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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170025
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 13/02 20060101AFI20241129BHJP
   B05B 15/00 20180101ALI20241129BHJP
【FI】
B05B13/02
B05B15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086940
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】滝本 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】チュ リウェイ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隼
【テーマコード(参考)】
4D073
4F035
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB03
4D073CB03
4D073CB16
4D073CB19
4F035AA03
4F035CA01
4F035CA05
4F035CB03
4F035CB13
4F035CB26
4F035CB29
4F035CC01
4F035CD03
4F035CD18
(57)【要約】
【課題】高効率でワークに塗布物を塗布できる塗布装置を提供する。
【解決手段】塗布装置は、軌道上を移動して第1ワーク及び第2ワークに対して塗布物を噴霧する噴霧部と、第1ワークが載置され噴霧部が塗布物を噴霧する第1噴霧位置及び第1噴霧位置と異なる第1待機位置の間で第1ワークを搬入出する第1搬入出部と、第1待機位置にある第1搬入出部に第1ワークを搬送する第1搬送部と、第2ワークが載置され第1搬送部が第1待機位置に第1ワークを搬送している間に、第1噴霧位置及び第1待機位置と異なる第2待機位置の間で第2ワークを搬入出する第2搬入出部と、第1搬入出部が第1噴霧位置及び第1待機位置の間で第1ワークを搬入出している間に第2待機位置にある第2搬入出部に第2ワークを搬送する第2搬送部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上を移動して第1ワーク及び第2ワークに対して塗布物を噴霧する噴霧部と、
前記第1ワークが載置され、前記噴霧部が前記塗布物を噴霧する第1噴霧位置及び前記第1噴霧位置と異なる第1待機位置の間で前記第1ワークを搬入出する第1搬入出部と、
前記第1待機位置にある前記第1搬入出部に前記第1ワークを搬送する第1搬送部と、
前記第2ワークが載置され、前記第1搬送部が前記第1待機位置に前記第1ワークを搬送している間に、前記第1噴霧位置、及び前記第1待機位置と異なる第2待機位置の間で前記第2ワークを搬入出する第2搬入出部と、
前記第1搬入出部が前記第1噴霧位置及び前記第1待機位置の間で前記第1ワークを搬入出している間に、前記第2待機位置にある前記第2搬入出部に前記第2ワークを搬送する第2搬送部と、
を備える塗布装置。
【請求項2】
前記第1ワークが載置され、前記噴霧部が前記塗布物を噴霧する位置であり前記第1噴霧位置と異なる第2噴霧位置及び前記第1待機位置と異なる第3待機位置の間で前記第1ワークを搬入出する第3搬入出部と、
前記第1待機位置にある前記第1搬入出部から前記第3待機位置にある前記第3搬入出部に前記第1ワークを搬送し表裏を反転させて載置する第3搬送部と、
前記第2ワークが載置され、前記第3搬送部が前記第3待機位置に前記第1ワークを搬送している間に、前記第2噴霧位置、及び前記第2待機位置と異なる第4待機位置の間で前記第2ワークを搬入出する第4搬入出部と、
前記第3搬入出部が前記第2噴霧位置及び前記第3待機位置の間で前記第1ワークを搬入出している間に、前記第2待機位置にある前記第2搬入出部から前記第4待機位置にある前記第4搬入出部に前記第2ワークを搬送し表裏を反転させて載置する第4搬送部と、
をさらに備える請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記噴霧部が移動する前記軌道は、直線状であり、
前記第1搬入出部が前記第1ワークの搬入出の際に移動する軌道は、直線状であり、
