(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170067
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】学習装置、学習方法、会計データ変換装置、会計データ変換方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20241129BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087026
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】322006076
【氏名又は名称】弥生株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛尾 哲朗
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】 (修正有)
【課題】学習装置、学習方法、会計データ変換装置、会計データ変換方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】学習装置100、会計データ変換装置200、業務サービス提供装置20、会計サービス提供装置30及びユーザ82の通信端末80が、ネットワーク50を介して通信する会計管理システム10において、学習装置100は、イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする入力層、中間層及び出力層を含む学習モデルの、出力層に替えて追加された新たな出力層を、イベントが発生した後の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新する学習実行部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新する学習実行部
を備える学習装置。
【請求項2】
前記学習実行部は、前記学習モデルの前記出力層に替えて前記新たな出力層を追加した後、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む前記学習データを用いて、前記新たな出力層を更新する、請求項1に記載の学習装置。
【請求項3】
前記学習実行部は、前記学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな中間層及び前記新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む前記学習データを用いて更新する、請求項1に記載の学習装置。
【請求項4】
前記学習実行部は、異なるタイミングで発生した複数のイベント毎に、イベントが発生する前の前記学習データを用いて生成又は更新された前記学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな中間層及び前記新たな出力層を、当該イベントが発生した後の前記学習データを用いて更新する、請求項1に記載の学習装置。
【請求項5】
前記学習実行部は、異なるタイミングで発生した前記複数のイベント毎に、イベントが発生する前の前記学習データを用いて生成又は更新された前記学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな中間層及び前記新たな出力層を、当該イベントが発生した後の前記学習データを用いて更新した後、前記複数のイベントのうちの一部のイベント毎に、イベントが発生する前の前記学習データを用いて生成又は更新された前記学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな中間層及び前記新たな出力層を、当該イベントが発生した後の前記学習データを用いて更新する、請求項4に記載の学習装置。
【請求項6】
前記事業者による仕訳に影響を及ぼし得る前記イベントが発生したことを検知するイベント検知部
をさらに備え、
前記学習実行部は、前記イベント検知部によって前記イベントが検知された後、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む前記学習データを用いて、前記新たな中間層及び前記新たな出力層を更新する、請求項3から5のいずれか一項に記載の学習装置。
【請求項7】
前記イベント検知部は、前記事業者の会計データを管理する会計管理システムにおける登録情報の変化に基づいて、前記イベントが発生したことを検知する、請求項6に記載の学習装置。
【請求項8】
前記学習実行部は、前記学習モデルの前記出力層に替えて、前記イベントの種類又は内容に応じた数の前記新たな中間層と、前記新たな出力層とを追加した後、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む前記学習データを用いて、前記新たな中間層及び前記新たな出力層を更新する、請求項6に記載の学習装置。
【請求項9】
前記イベントが発生する前の前記学習データを用いて生成又は更新された前記学習モデルと、前記学習実行部によって前記新たな出力層が更新されたイベント後学習モデルとを記憶する学習モデル記憶部と、
取引の摘要を含む取引データを取得する取引データ取得部と、
前記取引データ取得部が、前記イベントが発生した後の前記取引データを取得した場合に、前記取引データに含まれる前記摘要を、前記イベント後学習モデルに入力して、前記イベント後学習モデルによって出力された勘定科目を選択する科目選択部と、
前記科目選択部が選択した前記勘定科目を含む、前記取引データに対応する会計データを生成する会計データ生成部と
を更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の学習装置。
【請求項10】
コンピュータを、
イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新する学習実行部
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータによって実行される学習方法であって、
イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新する学習実行段階
を備える、学習方法。
【請求項12】
イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含むイベント前学習モデルと、前記イベント前学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新することによって生成されたイベント後学習モデルとを記憶する学習モデル記憶部と、
取引の摘要を含む取引データを取得する取引データ取得部と、
前記取引データ取得部が、前記イベントが発生した後の前記取引データを取得した場合に、前記取引データに含まれる前記摘要を、前記イベント後学習モデルに入力して、前記イベント後学習モデルによって出力された勘定科目を選択する科目選択部と、
前記科目選択部が選択した前記勘定科目を含む、前記取引データに対応する会計データを生成する会計データ生成部と
を備える会計データ変換装置。
【請求項13】
コンピュータを、
イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含むイベント前学習モデルと、前記イベント前学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新することによって生成されたイベント後学習モデルとを記憶する学習モデル記憶部、
