(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170116
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】バッテリ搭載構造及びバッテリ
(51)【国際特許分類】
H01M 50/227 20210101AFI20241129BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241129BHJP
【FI】
H01M50/227
H01M50/249
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087098
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田原 大地
(72)【発明者】
【氏名】浅井 竜司
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA07
5H040AS07
5H040AY08
5H040LL06
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】車両の下部に搭載されたバッテリにおいて電池セルが高温になった場合に、接合部の変形を生じにくくするための技術を提供する。
【解決手段】車両の下部にバッテリを搭載するバッテリ搭載構造である。バッテリ搭載構造は、車両のフロアパネルと、バッテリケースと、少なくとも1つの緩衝部材と、を備える。バッテリケースは、電池セルを収容し、フロアパネルの下方に配置されている。バッテリケースは、第1ケース部及び第2ケース部を有する。第1ケース部及び第2ケース部は、互いに接合され、フロアパネルの下面に対向している。少なくとも1つの緩衝部材は、フロアパネルとバッテリケースとの間に配置されている。少なくとも1つの緩衝部材は、第1ケース部と第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の下部にバッテリを搭載するバッテリ搭載構造であって、
前記車両のフロアパネルと、
電池セルを収容し、前記フロアパネルの下方に配置されたバッテリケースと、
前記フロアパネルと前記バッテリケースとの間に配置された少なくとも1つの緩衝部材と、
を備え、
前記バッテリケースは、互いに接合され、前記フロアパネルの下面に対向する第1ケース部及び第2ケース部を有し、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記第1ケース部と前記第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に配置されている、バッテリ搭載構造。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリ搭載構造であって、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記接合部と重なる位置に配置された緩衝部材を含む、バッテリ搭載構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のバッテリ搭載構造であって、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記接合部を挟んで対向する位置に配置された2つの緩衝部材を含む、バッテリ搭載構造。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のバッテリ搭載構造であって、
前記バッテリケースは
前記第1ケース部及び前記第2ケース部を含んで構成されたアッパ部材と、
前記アッパ部材の下方に配置され、前記アッパ部材と共に前記電池セルを収容するための収容空間を形成するロア部材と、
を有し、
前記アッパ部材は、
前記ロア部材及び前記フロアパネルの少なくとも一方に固定される枠状の固定部と、
前記固定部により囲まれ、前記フロアパネルの下面に対向する対向部と、
を有し、
前記接合部の少なくとも一部は、前記対向部に含まれ、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記フロアパネルと前記対向部との間に配置された緩衝部材を含む、バッテリ搭載構造。
【請求項5】
車両の下部に搭載可能に構成されたバッテリであって、
バッテリケースと、
前記バッテリケースに収容された電池セルと、
少なくとも1つの緩衝部材と、
を備え、
前記バッテリケースは、互いに接合され、前記バッテリが前記車両に搭載された際に前記車両のフロアパネルの下面に対向するように構成された第1ケース部及び第2ケース部を有し、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記バッテリケースの外面における、前記第1ケース部と前記第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に取り付けられている、バッテリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の下部にバッテリを搭載するバッテリ搭載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の下部には、バッテリが搭載される場合がある。例えば特許文献1には、電池セルを収容するバッテリケースが、車両のフロアパネルの下方に配置されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池セルは、バッテリケース内において、発熱して高温になる場合がある。この場合、バッテリケースは、電池セルからの熱によって膨出しやすい。
