(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170105
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】相談問合せ支援システム、及び相談問合せ支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241129BHJP
G06F 16/332 20190101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F16/332
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087084
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大日方 絢
(72)【発明者】
【氏名】井奥 章
(72)【発明者】
【氏名】小林 悠一
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175FA01
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】相談や問い合わせをする相談者が、相談したい内容に対する相談者の気持ちや状態に合った、適切な対応先に相談や問い合わせをすることを可能にする。
【解決手段】相談者が操作する相談者端末から入力された、相談および/または問い合わせを受け付け、受け付けられた相談および/または問い合わせの中から、相談先および/または問い合わせ先となる1または複数の機関から得られた、過去の相談内容実績に基づく所定の関係にあるキーワードを抽出し、抽出したキーワードと、各機関における過去に受け付けた相談内容実績から抽出されたキーワードとに基づいて、機関ごとに、相談および/または問い合わせについての内容が明確であることを定量的に表す内容明確度を算出し、機関のうち、算出した内容明確度に応じて、相談および/または問い合わせの対応に適した機関を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、相談者からの問い合わせに対する支援を行う相談問い合わせ支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記相談者が操作する相談者端末から入力された、相談および/または問い合わせを受け付け、
受け付けられた前記相談および/または問い合わせの中から、相談先および/または問い合わせ先となる1または複数の機関から得られた、過去の相談内容実績に基づく所定の関係にあるキーワードを抽出し、
抽出した前記キーワードと、各機関における過去に受け付けた前記相談内容実績から抽出されたキーワードとに基づいて、前記機関ごとに、前記相談および/または問い合わせについての内容が明確であることを定量的に表す内容明確度を算出し、
前記機関のうち、算出した前記内容明確度に応じて、前記相談および/または問い合わせの対応に適した機関を出力する、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の相談問合せ支援システムであって、
前記プロセッサは、
抽出した前記キーワードが、過去に受け付けた相談内容から抽出されたキーワードに含まれている場合、抽出された前記キーワードと、キーワード間の共起関係を定めた共起データテーブルとに基づいて、前記明確度を算出する、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の相談問合せ支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記明確度が所定の条件を満たすか否かに応じて前記機関を絞り込み、当該絞り込みされた前記機関のうち、過去に対応した相談実績における前記キーワードの対応度を基に、前記適した機関を求める、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の相談問合せ支援システムであって、
前記プロセッサは、
受け付けられた前記相談および/または問い合わせに含まれる、感情を示す所定の情報を基に、前記相談者が持つ感情の種類と前記感情の種類ごとの感情の大きさを表す感情顕出度を算出し、
前記内容明確度と前記内容キーワードと前記感情顕出度とに基づいて、前記適した機関を求める、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の相談問合せ支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記適した機関に、前記受け付けられた前記相談および/または問い合わせを、画面インターフェースによる確認操作を介して、送信する、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項6】
請求項4に記載の相談問合せ支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記受け付けられた前記相談および/または問い合わせと、互いに似た境遇の相談者同士のコミュニティへの登録を希望する相談者である登録者に関する情報とに基づいて、前記受け付けられた前記相談および/または問い合わせを行った相談者と、前記明確度および前記感情顕出度が所定の条件を満たす前記登録者のアクセス先を提示する、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項7】
請求項6に記載の相談問合せ支援システムであって、
前記プロセッサは、
前記所定の条件を定めるための閾値を設定するための画面を表示装置に表示し、
前記表示装置に表示された前記画面から、前記閾値の設定または変更を受け付ける、
ことを特徴とする相談問合せ支援システム。
【請求項8】
プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、相談者からの問い合わせに対する支援を行う相談問い合わせ支援方法であって、
前記相談者が操作する相談者端末から入力された、相談および/または問い合わせを受け付け、
受け付けられた前記相談および/または問い合わせの中から、相談先および/または問い合わせ先となる1または複数の機関から得られた、過去の相談内容実績に基づく所定の関係にあるキーワードを抽出し、
抽出した前記キーワードと、各機関における過去に受け付けた前記相談内容実績から抽出されたキーワードとに基づいて、前記機関ごとに、前記相談および/または問い合わせについての内容が明確であることを定量的に表す内容明確度を算出し、
前記機関のうち、算出した前記内容明確度に応じて、前記相談および/または問い合わせの対応に適した機関を出力する、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【請求項9】
請求項8に記載の相談問合せ支援方法であって、
抽出した前記キーワードが、過去に受け付けた相談内容から抽出されたキーワードに含まれている場合、抽出された前記キーワードと、キーワード間の共起関係を定めた共起データテーブルとに基づいて、前記明確度を算出する、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【請求項10】
請求項8に記載の相談問合せ支援方法であって、
前記明確度が所定の条件を満たすか否かに応じて前記機関を絞り込み、当該絞り込みされた前記機関のうち、過去に対応した相談実績における前記キーワードの対応度を基に、前記適した機関を求める、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【請求項11】
請求項8に記載の相談問合せ支援方法であって、
受け付けられた前記相談および/または問い合わせに含まれる、感情を示す所定の情報を基に、前記相談者が持つ感情の種類と前記感情の種類ごとの感情の大きさを表す感情顕出度を算出し、
前記内容明確度と前記内容キーワードと前記感情顕出度とに基づいて、前記適した機関を求める、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【請求項12】
請求項8に記載の相談問合せ支援方法であって、
前記適した機関に、前記受け付けられた前記相談および/または問い合わせを、画面インターフェースによる確認操作を介して、送信する、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【請求項13】
請求項11に記載の相談問合せ支援方法であって、
