(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170035
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20241129BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q50/20
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086954
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】島田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 智也
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦明
(72)【発明者】
【氏名】生駒 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】採点記号と解答を重ならないようにすることで、学習者による振り返り学習や採点者による採点見直しの負荷を低減する。
【解決手段】情報処理装置は、学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データを取得する。情報処理装置は、取得した採点済解答データから採点記号と、解答を示すテキストである解答テキストとをそれぞれ取得し、採点記号と解答テキストが重なっているか否かを判定する。そして、情報処理装置は、採点記号と解答テキストが重なっていると判定した場合、解答テキストと重ならない位置に採点記号を移動する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データを取得する採点済解答データ取得部と、
前記採点済解答データから前記採点記号を取得する採点記号取得部と、
前記採点済解答データから前記解答を示すテキストである解答テキストを取得する解答テキスト取得部と、
前記採点記号と前記解答テキストが重なっているか否かを判定する重なり判定部と、
前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記解答テキストと重ならない位置に前記採点記号を移動する移動部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記採点済解答データは、複数の解答欄を有し、前記学習者により各解答欄に解答が記入され、前記採点者により各解答欄に前記解答に対する採点記号が記入された解答用紙画像であって、
前記採点記号取得部は、各解答欄に記入された採点記号を取得し、
前記解答テキスト取得部は、各解答欄に記入されたテキストを解答テキストとして取得し、
前記重なり判定部は、解答欄ごとに、前記採点記号と前記解答テキストが重なっているか否かを判定し、
前記移動部は、前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない位置に前記採点記号を移動させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記採点記号が前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない位置が存在しない場合、当該採点記号を縮小する縮小部を備え、
前記移動部は、前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない位置に、前記縮小部により縮小された採点記号を移動させる請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記重なり判定部は、前記移動部により移動した採点記号を、前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない場合に、重なっていないと判定する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記採点記号取得部は、前記解答用紙画像における前記採点記号の位置座標に関する記号座標情報を取得し、
前記解答テキスト取得部は、前記解答用紙画像における前記解答テキストの位置座標に関するテキスト座標情報を取得し、
前記重なり判定部は、各解答欄の領域内における前記記号座標情報及び前記テキスト座標情報に基づいて、重なっているか否かを判定する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記記号座標情報に基づいて、前記採点記号の外接矩形と、前記外接矩形の中心位置とを特定する矩形特定部、を備え、
前記移動部は、前記解答欄の領域内で前記外接矩形の中心位置を移動させる請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記解答テキストと重ならない位置を、前記採点記号の位置に確定する位置確定部と、
前記採点済解答データに基づいて、前記位置確定部が確定した位置に採点記号を移動させた重なり回避データを作成する重なり回避データ作成部と、
前記重なり回避データを出力する出力部と、
