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  • 特開-プリント配線板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170026
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H05K3/46 G
H05K3/46 Z
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086941
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒田 展久
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB13
5E316CC08
5E316CC31
5E316CC37
5E316CC38
5E316EE31
5E316FF01
5E316GG15
5E316GG28
5E316HH11
5E316JJ02
(57)【要約】
【課題】高い信頼性を有するプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、第1面と前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第1面と前記第2面の間に交互に積層されている複数の第3導体層と複数の第3樹脂絶縁層を有するコア基板と、前記コア基板の前記第1面上に形成されている第1ビルドアップ層と、前記コア基板の前記第2面上に形成されている第2ビルドアップ層、とを有する。前記第1ビルドアップ層は、再配線部を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第1面と前記第2面の間に交互に積層されている複数の第3導体層と複数の第3樹脂絶縁層を有するコア基板と、
前記コア基板の前記第1面上に形成されている第1ビルドアップ層と、
前記コア基板の前記第2面上に形成されている第2ビルドアップ層、とを有するプリント配線板であって、
前記第1ビルドアップ層は、再配線部を含む。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、隣接する前記第3導体層は、前記隣接する前記第3導体層で挟まれる第3ビア導体で接続される。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、前記再配線部の第1配線密度(L/S)は前記再配線部以外に形成されている導体層の第2配線密度(L/S)より高い。
【請求項4】
請求項3のプリント配線板であって、前記第2配線密度(L/S)は7/7~30/30であり、前記第1配線密度(L/S)は1/1~5/5である。
【請求項5】
請求項4のプリント配線板であって、前記第1配線密度(L/S)は1.5/1.5~3.5/3.5である。
【請求項6】
請求項3のプリント配線板であって、前記第1配線密度は前記再配線部の最小のL/Sで代表され、前記第2配線密度は前記再配線部以外に形成されている導体層の最小のL/Sで代表され、る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ベース配線基板とベース配線基板上に積層されている再配線部とからなる配線基板を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-154800号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献1は、ベース配線基板の一方側にのみ再配線部を積層している。そのため、特許文献1の配線基板がヒートサイクルを受けると、反りが発生しやすいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、第1面と前記第1面と反対側の第2面を有し、前記第1面と前記第2面の間に交互に積層されている複数の第3導体層と複数の第3樹脂絶縁層を有するコア基板と、前記コア基板の前記第1面上に形成されている第1ビルドアップ層と、前記コア基板の前記第2面上に形成されている第2ビルドアップ層、とを有する。前記第1ビルドアップ層は、再配線部を含む。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、コア基板が、複数の第3樹脂絶縁層と複数の第3導体層を有する。第3導体層と樹脂絶縁層は交互に積層される。コア基板は、多層基板で形成されている。そのため、コア基板は、強度が高い。実施形態のプリント配線板では、ヒートサイクルを受けるときの反りの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
図1は、実施形態のプリント配線板10の断面図である。図1に示されるように、プリント配線板10は、コア基板30と、上側のビルドアップ層Bu1と、下側のビルドアップ層Bu2と、第1ソルダーレジスト層90Fと、第2ソルダーレジスト層90S、とを有する。コア基板30は、第1面Fと第1面Fと反対側の第2面Sを有する。上側のビルドアップ層Bu1はコア基板30の第1面F上に形成されている。下側のビルドアップ層Bu2はコア基板30の第2面S上に形成されている。第1ソルダーレジスト層90Fは上側のビルドアップ層Bu1上に形成されている。第2ソルダーレジスト層90Sは下側のビルドアップ層Bu2上に形成されている。
