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特開2024-170118撮影システム、サーバ装置及び撮影方法
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  • 特開-撮影システム、サーバ装置及び撮影方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170118
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】撮影システム、サーバ装置及び撮影方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/661 20230101AFI20241129BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20241129BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20241129BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20241129BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241129BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20241129BHJP
   G03B 17/38 20210101ALI20241129BHJP
【FI】
H04N23/661
H04N23/60 300
H04N23/695
G03B7/091
G03B15/00 P
G03B15/00 Q
G03B17/00 B
G03B15/00 D
G03B15/00 R
G03B17/38 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087100
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】北村 千夏
(72)【発明者】
【氏名】小澤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】長山 泰祐
(72)【発明者】
【氏名】木下 和則
【テーマコード(参考)】
2H002
5C122
【Fターム(参考)】
2H002GA17
2H002GA71
2H002JA07
5C122EA63
5C122EA66
5C122EA67
5C122EA69
5C122FA18
5C122FH14
5C122GA34
5C122GC14
5C122GC52
5C122GC77
5C122GD06
5C122HA05
5C122HA75
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって重要な場面を自動撮影するとともに、ユーザ自身を他ユーザの撮影装置で自動撮影する。
【解決手段】撮影システムは、第1ユーザに装着され、前記第1ユーザの第1生体情報及び第1位置情報を測定する第1センサと、前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置と、第2ユーザに装着され、前記第2ユーザの第2位置情報を測定する第2センサと、前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置と、前記第1センサから前記第1生体情報及び前記第1位置情報を取得し、前記第2センサから前記第2位置情報を取得するサーバ装置と、を備える。前記サーバ装置は、前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行い、分析結果に基づいて前記第1撮影装置から撮影画像を取得して記憶部に保存すると共に、前記第1ユーザを撮影可能な前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザに装着され、前記第1ユーザの第1生体情報を測定する第1センサと、
前記第1ユーザの第1位置情報を測定する第1位置測定部と、
前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置と、
第2ユーザに装着され、前記第2ユーザの第2生体情報を測定する第2センサと、
前記第2ユーザの第2位置情報を測定する第2位置測定部と、
前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置と、
前記第1撮影装置及び前記第2撮影装置から撮影データを取得可能なサーバ装置と、
前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行う判定部と、
を備え、