【0005】
しかしながら、例えば、バッテリケースが、互いに接合され、車両のフロアパネルの下面に対向するように構成された2つの部位を有する場合、これら部位同士の接合部は、変形への耐性が低いという課題があった。
【0006】
本開示の一局面は、車両の下部に搭載されたバッテリにおいて電池セルが高温になった場合に、接合部の変形を生じにくくするための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、車両の下部にバッテリを搭載するバッテリ搭載構造である。バッテリ搭載構造は、車両のフロアパネルと、バッテリケースと、少なくとも1つの緩衝部材と、を備える。バッテリケースは、電池セルを収容し、フロアパネルの下方に配置されている。バッテリケースは、第1ケース部及び第2ケース部を有する。第1ケース部及び第2ケース部は、互いに接合され、フロアパネルの下面に対向している。少なくとも1つの緩衝部材は、フロアパネルとバッテリケースとの間に配置されている。少なくとも1つの緩衝部材は、第1ケース部と第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に配置されている。
【0008】
このような構成によれば、車両の下部に搭載されたバッテリにおいて電池セルが高温になった場合に、接合部の変形を生じにくくすることができる。
【0009】
本開示の一態様では、少なくとも1つの緩衝部材は、接合部と重なる位置に配置された緩衝部材を含んでもよい。
【0010】
このような構成によれば、車両の下部に搭載されたバッテリにおいて電池セルが高温になった場合に、接合部の変形を一層生じにくくすることができる。
【0011】
本開示の一態様では、少なくとも1つの緩衝部材は、接合部を挟んで対向する位置に配置された2つの緩衝部材を含んでもよい。
【0012】
このような構成によれば、車両の下部に搭載されたバッテリにおいて電池セルが高温になった場合に、接合部の変形を一層生じにくくすることができる。
【0013】
本開示の一態様では、バッテリケースは、アッパ部材と、ロア部材と、を有してもよい。アッパ部材は、第1ケース部及び第2ケース部を含んで構成されている。ロア部材は、アッパ部材の下方に配置されている。ロア部材は、アッパ部材と共に電池セルを収容するための収容空間を形成する。また、アッパ部材は、固定部と、対向部と、を有してもよい。固定部は、枠状である。固定部は、ロア部材及びフロアパネルの少なくとも一方に固定される。対向部は、固定部により囲まれ、フロアパネルの下面に対向する。接合部の少なくとも一部は、対向部に含まれてもよい。少なくとも1つの緩衝部材は、フロアパネルと対向部との間に配置された緩衝部材を含んでもよい。
【0014】
接合部の少なくとも一部が対向部に含まれる場合、電池セルが高温になったときに接合部の変形が生じやすいところ、上記のような構成によれば、一層効果的に、接合部の変形を生じにくくすることができる。
【0015】
本開示の一態様は、車両の下部に搭載可能に構成されたバッテリである。バッテリは、バッテリケースと、電池セルと、少なくとも1つの緩衝部材と、を備える。電池セルは、バッテリケースに収容されている。バッテリケースは、第1ケース部及び第2ケース部を有する。第1ケース部及び第2ケース部は、互いに接合され、バッテリが車両に搭載された際に車両のフロアパネルの下面に対向するように構成されている。少なくとも1つの緩衝部材は、バッテリケースの外面における、第1ケース部と第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に取り付けられている。
【0016】
このような構成によれば、バッテリが車両の下部に搭載された場合において、電池セルが高温になったときに、接合部の変形を生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態のバッテリ搭載構造の模式的な断面図である。
【
図2】第1実施形態のバッテリの模式的な斜視図である。
【
図3】第1実施形態のバッテリの模式的な上面図である。
【
図4】第2実施形態のバッテリの模式的な斜視図である。
【
図5】第2実施形態のアッパ部材及び緩衝部材の模式的な断面図である。
【
図6】第3実施形態のバッテリの模式的な斜視図である。
【
図7】第3実施形態のバッテリの模式的な上面図である。
【
図8】第4実施形態のバッテリの模式的な斜視図である。
【
図9】第4実施形態のバッテリの模式的な上面図である。
【
図10】接合部の変形例を示す模式的な斜視図である。
【
図11】緩衝部材の配置の変形例を示す模式的な断面図である。
【
図12】緩衝部材の配置の別の変形例を示す模式的な断面図である。
【