取引の摘要を含む取引データを取得する取引データ取得部、
前記取引データ取得部が、前記イベントが発生した後の前記取引データを取得した場合に、前記取引データに含まれる前記摘要を、前記イベント後学習モデルに入力して、前記イベント後学習モデルによって出力された勘定科目を選択する科目選択部、及び
前記科目選択部が選択した前記勘定科目を含む、前記取引データに対応する会計データを生成する会計データ生成部
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータによって実行される会計データ変換方法であって、
イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含むイベント前学習モデルと、前記イベント前学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新することによって生成されたイベント後学習モデルとを学習モデル記憶部に記憶する記憶段階と、
取引の摘要を含む取引データを取得する取引データ取得段階と、
前記取引データ取得段階において、前記イベントが発生した後の前記取引データを取得した場合に、前記取引データに含まれる前記摘要を、前記イベント後学習モデルに入力して、前記イベント後学習モデルによって出力された勘定科目を選択する科目選択段階と、
前記科目選択段階において選択した前記勘定科目を含む、前記取引データに対応する会計データを生成する会計データ生成段階と
を備える、会計データ変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習装置、学習方法、会計データ変換装置、会計データ変換方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、業種や企業形態の変更に伴う会計処理形態の変更を変更前の会計ファイルデータを用いて自動的に変更処理する会計処理形態変更方法/装置について記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平10-091694号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、学習装置が提供される。前記学習装置は、イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルの前記出力層に替えて追加された新たな出力層を、前記イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新する学習実行部を備えてよい。
【0004】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】会計管理システム10の一例を概略的に示す。
【
図2】学習装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】学習装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図4】学習装置100による学習モデル生成について説明するための説明図である。
【
図5】学習装置100による学習モデル生成について説明するための説明図である。
【
図6】学習装置100による学習モデル生成について説明するための説明図である。
【
図7】会計データ変換装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図8】会計データ変換装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図9】学習装置100又は会計データ変換装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0007】
図1は、会計管理システム10の一例を概略的に示す。会計管理システム10は、学習装置100及び会計データ変換装置200を備える。学習装置100と会計データ変換装置200とは、異なる装置であってよい。学習装置100と会計データ変換装置200とは、一つの装置によって実現されてもよい。学習装置100は、複数の装置によって実現されてもよい。会計データ変換装置200は、複数の装置によって実現されてもよい。
【0008】
会計管理システム10は、業務サービス提供装置20を更に備えてもよい。業務サービス提供装置20は、学習装置100及び会計データ変換装置200とは異なる装置であってよい。業務サービス提供装置20と学習装置100とが、一つの装置によって実現されてもよい。業務サービス提供装置20と会計データ変換装置200とが、一つの装置によって実現されてもよい。業務サービス提供装置20、学習装置100、及び会計データ変換装置200が一つの装置によって実現されてもよい。
【0009】
会計管理システム10は、会計サービス提供装置30を更に備えてもよい。会計サービス提供装置30は、学習装置100及び会計データ変換装置200とは異なる装置であってよい。会計サービス提供装置30と学習装置100とが、一つの装置によって実現されてもよい。会計サービス提供装置30と会計データ変換装置200とが、一つの装置によって実現されてもよい。会計サービス提供装置30、学習装置100、及び会計データ変換装置200が一つの装置によって実現されてもよい。
【0010】
学習装置100、会計データ変換装置200、業務サービス提供装置20、及び会計サービス提供装置30が一つの装置によって実現されてもよい。ここでは、学習装置100、会計データ変換装置200、業務サービス提供装置20、及び会計サービス提供装置30が異なる装置である場合を主に例に挙げる。
【0011】
学習装置100、会計データ変換装置200、業務サービス提供装置20、及び会計サービス提供装置30は、ネットワーク50を介して通信する。ネットワーク50は、クラウドネットワークを含んでよい。ネットワーク50は、インターネットを含んでよい。ネットワーク50は、移動体通信ネットワークを含んでもよい。ネットワーク50は、LAN(Local Area Network)等の専用網を含んでもよい。学習装置100と会計データ変換装置200とは、ネットワーク50を介さずに、直接通信してもよい。
【0012】
業務サービス提供装置20は、取引の主体であるユーザ82の取引データを管理する。ユーザ82は、事業者である。ユーザ82は、個人事業主であっても、法人であってもよい。取引データは、取引日を含んでよい。取引データは、取引先を含んでよい。取引データは、税区分を含んでよい。取引データは、金額を含んでよい。取引データは、収入であるか支出であるかを示す収支識別データを含んでよい。取引データは、消費税額を含んでよい。取引データは、摘要を含んでよい。業務サービス提供装置20は、例えば、ユーザ82の通信端末80から、ユーザ82の取引データを受信する。
【0013】
業務サービス提供装置20は、ネットワーク50を介して通信端末80と通信してよい。通信端末80は、通信可能な端末であれば任意の端末であってよい。例えば、通信端末80は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等である。業務サービス提供装置20は、ユーザ82の取引データを、ユーザ82の会計情報を管理する会計事務所等から取得してもよい。
【0014】