前記受け付けられた前記相談および/または問い合わせと、互いに似た境遇の相談者同士のコミュニティへの登録を希望する相談者である登録者に関する情報とに基づいて、前記受け付けられた前記相談および/または問い合わせを行った相談者と、前記明確度および前記感情顕出度が所定の条件を満たす前記登録者のアクセス先を提示する、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【請求項14】
請求項13に記載の相談問合せ支援方法であって、
前記所定の条件を定めるための閾値を設定するための画面を表示装置に表示し、
前記表示装置に表示された前記画面から、前記閾値の設定または変更を受け付ける、
ことを特徴とする相談問合せ支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相談や問い合わせに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
自治体や行政機関、各種サービスを提供する民間事業者において、相談や問い合わせの窓口が設けられており、何か困りごとや問い合わせたいこと、質問や疑問を持つ、市民や法人をはじめとした相談者から、各種相談や問い合わせを受け付けている。一方で、相談者は、どの機関や窓口に、相談や問い合わせをすればよいかわからない場合がある。
【0003】
そこで、相談者が適切な相談先を検索できる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この公報には、「登録されている専門家の名称及び住所(地域)と、専門家が保有している資格と、対応可能な相談内容カテゴリーとを少なくとも記憶した専門家情報記憶手段と、相談者に対して、相談者が相談を希望する専門家の地域と相談内容カテゴリーとを一つの画面内に表示した検索画面を上記相談者端末に表示させ、相談者から選択された地域に属し、かつ、当該相談内容カテゴリーが登録されている専門家を、上記専門家情報記憶手段を検索して一覧表示する検索処理手段と、上記一覧表示された専門家の中から、相談者により選択された専門家に対して、相談内容を入力する相談内容入力画面を表示させ、入力された相談内容を専門家端末に送信する送受信処理手段と、を有する」という記載がある。
【0005】
本技術によれば、相談者が容易に専門家を検索し、その中から適切な専門家を選択できるという効果を期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、相談したい悩みや問い合わせたい疑問点のカテゴリが同じであっても、人によって相談したい内容に対する気持ちや状態が異なることにより、適切な対応方法が異なる場合があり、従来の技術ではその点を考慮できない。
【0008】
例えば、育児に関する悩みを持っている人が複数いるとき、「家事を効率よく行う具体的な方法を知りたい」と具体的に知りたい情報が明確である人もいれば、「悩んでいるが、自分でも状況がよくわからない」と何をすればよいかまったくわからない場合や、「誰かと気持ちを共有することで前向きな気持ちになりたい」と共感し合える人を見つけたい場合がある。このように、相談したい内容のカテゴリは「育児」で共通していても、それに対する気持ちや状態が異なると、何かしらの情報を提供するのがよいのか、丁寧なカウンセリングをするのがよいのか、もしくはコミュニティを紹介するのがよいか等、適切な対応方法は異なってくる。
【0009】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、相談や問い合わせをする相談者が、相談したい内容に対する相談者の気持ちや状態を考慮した、適切な対応先に相談や問い合わせをすることを可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る相談問合せ支援システムは、プロセッサとメモリとを有したコンピュータにより、相談者からの問い合わせに対する支援を行う相談問い合わせ支援システムであって、前記プロセッサは、前記相談者が操作する相談者端末から入力された、相談および/または問い合わせを受け付け、受け付けられた前記相談および/または問い合わせの中から、相談先および/または問い合わせ先となる1または複数の機関から得られた、過去の相談内容実績に基づく所定の関係にあるキーワードを抽出し、抽出した前記キーワードと、各機関における過去に受け付けた前記相談内容実績から抽出されたキーワードとに基づいて、前記機関ごとに、前記相談および/または問い合わせについての内容が明確であることを定量的に表す内容明確度を算出し、前記機関のうち、算出した前記内容明確度に応じて、前記相談および/または問い合わせの対応に適した機関を出力する、ことを特徴とする相談問合せ支援システムとして構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、相談や問い合わせをする相談者が、相談したい内容に対する相談者の気持ちや状態を考慮した、適切な対応先に相談や問い合わせをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例1及び実施例2における、相談問合せ支援システムの全体構成例を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施例における相談者端末のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図3】本発明の実施例における職員端末のハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図4A】本発明の実施例1における対応先算出サーバのハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図4B】本発明の実施例1における対応先算出サーバの相談情報記憶装置に記憶される相談者相談情報データテーブルの内容例を示す図。
【
図5】本発明の実施例1における機関サーバのハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図6A】本発明の実施例における対応先算出サーバの機関情報DBに記憶される機関情報データテーブルの内容例を示す図。
【
図6B】本発明の実施例における対応先算出サーバの内容キーワードDBに記憶される内容キーワードデータテーブルの内容例を示す図。
【
図7】本発明の実施例における機関サーバの相談実績DBに記憶される相談内容実績データテーブルの内容例を示す図。
【
図8】本発明の実施例における機関サーバの集計情報DBに記憶される実績キーワードデータテーブルの内容例を示す図。
【
図9】本発明の実施例における機関サーバの集計情報DBに記憶される共起データテーブルの内容例を示す図。
【
図10】本発明の実施例1における、相談問合せ支援システムの一連のシーケンスの一例を示すシーケンス図。
【
図11】本発明の実施例における、内容キーワード確認画面の構成例を示す図。
【
図12】本発明の実施例における、対応先算出サーバが内容明確度を算出するステップにおけるフローを示すフロー図。
【
図13】本発明の実施例1における、対応先算出サーバが相談や問い合わせの対応をする最適な機関を算出するステップにおけるフローを示すフロー図。
【
図14】本発明の実施例における、結果確認画面の構成例を示す図。
【
図15A】本発明の実施例2における対応先算出サーバのハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図15B】本発明の実施例2における対応先算出サーバの相談情報記憶装置に記憶される相談者相談情報データテーブルの内容例を示す図。
【
図16】本発明の実施例2における機関サーバのハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図17】本発明の実施例2における機関サーバの集積情報DBに記憶される実績感情キーワードデータテーブルの内容例を示す図。
【
図18】本発明の実施例2における、相談問合せ支援システムの一連のシーケンスの一例を示すシーケンス図。
【
図19】本発明の実施例2における、感情顕出度確認画面の構成例を示す図。
【
図20】本発明の実施例2における、対応先算出サーバが相談や問い合わせの対応をする適切な機関を算出するステップにおけるフローを示すフロー図。
【
図21】本発明の実施例2における、相談者情報送信画面の構成例を示す図。
【
図22】本発明の実施例3における、相談問合せ支援システムの全体構成例を示すブロック図。
【