前記サーバ装置は、前記感情分析の分析結果に基づいて前記第1撮影装置から撮影画像を取得して記憶部に保存すると共に、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から前記第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定し、撮影可能と判定した場合は、前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存する、撮影システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記第2撮影装置又は前記第2センサから方位情報を取得し、前記第1位置情報、前記第2位置情報及び前記方位情報に基づいて、前記第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記第2撮影装置に対し、前記第1ユーザの方位を通知すると共に撮影を指示し、
前記第2撮影装置は、カメラ内蔵部位を前記サーバ装置から通知された方位へ回転させ、撮影を行い、撮影画像を前記サーバ装置へ送信する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記第1ユーザに対応する被写体人物の登録を受け付け、前記第2撮影装置から受信した撮影画像に前記被写体人物が写っている場合に、この撮影画像を前記第1ユーザに対応付けて前記記憶部に保存する、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記第1撮影装置及び前記第2撮影装置はぬいぐるみに内蔵されている、請求項1に記載の撮影システム。
【請求項6】
第1ユーザに装着された第1センサから前記第1ユーザの第1生体情報及び第1位置情報を受信し、第2ユーザに装着された第2センサから前記第2ユーザの第2位置情報を受信するユーザ情報受信部と、
前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行い、感情変化の有無を判定する判定部と、
前記判定部により前記第1ユーザの感情が変化したと判定されると、前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置に対し撮影を指示する撮影指示部と、
前記第1撮影装置から撮影画像を受信して記憶部に保存する撮影データ受信部と、
を備え、
前記判定部により前記第1ユーザの感情が変化したと判定されると、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から、前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定し、撮影可能と判定した場合は、前記第2撮影装置に対し撮影を指示し、前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存する、サーバ装置。
【請求項7】
第1ユーザに装着され、前記第1ユーザの第1生体情報及び第1位置情報を測定する第1センサと、前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置と、第2ユーザに装着され、前記第2ユーザの第2生体情報及び第2位置情報を測定する第2センサと、前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置と、前記第1センサ、前記第1撮影装置、前記第2センサ及び前記第2撮影装置と通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる撮影方法であって、
前記サーバ装置が、
前記第1センサから前記第1生体情報及び前記第1位置情報を取得し、
前記第2センサから前記第2生体情報及び前記第2位置情報を取得し、
前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行い、分析結果に基づいて前記第1撮影装置から撮影画像を取得して記憶部に保存すると共に、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から前記第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定し、撮影可能と判定した場合、前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存する、撮影方法。
【請求項8】
第1ユーザの第1位置情報を測定する第1位置測定部と、
前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置と、
第2ユーザの第2位置情報を測定する第2位置測定部と、
前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置と、
前記第1撮影装置及び前記第2撮影装置から撮影データを取得可能なサーバ装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報を収集し、前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の距離が所定値以下となった場合、前記第1撮影装置に対し、前記第2ユーザの方位を通知すると共に撮影を指示し、前記第2撮影装置に対し、前記第1ユーザの方位を通知すると共に撮影を指示し、
前記第1撮影装置は、カメラ内蔵部位を前記サーバ装置から通知された方位へ回転させ、撮影を行い、撮影画像を前記サーバ装置へ送信し、