業務サービス提供装置20は、取引データを学習装置100に提供してよい。学習装置100は、業務サービス提供装置20から、ユーザ82の取引データを受信してよい。学習装置100は、さらに、ユーザ82の取引データに対して実際に仕訳が行われて生成された、取引データに対応する会計データを取得する。当該会計データは、取引の摘要と、取引に対応する勘定科目とを含む。
【0015】
学習装置100は、取得したデータを用いた機械学習を実行することによって、仕訳を行う学習モデルを生成する。従来、取引の摘要と、取引に対応する勘定科目とを学習データとして、BERTのような、ニューラルネットワークを用いた自然言語処理モデルのパラメータを調整することによって、取引の摘要から取引に対応する勘定科目を推論する学習モデルが生成されていた。ニューラルネットワークとは、人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのことであり、入力層、出力層、及び中間層(隠れ層とも呼ばれる、入力層と出力層の間にある層)の3つの層から構成される。
【0016】
事業者の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて学習モデルを生成することによって、当該事業者の仕訳の負荷を低減したり、仕訳を自動化したりすることができる。しかし、学習モデルを生成した後に、事業者の業種が変更されたり、法令が改正されたりした場合に、仕訳の傾向が変化する場合があり、その場合に、学習モデルによって推論される勘定科目の正解率が低下する可能性がある。なお、勘定科目の正解とは、取引に対して適切な勘定科目であり、正解率とは、適切な勘定科目を選択する確率である。
【0017】
具体例として、事業者の業種が変更された場合に、変更前までは自社使用の目的で購入していた物品を、変更後には販売目的で仕入れする必要が生じたときには、正解となる勘定科目が「消耗品費」や「備品」等から「仕入」に変わることになり、学習モデルによる勘定科目の正解率が低下することになる。また、例えば、法令改正によって軽減税率が適用されることによって、適用前と後で正解となる税率区分が異なる可能性がある。
【0018】
一方、事業者の業種が変更されたり、法令が改正されたりした場合であっても、仕訳の傾向が変化しない場合もあり、単純に、これらのタイミング以前の訓練データを間引いたり、学習率を下げたりした場合、仕訳の正解率が低下してしまうおそれがある。
【0019】
それに対して、学習装置100は、例えば、会社の業種の変更や法令の改正等のイベントが発生する前の学習データで学習した、ニューラルネットワークで構成された自然言語処理モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加して、イベント発生後の学習データで学習する。これにより、イベントによって、仕訳の傾向が変化した場合に、傾向変化が反映された学習データのみを用いて出力層の学習を行うことができるので、傾向の変化に対応しやすくなる。また、仕訳の傾向が変化しなかった場合は、イベントが発生する前の学習データで学習した層を中心に推論が行われるので、元の学習モデルと比較して正解率が低くなりにくい。
【0020】
また、学習装置100は、例えば、イベント発生前の学習データで学習した、ニューラルネットワークで構成された自然言語処理モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加して、イベント発生後の学習データで学習する。これにより、イベントによって、仕訳の傾向が変化した場合に、傾向変化が反映された学習データのみを用いて、追加された中間層と出力層の学習を行うことができるので、傾向の変化にさらに対応しやすくなる。
【0021】
会計データ変換装置200は、学習装置100によって生成された学習モデルを、学習装置100から受信して記憶する。会計データ変換装置200は、業務サービス提供装置20から、ユーザ82の取引データを受信する。
【0022】
会計データ変換装置200は、学習装置100から受信して記憶している学習モデルを用いて、業務サービス提供装置20から受信した取引データに対応する会計データを生成する。会計データ変換装置200は、取引データに含まれる摘要を学習モデルに入力し、学習モデルから出力された勘定科目を含む会計データを生成してよい。
【0023】
会計データ変換装置200は、例えば、あるイベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新された、摘要を入力とし勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデル(イベント前学習モデルと記載する場合がある。)を記憶する。また、会計データ変換装置200は、イベント前学習モデルの出力層に替えて追加された新たな層(出力層、又は、中間層及び出力層)を、イベントが発生した後の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて更新することによって生成された学習モデル(イベント後学習モデルと記載する場合がある。)を記憶する。そして、会計データ変換装置200は、当該イベントが発生する前の取引データについては、取引データに含まれる摘要をイベント前学習モデルに入力し、当該イベントが発生した後の取引データについては、取引データに含まれる摘要をイベント後学習モデルに入力して、出力された勘定科目を選択して、選択した勘定科目を含む会計データを生成する。会計データ変換装置200は、生成した会計データを、会計サービス提供装置30に出力してよい。
【0024】
会計サービス提供装置30は、会計データ変換装置200から取得した会計データを管理する。会計データ変換装置200は、ユーザ82の会計データを用いて、ユーザ82に対して会計サービスを提供する。
【0025】
図2は、学習装置100の機能構成の一例を概略的に示す。学習装置100は、データ取得部102、データ記憶部104、学習実行部106、イベント検知部108、及び学習モデル送信部110を備える。なお、学習装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0026】
データ取得部102は、各種データを取得する。データ取得部102は、ユーザ82の取引データを取得する。データ取得部102は、業務サービス提供装置20から取引データを取得してよい。
【0027】
データ取得部102は、ユーザ82の取引データに対して実際に仕訳が行われて生成された、取引に対応する勘定科目を含む、取引データに対応する会計データを取得する。データ取得部102は、業務サービス提供装置20から当該会計データを取得してよい。データ取得部102は、業務サービス提供装置20以外から当該会計データを取得してもよい。
【0028】
データ取得部102は、取得したデータから生成した学習データをデータ記憶部104に記憶させる。学習データは、取引の摘要と、当該取引に対応する勘定科目とを含む。
【0029】
学習実行部106は、データ記憶部104に記憶されている学習データを用いて、摘要を入力とし、勘定科目を出力とする、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルを生成する。学習実行部106は、学習データを用いて、入力層、中間層、及び出力層を含む自然言語処理モデルのパラメータを機械学習によって更新することによって、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルを生成してよい。学習実行部106が生成する学習モデルの中間層の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0030】