を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記採点済解答データに基づき、前記重なり回避データにおいて、前記位置確定部が確定した位置に採点記号を移動させることで欠損した解答テキストを補間する補間部を備える請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データを取得する採点済解答データ取得部、
前記採点済解答データから前記採点記号を取得する採点記号取得部、
前記採点済解答データから前記解答を示すテキストである解答テキストを取得する解答テキスト取得部、
前記採点記号と前記解答テキストが重なっているか否かを判定する重なり判定部、
前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記解答テキストと重ならない位置に前記採点記号を移動する移動部、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採点の支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙媒体で実施されたテストの採点を端末装置の画面上で行うシステムが知られている。特許文献1には多数のテストの解答用紙から多数の答案画像を作成し、採点者が端末装置を用いて所定の答案画像をダウンロードして採点するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、採点者は、紙媒体である解答用紙やデジタルデータである答案画像において、学習者が記入した解答の上に丸やバツといった採点記号を記入することで採点を行う。そのため、採点記号が解答である数字や文字と重なってしまうことがよくある。しかし、採点記号が解答と重なっていると、学習者が振り返り学習を行う際に解答が見えづらくなり、学習の負荷が大きくなる。また、採点者が採点の正誤を見直す際にも解答が見えづらくなり、採点見直しの負荷が大きくなる。
【0005】
本発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、採点記号と解答が重ならないようにすることで、学習者による振り返り学習や採点者による採点見直しの負荷を低減する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データを取得する採点済解答データ取得部と、前記採点済解答データから前記採点記号を取得する採点記号取得部と、前記採点済解答データから前記解答を示すテキストである解答テキストを取得する解答テキスト取得部と、前記採点記号と前記解答テキストが重なっているか否かを判定する重なり判定部と、前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記解答テキストと重ならない位置に前記採点記号を移動する移動部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、採点済解答データに基づいて、採点記号を移動させることで、採点記号と解答テキストの重なりを回避することができる。
【0007】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点済解答データは、複数の解答欄を有し、前記学習者により各解答欄に解答が記入され、前記採点者により各解答欄に前記解答に対する採点記号が記入された解答用紙画像であって、前記採点記号取得部は、各解答欄に記入された採点記号を取得し、前記解答テキスト取得部は、各解答欄に記入されたテキストを解答テキストとして取得し、前記重なり判定部は、解答欄ごとに、前記採点記号と前記解答テキストが重なっているか否かを判定し、前記移動部は、前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない位置に前記採点記号を移動させる。この態様によれば、採点済解答データは解答用紙画像であって、情報処理装置は、解答用紙画像に基づいて、解答欄の領域内で解答採点記号を移動させることで、採点記号と解答テキストの重なりを回避することができる。
【0008】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点記号が前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない位置が存在しない場合、当該採点記号を縮小する縮小部を備え、前記移動部は、前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない位置に、前記縮小部により縮小された採点記号を移動させる。この態様によれば、情報処理装置は、解答欄の領域内に収まり、且つ、解答テキストと重ならない位置が見つかるまで採点記号の縮小及び移動を行う。これにより、情報処理装置は、採点記号と解答テキストの重なりを回避することができる。
【0009】
上記の情報処理装置の一態様では、前記重なり判定部は、前記移動部により移動した採点記号を、前記解答欄の領域内に収まり、且つ、前記解答テキストと重ならない場合に、重なっていないと判定する。この態様によれば、情報処理装置は、解答テキストと重なっていなくても、採点記号が解答欄領域内に収まらない場合、採点記号と解答テキストが重なっていると判定する。これにより、解答欄の領域外を考慮することなく、解答欄の領域内だけで採点記号を把握できるようになる。