前記第2搬入出部が前記第2ワークの搬入出の際に移動する軌道は、直線状である、
請求項1に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記第1搬入出部が前記第1ワークの搬入出の際に移動する軌道は、前記噴霧部が移動する軌道に対して垂直であり、
前記第2搬入出部が前記第2ワークの搬入出の際に移動する軌道は、前記噴霧部が移動する軌道に対して垂直であり、かつ前記第1搬入出部が前記第1ワークの搬入出の際に移動する軌道に対して平行である、
請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記第1搬入出部は、載置されている前記第1ワークを加熱する加熱部が設けられている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の塗布装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワークに塗布物を塗布する塗布装置が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、ワークが載置された搬送台の移動方向に対して、垂直に交わるようにスプレーノズルを往復移動させながら噴霧する塗布装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-150263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ワークを移動させている間、ワークに対する塗布物の塗布が停止してしまうため、ワークに対する塗布物の塗布の効率が低下してしまう可能性があった。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高効率でワークに塗布物を塗布できる塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の塗布装置は、軌道上を移動して第1ワーク及び第2ワークに対して塗布物を噴霧する噴霧部と、前記第1ワークが載置され、前記噴霧部が前記塗布物を噴霧する第1噴霧位置及び前記第1噴霧位置と異なる第1待機位置の間で前記第1ワークを搬入出する第1搬入出部と、前記第1待機位置にある前記第1搬入出部に前記第1ワークを搬送する第1搬送部と、前記第2ワークが載置され、前記第1搬送部が前記第1待機位置に前記第1ワークを搬送している間に、前記第1噴霧位置、及び前記第1待機位置と異なる第2待機位置の間で前記第2ワークを搬入出する第2搬入出部と、前記第1搬入出部が前記第1噴霧位置及び前記第1待機位置の間で前記第1ワークを搬入出している間に、前記第2待機位置にある前記第2搬入出部に前記第2ワークを搬送する第2搬送部と、を備える。
【0008】
また、本発明の塗布装置は、前記第1ワークが載置され、前記噴霧部が前記塗布物を噴霧する位置であり前記第1噴霧位置と異なる第2噴霧位置及び前記第1待機位置と異なる第3待機位置の間で前記第1ワークを搬入出する第3搬入出部と、前記第1待機位置にある前記第1搬入出部から前記第3待機位置にある前記第3搬入出部に前記第1ワークを搬送し表裏を反転させて載置する第3搬送部と、前記第2ワークが載置され、前記第3搬送部が前記第3待機位置に前記第1ワークを搬送している間に、前記第2噴霧位置、及び前記第2待機位置と異なる第4待機位置の間で前記第2ワークを搬入出する第4搬入出部と、前記第3搬入出部が前記第2噴霧位置及び前記第3待機位置の間で前記第1ワークを搬入出している間に、前記第2待機位置にある前記第2搬入出部から前記第4待機位置にある前記第4搬入出部に前記第2ワークを搬送し表裏を反転させて載置する第4搬送部と、をさらに備える。
【0009】
また、前記噴霧部が移動する前記軌道は、直線状であり、前記第1搬入出部が前記第1ワークの搬入出の際に移動する軌道は、直線状であり、前記第2搬入出部が前記第2ワークの搬入出の際に移動する軌道は、直線状である。
【0010】
また、前記第1搬入出部が前記第1ワークの搬入出の際に移動する軌道は、前記噴霧部が移動する軌道に対して垂直であり、前記第2搬入出部が前記第2ワークの搬入出の際に移動する軌道は、前記噴霧部が移動する軌道に対して垂直であり、かつ前記第1搬入出部が前記第1ワークの搬入出の際に移動する軌道に対して平行である。
【0011】