学習実行部106は、事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが特に発生していない状態(通常状態と記載する場合がある。)においては、データ記憶部104に記憶されているすべての学習データを用いて、学習モデルを生成してよい。
【0031】
事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントの例として、事業者の業種変更、法令改正、税抜経理方式を採用している事業者の免税事業者から課税事業者への変更、及び税抜経理方式を採用している事業者の課税事業者から免税事業者への変更等が挙げられる。なお、これらは例であって、これらに限られない。
【0032】
事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが発生した後、学習実行部106は、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルの出力層に替えて追加された新たな出力層を、イベントが発生した後の学習データを用いて更新してよい。イベントが発生する前の学習データを用いて学習モデルを生成又は更新するのは、学習実行部106であってよい。イベントが発生する前の学習データを用いて学習モデルを生成又は更新するのは、他の装置であってもよい。イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加するのは、学習実行部106であってよい。すなわち、学習実行部106は、学習モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加した後、イベントが発生した後の学習データを用いて、当該新たな出力層を更新してよい。イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加するのは、他の装置であってもよい。
【0033】
事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが発生した後、学習実行部106は、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された、入力層、中間層、及び出力層を含む学習モデルの出力層に替えて追加された新たな中間層及び新たな出力層を、イベントが発生した後の学習データを用いて更新してよい。イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加するのは、学習実行部106であってよい。すなわち、学習実行部106は、学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加した後、イベントが発生した後の学習データを用いて、当該新たな中間層及び当該新たな出力層を更新してよい。イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加するのは、他の装置であってもよい。
【0034】
事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが複数回発生した場合、学習実行部106は、それらに合わせて学習モデルを生成してよい。
【0035】
学習実行部106は、異なるタイミングで発生した複数のイベント毎に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて追加された新たな出力層を、当該イベントが発生した後の学習データを用いて更新してよい。
【0036】
ここで、第1イベントが発生し、そこからしばらくの期間が経過した後に、第2イベントが発生した場合を例に挙げて説明する。
【0037】
学習実行部106は、第1イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第1学習データを用いて、第1入力層、第1中間層、及び第1出力層を含む第1学習モデルを生成する。第1学習モデルを生成するタイミングは、第1イベントが発生した後の任意のタイミングであってよい。第1学習モデルを生成するタイミングは、第1イベントが発生する前であってもよい。なお、第1学習モデルを生成するのは、他の装置であってもよい。第1学習モデルは、既存の学習モデルを更新することによって生成されても、既存の学習モデルを用いずに生成されてもよい。
【0038】
学習実行部106は、第1学習モデルの第1出力層に替えて新たな第2中間層と新たな第2出力層とを追加した後、第1イベントが発生してから第2イベントが発生するまでの間の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第2学習データを用いて、第1学習モデルの第2中間層及び第2出力層を更新してよい(更新後の第1学習モデルを第2学習モデルと記載する場合がある)。学習実行部106は、第2学習モデルの第2出力層に替えて新たな第3中間層と新たな第3出力層とを追加した後、第2イベントが発生した後の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第3学習データを用いて、第2学習モデルの第3中間層及び第3出力層を更新してよい(更新後の第2学習モデルを第3学習モデルと記載する場合がある)。なお、学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加するのは、他の装置によって行われてもよい。
【0039】
なお、学習実行部106は、次のように学習を実行してもよい。学習実行部106は、第1学習モデルの第1出力層に替えて新たな第2出力層を追加した後、第2学習データを用いて、第1学習モデルの第2出力層を更新するする。学習実行部106は、第2学習モデルの第2出力層に替えて新たな第3出力層を追加した後、第3学習データを用いて、第2学習モデルの第3出力層を更新する。なお、学習モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加するのは、他の装置によって行われてもよい。
【0040】
次に、第1イベントが発生し、そこからしばらくの期間が経過した後に、第2イベントが発生し、そこからしばらくの期間が経過した後に、第3イベントが発生した場合を例に挙げて説明する。
【0041】
学習実行部106は、第1イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第1学習データを用いて、第1入力層、第1中間層、及び第1出力層を含む第1学習モデルを生成する。第1学習モデルを生成するタイミングは、第1イベントが発生した後の任意のタイミングであってよい。第1学習モデルを生成するタイミングは、第1イベントが発生する前であってもよい。なお、第1学習モデルを生成するのは、他の装置であってもよい。第1学習モデルは、既存の学習モデルを更新することによって生成されても、既存の学習モデルを用いずに生成されてもよい。
【0042】
