(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170005
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】プロジェクタ及びプロジェクタ用光源装置
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241129BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241129BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241129BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20241129BHJP
F21V 9/35 20180101ALI20241129BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20241129BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20241129BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20241129BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20241129BHJP
F21Y 113/10 20160101ALN20241129BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20241129BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
F21S2/00 311
F21V9/40 200
F21V9/35
F21V9/38
F21V8/00 221
F21V8/00 241
F21V8/00 281
G02B26/10 B
H04N9/31 500
F21Y113:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086910
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】野本 貴之
【テーマコード(参考)】
2H045
2K203
5C060
【Fターム(参考)】
2H045BA24
2K203FA07
2K203FA45
2K203FA54
2K203GA25
2K203GA35
2K203GA36
2K203GA40
2K203HA30
2K203HA67
2K203HA73
2K203HA89
2K203HB22
2K203MA32
5C060HC12
5C060HD00
5C060JB00
(57)【要約】
【課題】 複数の蛍光体を回転させるための機構を小型化する。
【解決手段】 同一波長のレーザ光を出射する複数の光源2R、2G、2Bと、レーザ光の波長を変換する複数の蛍光体3R、3Gと、複数の波長のレーザ光を走査してカラー画像を表示する走査部と、を備えたプロジェクタ1であって、一端側から入射される複数のレーザ光を他端側から分離して出射可能な導光ファイバ6と、複数の蛍光体3R、3Gが同心円状に配置され、回転機構の駆動に応じて回転する蛍光体ホイール5と、複数の光源2R、2G、2Bから出射されたレーザ光を集光して導光ファイバ6の一端側に入射させる第1集光レンズ7と、導光ファイバ6の他端側から分離状態で出射された複数のレーザ光をそれぞれ集光し、蛍光体ホイール5上の異なる蛍光体3R、3Gの領域に導く第2集光レンズ8と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一波長のレーザ光を出射する複数の光源と、
レーザ光の波長を変換する複数の蛍光体と、
複数の波長のレーザ光を走査してカラー画像を表示する走査部と、を備えたプロジェクタであって、
一端側から入射される複数のレーザ光を他端側から分離して出射可能な導光ファイバと、
複数の前記蛍光体が同心円状に配置され、回転機構の駆動に応じて回転する蛍光体ホイールと、
複数の前記光源から出射されたレーザ光を集光して前記導光ファイバの一端側に入射させる第1集光レンズと、
前記導光ファイバの他端側から分離状態で出射された複数のレーザ光をそれぞれ集光し、前記蛍光体ホイール上の異なる蛍光体領域に導く第2集光レンズと、を備える、プロジェクタ。
【請求項2】
前記導光ファイバは、前記一端側から異なる入射角で入射された前記複数のレーザ光を前記他端側から分離して出射させるダブルクラッドファイバ又はトリプルクラッドファイバであり、
前記第1集光レンズは、複数の前記光源から出射された前記レーザ光を集光し、それぞれ前記異なる入射角で前記導光ファイバの前記一端側に入射させる、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記第2集光レンズは、前記導光ファイバの前記他端側から分離状態で出射された前記複数のレーザ光をそれぞれ集光させる複数の集光領域を備え、前記複数の集光領域は、偏心又は倒れによって互いの焦点位置がずらされる、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
複数の前記光源は、緑色用光源、赤色用光源及び青色用光源を含み、