図23】本発明の実施例3における、対応先算出サーバのハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図24】本発明の実施例3における、コミュニティ形成支援サーバのハードウェア構成例を示すブロック図。
【
図25】本発明の実施例3におけるコミュニティ形成支援サーバの登録者情報DBに記憶される登録者情報データテーブルの内容例を示す図。
【
図26】本発明の実施例3における、相談問合せ支援システムの、コミュニティ形成の支援に関連するシーケンスの一例を示すシーケンス図。
【
図27】本発明の実施例3における、閾値設定画面の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0014】
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。
【0015】
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲等は、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲等を表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲等に限定されない。
【0016】
また、本実施例の構成は、単体のコンピュータで構成してもよいし、あるいは、入力装置、出力装置、処理装置、記憶装置の任意の部分が、ネットワークで接続された他のコンピュータで構成されてもよい。また、本実施例中、ソフトウェアで構成した機能と同等の機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアでも実現できる。
【0017】
また、以下の実施例では、複数のサーバや端末といったコンピュータを有したシステムを例示するが、1または複数の機能が、1または複数のコンピュータにより構成されたり、これらの機能の全部または一部が、クラウドのような1または複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して互いに通信することにより同様の機能を実現してもよい。例えば、対応先算出サーバが有する機能の全部または一部を、機関サーバが有していてもよいし、機関サーバが有する機能の全部または一部を、対応先算出サーバが有していてもよい。このような変形は、本システムが使用される環境等に応じて、適宜組み合わせて構成してよい。
【実施例0018】
本実施例では、相談や問い合わせをしたい相談者がいたときに、相談者の状態を加味して適切な相談先や問い合わせ先となる機関を算出し、提示する、相談問合せ支援システムを説明する。なお、以降より、相談や問い合わせの内容を「相談内容」、相談先や問い合わせ先のことを「対応先」と呼ぶ。また「機関」は、行政機関や事業組織の単位に限定されず、機関内の部署や窓口単位でもよい。
【0019】
図1は、本発明を適用する相談問合せ支援システム1の全体構成例を示すブロック図である。
相談問合せ支援システム1は、相談者端末101、職員端末102、対応先算出サーバ103、機関サーバ104から構成されるサービスシステムである。相談者端末101、職員端末102、対応先算出サーバ103は、インターネット等のネットワーク105を介して通信可能に接続されている。また、対応先算出サーバ103、機関サーバ104は、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して通信可能に接続されている。
【0020】
図2は、相談者端末101のハードウェア構成例を示すブロック図である。相談者端末の利用主体は、市民や法人等、何かしらの悩みごとや疑問点を抱えており、相談や問い合わせを実施しようとする者である。相談内容を入力する、対応先を決定する、等の目的での利用を想定する。以後、本明細書では、相談者端末の利用主体を、「相談者」と呼ぶ。
【0021】
相談者端末101は、一般的なコンピュータにより実現でき、プロセッサ201、ネットワークインターフェース202、入力インターフェース203、出力インターフェース204、テキスト変換プログラム205等を具備する。各部はBUS(バス)206等により接続されている。
【0022】
プロセッサ201は、CPU等で構成され、各プログラムを実行する。プロセッサ201は入力インターフェース203からの入力情報を受け付け、出力インターフェース204へ出力情報を送出する。なお、各プログラムの機能は、LSI等のハードウェアにより実現してもよい。これは、後述の職員端末102のプロセッサ301や対応先算出サーバ103のプロセッサ401、及び機関サーバ104のプロセッサ501も同様である。
【0023】
ネットワークインターフェース202は、プロセッサ201により転送されたIPパケットを、インターネット等のネットワーク105を介して職員端末102に送信する。また、ネットワークインターフェース202は、インターネット等のネットワーク105を介して相談者端末101が受信したIPパケットを、プロセッサ201に転送する。
【0024】
ネットワークインターフェース202は、例えばネットワークカード等で構成される。これは、後述の職員端末102のネットワークインターフェース302や対応先算出サーバ103のネットワークインターフェース402、及び機関サーバ104のネットワークインターフェース502も同様である。
【0025】
入力インターフェース203は、外部からの入力をプロセッサ201に伝えるものであり、キーボードやマウス、マイクロフォン等で構成される。
【0026】
出力インターフェース204は、プロセッサ201からの情報を外部に出力するものであり、ディスプレイやプリンタ等で構成される。
【0027】
テキスト変換プログラム205は、入力インターフェースが音声データを受け付けた場合、テキスト情報に変換する。
【0028】
図3は、職員端末102のハードウェア構成例を示すブロック図である。
職員端末102の利用主体は、相談者に対して、どこの機関に相談や問い合わせをすればよいかを提示する、自治体や民間企業等の職員である。閾値を設定する、対応先算出サーバ103に、相談者端末101から受信した情報を送信する、相談者端末101に、対応先算出サーバ103から受信した情報を送信する、対応先算出サーバ103から受信した情報や、決定した機関に送信する相談者情報の内容を確認する、等の目的での利用を想定する。以降、本明細書では、職員端末102の利用主体を、「職員」と呼ぶ。
【0029】
職員端末102は、一般的なコンピュータにより実現でき、プロセッサ301、ネットワークインターフェース302、入力インターフェース303、出力インターフェース304等を具備する。各部はBUS(バス)306等により接続されている。
【0030】
プロセッサ301は、CPU等で構成され、各プログラムを実行する。プロセッサ301は入力インターフェース303からの入力情報を受け付け、出力インターフェース304へ出力情報を送出する。
【0031】
ネットワークインターフェース302は、プロセッサ301により転送されたIPパケットを、インターネット等のネットワーク105を介して相談者端末101、対応先算出サーバ103に送信する。また、ネットワークインターフェース302は、インターネット等のネットワーク105を介して職員端末102が受信したIPパケットを、プロセッサ301に転送する。
【0032】
入力インターフェース303は、外部からの入力をプロセッサ301に伝えるものであり、キーボードやマウス等で構成される。
【0033】
出力インターフェース304は、プロセッサ301からの情報を外部に出力するものであり、ディスプレイやプリンタ等で構成される。
【0034】
図4Aは、対応先算出サーバ103のハードウェア構成例を示すブロック図である。
対応先算出サーバ103は、一般的なサーバ装置により実現でき、プロセッサ401、ネットワークインターフェース402、ウェブサービス提供プログラム403、相談者情報登録プログラム404、相談者情報記憶装置405、内容キーワード抽出プログラム406、相談実績情報検索プログラム407、相談実績情報記憶装置408、内容明確度算出プログラム409、対応先算出プログラム410、機関情報登録プログラム411、内容キーワードデータベース412(以降、データベースをDBと呼ぶ)、機関情報DB413等を具備する。各部はBUS(バス)414等により接続されている。なお、内容キーワードDB412及び機関情報DB413は対応先算出サーバ103と分離し、対応先算出サーバ103の外部に存在していてもよい。
【0035】
また、
図4Aに示す各要素は、物理的に分離している必要はなく、一つの要素が他を兼ねてもよい。また、一般的なサーバが備える、入力装置、出力装置等は特に
図4Aには示していない。これらは、