前記第2撮影装置は、カメラ内蔵部位を前記サーバ装置から通知された方位へ回転させ、撮影を行い、撮影画像を前記サーバ装置へ送信する、撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影システム、サーバ装置及び撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常において「今、この瞬間を残したい。」と思う場面はあるが、常にカメラを構えているわけではないため、写真として残すことはできなかった。
【0003】
いつでも撮影を行えるように撮影者が常にカメラを構えていると、被写体となる人物は、不快に感じたり身構えてしまったりして、自然な表情を撮ることが困難になる。また、グループや家族の旅行などでは、撮影担当者が写る機会が少なく、撮影担当者が自然な表情をしている場面の写真はほぼ無かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6094476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ユーザにとって重要な場面を自動撮影するとともに、ユーザ自身を他ユーザの撮影装置で自動撮影できる撮影システム、サーバ装置及び撮影方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮影システムは、第1ユーザに装着され、前記第1ユーザの第1生体情報を測定する第1センサと、前記第1ユーザの第1位置情報を測定する第1位置測定部と、前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置と、第2ユーザに装着され、前記第2ユーザの第2生体情報を測定する第2センサと、前記第2ユーザの第2位置情報を測定する第2位置測定部と、前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置と、前記第1撮影装置及び前記第2撮影装置から撮影データを取得可能なサーバ装置と、前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行う判定部と、を備え、前記サーバ装置は、前記感情分析の分析結果に基づいて前記第1撮影装置から撮影画像を取得して記憶部に保存すると共に、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から前記第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定し、撮影可能と判定した場合は、前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存するものである。
【0007】
本発明のサーバ装置は、第1ユーザに装着された第1センサから前記第1ユーザの第1生体情報及び第1位置情報を受信し、第2ユーザに装着された第2センサから前記第2ユーザの第2位置情報を受信するユーザ情報受信部と、前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行い、感情変化の有無を判定する判定部と、前記判定部により前記第1ユーザの感情が変化したと判定されると、前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置に対し撮影を指示する撮影指示部と、前記第1撮影装置から撮影画像を受信して記憶部に保存する撮影データ受信部と、を備え、前記判定部により前記第1ユーザの感情が変化したと判定されると、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から、前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定し、撮影可能と判定した場合は、前記第2撮影装置に対し撮影を指示し、前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存するものである。
【0008】
本発明の撮影方法は、第1ユーザに装着され、前記第1ユーザの第1生体情報及び第1位置情報を測定する第1センサと、前記第1ユーザの身体に取り付けられた第1撮影装置と、第2ユーザに装着され、前記第2ユーザの第2生体情報及び第2位置情報を測定する第2センサと、前記第2ユーザの身体に取り付けられた第2撮影装置と、前記第1センサ、前記第1撮影装置、前記第2センサ及び前記第2撮影装置と通信可能に接続されたサーバ装置とを用いる撮影方法であって、前記サーバ装置が、前記第1センサから前記第1生体情報及び前記第1位置情報を取得し、前記第2センサから前記第2生体情報及び前記第2位置情報を取得し、前記第1生体情報を用いて前記第1ユーザの感情分析を行い、分析結果に基づいて前記第1撮影装置から撮影画像を取得して記憶部に保存すると共に、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から前記第2撮影装置で前記第1ユーザを撮影可能か否か判定し、撮影可能と判定した場合、前記第2撮影装置から撮影画像を取得して前記記憶部に保存するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザにとって重要な場面を自動撮影するとともに、ユーザ自身を他ユーザの撮影装置で自動撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る撮影システムの概略構成図である。
