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特開2024-170100組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170100
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法
(51)【国際特許分類】
   E04C 1/39 20060101AFI20241129BHJP
   E04C 1/00 20060101ALI20241129BHJP
   E04B 2/10 20060101ALI20241129BHJP
   E04B 2/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
E04C1/39 112
E04C1/00 E
E04C1/00 F
E04B2/10
E04B2/02 117
E04B2/02 160
E04B2/02 212
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087073
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】523199748
【氏名又は名称】中村 征一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】中村 征一郎
(57)【要約】
【課題】より容易に複数の方向に組み合わせることができる組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法を提供する
【解決手段】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る組合せブロック1は、複数のL字柱21と、複数のL字柱21を内側から支持する支持台座22と、を有する単位ブロック2を、複数接合したものである。また、本発明の他の一観点に係る構造物組立方法は、複数のL字柱21と、複数のL字柱21を内側から支持する支持台座22と、を有する単位ブロック2を複数接合した本組合せブロック1を、複数組み合わせて本構造物Sを組み立てる構造物組立方法であって、一の本組合せブロック1の支持台座22を、他の本組合せブロック1の複数のL字柱21の内側に挿入することで、複数の本組合せブロック1を組み合わせるものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のL字柱と、前記複数のL字柱を内側から支持する支持台座と、を有する単位ブロックを、複数接合した組合せブロック。
【請求項2】
前記単位ブロックにおいて、それぞれの前記L字柱は、四角形の四隅となる位置に、間隙を置いて配置される請求項1記載の組合せブロック。
【請求項3】
前記単位ブロックにおいて、前記L字柱の面部材の一つは、隣接する前記L字柱の一つの面部材と同じ面にある請求項1記載の組合せブロック。
【請求項4】
前記単位ブロックの前記支持台座は、複数の板材を交差させて組み合わせたものである請求項1記載の組合せブロック。
【請求項5】
前記単位ブロックの前記L字柱同士の間隙を埋める板状部材を備える請求項1記載の組合せブロック。
【請求項6】
前記四角形は正方形である請求項2記載の組合せブロック。
【請求項7】
前記支持台座は、前記L字柱の下端から突出している請求項1記載の組合せブロック。
【請求項8】
複数のL字柱と、前記複数のL字柱を内側から支持する支持台座と、を有する単位ブロック。
【請求項9】
複数のL字柱と、前記複数のL字柱を内側から支持する支持台座と、を有する単位ブロックを複数接合した組合せブロックを、複数組み合わせて構造物を組み立てる構造物組立方法であって、
一の組合せブロックの前記支持台座を、他の組合せブロックの前記複数のL字柱の内側に挿入することで、複数の組合せブロックを組み合わせる構造物組立方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
壁や塀等の構造物を組み立てる方法はさまざま存在するが、小さなブロックを複数組み合わせてこれらを固定して構造物を組み立てる方式は、様々な形状や寸法の構造物を自在に組み立てることができる観点から好ましい。
【0003】
このような構造物組立方法としては、例えば下記特許文献1に記載がある。下記特許文献1には、各ブロックの側面に凹凸が形成され、複数の凹凸をはめ合わせることで壁や塀等を形成できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2022-553071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は複雑な凹凸を必要としており、一方向にのみ連続して接続しなければならないといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、より容易に複数の方向に組み合わせることができる組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る組合せブロックは、複数のL字柱と、前記複数のL字柱を内側から支持する支持台座と、を有する単位ブロックを、複数接合したものである。
【0008】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、単位ブロックにおいて、それぞれのL字柱は、四角形の四隅となる位置に、間隙を置いて配置されることが好ましい。
