(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170015
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】加熱調理システムおよび加熱調理方法
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20241129BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20241129BHJP
F24C 7/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
F24C15/00 J
F24C15/00 M
F24C7/04 301Z
F24C7/02 301J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086925
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中川 豪
【テーマコード(参考)】
3L086
3L087
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086AA12
3L086CA09
3L086CC02
3L086DA24
3L087AA01
3L087AA03
3L087AA04
3L087BA04
3L087BC02
3L087BC09
3L087DA24
(57)【要約】
【課題】調理機器に直接触れなくても調理動画の再生中に加熱パラメータを調理機器に送信できる加熱調理システムおよび加熱調理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】端末1は、アプリケーションをダウンロードする。サーバ2は、端末1にアプリケーションを送信する。調理機器3は、加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。端末1において、登録部10は、サーバ2からアプリケーションをダウンロードしてインストールする。再生部13は、ユーザにより選択された調理動画をアプリケーション上で再生する。送信部14は、調理動画の再生中に調理動画に対応付けられた加熱パラメータを調理機器3に送信するようサーバ2に指示する指示情報を送信する。サーバ2は、指示情報に基づき加熱パラメータを調理機器3に送信する。調理機器3において、受信部30は、加熱パラメータを受信する。調理部31は、加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションをダウンロード可能な端末と、
前記アプリケーションを保有し、前記端末に前記アプリケーションを送信するサーバと、
加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う調理機器と
を備える加熱調理システムであって、
前記端末は、
前記サーバから前記アプリケーションをダウンロードしてインストールする登録部と、
ユーザにより選択された調理動画を前記アプリケーション上で再生する再生部と、
前記調理動画の再生中に前記調理動画に対応付けられた前記加熱パラメータを前記調理機器に送信するよう前記サーバに指示する指示情報を送信する送信部と
を有し、
前記サーバは、前記指示情報に基づき前記加熱パラメータを前記調理機器に送信し、
前記調理機器は、
前記加熱パラメータを受信する受信部と、
前記加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う調理部と
を有する加熱調理システム。
【請求項2】
前記端末は、さらに前記ユーザによる指示を認識する認識部を有し、
前記送信部は、前記指示に基づいて前記指示情報を前記サーバに送信する、請求項1に記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記指示は、空間を介した指示である、請求項2に記載の加熱調理システム。
【請求項4】
前記調理動画には、前記調理動画における互いに異なる再生時刻ごとに加熱パラメータが関連付けられており、
前記加熱パラメータには、それぞれ対応する前記指示が割り当てられており、
前記調理部は、前記指示ごとに対応する前記加熱パラメータに基づいて調理を行う、請求項2に記載の加熱調理システム。
【請求項5】
前記端末は、さらに表示部を有し、
前記調理動画には、複数の前記加熱パラメータが関連付けられている再生時刻ごとに、それぞれの前記加熱パラメータを選択された前記調理機器に送信することを前記ユーザに促すメッセージが埋め込まれており、
前記表示部は、前記メッセージを表示する、請求項1または請求項2に記載の加熱調理システム。
