(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170127
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241129BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20241129BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H01L21/304 651M
H01L21/304 651B
H01L21/304 643A
H01L21/306 R
H01L21/30 572A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087121
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】太田 喬
【テーマコード(参考)】
5F043
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE10
5F043EE22
5F043EE24
5F043EE25
5F043EE28
5F043EE30
5F146MA03
5F146MA10
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BB22
5F157BB45
5F157BB66
5F157BH18
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DB37
5F157DB41
5F157DC86
(57)【要約】
【課題】高温の処理液の使用量を抑制する。
【解決手段】基板処理装置(100)は、チャンバー(11)と、チャンバー(11)内において基板(W)を保持する基板保持部(20)と、基板保持部(20)に保持された基板(W)の周囲を囲むカップ(70)と、基板保持部(20)に保持された基板(W)に、室温よりも高温の処理液を供給する処理液供給部(30)と、チャンバー(11)内において、基板(W)の外縁の周囲に位置し、室温よりも高温の液体が流れる加熱配管(80)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、
前記チャンバー内において基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板の周囲を囲むカップと、
前記基板保持部に保持された前記基板に、室温よりも高温の処理液を供給する処理液供給部と、
前記チャンバー内において、前記基板の外縁の周囲に位置し、室温よりも高温の液体が流れる加熱配管と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記加熱配管は、前記カップに取り付けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記加熱配管は、前記カップの上面に取り付けられる、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記加熱配管は、前記カップに内蔵される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理液供給部は、
前記処理液を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクに貯留された前記処理液が循環する循環配管と
を有し、
前記加熱配管は、前記循環配管と接続し、
前記加熱配管には、前記循環配管を循環する前記処理液が流れる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理液供給部は、
液体を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクに貯留された前記液体が循環する循環配管と
を有し、
前記加熱配管は、前記循環配管と接続し、
前記加熱配管には、前記循環配管を循環する前記液体が流れる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記加熱配管を前記カップの内側に移動させる移動機構をさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
チャンバー内に保持された基板において、前記基板の外縁の周囲に位置する加熱配管に室温よりも高温の液体を流す工程と、
前記加熱配管に前記液体が流れる期間に、室温よりも高温の処理液を前記基板に供給する工程と
を包含する、基板処理方法。
【請求項9】
前記高温の液体を流す工程において、前記液体として前記処理液を前記加熱配管に流す、請求項8に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の処理に好適に用いられる。典型的には、基板処理装置は、処理液を用いて基板を処理する。
【0003】
基板の上面に形成されたレジストを除去するために、高温のSPM液で基板を処理することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の基板処理装置では、ヒータが、温度センサによって取得された基板上でのSPM液の温度情報に応じてSPM液の温度を調整することにより、SPM液での処理をより正確に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
SPM液等の処理液で基板を処理する場合、回転する基板の中心近傍に処理液が吐出されると、処理液は、径方向に流れて広がり、基板全面を処理できる。一方で、基板の外縁に流れた処理液の温度は、基板上に吐出された時点の処理液の温度よりも低くなることがある。この場合、基板の外縁部分を適切に処理するためには、高温の処理液を大量に使用することになるおそれがある。
【0006】
上述した特許文献1の基板処理装置では、温度センサによって取得された基板上でのSPM液の温度情報に応じてSPM液の温度を調整する。しかしながら、基板の外縁に流れる処理液の温度が基板上に吐出された処理液の温度よりも低くなる場合、基板全体を適切に処理するためには、高温のSPM液を大量に使用することになるおそれがある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温の処理液の使用量を抑制可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面によれば、基板処理装置は、チャンバーと、前記チャンバー内において基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部に保持された前記基板の周囲を囲むカップと、前記基板保持部に保持された前記基板に、室温よりも高温の処理液を供給する処理液供給部と、前記チャンバー内において、前記基板の外縁の周囲に位置し、室温よりも高温の液体が流れる加熱配管とを備える。
【0009】
ある実施形態では、前記加熱配管は、前記カップに取り付けられる。
【0010】
ある実施形態では、前記加熱配管は、前記カップの上面に取り付けられる。
【0011】
ある実施形態では、前記加熱配管は、前記カップに内蔵される。
【0012】
ある実施形態では、前記処理液供給部は、前記処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された前記処理液が循環する循環配管とを有し、前記加熱配管は、前記循環配管と接続し、前記加熱配管には、前記循環配管を循環する前記処理液が流れる。
【0013】
ある実施形態では、前記処理液供給部は、液体を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留された前記液体が循環する循環配管とを有し、前記加熱配管は、前記循環配管と接続し、前記加熱配管には、前記循環配管を循環する前記液体が流れる。