【0009】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、単位ブロックにおいて、L字柱の面部材の一つは、隣接するL字柱の一つの面部材と同じ面にあることが好ましい。
【0010】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、単位ブロックの支持台座は、複数の板材を交差させて組み合わせたものであることが好ましい。
【0011】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、単位ブロックのL字柱同士の間隙を埋める板状部材を備えることが好ましい。
【0012】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、四角形は正方形であることが好ましい。
【0013】
また、本観点においては、限定されるわけではないが、支持台座は、L字柱の下端から突出していることが好ましい。
【0014】
また、本発明の他の一観点に係る単位ブロックは、複数のL字柱と、前記複数のL字柱を内側から支持する支持台座と、を有するものである。
【0015】
また、本発明の他の一観点に係る構造物組立方法は、複数のL字柱と、複数のL字柱を内側から支持する支持台座と、を有する単位ブロックを複数接合した組合せブロックを、複数組み合わせて構造物を組み立てる構造物組立方法であって、一の組合せブロックの支持台座を、他の組合せブロックの複数のL字柱の内側に挿入することで、複数の組合せブロックを組み合わせるものである。
【発明の効果】
【0016】
以上、本発明によって、より容易に複数の方向に組み合わせることができる組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る構造物の斜視概略を示す図である。
図2】実施形態に係る組合せブロックの斜視概略を示す図である。
図3】実施形態に係る組合せブロックの正面図である。
図4】実施形態に係る組合せブロックの背面図である。
図5】実施形態に係る組合せブロックの右側面図である。
図6】実施形態に係る組合せブロックの左側面図である。
図7】実施形態に係る組合せブロックの上面図である。
図8】実施形態に係る組合せブロックの底面図である。
図9】実施形態に係る単位ブロックのL字柱によって囲まれる四角形領域の概略を示す図である。
図10】実施形態に係る組合せブロックに補強部材を配置する場合の概略を示す図である。
図11】実施形態に係る組合せブロック内に接合建築材料を充填した場合の概略を示す図である。
図12】実施形態に係る単位ブロックの支持台座の概略を示す図である。
図13】実施形態に係る単位ブロックを上下に組み合わせる場合のイメージを示す図である。
図14】実施形態に係る板状部材の概略を示す図である。
図15】実施形態に係る組合せブロックに板状部材を挿入した場合のイメージを示す図である。
図16】実施形態に係る組合せブロックに板状部材を挿入した場合の他の例のイメージを示す図である。
図17】実施形態に係る単位ブロックのL字柱の間に帯状部材を設けた場合の概略を示す図である。
図18】実施形態に係る構造物の斜視概略を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明の実施形態は多くの異なる形態が存在し、以下に示す実施形態及び実施例に記載の具体例にのみ限定されるわけではない。
【0019】
図1は、本実施形態に係る構造物(以下「本構造物」という。)Sの概略を示す図であり、図2は、本構造物Sを構成する組合せブロック(以下「本組合せブロック」という。)1の斜視概略を示す図である。さらに、図3は、本組合せブロック1の正面図であり、図4はその背面図、図5は右側面図、図6は左側面図、図7は平面図、図8は底面図である。
【0020】
これらの図で示すように、本構造物Sは、本組合せブロック1が複数組み合わされて構成されている。この組み合わせ方法については改めて言及するが、これにより様々な形状や寸法の壁や塀等の構造物を自在に組み立てることができる。
【0021】
また、本組合せブロック1は、これらの図からも明らかなように、複数のL字柱21と、複数のL字柱21を内側から支持する支持台座22と、を有する単位ブロック2を、複数接合したものである。つまり、一つの本組合せブロック1は、2以上の単位ブロック2が接合することにより構成されている。
【0022】
また、単位ブロック2は、これらの図からも明らかなように、複数のL字柱21と、複数のL字柱21を内側から支持する支持台座22と、を有する。
【0023】
単位ブロック2では、複数のL字柱21を有している。ここで「L字柱」とは、その断面がL字状となっている柱部材、より具体的には平板2枚を略垂直に接続した柱部材である。L字状とすることで、単位ブロック2の外縁、特に角部を形成することが可能となる。
【0024】
より具体的に説明すると、単位ブロック2において、それぞれのL字柱21は、四角形の四隅となる位置に、間隙212を置いて配置されることが好ましい。このようにすることで、4つのL字柱21によって囲まれる四角形の領域が全体として一つの領域として形成されることになる。なお、この場合において、四角形は略正方形であることが好ましい。ここで「略正方形」とは完全な正方形を含むことはもちろんであるが、製造上の誤差を含む概念である。なお図9に、一つの単位ブロック2のL字柱21によって囲まれる四角形の領域の概略を示しておく。