【0009】
上側のビルドアップ層Bu1は、ビルドアップ層50Fとビルドアップ層60Fとビルドアップ層70Fで形成されている。ビルドアップ層50Fはコア基板30の第1面F上に形成されている。ビルドアップ層60Fはビルドアップ層50F上に形成されている。ビルドアップ層70Fはビルドアップ層60F上に形成されている。ビルドアップ層60Fとビルドアップ層70Fにより再配線部100が形成されている。
【0010】
コア基板30は、多層基板である。第1面Fと第2面Sとの間に、複数の導体層(第3導体層)20と複数の樹脂絶縁層(第3樹脂絶縁層)12が交互に積層されている。図1の例では、樹脂絶縁層12の数は5であり、導体層20の数は5である。
【0011】
各樹脂絶縁層12は開口を有する。各開口内にビア導体20Aが形成されている。ビア導体20Aは、樹脂絶縁層12を貫通する。樹脂絶縁層12を挟んで隣接する導体層20は、当該隣接する導体層20に挟まれるビア導体20Aで接続される。
【0012】
ビルドアップ層50Fは、第1樹脂絶縁層150Fと、第1導体層158Fと、第1ビア導体156F、とを有する。第1樹脂絶縁層150Fは、コア基板30の第1面Fと導体層42上に形成されている。第1導体層158Fは第1樹脂絶縁層150F上に形成されている。第1ビア導体156Fは、第1樹脂絶縁層150Fを貫通し、第1導体層158Fに接続する。
【0013】
第1導体層158Fは、第1ビアランド156FLを有する。第1ビアランド156FLは、第1ビア導体156Fの直上と第1ビア導体156Fの周りに形成されている。第1ビアランド156FLと第1ビア導体156Fは一体的に形成されている。第1ビア導体156F用の開口156FOは、第1樹脂絶縁層150Fを貫通する。第1ビア導体156Fは開口156FO内に形成されている。
【0014】
図1の例では、第1樹脂絶縁層150Fの数と第1導体層158Fの数は複数である。第1樹脂絶縁層150Fの数は6であり、第1導体層158Fの数は6である。第1樹脂絶縁層150Fと第1導体層158Fは交互に積層されている。第1樹脂絶縁層150Fの数が複数の場合、第1ビア導体156Fは各第1樹脂絶縁層150F内に形成されている。第1樹脂絶縁層150Fを挟んでいる導体層は第1ビア導体156Fで接続される。
【0015】
第1樹脂絶縁層の数が複数である場合、ビルドアップ層50Fはコア基板30の直上に形成されている第1樹脂絶縁層150FBとそれ以外の第1樹脂絶縁層150FUを有する。第1樹脂絶縁層150FUは第1導体層158Fで挟まれている。第1樹脂絶縁層150FBは第1導体層158Fと導体層20で挟まれている。第1樹脂絶縁層150FUを貫通する第1ビア導体156Fは隣接する第1導体層158Fを接続する。第1樹脂絶縁層150FBを貫通する第1ビア導体156Fは第1導体層158Fと導体層20を接続する。
【0016】
ビルドアップ層60Fは、第2樹脂絶縁層250Fと、第2導体層258Fと、第2ビア導体256F、とを有する。第2樹脂絶縁層250Fは、ビルドアップ層50Fを形成している第1樹脂絶縁層150Fと第1導体層158F上に形成されている。第2導体層258Fは、第2樹脂絶縁層250F上に形成されている。第2ビア導体256Fは、第2樹脂絶縁層250Fを貫通し、第2導体層258Fと接続する。
【0017】
第2導体層258Fは第2ビアランド256FLを有する。第2ビアランド256FLは第2ビア導体256Fの直上と第2ビア導体256Fの周りに形成されている。第2ビア導体256Fと第2ビアランド256FLは一体的に形成されている。第2ビア導体256F用の開口256FOは、第2樹脂絶縁層250Fを貫通する。第2ビア導体256Fは開口256FO内に形成されている。第2ビア導体256Fにより第1導体層158Fと第2導体層258Fが接続される。
【0018】
ビルドアップ層60Fは、ビルドアップ層50Fとビルドアップ層70Fで挟まれている。ビルドアップ層60Fは、ビルドアップ層50F上に直接積層されている。ビルドアップ層60Fを形成する第2樹脂絶縁層250Fの数は1であることが好ましい。ビルドアップ層60Fを形成する第2導体層258Fの数は1であることが好ましい。この場合、第1導体層158Fと第2導体層258Fは第2ビア導体256Fで直接接続される。
【0019】
ビルドアップ層70Fは、第3樹脂絶縁層170Fと、第3導体層178Fと、第3ビア導体376F、とを有する。第3樹脂絶縁層170Fは、ビルドアップ層60Fを形成する第2樹脂絶縁層250Fと第2導体層258F上に形成されている。第3導体層178Fは、第3樹脂絶縁層170F上に形成されている。第3ビア導体376Fは、第3樹脂絶縁層170Fを貫通し第3導体層178Fに接続する。
【0020】
第3導体層178Fは、第3ビアランド376FLを有する。第3ビアランド376FLは、第3ビア導体376Fの直上と第3ビア導体376Fの周りに形成されている。第3ビア導体376Fと第3ビアランド376FLは一体的に形成されている。第3ビア導体376F用の開口376FOは、第3樹脂絶縁層170Fを貫通する。第3ビア導体376Fは開口376FO内に形成されている。第3樹脂絶縁層170Fの数と第3導体層178Fの数は複数であることが好ましい。
