(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170148
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】放射線検出装置及び放射線検出システム
(51)【国際特許分類】
G01T 7/00 20060101AFI20241129BHJP
G01T 1/20 20060101ALI20241129BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20241129BHJP
【FI】
G01T7/00 A
G01T1/20 L
A61B6/00 300Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087152
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多川 元気
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
【Fターム(参考)】
2G188AA03
2G188BB02
2G188BB04
2G188BB05
2G188BB06
2G188CC22
2G188CC30
2G188DD05
2G188DD12
2G188DD47
4C093AA01
4C093CA35
4C093EB12
4C093EB17
4C093EB30
(57)【要約】
【課題】可撓性を有するセンサパネルに生じる反りを軽減する。
【解決手段】入射面から入射した放射線を検出するための放射線検出装置は、可撓性を有する基板と、検出素子とを有するセンサパネルと、センサパネルと入射面との間に位置する接触部材であって、センサパネルのうち検出素子が配置された検出部分に接している接触部材と、センサパネルに関して接触部材の反対側に位置する基台と、センサパネルの第1結合部分を基台に結合する第1結合部材と、センサパネルの第2結合部分を基台に結合する第2結合部材と、を備える。センサパネルの第1結合部分とセンサパネルの第2結合部分とは、入射面に対する平面視において、センサパネルの検出部分に関して互いに反対側に位置する。センサパネルは、第1結合部分と第2結合部分との間に、接触部材に接触していない可変部分を含む。センサパネルの可変部分は、基台からの距離が変化するように変形可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面から入射した放射線を検出するための放射線検出装置であって、
可撓性を有する基板と、検出素子とを有するセンサパネルと、
前記センサパネルと前記入射面との間に位置する接触部材であって、前記センサパネルのうち前記検出素子が配置された検出部分に接している接触部材と、
前記センサパネルに関して前記接触部材の反対側に位置する基台と、
前記センサパネルの第1結合部分を前記基台に結合する第1結合部材と、
前記センサパネルの第2結合部分を前記基台に結合する第2結合部材と、を備え、
前記センサパネルの前記第1結合部分と前記センサパネルの前記第2結合部分とは、前記入射面に対する平面視において、前記センサパネルの前記検出部分に関して互いに反対側に位置しており、
前記センサパネルは、前記第1結合部分と前記第2結合部分との間に、前記接触部材に接触していない可変部分を含み、
前記センサパネルの前記可変部分は、前記基台からの距離が変化するように変形可能である、放射線検出装置。
【請求項2】
前記第1結合部材は、前記基台の前記入射面側の面に結合されている、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項3】
前記第1結合部材は、前記基台の側面に結合されている、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項4】
前記第1結合部材は、前記基台の前記入射面側とは反対側の面に結合されている、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項5】
前記放射線検出装置は、前記基台の側面と前記センサパネルとの間に、弾性部材を更に備える、請求項4に記載の放射線検出装置。
【請求項6】
前記基台は、互いに反対側にある第1側面及び第2側面を有し、
前記第1結合部材は、前記第1側面に沿って延在し、
前記第2結合部材は、前記第2側面に沿って延在する、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項7】
前記放射線検出装置は、前記基台に結合された補強部材を更に備え、
前記補強部材は、前記第1側面に沿った方向に延在する、請求項6に記載の放射線検出装置。
【請求項8】
前記第1側面に沿った第1方向における前記基台の線膨張係数は、前記第1方向に直交する第2方向における前記基台の線膨張係数よりも大きい、請求項6に記載の放射線検出装置。
【請求項9】