学習実行部106は、第1学習モデルの第1出力層に替えて新たな第2中間層と新たな第2出力層とを追加した後、第1イベントが発生してから第2イベントが発生するまでの間の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第2学習データを用いて、第1学習モデルの第2中間層及び第2出力層を更新してよい(更新後の第1学習モデルを第2学習モデルと記載する場合がある)。学習実行部106は、第2学習モデルの第2出力層に替えて新たな第3中間層と新たな第3出力層とを追加した後、第2イベントが発生した後の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第3学習データを用いて、第2学習モデルの第3中間層及び第3出力層を更新してよい(更新後の第2学習モデルを第3学習モデルと記載する場合がある)。学習実行部106は、第3学習モデルの第3出力層に替えて新たな第4中間層と新たな第4出力層とを追加した後、第3イベントが発生した後の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む第4学習データを用いて、第3学習モデルの第4中間層及び第4出力層を更新してよい(更新後の第3学習モデルを第4学習モデルと記載する場合がある)。なお、学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加するのは、他の装置によって行われてもよい。
【0043】
なお、学習実行部106は、次のように学習を実行してもよい。学習実行部106は、第1学習モデルの第1出力層に替えて新たな第2出力層を追加した後、第2学習データを用いて、第1学習モデルの第2出力層を更新する。学習実行部106は、第2学習モデルの第2出力層に替えて新たな第3出力層を追加した後、第3学習データを用いて、第2学習モデルの第3出力層を更新する。学習実行部106は、第3学習モデルの第3出力層に替えて新たな第4出力層を追加した後、第4学習データを用いて、第3学習モデルの第4出力層を更新する。なお、学習モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加するのは、他の装置によって行われてもよい。
【0044】
学習実行部106は、イベントが4回以上発生した場合も、同様に学習を実行してよい。
【0045】
上述したように、イベントが発生した場合に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成した学習モデルの出力層に替えて新たな層(中間層及び出力層、又は、出力層のみ)を追加して、イベントが発生した後の学習データを用いて、当該新たな層を更新する構成を採用することによって、イベントの影響を受けない取引内容については元の層が対応し、イベントの影響を受ける取引内容については新たな層が対応する学習モデルを生成することができ、高い正解率の実現に貢献することができる。
【0046】
学習実行部106は、イベントが発生した場合に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成した学習モデルのすべての層を、イベントが発生した後の学習データを用いて更新することによって、新たな学習モデルを生成してもよい。新たな層のみを更新する手法と、すべての層を更新する手法とのいずれの手法の方が適切であるかは、仕訳パターンの変化内容や、実際に蓄積された学習データの量や質によっても変わる可能性がある。
【0047】
学習実行部106は、新たな層のみを更新する手法と、すべての層を更新する手法とのいずれを使用するかについて、ユーザ82や、会計管理システム10の管理者等の指示を受け付けてよい。学習実行部106は、ユーザ82や会計管理システム10の管理者等の指示に従って、新たな層のみを更新する手法及びすべての層を更新する手法のいずれかを選択してよい。これにより、いずれの手法を用いたほうが適切かの知見をユーザ82や会計管理システム10の管理者等が有している場合に、その知見に従って学習モデルを生成することができる。
【0048】
学習実行部106は、新たな層のみを更新する手法を用いて学習モデルを生成するとともに、すべての層を更新する手法を用いて学習モデルを生成して、両方を評価することによって、いずれを採用するかを選択してもよい。例えば、学習実行部106は、イベントが発生した場合に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて新たな層を追加して、イベントが発生した後の学習データを用いて、当該新たな層を更新することによって、第1の学習モデルを生成し、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルのすべての層を、イベントが発生した後の学習データを用いて更新することによって、第2の学習モデルを生成する。
【0049】
そして、学習実行部106は、取引の摘要と取引に対応する勘定科目とを含む評価用データを用いて、第1の学習モデルと第2の学習モデルとを評価する。具体的には、学習実行部106は、評価用データに含まれる取引の摘要を第1の学習モデル及び第2の学習モデルに入力し、第1の学習モデル及び第2の学習モデルから出力された勘定科目と、評価用データに含まれる勘定科目とが一致するか否かを判定する。学習実行部106は、このような判定を複数回実行することによって、第1の学習モデル及び第2の学習モデルのそれぞれの正解率を算出して、正解率が高い方を選択する。これにより、新たな層のみを更新する手法、及びすべての層を更新する手法のうち、実際に高い正解率を達成できる手法を採用することができる。
【0050】
学習実行部106は、評価用データとして、学習には用いていないデータを利用してよい。これにより、第1の学習モデル及び第2の学習モデルの汎化性能を評価することができる。なお、学習には用いていないデータを利用することは必須とは限らず、学習実行部106は、評価用データとして、学習に用いたデータを利用してもよい。
【0051】
学習実行部106は、評価用データとして、イベントが発生したタイミング後のデータを利用してよい。特に判定したいのは、イベントが発生したタイミング後のデータで正しく仕訳できるか、であり、イベントが発生したタイミング後のデータのみを利用して評価することによって、目的に即した判定となる可能性が高いといえる。なお、イベントが発生したタイミング後のデータを利用することは必須とは限らず、学習実行部106は、評価用データとして、イベントが発生したタイミングの前後のデータを利用してもよい。
【0052】
イベント検知部108は、事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが発生したことを検知する。学習実行部106は、イベント検知部108によってイベントが検知される前は、データ記憶部104に記憶されているすべての学習データを用いて、学習モデルを生成してよい。学習実行部106は、イベント検知部108によってイベントが検知された後、当該イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新されたイベント前学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加して、当該イベントが発生した後の学習データを用いて、イベント前学習モデルの新たな中間層及び新たな出力層を更新することによって、イベント後学習モデルを生成してよい。学習実行部106は、イベント検知部108によってイベントが検知された後は、当該イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新されたイベント前学習モデルの出力層に替えて新たな出力層を追加して、当該イベントが発生した後の学習データを用いて、イベント前学習モデルの新たな出力層を更新する。