【0025】
L字柱21の材料は、特に限定されるわけではなく、様々な材料を用いることができ、木材であっても、金属であっても、樹脂であってもよい。特に、樹脂で形成する場合、軽量化を図ることができるとともに、型を製造して射出成型によって簡便に製造することができて好ましい。また樹脂の場合、強化プラスチック(FRP)である場合、強度を十分に図ることができ好ましい。
【0026】
また、この場合において、L字柱21の面部材211の一つは、隣接するL字柱21の一つの面部材211の面と同じ面にあることが好ましい。このようにL字柱21の面部材211の表面を合わせることで、四つの面によって囲まれるきれいな四角柱を形成することが可能になるといった利点がある(上記図9参照)。
【0027】
ここでL字柱21の間は間隙212が設けられている。間隙212を設けることで軽量化を図ることはもちろんであるが、単位ブロック2同士を並べた場合でもこの間隙を直線状に貫通した空間を形成することができる。この結果、この貫通した空間に補強のための直線状の補強部材4を挿入したり(例えば図10参照)、更に、モルタルやコンクリート等の流動性のある接合用の建築材料(接合建築材料)を充填して硬化させることでこれら本組合せブロック1の接合をより強固にすることが可能となる。すなわち、モルタル等を流し込む枠材としても使用することが可能となる。モルタル等の接合建築材料を充填した場合の概略を図11に示す。
【0028】
また、単位ブロック2は、上記の通り複数のL字柱21を内側から支持する支持台座22を有する。図12に、支持台座22の概略図を示しておく。支持台座22を設けることで、互いに離間して設けられるL字柱21を安定して固定することが可能となる。特に、複数のL字柱21を内側から支持させることで、複数のL字柱21によって囲まれる領域の外、より具体的には単位ブロック2においてL字柱21の表面より外に支持台座22が出ることがなく、L字柱21によって形成される四角形の表面を平坦に維持することが可能となる。
【0029】
また、支持台座22の材料は、上記L字柱21と同様、特に限定されるわけではなく、様々な材料を用いることができ、木材であっても、金属であっても、樹脂であってもよい。特に、樹脂で形成する場合、軽量化を図ることができるとともに、型を製造して射出成型によって簡便に製造することができて好ましい。また樹脂の場合、強化プラスチック(FRP)である場合、強度を十分に図ることができ好ましい。
【0030】
また、単位ブロック2において、支持台座22は、上下に貫通する間隙222が形成されている構造であることが好ましい。これにより、上記のL字柱21の間隙212と同様、今度は単位ブロック2内の空間を上下方向に接続することが可能となる。
【0031】
単位ブロック2において、支持台座22は、上記の通り、上下に貫通する間隙222が形成されていればよいが、この構造としては、例えば、上記の図で示すように、複数の板材221を交差させて組み合わせたものであってもよく、更に、この交差させた板材221の先端にL字柱21の面部材211の接合位置(接合点)を合わせておくことが好ましい。このようにすることで、L字柱21の面部材211同士の間隙212を支持台座22によってふさいでしまうことを防止し、間隙212のまま維持できる、更には後述のように板状部材3を上下方向に共通して挿入できるようになるといった利点がある。
【0032】
また、単位ブロック2において、支持台座22は、L字柱21の下端によって形成される面から突出していることが好ましい。このようにすることで、一つの単位ブロック2の支持台座22を他の単位ブロック2のL字柱21によって囲まれる領域に挿入することができ、上下に単位ブロック2を連結させることができるようになるといった利点がある。より具体的には、このようにすることで、一つの本組合せブロック1の一つの単位ブロック2を他の本組合せブロック1の一つの単位ブロック2に上からはめ合わせることで一つの組合せブロックの他の単位ブロック2をさらに他の本組合せブロック1の一つの単位ブロック2にはめ合わせることが可能となり、これを繰り返すことで、複数の本組合せブロック1からなる本構造物Sを構成することが可能となる。単位ブロック2同士を上下に組み合わせる場合のイメージを図13に示しておく。
【0033】
また、本組合せブロック1には、単位ブロック2のL字柱21同士の間隙212を埋める板状部材3を備えることが好ましい。板状部材3の例について図14に示す。上記のように、本組合せブロック1、具体的には単位ブロック2のL字柱21の間には間隙212が形成されていると、単位ブロック2を組み合わせてもこの間隙212は維持される。上下に特に組み合わされてもその間隙212は接続された状態で維持される。そのため、この間隙212を覆う板状部材3を挿入することで、この間隙212を埋めることが可能となる。この場合のイメージを図15に示しておく。この間隙212を板状部材3によって覆うことで、単位ブロック2内の領域を側面方向で閉じた領域とすることが可能となり、これによって上記のようにコンクリート等の接合建築材料を充填しても側面方向に漏れることがなくなるといった利点がある。
【0034】