図13】緩衝部材の配置の更に別の変形例を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示すバッテリ搭載構造100は、電気自動車等の車両の下部にバッテリB1を搭載する構造である。バッテリB1は、車両のフロアパネルFの下方に配置される。フロアパネルFは、車両における車室の床を構成する部材である。本説明及び図面における「上」及び「下」は、バッテリB1が車両に搭載された状態における上及び下を意味する。なお、後述する第2~第4実施形態や他の実施形態においても同様である。
【0019】
バッテリB1は、車両の下部に搭載可能に構成されている。バッテリB1は、例えば、車両の下部に搭載された状態において、当該車両を走行させるためのモータに電力を供給する。バッテリB1は、バッテリケース1と、複数の電池セル2と、緩衝部材3と、を備える。
【0020】
バッテリケース1は、複数の電池セル2を収容する部材である。本実施形態の複数の電池セル2は、それぞれ、長方形状の板状の部材である。複数の電池セル2は、互いに積層又は整列された状態においてバッテリケース1に収容される。
【0021】
図1及び
図2に示すように、本実施形態のバッテリケース1の外形は、概ね直方体状である。バッテリケース1は、アッパ部材11と、ロア部材12と、を有する。アッパ部材11及びロア部材12は、電池セル2を収容するための収容空間13を形成する部材である。
【0022】
アッパ部材11は、下方が開口した箱型の部材である。アッパ部材11は、天井壁111と、側壁112と、フランジ113と、を有する。
【0023】
天井壁111は、バッテリケース1の外面のうちの上面を構成する板状の部分である。
図2に示すように、本実施形態の天井壁111は、概ね長方形状である。天井壁111の上面には、複数のリブ114が形成されている。リブ114は、溝状の部分である。リブ114は、天井壁111の短手方向に延びている。
【0024】
図1及び
図2に示すように、側壁112は、天井壁111の外周縁から天井壁111の下面側へ延出した板状の部分である。
【0025】
フランジ113は、側壁112における天井壁111側と反対側の縁から外側へ延出した板状の部分である。ここでいう外側とは、側壁112を挟んで天井壁111側と反対側とも言い換えられる。フランジ113には、固定具4を挿通するための複数の挿通孔115が形成されている。固定具4の具体例としては、ボルト、リベット等が挙げられる。
【0026】
図2に示すように、アッパ部材11は、第1ケース部11a及び第2ケース部11bが溶接等により互いに接合されて構成されている。第1ケース部11a及び第2ケース部11bは、アッパ部材11を天井壁111の長手方向において二分割した場合の各部分を構成する。すなわち、天井壁111には、第1ケース部11aと第2ケース部11bとの接合部11cが含まれる。第1ケース部11a及び第2ケース部11bが溶接により互いに接合された場合の接合部11cは、溶接線とも称される。なお、第1ケース部11a及び第2ケース部11bが溶接により互いに接合される場合、第1ケース部11aと第2ケース部11bとの継手方法は特に限定されない。
【0027】
本実施形態では、接合部11cは、直線状に延びる部分である。接合部11cの延び方向は、天井壁111の短手方向と一致する。接合部11cは、天井壁111の中央部を通る。天井壁111の中央部は、天井壁111における、上面視にて中央に位置する部分である。
【0028】
図1及び
図2に示すように、ロア部材12は、上方が開口した箱型の部材である。ロア部材12は、底壁121と、側壁122と、フランジ123と、を有する。
【0029】
底壁121は、バッテリケース1の外面のうちの下面を構成する板状の部分である。本実施形態の底壁121は、概ね長方形状である。
【0030】
側壁122は、底壁121の外周縁から底壁121の上面側へ延出した板状の部分である。側壁122は、前述したアッパ部材11の側壁112と共に、バッテリケース1の外面のうちの側面を構成する。
【0031】
フランジ123は、側壁122における底壁121側と反対側の縁から外側へ延出した板状の部分である。ここでいう外側とは、側壁122を挟んで底壁121側と反対側とも言い換えられる。フランジ123には、固定具4を挿通するための複数の挿通孔124が形成されている。挿通孔124は、ロア部材12をアッパ部材11の下方に配置した場合に、アッパ部材11の挿通孔115と連通する。
【0032】
アッパ部材11及びロア部材12は、上下に重なるように配置されている。具体的には、フランジ113,123同士が接触し、天井壁111と底壁121とが間隔を空けて対向するように、アッパ部材11がロア部材12の上方に配置されている。アッパ部材11の天井壁111及び側壁112と、ロア部材12の底壁121及び側壁122と、によって、収容空間13が形成される。
【0033】
そして、アッパ部材11及びロア部材12の挿通孔115,124には、固定具4が挿通されている。当該固定具4によって、アッパ部材11がロア部材12に固定されている。
【0034】
緩衝部材3は、弾性を有する部材である。緩衝部材3は、例えば、断熱性を有してもよいし、防振性を有してもよいし、熱膨張性を有してもよい。緩衝部材3の材質としては、例えば、ゴム、繊維状のマット等が挙げられる。本実施形態の緩衝部材3は、直方体状である。
【0035】
緩衝部材3は、接合部11cと重なる位置に配置されている。具体的には、緩衝部材3は、天井壁111の上面における、接合部11cと重なる位置に取り付けられている。緩衝部材3は、天井壁111の上面の全域ではなく、天井壁111の上面の一部の領域のみに取り付けられている。