前記緑色用光源、前記赤色用光源及び前記青色用光源は、いずれも青色レーザ光を出射し、
前記蛍光体ホイールは、前記青色レーザ光を緑色レーザ光に変換する緑色用蛍光体領域と、前記青色レーザ光を赤色レーザ光に変換する赤色用蛍光体領域と、を含み、
前記緑色用光源から出射される前記青色レーザ光は、前記第1集光レンズ、前記導光ファイバ、前記第2集光レンズ及び前記緑色用蛍光体領域を経由することで、前記緑色レーザ光として前記走査部に入射され、
前記赤色用光源から出射される前記青色レーザ光は、前記第1集光レンズ、前記導光ファイバ、前記第2集光レンズ及び前記赤色用蛍光体領域を経由することで、前記赤色レーザ光として前記走査部に入射され、
前記青色用光源から出射される前記青色レーザ光は、前記第1集光レンズ、前記導光ファイバ、前記第2集光レンズ及び前記蛍光体ホイールを経由することなく、前記青色レーザ光のまま前記走査部に入射される、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
同一波長のレーザ光を出射する複数の光源と、
レーザ光の波長を変換する複数の蛍光体と、を備えたプロジェクタ用光源装置であって、
一端側から入射される複数のレーザ光を他端側から分離して出射可能な導光ファイバと、
複数の前記蛍光体が同心円状に配置され、回転機構の駆動に応じて回転する蛍光体ホイールと、
複数の前記光源から出射されたレーザ光を集光して前記導光ファイバの一端側に入射させる第1集光レンズと、
前記導光ファイバの他端側から分離状態で出射された複数のレーザ光をそれぞれ集光し、前記蛍光体ホイール上の異なる蛍光体領域に導く第2集光レンズと、を備える、プロジェクタ用光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクタ及びプロジェクタ用光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、波長が同じ複数の光源から出射されるレーザ光の波長を複数の蛍光体で変換することで、3原色の光を生成するプロジェクタ用の光源装置が開示されている。このような光源装置では、波長が異なる3原色の光源を使用する場合に比べて光源の制御が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蛍光体は、冷却のために回転させる必要があるので、特許文献1のように複数の蛍光体を備えるものでは、蛍光体の回転機構が大きくなり、小型化が求められるプロジェクタ(例えば、車載用プロジェクタ)への組み込みが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、複数の蛍光体を回転させるための機構を小型化できるプロジェクタ及びプロジェクタ用光源装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、以下のような解決手段を提供する。
同一波長のレーザ光を出射する複数の光源と、
レーザ光の波長を変換する複数の蛍光体と、
複数の波長のレーザ光を走査してカラー画像を表示する走査部と、を備えたプロジェクタであって、
一端側から入射される複数のレーザ光を他端側から分離して出射可能な導光ファイバと、
複数の前記蛍光体が同心円状に配置され、回転機構の駆動に応じて回転する蛍光体ホイールと、
複数の前記光源から出射されたレーザ光を集光して前記導光ファイバの一端側に入射させる第1集光レンズと、
前記導光ファイバの他端側から分離状態で出射された複数のレーザ光をそれぞれ集光し、前記蛍光体ホイール上の異なる蛍光体領域に導く第2集光レンズと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数の蛍光体を回転させるための機構を小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】プロジェクタの構成を概略的に示す図である。
【
図2】(a)は導光ファイバ内の光の進み方を示す図、(b)は導光ファイバの断面構造を示す図である。
【
図3】赤色用レーザ光及び緑色用レーザ光の経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1に示す本実施例のプロジェクタ1は、例えば、小型化が求められる車載用プロジェクタ(ヘッドアップディスプレイ装置、ロードプロジェクション装置など)に適用される。
【0011】
図1に示すように、プロジェクタ1は、基本的な構成として、複数の光源2R、2G、2Bと、複数の蛍光体3R、3Gと、複数のダイクロイックミラー4R、4G、4Bと、走査部(不図示)と、制御部(不図示)と、を備える。なお、本実施例では、走査部を含むプロジェクタ1において本発明の適用例を示すが、走査部を含まないプロジェクタ用光源装置においても本発明の適用は可能である。
【0012】
複数の光源2R、2G、2Bには、赤色用光源2R、緑色用光源2G及び青色用光源2Bが含まれる。赤色用光源2R、緑色用光源2G及び青色用光源2Bは、同一波長のレーザ光を出射する。例えば、本実施例の赤色用光源2R、緑色用光源2G及び青色用光源2Bは、いずれも青色レーザ光を出射する。
【0013】
複数の蛍光体(蛍光体領域)3R、3Gには、赤色用蛍光体(赤色蛍光体領域)3R及び緑色用蛍光体(緑色蛍光体領域)3Gが含まれる。赤色用蛍光体3Rは、赤色用光源2Rから出射されるレーザ光の波長を赤色レーザ光の波長に変換する。緑色用蛍光体3Gは、緑色用光源2Gから出射されるレーザ光の波長を緑色レーザ光の波長に変換する。