【0053】
イベント検知部108は、例えば、事業者の会計データを管理する会計管理システムにおける登録情報の変化に基づいて、イベントが発生したことを検知する。これにより、事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが発生したことを自動的に検知することができる。会計サービス提供装置30は、会計管理システムの一例であってよい。すなわち、イベント検知部108は、会計サービス提供装置30における登録情報の変化に基づいて、イベントが発生したことを検知してよい。
【0054】
例えば、会計管理システムが、法令情報を登録している場合において、当該法令情報が変更された場合に、イベント検知部108は、法令変更のイベントが発生したことを検知する。
【0055】
例えば、会計管理システムが、ユーザ82の基本情報として、ユーザ82の業種の情報を登録している場合において、当該業種の情報が変更された場合に、イベント検知部108は、当該ユーザ82に対して業種変更のイベントが発生したことを検知する。
【0056】
例えば、会計管理システムが、ユーザ82の基本情報として、ユーザ82の事業者の区分を登録している場合において、事業者の区分として、免税事業者から課税事業者に変更されたり、課税事業者から免税事業者に変更されたりした場合に、イベント検知部108は、免税事業者から課税事業者への変更イベント、課税事業者から免税事業者への変更イベントが発生したことを検知する。また、イベント検知部108は、会計期間内の売上の合計が1000万円を超えるか否かによって、免税事業者から課税事業者への変更イベント、課税事業者から免税事業者への変更イベントが発生したことを検知してもよい。
【0057】
学習実行部106は、発生したイベントの種類に応じた学習を実行してもよい。例えば、学習実行部106は、イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新されたイベント前学習モデルの出力層に替えて、イベントの種類に応じた数の新たな中間層と、新たな出力層とを追加した後、イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて、イベント前学習モデルの新たな中間層及び新たな出力層を更新する。
【0058】
イベントの種類によって、仕訳が単純に変化する場合もあれば、仕訳が複雑に変化する場合もある。具体例として、事業者の業種変更、法令改正、課税事業者から免税事業者への変更、及び免税事業者から課税事業者への変更を例に挙げると、課税事業者から免税事業者への変更及び免税事業者から課税事業、業種変更、法令改正の順で、より仕訳が複雑に変化し得る。そこで、学習実行部106は、発生したイベントが、課税事業者から免税事業者への変更及び免税事業者から課税事業、業種変更、法令改正の順で、より多くの新たな中間層を追加する。具体例として、発生したイベントが課税事業者から免税事業者への変更及び免税事業者から課税事業の場合、学習実行部106は、出力層を除去したイベント前学習モデルに、1つの新たな中間層と、1つの新たな出力層とを追加する。発生したイベントが業種変更の場合、学習実行部106は、出力層を除去したイベント前学習モデルに、2つの新たな中間層と、1つの新たな出力層とを追加する。発生したイベントが法令改正の場合、学習実行部106は、出力層を除去したイベント前学習モデルに、3つの新たな中間層と、1つの新たな出力層とを追加する。これにより、仕訳が複雑に変化しているにも関わらず、中間層が不足していて学習が十分に行われなかったり、仕訳が単純な変化しかしていないにもかかわらず、中間層が多く、不必要な学習を実行してしまったりすることを防ぐことができる。
【0059】
学習実行部106は、発生したイベントの内容に応じた学習を実行してもよい。例えば、学習実行部106は、イベントが発生する前の事業者の取引の摘要及び取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて生成又は更新されたイベント前学習モデルの出力層に替えて、イベントの内容に応じた数の新たな中間層と、新たな出力層とを追加した後、イベントが発生した後の取引の摘要及び前記取引に対応する勘定科目を含む学習データを用いて、イベント前学習モデルの新たな中間層及び新たな出力層を更新する。
【0060】
イベントの内容によって、仕訳が単純に変化する場合もあれば、仕訳が複雑に変化する場合もある。具体例として、発生したイベントが業種変更である場合に、変更内容が単純である場合と比較して、変更内容が複雑である場合に、より仕訳が複雑に変化し得る。そこで、学習実行部106は、業種変更の内容と、中間層の数とを対応付けた対応データを予め記憶しておき、業種変更の内容に対応する数の中間層を追加する。また、具体例として、発生したイベントが法令改正である場合に、法令改正のインパクトが大きいほど、より仕訳が複雑に変化し得る。そこで、学習実行部106は、発生したイベントが法令改正である場合に、法令改正のインパクトの情報を更に取得して、インパクトが大きいほど多い数の中間層を追加する。法令改正のインパクトの情報は、会計管理システムの管理者、会計管理システム10の管理者、及びユーザ82等によって登録されてよい。
【0061】
図3は、学習実行部106による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが1回発生した場合であって、イベント発生からある程度の期間が経過していて、イベント発生後の学習データがある程度データ記憶部104に記憶されている状況を例に挙げて説明する。
【0062】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、学習実行部106が、イベント発生前の学習データをデータ記憶部104から取得する。S104では、学習実行部106が、S102において取得した学習データを用いて、学習モデルのパラメータを更新する。
【0063】
S106では、学習実行部106が、イベント発生後の学習データをデータ記憶部104から取得する。S108では、学習実行部106が、S104においてパラメータを更新した学習モデルの出力層に替えて中間層及び出力層を追加し、S106において取得した学習データを用いて、学習モデルに追加した中間層及び出力層のパラメータを更新する。
【0064】
図4は、学習装置100による学習モデル生成について説明するための説明図である。ここでは、通常状態から、イベント41、イベント42、イベント43の順で発生した場合における、学習モデル生成について説明する。なお、ここでは、出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加する例を挙げるが、出力層に替えて新たな出力層を追加するようにしてもよい。
【0065】