図1に示すように、緩衝部材3は、天井壁111の上面側から接合部11cに接触している。
【0036】
バッテリB1は、バッテリケース1が電池セル2を収容している状態において、フロアパネルFの下方に配置される。この際、バッテリケース1は、アッパ部材11側が上側、ロア部材12側が下側へ向けられている。このため、バッテリB1がフロアパネルFの下方に配置された状態において、アッパ部材11、ひいては第1ケース部11a及び第2ケース部11bは、フロアパネルFの下面に対向している。すなわち、第1ケース部11a及び第2ケース部11bは、バッテリB1がフロアパネルFの下方に配置された際にフロアパネルFの下面に対向するように構成されている。また、バッテリB1がフロアパネルFの下方に配置された状態において、緩衝部材3は、フロアパネルFとバッテリケース1との間に配置されている。バッテリ搭載構造100は、フロアパネルFと、バッテリケース1と、緩衝部材3と、を含んで構成されている。
【0037】
車両へのバッテリB1の固定方法は特に限定されないが、例えば、アッパ部材11のフランジ113が、図示省略の固定具によりフロアパネルFに固定される。アッパ部材11のフランジ113は、固定部の一例に相当する。固定部は、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される枠状の部分である。
図3では、理解を容易にするために、固定部にハッチングを入れている。
【0038】
アッパ部材11の天井壁111は、対向部の一例に相当する。対向部は、固定部により囲まれ、フロアパネルFの下面に対向する部分である。
【0039】
前述したように、緩衝部材3は、天井壁111の上面における、接合部11cと重なる位置に取り付けられている。天井壁111が対向部の一例に相当することから、緩衝部材3は、言い換えれば、対向部の上面における、接合部11cと重なる位置に取り付けられている。本実施形態では、接合部11cが、天井壁111の中央部、つまり対向部の中央部を通っているところ、緩衝部材3は、接合部11cにおける、対向部の中央部に含まれる部分と重なる位置に配置されている。
図1に示すようにバッテリB1がフロアパネルFの下方に配置された状態において、緩衝部材3は、フロアパネルFと対向部の中央部との間に位置している。
【0040】
[1-2.作用]
バッテリ搭載構造100のようなフロアパネルFの下方にバッテリケース1が配置された構造において、電池セル2が高温になった場合、バッテリケース1が電池セル2からの熱によって膨出することがある。バッテリケース1が膨出することとは、より詳細には、バッテリケース1を構成する壁がバッテリケース1の外側へ膨らむように変形することを意味する。
【0041】
ここで、バッテリケース1のアッパ部材11は、第1ケース部11a及び第2ケース部11bを有する。これらの接合部11cは、他の部分と比較して機械的強度が弱いため、変形への耐性が低い。
【0042】
そこで、バッテリ搭載構造100では、フロアパネルFとバッテリケース1とに挟まれた位置であって接合部11cと重なる位置に、緩衝部材3が配置されている。これにより、電池セル2からの熱によってアッパ部材11が外側へ、つまりフロアパネルF側へ変形しようとしたとしても、緩衝部材3がフロアパネルFに接触して、接合部11cがそれ以上フロアパネルF側へ変形することが抑制される。つまり、接合部11cの膨出量が低減される。接合部11cと重なる位置は、接合部11cの膨出量を低減させる位置の一例に相当する。
【0043】
固定部により囲まれた対向部(本実施形態では、フランジ113に囲まれた天井壁111)は、電池セル2が高温になった場合に膨出しやすい。本実施形態では、接合部11cが対向部に含まれるために接合部11cの膨出量が大きくなりやすいところ、接合部11cと重なる位置に緩衝部材3が配置されていることにより、一層効果的に接合部11cの膨出量が低減される。
【0044】
特に本実施形態では、接合部11cの一部が対向部の中央部に含まれる。対向部の中央部は、対向部の中で最も膨出量が大きくなりやすい。このような構成であっても、緩衝部材3がフロアパネルFと対向部の中央部との間に配置されていることにより、より一層効果的に接合部11cの膨出量が低減される。
【0045】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0046】
(1a)バッテリ搭載構造100では、フロアパネルFとバッテリケース1との間における、接合部11cの膨出量を低減させる位置に、緩衝部材3が配置されている。このような構成によれば、電池セル2が高温になったとしても、緩衝部材3によって接合部11cが膨出することを抑制することができる。したがって、接合部11cの変形を生じにくくすることができる。
【0047】
加えて、緩衝部材3がバッテリケース1とフロアパネルFとの間に配置されていることにより、バッテリケース1がフロアパネルFに接触することを抑制することができる。したがって、電池セル2が高温になったとしても、アッパ部材11からフロアパネルFへの伝熱を抑制することができる。
【0048】
(1b)接合部11cを膨出させにくくするために、例えば、バッテリケース1の上面の全域に緩衝部材3を取り付けることも考えられる。しかし、このような構成では、バッテリの重量が増加しやすく、また緩衝部材3の大きさの分、バッテリの材料コストが嵩みやすい。