【0014】
本実施例では、青色用光源2Bから青色レーザ光を出射するため、青色用蛍光体が不要になる。ただし、赤色用光源2R、緑色用光源2G及び青色用光源2Bから青色以外のレーザ光を出射する構成では、青色用光源2Bから出射されるレーザ光の波長を青色レーザ光の波長に変換するための青色用蛍光体が必要となる。
【0015】
複数の蛍光体3R、3Gは、回転機構(不図示)の駆動に応じて回転する蛍光体ホイール5に設けられ、蛍光体ホイール5の回転により冷却される。複数の蛍光体3R、3Gは、
図3に示すように、蛍光体ホイール5の回転中心5aを中心とする同心円状に配置される。例えば、本実施例において、赤色用蛍光体3Rは、蛍光体ホイール5の回転中心5aを中心とする円形状であり、緑色用蛍光体3Gは、赤色用蛍光体3Rの外側を囲む中空円形状である。
【0016】
なお、赤色用蛍光体3R及び緑色用蛍光体3Gの径方向の並び順は逆であってもよい。また、蛍光体ホイール5に青色用蛍光体を追加する場合は、赤色用蛍光体3R、緑色用蛍光体3G及び青色用蛍光体が同心円状に配置される。
【0017】
複数のダイクロイックミラー4R、4G、4Bには、赤色用ダイクロイックミラー4R、緑色用ダイクロイックミラー4G及び青色用ダイクロイックミラー4Bが含まれる。青色用ダイクロイックミラー4Bは、青色用光源2Bから出射された青色レーザ光を緑色用ダイクロイックミラー4Gに向けて反射させる。
【0018】
緑色用ダイクロイックミラー4Gは、緑色用蛍光体3Gから出射された緑色レーザ光を赤色用ダイクロイックミラー4Rに向けて反射させる。また、緑色用ダイクロイックミラー4Gは、青色用ダイクロイックミラー4Bから入射された青色レーザ光を赤色用ダイクロイックミラー4Rに向けて透過させる。
【0019】
赤色用ダイクロイックミラー4Rは、赤色用蛍光体3Rから出射された赤色レーザ光を走査部に向けて透過させる。また、赤色用ダイクロイックミラー4Rは、緑色用ダイクロイックミラー4G側から入射された緑色レーザ光及び青色レーザ光を走査部に向けて反射させる。
【0020】
走査部は、入射される赤色レーザ光、緑色レーザ光及び青色レーザ光を走査してカラー画像を表示する。走査部としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)などが用いられる。
【0021】
制御部は、複数の光源2R、2G、2B及び走査部を制御してカラー画像を表示させる。具体的に説明すると、制御部は、複数の光源2R、2G、2Bを時分割で順次ONさせる。制御部は、赤色用画像データ、緑色用画像データ及び青色用画像データを有しており、各色の光源2R、2G、2BがONするタイミングで、適用する各色の画像データを切り替えることで、カラー画像を表示させる。
【0022】
上記のような基本構成では、蛍光体ホイール5が大きくなり、小型化が求められる車載用プロジェクタなどへの適用が困難になる場合がある。蛍光体ホイール5を小さくする方法としては、複数の光源2R、2Gから出射される複数のレーザ光をそれぞれ集光レンズ11により集光し、複数のレーザ光の蛍光体ホイール5に対する入射間隔を小さくする方法が考えられる。しかしながら、この方法では、集光レンズ11の大きさが蛍光体ホイール5の大きさを決定することになるので、蛍光体ホイール5の大幅な小型化は難しい。
【0023】
本実施例のプロジェクタ1は、このような課題を解決するために、導光ファイバ6、第1集光レンズ7及び第2集光レンズ8を用いて複数のレーザ光を集光し、蛍光体ホイール5に入射させる。以下、導光ファイバ6、第1集光レンズ7及び第2集光レンズ8について、
図1~
図6を参照して説明する。
【0024】
導光ファイバ6は、一端側(一端面)から入射される複数のレーザ光を他端側(他端面)から分離して出射することができる。例えば、導光ファイバ6としては、一端側から異なる入射角で入射された複数のレーザ光を他端側から分離して出射可能なダブルクラッドファイバやトリプルクラッドファイバが用いられる。ダブルクラッドファイバは、2種類のレーザ光を分離して導光することができる。また、トリプルクラッドファイバは、2種類又は3種類のレーザ光を分離して導光することができる。
【0025】
図1~
図4に示すように、2種類のレーザ光を導光する本実施例では、導光ファイバ6としてダブルクラッドファイバを用いる。ダブルクラッドファイバからなる本実施例の導光ファイバ6は、コア6aと、コア6aの外周側を覆う第1クラッド6bと、第1クラッド6bの外周側を覆う第2クラッド6cと、を備える。コア6aの屈折率は、第1クラッド6bの屈折率よりも大きい。また、第1クラッド6bの屈折率は、第2クラッド6cの屈折率よりも大きい。
【0026】
そして、コア6aは、その最大入射角NAcoreよりも小さい入射角で一端側から入射されたレーザ光を導光し、他端側からガウス状(略円形)のレーザ光として出射させる。また、第1クラッド6bは、その最大入射角NAcladよりも小さく、かつコア6aの最大入射角NAcoreよりも大きい入射角で一端側から入射されたレーザ光を導光し、他端側から輪帯状(中空円形状)のレーザ光として出射させる。
【0027】