【請求項6】
前記端末は、さらに表示部を有し、
前記表示部は、前記調理動画の再生時刻に応じて調理の進展内容を示す通知バーを表示する、請求項1または請求項2に記載の加熱調理システム。
【請求項7】
サーバからアプリケーションをダウンロードしてインストールするステップと、
ユーザにより選択された調理動画を前記アプリケーション上で再生するステップと、
前記調理動画の再生中に前記調理動画に対応付けられた加熱パラメータを調理機器に送信するよう前記サーバに指示する指示情報を送信するステップと、
前記指示情報に基づき前記加熱パラメータを前記調理機器に送信するステップと、
前記加熱パラメータを受信するステップと、
受信した前記加熱パラメータに基づいて加熱調理を行うステップと
を含む加熱調理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理システムおよび加熱調理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、所定の通信網を介してデータ送受信可能な情報提供者サーバと、通信網を介して情報提供者サーバとデータ送受信可能な利用者端末と、利用者端末とデータ送受信可能な炊飯器とを備えてなり、利用者端末は、利用者が利用者端末から情報提供者サーバのレシピデータの中から特定の料理レシピを選択した場合に、その選択された料理レシピに対応する制御コードの内の炊飯器の炊飯制御に関わる炊飯パラメータを炊飯器に転送する調理情報システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、利用者が利用者端末に触れなくても炊飯パラメータを炊飯器に転送する対策について開示していない。
【0005】
本発明は、調理機器に直接触れなくても調理動画の再生中に加熱パラメータを調理機器に送信できる加熱調理システムおよび加熱調理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理システムは、端末と、サーバと、調理機器とを備える。前記端末は、アプリケーションをダウンロード可能である。前記サーバは、前記アプリケーションを保有し、前記端末に前記アプリケーションを送信する。前記調理機器は、前記加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。前記端末は、登録部と、再生部と、送信部とを有する。前記登録部は、前記サーバから前記アプリケーションをダウンロードしてインストールする。前記再生部は、ユーザにより選択された調理動画を前記アプリケーション上で再生する。前記送信部は、前記調理動画の再生中に前記調理動画に対応付けられた前記加熱パラメータを前記調理機器に送信するよう前記サーバに指示する指示情報を送信する。前記サーバは、前記指示情報に基づき前記加熱パラメータを前記調理機器に送信する。前記調理機器は、受信部と、調理部とを有する。前記受信部は、前記加熱パラメータを受信する。前記調理部は、前記加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。
【0007】
本発明に係る加熱調理方法は、サーバからアプリケーションをダウンロードしてインストールするステップと、ユーザにより選択された調理動画を前記アプリケーション上で再生するステップと、前記調理動画の再生中に前記調理動画に対応付けられた前記加熱パラメータを前記調理機器に送信するよう前記サーバに指示する指示情報を送信するステップと、前記指示情報に基づき前記加熱パラメータを前記調理機器に送信するステップと、前記加熱パラメータを受信するステップと、受信した前記加熱パラメータに基づいて加熱調理を行うステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る加熱調理システムおよび加熱調理方法によれば、調理機器に直接触れなくても調理動画の再生中に加熱パラメータを調理機器に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る加熱調理システムを示す図である。
【
図2】本実施形態に係る加熱調理システムの端末の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る加熱調理システムのサーバの構成を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る加熱調理システムの調理機器の構成を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る加熱調理システムにおける加熱パラメータを送信する態様を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る加熱調理システムの制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については、同一の参照符号を付して、重複する説明を繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、本実施形態に係る加熱調理システム100を説明する。