【0014】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記加熱配管を前記カップの内側に移動させる移動機構をさらに備える。
【0015】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、チャンバー内に保持された基板において、前記基板の外縁の周囲に位置する加熱配管に室温よりも高温の液体を流す工程と、前記加熱配管に前記液体が流れる期間に、室温よりも高温の処理液を前記基板に供給する工程とを包含する。
【0016】
ある実施形態では、前記高温の液体を流す工程において、前記液体として前記処理液を前記加熱配管に流す。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高温の処理液の使用量を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図3】本実施形態の基板処理装置における加熱配管およびカップの模式的な上面図である。
【
図4】本実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図5】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図6】本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【
図7】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図8】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図9】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図10】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図11】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図12】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図13】(a)は、本実施形態の基板処理装置における加熱配管の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置におけるカップおよび加熱配管の模式的な上面図である。
【
図14】本実施形態の基板処理装置の模式的な配管構成図である。
【
図15】本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置および基板処理方法の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0020】
まず、
図1を参照して、本発明による基板処理装置100の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
【0021】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0022】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0023】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、基板処理ユニット10、処理液キャビネット110および処理液ボックス120内の各構成要素を制御してもよい。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
【0024】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、薬液、洗浄液、除去液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
【0025】
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(
図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
【0026】
基板処理装置100において、センターロボットCRおよび基板処理ユニット10の設置された領域と、処理液キャビネット110の設置された領域との間には、境界壁が配置される。
【0027】
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための貯留槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための貯留槽を有してもよく、複数種類の処理液のための貯留槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、バルブ、ヒータおよび/またはフィルタを有する。
【0028】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101により、基板処理ユニット10は基板Wを処理する。
【0029】
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサーを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0030】
記憶部104は、データおよびコンピュータープログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0031】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータープログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0032】
次に、
図1および
図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図2は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
【0033】
上述したように、基板処理装置100は、基板処理ユニット10と、処理液供給部30と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120とを備える。基板処理ユニット10は、チャンバー11と、基板保持部20とを備える。チャンバー11は、基板Wを収容する。基板保持部20は、基板Wを保持する。
【0034】
チャンバー11は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー11は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー11には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー11内に収容され、チャンバー11内で処理される。チャンバー11には、基板保持部20および処理液供給部30のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0035】
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。例えば、基板Wの上面Waには、リセスの形成された積層構造が設けられている。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0036】
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0037】
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、電動モーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