また、前記第1搬入出部は、載置されている前記第1ワークを加熱する加熱部が設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、塗布装置は、高効率でワークに塗布物を塗布できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る塗布装置の全体構成を示す図である。
図2A図1に示す搬入出部の上面図である。
図2B図1に示す搬入出部の底面図である。
図2C図2Aに示す搬入出部のIII-III線に沿った断面図である。
図3図1に示す塗布装置のI-I線に沿った断面図である。
図4図1に示す塗布装置のII-II線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る塗布装置1の全体構成を示す図である。図1に示すように、塗布装置1は、金属板や金属セパレータなどのワーク90に塗布物を塗布する。塗布装置1は、例えば、塗布室10と、噴霧部20と、搬入出部31、32、41及び42と、搬送部50、52、54、60、62及び64と、ストック部30、33、40及び43と、レール部21、51、53、55、61、63及び65とを含んで構成される。なお、図1において、上面側に向かう方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に対して垂直であり、かつ図1において塗布装置1を上面側から見た場合に右側となる方向をX軸方向とする。また、本実施形態において、Z軸方向及びX軸方向に対して垂直であり、背面側に向かう方向をY軸方向とする。
【0016】
塗布室10は、ワーク90に対して塗布物を塗布するための空間である。塗布室10は、搬入出部31及び41に載置されているワーク90に対して塗布を行う噴霧位置A21、並びに搬入出部32及び42に載置されているワーク90に対して塗布を行う噴霧位置A22が設けられている。噴霧位置A22は、塗布室10において、噴霧位置A21に対してY軸方向側に設けられている。
【0017】
レール部71は、搬入出部31を移動させるための軌道である。また、レール部72は、レール部71に沿って移動する搬入出部31を保持するためのガイドである。レール部71及び72は、上面側に搬入出部31が軌道に沿って移動できるように接続される。レール部71及び72は、塗布室10よりX軸方向側にある待機位置A31からX軸方向と反対の方向に向かって延在しており、塗布室10内の噴霧位置A21を通過するように設けられる。
【0018】
レール部81は、搬入出部41を移動させるための軌道である。また、レール部82は、レール部81に沿って移動する搬入出部41を保持するためのガイドである。レール部81及び82は、上面側に搬入出部41が軌道に沿って移動できるように接続される。レール部81及び82は、塗布室10よりX軸方向と反対側にある待機位置A41からX軸方向に向かって延在しており、塗布室10内の噴霧位置A21を通過するように設けられる。
【0019】
なお、レール部71、72、81及び82は、塗布装置1において、互いに平行になるように設けられる。具体的には、レール部71、72、81及び82は、Y軸方向側からY軸方向と反対の方向に向かって、レール部72、レール部82、レール部81、レール部71の順に、X軸方向に沿って互いに平行であり、かつ噴霧位置A21を通過するように、塗布装置1に設けられる。
【0020】
レール部73は、搬入出部32を移動させるための軌道である。また、レール部74は、レール部74に沿って移動する搬入出部32を保持するためのガイドである。レール部73及び74は、上面側に搬入出部32が軌道に沿って移動できるように接続される。レール部73及び74は、塗布室10よりX軸方向側にある待機位置A32からX軸方向と反対の方向に向かって延在しており、塗布室10内の噴霧位置A22を通過するように設けられる。
【0021】
レール部83は、搬入出部42を移動させるための軌道である。また、レール部84は、レール部83に沿って移動する搬入出部42を保持するためのガイドである。レール部83及び84は、上面側に搬入出部42が軌道に沿って移動できるように接続される。レール部83及び84は、塗布室10よりX軸方向と反対側にある待機位置A42からX軸方向に向かって延在しており、塗布室10内の噴霧位置A22を通過するように設けられる。
【0022】
