(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170113
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】ティーアップ装置
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
A63B69/36 513D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087095
(22)【出願日】2023-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-04
(71)【出願人】
【識別番号】512013949
【氏名又は名称】桜井興業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】392026121
【氏名又は名称】株式会社西野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(72)【発明者】
【氏名】櫻井匡平
(57)【要約】
【課題】
本発明は、ボールのティーアップのタイミングを調整可能なティーアップ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のティーアップ装置は、ボール供給部と、ティ-部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール供給部と、ティー部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなることを特徴とするティーアップ装置。
【請求項2】
さらに、前記ティー部の高さを決定する第三のセンサーを有する請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項3】
前記第一から第三のセンサーは、光電センサーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のティーアップ装置。
【請求項4】
さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有する請求項1~3のいずれか一項に記載のティーアップ装置。
【請求項5】
前記ティーアップタイミング調整装置は、前記弾道測定器に装備されている請求項4記載のティーアップ装置。
【請求項6】
さらに、前記連動装置と連動する回転機構部を有する請求項1~5のいずれか一項に記載のティーアップ装置。
【請求項7】
前記回転機構部を回転させるモーター部を有する請求項6記載のティーアップ装置。
【請求項8】
前記弾道測定器は、前記ティー部上にあるボール、又はマット上に降ろしたボールを認識可能である請求項4~7のいずれか一項に記載のティーアップ装置。
【請求項9】
前記ティーアップ装置は、埋め込み式である請求項1~8のいずれか一項に記載のティーアップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティーアップ装置に関し、特に、ティーアップのタイミングを調整可能なティーアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ練習場において、都度ボールをティー上にセットすることは不便であることから、ゴルフティーを自動的にアップさせる装置が知られている。例えば、先端にゴルフボールを載せるティー部を備えた可撓柱体と、この可撓柱体を巻き付け可能なドラムと、前記可撓柱体のティー部を打球面に対して出没する方向に案内するティーガイドと、前記ドラムを往復駆動して前記可撓柱体をドラムに巻込み或いは巻戻すことにより前記ティー部を前記打球面に対して出没させるための駆動モーターと、前記ティー部が打球面から没する位置に駆動されたときにそのティー部にゴルフボールを供給するゴルフボール供給路とを具備してなるゴルフボールの自動ティーアップ装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゴルフボールの自動ティーアップ装置においては、自動でティーアップされたボールが、ゴムティーの位置から外れると、直ぐに次のボールを供給する仕組みになっており、自動的に次のボールがティーアップさせるのが現状であった。ティーアップしたボールをそのままショットする場合には、主にドライバーショットになり、ボールをマットに降ろした場合は、主にアイアン、ウェッジのショットとなる。
【0005】
一方、昨今、ショットされたボールがどのような軌道、距離等を描くのか、例えば、カメラなどを用いてボールを認識する弾道測定器等によって、ショットされたボールを測定したいなどの需要がある。かかる場合に、順次自動供給される従来のティーアップ装置において、測定対象となるボールが一つであれば、それほどの問題は生じないものの、マットに降ろしたボールがある場合、順次自動供給されるティーアップ装置において、ゴムティーにも次のボールが配置されるのが現状である。
【0006】
しかしながら、弾道測定器に付属のカメラが写す範囲にボールが2つ認識されると、測定自体が不能となるという問題が生じている。すなわち、弾道測定器のボールを検出するカメラの映す範囲がそれほど広くないため、ティーアップしたボールの認識範囲とマットに置いたボールの認識範囲がある程度重なってしまうため、マットに置いたボールを測定する際に、自動的に次のボールがティーアップされてしまうと測定ができない問題が生じていた。
【0007】
そこで、上記問題点を解決すべく、本発明は、ボールのティーアップのタイミングを調整可能なティーアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明者は、既存のティーアップ装置を分析し、鋭意検討を行った結果、本発明を見出すに至った。
【0009】