学習実行部106は、イベント41が発生する前の期間401の学習データ501を用いて生成又は更新した、第1入力層、第1中間層、及び第1出力層を含む第1学習モデルの第1出力層に替えて新たな第2中間層と新たな第2出力層とを追加した後、イベント41が発生してからイベント42が発生するまでの期間402の学習データ502を用いて、第1学習モデルの第2中間層及び第2出力層を更新することによって、第2学習モデルを生成する。なお、第1学習モデルの生成又は更新は、他の装置によって実行されてもよい。学習実行部106は、第2学習モデルの第2出力層に替えて新たな第3中間層と新たな第3出力層とを追加した後、イベント42が発生してからイベント43が発生するまでの期間403の学習データ503を用いて、第2学習モデルの第3中間層及び第3出力層を更新することによって、第3学習モデルを生成する。学習実行部106は、第3学習モデルの第3出力層に替えて新たな第4中間層と新たな第4出力層と追加した後、イベント43が発生した後の期間404の学習データ504を用いて、第3学習モデルの第4中間層及び第4出力層を更新することによって、第4学習モデルを生成する。なお、学習モデルの出力層に替えて新たな中間層と新たな出力層とを追加する処理は、他の装置によって実行されてもよい。
【0066】
上述したように、学習装置100は、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新した学習モデルの出力層に替えて中間層及び出力層を追加して、イベントが発生した後の学習データを用いて、追加した中間層及び出力層を更新するという方法で、学習モデルを生成してよい。これにより、仕訳の傾向が変化した後の訓練データがまだ少ない場合の課題解決に貢献することができる。これに対して、イベントが発生してから長い期間が経過し、データが十分に蓄積された場合に、学習実行部106は、すべての学習データを用いて一つの学習モデルを生成してもよい。このような対応を行わない場合、イベントが発生するごとに、学習モデルの層の数が増加することになって学習のコストが上がってしまうのに対して、学習実行部106がこのような対応を行うことによって、正解率を低下させることなく、学習のコストを適切に低減することを可能にし得る。
【0067】
学習実行部106は、例えば、第1学習モデル、第2学習モデル、第3学習モデル、及び第4学習モデルを生成後、入力層、中間層、及び出力層を有する新たな学習モデルのパラメータを、すべての学習データを用いて更新することによって、学習モデルを生成する。これにより、すべての追加層を廃止して、以降の学習コストを低減することができる。なお、これに限らず、学習実行部106は、複数の追加層のうち、一部の追加層を廃止するようにしてもよい。例えば、学習実行部106は、異なるタイミングで発生した複数のイベント毎に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて追加された新たな中間層及び新たな出力層を、当該イベントが発生した後の学習データを用いて更新した後、複数のイベントのうちの一部のイベント毎に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成又は更新された学習モデルの出力層に替えて追加された新たな中間層及び前記新たな出力層を、当該イベントが発生した後の学習データを用いて更新してよい。
【0068】
図5は、学習装置100による学習モデル生成について説明するための説明図である。ここでは、
図4に示す処理によって第1学習モデル、第2学習モデル、第3学習モデル、及び第4学習モデルを生成した後に、イベント41に対応する追加層を廃止する場合の処理について説明する。なお、ここでは、出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加する例を挙げるが、出力層に替えて新たな出力層を追加するようにしてもよい。
【0069】
学習実行部106は、学習データ501及び学習データ502を用いて生成した、第5入力層、第5中間層、及び第5出力層を含む第5学習モデルの第5出力層に替えて新たな第6中間層と新たな第6出力層とを追加した後、学習データ503を用いて、第5学習モデルの第6中間層及び第6出力層を更新することによって、第6学習モデルを生成する。学習実行部106は、第6学習モデルの第6出力層に替えて新たな第7中間層と新たな第7出力層とを追加した後、学習データ504を用いて、第6学習モデルの第7中間層及び第7出力層を更新することによって、第7学習モデルを生成する。このように、学習実行部106は、イベント41、イベント42、及びイベント43のうちの一部であるイベント42及びイベント43毎に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成した学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加し、当該イベントが発生した後の学習データを用いて、追加した新たな中間層及び新たな出力層を更新してよい。
【0070】
図6は、学習装置100による学習モデル生成について説明するための説明図である。ここでは、
図4に示す処理によって第1学習モデル、第2学習モデル、第3学習モデル、及び第4学習モデルを生成した後に、イベント42に対応する追加層を廃止する場合の処理について説明する。
【0071】
学習実行部106は、学習データ501を用いて生成した、第8入力層、第8中間層、及び第8出力層を含む第8学習モデルの第8出力層に替えて新たな第9中間層と新たな第9出力層とを追加した後、学習データ502及び学習データ503を用いて、第8学習モデルの第9中間層及び第9出力層を更新することによって、第9学習モデルを生成する。学習実行部106は、第9学習モデルの第9出力層に替えて新たな第10中間層と新たな第10出力層とを追加した後、学習データ504を用いて、第9学習モデルの第10中間層及び第10出力層を更新することによって、第10学習モデルを生成する。このように、学習実行部106は、イベント41、イベント42、及びイベント43のうちの一部であるイベント41及びイベント43毎に、イベントが発生する前の学習データを用いて生成した学習モデルの出力層に替えて新たな中間層及び新たな出力層を追加し、当該イベントが発生した後の学習データを用いて、追加した新たな中間層及び新たな出力層を更新してよい。
【0072】
図7は、会計データ変換装置200の機能構成の一例を概略的に示す。会計データ変換装置200は、学習モデル取得部202、学習モデル記憶部204、取引データ取得部206、科目選択部208、会計データ生成部210、及び会計データ出力部212を備える。
【0073】
学習モデル取得部202は、摘要を入力とし、勘定科目を出力とする学習モデルを取得する。学習モデル記憶部204は、学習モデル取得部202が取得した学習モデルを記憶する。
【0074】
学習モデル取得部202は、学習装置100から学習モデルを取得してよい。学習装置100によって、イベント前学習モデル及びイベント後学習モデルが生成された場合、学習モデル取得部202は、学習装置100からイベント前学習モデル及びイベント後学習モデルを取得してよい。
【0075】
学習装置100によって、複数回のイベントに対応する学習モデルが生成された場合、学習モデル取得部202は、通常状態に対応する学習モデルと、最後のイベントに対応する学習モデルとを取得してよい。具体例として、学習装置100によって、第1学習モデル、第2学習モデル、及び第3学習モデルが生成された場合、学習モデル取得部202は、第1学習モデルをイベント前学習モデルとして取得し、第3学習モデルをイベント後学習モデルとして取得してよい。また、学習装置100によって、第1学習モデル、第2学習モデル、第3学習モデル、及び第4学習モデルが生成された場合、学習モデル取得部202は、第1学習モデルをイベント前学習モデルとして取得し、第4学習モデルをイベント後学習モデルとして取得してよい。学習装置100によって、すべての学習データを用いて一つの学習モデルが生成された場合、学習モデル取得部202は、当該学習モデルを取得してよい。なお、学習モデル取得部202は、学習装置100以外から学習モデルを取得してもよい。