【0010】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点記号取得部は、前記解答用紙画像における前記採点記号の位置座標に関する記号座標情報を取得し、前記解答テキスト取得部は、前記解答用紙画像における前記解答テキストの位置座標に関するテキスト座標情報を取得し、前記重なり判定部は、各解答欄の領域内における前記記号座標情報及び前記テキスト座標情報に基づいて、重なっているか否かを判定する。この態様によれば、情報処理装置は、採点記号の位置座標と解答テキストの位置座標に基づいて、採点記号が解答欄の領域内に収まり、且つ、解答テキストと重ならないか否かを判定する。
【0011】
上記の情報処理装置の一態様では、前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記記号座標情報に基づいて、前記採点記号の外接矩形と、前記外接矩形の中心位置とを特定する矩形特定部、を備え、前記移動部は、前記解答欄の領域内で前記外接矩形の中心位置を移動させる。この態様によれば、情報処理装置は、解答欄の領域内で外接矩形の中心位置を移動させることで、解答欄の領域内で収まり、且つ、解答テキストと重ならない位置に採点記号を移動させる。
【0012】
上記の情報処理装置の一態様では、前記解答テキストと重ならない位置を、前記採点記号の位置に確定する位置確定部と、前記採点済解答データに基づいて、前記位置確定部が確定した位置に採点記号を移動させた重なり回避データを作成する重なり回避データ作成部と、前記重なり回避データを出力する出力部と、を備える。この態様によれば、情報処理装置は、採点済解答データに基づいて、採点記号を移動させることで、採点記号と解答テキストの重なりを回避した重なり回避データを作成、出力することができる。これにより、採点記号と学習者の解答が重ならないように表示できるため、採点記号と解答テキストが重なっている場合に生じていた、採点の確認や見直しの際に目視での判断が難しい、時間がかかるといった採点者の負荷を低減することができる。また、学習者が振り返り学習を行う際に、見えづらいといった学習者の負荷を低減することができる。
【0013】
上記の情報処理装置の一態様では、前記採点済解答データに基づき、前記重なり回避データにおいて、前記位置確定部が確定した位置に採点記号を移動させることで欠損した解答テキストを補間する補間部を備える。この態様によれば、情報処理装置は、採点記号を移動させることに伴う解答テキストの欠損を気にせず、採点者や学習者は、採点の確認や振り返り学習を行うことができる。
【0014】
本発明の別の観点では、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データを取得する採点済解答データ取得部、前記採点済解答データから前記採点記号を取得する採点記号取得部、前記採点済解答データから前記解答を示すテキストである解答テキストを取得する解答テキスト取得部、前記採点記号と前記解答テキストが重なっているか否かを判定する重なり判定部、前記重なり判定部により重なっていると判定された場合、前記解答テキストと重ならない位置に前記採点記号を移動する移動部、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータにインストールして実行させることで、本発明に係る情報処理装置を構成させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る情報処理装置によれば、採点記号と解答が重ならないようにすることで、学習者による振り返り学習や採点者による採点見直しの負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態における学習支援システムの構成を示す。
【
図3】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】解答欄領域検出結果及び解答テキスト取得結果の一例である。
【
図8】採点記号と解答テキストの重なり判定について説明する図である。
【
図10】採点記号による欠損の補間を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
<実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明のサーバを適用した学習支援システムの構成を示す。実施形態において、学習支援システム100は、学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データに基づき、採点記号を移動や縮小させることで、採点記号と解答である数字や文字といったテキストの一部又は全部が重なることを回避するシステムである。本実施形態では、解答である数字や文字といったテキストを「解答テキスト」という。
【0018】
なお、説明の便宜上、学習者は生徒、採点者は教師とする。また、本実施形態では、採点済解答データの一例として、複数の解答欄を有し、生徒により各解答欄に解答が記入され、教師により各解答欄に解答の採点記号が記入された解答用紙の画像(以下、「解答用紙画像」ともいう。)を適用する。「採点記号と解答テキストが重なる」とは、採点記号と解答テキストが解答用紙の紙面や解答用紙画像上で重なっていることである。
【0019】