図5に示す後述の機関サーバ104も同様である。
【0036】
プロセッサ401は、CPU等で構成され、各プログラムを実行する。
【0037】
ネットワークインターフェース402は、プロセッサ401により転送されたIPパケットを、インターネット等のネットワーク105を介して相談者端末101、職員端末102に、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して機関サーバ104に送信する。また、ネットワークインターフェース402は、インターネット等のネットワーク105や、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して対応先算出サーバ103が受信したIPパケットをプロセッサ401に転送する。
【0038】
ウェブサービス提供プログラム403は、インターネット等のネットワーク105を介して相談者端末101、職員端末102に、ウェブブラウザ上で表示可能なフォーマット、例えばhtml、で記述されたデータや、XMLやJSON等のフォーマットで記述されたデータを送信する。また、ウェブサービス提供プログラム403は、相談者端末101、職員端末102のウェブブラウザ上での操作内容等の情報をインターネット等のネットワーク105を介して受信し、受信した情報を基に相談者情報登録プログラム404、相談者情報記憶装置405、内容キーワード抽出プログラム406、相談実績情報検索プログラム407、相談実績情報記憶プログラム408、等での処理を実行する。ウェブサービス提供プログラム403は、例えば上記のウェブサービス機能を有するプログラムである。
【0039】
相談者情報登録プログラム404は、相談者端末101や職員端末102のウェブブラウザ上での操作内容等の情報をインターネット等のネットワーク105を介して受信し、受信した情報や、内容キーワード抽出プログラム406等が抽出処理した情報を基に、相談者及び相談内容に関する情報(以降、相談者相談情報)を相談者情報記憶装置405に登録する機能を持つプログラムである。
【0040】
相談者情報記憶装置405は、相談者情報登録プログラム404によって登録された、相談者相談情報の一部または全部を記憶するものである。なお、相談者情報記憶装置405は、記憶するデータの大きさやフォーマット等に応じて、それぞれ異なる記憶方式を備えた複数の記憶装置により構成されていてもよい。これは、後述の相談実績情報記憶装置408も同様である。
【0041】
内容キーワード抽出プログラム406は、インターネット等のネットワーク105を介して受信した、相談者端末101及び職員端末102のウェブブラウザ上での操作内容等の情報と、内容キーワードDB412に記憶されている情報を基に、相談者の相談内容から内容キーワードを抽出する処理を行う機能を有するプログラムである。内容キーワードは、相談者の相談内容の特徴的な文言等、相談内容についてのキーとなる情報である。
【0042】
相談実績情報検索プログラム407は、職員端末102から相談実績情報検索依頼の要求をインターネット等のネットワーク105を介して受信し、内容キーワード抽出プログラム406で処理した情報を基に、すべての機関サーバ104に、相談実績情報の検索を要求し、機関サーバ104から受信した検索結果の情報を基に、相談者相談情報と関連のある各機関の相談実績に関する情報を、相談実績情報記憶装置408に登録する機能を有するプログラムである。
【0043】
相談実績情報記憶装置408は、相談実績情報検索プログラム407によって登録された、各機関の相談実績に関する情報の一部または全部を記憶するものである。
【0044】
内容明確度算出プログラム409は、相談者情報記憶装置405及び相談実績情報記憶装置408に登録されている情報を基に、内容明確度を算出する機能を持つプログラムである。ここで、内容明確度とは、「相談者の知りたい情報がどのくらい明確か」を定量的に表すための値である。
【0045】
対応先算出プログラム410は、相談者情報記憶装置405、相談実績情報記憶装置408及び機関情報DB413に登録されている情報と、内容明確度算出プログラム409が算出した情報を基に、相談者端末101の相談者に適する対応先を算出する機能を持つプログラムである。
【0046】
機関情報登録プログラム411は、機関サーバ104からインターネットや専用線等のネットワーク106を介して受信した情報を基に、各機関の情報を、内容キーワードDB412及び機関情報DB413に登録する機能を持つプログラムである。
【0047】
内容キーワードDB412は、機関情報登録プログラム411によって登録された、各機関の内容キーワードに関する情報の一部または全部を記憶するものである。各機関の内容キーワードに追加があり、かつ追加された内容キーワードが内容キーワードDB412内に含まれない場合に、内容キーワードDB412に新しい内容キーワードとして、当該内容キーワードに関する情報が追加される。また、内容キーワードは、該当の内容キーワードを抽出した相談内容のカテゴリと紐づけられて記憶される。
【0048】
機関情報DB413は、機関情報登録プログラム411によって登録された、各機関の情報の一部または全部を記憶するものである。
【0049】
図4Bは、対応先算出サーバ103の相談者情報記憶装置405に記憶される相談者相談情報データテーブル4101の内容例を示す図である。
相談者相談情報データテーブル4101は、受付IDカラム4102、氏名カラム4103、連絡先カラム4104、相談内容カラム4105、内容キーワードカラム4106、カテゴリカラム4107、内容明確度カラム4108等により構成される。
【0050】
受付IDカラム4102は、対応先算出サーバ103が受け付けた相談を一意に特定することが可能な情報が記憶される。
【0051】
氏名カラム4103は、相談者の氏名が記憶される。
【0052】
連絡先カラム4104は、相談者の連絡先が記憶される。連絡先は、例えば、住所や電話番号、メールアドレス等がある。
【0053】
相談内容カラム4105は、相談者の相談内容が記憶される。
【0054】
内容キーワードカラム4106は、相談者の相談内容を基に、内容キーワード抽出プログラム406が抽出した内容キーワードが記憶される。
【0055】
カテゴリカラム4107は、内容キーワードDB412において、抽出した内容キーワードと紐づくカテゴリが記憶される。
【0056】
内容明確度カラム4108は、内容明確度算出プログラム409が算出した内容明確度が記憶される。
【0057】
受付IDカラム4102、氏名カラム4103、連絡先カラム4104、相談内容カラム4105の内容は、相談者から相談内容を受付けた際に登録される。内容キーワードカラム4106、カテゴリカラム4107、内容明確度4108の内容は、内容キーワード抽出や内容明確度算出等の各処理を実行した後に登録され、内容キーワードカラム4106の内容は必要に応じて更新や追加がなされる。
【0058】
図5は、機関サーバ104のハードウェアの構成例を示すブロック図である。機関サーバ104は、相談や問い合わせに対応する機関ごとに設置されていてもよいし、機関の部署や窓口ごとに設置されていてもよい。
【0059】
機関サーバ104は、一般的なサーバ装置により実現でき、プロセッサ501、ネットワークインターフェース502、DB検索プログラム503、相談実績登録プログラム504、キーワード抽出プログラム505、共起関係抽出プログラム506、対応度算出プログラム507、内容キーワード更新プログラム508、機関情報更新プログラム509、相談実績DB510、集計情報DB511を具備する。各部はBUS(バス)512等により接続されている。なお、相談実績DB510及び集計情報DB511は機関サーバ104と分離し、機関算出サーバ104の外部に存在していてもよい。
【0060】
プロセッサ501は、CPU等で構成され、各プログラムを実行する。
【0061】
ネットワークインターフェース502は、プロセッサ501により転送されたIPパケットを、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して対応先算出サーバ103に送信する。また、ネットワークインターフェース502は、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して対応先算出サーバ103から受信したIPパケットを、プロセッサ501に転送する。
【0062】
DB検索プログラム503は、対応先算出サーバ103からインターネットや専用線等のネットワーク106を介して、相談実績情報検索の要求を受信し、相談実績DB510内や集計情報DB511内の情報を検索する機能を有するプログラムである。