【0038】
シャフト23は、中空軸である。シャフト23は、回転軸Axに沿って鉛直方向に延びる。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合される。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
【0039】
スピンベース21は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。電動モーター24は、シャフト23に回転力を与える。電動モーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸Axを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23および電動モーター24を取り囲む。
【0040】
処理液供給部30は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液供給部30の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0041】
処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液は、薬液を含んでもよい。薬液は、例えば、希フッ酸(DHF)、フッ酸(HF)、フッ硝酸(フッ酸と硝酸(HNO3)との混合液)、バファードフッ酸(BHF)、フッ化アンモニウム、HFEG(フッ酸とエチレングリコールとの混合液)、燐酸(H3PO4)、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(例えば、クエン酸、シュウ酸)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、硫酸過酸化水素水混合液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合液(SC1)、塩酸過酸化水素水混合液(SC2)、王水(濃塩酸と濃硝酸との混合物)、イソプロピルアルコール(IPA)、界面活性剤、腐食防止剤、または、疎水化剤である。
【0042】
あるいは、処理液は、希釈された薬液を含んでもよい。薬液は、フッ酸を含む。例えば、フッ酸は、加熱されてもよく、加熱されなくてもよい。また、薬液は、水または燐酸を含んでもよい。
【0043】
または、処理液は、いわゆる洗浄液(リンス液)を含んでもよい。例えば、洗浄液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。
【0044】
処理液供給部30は、貯留タンク31と、循環配管32と、分離配管33と、バルブ34と、ノズル35とを含む。貯留タンク31は、処理液を貯留する。貯留タンク31は、処理液キャビネット110に収容される。詳細には、貯留タンク31は、処理液キャビネット110の筐体111内に位置する。
【0045】
貯留タンク31に貯留された処理液は、循環配管32を介して循環する。循環配管32は、処理液キャビネット110の筐体111内、処理液ボックス120の筐体121内、および、チャンバー11内に延びる。循環配管32は、処理液キャビネット110から、処理液ボックス120を通って基板処理ユニット10まで延び、その後、基板処理ユニット10から、処理液ボックス120を通って処理液キャビネット110に戻る。このため、貯留タンク31に貯留された処理液は、循環配管32を介して循環する。
【0046】
分離配管33は、循環配管32に接続される。分離配管33は、チャンバー11内に配置される。分離配管33には、循環配管32を流れる処理液が流れる。
【0047】
バルブ34は、分離配管33に位置する。バルブ34は、分離配管33内の流路を開閉する。ノズル35は、分離配管33に接続される。ノズル35は、基板Wの上面Waに処理液を吐出する。
【0048】
ここでは、バルブ34は、チャンバー11内に配置される。バルブ34は、分離配管33の開度を調節して、分離配管33に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ34は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0049】
ノズル35は、移動可能であってもよい。ノズル35は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動できる。
【0050】
処理液供給部30は、移動機構36をさらに含む。移動機構36は、水平方向および鉛直方向にノズル35を移動させる。詳しくは、移動機構36は、鉛直方向に延びる回転軸線を中心として周方向に沿ってノズル35を移動させる。また、移動機構36は、ノズル35を鉛直方向に昇降させる。
【0051】
移動機構36は、アーム36aと、軸部36bと、駆動部36cとを有する。アーム36aは、水平方向に沿って延びる。ノズル35は、アーム36aの先端部に配置される。ノズル35は、チャック部材22に保持されている基板Wの上面Waに向けて処理液を供給できる姿勢で、アーム36aの先端部に配置される。詳しくは、ノズル35は、アーム36aの先端部に結合されて、アーム36aから下方に突出する。アーム36aの基端部は、軸部36bに結合する。軸部36bは、鉛直方向に沿って延びる。
【0052】
駆動部36cは、回転駆動機構と、昇降駆動機構とを有する。駆動部36cの回転駆動機構は、回転軸線を中心として軸部36bを回転させて、軸部36bを中心にアーム36aを水平面に沿って旋回させる。その結果、ノズル35が水平面に沿って移動する。詳しくは、ノズル35は、軸部36bの周りを周方向に沿って移動する。駆動部36cの回転駆動機構は、例えば、正逆回転可能なモーターを含む。
【0053】
駆動部36cの昇降駆動機構は、軸部36bを鉛直方向に昇降させる。駆動部36cの昇降駆動機構が軸部36bを昇降させることにより、ノズル35が鉛直方向に昇降する。駆動部36cの昇降駆動機構は、モーター等の駆動源および昇降機構を有しており、駆動源によって昇降機構を駆動して、軸部36bを上昇または下降させる。昇降機構は、例えば、ラック・ピニオン機構またはボールねじを含む。
【0054】
処理液供給部30は、ポンプ32p、フィルタ32fおよびヒータ32hをさらに有する。ポンプ32p、フィルタ32fおよびヒータ32hのそれぞれは、循環配管32に配置される。例えば、ポンプ32p、フィルタ32fおよびヒータ32hは、処理液キャビネット110に配置される。
【0055】
ポンプ32pは、循環配管32の上流から下流に処理液を送る。フィルタ32fは、循環配管32を流れる処理液をろ過する。フィルタ32fは、循環配管32を流通する処理液中のパーティクル等の異物をろ過して除去する。
【0056】
ヒータ32hは、循環配管32を流れる処理液を加熱する。ヒータ32hにより、処理液の温度が調整される。ヒータ32hは、循環配管32を流通する処理液を加熱し、処理温度(例えば、約100℃~180℃)に調整する。ヒータ32hは、処理液を加熱するとともに処理液の温度を測定可能であってもよい。この場合、ヒータ32hは、加熱部を有するとともに温度測定部を有する。
【0057】
基板処理ユニット10は、カップ70をさらに備える。カップ70は、基板Wの周囲に位置する。カップ70は、基板Wから飛散した処理液を回収する。
【0058】
カップ70は、昇降可能であってもよい。例えば、カップ70は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ70は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ70は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0059】