第1集光レンズ7は、複数の光源2R、2Gから出射されたレーザ光を集光して導光ファイバ6の一端側に入射させる。例えば、本実施例の第1集光レンズ7は、1つのレンズ体であり、赤色用光源2R及び緑色用光源2Gから出射された2種類のレーザ光(以下、赤色用レーザ光LR、緑色用レーザ光LGと称する場合がある)を集光して導光ファイバ6の一端側に入射させる。なお、導光ファイバ6で青色用レーザ光LBを含む3種類のレーザ光を導光する場合は、3種類のレーザ光を第1集光レンズ7で集光して導光ファイバ6の一端側に入射させる。
【0028】
具体的に説明すると、
図1、
図3及び
図4に示すように、赤色用光源2R及び緑色用光源2Gから出射された赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGは、それぞれコリメータレンズ9を通り平行光として第1集光レンズ7に入射される。第1集光レンズ7は、入射された赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGを集光して導光ファイバ6の一端側に入射させる。このとき、第1集光レンズ7は、赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGの入射角を以下の式が成り立つように調整する。ただし、NA1は赤色用レーザ光LRの最大入射角、NA2は緑色用レーザ光LGの最小入射角、NA3は緑色用レーザ光LGの最大入射角とする。
【0029】
NA1<NAcore
NA2>NAcore
NA3<NAclad
【0030】
これにより、赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGは、導光ファイバ6内で別々に導光され、導光ファイバ6の他端側から分離して出射される。
【0031】
図5は、導光ファイバ6の他端側から出射された赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGを仮想投射面Fに投射した模式図である。この図に示すように、導光ファイバ6の他端側から出射された赤色用レーザ光LRはガウス状(略円形)であり、導光ファイバ6の他端側から出射された緑色用レーザ光LGは、赤色用レーザ光LRの外周側を囲む輪帯状(中空円形状)である。このとき、導光ファイバ6の他端側から出射された赤色用レーザ光LRと緑色用レーザ光LGとの間には、赤色用レーザ光LRと緑色用レーザ光LGとを明確に分離させる分離帯Sが存在する。
【0032】
第2集光レンズ8は、導光ファイバ6の他端側から分離状態で出射された複数のレーザ光をそれぞれ集光し、蛍光体ホイール5上の異なる蛍光体3R、3Gの領域へ導く。例えば、第2集光レンズ8は、1つのレンズ体であり、導光ファイバ6の他端側から分離状態で出射された赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGをそれぞれ集光させる2つの集光領域8a、8bを備える。複数の集光領域8a、8bは、偏心又は倒れによって互いの焦点位置がずらされており、赤色用レーザ光LR及び緑色用レーザ光LGをそれぞれ蛍光体ホイール5上の対応する蛍光体3R、3Gの領域に集光させる。
【0033】
そして、赤色用蛍光体3Rに入射された赤色用レーザ光LRは、赤色レーザ光に変換され、コリメータレンズ10を介して赤色用ダイクロイックミラー4Rに入射される。また、緑色用蛍光体3Gに入射された緑色用レーザ光LGは、緑色レーザ光に変換され、コリメータレンズ10を介して緑色用ダイクロイックミラー4Gに入射される。なお、青色用レーザ光LBを含む3種類のレーザ光を蛍光体ホイール5上に集光させる場合は、3つの集光領域を備える第2集光レンズ8が使用される。
【0034】
以上のような導光ファイバ6、第1集光レンズ7及び第2集光レンズ8によれば、複数の光源2R、2Gから出射される複数のレーザ光を、分離状態を維持しながら効率よく集光させることができる。これにより、蛍光体ホイール5に対する複数のレーザ光の入射間隔を小さくし、蛍光体ホイール5の小型化が可能になる。また、第1集光レンズ7及び第2集光レンズ8は、それぞれ1つのレンズ体で構成されるので、部品点数やコストも抑制できる。
【0035】
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0036】
例えば、前述した実施例では、青色用光源2Bから出射される青色レーザ光をコリメータレンズ9、集光レンズ11、拡散板12及びコリメータレンズ10を経由して青色用ダイクロイックミラー4Bに入射させている。しかしながら、青色用光源2Bから出射される青色レーザ光は、トリプルクラッドファイバからなる導光ファイバ6を経由してもよいし、導光ファイバ6とは別のファイバを経由してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 プロジェクタ
2R 赤色用光源(光源)
2G 緑色用光源(光源)
2B 青色用光源(光源)
3R 赤色用蛍光体(蛍光体、赤色蛍光体領域)
3G 緑色用蛍光体(蛍光体、緑色蛍光体領域)
4R 赤色用ダイクロイックミラー(ダイクロイックミラー)
4G 緑色用ダイクロイックミラー(ダイクロイックミラー)
4B 青色用ダイクロイックミラー(ダイクロイックミラー)
5 蛍光体ホイール
5a 回転中心
6 導光ファイバ
6a コア
6b 第1クラッド
6c 第2クラッド
7 第1集光レンズ
8 第2集光レンズ
8a、8b 集光領域
9、10 コリメータレンズ
11 集光レンズ
12 拡散板