なお、レール部73、74、83及び84は、塗布装置1において、互いに平行になるように設けられる。具体的には、レール部73、74、83及び84は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって、レール部74、レール部84、レール部83、レール部73の順に、X軸方向に沿って互いに平行であり、かつ噴霧位置A22を通過するように、塗布装置1に設けられる。
【0023】
レール部21は、噴霧部20を移動させるための軌道である。レール部21は、底面側に噴霧部20が軌道に沿って移動できるように接続される。レール部21は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、塗布室10内の噴霧位置A21及びA22を通過して、レール部71~74及び81~84の上方において、レール部71~74及び81~84を交差するように設けられる。
【0024】
ストック部30及び40は、塗布物が塗布される前のワーク90を保管するための棚や箱、台などであり、複数のワーク90がストックされる。ストック部30は、待機位置A31に対してY軸方向と反対側に設けられる。これに対して、ストック部40は、待機位置A41に対してY軸方向側に設けられる。
【0025】
ストック部33及び43は、塗布物が塗布された後のワーク90を保管するための棚や箱、台などであり、複数のワーク90がストックされる。ストック部33は、待機位置A32に対してY軸方向側に設けられる。これに対して、ストック部40は、待機位置A42に対してY軸方向側に設けられる。
【0026】
レール部51、53、55、61、63及び65は、それぞれ搬送部50、52、54、60、62及び64を移動させるための軌道である。レール部51、53、55、61、63及び65は、底面側にそれぞれ搬送部50、52、54、60、62及び64が軌道に沿って移動できるように接続される。
【0027】
レール部51は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、ストック部30及び待機位置A31の上方を通過するように設けられる。また、レール部53は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、待機位置A31及びA32の上方を通過するように設けられる。また、レール部55は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、待機位置A32及びストック部33の上方を通過するように設けられる。
【0028】
レール部61は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、ストック部40及び待機位置A41の上方を通過するように設けられる。また、レール部63は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、待機位置A41及びA42の上方を通過するように設けられる。また、レール部65は、Y軸方向側からY軸方向と反対側の方向に向かって延在しており、待機位置A42及びストック部43の上方を通過するように設けられる。
【0029】
搬入出部31、32、41及び42は、上面に載置されたワーク90を塗布室10に対して搬入出する機構である。具体的には、搬入出部31は、レール部71及び72に接続され、レール部71及び72の軌道に沿って移動し、待機位置A31及び塗布室10内の噴霧位置A21の間で、搬送部50によって上面に載置されたワーク90を搬入出する。
【0030】
搬入出部32は、レール部73及び74に接続され、レール部73及び74の軌道に沿って移動し、待機位置A32及び塗布室10内の噴霧位置A22の間で、搬送部52によって上面に載置されたワーク90を搬入出する。
【0031】
搬入出部41は、レール部81及び82に接続され、レール部81及び82の軌道に沿って移動し、待機位置A41及び塗布室10内の噴霧位置A21の間で、搬送部60によって上面に載置されたワーク90を搬入出する。
【0032】
搬入出部42は、レール部83及び84に接続され、レール部83及び84の軌道に沿って移動し、待機位置A42及び塗布室10内の噴霧位置A22の間で、搬送部62によって上面に載置されたワーク90を搬入出する。
【0033】