【0063】
相談実績登録プログラム504は、機関サーバ104が直接入力を受け付けた、相談内容に関する情報や、当該機関が対応先として決定した際に、対応先算出サーバ103からインターネットや専用線等のネットワーク106を介して受信した、対応する相談内容に関する情報を、相談実績DB510内に登録する機能を有するプログラムである。
【0064】
キーワード抽出プログラム505は、相談実績DB510内に登録されている相談内容のうち、内容キーワードが抽出されていない相談内容について、内容キーワードを抽出し、抽出した内容キーワードに関する情報が相談実績DB510内に登録されていない場合に、相談実績DB510内に登録する機能を有するプログラムである。抽出した内容キーワードに関する情報が相談実績DB510内に登録されていない場合とは、例えば、対応先算出サーバ103を経由せずに、機関サーバ104が、直接、相談内容に関する情報の入力を受け付けた場合が挙げられる。
【0065】
共起関係抽出プログラム506は、相談実績DB510内の情報を基に、内容キーワード同士の共起関係を判断し、判断結果を基に、集計情報DB511内に登録する機能を有するプログラムである。ここでいう内容キーワード同士の共起関係は、双方の内容キーワードが1件の相談内容に含まれているか否かから判断し、双方の内容キーワードを含む相談内容が1件でもあれば共起関係がある、1件もなければ共起関係がないとする。なお、共起関係を判断する閾値の件数について、1件を例に挙げたが、これに限定されず、各機関で設定してもよい。
【0066】
対応度算出プログラム507は、相談実績DB510内の情報を基に、各内容キーワードの対応度を算出し、集計情報DB511内に登録する機能を有するプログラムである。内容キーワードは、内容キーワードの対応度は、内容キーワードごとに、該当機関の機関サーバ104内の相談実績DB510内に記憶されているすべての相談件数に対して、該当の内容キーワードを含む相談の相談件数の割合を求めることで算出する。すなわち、内容キーワードの対応度は、過去に内容キーワードを含む相談や問い合わせを受けた機関が、過去の全ての相談や問い合わせに対して、当該内容キーワードを含む相談や問い合わせを、どの程度の頻度、回数、割合等で対応したのかを示す指標である。
【0067】
内容キーワード更新プログラム508は、集計情報DB511内の情報と、対応先算出サーバ103内の内容キーワードDB412の情報更新依頼を、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して、対応先算出サーバ103に送信する機能を有するプログラムである。
【0068】
機関情報更新プログラム509は、相談実績DB510内に登録されている相談内容に関する情報と、対応先算出サーバ103内の機関情報DB413の情報更新依頼を基に、インターネットや専用線等のネットワーク106を介して、対応先算出サーバ103に送信する機能を有するプログラムである。
【0069】
相談実績DB510は、相談実績登録プログラム504及びキーワード抽出プログラム505によって登録された、当該機関が過去に対応した相談実績に関する情報の一部または全部を記憶するものである。
【0070】
集計情報DB511は、相談実績DB510内の情報を基に、共起関係抽出プログラム506や対応度算出プログラム507によって処理された情報の一部または全部を記憶するものである。
【0071】
図6Aは、対応先算出サーバ103の機関情報DB413に記憶される機関情報データテーブル601の内容例を示す図である。
機関情報データテーブル601は、機関IDカラム602、機関名カラム603、カテゴリカラム604、主な対応種類カラム605等により構成される。
【0072】
機関IDカラム602は、相談や問い合わせを受け付ける機関を一意に特定することが可能な情報が記憶される。
【0073】
機関名カラム603は、機関の名称が記憶される。
【0074】
カテゴリカラム604は、機関が受け付ける相談や問い合わせのカテゴリが記憶される。なお、このカテゴリは1つの機関に対して複数登録されていてもよい。
【0075】
主な対応種類カラム605は、機関が最も多くしている対応の種類が記憶される。例えば、情報やサービスを提供する対応が最も多い場合は「情報提供」、カウンセリングを実施する対応が最も多い場合は「カウンセリング」等が記憶される。
【0076】
図6Bは、対応先算出サーバ103の内容キーワードDB412に記憶される内容キーワードデータテーブル611の内容例を示す図である。
内容キーワードデータテーブル611は、内容キーワードカラム612、カテゴリカラム613等により構成される。
【0077】
内容キーワードカラム612は、内容キーワードの名称が記憶される。
【0078】
カテゴリカラム613は、該当の内容キーワードが抽出された相談内容のカテゴリが記憶される。このカテゴリは、各内容キーワードが抽出された相談内容について、対応先機関が相談対応をした後に最終的に判断したカテゴリである。なお、このカテゴリは1つの内容キーワードに対して複数登録されていてもよい。
【0079】
対応先算出サーバ103は、各機関サーバ104から、更新された機関情報を受信すると、機関情報登録プログラム411が内容キーワードデータテーブル611に情報を登録する。その際、各機関サーバ104から受信した内容キーワードに関する情報が内容キーワードカラム612に含まれていない場合、該当の内容キーワードに関する情報を内容キーワードカラム612及びカテゴリカラム613に新たに登録する。また、各機関サーバ104から受信した内容キーワードについて、既に内容キーワードカラム612には含まれているが、紐づくカテゴリが該当の内容キーワードに対応するカテゴリとしてカテゴリカラム613に含まれていない場合、そのカテゴリを、該当する内容キーワードに対応するカテゴリとしてカテゴリカラム613に新たに登録する。
【0080】
図7は、機関サーバ104の相談実績DB510に記憶される相談内容実績データテーブル701の内容例を示す図である。
相談内容実績データテーブル701は、相談IDカラム702、相談内容カラム703、内容キーワードカラム704、カテゴリカラム705、対応内容カラム706、対応種類カラム707等により構成される。
【0081】
相談IDカラム702は、当該機関で過去に対応した相談を一意に特定することが可能な情報が記憶される。
【0082】
相談内容カラム703は、当該機関で過去に対応した相談の相談内容に関するテキストが記憶される。
【0083】
内容キーワードカラム704は、相談内容から抽出された内容キーワードが記憶される。内容キーワードは複数記憶されていてもよい。
【0084】
カテゴリカラム705は、相談内容のカテゴリが記憶される。カテゴリは複数記憶されていてもよい。
【0085】
対応内容カラム706は、当該機関が相談に対して実施した対応の内容が記憶される。
【0086】
対応種類カラム707は、対応内容の種類が記憶される。
【0087】
図8は、機関サーバ104の集計情報DB511に記憶される実績キーワードデータテーブル801の内容例を示す図である。
実績キーワードデータテーブル801は、キーワードカラム802、対応度カラム803等により構成される。
【0088】
キーワードカラム802は、当該機関が過去に受け付けた相談内容から抽出された内容キーワードが記憶される。
【0089】
対応度カラム803は、内容キーワードの対応度が記憶される。
【0090】
図9は、機関サーバ104の集計情報DB511に記憶される共起データテーブル901の内容例を示す図である。
共起データテーブル901は、エッジIDカラム902、内容キーワード1カラム903、内容キーワード2カラム904等により構成される。
【0091】
エッジIDカラム902は、2つの内容キーワードの組合せを一意に特定することが可能な情報が記憶される。
【0092】
内容キーワード1カラム903は、内容キーワードが記憶される。
【0093】
内容キーワード2カラム904は、該当する行の内容キーワード1カラムに記憶されている内容キーワードと共起関係にある内容キーワードが記憶される。
【0094】
図10は、相談者端末101が、相談者から相談内容に関する入力を受け付け、入力情報を、職員端末102に送信するところから、対応先算出サーバ103が、最終的な対応先として選択された機関の機関サーバ104に、相談者相談情報を送信するまでの一連のシーケンス1001の一例を示すシーケンス図である。
【0095】