例えば、カップ70は、フッ素樹脂から構成される。典型的には、フッ素樹脂は、パーフルオロアルコキシアルカン(perfluoroalkoxy alkane:PFA)またはポリテトラフルオロエチレン(polytetra fluoroetylene:PTFE)を含む。
【0060】
なお、カップ70は、金属芯を内蔵した樹脂であってもよい。例えば、カップ70は、樹脂内にステンレス製の芯を内蔵してもよい。
【0061】
基板処理ユニット10は、加熱配管80をさらに備える。加熱配管80には、室温よりも高温の液体が流れる。例えば、加熱配管80には、室温よりも高温の処理液が流れる。加熱配管80は、基板Wの外縁の周囲に位置する。
【0062】
例えば、加熱配管80は、カップ70に取り付けられる。一例では、加熱配管80は、カップ70の上面に取り付けられる。例えば、カップ70が基板Wに対して昇降可能な場合、カップ70が基板Wに対して上昇すると、加熱配管80は、基板Wの外縁の周囲に移動する。
【0063】
循環配管32は、往路配管32aと、復路配管32bと、接続配管32cと、接続配管32dとを有する。循環配管32を流れる液体は、貯留タンク31から往路配管32aを介して折り返し地点まで流れ、折り返し地点から復路配管32bを介して貯留タンク31まで戻る。
【0064】
接続配管32cは、往路配管32aおよび復路配管32bの少なくとも一方と、分離配管33とを接続する。接続配管32cは、処理液ボックス120とチャンバー11にまたがって位置する。ここでは、接続配管32cは、復路配管32bと分離配管33とを接続する。詳細には、接続配管32cは、復路配管32bと分離配管33とを接続する第1部分32c1と、分離配管33と復路配管32bとを接続する第2部分32c2とを有する。
【0065】
接続配管32dは、往路配管32aおよび復路配管32bの少なくとも一方と、加熱配管80とを接続する。接続配管32dは、処理液ボックス120とチャンバー11にまたがって位置する。ここでは、接続配管32dは、復路配管32bと加熱配管80とを接続する。詳細には、接続配管32dは、復路配管32bと加熱配管80とを接続する第1部分32d1と、加熱配管80と復路配管32bとを接続する第2部分32d2とを有する。
【0066】
このため、バルブ34が閉じた場合、貯留タンク31から往路配管32aおよび復路配管32bを流れた処理液は、接続配管32cを通過するが、ノズル35よりも下流側に流れずに復路配管32bを流れる。その後、処理液は、接続配管32dおよび加熱配管80を通過して復路配管32bを流れて貯留タンク31に戻る。一方で、バルブ34が開いた場合、貯留タンク31から往路配管32aおよび復路配管32bを流れた処理液は、接続配管32cおよび分離配管33を通過した後、ノズル35から基板Wに供給される。なお、バルブ34が開いた場合でも、接続配管32cを流れる処理液の一部は、復路配管32b、接続配管32dおよび加熱配管80を通過した後、復路配管32bを流れて貯留タンク31に戻ってもよい。
【0067】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、基板保持部20、処理液供給部30および/またはカップ70を制御する。一例では、制御部102は、電動モーター24、ポンプ32p、ヒータ32h、バルブ34、移動機構36および/またはカップ70を制御する。
【0068】
本実施形態によれば、処理液供給部30が室温よりも高温の処理液を基板Wに供給する際に、加熱配管80は、基板Wの外縁を加熱する。これにより、処理液供給部30から基板Wに供給された処理液の温度が、基板Wの外縁において低下して、処理特性が低下することを抑制できるため、処理液の使用量を抑制できる。
【0069】
例えば、処理液供給部30は、室温よりも高温の処理液として、硫酸過酸化水素水混合液(SPM)を供給してもよい。あるいは、処理液供給部30は、室温よりも高温の処理液として、燐酸またはTMAHを供給してもよい。
【0070】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0071】
なお、
図2に示したように、ノズル35および加熱配管80に流れる液体が、復路配管32bから流入して復路配管32bに戻る場合、
図1に示したタワーTW状に上下方向に積層された基板処理ユニット10において、基板処理ユニット10の高さに応じて順番に処理液が供給されてもよい。例えば、最初に最上部の基板処理ユニット10のノズル35および加熱配管80に処理液が供給され、次に、その次に高い基板処理ユニット10のノズル35および加熱配管80に処理液が供給され、基板処理ユニット10の高さに応じて順番に処理液が供給されてもよい。
【0072】
なお、
図2に示した基板処理装置100では、加熱配管80と復路配管32bとを接続する接続配管32dは、分離配管33と復路配管32bとを接続する接続配管32cよりも循環配管32の下流に位置したが、本実施形態はこれに限定されない。加熱配管80と復路配管32bとを接続する接続配管32dは、分離配管33と復路配管32bとを接続する接続配管32cよりも循環配管32の上流に位置してもよい。
【0073】
また、
図2に示した基板処理装置100では、ノズル35および加熱配管80に流れる処理液は、同一の循環配管32から供給されたが、本実施形態はこれに限定されない。ノズル35および加熱配管80に流れる処理液は、貯留タンク31に接続された異なる循環配管から供給されてもよい。または、ノズル35および加熱配管80に流れる処理液は、異なる貯留タンクに接続された異なる循環配管から供給されてもよい。あるいは、加熱配管80に流れる液体は、ノズル35から吐出される処理液とは異なる液体であってもよい。この場合も、加熱配管80には、ヒータ等の加熱部材によって加熱された液体が流れる。
【0074】
また、
図2に示した基板処理装置100では、ノズル35および加熱配管80に流れる液体は、復路配管32bから流入し、復路配管32bに戻ったが、本実施形態はこれに限定されない。ノズル35および加熱配管80の少なくとも一方に流れる液体は、往路配管32aから流入してもよく、また、往路配管32aに戻ってもよい。
【0075】
なお、
図2に示した基板処理装置100では、処理液供給部30は、1種類の処理液を供給可能である。ただし、本実施形態はこれに限定されない。処理液供給部30は、複数種類の処理液を供給してもよい。例えば、処理液供給部30は、用途の異なる複数種類の処理液を基板Wに順次供給可能であってもよい。あるいは、処理液供給部30は、用途の異なる複数種類の処理液を基板Wに同時に供給可能であってもよい。
【0076】
なお、
図2に示した基板処理装置100では、処理液供給部30は、1つの貯留タンク31に貯留された処理液を基板Wに供給したが、本実施形態はこれに限定されない。処理液供給部30は、複数の貯留タンクに貯留された液体を混合することによって調製した処理液を基板Wに供給してもよい。
【0077】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態の基板処理装置100の基板処理ユニット10におけるカップ70および加熱配管80を説明する。
図3は、基板処理装置100の基板処理ユニット10におけるカップ70に配置された加熱配管80の模式的な上面図である。
【0078】
図3に示すように、加熱配管80は、カップ70の表面に取り付けられる。ここでは、加熱配管80は、カップ70の上面に配置される。
【0079】
加熱配管80は、管部81と、流入口82と、流出口83とを有する。ここでは、管部81は、カップ70に取り付けられる。例えば、管部81は、カップ70の表面に溶着して取付けられる。管部81は、細い管が渦巻きに延びて構成される。ここでは、管部81は、略3周分渦巻き形状に延びる。
【0080】
流入口82は、管部81の一端に位置する。流入口82は、循環配管32に接続される。このため、循環配管32を流れた液体は、流入口82から管部81に流入する。
【0081】