【0049】
そこで、バッテリB1では、バッテリケース1の上面における一部の領域のみに、緩衝部材3が取り付けられている。すなわち、バッテリ搭載構造100では、バッテリケース1の上面における一部の領域のみと重なる位置に、緩衝部材3が配置されている。
【0050】
このような構成によれば、バッテリB1の重量の増加を抑制しつつ、接合部11cを膨出させにくくすることができる。さらに、バッテリケース1の上面の全域に緩衝部材3が配置される構成と比較して、緩衝部材3を小さくすることができるため、バッテリB1の材料コストを低減することができる。
【0051】
(1c)バッテリ搭載構造100において、緩衝部材3は、接合部11cと重なる位置に配置されている。このような構成によれば、電池セル2からの熱によって接合部11cがフロアパネルF側へ変形しようとした場合に、フロアパネルFと接合部11cとに挟まれた緩衝部材3により、フロアパネルF側から接合部11cを直接押圧することができる。したがって、接合部11cの変形を一層生じにくくすることができる。
【0052】
(1d)バッテリ搭載構造100のように接合部11cの一部が対向部(本実施形態では天井壁111)に含まれている構成では、電池セル2が高温になった場合に、接合部11cが膨出しやすい。そこで、バッテリ搭載構造100では、緩衝部材3がフロアパネルFと対向部との間に配置されている。このような構成によれば、一層効果的に、接合部11cの変形を生じにくくすることができる。
【0053】
(1e)特に本実施形態では、接合部11cの一部が対向部の中央部に含まれている。対向部の中央部は、対向部の中で最も膨出量が大きくなりやすいところ、バッテリ搭載構造100では、フロアパネルFと対向部の特に中央部との間に、緩衝部材3が配置されている。したがって、より一層効果的に、接合部11cの変形を生じにくくすることができる。
【0054】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
第2実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同一の符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0055】
第2実施形態のバッテリ搭載構造は、前述したバッテリB1に代えて、
図4に示すバッテリB2を備える。第2実施形態のバッテリB2は、第1実施形態のバッテリB1と概ね同一の構成である。ただし、第2実施形態のバッテリB2は、緩衝部材3を2つ備える。
【0056】
図4及び
図5に示すように、2つの緩衝部材3は、接合部11cを挟んで対向する位置に配置されている。具体的には、2つの緩衝部材3は、天井壁111の上面における、接合部11cを挟んで対向する位置に取り付けられている。2つの緩衝部材3のうちの一方は、第1ケース部11aの上面における、接合部11cに近接する位置に取り付けられている。2つの緩衝部材3のうちの他方は、第2ケース部11bの上面における、接合部11cに近接する位置に取り付けられている。
【0057】
第1実施形態と同様に天井壁111が対向部に相当することから、2つの緩衝部材3は、対向部の上面に取り付けられているとも言い換えられる。接合部11cが天井壁111の中央部、つまり対向部の中央部を通っているところ、2つの緩衝部材3は、対向部の中央部又はその近傍において接合部11cを挟んで互いに対向している。
【0058】
バッテリB2がフロアパネルFの下方に配置された状態において、2つの緩衝部材3は、フロアパネルFとバッテリケース1との間、具体的にはフロアパネルFと対向部との間に位置している。
【0059】
[2-2.作用]
第2実施形態のバッテリ搭載構造では、フロアパネルFとバッテリケース1とに挟まれた位置であって接合部11cを挟んで対向する位置に、2つの緩衝部材3が配置されている。これにより、電池セル2からの熱によってアッパ部材11がフロアパネルF側へ変形しようとしたとしても、2つの緩衝部材3がフロアパネルFに接触して、接合部11cがそれ以上フロアパネルF側へ変形することが抑制される。つまり、接合部11cの膨出量が低減される。接合部11cを挟んで対向する位置は、接合部11cの膨出量を低減させる位置の一例に相当する。
【0060】
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、上記(1a)、(1b)及び(1d)の効果を奏し、更に以下の効果を奏する。
【0061】
(2a)第2実施形態のバッテリ搭載構造において、2つの緩衝部材3は、接合部11cを挟んで対向する位置に配置されている。このような構成によれば、電池セル2からの熱によって接合部11cがフロアパネルF側へ変形しようとした場合に、フロアパネルFと接合部11cとに挟まれた2つの緩衝部材3により、フロアパネルF側から接合部11cの両側を押圧することができる。したがって、接合部11cの変形を一層生じにくくすることができる。
【0062】
(2b)接合部11cの一部は、対向部の中で最も膨出量が大きくなりやすい、対向部の中央部に含まれている。そこで、第2実施形態のバッテリ搭載構造では、フロアパネルFと対向部の中央部又はその近傍との間に、緩衝部材3が配置されている。したがって、より一層効果的に、接合部11cの変形を生じにくくすることができる。