まず、相談者端末101が、相談者から、相談者に関する情報と、相談内容の入力を受け付け、入力された情報を職員端末102に送信する(s1001)。ここで、入力を受け付ける相談内容の形式は、テキストや音声データ等を想定する。なお、入力が音声データの場合は、テキストに変換した後、職員端末102に送信する。
【0096】
職員端末102は、相談者端末101から受信した情報を画面に出力し、相談者端末101から受信した情報と、処理依頼の要求を対応先算出サーバ103に送信する(s1002)。
【0097】
対応先算出サーバ103は、職員端末102から受信した相談内容の情報から、相談内容に関わる内容キーワードを抽出し(s1003)、抽出した内容キーワードを含む、相談者及び相談内容に関する情報(相談者相談情報)を相談者情報記憶装置405に登録する。
【0098】
内容キーワードを抽出する方法の例として、内容キーワードDB412内に記憶されている内容キーワードデータテーブル611を参照し、内容キーワードデータテーブル611に記憶されている内容キーワードと一致したキーワードを抽出する、または、自然言語処理技術によって、相談内容を特徴づけるキーワードを抽出する等の方法がある。なお、対応先算出サーバ103は、内容キーワードを抽出した後、内容キーワードDB412の内容キーワードデータテーブル611を参照し、抽出した内容キーワード(例えば、育児、家事)と紐づくカテゴリ(例えば、育児)を取得し、最も多くの抽出した内容キーワードと紐づくカテゴリ(例えば、育児)に紐づいている、他の内容キーワード(例えば、保育園)を、内容キーワードに関する情報として合わせて取得する。なお、上記では、他の内容キーワードを取得するときに用いるカテゴリの例として、最も多くの内容キーワードに紐づくカテゴリとしたが、必ずしも「最も多く」に限定されず、閾値を設定し、ある閾値以上の数の内容キーワードと紐づくカテゴリとしてもよい。
【0099】
対応先算出サーバ103は、s1003で抽出した内容キーワードに関する情報を職員端末102に送信し、職員端末102は、受信した内容キーワードとそのカテゴリ、最も多いカテゴリに含まれる他の内容キーワードを画面に出力する(s1004)。
【0100】
職員端末102は、職員端末102の職員から確認を受け付けた後、内容キーワードと、最も多いカテゴリに含まれる他の内容キーワードに関する情報を相談者端末101に送信し、相談者端末101は受信した情報を基に出力する(s1005)。この際に、内容キーワードの追加を受け付ける旨を出力し、相談者に内容キーワードの追加の意思があれば、追加の入力を受け付け、入力された情報を職員端末102に送信する(s1006)。
【0101】
図11は、相談者端末101が、対応先算出サーバ103から、職員端末102を介して受信する、内容キーワードと、他の内容キーワードに関する情報を、出力インターフェース204において相談者端末101の相談者に提示し、内容キーワードの確認と追加の入力を受け付ける内容キーワード確認画面1101の構成例を示す。
【0102】
内容キーワード確認画面1101は、ウェブブラウザ等のウィンドウ上に表示される。内容キーワード確認画面1101は、現在の内容キーワードエリア1102、他の内容キーワード選択エリア1103、OKボタン1104等が配置される。
【0103】
現在の内容キーワードエリア1102には、対応先算出サーバ103が相談内容から抽出した内容キーワードが表示される。
【0104】
他の内容キーワード選択エリア1103には、抽出した内容キーワードと最も多く紐づくカテゴリに含まれる、他の内容キーワードが表示される。相談者が、他の内容キーワード選択エリア1103に表示されている内容キーワードを追加したい場合、該当の内容キーワードのチェックボックスにチェックを入れる等の方法により、内容キーワードの追加の入力を受け付ける。なお、内容キーワードの追加の入力を受け付ける方法は、チェックボックスへのチェック以外でも構わない。
【0105】
相談者は、現在の内容キーワードエリア1102に表示された内容キーワードを確認し、内容キーワードの追加がある場合は、他の内容キーワード選択エリア1103に入力し、その後、OKボタン1104を押下する(s1006)。
【0106】
図10に戻る。職員端末102は、相談者端末101が追加の入力を受け付けた内容キーワードを画面に出力し、相談者に適する機関を算出する際に用いる閾値0及び閾値1の入力を受け付ける。職員端末102は、入力を受け付けた閾値と、対応先算出依頼の要求、そしてs1006で内容キーワードの追加入力を受け付けた場合は、受け付けた内容キーワードに関する情報とを対応先算出サーバ103に送信する(s1007)。
【0107】
対応先算出サーバ103は、職員端末102から、追加入力を受け付けた内容キーワードに関する情報を受信した場合は、当該情報を相談者相談情報として相談者情報記憶装置405に追加で登録する。
図4Bでは、新たに「保育園」が内容キーワードとして追加登録されている。また、対応先算出サーバ103は、相談者の内容キーワードに関する情報と、相談実績情報検索依頼の要求を、各機関の機関サーバ104A,104B,…に送信する(s1008)。
【0108】
検索依頼の要求を受信した各機関の機関サーバ104A,104B,…は、受信した内容キーワードに関する情報を基に、集計情報DB511内を検索する(s1009)。具体的には、まず、受信した内容キーワードの一部または全部が実績キーワードデータテーブル801に含まれているか否かを調べる。含まれている場合は、各機関の機関サーバ104A,104B,…は、実績キーワードデータテーブル801及び共起データテーブル901に記憶されている、当該内容キーワードの対応度や当該内容キーワード間の共起に関する情報を取得する。その後、各機関の機関サーバ104A,104B,…は、検索結果と、取得した情報を対応先算出サーバ103に送信する(s1010)。
【0109】
機関サーバ104A,104B,…から、各機関の相談実績の検索結果を受信した対応先算出サーバ103は、受信した情報を基に、相談実績情報記憶装置408に記憶し、相談実績情報記憶装置408内の情報を基に内容明確度を算出する(s1011)。
【0110】
ここで、内容明確度を算出する方法を、
図12のフロー図を用いて説明する。
まず、対応先算出サーバ103は、機関サーバ104A,104B,…の利用主体である機関ごとに、s1010で当該機関の機関サーバ104から受信した、相談者の相談内容の内容キーワード間の共起に関する情報を基に、当該内容キーワード同士を結ぶエッジの本数を取得する(f1201)。ここでエッジの本数は、以下の方法で算出できる。対応先算出サーバ103は、例えば、共起データテーブル901において、内容キーワード1カラム903の値と内容キーワード2カラム904の値の両方が、相談者の相談内容の内容キーワードに含まれるレコード数を数えることで取得できる。
【0111】
次に、対応先算出サーバ103は、f1201で機関ごとに取得したエッジの本数が一番多い機関のエッジの本数を、最大エッジ本数として取得する(f1202)。
【0112】
また、対応先算出サーバ103は、相談者情報記憶装置405に記憶されている、相談者の相談内容の内容キーワードの数を基に、限界エッジ本数を算出する(f1203)。ここで、限界エッジ本数とは、相談者の相談内容のすべての内容キーワードが互いに結ばれているときのエッジの本数を指し、相談者の相談内容の内容キーワードの数をNとすると、限界エッジ本数はN(N-1)/2本と計算できる。
【0113】
そして、対応先算出サーバ103は、f1202で算出した最大エッジ本数と、f1203で算出した限界エッジ本数を基に、内容明確度を算出する(f1204)。具体的には、対応先算出サーバ103は、限界エッジ本数に対する最大エッジ本数の割合を計算する。
【0114】
再び
図10に戻る。対応先算出サーバ103は、s1011で内容明確度を算出した後、内容明確度の値と内容キーワードに関する情報を基に、相談者の対応先として適切な機関を算出する(s1012)。
【0115】
ここで、相談者の対応先として適切な機関を算出する方法を、
図13のフロー図を用いて説明する。
まず、対応先算出サーバ103は、s1011で算出した内容明確度が、s1007で設定した閾値0より大きいか否かを判断する(f1301)。閾値0は、内容明確度が一定の基準を満たしている、すなわち相談者の相談内容が一定程度明確であり、その結果、例えば、カウンセリングよりも情報提供の方がよい、あるいは、相談者の相談内容が一定程度明確でなく、情報提供よりもカウンセリングの方がよい、と判断するための基準である。判断結果がYesの場合は、対応先算出サーバ103は、s1011のf1201で機関ごとに取得したエッジの本数が、s1007で設定した閾値1に限界エッジ本数をかけた値以上である機関の機関名を取得する(f1302)。閾値1は、エッジ本数の閾値であり、当該閾値以上である機関は、一定程度、上記相談者の相談内容への対応実績があり、一定以上の経験が蓄積されている機関である、と判断するための基準である。