前記第1側面に沿った第1方向における前記基台の曲げ弾性率は、前記第1方向に直交する第2方向における前記基台の曲げ弾性率よりも大きい、請求項6に記載の放射線検出装置。
【請求項10】
前記基台は、互いに反対側にある第1角部及び第2角部を有し、
前記第1結合部材は、前記第1角部に位置し、
前記第2結合部材は、前記第2角部に位置する、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項11】
前記放射線検出装置は、
前記センサパネルの第3結合部分を前記基台に結合する第3結合部材と、
前記センサパネルの第4結合部分を前記基台に結合する第4結合部材と、をさらに備え、
前記基台は、互いに反対側にある第3角部及び第4角部をさらに有し、
前記第3結合部材は、前記第3角部に位置し、
前記第4結合部材は、前記第4角部に位置する、請求項10に記載の放射線検出装置。
【請求項12】
前記放射線検出装置は、前記センサパネルの前記第1結合部分に接続されたフレキシブル回路基板を更に備える、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項13】
前記接触部材は、シンチレータを含む、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項14】
前記接触部材は、前記センサパネルの前記検出部分を前記基台に向けて押圧する、請求項1に記載の放射線検出装置。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の放射線検出装置と、
前記放射線検出装置によって得られた信号を処理する信号処理手段と
を備えることを特徴とする放射線検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出装置及び放射線検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療画像診断や非破壊検査に用いる放射線検出装置が普及している。特許文献1には、放射線検出装置のセンサパネルの基板の材料としてガラスを使用することが記載されている。特許文献2には、放射線検出装置のセンサパネルの基板の材料としてプラスチックを使用することが記載されている。これにより、プラスチックで形成された基板は可撓性を有するため、センサパネルの破損の懸念が低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3815766号公報
【特許文献2】特許第5421849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可撓性を有するセンサパネルの線膨張係数と、このセンサパネルを支持する基台の線膨張係数とが互いに異なる場合がある。例えば、センサパネルの基板に使用されうるプラスチックの線膨張係数は、基台に使用されうる金属又は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の線膨張係数よりも大きい。このような場合に、放射線検出装置の内部の温度変化に起因して、センサパネルに反りが生じうる。本発明の一部の側面は、可撓性を有するセンサパネルに生じる反りを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態によれば、入射面から入射した放射線を検出するための放射線検出装置であって、可撓性を有する基板と、検出素子とを有するセンサパネルと、前記センサパネルと前記入射面との間に位置する接触部材であって、前記センサパネルのうち前記検出素子が配置された検出部分に接している接触部材と、前記センサパネルに関して前記接触部材の反対側に位置する基台と、前記センサパネルの第1結合部分を前記基台に結合する第1結合部材と、前記センサパネルの第2結合部分を前記基台に結合する第2結合部材と、を備え、前記センサパネルの前記第1結合部分と前記センサパネルの前記第2結合部分とは、前記入射面に対する平面視において、前記センサパネルの前記検出部分に関して互いに反対側に位置しており、前記センサパネルは、前記第1結合部分と前記第2結合部分との間に、前記接触部材に接触していない可変部分を含み、前記センサパネルの前記可変部分は、前記基台からの距離が変化するように変形可能である、放射線検出装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
上記実施形態により、可撓性を有するセンサパネルに生じる反りが軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一部の実施形態の放射線検出システムの構成例を説明するブロック図。
【
図2】一部の実施形態の放射線検出装置の構成例を説明する模式図。
【
図3】一部の実施形態の放射線検出装置の構成例を説明する模式図。
【
図4】一部の実施形態の放射線検出装置の構成例を説明する模式図。
【
図5】一部の実施形態の放射線検出装置の構成例を説明する模式図。