【0063】
[3.第3実施形態]
[3-1.構成]
第3実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同一の符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0064】
第3実施形態のバッテリ搭載構造は、前述したバッテリB1に代えて、
図6に示すバッテリB3を備える。第3実施形態のバッテリB3は、第1実施形態のバッテリB1と概ね同一の構成である。ただし、第3実施形態のバッテリB3は、前述したバッテリケース1に代えて、バッテリケース1Sを備える。また、バッテリB3は、緩衝部材3を2つ備える。
【0065】
バッテリケース1Sは、アッパ部材14と、前述したロア部材12と、を有する。アッパ部材14は、第1実施形態のアッパ部材11と同様に、天井壁111と、側壁112と、フランジ113と、を有する。
【0066】
アッパ部材14は、第1ケース部14a及び第2ケース部14bが互いに接合されて構成されている。第1ケース部14a及び第2ケース部14bは、アッパ部材14を、天井壁111の長手方向ではなく短手方向において二分割した場合の各部分を構成する。天井壁111には、第1ケース部14aと第2ケース部14bとの接合部14cが含まれる。接合部14cは、直線状に延びる部分である。接合部14cの延び方向は、天井壁111の長手方向と一致する。接合部14cは、天井壁111の中央部を通る。
【0067】
アッパ部材14の天井壁111は、帯状部116Sを有する。帯状部116Sは、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される部分である。すなわち、アッパ部材14は、フランジ113及び帯状部116Sにおいて、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される。帯状部116Sは、天井壁111の中央部を含み、天井壁111の短手方向に延びている。帯状部115Sは、天井壁111の短手方向における一端から他端まで延びている。
【0068】
図7に示すように、アッパ部材14において、フランジ113及び帯状部116Sは、2つの固定部117Sを構成する。固定部117Sは、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される枠状の部分である。
図7では、理解を容易にするために、固定部117Sにハッチングを入れている。
【0069】
天井壁111における2つの固定部117Sによりそれぞれ囲まれた部分が、2つの対向部118Sを構成する。対向部118Sは、固定部117Sにより囲まれ、フロアパネルFの下面に対向する部分である。2つの対向部118Sは、天井壁111における帯状部116Sを挟んだ両側の部分とも言い換えられる。接合部14cは、2つの対向部118Sそれぞれの中央部を通っている。
【0070】
2つの緩衝部材3は、天井壁111の上面における、接合部14cと重なる位置に取り付けられている。具体的には、2つの緩衝部材3は、各対向部118Sの上面における、接合部14cと重なる位置に取り付けられている。本実施形態では、接合部14cが2つの対向部118Sそれぞれの中央部を通っているところ、2つの緩衝部材3は、接合部14cにおける、各対向部118Sの中央部に含まれる部分と重なる位置に、それぞれ配置されている。
【0071】
バッテリB3がフロアパネルFの下方に配置された状態において、2つの緩衝部材3は、フロアパネルFと各対向部118Sの中央部との間にそれぞれ位置している。
【0072】
[3-2.効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0073】
[4.第4実施形態]
[4-1.構成]
第4実施形態は、第1実施形態と基本的な構成は同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同一の符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0074】
第4実施形態のバッテリ搭載構造は、前述したバッテリB1に代えて、
図8に示すバッテリB4を備える。第4実施形態のバッテリB4は、第1実施形態のバッテリB1と概ね同一の構成である。ただし、第4実施形態のバッテリB4は、前述したバッテリケース1に代えて、バッテリケース1Tを備える。また、バッテリB4は、緩衝部材3を4つ備える。
【0075】
バッテリケース1Tは、アッパ部材15と、前述したロア部材12と、を有する。アッパ部材15は、第1実施形態のアッパ部材11と同様に、天井壁111と、側壁112と、フランジ113と、を有する。
【0076】
アッパ部材15は、第1ケース部15a、第2ケース部15b及び第3ケース部15cが互いに接合されて構成されている。第1ケース部15a、第2ケース部15b及び第3ケース部15cは、アッパ部材15を天井壁111の長手方向において三分割した場合の各部分を構成する。天井壁111には、第1ケース部15aと第2ケース部15bとの第1接合部15d、及び、第2ケース部15bと第3ケース部15cとの第2接合部15eが含まれる。第1接合部15d及び第2接合部15eは、直線状に延びる部分である。第1接合部15d及び第2接合部15eの延び方向は、天井壁111の短手方向と一致する。
