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  • 特開-ガラス製仏りん 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170086
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】ガラス製仏りん
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20241129BHJP
   G10K 1/071 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
A47G33/00 L
G10K1/071
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087051
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】佐野 則之
(72)【発明者】
【氏名】佐野 敬介
(72)【発明者】
【氏名】名児耶 秀美
(72)【発明者】
【氏名】藤田 吏
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
(72)【発明者】
【氏名】中島 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】前田 紗希
(57)【要約】
【課題】従来の金属製からなる仏りんとは異なる音色からなる、ガラス製の仏りんの提供を目的とする。
【解決手段】ガラス製の器状からなるりん本体部と、前記りん本体部を支持する支持部材とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製の器状からなるりん本体部と、前記りん本体部を支持する支持部材とを備えたことを特徴とするガラス製仏りん。
【請求項2】
前記支持部材もガラス製であることを特徴とする請求項1記載のガラス製仏りん。
【請求項3】
前記支持部材は、りん棒としての機能も有することを特徴とする請求項2記載のガラス製仏りん。
【請求項4】
前記りん本体部は、前記支持部材にて揺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1記載のガラス製仏りん。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は葬祭用具の1つである仏りんに関し、特にガラス製からなる卓上用の仏りんに係る。
【背景技術】
【0002】
仏りんは、葬儀や法事等において、りん棒で打ち鳴らして使用する。
従来の仏りんとしては、りん座布団等に置いて打ち鳴らすおわん型のものや、下側から支持した例えば特許文献1に記載のものが知られているが、これらはいずれも鉄や銅の合金等の金属製であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4907141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の金属製からなる仏りんとは異なる音色からなる、ガラス製の仏りんの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
仏りんは仏壇に置かれ仏前で手を合せる際や、お経を唱える際にりん棒で打ち鳴らして読経の始まりや終わりの区切りとして鳴らすことが多い。
りん棒で打ち鳴らす際にリーンとした音色と余韻の長いことから、金属製のものが用いられてきた。
家庭用の仏壇では、お位牌,香炉,ろうそく立て,花立て、仏飯器等の仏りん以外の仏具との載置スペースを考慮することが必要となってきている。
そこで本発明者らは、他の仏具との調和がとれた従来にないガラス製の仏りんを検討し、本発明に至った。
【0006】
本発明に係るガラス製仏りんは、ガラス製の器状からなるりん本体部と、前記りん本体部を支持する支持部材とを備えたことを特徴とする。
ここで「ガラス製の器状からなる」とは、りん棒で軽く打つと内側で共鳴し、その共振作用で音が出やすい器状にしたことをいう。
具体的には、コップ状,タンブラー状,カップ状,キャップ状等が例として挙げられる。
りん棒で打ち鳴らす際に、音が出やすい、耐熱ガラスを用いてもよい。
例えば、軟化温度が1000℃を超えるようなシリカガラス等の耐熱ガラスを用いると、側壁の肉厚を0.5~3mm程度に薄くすることができ、共鳴させやすい。
本発明に係るおりんは、外径が30~300mm程度の範囲が好ましい。
家庭用の仏壇にあっては、他の仏具とのスペースの調和を考慮すると、外径が30~70mm程度の小型であってもよい。
【0007】
本発明は、りん本体部がガラス製であることに特徴があり、支持部は木製,金属製,樹脂製等、その材質は問わない。
また、形状も問わない。
ここで、りん本体部を支持する支持部材もガラス製にすると、全体が透明になる。
【0008】