学習支援システム100は、サーバ10と、複数の教師用端末20とがインターネット等のネットワーク5を介して通信可能に構成されている。サーバ10は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置であって、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ(PC)または汎用のタブレット等である。サーバ10は、本発明の情報処理装置の一例である。
【0020】
教師用端末20は、教師が使用するものであって、例えば、タブレットやPC等の情報処理機器である。具体的に、教師用端末20は、詳細は後述するが、解答用紙画像をサーバ10に送信したり、採点確認画面に関する画面情報をサーバ10から取得して出力したりする端末装置である。また、教師用端末20は、スキャナーと接続されており、解答用紙をスキャナーによりスキャンして画像化する。
【0021】
ここで、解答用紙画像について説明する。
図2は、解答用紙画像の一例である。解答用紙画像30は、テストの一例である解答用紙の画像であって、
図2に示すように、複数の設問及びその解答欄を有し、生徒により各解答欄に解答が記入され、教師により各解答欄に解答に対する採点記号が記入されている。具体的に、解答用紙画像30は、テストの実施時期や対象学年、教科、所要時間等を表示するテスト内容エリア52と、生徒の識別情報である学年、組、番号及び氏名を記入する生徒識別情報エリア53と、複数の設問、解答欄及び図表から構成される設問解答欄エリア54とを有する。
【0022】
なお、解答用紙を構成する設問の種類やレイアウトは一例であって、任意に設定することができる。また、解答用紙を構成する解答欄の形状も一例であって、解答欄の形状はアンダーバーのみや括弧等任意に設定することができる。
【0023】
[サーバのハードウェア構成]
図3は、サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13と、記録媒体14と、表示部15と、入力部16とを備える。
【0024】
なお、サーバ10はコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良いし、仮想マシンで分散して実行しても良い。
【0025】
通信部11は、ネットワーク5を通じて教師用端末20と通信を行うための通信ユニットである。具体的に、通信部11は、教師用端末20から解答用紙画像を受信したり、採点確認画面に関する画面情報を教師用端末20に送信したりする。
【0026】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、サーバ10に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、プログラムは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、
図3では制御部12を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0027】
記憶部13はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部12が処理を実行するために必要なプログラムまたはデータ等を記憶している。また、記憶部13は、制御部12が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0028】
記録媒体14は、ディスク状記録媒体、半導体メモリ等の不揮発性で非一時的な記録媒体であり、サーバ10に対して着脱可能に構成される。記録媒体14は、制御部12が実行する各種プログラムを記録している。サーバ10が重なり回避処理や移動処理を実行する際には、記録媒体14に記録されているプログラムが記憶部13にロードされ、制御部12により実行される。
【0029】
表示部15は、液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部12の指示に従い各種情報を表示する。入力部16は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部12へ出力する。
【0030】
[サーバの機能構成]
図4は、サーバ10の機能構成を示すブロック図である。サーバ10は、機能的には、画面出力部40と、解答用紙画像取得部41と、採点記号取得部42と、解答欄領域検出部43と、解答テキスト取得部44と、重なり判定部45と、位置確定部46と、矩形特定部47と、移動部48と、縮小部49と、重なり回避画像作成部50と、補間部51とを備える。
【0031】
なお、画面出力部40、解答用紙画像取得部41、採点記号取得部42、解答欄領域検出部43、解答テキスト取得部44、重なり判定部45、位置確定部46、矩形特定部47と、移動部48、縮小部49、重なり回避画像作成部50、及び、補間部51は、制御部12がプログラムを実行することにより実現される。
【0032】
画面出力部40は、画面要求に応じて、採点確認画面に関する画面情報を教師用端末20に送信して表示させる。例えば、教師が教師用端末20を使用して、所定のサイト等にログインしたり、所定のアプリケーションを起動したりすることで、画面出力部40は、採点確認画面の画面要求を取得する。すると、画面出力部40は、採点確認画面に関する画面情報を教師用端末20に送信する。また、画面出力部40は、後述する重なり回避画像作成部50が作成した重なり回避画像及び採点結果を教師用端末20に送信することで、採点確認画面に表示させる。
【0033】