図2】サーバ装置の機能ブロック図である。
図3】同実施形態に係る撮影方法を説明するフローチャートである。
図4】サーバ装置の機能ブロック図である。
図5】別の実施形態に係る撮影方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る撮影システムは、撮影装置1、センサ2、通信装置3及びサーバ装置4を備える。この撮影システムは、レジャー施設や観光地等に導入されるものであり、例えば、レジャー施設の敷地内でユーザ(ユーザを含むグループ)を自動撮影し、撮影画像をサーバ装置4に保存する。
【0013】
撮影装置1は例えば通信機能を有するデジタルカメラであり、ユーザの身体に取り付けられ、被写体を撮影する。撮影装置1は、撮影データをサーバ装置4へ送信する。撮影装置1は、被写体が不快に感じたり身構えたりしないように、カメラを内蔵した肩乗せタイプのぬいぐるみやキャラクターのかぶりものなどであることが好ましい。また、撮影装置1の撮影方向をユーザの視線方向に合わせるようにして身体に取り付けることが好ましい。
【0014】
センサ2は、ユーザの身体の一部に装着するウェアラブルデバイスであり、例えば、手首に装着する腕時計型又はリストバンド型の機器である。センサ2は、ユーザの生体情報を検出する生体情報検出部、ユーザの現在位置を検出する位置検出部、方位検出部、及び通信部を有する。
【0015】
生体情報検出部は、公知の手法を用いて、ユーザの生体情報として、心拍数(脈拍数)、血圧、心電図波形、体温、血中酸素等を検出する。位置検出部は、複数のGPS衛星からの電波を受信し、現在位置を示す位置情報を検出する。方位検出部は、ユーザが向いている方位(撮影装置1の撮影方向)を示す方位情報を検出するものであり、公知の方位センサを用いることができる。センサ2の通信部は、生体情報、位置情報及び方位情報を含むユーザ情報をサーバ装置4へ送信する。撮影装置1の撮影方向を示す方位情報は、撮影装置1が検出し、サーバ装置4へ送信してもよい。
【0016】
撮影装置1及びセンサ2は、通信装置3を介してサーバ装置4と通信可能に接続されている。通信装置3は、例えば無線LAN機器である。複数の通信装置3が一定の範囲内に設置されている。
【0017】
ユーザは、この撮影システムによるサービスを利用するにあたり、撮影装置1及びセンサ2を購入又はレンタルする。そして、カウンタ等でサービス利用の申し込みを行い、アカウント登録を行い、ユーザ及びグループメンバーを被写体としてアカウントに対応付ける。例えば、ユーザU1は、撮影装置1A及びセンサ2Aを購入し、アカウントを作成し、カウンタ等でスタッフがユーザU1及びグループメンバーU2~U4を撮影して、被写体としてアカウントに対応付ける。また、撮影装置1A及びセンサ2Aの識別情報をユーザU1のアカウントに対応付ける。ユーザU1は、撮影装置1Aを肩に乗せ、センサ2Aを手首に装着する。
【0018】
同様に、ユーザU5は、撮影装置1B及びセンサ2Bを購入し、アカウントを作成し、カウンタ等でスタッフがユーザU5及びグループメンバーU6を撮影して、被写体としてアカウントに対応付ける。また、撮影装置1B及びセンサ2Bの識別情報をユーザU5のアカウントに対応付ける。ユーザU5は、撮影装置1Bを肩に乗せ、センサ2Bを手首に装着する。
【0019】
スマートフォンにインストールした専用アプリを用いてサービス利用の申し込み及びアカウントの作成を行い、スマートフォンのカメラでユーザ自身やグループメンバーの顔、外見(服装)、身体的特徴等を撮影し、被写体としてアカウントに登録してもよい。また、スマートフォンを用いて、撮影装置1及びセンサ2をアカウントに対応付けてもよい。
【0020】
被写体を登録し、撮影装置1及びセンサ2をアカウントに対応付けると、撮影サービスが開始される。センサ2が、ユーザ情報を連続的に測定し、ユーザ情報をサーバ装置4へ送信する。
【0021】
サーバ装置4は、センサ2から受信したユーザ情報に含まれる生体情報を監視し、ユーザの感情分析を行う。生体情報に基づく感情分析は公知の手法を用いることができる。例えば、サーバ装置4は、感情分析によりユーザの心が動いた(感情が変化した)と判定すると、撮影装置1に撮影を指示する。
【0022】
撮影装置1は、サーバ装置4から撮影指示を受け付けると、撮影を行い、撮影画像をサーバ装置4へ送信する。例えば、撮影装置1は、撮影指示に基づいて、1回又は(連写を含む)複数回の撮影を行い、撮影画像をサーバ装置4へ送信する。あるいはまた、撮影装置1は、撮影指示に基づいて動画撮影を所定時間行い、動画データをサーバ装置4へ送信する。サーバ装置4は、撮影装置1から受信した撮影データを保存する。
【0023】
サーバ装置4は、感情分析によりユーザの心が動いた(感情が変化した)と判定すると、他ユーザのセンサ2から受信したユーザ情報に含まれる位置情報や方位情報に基づいて、このユーザを撮影可能な他ユーザの撮影装置2を探索し、検出した撮影装置2に撮影を指示する。