【0021】
図1の例では、第3樹脂絶縁層170Fの数と第3導体層178Fの数は複数である。第3樹脂絶縁層170Fの数は6であり、第3導体層178Fの数は6である。第3樹脂絶縁層170Fと第3導体層178Fは交互に積層されている。第3樹脂絶縁層170Fの数が複数の場合、第3ビア導体376Fは各第3樹脂絶縁層170Fに形成されている。第3樹脂絶縁層170Fを挟んでいる導体層は第3ビア導体376Fで接続される。ビルドアップ層70Fは、ビルドアップ層60F上に直接積層されている。
【0022】
第3樹脂絶縁層の数が複数である場合、ビルドアップ層70Fはビルドアップ層60Fの直上に形成されている第3樹脂絶縁層170FBとそれ以外の第3樹脂絶縁層170FUを有する。第3樹脂絶縁層170FUは第3導体層178Fで挟まれている。第3樹脂絶縁層170FBは第3導体層178Fと第2導体層258Fで挟まれる。第3樹脂絶縁層170FUを貫通する第3ビア導体376Fは隣接する第3導体層178Fを接続する。第3樹脂絶縁層170FBを貫通する第3ビア導体376Fは第2導体層258Fと第3導体層178Fを接続する。
【0023】
ビルドアップ層70F上に第1ソルダーレジスト層90Fが形成されている。第1ソルダーレジスト層90Fは、第3導体層178Fを露出する第1開口92Fを有する。
【0024】
プリント配線板10は、金属ポスト98Fを有する。金属ポスト98Fは、第1開口92Fから露出する第3導体層178F上に形成されている。金属ポスト98F上にICチップ等の電子部品が実装されている。金属ポスト98Fの上面にNi/Pd/Auから成る金属膜94Fが形成されている。
【0025】
下側のビルドアップ層Bu2は、ビルドアップ層50Sで形成されている。ビルドアップ層50Sは、コア基板30の第2面S上に形成されている。
【0026】
ビルドアップ層50Sは、第4樹脂絶縁層150Sと、第4導体層158Sと、ビア導体156S、とを有する。第4樹脂絶縁層150Sは、コア基板30の第2面Sと導体層40上に形成されている。第4導体層158Sは第4樹脂絶縁層150S上に形成されている。第4ビア導体156Sは第4樹脂絶縁層150Sを貫通し、第4導体層158Sに接続する。
【0027】
図1の例では、第4樹脂絶縁層150Sの数と第4導体層158Sの数は複数である。第4樹脂絶縁層150Sの数は6であり、第4導体層158Sの数は6である。ビルドアップ層50Fを形成する樹脂絶縁層150Fの数と下側のビルドアップ層Bu2を形成する樹脂絶縁層150Sの数は同じである。ビルドアップ層50Fを形成する導体層158Fの数と下側のビルドアップ層Bu2を形成する導体層158Sの数は同じである。第4樹脂絶縁層150Sと第4導体層158Sは交互に積層されている。第4樹脂絶縁層150Sの数が複数の場合、第4ビア導体156Sは各第4樹脂絶縁層150Sに形成されている。第4樹脂絶縁層150Sを挟んでいる導体層は第4ビア導体156Sで接続される。第4樹脂絶縁層150Sと第1樹脂絶縁層150Fは同じ組成である。
【0028】
下側のビルドアップ層Bu2上に第2ソルダーレジスト層90Sが形成されている。
【0029】
再配線部100の導体層178F,258Fの第1配線密度(L/S)は、再配線部100以外に形成されている導体層20,42,158F,158Sの第2配線密度(L/S)より高い。第1配線密度(L/S)は、再配線部100の導体層178F,258Fのうち最小のL/Sで代表される。第2配線密度(L/S)は、再配線部100以外に形成されている導体層20,42,158F,158Sのうち最小のL/Sで代表される。第2配線密度(L/S)は7/7~30/30であり、前記第1配線密度(L/S)は1/1~5/5である。あるいは、第1配線密度(L/S)は1.5/1.5~3.5/3.5である。
【0030】
プリント配線板10が製造される時、加圧される。プリント配線板10は複数回加熱処理される。それら加熱処理の都度、プリント配線板10はヒートサイクルを受ける。実施形態のプリント配線板10では、コア基板30が多層基板で形成されている。複数の導体層20と樹脂絶縁層12が交互に積層されている。そのため、コア基板30は、強度が高い。実施形態のプリント配線板10によれば、ヒートサイクルを受けるときの反りの発生が抑制される。信頼性が低下し難い。
【符号の説明】
【0031】
10 :プリント配線板
12 :第3樹脂絶縁層
20 :第3導体層
20A :ビア導体
30 :コア基板
40 :導体層
42 :導体層
50F :ビルドアップ層
50S :ビルドアップ層
60F :ビルドアップ層
70F :ビルドアップ層
90F :第1ソルダーレジスト層
90S :第2ソルダーレジスト層
92F :第1開口
94F :金属膜
98F :金属ポスト
100 :再配線部
150F:第1樹脂絶縁層
150S:第4樹脂絶縁層
156F:第1ビア導体
156S:ビア導体
156S:第4ビア導体
158F:第1導体層
158S:第4導体層
170F:第3樹脂絶縁層
178F:第3導体層
250F:第2樹脂絶縁層
256F:第2ビア導体
258F:第2導体層
376F:第3ビア導体
Bu1 :上側のビルドアップ層
Bu2 :下側のビルドアップ層
F :第1面
S :第2面
図1