図5は、採点確認画面の一例である。採点確認画面は、教師用端末20上に表示され、教師が解答用紙画像をアップロードしたり、解答用紙に対する採点結果を確認したりする画面である。なお、採点結果の確認や見直しの対象となる解答用紙の解答を記入した生徒を対象生徒と呼ぶ。
【0034】
図5に示すように、採点確認画面は、学年表示エリア61と、組表示エリア62と、氏名表示エリア63と、教科表示エリア64と、教師表示エリア65と、画像表示エリア70と、拡大ボタン71と、縮小ボタン72と、保存ボタン73と、採点結果表示エリア74と、修正ボタン75とを有する。
【0035】
学年表示エリア61、組表示エリア62及び氏名表示エリア63は、対象生徒の学年、組及び氏名を表示するエリアである。教科表示エリア64は、解答用紙の教科を表示するエリアである。教師表示エリア65は、教師の氏名や識別情報を表示するエリアである。なお、学年表示エリア61、組表示エリア62、氏名表示エリア63及び教科表示エリア64に表示する対象生徒の学年、組、氏名及び教科は、教師の入力に基づいて表示してもよいし、アップロードされた解答用紙画像からOCR(Optical Character Reader)等により取得してから表示してもよい。また、学年表示エリア61、組表示エリア62、氏名表示エリア63及び教科表示エリア64を囲む点線は、説明の便宜上記載されたものであって実際には存在しないものである。
【0036】
画像表示エリア70は、所定の操作により教師がアップロードした解答用紙画像や、詳細は後述するが、採点記号と解答テキストが重ならないようにした重なり回避画像を表示するエリアである。拡大ボタン71、縮小ボタン72及び保存ボタン73は、クリックすることで表示された画像を保存、拡大及び縮小するボタンである。採点結果表示エリア74は、解答用紙画像の各設問を識別する設問番号、解答、及び、解答に対する採点記号から構成される採点結果を表示するエリアである。採点結果表示エリア74に表示される解答は、設問番号に対応する解答欄の画像であり、採点記号と解答テキストが重なっておらず、教師が見やすい状態となっている。修正ボタン75を押下し、所定の操作をすることで、教師は、採点結果表示エリア74に表示された採点記号を修正することができる。
【0037】
解答用紙画像取得部41は、教師用端末20から、対象生徒による解答の記入、及び、教師による採点記号の記入がされた解答用紙をスキャナーにより画像化した解答用紙画像を取得する。具体的に、教師は教師用端末20を使用し、採点確認画面において所定の操作により解答用紙画像をアップロードする。これにより、解答用紙画像取得部41は、教師用端末20から解答用紙画像を取得することができる。
【0038】
なお、解答用紙画像を事前に所定のDBに保存しておき、解答用紙画像取得部41は、所定のDBから対象生徒の解答用紙画像を取得することとしてもよい。
【0039】
採点記号取得部42は、解答用紙画像30から、丸、バツ、三角といった採点記号を取得する。
図6は、採点記号の取得方法を説明する図である。具体的に、採点記号取得部42は、
図6に示すように、解答用紙画像30から、例えば、インスタンスセグメンテーション手法等を使用して採点記号を抽出する。インスタンスセグメンテーション手法では、同じクラスに属する物体であっても、個体ごとに位置検出できるため、採点記号取得部42は、解答用紙画像30における各採点記号の位置座標に関する記号座標情報を取得する。
【0040】
解答欄領域検出部43は、解答用紙画像30から、各解答欄の領域を検出する。
図7は、解答欄領域検出結果の一例である。具体的に、解答欄領域検出部43は、
図7に示すように、解答用紙画像30から各設問の解答欄領域を検出する。領域検出方法は、例えば、R-CNN(Rich feature hierarchies for accurate object detection and semantic segmentation)等、ディープラーニングを用いて画像に写る物体を矩形領域として検出する方法を適用することができる。
図7に示す解答用紙画像30において点線で囲んだ領域が各設問の解答欄領域である。このとき、解答欄領域検出部43は、検出した解答欄領域が解答用紙画像30において上から及び左から何番目の解答欄領域であるかを算出し、対応する設問番号を特定してラベリングしてもよい。
【0041】
なお、領域検出方法は、R-CNN等のディープラーニングを用いる方法に限定されるものではなく、画像に含まれる物体を検知するアルゴリズムであれば任意の方法を適用することができる。また、解答欄領域に対応する設問番号の特定方法は、解答用紙画像30における解答欄領域の順番に基づいて特定する方法に限定されるものではなく、例えば、各領域についてOCRによる文字認識を行うことで、括弧内に記載されている設問番号を特定する等、任意の方法を適用することができる。
【0042】
解答テキスト取得部44は、解答用紙画像30から、各解答欄に記入されたテキストを解答テキストとして取得する。
図7は、解答テキスト取得結果の一例である。
図7に示すように、解答テキスト取得部44は、画像からのテキスト領域取得モデルを使用して、解答用紙画像30から、各解答欄領域内の解答テキストを取得する。画像からのテキスト領域取得モデルの一例としては、論文「OCR-free Document Understanding Transformer [Geewook Kim,2021]」等が挙げられる。具体的に、解答テキスト取得部44は、解答用紙画像30における、各解答欄に記入された解答テキストの位置座標に関するテキスト座標情報を取得する。