図1は、本実施形態に係る加熱調理システムを示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る加熱調理システム100は、端末1と、サーバ2と、調理機器3とを備える。
【0013】
端末1は、調理動画を再生する。端末1は、ユーザの音声を認識する。端末1は、ユーザのジェスチャを認識する。端末1は、さらに音声またはジェスチャに基づく指示情報をサーバ2に送信する。
【0014】
端末1の一例は、スマートフォン、タブレットその他の携帯端末である。
【0015】
サーバ2は、調理動画を端末1に配信する。サーバ2は、加熱パラメータを管理する。サーバ2は、加熱パラメータを調理機器3に送信する。
【0016】
加熱パラメータは調理動画に埋め込まれ、端末1が加熱パラメータを直接調理機器3に送信してもよい。
【0017】
加熱パラメータは、一例として、加熱ワット数、加熱モード、加熱時間などを含む。
【0018】
すなわち、サーバ2は、動画に対応して加熱ワット数、加熱モード、加熱時間などを含む加熱パラメータを管理する。
【0019】
調理機器3は、電磁波を利用して具材を加熱調理する。調理機器3は、IoT(Internet of Things)装置が搭載されていてもよい。
【0020】
IoTでは、物理的なオブジェクトやデバイスがインターネットに接続される。物理的なオブジェクトやデバイスは、相互に通信しデータを交換する。つまり、異なる種類のデバイスやセンサが、インターネットを介して互いに情報をやり取りする。
【0021】
IoTは、基本的に、デバイス、センサ、ネットワーク接続、データ処理、クラウドインフラストラクチャ、および、アプリケーションにより構成される。
【0022】
デバイス、センサの一例は、温度センサ、モーションセンサ、カメラ、GPSトラッカ(全地球測位システム:Global Positioning System)である。
【0023】
デバイスおよびセンサは、インターネットに接続される。デバイスおよびセンサは、データの送受信が可能である。デバイスおよびセンサは、リモート制御が可能である。接続方法の一例は、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、モバイルネットワーク(3G、4G、5G)である。
【0024】
デバイスおよびセンサは、収集したデータを処理する。デバイスおよびセンサは、必要な情報を抽出する。データ処理は、サーバ2で行われてもよい。
【0025】
デバイスから送信されたデータは、クラウドインフラストラクチャ上で処理される。データは、クラウドインフラストラクチャに保存される。データは、クラウドインフラストラクチャで分析される。また、クラウドインフラストラクチャは、デバイスの管理を可能にするためのプラットフォームとしても機能する。クラウドインフラストラクチャは、リモート制御を可能にするためのプラットフォームとしても機能する。
【0026】
IoTは、端末1にインストールされたアプリケーションで活用される。
【0027】
調理機器3は、図示しない庫室と、庫室を開閉するドアと、庫室内に電磁波を放射する電磁波放射部とを有する。
【0028】
電磁波放射部は、一例として、マグネトロンによってマイクロ波を発生させる。
【0029】
マグネトロンの内部には、陰極(カソード)と陽極(アノード)の間に空洞が設けられている。陰極にかけられた高電圧により電子が放出される。陽極には複数の金属板が配置されている。金属板はマイクロ波の共振器である。
【0030】
マグネトロンの内部に強力な磁場がかけられることによって陽極の金属板に垂直な方向に電子が加速される。陰極と陽極の間には電子が通る螺旋状の経路がある。電子は、螺旋状の経路を巡って加速される。
【0031】
電子が陽極の金属板に衝突すると、金属板からマイクロ波が放射される。マイクロ波の周波数は、マグネトロン内部の共振器の設計によって制御される。
【0032】
マグネトロンの内部の磁場と電子の運動によって、マイクロ波が連続的に発生される。マイクロ波は、調理機器3の庫室内に伝播する。マイクロ波は、食品や飲料の分子の振動や摩擦を引き起こし、食品や飲料を加熱させる。
【0033】
次に、端末1がアプリケーションをダウンロードする態様を説明する。サーバ2は、アプリケーションを保有する。サーバ2は、端末1にアプリケーションを送信する。
【0034】