流出口83は、管部81の他端に位置する。流出口83は、循環配管32に接続される。このため、管部81を流れた液体は、流出口83から流出する。
【0082】
ここでは、管部81のうち流入口82に接続する部分は、カップ70の径方向内側に位置し、管部81のうち流出口83に接続する部分は、カップ70の径方向外側に位置する。典型的には、流入口82を通過する処理液の温度は、流出口83を通過する処理液の温度よりも高い。このため、加熱配管80のうち基板Wに近い側をより高い温度に維持できる。
【0083】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0084】
次に、
図1~
図4を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図4は、基板処理装置100のブロック図である。
【0085】
図4に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30およびカップ70を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30およびカップ70に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30およびカップ70を制御する。
【0086】
また、記憶部104は、コンピュータープログラムおよびデータを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容、処理手順および基板処理条件を規定する。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータープログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0087】
制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0088】
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数のチャンバー11のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wをチャンバー11から受け取って、基板Wを搬出する。
【0089】
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転速度を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20の電動モーター24の回転速度を変更することによって、基板Wの回転速度を変更できる。
【0090】
制御部102は、処理液供給部30のポンプ32pを制御して、循環配管32の上流から下流に処理液を送る。また、制御部102は、処理液供給部30のヒータ32hを制御して、循環配管32を流れる処理液を加熱する。
【0091】
制御部102は、処理液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、処理液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34を開状態にすることによって、ノズル35に向かって分離配管33内を流れる処理液を通過させることができる。また、制御部102は、処理液供給部30のバルブ34を制御して、バルブ34を閉状態にすることによって、ノズル35に向かって分離配管33内を流れる処理液の供給を停止させることができる。
【0092】
制御部102は、カップ70を制御して基板Wに対してカップ70を移動させてもよい。具体的には、制御部102は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方にカップ70を上昇させる。また、制御部102は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方にカップ70を下降させる。
【0093】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体素子を形成するために好適に用いられる。例えば、基板処理装置100は、積層構造の半導体素子として用いられる基板Wを処理するために好適に利用される。半導体素子は、いわゆる3D構造のメモリ(記憶装置)である。一例として、基板Wは、NAND型フラッシュメモリとして好適に用いられる。
【0094】
なお、
図2に示した基板処理装置100では、カップ70は、下方に位置しており、加熱配管80は、基板Wの側面に対して下方に位置したが、本実施形態はこれに限定されない。カップ70が上昇することによって加熱配管80は基板Wの側方に位置してもよい。
【0095】
次に、
図1~
図5を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図5は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図5の基板処理装置100は、カップ70が上昇して加熱配管80が基板Wの側方に位置する点を除いて、
図2の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0096】
図5に示すように、カップ70が上昇しており、加熱配管80が基板Wの側方に位置する。加熱配管80が基板Wの側方に位置することにより、加熱配管80を高温の液体が流れる場合、加熱配管80は、基板Wの外縁を効率的に加熱できる。このように、加熱配管80がカップ70に取り付けられる場合、カップ70は、加熱配管80が基板Wの側方に位置するまで上昇していることが好ましい。
【0097】
次に、
図1~
図6を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。
図6は、本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【0098】
図6に示すように、ステップS102において、基板Wをチャンバー11に搬入する。制御部102の制御により、センターロボットCRは、基板Wをチャンバー11に搬入する。
【0099】
ステップS104において、基板保持部20は、搬入された基板Wを保持する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wを保持する。
【0100】
ステップS106において、処理液の循環を開始する。制御部102の制御により、処理液供給部30は、貯留タンク31内の処理液を循環配管32に沿って循環する。このとき、ヒータ32hによって処理液を加熱するため、処理液は、室温よりも高温になる。処理液は、循環配管32を介して加熱配管80も流れるため、基板Wの外縁が選択的に加熱される。
【0101】
ステップS108において、基板Wの回転を開始し、処理液を基板Wに供給する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wの回転を開始する。また、制御部102の制御により、処理液供給部30は、ノズル35から基板Wに処理液を供給する。このとき、加熱配管80を流れる高温の液体により、基板Wの外縁が選択的に加熱された状態で、基板Wは処理液で処理される。
【0102】
なお、基板Wへの処理液の供給は、循環配管32を流れる処理液の温度が一定になった後に開始してもよい。例えば、基板Wへの処理液の供給は、周囲温度、ヒータ32hの加熱温度、および/または、ヒータ32hの加熱を開始してから経過した時間に基づいて開始してもよい。あるいは、基板Wへの処理液の供給は、循環配管32を流れる処理液の温度を測定した結果に基づいて、開始してもよい。例えば、循環配管32の往路配管32a、復路配管32bまたは加熱配管80を流れる処理液の温度を測定してもよい。一例では、赤外センサによって往路配管32a、復路配管32bまたは加熱配管80を流れる処理液の温度を測定してもよい。