【
図6】一部の実施形態の放射線検出装置の構成例を説明する模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
図1を参照して、一部の実施形態に係る放射線検出システム100の構成例について説明する。放射線検出システム100は、放射線検出装置101と、放射線源制御部102と、システム制御部103と、表示部104と、操作部105と、放射線源106とを備えてもよい。放射線検出システム100は、これら以外の構成要素をさらに含んでもよいし、これらの構成要素の一部を含まなくてもよい。
【0010】
放射線源106は、被検体120に向けて照射される放射線110を発生する。被検体120は、生物(例えば、人間や他の動物)であってもよいし、無生物であってもよい。被検体120が人間である場合に、被検体120は被検者と呼ばれてもよい。放射線源106が発生する放射線110は、典型的にはX線である。これに代えて、放射線110は、α線、β線、γ線、粒子線、及び宇宙線の何れであってもよい。放射線源106は、例えばX線管球であってもよい。
【0011】
被検体120を透過した放射線110は、放射線検出装置101に入射する。放射線検出装置101は、放射線110の検出結果をシステム制御部103へ送信する。放射線110の検出結果は、放射線画像であってもよい。例えば、放射線検出装置101は、被検体120を透過した放射線110を電荷として検出して、放射線画像を生成してもよい。検出される電荷は、透過放射線量に相当する。放射線検出装置101は、生成した放射線画像をシステム制御部103へ送信してもよい。このように放射線110の検出結果が画像の生成のために使用される場合に、放射線検出装置101は放射線撮像装置と呼ばれてもよいし、放射線検出システム100は放射線撮像システムと呼ばれてもよい。
【0012】
放射線110の検出結果が放射線画像である場合について説明する。放射線検出システム100は、デジタル形式の放射線画像を生成する。放射線検出システム100は、複数の検査情報を含む検査オーダーに基づいて検査(撮影)を行ってもよい。検査情報は、撮影プロトコル情報を含んでもよい。撮影プロトコルは、撮影時又は画像処理時等に用いられるパラメータ情報又は撮影実施情報、並びに、例えばセンサ種類若しくは撮影姿勢のような撮影環境情報を規定してもよい。検査情報は、検査ID及び受付番号等の、検査オーダーを特定する情報又は検査オーダーに従う撮影画像を特定する情報を含んでもよい。
【0013】
システム制御部103は、放射線検出システム100の全体的な制御を行う。システム制御部103は、放射線検出装置101及び放射線源制御部102の動作を制御してもよい。例えば、システム制御部103は、撮影プロトコルに基づいて放射線撮影処理を制御してもよい。システム制御部103は、放射線検出装置101から受信された放射線画像に対して信号処理(例えば、画像処理)を行ってもよい。信号処理は、階調処理や周波数処理等を含んでもよい。信号処理は、撮影プロトコルに従う画像処理パラメータを用いて行われてもよい。
【0014】
放射線源制御部102は、システム制御部103からの指示に従って、放射線源106の動作を制御する。例えば、放射線源制御部102は、撮影プロトコルに対応する撮影条件(例えば、管電流、管電圧、照射時間等のパラメータ)に従って放射線源106に電圧を印加することによって、放射線源106に放射線110を発生させる。
【0015】
表示部104は、放射線検出装置101のユーザ(例えば、医師や放射線技師。以下、単にユーザと表す)に対して情報を提供する。例えば、表示部104は、放射線検出システム100の状態などを表示してもよい。例えば、表示部104は、外部装置から受信した検査オーダー、ユーザが作成した検査オーダー、放射線検出装置101によって生成されシステム制御部103によって処理された放射線画像などを表示してもよい。表示部104は、例えばドットマトリクス型ディスプレイ、インジケータ、ランプなどによって構成されてもよい。
【0016】
操作部105は、ユーザからの指示を取得する。例えば、操作部105は、放射線検出装置101に対する動作指示をユーザから取得してもよい。操作部105は、例えばキーボード、マウス、ボタンなどによって構成されてもよい。
【0017】
図2を参照して、放射線検出装置101の構成例について説明する。
図2(a)は、放射線検出装置101の斜視図である。
図2(b)は、
図2(a)のA-A線における放射線検出装置101の断面図である。方向を説明するために、
図2~
図6の各図に、x軸、y軸及びz軸を有する3次元座標系CSを付す。x軸に平行な方向をx軸方向と表す。3次元座標系CSの原点からx軸の正方向に向かう向きをx軸の正の向きと表す。3次元座標系CSの原点からx軸の負方向に向かう向きをx軸の負の向きと表す。y軸及びz軸についても同様である。
【0018】