一例として、サーバ2は、APKファイル(Android Package Kit)、または、IPAファイル(iOS App Store Package)などのアプリケーションファイルを図示しない記憶部に記憶する。サーバ2は、アプリケーションファイルをダウンロード可能な状態で管理する。
【0035】
端末1は、回線L(
図1)を介してサーバ2にアクセスする。端末1は、サーバ2からアプリケーションのリストを取得する。端末1の表示部17は、アプリケーションのリストを表示する。
【0036】
ユーザは、端末1に表示されたアプリケーションのリストから所望のアプリケーションを選択する。端末1は、選択されたアプリケーションの送信をサーバ2に要求する。
【0037】
サーバ2は、端末1から要求されたアプリケーションのプログラム情報を端末1に送信する。
【0038】
サーバ2は、一例として、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)、HTTPS(hypertext transfer protocol secure)などのプロトコルが使用され、ファイルのチャンク(断片)を端末1に連続して送信する。
【0039】
端末1は、プログラム情報を受信する。端末1は、アプリケーションをダウンロードする。端末1は、アプリケーションをインストールする。
【0040】
本実施形態におけるアプリケーションは、主に料理動画を再生するアプリケーションであってもよい。
【0041】
調理機器3は、サーバ2から受信した加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。
【0042】
具体的には、調理機器3は、端末1からサーバ2を介して受信した加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。
【0043】
次に、
図1に加えて、さらに
図2を参照して、本実施形態に係る加熱調理システム100の端末1を説明する。
図2は、本実施形態に係る加熱調理システム100の端末1の構成を示す図である。
【0044】
図2に示すように、端末1は、受信部10と、記憶部11と、制御部12と、再生部13と、送信部14と、撮像部15と、マイク16と、表示部17とを有する。記憶部11、および、再生部13は、サーバ2に配置されてもよい。
【0045】
受信部10は、表示部17で表示させるアプリケーションのプログラムを受信する。
【0046】
受信部10は、一例として、アンテナ、RFフロントエンド(Radio Frequency)、復調回路、および、デコーダにより実現される。アンテナで受信した電磁波は、RFフロントエンドで増幅され、復調回路でデジタル信号に変換され、デコーダでエンコード時に使用された符号化方式に基づいて、データを解読し元の情報を復元する。
【0047】
記憶部11は、表示部17で表示させるアプリケーションのプログラムを記憶する。記憶部11は、サーバ2からダウンロードした調理画像を格納してもよい。
【0048】
記憶部11の一例は、DRAM(ダイナミックRAM:Dynamic Random Access Memory)やSRAM(スタティックRAM:Static Random Access Memory)である。
【0049】
制御部12は、端末1の各部の機能を制御する。
【0050】
制御部12の一例は、CPU(Central Processing Unit)である。CPUは、一例として、制御ユニット、算術論理ユニット、レジスタ、および、バスから構成される。制御ユニットは、フェッチされた命令を実行し、必要なデータの読み書きを行う。
【0051】
再生部13は、表示部17で調理動画を再生させる。
【0052】
再生部13は、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)により実現され得る。
【0053】
送信部14は、サーバ2に指示する指示情報を送信する。指示情報については後述する。
【0054】
送信部14は、一例として、エンコーダ、モジュレータ、RFパワーアンプ、および、アンテナにより実現できる。エンコーダおよびモジュレータは、音声情報、画像情報をデジタル信号に変換する。RFパワーアンプは、デジタル信号を増幅し、デジタル信号はアンテナにより電磁波として送信される。
【0055】
また、後述する端末1の送信部14の動作は、サーバ2の送信部21が行なってもよい。
【0056】
撮像部15の一例は、CMOSイメージセンサ(相補型MOS:Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)である。
【0057】