【0024】
例えば、サーバ装置4は、センサ2Aから受信したユーザ情報からユーザU1の心が動いたと判定すると、撮影装置1Aに撮影を指示する。撮影装置1Aは、撮影指示に基づいて撮影を行い、撮影データをサーバ装置4へ送信する。サーバ装置4は、撮影装置1Aから受信した撮影データをユーザU1のアカウントに対応付けて保存する。
【0025】
また、サーバ装置4は、ユーザU1を撮影可能な他ユーザの撮影装置を探索する。例えば、ユーザU5のセンサ2Bから受信したユーザ情報に含まれる位置情報及び方位情報から、ユーザU1を撮影可能であると判断し、ユーザU5の撮影装置1Bに撮影を指示する。撮影装置1Bは、撮影指示に基づいて撮影を行い、撮影データをサーバ装置4へ送信する。サーバ装置4は、撮影装置1Bから受信した撮影データに、ユーザU1に対応する被写体(U1~U4)が写っている場合、この撮影データをユーザU1のアカウントに対応付けて保存する。この撮影データは、ユーザU5のアカウントには対応付けられず、ユーザU5が閲覧できないようになっている。
【0026】
同様に、サーバ装置4は、センサ2Bから受信したユーザ情報からユーザU5の心が動いたと判定すると、撮影装置1Bに撮影を指示すると共に、ユーザU5を撮影可能な他ユーザの撮影装置を探索する。ユーザU1のセンサ2Aから受信したユーザ情報に含まれる位置情報及び方位情報から、ユーザU5を撮影可能であると判断すると、ユーザU1の撮影装置1Aに撮影を指示する。サーバ装置4は、撮影装置1Bから受信した撮影データをユーザU5のアカウントに対応付けて保存する。また、サーバ装置4は、撮影装置1Aから受信した撮影データに、ユーザU5に対応する被写体(U5、U6)が写っている場合、この撮影データをユーザU5のアカウントに対応付けて保存する。
【0027】
このように、ユーザが「この瞬間を残したい。」と思う重要な場面(心が動いた場面)で、自分の撮影装置、及び自分を撮影できる他ユーザの撮影装置が自動撮影するため、撮影担当者であるユーザ自身を含めたグループ全員の画像を保存することができる。
【0028】
次に、サーバ装置4の構成について説明する。サーバ装置4は、通信部、記憶部、CPU等を備えたコンピュータであり、CPUが制御プログラムを実行することで、図2に示すように、撮影データ受信部41、ユーザ情報受信部42、判定部43、撮影指示部44、撮影装置探索部45及び登録部47の機能が実現される。
【0029】
サーバ装置4の記憶部40には、感情に対応する生体情報の統計値を示す感情分析統計データが格納されている。例えば、感情分析統計データには、「ときめき」「ドキドキ」「びっくり」等の感情になった時に、生体情報がどのような値になるかの統計値が規定されている。サーバ装置4の各部の処理を、図3に示す撮影方法のフローチャートに沿って説明する。
【0030】
登録部47が、撮影サービスの使用を希望するユーザのアカウントを作成してサーバ装置4に登録し、記憶部40にユーザ用の記憶領域を作成する(ステップS101)。例えば、ユーザU1、ユーザU5のアカウントを作成し、記憶部40に各ユーザ用の記憶領域を作成する。登録部47は、各ユーザの被写体画像を登録する。また、登録部47は、各ユーザが使用する撮影装置1及びセンサ2の識別情報をアカウントに対応付ける。以下、ユーザU1が撮影サービスを利用する例について説明する。
【0031】
センサ2Aは、ユーザU1の身体に装着されるとユーザの生体情報を測定する。また、センサ2AはユーザU1の位置情報及び方位情報を検出する。サーバ装置4のユーザ情報受信部42は、センサ2Aから、生体情報、位置情報、方位情報及び識別情報を含むユーザ情報を受信し、記憶部40に保存する(ステップS102)。
【0032】
判定部43が、感情分析統計データを参照し、ユーザ情報に含まれる生体情報に基づいて、ユーザU1の感情分析を行う(ステップS103)。ユーザ情報に含まれる生体情報が、感情分析統計データの「ときめき」「ドキドキ」「びっくり」等の感情に対応する生体情報と同じ(近似した)値を示した場合、判定部43はユーザU1の心が動いたと判定する(ステップS104_Yes)。
【0033】
ユーザU1の心が動いたと判定されると、撮影指示部44が、撮影装置1Aに撮影を指示し、撮影データ受信部41が撮影装置1Aから撮影データを受信し、記憶部40内のユーザU1用の記憶領域に保存する(ステップS105)。
【0034】
また、ユーザU1の心が動いたと判定されると、撮影装置探索部45が、他ユーザのセンサ2から受信したユーザ情報に含まれる位置情報及び方位情報に基づいて、ユーザU1を撮影可能な他ユーザの撮影装置を探索する(ステップS106)。例えば、ユーザU5の撮影装置1BでユーザU1を撮影できる場合(ステップS106_Yes)、撮影指示部44が、撮影装置1Bに撮影を指示し、撮影データ受信部41が撮影装置1Bから撮影データを受信する(ステップS107)。
【0035】
判定部43が、撮影装置1Bから受信した撮影データに、ユーザU1に対応する被写体が写っているか否か判定する(ステップS108)。被写体が写っている場合(ステップS108_Yes)、この撮影データを記憶部40内のユーザU1用の記憶領域に保存する(ステップS109)。被写体が写っていない場合は(ステップS108_No)、この撮影データは破棄される。