すなわち、本発明のティーアップ装置は、ボール供給部と、ティ-部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、さらに、前記ティー部の高さを決定する第三のセンサーを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記第一から第三のセンサーは、光電センサーであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記ティーアップタイミング調整装置は、前記弾道測定器に装備されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、さらに、前記連動装置と連動する回転機構部を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記回転機構部を回転させるモーター部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記弾道測定器は、前記ティー部上にあるボール、又はマット上に降ろしたボールを認識可能であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記ティーアップ装置は、埋め込み式であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のティーアップ装置によれば、ボールのティーアップのタイミングを調整可能であるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の側面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の正面図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の上面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の側面図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の正面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の側面図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のティーアップ装置は、ボール供給部と、ティ-部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなることを特徴とする。本発明において、ボール供給部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部とは、お互いに連動することができれば、特に限定されない。前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置として、例えば、連結プレート、チェーン等を挙げることができる。
【0021】
なお、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置、例えば、連結プレートの利点については以下の通りである。すなわち、連結プレートが無いとボール供給とティーの上下でモーターが2個必要となる。ティーとモーターを連結プレートで繋ぐことによって、モーターは1個で済むという利点を有する。
【0022】
また、ティーを高く上下したいので、支点を遠くに持って行き上下する幅を広く取れるようにすることも可能である。支点を固定すると直線的に上下できないため、支点が少し移動出来る様にすることができる。
【0023】
ティーアップされるとボール供給のツメ24は次のボールを受け取る位置に移動することができる。
【0024】
また、連動装置として、チェーンを用いた場合については、例えば以下のようである。昇降部と供給部をギヤで連結し昇降部の上下にスプロケットをつけてチェーンで繋ぎ、当該チェーンとスライダーを繋いで上下させることができる。モーターは半回転の繰り返しで制御させることができる。ただし、上下のリミットスイッチが必要となり、また装置全体の高さが高くなる虞がある。
【0025】
また、本発明において、第一のセンサーは、前記ティ-部上のボールの有無を判断することができる限り、特に限定されない。また、第二のセンサーは、前記ボールの過剰供給を防止することができる限り、特に限定されない。
【0026】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、さらに、前記ティー部の高さを決定する第三のセンサーを有することを特徴とする。第三のセンサーは、前記ティー部の高さを決定することができる限り、特に限定されない。
【0027】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記第一から第三のセンサーは、光電センサーであることを特徴とする。センサーとして、リミットスイッチ、ファイバーセンサーを使用してもよいが、リミットスイッチでは、接触タイプなので誤作動が増えてしまう虞があり、また、ファイバーセンサーはより高額になってしまう虞がある。本発明においては、従来、基板での制御していたものをPLCで制御するように変更している点も特徴の一つである。
【0028】
光電センサーなどの第一から第三のセンサーは、ボールの有無を見ていてPLC(シーケンサー)に信号を送ることができる。例えば、ボールが有る時は、ON状態で次の工程に移動可能とすることができる。OFFであればPLCからボール供給(ティーアップ)とストッカーのモーターへ信号を出しONになるまでモーターを回転させることができる。
【0029】
また、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置、例えば、フットスイッチなどのONの指令でPLCからボール供給(ティーアップ)のモーターへ信号を出すことも可能である。PLCのソフトを利用してティーの初期状態を何処にするかは(上げた状態又は下げた状態)ソフト変更で簡単に変更可能である。
【0030】
また、モーターにはエンコーダーが付いていない場合もあるため、マイクロホトセンサー28でティーの位置(原点)を検出させることが可能である。
【0031】
前記フットスイッチのONによりPLCの記憶されている原点から何パルス出力するのかについて、モータードライバーに信号を送りモーターが回転してティーアップすることができる。以上が、ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置の一例である。
