間帯を行動情報として予測するステップと、ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を予定記憶部122に記憶するステップと、ユーザに予定を報知手段で報知する装置を決定するステップと、決定された装置に対して、予定された行動の情報と報知時刻の情報を通知するステップと、を含み、決定するステップにおいては、行動情報と、予定記憶部122に記憶された予定情報とに基づいて、予定行動を報知する報知時刻と装置を決定する。
【0094】
この構成によれば、予定管理装置100が身近にない状態でも、ユーザはイベント通知を受けることができる。複数のイベント通知方法を適宜実施することで、イベントを忘れることを防止できイベントの達成率を上げることができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができる予定管理方法を提供することができる。
【0095】
本開示に係るプログラムは、装置に対するユーザの操作内容と、操作時刻とを対応付けた操作履歴情報を装置から取得するステップと、操作履歴情報を操作履歴記憶部121に記憶するステップと、操作履歴記憶部121に記憶された操作履歴情報に含まれるユーザの操作内容に基づいて、装置の近くにユーザが所在する時間帯を行動情報として予測するステップと、ユーザの予定行動と、予定時刻とを対応付けた予定情報を予定記憶部122に記憶するステップと、ユーザに予定を報知手段で報知する装置を決定するステップと、決定された装置に対して、予定された行動の情報と報知時刻の情報を通知するステップと、を含み、決定するステップにおいては、行動情報と、予定記憶部122に記憶された予定情報とに基づいて、予定行動を報知する報知時刻と装置を決定すること、をコンピュータに実行させる。
【0096】
この構成によれば、予定管理装置100が身近にない状態でも、ユーザはイベント通知を受けることができる。複数のイベント通知方法を適宜実施することで、イベントを忘れることを防止できイベントの達成率を上げることができる。したがって、ユーザに的確にイベント通知を発信することができるプログラムを提供することができる。
【0097】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0098】
本開示は、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献し、ヘルスケア製品・サービスによる価値創出に寄与する事項を含む。
【符号の説明】
【0099】
1 予定管理システム
100 予定管理装置
110 制御部
111 取得部
112 予測部
113 決定部
114 通知部
120 記憶部
121 操作履歴記憶部
122 予定記憶部
130 タイマ部
140 無線通信部
150 入力操作部
160 表示部
170 振動通知部
180 音声入出力部
190 振動検知部
201 無線基地局
202 GPS衛星
300 自宅
301 固定電話
302 TV
400 自動車
401 カーラジオ
500 職場
501 パソコン