板状部材3の構造としては、上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけではないが、単位ブロック2の間隙212に挿入された際、L字柱21の面部材211の表面と平滑になるようにしておくことが好ましい一方で、L字柱21に対して安定に配置できるようにしておくことが好ましい。このため、複数のL字柱21の間隙212と同じ幅の凸表面31と、L字柱21の内側に充てるための当面32と、を有していることが好ましい。このようにすることで、L字柱21間の間隙212をふさぐとともに、当面32をL字柱21にあてることで、凸表面31とL字柱21の面部材211表面を同じ面にすることが可能となる。この結果、単位ブロック2の表面を平滑にすることができる。
【0035】
なお、上記のほか、板状部材3は、単に平滑な面のみ有するものとしてもよい。このようにすることでL字柱21と板状部材3の段差を構造物の意匠とすることが可能となる。またこの場合に、板状部材3に着色を行うこととしてもよい。このようにすればより高い意匠性を発揮することができる。この場合のイメージを図16に示しておく。なお、この場合において、単位ブロック2の隣接するL字柱21同士の間には帯状部材213を付しても構わない。このようにすることで、平滑な板状部材3を用いた場合にこの帯状部材213が目隠しとなり、複数の板状部材3を用いた場合の境界線をこの帯状部材213で隠すことができる。単位ブロック2においてL字柱21の間に帯状部材213を設けた場合のイメージを図17に示しておく。
【0036】
また、板状部材3の長さは適宜調整可能であって限定されるわけではないが、複数の単位ブロック2を縦に接続したとしても共通して使用できるよう、単位ブロック2のL字柱21の長さよりも十分長くなっていることが好ましく、具体的には単位ブロック2のL字柱21の長さを1とした場合に、2以上10以下となっていることが好ましい。
【0037】
また、板状部材3の材料は、上記L字柱21と同様、特に限定されるわけではなく、様々な材料を用いることができ、木材であっても、金属であっても、樹脂であってもよい。特に、樹脂で形成する場合、軽量化を図ることができるとともに、型を製造して射出成型によって簡便に製造することができて好ましい。また樹脂の場合、強化プラスチック(FRP)である場合、強度を十分に図ることができ好ましい。
【0038】
ところで、上記したとおりであるが、本組合せブロック1は、複数の単位ブロック2が接合されて構成されたものであり、異なる本組合せブロック1同士の単位ブロック2を互いに複数組み合わせていくことで集合体とすることができ、この集合体を構造物として用いることができる。すなわち、本実施形態においては、複数の本組合せブロック1を組み合わせて本構造物Sを組み立てる構造物組立方法(以下「本方法」という。)を提供することができる。
【0039】
本方法は、具体的には、複数のL字柱21と、複数のL字柱21を内側から支持する支持台座22と、を有する単位ブロック2を複数接合した本組合せブロック1を、複数組み合わせて本構造物Sを組み立てる構造物組立方法であって、一の本組合せブロック1の支持台座22を、他の本組合せブロック1の複数のL字柱21の内側に挿入することで、複数の本組合せブロック1を組み合わせるものである。これにより、本組合せブロック1の集合体として本建築物Sを組み立てることができる。図18に、組み立てられた後の建築物の例について示しておく。
【0040】
また、この場合において、本組合せブロック1は、各単位ブロック2が組み合わされただけとなっており、側面からの揺れに対する強度についてはまだ課題が残る場合がある。そのような場合は、組み合わされた複数の本組合せブロック1の内部に補強部材4を入れることが好ましい。これは上記図10に示すとおりである。
【0041】
さらに、この場合において、本組合せブロック1の各単位ブロック2の側面にはL字柱21の間隙212がむき出しとなっている。そのため、この間隙212を覆うために、表面に出ている間隙212に上記の板状部材3を配置することで滑らかな表面を形成することが可能となり、これを蓋とすることが可能となるため、この本構造物S内に接合建築材料を充填させても漏れることがなくなる。なお、単位ブロック2の上下方向は間隙222によって接続されているため、この本構造物S内は上下方向及び横方向に接続されているため、複数の本組合せブロック1内を接続し、接合材料によって強固に固定することができる。
【0042】
以上、本発明によって、より容易に複数の方向に組み合わせることができる組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法を提供することができる。
【0043】
また、本実施形態では複数の単位ブロック2を接合して本組合せブロック1としているが、単位ブロック2の数は制限されず、2つであっても3つであってもよい。これにより様々な形状を簡便に実現できる。一方で、単位ブロック2を一つのみであっても、単位ブロック2を組み合わせることで本構造物Sを組み立てることが可能である。この場合、横方向は接着剤で接合することが可能であり、また、並べた後補強部材4等を貫通させてコンクリートなどの接合建築材料によって接続することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、組合せブロック及びこれを用いた構造物組立方法として産業上の利用可能性がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18