【0043】
重なり判定部45は、採点記号と解答テキストが重なっているか否かを判定する。
図8は、採点記号と解答テキストの重なり判定について説明する図である。
図8に示すように、重なり判定部45は、採点記号取得部42が取得した記号座標情報、及び、解答テキスト取得部44が取得したテキスト座標情報に基づいて採点記号と解答テキストを重ね合わせ、解答欄ごとに重なっているか否かを判定する。具体的に、
図8の例では、重なり判定部45は、設問番号1、3、4及び5の設問の解答欄に記入された採点記号と解答テキストは重なっていると判定する。一方、重なり判定部45は、設問番号2、6、7及び8の設問の解答欄に記入された採点記号と解答テキストは重なっていないと判定する。
【0044】
また、重なり判定部45は、後述する移動部48が採点記号を移動させる度に、移動させた採点記号と解答テキストが重なっているか否かを判定する。このとき、重なり判定部45は、移動させた採点記号が解答テキストと重ならないことに加え、解答欄領域内に収まることも判定条件とする。これによれば、解答テキストと重なっていなくても、採点記号が解答欄領域内に収まらない場合、重なり判定部45は、採点記号と解答テキストが重なっていると判定する。これにより、解答欄領域外を考慮することなく、解答欄領域内だけで採点記号を把握できるようになる。
【0045】
位置確定部46は、重なり判定部45により重なっていないと判定された場合、採点記号の位置を確定し、記憶部13や所定のDBに記憶する。具体的に、位置確定部46は、解答欄ごとに解答テキストと重ならない採点記号の位置を確定し、確定した位置を示す位置座標を、解答欄に対応する設問番号と対応付けて記憶する。このとき、後述する移動部48が採点記号を移動させたり、縮小部49が採点記号を縮小していたりすれば、位置確定部46は、採点記号の外接矩形の中心位置や縮小率も併せて確定し、記憶する。
【0046】
図9は、採点記号の移動を説明する図である。矩形特定部47は、重なり判定部45により解答テキストと重なっていると判定された採点記号の外接矩形と、外接矩形の中心位置とを特定する。具体的に、矩形特定部47は、重なり判定部45により重なっていると判定された採点記号の記号座標情報に基づいて、
図9(a)に示すように、当該採点記号の外接矩形と、外接矩形の中心位置とを特定する。
【0047】
移動部48は、重なり判定部45により解答テキストと重なっていると判定された採点記号を解答テキストと重ならない位置に移動させる。具体的に、移動部48は、
図9(b)に示すように、矩形特定部47により特定された外接矩形の中心位置を、解答欄領域内の左上の座標から順に移動させる。これにより、移動部48は、採点記号が、解答欄領域内に収まり、且つ、解答テキストと重ならない位置を探索する。
【0048】
なお、重なり判定部45は、移動部48が採点記号を移動させる度に重なり判定を行う。このとき、重なり判定部45は、移動部48が移動させた採点記号が解答欄領域内に収まり、且つ、解答テキストと重ならない場合に、採点記号と解答テキストが重なっていないと判定する。具体的に、
図9(c)は、解答欄領域内に収まらない採点記号80と解答欄領域内に収まる採点記号81の例である。また、
図9(d)は、解答テキストと重なる採点記号82と、解答テキストと重ならない採点記号83の例である。
図9(c)及び(d)の例において、移動部48が採点記号を移動させた場合、重なり判定部45は、解答欄領域内に収まり、且つ、解答テキストと重ならない採点記号83のみを重なっていないと判定する。
【0049】
縮小部49は、採点記号が解答欄領域内に収まり、且つ、解答テキストと重ならない位置が存在しない場合に、当該採点記号を縮小する。縮小率は、任意に設定することができる。なお、移動部48は、縮小部49が採点記号を縮小させる度に、縮小した採点記号を解答欄領域内で解答テキストと重ならない位置に移動させる。具体的に、移動部48は、縮小した採点記号の外接矩形を特定し、中心位置を解答欄領域内の左上の座標から順に移動させる。
【0050】
重なり回避画像作成部50は、位置確定部46により全ての解答欄の採点記号の位置が確定されると、解答用紙画像30に基づいて、確定した位置に採点記号を移動させた重なり回避画像を作成する。このとき、縮小部49により採点記号が縮小されていれば、重なり回避画像作成部50は、同様に採点記号を縮小する。具体的に、重なり回避画像は、
図5の画像表示エリア70に示すように、解答用紙画像30の設問番号1、3、4及び5の設問の解答欄において、採点記号を確定した位置に移動させることで解答テキストとの重なりを回避した画像である。
【0051】
また、重なり回避画像作成部50は、解答用紙画像30の各解答欄領域に存在する採点記号(丸、バツ、三角など)をパターンマッチングにより認識し、自動付与することで、各設問の設問番号と各設問の解答欄に記入された採点記号を取得する。そして、重なり回避画像作成部50は、
図5の採点結果表示エリア74に示すような、設問番号、重なり回避画像から取得した解答欄の画像である解答、及び、自動付与された採点記号とから構成される採点結果を作成する。
【0052】