本発明においては、りん本体部の開口部を下側にして、揺動あるいは回転可能になるように、りん本体部の内側中央部を支持部材にて支持させてもよい。
さらに、りん本体部の開口部を上側にして載置することもできるが、この場合には、この支持部材をりん棒として使用することも可能になる。
その場合には、この支持部材をりん本体部の内側に収納することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る仏りんは、透明又は半透明のガラス製であることに特徴がある。
また、小型の仏壇等に合せて小型のガラス製にすると、小さいスペースに納まる。
仏壇には、ろうそく立て,花立て,香炉等の他の仏具も置かれている。
本発明に係る仏りんは、透明であることから、周囲の仏具が仏りんを透過して見えたり、ろうそくの炎の揺れが仏りんにて屈折し、厳かな雰囲気を醸し出したり、周囲の仏具を照らし出す効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)は本発明に係る仏りんの使用状態を示し、(b)は支持部材の外径を小さくし、りん本体部に収納した状態を示す。
図2】りん本体部を開口部が上になるように載置し、支持部材をりん棒として使用する例を示す。
図3】タンブラー型のりん本体部にした例を示す。
図4】りん本体部の内側の底部に凸部を形成し、支持部材の先端部に凹部を形成した例を示す。
図5】上部が球面状からなるキャップ型の、りん本体部にした例を示す。
図6】(a)~(c)はりん本体部の被支持部を孔形状にした例を示す。
図7】(a),(b)は支柱部の支持部を段差状にした例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る仏りんの構成例を以下、図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1(a)に本発明に係るガラス製の仏りんの構造例を示す。
りん本体部10の開口部を下側にして、支持部材20にて、りん本体部10が揺動可能に支持されている。
図1(a)は、りん本体部10を断面図で示し、支持部材20を外観図として表現してある。
【0012】
りん本体部10は外径が30~300mm程度の範囲で自由に設定できるが、図1の実施例は外径が30~70mmの小型で透明な耐熱ガラスで製作してある。
形状としてはコップ状の器形状であり、図1(a)の状態では上部に位置し、器としては底部11と筒状の側壁部12からなり、下側に開口部13を有している。
本実施例は底部11の内側に凹部形状からなる被支持部11aを有している。
支持部材20は木製であってもよく、金属製,樹脂製でもよい。
本実施例は、支持部材20も耐熱ガラス製であり、外形が円形状ベース部21から支柱部22を設立し、支柱部の先端部に凸形状の支持部23を有する。
ここでベース部21は、外形形状に制限はなく、支柱部22と一体、別体を問わない。
りん本体部10の被支持部11aの凹部に合せて支持部23の凸部にて、点接触又は面接触にて揺動可能に支持されている。
これにより、りん本体部10の開口部13付近を軽くりん棒で打ち鳴らすと、りん本体部は揺動しながら余韻のある音色が出る。
【0013】
図1(b)は、支持部材20のベース部21の外径をりん本体部10の内径よりも小さく設定し、りん本体部10の開口部13を上側にして支持部材20を、その内側に収納させた状態を示す。
この状態から図2に示すように支持部材20の支柱部22を指で摘み、ベース部21を打撃部とすると、りん棒としても使用できる。
【0014】
図3は、りん本体部10Aの側壁部12Aを円錐状にした、タンブラー型形状にした例を示す。
【0015】
図4は、りん本体部10の底部側に凸部形状の被支持部11bを形成し、支持部材20の支柱部22の先端部に凹形状の支持部23aにした例である。
【0016】
図5は、上部が球面形状111のキャップ型のりん本体部10Bにした例を示す。
なお、図5は回転体であるりん本体部10Bの断面を示す。
本実施例は、ガラス製のりん本体部のキャップ状の内側中心部に凹部状の被支持部11cを有し、これに対応して支持部23bを突起状にした例になっている。
このように、りん本体部の形状に制限はなく、支持部にて揺動可能に支持されていれば、その支持構造にも制限はない。
【0017】
例えば、支持構造の変形例を図6図7に示す。
図6(a)は、回転体からなるりん本体部の上面を球面形状211にし、上部中心に貫通した孔形状の被支持部11dにした例を示す。
(a)はりん本体部を断面で示した正面図、(b)は平面図を示し、(c)に支持部の拡大図を示す。
支持部23bは、孔形状の被支持部の孔の内側に納まる突起形状になっている。
この際に、図7(a)及び拡大図を図7(b)に示すように支持部23cを段差状にしてもよい。
【符号の説明】
【0018】
10 りん本体部
11 底部
11a 被支持部
12 側壁部
13 開口部
20 支持部材
21 ベース部
22 支柱部
23 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7