【0036】
ユーザU1の心が動いていないと判定された場合は(ステップS104_No)、撮影装置1Aによる撮影は行わない。また、ユーザU1を撮影可能な他ユーザの撮影装置が無い場合は(ステップS106_No)、ユーザU1の撮影装置1Aのみで撮影を行う。
【0037】
サービスの利用を継続している間は(ステップS110_Yes)、ユーザ情報の受信、感情分析、撮影を繰り返し実行する。
【0038】
サービスの利用を終了する場合(ステップS110_No)、サーバ装置4はセンサ2からのユーザ情報の取得を停止する。ユーザがサービス提供範囲から出て、通信装置3の通信範囲から外れ、撮影装置1及びセンサ2がサーバ装置4と通信できなくなった場合、サービスを終了してもよい。
【0039】
ユーザのアカウント情報を用いて専用ウェブサイトにアクセスすることで、保存された画像を確認し、データをダウンロードすることができる。ユーザが、保存された画像を確認し、評価をフィードバックするようにしてもよい。
【0040】
フィードバックされた評価に基づいて、感情分析統計データを各ユーザ用に更新してもよい。ユーザの好みを学習し、次回の撮影に反映させることができる。
【0041】
このように、本実施形態によれば、ユーザの心が動いた、「この瞬間を残したい。」と思うような重要な場面の画像を自動的に撮影・保存することができる。また、周囲にいる他ユーザの撮影装置からも撮影を行うため、撮影装置を身に付けているユーザ自身が写った画像を保存することができる。
【0042】
上記実施形態では、感情分析の結果、ユーザの心が動いたと判定すると、撮影装置1に撮影指示を行う構成について説明したが、撮影装置1が動画を連続的に撮影して動画データをサーバ装置4へ送信し、ユーザの心が動いたと判定したタイミングで動画から静止画を抽出してもよい。
【0043】
この場合、図4に示すように、サーバ装置4は、抽出部46の機能をさらに有する。撮影装置1が動画を連続的に撮影する場合の撮影方法を図5に示すフローチャートに沿って説明する。
【0044】
ステップS201のアカウント登録は、図3のステップS101と同じであるため説明を省略する。アカウント登録後、撮影指示部44がユーザU1の撮影装置1A、ユーザU5の撮影装置1Bに動画撮影の開始を指示する(ステップS202)。撮影装置1A、1Bは、指示に基づいて動画撮影を開始し、動画データをサーバ装置4へ送信する。撮影データ受信部41は、受信した動画データを各ユーザの記憶領域に保存する。
【0045】
ユーザ情報受信部42は、ユーザのU1の身体に装着されたセンサ2Aから、生体情報、位置情報、方位情報及び識別情報を含むユーザ情報を受信し、記憶部40に保存する(ステップS203)。
【0046】
判定部43が、感情分析統計データを参照し、ユーザ情報に含まれる生体情報に基づいて、ユーザU1の感情分析を行う(ステップS204)。ユーザU1の心が動いたと判定されると(ステップS205_Yes)、抽出部46が、撮影装置1Aから受信した動画データから、ユーザU1の心が動いたタイミングの画像を抽出し、記憶部40内のユーザU1用の記憶領域に保存する(ステップS206)。抽出するのは1枚の静止画でもよいし、複数枚の静止画でもよいし、所定時間の動画でもよい。
【0047】
また、ユーザU1の心が動いたと判定されると、撮影装置探索部45が、他ユーザのセンサ2から受信したユーザ情報に含まれる位置情報及び方位情報に基づいて、ユーザU1を撮影していると推定される他ユーザの撮影装置を探索する(ステップS207)。例えば、ユーザU5の撮影装置1BにユーザU1が写っていると推定される場合(ステップS207_Yes)、判定部43が、撮影装置1Bから受信した動画データに、ユーザU1に対応する被写体が写っているか否か判定する(ステップS208)。
【0048】
被写体が写っている場合(ステップS208_Yes)、この動画データから、ユーザU1の心が動いたタイミングの画像を抽出し、記憶部40内のユーザU1用の記憶領域に保存する(ステップS209)。被写体が写っていない場合は(ステップS208_No)、画像の抽出は行わない。
【0049】
ユーザU1の心が動いていないと判定された場合は(ステップS205_No)、動画データからの画像抽出は行わない。また、ユーザU1を撮影していると考えられる他ユーザの撮影装置が無い場合は(ステップS207_No)、ユーザU1の撮影装置1Aが撮影した動画データのみから画像を抽出する。
【0050】
サービスの利用を継続している間は(ステップS210_Yes)、ユーザ情報の受信、感情分析、画像抽出を繰り返し実行する。サービスの利用を終了する場合(ステップS210_No)、サーバ装置4は撮影装置1に動画の撮影を終了させる。
【0051】
このように、連続撮影した動画データからの画像抽出によっても、ユーザの心が動いた、「この瞬間を残したい。」と思うような重要な場面の画像を自動的に保存することができる。
【0052】