放射線検出装置101は、前筺体201、後筺体202及び放射線透過板203によって構成された筺体を有する。放射線検出装置101の後述する複数の構成要素(例えば、シンチレータ層211、センサパネル212、基台213など)は筺体に収容されている。前筺体201及び後筺体202は、例えばアルミニウムやマグネシウム、CFRPなどのような低比重の材料で形成されてもよい。このような材料を使用することによって、放射線検出装置101を軽量化しつつ、落下や衝撃などに対する強度を確保できる。放射線透過板203は、例えばCFRPなどのような材料で形成されてもよい。放射線透過板203の放射線透過率は、前筺体201の放射線透過率よりも高くてもよい。
【0019】
放射線検出装置101は、使用時に、放射線110がz軸の正の向きから入射するように配置される。そのため、放射線検出装置101のz軸の正の向きにある面が入射面101aとなる。入射面101aとは、放射線110が入射することが意図された面のことである。放射線検出装置101(具体的に、そのセンサパネル212)は、入射面101aから入射した放射線110を検出する。入射面101aに、センサパネル212の検出範囲の中心を表す指標線204が記されていてもよい。これに代えて又はこれに加えて、入射面101aに、センサパネル212の検出範囲の外縁を表す指標線205が記されていてもよい。
【0020】
放射線検出装置101は、放射線検出装置101の筺体の内部に、緩衝部材210と、シンチレータ層211と、センサパネル212と、基台213と、結合部材214a及び214bと、回路基板216と、バッテリ217と、補強部材220a及び220bとを有してもよい。シンチレータ層221は、例えばCsIであってもよいシンチレータを含む。シンチレータ層221は、放射線110が入射したことに応じて発光する。言い換えると、シンチレータ層221は、放射線110を可視光に変換する。
【0021】
センサパネル212は、可撓性を有する基板と、電磁波を検出するための検出素子とを有してもよい。基板の材料として例えばプラスチックが使用されてもよい。検出素子は、シンチレータ層211によって放射線110から変換された可視光を検出してもよいし、例えばこの可視光を電荷に変換する光電変換素子であってもよい。光電変換素子に代えて、検出素子は、放射線110を直接(すなわち、可視光に変換せずに)検出してもよいし、例えばこの放射線を電荷に変換する材料(例えば、a-Se)によって形成された変換素子であってもよい。検出素子が放射線110を直接検出する場合に、シンチレータ層211は省略されてもよい。
【0022】
シンチレータ層211は、センサパネル212と入射面101aとの間に位置する。言い換えると、シンチレータ層211は、センサパネル212の上側(z軸の正の向き)に位置する。シンチレータ層211は、センサパネル212(具体的に、その上面)に接している。そのため、シンチレータ層211は、接触部材と呼ばれてもよい。センサパネル212の上面とは、センサパネル212の入射面101a側(z軸の正の向き)の面のことであってもよい。センサパネル212の下面とは、センサパネル212の入射面101aとは反対側側(z軸の負の向き)の面のことであってもよい。他の部材の上面及び下面についても同様である。
【0023】
シンチレータ層211は、センサパネル212に結合されていてもよい。例えば、シンチレータ層211は、センサパネル212の上面にシンチレータ材料を蒸着することによって形成されてもよい。これに代えて、シンチレータ層211は、シンチレータ用の基板に形成された後に、センサパネル212に貼り合わされてもよい。
【0024】
センサパネル212は、基台213によって支持される。そのため、基台213は、支持基台と呼ばれてもよい。基台213は、センサパネル212に関してシンチレータ層211の反対側に位置する。言い換えると、基台213は、センサパネル212の下面側に位置する。基台213は、センサパネル212の下面を支持してもよい。基台213は、センサパネル212(具体的に、その下面)に接してもよい。
【0025】
センサパネル212は、結合部材214a及び214bによって基台213に結合されている。この結合によって、センサパネル212は基台213に固定される。以下、結合部材214aを代表して説明する。結合部材214aについての説明は結合部材214bについても同様に当てはまる。結合部材214aによる結合は、化学的な結合であってもよいし、機械的な結合であってもよい。例えば、結合部材214aは、両面粘着テープや接着剤であってもよい。これに代えて、結合部材214aは、ねじやボルトであってもよい。基台213は、前筺体201又は後筺体202に結合されている。
【0026】
基台213は剛性を有してもよい。剛性を有する基台213にセンサパネル212を結合することによって、放射線検出装置101の外部からの荷重や放射線検出装置101の運搬時の振動に起因するセンサパネル212の変形又は破損を抑制できる。
【0027】