CMOSイメージセンサは、光を電気信号に変換する。CMOSイメージセンサは、数百万個のフォトダイオード(光センサ)で構成される。それぞれのフォトダイオードは、画像のピクセルに対応する。光がフォトダイオードに当たると、光エネルギーが電荷に変換される。各フォトダイオードの電荷レベルは、光の強さや色情報を表すデジタル画像信号に変換される。
【0058】
マイク16の一例は、コンデンサマイクである。コンデンサマイクは、バックプレート(固定プレート)と振動プレート(ダイヤフラム)とを有する。
【0059】
バックプレートはコンデンサマイクに固定されている。振動プレートは音波によって振動する。振動プレートには静電容量があり、音波の振動によって静電容量が変化する。静電容量の変化に応じて電荷が変動し、電圧信号が生成される。この電圧信号が音声信号として処理される。
【0060】
表示部17の一例は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)である。
【0061】
液晶ディスプレイは、液晶パネルとバックライトから構成される。液晶パネルは、数百万個の液晶セル(ピクセル)で構成される。各セルは光の透過度を制御することで画像を表示する。液晶セルは、電圧をかけることで液晶分子の配列が変化し、光の透過度が調整される。
【0062】
記憶部11は、アプリ登録部110と、パラメータ登録部111と、調理機器登録部112とを有する。
【0063】
アプリ登録部110は、サーバ2からアプリケーションをダウンロードしてインストールする。
【0064】
パラメータ登録部111は、加熱パラメータを登録する。加熱パラメータについては後述する。
【0065】
調理機器登録部112は、調理機器3を登録する。調理機器登録部112は、複数種類の調理機器3を登録してもよい。
【0066】
制御部12は、認識部120と、表示制御部121と、特定部122と、検知部123とを有する。認識部120、表示制御部121、特定部122、および、検知部123は、ASICで実現され得る。
【0067】
再生部13は、ユーザにより選択された調理動画をアプリケーション上で再生する。
【0068】
調理動画には、調理動画における互いに異なる再生時刻ごとに加熱パラメータが関連付けられている。
【0069】
パラメータ登録部111は、調理動画における再生時刻が互いに異なる複数の加熱パラメータを登録する。
【0070】
加熱パラメータには、それぞれ対応する指示が割り当てられている。
【0071】
調理動画には、複数の加熱パラメータが関連付けられている再生時刻ごとに、それぞれの加熱パラメータを選択された調理機器3に送信することをユーザに促すメッセージが埋め込まれている。
【0072】
送信部14は、調理動画の再生中に調理動画に対応付けられた加熱パラメータを調理機器3に送信するようサーバ2に指示する指示情報を送信する。
【0073】
加熱パラメータが調理動画に埋め込まれている場合、送信部14は、調理動画から加熱パラメータを取り出し、直接調理機器3に送信してもよい。
【0074】
次に、サーバ2は、指示情報に基づき加熱パラメータを調理機器3に送信する。
【0075】
サーバ2は、受信部20と、送信部21とを有する。
【0076】
受信部20は、端末1から加熱パラメータを送信するための指示情報を端末1から受信する。
【0077】
送信部21は、指示情報に基づいて、調理機器3に加熱パラメータを送信する。
【0078】
次に、調理機器3は、受信部30と、調理部31とを有する。
【0079】
受信部30は、サーバ2から加熱パラメータを受信する。
【0080】
調理部31は、受信した加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。
【0081】
本実施形態によれば、ユーザは、調理機器3に直接触れなくても調理動画の再生中に加熱パラメータを調理機器3に送信できる。
【0082】
認識部120は、ユーザによる指示を認識する。
【0083】
認識部120は、音声認識部1200と、画像認識部1201とを有する。
【0084】
音声認識部1200は、ユーザによる音声の指示を音声認識する。
【0085】
画像認識部1201は、ユーザによるジェスチャを画像認識する。
【0086】
表示制御部121は、端末1の表示部17におけるアプリケーションの画像表示を制御する。
【0087】
特定部122は、端末1の表示部17で選択された調理機器3を特定する。
【0088】
検知部123は、端末1の表示部17に表示された図示しない画像再生ボタンが指示されたことを検知する。
【0089】
送信部14は、ユーザの指示に基づいて指示情報をサーバ2に送信する。
【0090】
本実施形態によれば、ユーザが端末1に指示することにより、指示情報をサーバ2に送信することができる。
【0091】
指示は、空間を介した指示であってもよい。
【0092】