【0077】
アッパ部材15の天井壁111は、帯状部116Tを有する。帯状部116Tは、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される部分である。すなわち、アッパ部材15は、フランジ113及び帯状部116Tにおいて、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される。
【0078】
帯状部116Tは、X字状の部分である。帯状部116Tは、天井壁111の中央部を含み、天井壁111の長手方向に延びる第1部分と、天井壁111の中央部を含み、天井壁111の短手方向に延びる第2部分と、を有する。第1部分は、天井壁111の長手方向における一端から他端まで延びている。第2部分は、天井壁111の短手方向における一端から他端まで延びている。
【0079】
図9に示すように、アッパ部材15において、フランジ113及び帯状部116Tは、4つの固定部117Tを構成する。固定部117Tは、ロア部材12及びフロアパネルFの少なくとも一方に固定される枠状の部分である。
図9では、理解を容易にするために、固定部117Tにハッチングを入れている。
【0080】
天井壁111における4つの固定部117Tによりそれぞれ囲まれた部分が、4つの対向部118Tを構成する。対向部118Tは、固定部117Tにより囲まれ、フロアパネルFの下面に対向する部分である。4つの対向部118Tは、天井壁111における帯状部116Tにより区画された四方の部分とも言い換えられる。第1接合部15dは、天井壁111の短手方向に並ぶ2つの対向部118Tそれぞれの中心部を通っている。第2接合部15eは、天井壁111の短手方向に並ぶ他の2つの対向部118Tそれぞれの中心部を通っている。
【0081】
4つの緩衝部材3は、天井壁111の上面における、第1接合部14d又は第2接合部14eと重なる位置に取り付けられている。具体的には、4つの緩衝部材3は、各対向部118Tの上面における、第1接合部14d又は第2接合部14eと重なる位置に取り付けられている。
【0082】
本実施形態では、第1接合部15dが、天井壁111の短手方向に並ぶ2つの対向部118Tそれぞれの中央部を通っている。4つの緩衝部材3のうちの2つは、第1接合部15dにおける、当該2つの対向部118Tそれぞれの中央部に含まれる部分と重なる位置に、それぞれ配置されている。また本実施形態では、第2接合部15eが、天井壁111の短手方向に並ぶ他の2つの対向部118Tそれぞれの中央部を通っている。4つの緩衝部材3のうちの残りの2つは、第2接合部15eにおける、当該他の2つの対向部118Tそれぞれの中央部に含まれる部分と重なる位置に、それぞれ配置されている。
【0083】
バッテリB4がフロアパネルFの下方に配置された状態において、4つの緩衝部材3は、フロアパネルFと各対向部118Tの中央部との間にそれぞれ位置している。
【0084】
[4-2.効果]
以上詳述した第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0085】
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0086】
(5a)上記実施形態では、接合部11cは、直線状に延びる部分であるが、接合部の形状は特に限定されない。例えば、
図10に示すアッパ部材16のように、第1カバー部16aと第2カバー部16bとの接合部16cが、少なくとも1箇所において屈曲しつつ延びる部分であってもよい。また、天井壁111における接合部の配置も特に限定されない。
【0087】
(5b)上記実施形態では、緩衝部材3は、アッパ部材11の天井壁111に取り付けられている。このような構成において、緩衝部材3をアッパ部材11の天井壁111に取り付ける手段は、特に限定されない。緩衝部材3は、例えば接着剤や両面テープにより、アッパ部材11の天井壁111に取り付けられてもよい。また例えば、上記実施形態のようにアッパ部材11の天井壁111にリブ114が形成される場合、緩衝部材3は、リブ114に嵌め込まれることにより、天井壁111に取り付けられてもよい。
【0088】
(5c)また例えば、緩衝部材3は、必ずしもアッパ部材11の天井壁111に取り付けられなくてもよい。
【0089】
例えば、緩衝部材3は、
図11に示すように、フロアパネルFの下面に取り付けられてもよい。すなわち、緩衝部材3は、必ずしもバッテリの構成要素に含まれなくてもよい。
【0090】
また例えば、緩衝部材3は、
図12に示すように、フロアパネルFの下面とアッパ部材11の天井壁111の上面との双方に接触するように配置されてもよい。この場合、緩衝部材3は、フロアパネルFの下面及びアッパ部材11の天井壁111の上面の少なくとも一方に取り付けられてもよいし、双方に取り付けられなくてもよい。緩衝部材3が、フロアパネルFの下面及びアッパ部材11の天井壁111の上面の双方に取り付けられないものの、当該双方に接触している例としては、緩衝部材3が、フロアパネルFとアッパ部材11の天井壁111との間に圧入された構成が挙げられる。
【0091】
図11及び
図12に示す例は、いずれも、上記第1、第3及び第4実施形態と同様、フロアパネルFとバッテリケース1とに挟まれた位置であって接合部11cと重なる位置に緩衝部材3が配置された構成に該当する。
【0092】