緩衝部材210は、シンチレータ層211と放射線透過板203との間に位置する。緩衝部材210(具体的に、その上面)は、放射線透過板203(具体的に、その下面)に接してもよい。緩衝部材210(具体的に、その下面)は、シンチレータ層211(具体的に、その上面)に接してもよい。緩衝部材210は、シリコン又はウレタン系の発泡材や、シリコンゲルなどの材料によって形成されてもよい。緩衝部材210は、放射線検出装置101の外部からの荷重を分散したり、放射線検出装置101の外部からの衝撃を緩衝したりする効果を有する。緩衝部材210は省略されてもよい。また、放射線検出装置101は、緩衝部材210以外の緩衝部材を有してもよい。例えば、放射線検出装置101は、筺体の側面と基台213との間に緩衝部材を有してもよい。
【0028】
回路基板216は、基台213の下面に取り付けられている。センサパネル212と回路基板216とは、フレキシブル回路基板215によって互いに接続されている。センサパネル212によって生成された信号(例えば、放射線110の線量を表す電荷信号)は、フレキシブル回路基板215を通じて回路基板216に読み出される。この信号は、フレキシブル回路基板215に実装された集積回路218によって処理されてもよい。例えば、集積回路218は、信号を増幅し、アナログ・デジタル(A/D)変換することによって、デジタル画像信号を生成してもよい。このデジタル画像信号は、回路基板216に実装された集積回路219によってさらに処理された後、システム制御部103へ送信されてもよい。集積回路219は、画像信号の処理だけでなく、放射線検出装置101の駆動の処理や充電の制御のような種々の機能を有してもよい。集積回路219は、回路基板216ではなく、他の回路基板(例えば、
図4の回路基板401)に実装されてもよい。
【0029】
バッテリ217は、基台213の下面に取り付けられている。バッテリ217は、放射線検出装置101が動作するために使用する電力を蓄積する。バッテリ217は、交換可能であってもよい。
【0030】
放射線検出装置101は、放射線による回路基板216の劣化を抑制したり、放射線検出装置101の下面側からの散乱線を除去したりするための放射線遮蔽部材をさらに有してもよい。放射線遮蔽部材は、例えばモリブデンや鉄、鉛などの高比重材料によって形成されてもよい。放射線遮蔽部材は、基台213に取り付けられてもよい。
【0031】
放射線検出装置101は、放射線検出装置101の側面に、スイッチ206、状態表示部207、無線通信部208及び有線接続部209を有してもよい。放射線検出装置101は、無線通信部208を通じてシステム制御部103と無線通信してもよい。放射線検出装置101は、無線通信の品質が低い場合に、有線接続部209に接続されたケーブルを通じて有線通信を行ってもよい。このケーブルは、バッテリ217の充電のために使用されてもよい。スイッチ206は、放射線検出装置101の電源のオン/オフの操作や、放射線検出装置101の状態の切り替え操作などに使用されてもよい。状態表示部207は、光の色や点灯/点滅/消灯状態等によって電源のオン/オフの状態や、バッテリ217の残量等を表示してもよい。
【0032】
図3を参照して、放射線検出装置101の一部の構成要素を詳細に説明する。
図3(a)は、
図2(b)の断面図の一部に着目した図である。
図3(a)は、放射線検出装置101の筺体内の温度が室温(例えば、20℃。以下同様)である状態を示す。
【0033】
センサパネル212は、1つ以上の検出素子(典型的には複数の検出素子)が配置された検出部分304を含む。検出部分304は、入射面101aに対する平面視において、センサパネル212の略中央に位置してもよい。検出部分304の上面全体は、シンチレータ層211に接している。検出部分304の上面は、シンチレータ層211に結合されていてもよい。検出部分304の下面全体は、基台213に接している。検出部分304は、基台213に結合されていなくてもよい。
【0034】
センサパネル212は、シンチレータ層211に接している接触部分303を含む。接触部分303は、入射面101aに対する平面視において、センサパネル212の略中央に位置してもよい。接触部分303の上面全体は、シンチレータ層211に接している。接触部分303の上面は、シンチレータ層211に結合されていてもよい。接触部分303の下面全体は、基台213に接している。接触部分303は、基台213に結合されていなくてもよい。接触部分303は、検出部分304を包含してもよい。
【0035】
センサパネル212は、結合部材214aに結合された結合部分301を含む。結合部材214aは、基台213(具体的に、基台213の入射面101a側の面)にも結合されている。そのため、結合部材214aは、結合部分301(具体的に、その下面)を基台213に結合する。結合部分301は、検出部分304及び接触部分303よりも外側(すなわち、センサパネル212の端部に近い位置)に位置する。結合部分301は、センサパネル212の端部に位置してもよい。結合部分301の上面は、シンチレータ層211に接していない。フレキシブル回路基板215は、結合部分301(具体的に、その上面)に接続されている。