なお、画面出力部40は、重なり回避画像作成部50により作成された重なり回避画像及び採点結果を採点確認画面に表示させる。教師は、採点確認画面に表示された重なり回避画像や採点結果により、自動付与された採点記号が正しいか否かを目視で確認することができる。このとき、誤りがあれば、教師は、採点確認画面の修正ボタン75を押下し、所定の操作により採点記号を修正することができる。また、教師は、採点確認画面から重なり回避画像を取得し、プリンタ等を用いて印刷することができる。印刷した重なり回避画像を対象生徒に配布することで、対象生徒は、採点記号と解答が重なることで見えづらくなるといった弊害を感じることなく、振り返り学習を行うことができる。
【0053】
補間部51は、移動部48による採点結果の移動や縮小部49による採点結果の縮小により欠損した解答テキストを補間する。
図10は、解答テキストの補間を説明する図である。画面出力部40は、採点記号を移動や縮小させることで解答テキストと重ならない重なり回避画像を作成するが、重なり回避画像は、
図10(a)に示すように、採点記号の移動や縮小に伴い解答テキストに欠損が生じる。そこで、補間部51は、例えば、指定した画像の領域を、周囲の画素値等の情報を基に違和感なく再構成する画像補間手法を使用して、
図10(b)に示すように採点記号の欠損を補間する。画像補間手法の一例としては、論文「MAT:Mask-Aware Transformer for Large Hole Image Inpainting [Wenbo Li,2022]」等が挙げられる。これによれば、教師は、採点記号を移動させることに伴う解答テキストの欠損を気にすることなく、採点の確認や見直しを行うことができる。なお、補間部51による解答テキストの欠損の補間は、必ず実行しなければいけないものではなく、その実行の要否は任意に設定することができる。
【0054】
上記の構成において、サーバ10の画面出力部40、解答用紙画像取得部41、採点記号取得部42、解答テキスト取得部44、重なり判定部45、位置確定部46、矩形特定部47、移動部48、縮小部49、重なり回避画像作成部50、及び、補間部51は、それぞれ本発明の出力部、採点済解答データ取得部、採点記号取得部、解答テキスト取得部、重なり判定部、位置確定部、矩形特定部、移動部、縮小部、重なり回避データ作成部、及び、補間部の一例である。また、解答用紙画像及び重なり回避画像は、本発明の採点済解答データ及び重なり回避データの一例である。
【0055】
[重なり回避処理]
次に、生徒による解答、及び、教師による採点記号が記入された解答用紙画像に基づき、採点記号を移動や縮小させることで、採点記号と解答テキストの重なりを回避する重なり回避処理について説明する。
図11は、重なり回避処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0056】
教師が教師用端末20を使用して、所定のサイト等にログインしたり、所定のアプリケーションを起動したりすることで、サーバ10は、採点確認画面の画面要求を取得する。そして、サーバ10は、採点確認画面の画面情報を教師用端末20に送信し、教師用端末20に採点確認画面を表示させる(ステップS10)。
【0057】
教師は、教師用端末20を使用して、所定の操作により採点確認画面上で解答用紙画像30をアップロードする。これにより、サーバ10は、解答用紙画像30を取得する(ステップS11)。そして、サーバ10は、解答用紙画像30から採点記号を取得する(ステップS12)。具体的に、サーバ10は、各採点記号の記号座標情報を取得する。また、サーバ10は、解答用紙画像30から、解答欄領域を検出し、各解答欄に記入された解答テキストを取得する(ステップS13)。具体的に、サーバ10は、各解答欄に記入された解答テキストのテキスト座標情報を取得する。そして、サーバ10は、記号座標情報及びテキスト座標情報に基づいて、解答欄ごとに、採点記号と解答テキストが重なっているか否かを判定する(ステップS14)。
【0058】
採点記号と解答テキストが重なっていない場合(ステップS14;No)、サーバ10は、解答欄における採点記号の位置を確定し、ステップS16の処理に進む。そして、サーバ10は、全ての解答欄の採点記号について解答テキストとの重なり判定を行ったか否かを判定する(ステップS16)。全ての解答欄の採点記号について重なり判定を行っていない場合(ステップS16;No)、サーバ10は、まだ重なり判定をしていない解答欄の採点記号を対象としてステップS14の処理に戻る。一方、全ての解答欄の採点記号について重なり判定を行った場合(ステップS16;Yes)、サーバ10は、重なり回避画像と採点結果を作成し、採点確認画面に表示させる(ステップS17)。これにより、重なり回避処理は終了する。
【0059】
一方、採点記号と解答テキストが重なっている場合(ステップS14;Yes)、サーバ10は、移動処理に進む(ステップS15)。
【0060】
[移動処理]
次に、解答欄領域内において解答テキストと重ならないように採点記号を移動や縮小させる移動処理について説明する。
図12は、移動処理のフローチャートである。この処理は、サーバ10が予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0061】
まず、サーバ10は、所定の解答欄において解答テキストと重なる採点記号の記号座標情報に基づいて、当該採点記号の外接矩形と、外接矩形の中心位置とを特定する(ステップS21)。サーバ10は、採点記号の外接矩形の中心位置を解答欄領域内の左上の座標から順に移動させることで、解答テキストと重ならない採点記号の位置を探索する。そして、サーバ10は、中心位置が解答欄領域内を全て移動したか否かを判定する(ステップS22)。