本実施形態によれば、ユーザのジェスチャや音声で端末1に指示する。そのため、ユーザは、端末1を汚損することなく指示情報をサーバ2に送信することができる。
【0093】
調理部31は、指示ごとに対応する加熱パラメータに基づいて調理を行う。
【0094】
本実施形態によれば、端末1は、動画再生中にサーバ2からユーザの指示に応じた加熱パラメータを調理機器3に送信できる。調理機器3は、加熱パラメータに応じて好適に調理を行うことができる。
【0095】
表示部17は、メッセージを表示する。
【0096】
本実施形態によれば、ユーザは、メッセージに従ってジェスチャや音声により端末1に指示することができる。そのため、ユーザの利便性が高まる。
【0097】
表示部17は、調理動画の再生時刻に応じて調理の進展内容を示す通知バーを表示する。
【0098】
本実施形態によれば、ユーザは通知バーにより調理の進展を認識することができ、調理を効率的に進めることができる。
【0099】
次に、
図1~
図4に加えさらに、
図5~
図8を参照して、ユーザにより端末1の操作と、加熱調理システム100の制御について具体的に説明する。
【0100】
図5は、端末1の表示部17の表示例を示す図である。
図6および
図7は、端末1の表示部17の表示例を示す図である。
図8は、加熱調理システム100における加熱パラメータを送信する態様を示す図である。
【0101】
まず、一般的な調理機器について説明する。一般的な調理機器においても、一例として、スマートフォンなどの携帯端末と一般的な調理機器とがIoTにより接続され得る。
【0102】
ユーザは、IoTを利用して、携帯端末から加熱パラメータを調理機器に設定する。
【0103】
しかし、携帯端末で調理動画を再生中に、調理機器に加熱パラメータを送信しなければならない場合があり、調理中などユーザの手が汚れている場合などにも、携帯端末に直接手で触れて、加熱パラメータの送信その他の指示を与えなければならない場合がある。
【0104】
そのため、携帯端末が汚損し、さらには、調理機器をも汚損することがある。
【0105】
また、ユーザが携帯端末で調理動画を再生中に調理機器に設定を行いたい場合、ユーザは、一旦、携帯端末の調理動画を停止させ、調理機器の設定を行わなければならない場合がある。
【0106】
さらには、ユーザは、再生が進んでしまった携帯端末の調理動画を、そのたびに巻き戻さなければないことがあり、携帯端末の操作に手間がかかり使いにくいことがあった。
【0107】
次に、本実施形態に係る加熱調理システム100の制御を説明する。
【0108】
本実施形態に係る加熱調理システム100は、先述の通り、端末1と、サーバ2と、調理機器3とにより構成される。
【0109】
端末1と、サーバ2と、調理機器3とは、互いにIoTで接続されている。
【0110】
サーバ2は、アプリケーションを管理している。
【0111】
図5に示すように、端末1は、撮像部15と、マイク16と、表示部17とを有する。
【0112】
端末1の表示部17には、表示制御部121の制御により、複数のアプリケーションを閲覧するための第1アイコンが表示されている。ユーザが第1アイコンを指示すると、一例として、
図5に示すように、アプリA、アプリB、および、アプリCなどの第2アイコンが表示される。
【0113】
アプリAは、一例として、料理動画配信アプリケーションである。
【0114】
ユーザは、一例として、アプリAの第2アイコンを選択し、インストールの指示を出すと、端末1の送信部14は、サーバ2にアプリAの選択情報を送信する。
【0115】
サーバ2の受信部20は、端末1からアプリAの選択情報を受信する。送信部21は、アプリAの選択情報に基づいてアプリAのプログラムを端末1に送信する。
【0116】
端末1の受信部10は、アプリAのプログラムをダウンロードする。端末1のアプリ登録部110は、アプリAのプログラムをインストールする。表示部17には、インストールされたアプリAの第2アイコンが表示される。
【0117】
図6は、料理動画配信アプリケーションをインストールした端末1を示す。
【0118】
図5において、アプリAが料理動画配信アプリケーションの場合、ユーザが料理動画配信アプリケーションの第2アイコンを指示すると、
図6に示すように、料理動画配信アプリケーションの選択画面が表示される。
【0119】
図6に示す選択画面には、一例として、メニューE、メニューF、メニューGなどの第3アイコンが表示される。
【0120】
一例として、メニューEは、カレーライスの調理動画である。
【0121】
図6において、ユーザがメニューEの第3アイコンを選択指示すると、
図7に示すように、調理機器3の選択画面が表示される。
図7の表示部17には、一例として、調理機器H、調理機器I、調理機器Jなどの第4アイコンが表示される。
【0122】