図2A図2Cを参照しつつ、搬入出部31の構造の詳細について説明する。図2Aは、図1に示す搬入出部31の上面図である。また、図2Bは、図1に示す搬入出部31の底面図である。また、図2Cは、図2Aに示す搬入出部31のIII-III線に沿った断面図である。なお、搬入出部32、41及び42の構造については、搬入出部31と同じであるため、その説明を省略する。
【0034】
図2Aを参照して、搬入出部31は、上面にワーク90が載置される載置面310が設けられる。また、搬入出部31は、載置面310に載置されたワーク90を保持するためのクランプ部311が載置面310に複数設けられている。クランプ部311は、ワーク90が載置面310上で動かないように、ワーク90を保持する。
【0035】
図2Bを参照して、搬入出部31は、底面に、レール部71の軌道に沿って移動できるようにレール部71に接続されるレール保持部312が設けられている。また、搬入出部31は、底面に、レール部72の軌道に沿って移動できるようにレール部72に接続されるレール保持部313が設けられている。また、搬入出部41は、搬入出部31と同様に、底面に、レール部81の軌道に沿って移動できるようにレール部81に接続されるレール保持部412が設けられている。また、搬入出部41は、底面に、レール部82の軌道に沿って移動できるようにレール部82に接続されるレール保持部413が設けられている。
【0036】
図2Cを参照して、搬入出部31は、載置面310の直下に、載置面310に載置されたワーク90を加熱するための加熱部314が設けられている。加熱部314は、ワーク90に対する塗布物の塗布を行うにあたって、ワーク90を底面側から加熱する。
【0037】
図3を参照しつつ、噴霧部20の構造の詳細について説明する。図3は、図1に示す塗布装置1のI-I線に沿った断面図である。図3に示すように、噴霧部20は、レール部21の軌道に沿って移動できるようにレール部21に接続される。また、噴霧部20は、噴霧部20の筐体の下部に設けられており噴霧位置A21に向かって塗布物を噴霧するノズル22と、筐体の下部においてノズル22よりY軸方向側に設けられており噴霧位置A22に向かって塗布物を噴霧するノズル23とを有する。噴霧部20は、ノズル22及び23からそれぞれ噴霧位置A21及びA22に位置する搬入出部31及び32に向かって下方に塗布物を噴霧することによって、2枚のワーク90を塗布する。また、噴霧部20は、噴霧位置A21及びA22にそれぞれ搬入出部41及び42が位置している場合、ノズル22及び23からそれぞれ搬入出部41及び42に向かって下方に塗布物を噴霧することによって、2枚のワーク90を塗布する。なお、噴霧部20は、ワーク90に塗布物を塗布するために所定の回数だけレール部21の軌道を往復してもよい。
【0038】
図4を参照しつつ、搬送部50、52及び54の構造の詳細について説明する。図4は、図1に示す塗布装置1のII-II線に沿った断面図である。なお、搬送部60、62及び62の構造については、それぞれ搬送部50、52及び54と同じであるため、その説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、搬送部50は、レール部51の軌道に沿って移動できるようにレール部51に接続される。搬送部50は、ストック部30からワーク90を1枚把持し、ワーク90を把持したままレール部51の軌道に沿って待機位置A31の上方まで移動し、待機位置A31に位置している搬入出部31にワーク90の表面が上面となるようにワーク90を載置する。
【0040】
搬送部52は、レール部53の軌道に沿って移動できるようにレール部53に接続される。搬送部52は、待機位置A31に位置する搬入出部31から表面が塗布済であるワーク90を把持し、ワーク90を把持したままレール部53の軌道に沿って待機位置A32の上方まで移動し、待機位置A32に位置している搬入出部32にワーク90の表面と異なる裏面が上面となるようにワーク90を載置する。なお、搬送部52は、本実施形態では、ワーク90の裏面が搬入出部32に載置されるようにZ軸を回転軸として回転できるように構成されているがこれに限られるものではない。搬送部52は、搬入出部32にワーク90の裏面を載置可能な構造であればどのように形成されていても良い。
【0041】
搬送部54は、レール部55の軌道に沿って移動できるようにレール部55に接続される。搬送部54は、待機位置A32に位置する搬入出部32から表面及び裏面の両面が塗布済であるワーク90を把持し、ワーク90を把持したままレール部55の軌道に沿ってストック部33の上方まで移動し、ストック部33にワーク90を載置する。