【0032】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有することを特徴とする。弾道測定器については、特に限定されず、例えば、カメラを用いてボールを認識して、ショットされたボールを測定出来る弾道測定器等を挙げることができる。弾道測定器において、測定する位置はティーアップしているボールと、マットに降ろしたボールのどちらかの位置を選ぶことが可能である。例えば、ティーアップしたボールを測定するのは、主にドライバーショットになり、マットに降ろした場合は、主にアイアン、ウェッジの測定になる。
【0033】
弾道測定器においては、カメラの映す範囲にボールが2つ認識されてしまうと測定ができず、また、弾道測定器のボールを検出するカメラの映す範囲がそれほど広くないため、ティーアップしたボールの認識範囲とマットに置いたボールの認識範囲がある程度重なってしまう虞があった。この際、マットに置いたボールを測定する際に、ボールを下した時、自動的に次のボールがティーアップされてしまうと測定ができない問題があったが、本発明により、ティーアップタイミングを試験者のタイミングで調整、または、後述するように、弾道測定器と連動させている場合には、当該弾道測定器からの信号でティーアップを行うことが可能である。
【0034】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記ティーアップタイミング調整装置は、手動ではなく自動でのティーアップが可能で効率的な測定という観点から、前記弾道測定器に装備されていることを特徴とする。
【0035】
また、弾道測定器と連動させて調整する場合について、補足説明すれば、以下の通りである。ボールをセットして、ティーの上にボールがない状態でも次のボールが自動にティーアップされないので、カメラの認識範囲にボールが1つのため測定可能となる。また、ボールをショットして、ボールの弾道を弾道測定器で計算、処理が終わると、弾道測定器からオートセッターへティーアップの信号を送ることができる。タイミングとしては、ショットしたあとにボールがティーアップされる設定とすることができる。信号が送られた後は、フットスイッチを押すことと同じ動作とすることができる。
【0036】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、全高を低く、薄型という観点から、さらに、前記連結装置と連動する回転機構部を有することを特徴とする。また、好ましい実施態様において、前記回転機構部を回転させるモーター部を有することを特徴とする。
【0037】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記弾道測定器は、前記ティー部上にあるボール、又はマット上に降ろしたボールを認識可能であることを特徴とする。
【0038】
また、本発明のティーアップ装置の好ましい実施態様において、前記ティーアップ装置は、埋め込み式であることを特徴とする。
【0039】
ここで、本発明のティーアップ装置の一例を図を用いて説明するが、本発明は、下記の例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
【0040】
図1は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の側面図を示す。
図1において、8は光電センサー、9はセンサースペイサー、10はスクリュー、11はゴムティー、12はナット、13はレールA、14はレールB、22はスライドレール、23はリフティングレール ブランケット、24はリフティングレール、25はリバースClaw、をそれぞれ示す。なお、スクリュー10は、ナット12でゴムティー11を締め付けるためのオスネジである。また、レールA 13は、ゴムティー11にボールを乗せるための案内の役割を、レールB14は、レール上にボールを任意の数、例えば3球ストックし、リフティングレール22にボールを乗せるための案内の役割を有する。また、スライドレール22は、ボールが詰まらないようにスライドさせることができる。
【0041】
また、
図2は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の正面図を示す。
図2において、5はオイレスブッシュ、18はベアリングカラー B、19はミニチュアベアリング、をそれぞれ示す。なお、オイレスブッシュ5は、スライドシャフト6とスライダー4が焼き付かないための潤滑剤としての役割を有する。
【0042】
また、
図3は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の上面図を示す。
図3において、3はトッププレート A、15は連結バー、16はベアリングカラー A、17はフランジ付きミニチュアベアリング、37はコネクターパネル、をそれぞれ示す。
【0043】
また、
図4は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の側面図を示す。
図4において、2はサイドフレーム B、36はドライバーカバーを、それぞれ示す。
【0044】
また、
図5は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の正面図を示す。
図5において、4はスライダー、6はスライドシャフト、7はティーアップ ブランケット、31はギア B、32はギア A、33はモーター ブランケット、34はステッピングモーター、35はステッピングモータードライバー、をそれぞれ示す。なお、スライダー4は、ゴムティー11を上下に移動させることができる。また、スライドシャフト6は、スライダー4を真直ぐ上下させるための案内の役割を有する。また、ティーアップブランケット7は、ゴムティー11、センサーを取り付けるブランケットの役割を有する。また、ギアB31,及びギアA32は、ステッピングモーター34の回転によりレバーA20を回転させることにより、連結プレート21を上下させ、ゴムティー11を上下させることができる。
【0045】
また、
図6は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の側面図を示す。
図6において、1はサイドフレーム A、20はレバー A、21は連結プレート、 26はセンサーDog、27は超小型アンプ内蔵光電センサー、28はマイクロホトセンサー、29は接続ケーブル、30はセンサーカバー、をそれぞれ示す。なお、レバーA20は、ステッピングモーター34の回転を上下運動に変えるための役割をしている。また、連結プレート21が動作することにより、ボールをゴムティー11へ供給することと、さらに、ゴムティー11を上へ上げる役割も有する。また、接続ケーブル29は、センサーの中継ケーブルとしての役割を有する。