【0103】
また、必要に応じて、基板W上に処理液が存在する状態で基板Wの回転数を減少させて、基板Wを処理してもよい。または、基板W上に処理液が存在する状態で基板Wの回転を停止させて、基板Wを処理してもよい。この場合も、加熱配管80を流れる高温の液体により、基板Wの外縁が選択的に加熱された状態で、基板Wは処理液で処理される。
【0104】
なお、基板Wに処理液を供給する場合、加熱配管80が基板Wの側方に位置するようにカップ70を上昇してもよい。なお、カップ70の上昇は、基板Wへの処理液の供給を開始するタイミングにおいて行われてもよい。あるいは、カップ70の上昇は、処理液の循環を開始するタイミングにおいて行われてもよい。
【0105】
ステップS110において、処理液の供給を停止する。制御部102の制御により、処理液供給部30は、ノズル35から基板Wへの処理液の供給を停止する。
【0106】
ステップS112において、処理液の循環を停止する。制御部102の制御により、処理液供給部30は、ポンプ32pの駆動を停止して処理液の循環を停止する。
【0107】
ステップS114において、基板Wを乾燥する。制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wの回転速度を増加させて基板W上の処理液を遠心力によって吹き飛ばす。その後、制御部102の制御により、基板保持部20は、基板Wの回転を停止する。
【0108】
ステップS116において、基板処理ユニット10から基板Wを搬出する。制御部102の制御により、基板保持部20は基板Wの保持を解除し、センターロボットCRは、チャンバー11から基板Wを取り出す。その後、基板Wは、インデクサーロボットIRを介して基板処理装置100の外部に搬送される。
【0109】
本実施形態では、以上のようにして、基板Wを処理する。本実施形態によれば、基板Wに室温よりも高温の処理液を供給する際に、加熱配管80が、基板Wの外縁を加熱することにより、基板Wに供給された処理液が、基板Wの外縁において急速に温度低下することを抑制できるため、処理液の使用量を抑制できる。
【0110】
なお、上述した説明では、高温の液体が流れる加熱配管80により、基板Wの外縁を選択的に加熱したが、本実施形態は、これに限定されない。加熱配管80によって基板Wの外縁を選択的に加熱することに加えて、別の加熱部材によって基板Wを全面的および/または選択的に加熱してもよい。
【0111】
図2および
図5に示した基板処理装置100では、接続配管32cは、分離配管33と復路配管32bとを接続しており、接続配管32cを流れる処理液は、復路配管32bから流入したが、本実施形態はこれに限定されない。接続配管32cを流れる処理液は、往路配管32aから流入してもよい。
【0112】
次に、
図1~
図7を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図7は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図7の基板処理装置100は、処理液が往路配管32aから接続配管32cに流入する点を除いて、
図2の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0113】
図7に示すように、循環配管32は、往路配管32aと、復路配管32bと、接続配管32cと、接続配管32dとを有する。ここでは、接続配管32cは、往路配管32aと分離配管33と復路配管32bとを接続する。接続配管32cの上流側の端部は、往路配管32aに接続し、往路配管32aの下流側の端部は、復路配管32bに接続する。このため、処理液は、往路配管32aから接続配管32cに流入し、接続配管32cを流れた処理液は、復路配管32bに流出する。
【0114】
詳細には、接続配管32cは、往路配管32aと分離配管33とを接続する第1部分32c1と、分離配管33と復路配管32bとを接続する第2部分32c2とを有する。
【0115】
ここでも、バルブ34は、分離配管33に位置する。このため、バルブ34が開いた場合、往路配管32aを流れる液体の一部は、分離配管33を流れてノズル35から基板Wに供給される。一方で、バルブ34が閉じた場合、往路配管32aを流れる液体は、往路配管32aを流れて折り返し地点を通過して復路配管32bに流れるとともに、折り返し地点を通過することなく接続配管32cを介して復路配管32bを流れて貯留タンク31に戻る。
【0116】
本実施形態によれば、処理液供給部30が室温よりも高温の処理液を基板Wに供給する際に、加熱配管80は、基板Wの外縁を加熱する。これにより、処理液供給部30から基板Wに供給された処理液が、基板Wの外縁において急速に温度低下することを抑制できるため、処理液の使用量を抑制できる。また、本実施形態によれば、第1部分32c1が往路配管32aと接続し、第2部分32c2が復路配管32bと接続しており、貯留タンク31から接続配管32dまでに2つの経路ができるため、バルブ34の開閉状態が変化する場合でも、接続配管32dを介して加熱配管80に流れる処理液の温度の変動を抑制できる。
【0117】
なお、
図7に示した基板処理装置100では、接続配管32cを流れる処理液は、往路配管32aから流入する一方で、接続配管32dを流れる処理液は、復路配管32bから流入したが、本実施形態はこれに限定されない。接続配管32dを流れる処理液は、往路配管32aから流入してもよい。
【0118】
次に、
図1~
図8を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図8は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図8の基板処理装置100は、接続配管32cを流れる処理液が往路配管32aから流入し、また、接続配管32dを流れる処理液が往路配管32aから流入する点を除いて、
図2の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0119】
図8に示すように、循環配管32は、往路配管32aと、復路配管32bと、接続配管32cと、接続配管32dとを有する。ここでは、接続配管32cは、往路配管32aと分離配管33と復路配管32bとを接続する。詳細には、接続配管32cは、往路配管32aと分離配管33とを接続する第1部分32c1と、分離配管33と復路配管32bとを接続する第2部分32c2とを有する。
【0120】
このため、バルブ34が開いた場合、往路配管32aを流れる液体の一部は、分離配管33を流れてノズル35から基板Wに供給される。一方で、バルブ34が閉じた場合、往路配管32aを流れる液体は、往路配管32aを流れて折り返し地点を通過して復路配管32bに流れるとともに、折り返し地点を通過することなく接続配管32cを介して復路配管32bを流れて貯留タンク31に戻る。
【0121】
本実施形態の基板処理装置100では、接続配管32dは、往路配管32aと分離配管33とを接続する第1部分32d1と、分離配管33と復路配管32bとを接続する第2部分32d2とを有する。このため、往路配管32aを流れる液体の一部は、接続配管32dを介して加熱配管80を流れ、接続配管32dを介して復路配管32bに戻る。その後、液体は、貯留タンク31に戻る。
【0122】
本実施形態によれば、処理液供給部30が室温よりも高温の処理液を基板Wに供給する際に、加熱配管80は、基板Wの外縁を加熱する。これにより、処理液供給部30から基板Wに供給された処理液が、基板Wの外縁において急速に温度低下してしまうことを抑制できるため、処理液の使用量を抑制できる。また、本実施形態によれば、第1部分32d1が往路配管32aと接続し、第2部分32d2が復路配管32bと接続しており、貯留タンク31から接続配管32dまでに3つの経路ができるため、バルブ34の開閉状態が変化する場合でも、接続配管32dを介して加熱配管80に流れる処理液の温度の変動を抑制できる。