【0042】
以上、塗布装置1の構成について説明した。続いて、図1を参照しつつ、塗布装置1の動作について説明する。塗布装置1は、まず搬送部50によって、ストック部30にストックされているワーク90をストック部30から待機位置A31まで搬送し、待機位置A31に位置している搬入出部31に表面が上面になるようにワーク90を載置する。
【0043】
続いて、塗布装置1は、ワーク90が載置された搬入出部31を噴霧位置A21まで移動させるとともに、ノズル22が噴霧位置A21の上方に位置するように噴霧部20を移動させ、ワーク90の表面に向かって塗布物を噴霧することによって、ワーク90の表面を塗布する。さらに、塗布装置1は、噴霧部20によって搬入出部31に載置されているワーク90の表面を塗布した後に、搬入出部31を待機位置A31まで移動させる。また、塗布装置1は、搬入出部31が噴霧位置A21及び待機位置A31の間でワーク90を搬入出している間に、搬送部60によって、ストック部40にストックされているワーク90をストック部40から待機位置A41まで移動させ、待機位置A41に位置している搬入出部41に表面が上面になるようにワーク90を載置する。
【0044】
続いて、塗布装置1は、搬送部52によって、搬入出部31から表面が塗布されたワーク90を待機位置A32まで搬送し、待機位置A32に位置している搬入出部32に裏面が上面になるようにワーク90を載置する。また、塗布装置1は、搬送部52がワーク90を待機位置A32に搬送している間に、ストック部30にストックされているワーク90をストック部30から待機位置A31まで搬送し、待機位置A31に位置している搬入出部31に表面が上面になるようにワーク90を載置する。また、塗布装置1は、搬送部52がワーク90を待機位置A32に搬送している間に、ワーク90が載置された搬入出部41を噴霧位置A21まで移動させるとともに、ノズル22が噴霧位置A21の上方に位置するように噴霧部20を移動させ、ワーク90の表面に向かって塗布物を噴霧することによって、ワーク90の表面を塗布する。さらに、塗布装置1は、噴霧部20によって搬入出部41に載置されているワーク90の表面を塗布した後に、搬入出部41を待機位置A41まで移動させる。
【0045】
続いて、塗布装置1は、ワーク90が載置された搬入出部31及び32をそれぞれ噴霧位置A21及びA22まで移動させるとともに、ノズル22が噴霧位置A21の上方に位置し、かつノズル23が噴霧位置A22の上方に位置するように噴霧部20を移動させ、噴霧位置A21にあるワーク90の表面及び噴霧位置A22にあるワーク90の裏面に向かって塗布物を噴霧することによって、2枚のワーク90を塗布する。さらに、塗布装置1は、噴霧部20によって2枚のワーク90を塗布した後に、搬入出部31及び32をそれぞれ待機位置A31及びA32まで移動させる。また、塗布装置1は、搬入出部31及び32がワーク90を搬入出している間に、搬送部60によって、ストック部40にストックされているワーク90をストック部40から待機位置A41まで移動させ、待機位置A41に位置している搬入出部41に表面が上面になるようにワーク90を載置する。また、塗布装置1は、搬入出部31及び32がワーク90を搬入出している間に、搬送部62によって、搬入出部41から表面が塗布されたワーク90を待機位置A42まで搬送し、待機位置A42に位置している搬入出部42に裏面が上面になるようにワーク90を載置する。
【0046】
続いて、塗布装置1は、搬送部54によって、搬入出部32から両面が塗布されたワーク90をストック部33まで搬送し、ストック部33にワーク90を保管する。また、塗布装置1は、搬送部54がワーク90をストック部33に搬送している間に、待機位置A31に位置している搬入出部31に載置されているワーク90を待機位置A32まで搬送し、待機位置A32に位置している搬入出部32に裏面が上面になるようにワーク90を載置する。また、塗布装置1は、搬送部54がワーク90をストック部33に搬送している間に、ストック部30からワーク90を待機位置A31まで搬送し、待機位置A31に位置している搬入出部31に表面が上面になるようにワーク90を載置する。
【0047】