【0046】
また、
図7は、本発明の一実施態様における、一例のティーアップ装置の斜視図を示す。
【0047】
なお、図示しないが、弾道測定器を組み込む場合には、例えば、弾道測定器(ディテクト社製プリズムプロ)を用いることができる。これにより、カメラを用いてボールを認識して、ショットされたボールを誤認することなく測定することが可能となる。
【0048】
まず、本発明において、制御の仕組みの一例は、以下の通りである。
<制御の仕組み>
ティー(Tee)11が上がっている状態で原点からのパルス数を毎回、PLC(シーケンサー)に記憶する。(Teeの高さ)そして、Teeからボールが無くなったらPLCからモーター34を回転させ原点センサー28を通過した原点位置(下限位置)でモーター34を止める。その後、ドライバーへティーアップの指示するティーアップタイミング調整装置によって、又は、計測器、例えば、弾道測定器にティーアップタイミング調整装置が装備されている場合には、弾道測定器側によって、ボール供給の信号を受信すると、PLCより前回の停止位置(記憶されている位置)に行くように何パルス回転しなさいとモーター34に指令が行きモーター34を回転させることにより、ティーアップのタイミングを調整することが可能となる。原点センサー28の詳細は以下の通りである。
【0049】
原点センサー:図番「50-2-01760-0」、部品名称(製作部品)「Saide Frame A」
部品名称(製作部品)「Saide Frame A」
部品名称(購入部品)「マイクロフォトセンサー」
仕様「PM-T65-P」パナソニック
DRAWING No.「50-2-01753-0-D/SHEET 1 OF 2」(
図6の28)
【0050】
一般的なオートセッター(自動ティーアップ装置)は、電源を入れると自動的にゴムティーにボールを乗せてティーアップする。そのボールをショットするか、ゴムティーからボールを降ろしゴムティーの上にボールが無くなると、ティーアップセンサーが検出しモーターが動き、連動されたクランク及びドラムが回転する。次のボールを送りゴムティーの上に乗せる。ボールを乗せて再度ティーアップする。このような、一般的なオートセッター(自動ティーアップ装置)に本発明のティーアップタイミング調整装置を組み込んでも良い。なお、既存のオートセッターに組み込む場合は、弾道測定器からの信号でティーアップするように基板などの改修が必要となる。
【0051】
また、本発明において、ボールの動きを中心に説明すると以下の通りである。ボール供給は、ストッカー側からボールが送られスライドレール22上を転がり、装置中心部へ導かれる。なお、連結プレート21は、モーター34の動きとティーアップを連動させる役割を有する。なお、連結プレート21は、リフティングレール ブランケット23等の回転により傾斜可能となっている。当該傾斜機構によりボールをリフティングレール ブランケット23、リフティングレール24、リバースClaw25を介して、ひいては、これらリフティングレール ブランケット23等の回転によりボールもこれらと同様に回転させて運ばれる。このようにして、ゴムティー11上部へ移動させることができる。このようにして、トッププレートA3の中心から、ゴムティー11が出現してボールを供給することができる。ボールはゴムティーが下まで下がった時に、ゴムティーに乗ることができる。
【0052】
なお、ゴムティー11は筒状の空洞であり、下からの光電センサー8によって、ゴムティー11にボールが乗っているか否かを判断することができる。ゴムティー11にボールが乗っている場合には、次のボールが超小型アンプ内蔵光電センサー27を通過した場合には、動作が停止し、ゴムティー11にボールが乗っていない場合には、動作が停止せず、ゴムティー11に次のボールを供給して、2個又はそれ以上のボールが供給されるのを防ぐことができる。
【0053】
整理すると、光電センサー8は、ボールがゴムティーに乗っている、乗っていないを判断する役割を有する。また、センサーDog26は、ステッピングモーター34の原点位置の役割を有する。すなわち、センサーDog26の位置によって、原点からのゴムティー11の高さを決めることができる。
【0054】
また、超小型アンプ内蔵光電センサー27は、ゴムティーへボールが2個続いて行かないように判断する役割を有する。超小型アンプ内蔵光電センサー27のセンサーを通過して、ゴムティー11にボールが乗っていると光電センサー8のセンサーが判断している場合に、もし、超小型アンプ内蔵光電センサー27をボールが通過したら(ボールが連なってしまう)動作が停止するような仕組みとなっている。また、マイクロホトセンサー28は、ゴムティーの高さ位置決める原点センサーの役割を有する。下限の位置が「0」として、その位置から何パルスの位置で停止しているのか判断することができる。ゴムティー11の高さ位置は、毎回シーケンサーに記憶され原点位置を変更しない限り、毎回同じ位置まで動くようにモーターに何パルス回転させる指令を出すことができる。
【0055】
また、ステッピングモーター34は、リフティングレール ブランケット 23、リフティングレール24、及びリバースClaw25を、それぞれ正転させてボールを送り出すことができる。連結プレート21とスライダー4が連結されているので、ステッピングモーター34が作動するとゴムティー11部も連動して上下することができる。すなわち、ステッピングモーター34が作動するとゴムティー11が連動して下へ下がり、リフティングレール ブランケット23、リフティングレール24、及びリバースClaw25が送り出したボールがゴムティー11に乗ることができる。この態様においては、リフティングレール ブランケット23、リフティングレール24、及びリバースClaw25などの回転機構を用いた例を示したが、特に回転機構がなくても良い。
【0056】
また、本発明においては、部品、例えば、リフティングレール ブランケット、リバースClaw等の材質を一部を、「MCナイロン」に変更することができる。
【0057】
部品名称(図番):<Lifting Rail BKT(No.50-3-05766-0)>、<Reverse Claw(No.50-4-07888-0)>
【0058】
もともと1つの部品を2分割にして、材質にMCナイロンを使用することで製作が容易となり、製作のコストが下がる効果を有する。
【0059】