【0116】
一方で、f1301の判断結果がNoの場合、対応先算出サーバ103は、機関情報DB413の機関情報データテーブル601を参照し、相談者の相談内容の内容キーワードと紐づくカテゴリのいずれかがカテゴリカラム604に含まれており、かつ主な対応種類カラム605の値が、「情報やサービス等の具体的な解決方法を提供すること」を意味する種類である機関を抽出し、取得する(f1303)。ここで、「情報やサービスを提供すること」を意味する種類として、
図6Aで記載している「情報提供」の他に、料理を時短するためのサービス等、具体的なサービスを提供している「サービス提供」といった種類も想定されるが、これらはあらかじめ「情報やサービス等の具体的な解決方法を提供すること」と紐づけておく。
【0117】
次に、対応先算出サーバ103は、f1302やf1303で取得した機関が複数あるか判断する(f1304)。
【0118】
f1304の判断結果がYesの場合は、対応先算出サーバ103は、相談実績情報記憶装置408内に記憶されている情報を基に、f1302やf1303で取得した機関ごとに、内容キーワードの平均対応度を算出する(f1305)。なお、対応先算出サーバ103は、平均対応度を、各内容キーワードの対応度の平均値をとる等の方法で算出する。対応先算出サーバ103は、この際に、対応度の情報がない内容キーワード、すなわち当該機関の機関サーバ104の集計情報DB511に記憶される実績キーワードデータテーブル801に、情報がない内容キーワードの対応度は0として、平均値を計算する。
【0119】
対応先算出サーバ103は、f1305で算出した平均対応度が最大の機関を取得し、相談者の対応先として適切な機関とする(f1306)。
【0120】
一方で、f1304の判断結果がNoの場合は、対応先算出サーバ103は、f1302またはf1303で取得した機関を、相談者に適切な対応先の機関とする。
【0121】
再び、
図10に戻る。s1012で相談者に適切な対応先の機関を算出した対応先算出サーバ103は、算出した適切な対応先、及び機関ごとにf1305で算出した平均対応度に関する情報と、各機関の情報を職員端末102に送信する。職員端末102は受信した情報を基に画面に出力し、相談者端末101に送信する(s1013)。相談者端末101は受信した情報を基に出力し(s1014)、相談者端末101の相談者に確認を促す。
【0122】
図14は、相談者端末101が、対応先算出サーバ103から、職員端末102を介して受信した、相談者に適切な対応先として算出された機関に関する情報等を、出力インターフェース204において相談者端末101の相談者に提示し、最終的に相談/問合せをする対応先の決定を求める結果確認画面1401の構成例を示す図である。
【0123】
結果確認画面1401は、ウェブブラウザ等のウィンドウ上に表示される。結果確認画面1401は、おすすめの相談先エリア1402、おすすめの相談先情報エリア1403、おすすめ以外の機関情報エリア1404、相談先変更入力エリア1405、OKボタン1406等が配置される。
【0124】
おすすめの相談先エリア1402には、対応先算出サーバ103が算出した、相談者に最も適切な対応先の機関の機関名が表示される。
【0125】
おすすめの相談先情報エリア1403には、おすすめの相談先エリア1402に表示された機関の情報が表示される。おすすめの相談先情報エリア1403は、例えば、おすすめの相談先PRエリア1403Aやおすすめの相談先得意分野エリア1403B、おすすめの相談先対応実績エリア1403C等で構成され、それぞれ、おすすめの相談先エリア1402に表示された機関のPR文や、これまで多く対応した相談や得意な相談の分野、相談者の相談内容に関わる内容キーワードを多く含む相談に対して過去に実施した対応の具体例等の情報が表示される。
【0126】
おすすめ以外の機関情報エリア1404には、おすすめの相談先エリア1402に表示された機関の次に、s1012のf1308で機関ごとに算出した平均対応度が大きかった機関の機関名と情報を表示する。なお、このおすすめ以外の機関情報エリア1404には、複数の機関について表示してもよい。相談者は、このおすすめ以外の機関情報エリア1404に表示された情報を見ることで、おすすめの相談先情報エリア1403に出力された情報と比較でき、相談する対応先は、おすすめの相談先エリア1402に表示された機関でよいか、相談者自身の最終的な判断を支援する。
【0127】
相談先変更入力エリア1405には、相談者が、対応先を、おすすめの相談先エリア1402に表示された機関とは異なる機関にすると判断した場合、対応先として選択した機関の機関名を入力する。
【0128】
相談者は、おすすめの相談先エリア1402に表示された機関を確認し、対応先をおすすめの相談先エリア1402に表示された機関とする場合はそのままの状態で、異なる機関にする場合は、その機関の機関名を相談先変更入力エリア1405に入力し、その後、OKボタン1406を押下する(s1015)。
【0129】
再び
図10に戻る。s1015で、相談者から最終的な対応先の選択を受け付けた相談者端末101は、選択された機関の機関名に関する情報を、職員端末102に送信する。受信した職員端末102は、選択された機関の機関サーバ104に送信する相談者相談情報を画面に出力し、職員端末102の職員に確認を求める(s1016)。職員端末102の職員から確認を受け付けたら、職員端末102は、対応先算出サーバ103に、最終的な対応先となる機関の機関名に関する情報と、当該機関の機関サーバ104に送信する相談者相談情報と、相談情報送信依頼の要求を送信する。
【0130】
対応先算出サーバ103は、職員端末102が確認を受け付けた、当該相談者の相談者相談情報を、職員端末102から受信した、最終的な対応先となる機関の機関サーバ104に送信する(s1017)。また、対応先算出サーバ103は、相談者情報記憶装置405及び相談実績情報記憶装置408に記憶されている情報を削除する(s1018)。これにより、対応先算出サーバ103に、必要以上の個人情報を記憶しないため、個人情報を管理するリスクを最小限に抑える効果が期待できる。
第2の実施例以降は、第1の実施例と共通する部分について記述を省略し、異なる部分のみを記述する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、逐一記述しない。
本実施例は、実施例1における、相談者に適切な対応先となる機関を算出するステップ(s1012)において、相談者の知りたい情報がどの程度明確かを表す内容明確度だけでなく、相談者の感情に注目し、相談者がどのような感情をどの程度持っているかを表す感情顕出度を算出し、用いるものである。
感情キーワード抽出プログラム1501は、対応先算出サーバ103が、職員端末102から、インターネット等のネットワーク105を介して受信した相談者の相談内容の情報を基に、感情キーワードを抽出する機能を持つプログラムである。なお、抽出された感情キーワードは、相談者情報登録プログラム404によって、相談者情報記憶装置405に記憶される。
感情顕出度算出プログラム1502は、対応先算出サーバ103が受信した相談者の相談内容の情報、及び相談者情報記憶装置405に記憶されている、相談者の感情キーワードの情報を基に、相談者の感情顕出度を算出する。ここで、感情顕出度とは、相談者がどのような感情をどの程度持っているかを表すものであり、感情の種類と、感情の種類ごとの大きさを表す値によって表現される。
感情表現DB1503は、感情を表す表現に関する情報を記憶するものである。具体的には、「不安」や「恐怖」等の感情の種類と「辛い」「ひどい」「孤独」等の感情を表す語彙や、感情の種類と「視線が合わない」等の感情と関連のある様子が紐づけられて記憶される。また、感情表現DB1503は、既存の感情表現に関する分類や語彙のデータベースを使用してもよい。
感情顕出度カラム1512は、感情の各種類のカラム群1512A…1512Bから構成される。感情の各種類のカラム1512A…1512Bには、対応先算出サーバ103が算出した、当該感情の種類の大きさを表す値が記憶される。
キーワード抽出プログラム505は、相談実績DB510内に登録されている相談内容に関する情報のうち、実施例1に記載した内容キーワードに加えて、感情キーワードにも注目し、内容キーワードと同様に、感情キーワードが抽出されていない相談内容について、感情キーワードを抽出する機能を有するプログラムである。