さらに、塗布装置1は、搬送部54がワーク90をストック部33に搬送している間に、ワーク90が載置された搬入出部41及び42をそれぞれ噴霧位置A21及びA22まで移動させるとともに、ノズル22が噴霧位置A21の上方に位置し、かつノズル23が噴霧位置A22の上方に位置するように噴霧部20を移動させ、噴霧位置A21にあるワーク90の表面及び噴霧位置A22にあるワーク90の裏面に向かって塗布物を噴霧することによって、2枚のワーク90を塗布する。さらに、塗布装置1は、噴霧部20によって2枚のワーク90を塗布した後に、搬入出部41及び42をそれぞれ待機位置A41及びA42まで移動させる。
【0048】
続いて、塗布装置1は、ワーク90が載置された搬入出部31及び32をそれぞれ噴霧位置A21及びA22まで移動させるとともに、ノズル22が噴霧位置A21の上方に位置し、かつノズル23が噴霧位置A22の上方に位置するように噴霧部20を移動させ、噴霧位置A21にあるワーク90の表面及び噴霧位置A22にあるワーク90の裏面に向かって塗布物を噴霧することによって、2枚のワーク90を塗布する。さらに、塗布装置1は、噴霧部20によって2枚のワーク90を塗布した後に、搬入出部31及び32をそれぞれ待機位置A31及びA32まで移動させる。また、塗布装置1は、搬入出部31及び32がワーク90を搬入出している間に、搬送部64によって、搬入出部42から両面が塗布されたワーク90をストック部43まで搬送し、ストック部43にワーク90を保管する。また、塗布装置1は、搬入出部31及び32がワーク90を搬入出している間に、搬送部62によって、搬入出部41から表面が塗布されたワーク90を待機位置A42まで搬送し、待機位置A42に位置している搬入出部42に裏面が上面になるようにワーク90を載置する。また、塗布装置1は、搬入出部31及び32がワーク90を搬入出している間に、搬送部60によって、ストック部40にストックされているワーク90をストック部40から待機位置A41まで移動させ、待機位置A41に位置している搬入出部41に表面が上面になるようにワーク90を載置する。
【0049】
以降、塗布装置1は、所定の枚数のワーク90に対する塗布を終えるまで、同様の動作を繰り返し実行する。
【0050】
<効果>
以上、本実施形態では、塗布装置1は、軌道上を移動して、ワーク90に対して塗布物を噴霧する噴霧部20と、ワーク90(第1ワーク)が載置され、噴霧部20が塗布物を噴霧する噴霧位置A21(第1噴霧位置)及び噴霧位置A21と異なる待機位置A31(第1待機位置)の間でワーク90(第1ワーク)を搬入出する搬入出部31(第1搬入出部)と、待機位置A31にある搬入出部31にワーク90を搬送する搬送部50(第1搬送部)とを備える。また、塗布装置1は、ワーク90(第2ワーク)が載置され、搬送部50が待機位置A31にワーク90(第1ワーク)を搬送している間に、噴霧位置A21及び待機位置A31となる待機位置A42(第2待機位置)の間でワーク90(第2ワーク)を搬入出する搬入出部41(第2搬入出部)と、搬入出部31が噴霧位置A21及び待機位置A31の間でワーク90(第1ワーク)を搬入出している間に、待機位置A42にある搬入出部41にワーク90(第2ワーク)を搬送する搬送部60(第2搬送部)とをさらに備える。
【0051】
これにより、塗布装置1は、搬入出部31がワーク90を搬入出している間に、搬送部60が搬入出部31が搬入出しているワーク90と異なるワーク90を搬送する。したがって、塗布装置1は、高効率でワーク90に塗布物を塗布できる。
【0052】
また、本実施形態では、塗布装置1は、ワーク90(第1ワーク)が載置され、噴霧部20が塗布物を噴霧する位置であり噴霧位置A21と異なる噴霧位置A22(第2噴霧位置)及び待機位置A31と異なる待機位置A32(第3待機位置)の間でワーク90(第1ワーク)を搬入出する搬入出部32(第3搬入出部)と、待機位置A31にある搬入出部31から待機位置A32にある搬入出部32にワーク90(第1ワーク)を搬送し表裏を反転させて載置する搬送部52(第3搬送部)とをさらに備える。また、塗布装置1は、ワーク90(第2ワーク)が載置され、搬送部52が待機位置A32にワーク90(第1ワーク)を搬送している間に、噴霧位置A22及び待機位置A41と異なる待機位置A42(第4待機位置)の間でワーク90(第2ワーク)を搬入出する搬入出部42(第4搬入出部)と、搬入出部32が噴霧位置A22及び待機位置A32の間でワーク90(第1ワーク)を搬入出している間に、待機位置A41にある搬入出部41から待機位置A42にある搬入出部42にワーク90(第2ワーク)を搬送し表裏を反転させて載置する搬送部62(第4搬送部)と、をさらに備える。