判定部43は、動画データに写っている被写体の表情から、被写体の感情分析を行ってもよい。例えば、顔の筋肉に対応付けた顔の各部位の動作から、感情を分析する。抽出部44は、判定部43が、センサ2から受信した生体情報に基づいてユーザの心が動いたと判定し、かつ撮影データに写っている被写体の表情に基づいて被写体の心が動いたと判定したタイミングで、動画データから画像を抽出してもよい。
【0053】
上記実施形態において、センサ2から受信した位置情報から、ユーザが所定の撮影禁止範囲にいると判定した場合、サーバ装置4は、生体情報に基づく感情分析を停止して、画像の保存を行わないようにしてもよい。
【0054】
上記実施形態において、センサ2は腕に装着するものに限定されず、例えば、ヘッドギア型、メガネ型、イヤリング型などであってもよい。動物やキャラクターを模したかぶりものに、撮影装置1とセンサ2が内蔵されていてもよい。
【0055】
上記実施形態において、センサ2AがユーザU1の生体情報を用いて感情分析を行い、ユーザU1の心が動いたと判定した場合、撮影装置1Aに対し、撮影を指示してもよい。撮影装置1Aは、撮影画像をサーバ装置4へ送信する。また、撮影装置1Aは、センサ2Aから撮影指示を受信すると、所定の範囲内に到達する撮影依頼信号を発信してもよい。撮影依頼信号は、ユーザU1又は撮影装置1Aの識別情報を含む。
【0056】
この撮影依頼信号を受信したユーザU2の撮影装置1Bは、信号発信元の方向と、撮影装置1Bの撮影方向とを比較し、信号発信元が撮影範囲に含まれると判定すると、撮影を行う。撮影装置1Bは、撮影画像と、撮影依頼信号に含まれる識別情報とをサーバ装置4へ送信する。撮影装置1Bから撮影画像及び識別情報を受信したサーバ装置4は、識別情報に基づいて、撮影画像をユーザU1のアカウントに対応付けて保存する。
【0057】
撮影装置1は、カメラを内蔵したぬいぐるみに限定されず、動物やキャラクターの形状を有するカメラ付きロボットであってもよい。ロボットのカメラが内蔵された部位は、1又は複数の軸を中心に回転可能になっていてもよい。これにより、ユーザの姿勢によらず、カメラを被写体の方に向け、被写体を良い角度で撮影することができる。図3のステップS106、S107において、ユーザU1からみて所定の範囲内にある撮影装置1Bに対し、ユーザU1の位置(方位)を通知すると共に、撮影を指示してもよい。撮影装置1Bは、カメラ内蔵部位を回転させて通知された方位を向き、撮影を行い、撮影画像をサーバ装置4へ送信する。
【0058】
カメラ付きロボットである撮影装置1が、感情分析統計データを保存するとともに、センサ2から生体情報を取得して、ユーザの感情分析を行う判定部の機能を有していてもよい。また、撮影装置1が、位置情報の検出を行ってもよい。
【0059】
ユーザが所有するスマートフォン等のユーザ端末が撮影装置1やセンサ2と通信を行って動画データやユーザ情報を受信し、受信した動画データやユーザ情報を(通信装置3を介して)サーバ装置4へ送信してもよい。このようなユーザ端末を用いる場合、ユーザ端末がユーザの感情分析や位置情報の検出を行ってもよい。
【0060】
生体情報測定及び感情分析の機能を省略し、他ユーザが撮影可能な範囲にいる場合に、他ユーザを撮影するようにしてもよい。例えば、サーバ装置4は、ユーザU1、U5の位置情報を収集し、ユーザ間の距離が所定値以下となり他ユーザを撮影可能と判定すると、撮影装置1A、1Bに撮影を指示する。
【0061】
サーバ装置4は、撮影装置1AにユーザU5の位置(方位)を通知すると共に、撮影を指示する。撮影装置1Aは、カメラ内蔵部位を回転させて通知された方位を向き、必要に応じてズーム倍率を調整し、撮影を行い、撮影データをサーバ装置4へ送信する。撮影データは、連写画像を含む1枚以上の静止画でもよいし、所定時間の動画でもよい。サーバ装置4は、撮影装置1Aから受信した撮影データを、記憶部40内のユーザU5用の記憶領域に保存する。
【0062】
また、サーバ装置4は、撮影装置1BにユーザU1の位置(方位)を通知すると共に、撮影を指示する。撮影装置1Bは、カメラ内蔵部位を回転させて通知された方位を向き、必要に応じてズーム倍率を調整し、撮影を行い、撮影データをサーバ装置4へ送信する。撮影データは、連写画像を含む1枚以上の静止画でもよいし、所定時間の動画でもよい。サーバ装置4は、撮影装置1Bから受信した撮影データを、記憶部40内のユーザU1用の記憶領域に保存する。
【0063】
これにより、サービスを利用するユーザ同士でお互いのグループを撮影し合うことができる。
【0064】
生体情報測定及び感情分析の機能を省略した場合、撮影装置1は、サーバ装置4から他ユーザの撮影を指示された以外の時間は、動画を連続的に撮影する。ユーザは、サーバ装置4に保存された動画データを後で確認し、気に入ったタイミングの静止画や動画を切り出して取得することができる。サーバ装置4は、撮影装置1から受信した動画データのうち、事前に登録された被写体が写っている時間の動画データだけを保存し、登録された被写体が写っていない時間の動画データを破棄してもよい。
【0065】
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0066】
1、1A、1B 撮影装置
2、2A、2B センサ
3 通信装置
4 サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5