【0123】
なお、
図2、
図3、
図5、
図7および
図8に示した基板処理装置100では、加熱配管80はカップ70の上面に配置されていたが、本実施形態はこれに限定されない。加熱配管80は、カップ70の内部に配置されてもよい。
【0124】
次に、
図1~
図9を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図9は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図9の基板処理装置100は、加熱配管80がカップ70の内部に配置される点を除いて、
図2の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0125】
図9に示すように、加熱配管80は、カップ70の内部に配置される。ここでは、加熱配管80は、カップ70に内蔵されており、加熱配管80は、カップ70に囲まれる。例えば、加熱配管80は、渦巻き形状である。これにより、室温よりも高温の液体が加熱配管80を流れる際に、基板Wの外縁を効果的に加熱でき、処理液の使用量を抑制できる。また、カップ70の上面が平坦にできるため、基板Wを処理する処理液がカップ70の上面に飛散する場合でも、カップ70の上面に処理液および/またはパーティクルが付着することを抑制できる。
【0126】
なお、
図9に示した基板処理装置100では、加熱配管80は、カップ70の内部に配置され、カップ70に囲まれていたが、本実施形態はこれに限定されない。加熱配管80は、カップ70の内部に配置される一方で、加熱配管80の少なくとも一部は、カップ70から露出してもよい。
【0127】
次に、
図1~
図10を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図10は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図10の基板処理装置100は、加熱配管80の一部がカップ70から露出される点を除いて、
図9の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0128】
図10に示すように、加熱配管80は、カップ70の内部に配置される。詳細には、加熱配管80は、カップ70内の径方向内側に配置される。
【0129】
ここでは、加熱配管80の少なくとも一部は、カップ70から露出される。例えば、加熱配管80の径方向内側は、カップ70から露出される。これにより、室温よりも高温の液体が加熱配管80を流れる際に、基板Wの外縁を効果的に加熱できる。
【0130】
なお、
図1~
図10に示した基板処理装置100では、処理液供給部30は、1種類の液体を貯留する貯留タンク31を有したが、本実施形態はこれに限定されない。処理液供給部30は、2種類の液体を貯留する貯留タンクを有してもよい。
【0131】
次に、
図1~
図11を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図11は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図11の基板処理装置100は、処理液供給部30が2種類の液体を貯留する貯留タンクを有し、2種類の液体で処理液を調製する点を除いて、
図2の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0132】
図11に示すように、処理液供給部30は、第1成分液供給部30sと、第2成分液供給部30tとを有する。第1成分液供給部30sは、基板Wに第1成分液を吐出可能である。第2成分液供給部30tは、基板Wに第2成分液を吐出可能である。処理液供給部30は、少なくともある期間において、第1成分液および第2成分液を混合することによって調製された処理液を基板Wに供給する。例えば、第1成分液は、硫酸であり、第2成分液は、過酸化水素水である。
【0133】
貯留タンク31は、貯留タンク31と、貯留タンク31tを有する。貯留タンク31および貯留タンク31tは、それぞれ、処理液キャビネット110に配置される。
【0134】
例えば、第1成分液供給部30sは、貯留タンク31と、循環配管32と、分離配管33と、バルブ34と、ノズル35とを含む。貯留タンク31tに貯留された第1成分液は、循環配管32tを介して循環する。循環配管32は、往路配管32aと、復路配管32bと、接続配管32cと、接続配管32dとを有する。接続配管32dは、復路配管32bと加熱配管80とを接続する。
【0135】
第1成分液供給部30sは、ポンプ32p、フィルタ32fおよびヒータ32hをさらに有する。ポンプ32p、フィルタ32fおよびヒータ32hのそれぞれは、循環配管32に配置される。例えば、ポンプ32p、フィルタ32fおよびヒータ32hは、処理液キャビネット110に配置される。
【0136】
例えば、第2成分液供給部30tは、貯留タンク31tと、循環配管32tと、分離配管33tと、バルブ34tとを含む。循環配管32tは、往路配管32taと、復路配管32tbとを有する。
【0137】
貯留タンク31tに貯留された第2成分液は、循環配管32tを介して循環する。循環配管32tは、処理液キャビネット110から、処理液ボックス120を通って基板処理ユニット10まで延び、その後、基板処理ユニット10から、処理液ボックス120を通って処理液キャビネット110に戻る。このため、貯留タンク31tに貯留された第2成分液は、循環配管32tを介して循環する。
【0138】
分離配管33tは、循環配管32tに接続される。分離配管33tには、循環配管32を流れる第2成分液が流れる。
【0139】
バルブ34tは、分離配管33tに位置する。バルブ34tは、分離配管33内の流路を開閉する。ノズル35は、分離配管33だけでなく分離配管33tに接続される。
【0140】
循環配管32tを流れる液体は、貯留タンク31tから往路配管32taを介して折り返し地点まで流れ、折り返し地点から復路配管32tbを介して貯留タンク31tまで戻る。
【0141】
第2成分液供給部30tは、ポンプ32ptをさらに有する。ポンプ32ptは、循環配管32tに配置される。例えば、ポンプ32ptは、処理液キャビネット110に配置される。
【0142】
バルブ34およびバルブ34tを開く場合、第1成分液および第2成分液がノズル35において混合され、第1成分液および第2成分液を混合した液体がノズル35から基板Wに吐出される。
【0143】
例えば、第1成分液が硫酸であり、第2成分液が過酸化水素水である場合、硫酸および過酸化水素水は、ノズル35において混合される。硫酸および過酸化水素水の混合によって生成されたSPM液の温度は、混合前の硫酸および過酸化水素水のそれぞれの温度よりも上昇する。ノズル35から基板WにSPM液が供給される。
【0144】
本実施形態によれば、基板Wに室温よりも高温の処理液を供給する際に、ヒータ32hによって加熱された第1成分液を加熱配管80に流すことにより、加熱配管80が、基板Wの外縁を加熱する。このため、基板Wに供給された処理液が、基板Wの外縁において急速に温度低下することを抑制できるため、処理液の使用量を抑制できる。
【0145】
なお、
図11に示した基板処理装置100では、基板Wに供給される処理液は、貯留タンク31に貯留された第1成分液および貯留タンク31tに貯留された第2成分液を混合して生成されたが、本実施形態はこれに限定されない。貯留タンク31tに貯留された液体が基板Wに供給される処理液として用いられ、貯留タンク31に貯留された液体が加熱配管80を流れる液体として用いられてもよい。
【0146】
なお、
図1~
図11に示した基板処理装置100では、加熱配管80は、カップ70と接触していたが、本実施形態はこれに限定されない。加熱配管80は、カップ70から離れて位置してもよい。
【0147】
次に、
図1~