(5d)上記第1実施形態では、アッパ部材11の天井壁111の上面における接合部11cと重なる位置に、緩衝部材3が取り付けられる構成として、緩衝部材3が天井壁111の上面側から接合部11cに接触している構成を例示した。しかし、
図13に示すように、緩衝部材3は、天井壁111の上面における接合部11cと重なる位置に取り付けられる場合であっても、必ずしも接合部11cに接触していなくてもよい。
図13に示す例では、緩衝部材3は、接合部11cの上方を覆いつつ、接合部11cの両側の部分(つまり第1ケース部11a及び第2ケース部11b)に接触している。
図13に示す例も、上記第1、第3及び第4実施形態と同様、フロアパネルFとバッテリケース1とに挟まれた位置であって接合部11cと重なる位置に緩衝部材3が配置された構成に該当する。
【0093】
(5e)緩衝部材3の形状は、特に限定されない。緩衝部材3は、例えば、上記実施形態で例示した直方体状などの四角柱状であってもよいし、三角柱状や六角柱状といった四角柱状以外の角柱状であってもよいし、円柱状であってもよい。
【0094】
(5f)上記実施形態では、アッパ部材11とロア部材12とが固定具4により互いに固定される構成を例示した。しかし、アッパ部材11とロア部材12との固定方法は、特に限定されない。例えば、アッパ部材11のフランジ113及びロア部材12のフランジ123の少なくとも一方が他方側に折り返されることにより、アッパ部材11とロア部材12とが互いに固定されてもよい。
【0095】
(5g)電池セルの外形は、特に限定されない。電池セルは、例えば、上記実施形態で例示した長方形状などの四角形状の板状の部材であってもよいし、四角形状以外の多角形状の板状の部材であってもよいし、円形状の板状の部材であってもよい。また、電池セルは、板状に限定されず、例えば、円筒状などの筒状であってもよい。電池セルとして、例えば、ラミネートセル等の種々の公知の電池セルを用いることも可能である。
【0096】
(5h)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0097】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
車両の下部にバッテリを搭載するバッテリ搭載構造であって、
前記車両のフロアパネルと、
電池セルを収容し、前記フロアパネルの下方に配置されたバッテリケースと、
前記フロアパネルと前記バッテリケースとの間に配置された少なくとも1つの緩衝部材と、
を備え、
前記バッテリケースは、互いに接合され、前記フロアパネルの下面に対向する第1ケース部及び第2ケース部を有し、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記第1ケース部と前記第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に配置されている、バッテリ搭載構造。
【0098】
[項目2]
項目1に記載のバッテリ搭載構造であって、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記接合部と重なる位置に配置された緩衝部材を含む、バッテリ搭載構造。
【0099】
[項目3]
項目1又は項目2に記載のバッテリ搭載構造であって、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記接合部を挟んで対向する位置に配置された2つの緩衝部材を含む、バッテリ搭載構造。
【0100】
[項目4]
項目1から項目3までのいずれか1項に記載のバッテリ搭載構造であって、
前記バッテリケースは
前記第1ケース部及び前記第2ケース部を含んで構成されたアッパ部材と、
前記アッパ部材の下方に配置され、前記アッパ部材と共に前記電池セルを収容するための収容空間を形成するロア部材と、
を有し、
前記アッパ部材は、
前記ロア部材及び前記フロアパネルの少なくとも一方に固定される枠状の固定部と、
前記固定部により囲まれ、前記フロアパネルの下面に対向する対向部と、
を有し、
前記接合部の少なくとも一部は、前記対向部に含まれ、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記フロアパネルと前記対向部との間に配置された緩衝部材を含む、バッテリ搭載構造。
【0101】
[項目5]
車両の下部に搭載可能に構成されたバッテリであって、
バッテリケースと、
前記バッテリケースに収容された電池セルと、
少なくとも1つの緩衝部材と、
を備え、
前記バッテリケースは、互いに接合され、前記バッテリが前記車両に搭載された際に前記車両のフロアパネルの下面に対向するように構成された第1ケース部及び第2ケース部を有し、
前記少なくとも1つの緩衝部材は、前記バッテリケースの外面における、前記第1ケース部と前記第2ケース部との接合部の膨出量を低減させる位置に取り付けられている、バッテリ。
【符号の説明】
【0102】
B1~B4…バッテリ、F…フロアパネル、1,1S,1T…バッテリケース、11,14,15…アッパ部材、11a,14a,15a…第1ケース部、11b,14b,15b…第2ケース部、15c…第3ケース部、11c,14c,15d,15e…接合部、117S,117T…固定部、118S,118T…対向部、12…ロア部材、2…電池セル、3…緩衝部材、100…バッテリ搭載構造。