【0053】
これにより、塗布装置1は、噴霧部20によって、表裏が反転している2枚のワーク90に対して同時に噴霧を行う。また、塗布装置1は、搬入出部31及び32が2枚のワーク90を搬入出している間に、搬送部60及び62が搬入出部31及び32が搬入出しているワーク90と異なる2枚のワーク90を搬送する。したがって、塗布装置1は、さらに高効率でワーク90に塗布物を塗布できる。
【0054】
また、本実施形態では、噴霧部20が移動する軌道は、直線状である。また、搬入出部31がワーク90の搬入出の際に移動する軌道は、直線状である。また、搬入出部41がワーク90の搬入出の際に移動する軌道は、直線状である。
【0055】
したがって、塗布装置1は、噴霧部20並びに搬入出部31及び41が直線状に移動するため、複雑な機構及び制御を必要とせず、容易かつ高効率でワーク90に塗布物を塗布できる。
【0056】
また、本実施形態では、搬入出部31がワーク90の搬入出の際に移動する軌道は、噴霧部20が移動する軌道に対して垂直である。また、搬入出部31がワーク90の搬入出の際に移動する軌道は、噴霧部20が移動する軌道に対して垂直であり、かつ搬入出部31がワーク90の搬入出の際に移動する軌道に対して平行である。
【0057】
これにより、塗布装置1は、噴霧部20及び搬入出部31が互いに垂直な軌道に沿って移動するため、高効率でワーク90に塗布物を塗布できる。
【0058】
また、本実施形態では、搬入出部31は、載置されているワーク90を加熱する加熱部314が設けられている。
【0059】
したがって、塗布装置1は、ワーク90に対して加熱を行うことによって、高精度でワーク90に塗布物を塗布できる。
【0060】
<変形例>
【0061】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0062】
例えば、本実施形態では、噴霧部20は、筐体の下部にノズル22及び23が設けられており、ノズル22及び23が一体化されて形成されているが、これに限られるものではない。噴霧部20は、例えば、ノズル22が設けられている第1筐体と、ノズル23が設けられている第2筐体とを含んで構成されていても良い。ここで、第1筐体及び第2筐体は、レール部21上をそれぞれ個別に移動可能である。
【0063】
この構成によれば、塗布装置1は、噴霧部20が個別に移動可能かつ噴霧可能な第1筐体及び第2筐体を有するため、噴霧位置A21及びA22の間の距離が変動した場合や、噴霧位置A21及びA22に対して塗布物を噴霧する場合の軌道が異なる場合にも、高効率で塗布物を塗布できる。
【0064】
また、塗布装置1は、金属板などのワーク90の表面及び裏面に対して塗布物を塗布するが、これに限られるものではない。塗布装置1は、直方体などの多面体の形状に形成されているワーク90の各面に対して塗布を行っても良い。塗布装置1は、塗布室10に対してX軸方向側に設けられている多面体の面の数の搬入出部によって、それぞれ多面体の異なる各面が上面になるように載置されたワーク90を多面体の面の数だけ設けられている噴霧位置に搬入する。塗布装置1は、噴霧部20によって、それぞれ多面体の異なる各面が上面になるように載置されたワーク90に対して塗布物を塗布する。また、塗布装置1は、多面体の異なる各面が塗布されている間に、塗布室10に対してX軸方向と反対側に設けられている搬送部によって、搬入出部から次工程の搬入出部にワーク90を搬送する。
【0065】
この構成によれば、塗布装置1は、3面以上の面を有するワーク90に対しても高効率で塗布物を塗布できる。
【0066】
また、塗布装置1は、レール部21及び22の軌道に沿うように搬入出部31が移動するがこれに限られるものではない。塗布装置1は、搬入出部31が直線状に往復移動できるならばどのような移動方法が用いられても良く、例えば、搬入出部31が往復可能なベルトコンベアなどによって移動しても良い。
【0067】
この構成によれば、塗布装置1は、レールなどの軌道を用いない場合においても、高効率でワーク90に対して塗布物を塗布できる。
【符号の説明】
【0068】
1…塗布装置、20…噴霧部、31…搬入出部(第1搬入出部)、41…搬入出部(第2搬入出部)、50…搬送部(第1搬送部)、60…搬送部(第2搬送部)、90…ワーク(第1ワーク、第2ワーク)

図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4