平均感情顕出度算出プログラム1601は、相談実績DB510内の情報を基に、平均感情顕出度を算出する機能を有するプログラムである。ここで、平均感情顕出度は、感情の種類ごとに、各相談における感情の大きさを表す値の平均値をとることで算出する。
感情種類カラム1702は、感情の種類が記憶される。具体的には、対応先算出サーバ103内の感情表現DBに記憶されている感情の種類に含まれているものが記憶される。
相談者端末101が、相談者から、相談者に関する情報と、相談内容の入力を受け付け、職員端末102に入力情報を送信する(s1001)ところから、対応先算出サーバ103が内容キーワードを抽出し(s1003)、抽出した内容キーワードを基に、各機関の機関サーバ104A,104B,…が相談実績情報を検索し(s1009)、内容キーワードの情報及び相談実績情報を基に、対応先算出サーバ103が内容明確度を算出するところ(s1011)までは、実施例1と同様のため、省略する。なお、s1007で職員端末102が入力を受け付ける閾値は、実施例1で設定した閾値0、閾値1に加えて閾値2を受け付ける。
s1011で内容明確度を算出した後、対応先算出サーバ103は、職員端末102から受信した相談内容の情報を基に、感情キーワードを抽出する(s1801)。具体的には、対応先算出サーバ103は、感情表現DB1503に登録されている感情を表現する語彙を基に、相談内容テキストの中に含まれている感情を表す語彙を抽出し、感情キーワードとする。
次に、対応先算出サーバ103は、抽出した感情キーワードと感情表現DB1503の情報を基に、感情キーワードが紐づく感情の種類ごとに、感情顕出度を算出する(s1802)。感情顕出度を算出する具体的な方法例として、対応先算出サーバ103は、各感情の種類の感情の大きさの最大値を5点に設定し、相談者の相談内容のすべての内容キーワードの出現回数に対する、各感情の種類に紐づく感情キーワードの出現回数の割合を、感情の種類ごとに計算する。そして、対応先算出サーバ103は、計算した割合が1以下の場合は、割合の値と設定した最大値との積を、割合が1以上の場合は設定した最大値の値を、当該感情の種類の感情の大きさを表す値とする方法等がある。なお、最大値の値は、上記で例としてあげた5点に限定されず、他の値でもよい。また、対応先算出サーバ103は、感情顕出度を算出する際に、テキストから感情を分析する既存の技術を用いてもよい。対応先算出サーバ103は、算出した感情顕出度に関する情報を相談者情報記憶装置405に登録する。また、対応先算出サーバ103は、算出した感情顕出度に関する情報を職員端末102に送信する。
職員端末102は、対応先算出サーバ103から受信した感情顕出度に関する情報を画面に出力し(s1803)、職員端末102の職員から、感情顕出度の修正や追加の情報の入力を受け付ける(s1804)。
感情顕出度確認画面1901は、ウェブブラウザ上のウィンドウ上に表示される。感情顕出度確認画面1901は、感情顕出度表示エリア1902、追加情報入力エリア1903、更新ボタン1904、OKボタン1905等が配置される。
感情顕出度表示エリア1902には、対応先算出サーバ103が算出した、感情の種類ごとの感情顕出度が表示される。感情顕出度は、職員端末102の職員が理解しやすいように、例えばレーダーチャート等で表示される。職員端末102の職員が、相談者端末101の相談者の各感情の種類の大きさの値が、感情顕出度表示エリア1902の情報よりも明らかに高い、あるいは明らかに低いと判断した場合、職員端末102は、1902A~1902Cの感情顕出度修正ボタン等を使用して、修正を受け付けてもよい。なお、修正を入力する方法は、例で挙げた感情顕出度修正ボタンを使用する方法に限定されない。
また、追加情報入力エリア1903として、各感情の種類に紐づけられる様子が列挙して表示されるようにしてもよい。職員端末102の職員は、相談者端末101の相談者の様子とあてはまる様子がある場合、該当の様子のチェックボックスにチェックを入れることで、職員端末102は追加情報の入力を受け付ける。追加情報として入力を受け付けた様子の情報は、感情顕出度の修正に使用される。例えば、「不安」という感情の種類に紐づく様子に関する情報を追加情報として受け付けた場合、「不安」に関する感情の大きさを表す値は高く修正される。なお、追加情報の入力を受け付ける方法は、チェックボックスを用いたものでなくてもよい。
職員端末102の職員は、感情顕出度表示エリア1902に表示された感情顕出度を修正したい場合は感情顕出度表示エリア1902に修正情報を入力した後、また、追加情報を入力したい場合は追加情報入力エリア1903に入力した後、更新ボタン1904を押下する。すると、修正情報または追加情報が対応先算出サーバ103に送信され、対応先算出サーバ103が感情顕出度を再度算出し、算出した情報を再び職員端末102に送信する。職員端末102は、感情顕出度エリア1902内の情報を受信した情報に更新して表示する。
職員端末102の職員は、感情顕出度表示エリア1902に表示された感情顕出度を確認した後、OKボタン1905を押下する。すると、職員端末102は、対応先算出サーバ103に対応先機関算出依頼の要求を送信する。
f2001の判断結果がYesの場合は、対応先算出サーバ103は、s1011のf1201で機関ごとに取得したエッジの本数が、s1007で設定した閾値1に限界エッジ本数をかけた値以上である機関の機関名を取得する(f2002)。次に、対応先算出サーバ103は、f2002で取得した機関について、相談者の相談内容の内容キーワードの平均対応度を、実施例1と同様に算出する(f2003)。対応先算出サーバ103は、f2002で取得した機関から、f2003で算出した平均対応度がs1007で設定した閾値2以上の機関を抽出する(f2004)。閾値2は、内容キーワードの平均対応度についての閾値であり、内容キーワードと機関とが一定程度マッチしていると判断するための基準である。
一方で、f1301の判断結果がNoの場合、対応先算出サーバ103は、機関情報DB413の機関情報データテーブル601を参照し、相談者の相談内容の内容キーワードと紐づくカテゴリのいずれかがカテゴリカラム604に含まれている機関の機関名を取得する(f2005)。
次に、対応先算出サーバ103は、f2004やf2005で取得した各機関について、機関ごとに、平均感情顕出度と、相談者端末101の相談者の感情顕出度との類似度を算出する(f2006)。類似度を算出する具体的な方法例として、感情の種類を軸とした空間に、相談者の感情顕出度と当該機関の平均感情顕出度をそれぞれ、マッピングしたときの、互いの位置のユークリッド距離を求め、その逆数を類似度として算出する方法がある。また、相談者の感情顕出度と当該機関の平均感情顕出度をそれぞれ、レーダーチャートとしたときの、レーダーチャートの図形の類似度を求める方法等がある。また、機関ごとに類似度を算出する際に、平均感情顕出度の標準偏差が大きい感情の種類がある機関は、当該感情の種類を除いて類似度を算出してもよい。
職員端末102は、最終的な対応先として選択された機関の機関サーバ104に送信する相談者相談情報を出力し、職員端末102の職員に確認を求める。職員端末102は、職員より確認を受け付けた後、対応先算出サーバ103に、最終的な対応先となる機関の機関名に関する情報と、当該機関の機関サーバ104に送信する相談者相談情報と、相談情報送信依頼の要求を送信する(s1806)。
相談者情報送信画面2101は、感情顕出度確認画面1901等と同様に、ウェブブラウザ上のウィンドウ上に表示される。相談者情報送信画面2101は、相談先機関エリア2102、送信OKボタン2103、相談者情報表示エリア2104、相談内容表示エリア2105、感情表示エリア2106等が配置される。
相談内容エリア2105には、相談者端末101の相談者から受け付けた相談内容に関する情報が表示される。具体的な情報として、相談内容のテキストの他に、例えば、相談内容の内容キーワードが表示される。
職員端末102の職員は、相談者情報送信画面2101上の情報を確認した後、送信OKボタン2103を押下する。これにより、職員端末102は、相談者情報送信画面2101上の情報と、相談者情報送信依頼の要求を、対応先算出サーバ103に送信する。
本実施例のように、相談者の感情に関する情報を加味して対応先を算出することで、相談者の状況により寄り添える機関を算出できるという効果が期待される。また、最終的な対応先となる機関に、相談内容だけでなく、相談者の感情に関する情報を含む、相談者に関する情報を提供することで、当該機関は、相談者の感情と、機関の中で相談に対応する対応者の性格や話し方等を考慮して、対応者を適切に選択できる、という効果がある。