図12を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図12は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。
図12の基板処理装置100は、加熱配管80が、カップ70とは離れて構成される点を除いて、
図2の基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0148】
図12に示すように、基板処理ユニット10において、加熱配管80は、カップ70とは別に設けられる。加熱配管80は、環状である。加熱配管80の外径は、カップ70の開口部の内径よりも小さい。ここでは、基板処理ユニット10は、加熱配管80を移動させる移動機構85を有する。移動機構85は、加熱配管80をカップ70の内側に移動できる。
【0149】
例えば、移動機構85は、加熱配管80を昇降させる。典型的には、移動機構85により、加熱配管80は、鉛直方向に移動する。移動機構85は、モーター等の駆動源および昇降機構を有しており、駆動源によって昇降機構を駆動して、加熱配管80を上昇または下降させる。昇降機構は、例えば、ラック・ピニオン機構またはボールねじを含む。
【0150】
次に、
図1~
図13を参照して、本実施形態の基板処理装置100における加熱配管80を説明する。
図13(a)は、実施形態の基板処理装置における加熱配管80の模式的な斜視図であり、
図13(b)は、実施形態の基板処理装置100におけるカップ70および加熱配管80の模式的な上面図である。
【0151】
図13(a)に示すように、加熱配管80は、管部81と、流入口82と、流出口83とを有する。管部81は、略環状である。
【0152】
流入口82は、管部81の上流側端部に位置する。流入口82は、循環配管32に接続される。循環配管32を流れる液体は、流入口82から管部81に流入する。
【0153】
流出口83は、管部81の下流側端部に位置する。流出口83は、循環配管32に接続される。管部81を流れた液体は、流出口83から流出する。
【0154】
管部81には、移動機構85が取り付けられる。移動機構85は、管部81の上部に取り付けられており、流入口82および流出口83とともに管部81を昇降する。
【0155】
図13(b)に示すように、加熱配管80は、カップ70の内側に位置する。加熱配管80の中心軸は、カップ70の中心軸と同軸上にある。加熱配管80の外径は、カップ70の開口部部分の内径よりも小さい。そのため、加熱配管80は、カップ70の内側に移動できる。このとき、加熱配管80は、基板Wの外縁と対向することが好ましい。加熱配管80がカップ70の内側に移動できることにより、加熱配管80は、基板Wの外縁を効率的に加熱できる。
【0156】
次に、
図1~
図14を参照して、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明する。
図14は、本実施形態の基板処理装置100における配管構成を示す模式図である。なお、
図14の基板処理装置100は、リンス液供給部40をさらに備える点を除いて、
図12を参照して上述した基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長な説明を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0157】
図14に示すように、本実施形態の基板処理装置100は、チャンバー11、基板保持部20および処理液供給部30に加えて、リンス液供給部40をさらに備える。リンス液供給部40は、処理液供給部30から供給される処理液とは異なるリンス液を基板Wに供給する。
【0158】
リンス液供給部40が基板Wにリンス液を供給することにより、基板Wを洗浄できる。典型的には、リンス液供給部40から供給されるリンス液は、室温である。
【0159】
リンス液供給部40は、配管42と、ノズル44と、バルブ46とを含む。ノズル44は、配管42に接続される。配管42には、供給源からリンス液が供給される。バルブ46は、配管42内の流路を開閉する。ノズル44は、基板Wの上面Waにリンス液を吐出する。
【0160】
バルブ46は、配管42の開度を調節して、配管42に供給されるリンス液の流量を調整する。具体的には、バルブ46は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0161】
ノズル44は、移動可能であってもよい。ノズル44は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動できる。なお、本明細書において、図面が過度に複雑になることを避けるために移動機構を省略していることに留意されたい。
【0162】
次に、
図1~
図15を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。
図15は、本実施形態の基板処理方法のフロー図である。なお、
図15のフロー図は、加熱配管80がカップ70とは別に移動し、また、基板Wにリンス液が供給される点を除いて、
図6を参照して上述したフロー図と同様であり、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0163】
図15に示すように、ステップS102およびステップS104は、
図6のステップS102およびステップS104と同様である。
【0164】
ステップS106aにおいて、加熱配管80を降下する。制御部102の制御により、移動機構85は、加熱配管80が基板Wの外縁と対向する位置まで加熱配管80を降下する。
【0165】
その後、ステップS106、ステップS108およびステップS110は、
図6のステップS106、ステップS108およびステップS110と同様である。
【0166】
その後、ステップS111aにおいて、基板Wへのリンス液の供給を開始する。制御部102の制御により、リンス液供給部40は、ノズル44から基板Wにリンス液を供給する。このとき、加熱配管80は基板Wの近傍に位置する。
【0167】
ステップS111bにおいて、基板Wへのリンス液の供給を終了する。制御部102の制御により、リンス液供給部40は、ノズル44から基板Wへのリンス液の供給を終了する。加熱配管80は基板Wの近傍に位置した状態で基板Wにリンス液を供給することにより、基板Wを洗浄するとともに加熱配管80も洗浄できる。
【0168】
ステップS112において、処理液の循環を停止する。制御部102の制御により、処理液供給部30は、処理液の循環を停止する。
【0169】
ステップS112aにおいて、加熱配管80を上昇させる。制御部102の制御により、移動機構85は、加熱配管80が基板Wの外縁の近くから離れるように加熱配管80を上昇させる。その後、ステップS114およびステップS116は、
図6のステップS114およびステップS116と同様である。ステップS114において基板Wを乾燥する前に、加熱配管80を基板Wから離れた位置に移動させることにより、基板Wを乾燥する際に、基板Wの乾燥ムラを抑制できる。
【0170】
本実施形態によれば、基板Wに室温よりも高温の処理液を供給する際に、加熱配管80が、基板Wの外縁を加熱できることにより、基板Wに供給された処理液が、基板Wの外縁において急速に温度低下することを抑制できるため、処理液の使用量を抑制できる。さらに、基板Wをリンス液で洗浄する際に、加熱配管80を洗浄できるため、加熱配管80に付着した処理液またはパーティクルを洗浄できる。
【0171】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0173】
10 基板処理ユニット
11 チャンバー
20 基板保持部
30 処理液供給部
70 カップ
80 加熱配管
100 基板処理装置
101 制御装置
102 制御部
104 記憶部
110 処理液キャビネット
120 処理液ボックス
W 基板