従来では、マットに置いたボールを測定する際に、ボールを下した時、自動的に次のボールがティーアップされてしまうと測定ができない問題があったが、本発明により、ティーアップタイミングを試験者のタイミングで調整、または、弾道測定器と連動させている場合には、当該弾道測定器からの信号でティーアップを行い、誤認することなしに、ボールの測定を行うことが可能であることが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明のティーアップ装置は、既存のゴルフ練習場において、交喚可能であるので汎用性が高く、広範な範囲で適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 サイドフレーム A
2 サイドフレーム B
3 トッププレート A
4 スライダー
5 オイレスブッシュ
6 スライドシャフト
7 ティーアップ ブランケット
8 光電センサー
9 センサースペイサー
10 スクリュー
11 ゴムティー
12 ナット
13 レール A
14 レール B
15 連結バー
16 ベアリングカラー A
17 フランジ付きミニチュアベアリング
18 ベアリングカラー B
19 ミニチュアベアリング
20 レバー A
21 連結プレート
22 スライドレール
23 リフティングレール ブランケット
24 リフティングレール
25 リバースClaw
26 センサーDog
27 超小型アンプ内蔵光電センサー
28 マイクロホトセンサー
29 接続ケーブル
30 センサーカバー
31 ギア B
32 ギア A
33 モーター ブランケット
34 ステッピングモーター
35 ステッピングモータードライバー
36 ドライバーカバー
37 コネクターパネル
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール供給部と、ティー部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなるティーアップ装置であって、さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有し、かつ、前記連動装置は、移動可能な支点を有する転結プレートであることを特徴とするティーアップ装置。
【請求項2】
さらに、前記ティー部の高さを決定する第三のセンサーを有する請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項3】
前記第一から第三のセンサーは、光電センサーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のティーアップ装置。
【請求項4】
前記ティーアップタイミング調整装置は、前記弾道測定器に装備されている請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項5】
さらに、前記連動装置と連動する回転機構部を有する請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項6】
前記回転機構部を回転させるモーター部を有する請求項5記載のティーアップ装置。
【請求項7】
前記弾道測定器は、前記ティー部上にあるボール、又はマット上に降ろしたボールを認識可能である請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項8】
前記ティーアップ装置は、埋め込み式である請求項1記載のティーアップ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
すなわち、ボール供給部と、ティー部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなるティーアップ装置であって、さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有し、かつ、前記連動装置は、移動可能な支点を有する転結プレートであることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール供給部と、ティー部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなるティーアップ装置であって、さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有し、かつ、前記連動装置は、移動可能な支点を有する連結プレートであることを特徴とするティーアップ装置。
【請求項2】
さらに、前記ティー部の高さを決定する第三のセンサーを有する請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項3】
前記第一から第三のセンサーは、光電センサーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のティーアップ装置。
【請求項4】
前記ティーアップタイミング調整装置は、前記弾道測定器に装備されている請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項5】
さらに、前記連動装置と連動する回転機構部を有する請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項6】
前記回転機構部を回転させるモーター部を有する請求項5記載のティーアップ装置。
【請求項7】
前記弾道測定器は、前記ティー部上にあるボール、又はマット上に降ろしたボールを認識可能である請求項1記載のティーアップ装置。
【請求項8】
前記ティーアップ装置は、埋め込み式である請求項1記載のティーアップ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
すなわち、本発明のティーアップ装置は、ボール供給部と、ティー部と、前記ティー部を昇降するティー昇降部と、前記ボール供給部と前記ティー昇降部とを連動する連動装置と、前記ティ-部上のボールの有無を判断する第一のセンサーと、前記ボールの過剰供給を防止する第二のセンサーと、ドライバーと、前記ドライバーへティーアップを指示するティーアップタイミング調整装置と、からなるティーアップ装置であって、さらに、ボールの弾道を測定する弾道測定器を有し、かつ、前記連動装置は、移動可能な支点を有する連結プレートであることを特徴とする。