【0062】
まだ全て移動していないと判定された場合(ステップS22;No)、サーバ10は、解答欄領域内で採点記号を移動させる(ステップS23)。採点記号を移動させる度に、サーバ10は、採点記号が解答欄領域内に収まるか否かを判定する(ステップS24)。採点記号が解答欄領域内に収まらない場合(ステップS24;No)、サーバ10は、ステップS22の処理に戻る。一方、採点記号が解答欄領域内に収まる場合(ステップS24;Yes)、サーバ10は、採点記号が解答テキストと重なっているか否かを判定する(ステップS25)。採点記号が解答テキストと重なっている場合(ステップS25;Yes)、サーバ10は、ステップS22の処理に戻る。一方、採点記号が解答テキストと重なっていない場合(ステップS25;No)、サーバ10は、採点記号の位置を確定し(ステップS27)、
図11に示す重なり回避処理のステップS16の処理へ進む。これにより、移動処理は終了する。
【0063】
一方、ステップS22において解答欄領域内を全て移動したと判定された場合(ステップS22;Yes)、解答欄領域内に解答テキストと重ならない採点記号の位置が存在しないということなので、サーバ10は、採点記号を縮小し(ステップS26)、ステップS23の処理に進む。このように、移動処理において、サーバ10は、解答欄領域内に解答テキストと重ならない位置が発見できるまで、採点記号の移動と縮小を繰り返し行う。
【0064】
なお、本実施形態では、採点済解答データとして、紙媒体の解答用紙に生徒による解答、及び、教師による採点記号が記入された解答用紙画像を適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、紙媒体の解答用紙に生徒による解答が記入された解答用紙画像を、教師がデジタルペン等を用いて教師用端末20上で採点した画像を適用してもよい。
【0065】
また、紙媒体の解答用紙を使用せず、生徒が自身のタブレットやPCにテストを表示し、キーボードやデジタルペンを用いて解答を記入するデジタルテストを使用することとしてもよい。この場合、教師がデジタルペン等を用いて教師用端末20上で採点したデジタルテストのデータを採点済解答データとして適用することができる。デジタルペンで記入したデータはデジタルテスト上におけるストロークの位置座標を含んでいるため、サーバ10は、デジタルペンで記入したデータから採点座標情報とテキスト座標情報をそれぞれ取得することができる。
【0066】
本実施形態の学習支援システム100は、学習者による解答、及び、採点者による採点記号が記入された採点済解答データに基づき、採点記号の移動や縮小を行うことで、採点記号と解答テキストの重なりを回避した重なり回避データを作成、出力することができる。これにより、学習支援システム100は、採点記号と学習者の解答が重ならないように表示できる。よって、採点記号と解答テキストが重なっている場合に生じていた、採点の確認や見直しの際に目視での判断が難しい、時間がかかるといった教師の負荷を低減することができる。
【0067】
<第1変形例>
上記の実施形態において、教師は教師用端末20を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師はサーバ10の機能を有する教師用端末を使用することとしてもよい。換言すると、サーバ10の機能を教師用端末に入れてもよい。サーバ10の機能を有する教師用端末は、サーバ10と同様に、例えば、PCまたは汎用のタブレット等である。この場合、サーバ10の機能を有する教師用端末は、サーバ10が行っていた重なり判定処理及び移動処理を実行し、解答用紙画像に基づき、採点記号を移動や縮小させることで、採点記号と解答テキストの重なりを回避することができる。
【0068】
<第2変形例>
上記の実施形態における重なり回避画像及び採点結果を生徒識別情報と対応付けて所定のDBに記憶することとしてもよい。上記の実施形態では、教師が教師用端末20を使用して採点確認画面にログインし、所定の操作を行うことで、サーバ10は、重なり回避画像及び採点結果を採点確認画面に表示させている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、生徒が生徒用端末を使用して採点確認画面にログインし、所定の操作を行うことで、サーバ10は、所定のDBから当該生徒の生徒識別情報に基づいて重なり回避画像及び採点結果を抽出し、採点確認画面に表示させることとしてもよい。この場合、生徒用端末は、教師用端末20と同様のタブレットやPC等であり、サーバ10に接続されている。また、生徒が生徒用端末を使用して採点結果の修正はできないものとする。これによれば、生徒は、生徒用端末を使用して重なり回避画像や採点結果を容易に確認することができる。よって、振り返り学習の際に目視での判断が難しい、時間がかかるといった生徒の負荷を低減することができる。
【符号の説明】
【0069】
5 ネットワーク
10 サーバ
20 教師用端末
40 画面出力部
41 解答用紙画像取得部
42 採点記号取得部
43 解答欄領域検出部
44 解答テキスト取得部
45 重なり判定部
46 位置確定部
47 矩形特定部
48 移動部
49 縮小部
50 重なり回避画像作成部
51 補間部
100 学習支援システム