図7において、ユーザが調理機器Hの第4アイコンを選択指示すると、特定部122は、調理機器Hを特定する。
【0123】
端末1の送信部14は、選択指示情報を送信し、サーバ2は、端末1と、サーバ2と、調理機器H(調理機器3)とをIoTにより接続する。
【0124】
次に、サーバ2は、メニューEのカレーライスの調理動画のデータを管理する。端末1がメニューEのカレーライスの調理動画のデータを管理してもよい。
【0125】
ユーザが端末1で調理動画の再生ボタンを指示すると、検知部123は、画像再生ボタンが指示されたことを検知する。
【0126】
サーバ2の送信部21は、メニューEのカレーライスの調理動画のデータを端末1に送信する。
【0127】
ユーザが端末1で調理動画の再生をスタートさせると、端末1の記憶部11に格納された調理動画が表示部17で再生されてもよい。
【0128】
端末1の表示部17で調理動画の再生が進行し、調理機器3を使用する工程に入ると、調理動画内で、一例として、「調理機器3に加熱パラメータを設定して下さい。」の指示が出される。
【0129】
図8に示すように、ユーザが、手(指または顔)で端末1にジェスチャを送ると、撮像部15がジェスチャを撮像する。
【0130】
端末1の画像認識部1201(
図2)は、撮像画像を画像認識する。制御部12は、画像認識の結果に基づいて、加熱パラメータを調理機器3に送信することを指示する指示情報を生成する。
【0131】
図8に示すように、ユーザが音声を発すると、マイク16が音声を集音する。
【0132】
端末1の音声認識部1202(
図2)は、集音した音声を音声認識する。制御部12は、音声認識の結果に基づいて、加熱パラメータを調理機器3に送信することを指示する指示情報を生成する。
【0133】
端末1の送信部14は、指示情報をサーバ2に送信する。
【0134】
サーバ2の受信部20は、指示情報を受信する。
【0135】
サーバ2の送信部21は、指示情報に基づいて、調理動画の再生時刻に応じた加熱パラメータを調理機器3に送信する。
【0136】
サーバ2の送信部21は、調理動画の複数の再生時刻ごとに異なる加熱パラメータを調理機器3に送信してもよい。
【0137】
調理機器3の受信部30は、加熱パラメータを受信する。
【0138】
調理機器3の調理部31は、加熱パラメータに基づいて調理を行う。
【0139】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る加熱調理システム100の制御を説明する。
図9は、本実施形態に係る加熱調理システム100の制御を示すフローチャートである。
【0140】
図9に示すフローチャートは、ステップS10~ステップS15を含む。
【0141】
ステップS10において、端末1のアプリ登録部110は、サーバ2からアプリケーションをダウンロードしてインストールする。処理はステップS11に進む。
【0142】
ステップS11において、端末1の再生部13は、ユーザにより選択された調理動画をアプリケーション上で再生する。処理はステップS12に進む。
【0143】
ステップS12において、端末1の送信部14は、調理動画の再生中に調理動画に対応付けられた加熱パラメータを調理機器3に送信するようサーバ2に指示する指示情報を送信する。処理はステップS13に進む。
【0144】
ステップS13において、サーバ2の送信部21は、指示情報に基づいて加熱パラメータを調理機器3に送信する。処理はステップS14に進む。
【0145】
ステップS14において、調理機器3の受信部30は、サーバ2から加熱パラメータを受信する。処理はステップS15に進む。
【0146】
ステップS15において、調理機器3の調理部31は、受信した加熱パラメータに基づいて加熱調理を行う。そして処理は終了する。
【0147】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示していることがある。図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なってもよい。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、加熱調理システムおよび加熱調理方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0149】
100 加熱調理システム
1 端末
10 受信部
11 記憶部
110 アプリ登録部
111 パラメータ登録部
112 調理機器登録部
12 制御部
120 認識部
1200 音声認識部
1201 画像認識部
121 表示制御部
122 特定部
123 検知部
13 再生部
14 送信部
15 撮像部
16 マイク
17 表示部
2 サーバ
20 受信部
21 送信部
3 調理機器
30 受信部
31 調理部