【0076】
取引データ取得部206は、取引データを取得する。取引データ取得部206は、勘定科目を推論する対象となる取引データを取得してよい。取引データ取得部206は、例えば、業務サービス提供装置20から取引データを取得する。取引データ取得部206は、例えば、通信端末80から取引データを取得する。
【0077】
科目選択部208は、取引データ取得部206が取得した取引データが示す取引に対応する勘定科目を選択する。科目選択部208は、取引データ取得部206が取得した取引データに含まれる摘要に基づいて、取引データに対応する勘定科目を選択してよい。科目選択部208は、取引データ取得部206が取得した取引データに含まれる摘要を、学習モデル記憶部204に記憶されている学習モデルに入力し、学習モデルから出力された勘定科目を選択してよい。
【0078】
科目選択部208は、事業者による仕訳に影響を及ぼし得るイベントが発生し、学習装置100がイベント後学習モデルを生成した場合において、取引データ取得部206が、イベントが発生する前の取引データを取得した場合、取引データに含まれる摘要を、イベント前学習モデルに入力して、イベント前学習モデルによって出力された勘定科目を選択し、取引データ取得部206が、イベントが発生した後の取引データを取得した場合、取引データに含まれる摘要を、イベント後学習モデルに入力して、イベント後学習モデルによって出力された勘定科目を選択してよい。
【0079】
学習装置100によって、すべての学習データを用いて一つの学習モデルが生成された場合、科目選択部208は、取引データ取得部206が取得した取引データに含まれる摘要を、当該学習モデルに入力して、当該学習モデルによって出力された勘定科目を選択してよい。
【0080】
会計データ生成部210は、取引データ取得部206が取得した取引データに対応する会計データを生成する。会計データ生成部210は、科目選択部208によって選択された勘定科目を含む会計データを生成する。
【0081】
会計データ出力部212は、会計データ生成部210によって生成された会計データを出力する。会計データ出力部212は、会計サービス提供装置30に対して会計データを出力してよい。会計データ出力部212は、通信端末80に対して会計データを出力してもよい。
【0082】
上述したように、学習装置100と会計データ変換装置200とは、一つの装置によって実現されてもよい。この場合、学習装置100は、学習モデル取得部202、学習モデル記憶部204、取引データ取得部206、科目選択部208、会計データ生成部210、及び会計データ出力部212を更に備えてよい。
【0083】
図8は、会計データ変換装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、複数の取引データのそれぞれに対応する会計データを生成する場合の処理の流れについて説明する。
【0084】
S202では、取引データ取得部206が取引データを取得する。S202で取得した取引データが、イベント発生後の取引データである場合(S204でYES)、S206に進み、イベント発生前の取引データである場合(S204でNO)、S208に進む。
【0085】
S206では、科目選択部208が、イベント後学習モデルを用いて勘定科目を選択する。科目選択部208は、取引データに含まれる摘要をイベント後学習モデルに入力して、イベント後学習モデルによって出力された勘定科目を選択する。
【0086】
S208では、科目選択部208が、イベント前学習モデルを用いて勘定科目を選択する。科目選択部208は、取引データに含まれる摘要をイベント前学習モデルに入力して、イベント前学習モデルによって出力された勘定科目を選択する。
【0087】
S210では、会計データ生成部210が、S202において取引データ取得部206が取得した取引データに対応する会計データを生成する。会計データ生成部210は、S206又はS208において、科目選択部208によって選択された勘定科目を含む会計データを生成する。
【0088】
対象となるすべての取引データについて会計データの生成が終了した場合(S212でYES)、S214に進み、終了していない場合(S212でNO)、S202に戻る。S214では、会計データ出力部212が、生成された会計データを会計サービス提供装置30に出力する。
【0089】
図9は、学習装置100又は会計データ変換装置200として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0090】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0091】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0092】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0093】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0094】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0095】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0096】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0097】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0098】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0099】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0100】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0101】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0102】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0103】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0104】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0105】
10 会計管理システム、20 業務サービス提供装置、30 会計サービス提供装置、41、42、43 イベント、50 ネットワーク、80 通信端末、82 ユーザ、100 学習装置、102 データ取得部、104 データ記憶部、106 学習実行部、108 イベント検知部、110 学習モデル送信部、200 会計データ変換装置、202 学習モデル取得部、204 学習モデル記憶部、206 取引データ取得部、208 科目選択部、210 会計データ生成部、212 会計データ出力部、401、402、403、404 期間、501、502、503、504 学習データ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