【0036】
センサパネル212は、結合部材214bに結合された結合部分306を含む。結合部材214bは、基台213(具体的に、基台213の入射面101a側の面)にも結合されている。そのため、結合部材214bは、結合部分306(具体的に、その下面)を基台213に結合する。結合部分306は、検出部分304及び接触部分303よりも外側に位置する。結合部分306は、センサパネル212の端部に位置してもよい。結合部分306の上面は、シンチレータ層211に接していない。結合部分301と結合部分306とは、入射面101aに対する平面視において、検出部分304に関して互いに反対側に位置する。
【0037】
センサパネル212は、結合部分301と結合部分306との間に、可変部分302及び可変部分305を含む。可変部分302及び305は、検出部分304及び接触部分303よりも外側に位置する。可変部分302及び305は、結合部分301及び306よりも内側(すなわち、センサパネル212の中心に近い位置)に位置する。
【0038】
可変部分302は、結合部分301と接触部分303との間に位置する。可変部分302は、シンチレータ層211に接触していない。可変部分302(具体的に、その下面)の一部は、基台213に接している。可変部分302は、基台213に結合されていなくてもよい。可変部分302の上面は、他の部材に接していなくてもよいし、放射線検出装置101の筺体の内部空間に面していてもよい。
【0039】
可変部分305は、結合部分306と接触部分303との間に位置する。可変部分305は、シンチレータ層211に接触していない。可変部分305(具体的に、その下面)の一部は、基台213に接している。可変部分305は、基台213に結合されていなくてもよい。可変部分305の上面は、他の部材に接していなくてもよいし、放射線検出装置101の筺体の内部空間に面していてもよい。
【0040】
図3(b)は、放射線検出装置101の筺体内の温度が室温よりも高い状態を示す。放射線検出装置101の動作中に、集積回路218及び集積回路219の発熱などに起因して、放射線検出装置101の筺体内の温度が室温よりも高くなりうる。センサパネル212の線膨張係数が基台213の線膨張係数よりも大きい場合について考える。例えば、センサパネル212の基板がプラスチックによって形成され、基台213がアルミニウムやマグネシウム、CFRPなどによって形成された場合に、線膨張係数がこのような大小関係を有しうる。このような場合に、放射線検出装置101の筺体内の温度の上昇に応じて、センサパネル212は、基台213に対して相対的に膨張する。可変部分302及び305の上面はシンチレータ層211に接しておらず、接触部分303の上面はシンチレータ層211に接している。そのため、可変部分302及び305は、接触部分303と比較して、基台213からの距離が大きくなるように変形しやすい。例えば、シンチレータ層211が0.3~1.0mm程度の厚さを有し、センサパネル212が0.02~0.2mm程度の厚さを有する場合に、可変部分302及び305の方が接触部分303よりも十分に変形しやすくなる。
図3(b)に示されるように、放射線検出装置101の筺体内の温度の上昇に応じて、可変部分302及び305は、上向きに撓む。それによって、センサパネル212の検出部分304に生じる反りが軽減される。
【0041】
図3(b)に示される状態から放射線検出装置101の筺体内の温度が低下すると、センサパネル212は、基台213に対して相対的に収縮する。それによって、可変部分302及び305は、基台213からの距離が小さくなるように変形し、
図3(a)の状態に戻る。このように、可変部分302及び305は、基台213からの距離が変化するように変形可能である。
【0042】
放射線検出装置101の筺体内の温度が室温よりも低い状態においてセンサパネル212に生じる反りを軽減するために、製造時に可変部分302及び305が撓んだ状態でセンサパネル212を基台213に結合してもよい。
【0043】
シンチレータ層211は、センサパネル212の検出部分304を基台213に向けて押圧してもよい。これによって、センサパネル212の検出部分304に生じる反りがさらに軽減される。シンチレータ層211による押圧は、例えば、緩衝部材210、シンチレータ層211、センサパネル212、及び基台213を放射線透過板203に押し付けた状態で基台213を前筺体201に固定することによって実現されてもよい。
【0044】
フレキシブル回路基板215は、結合部分301(具体的に、その上面)に、例えば異方性導電接着材(ACF)によって接続される。結合部分301は結合部材214aに結合されているため、可変部分302よりも変形しづらい。そのため、フレキシブル回路基板215を結合部分301に接続することによって、フレキシブル回路基板215を可変部分302に接続する場合と比較して、フレキシブル回路基板215の接続が安定する。
【0045】
図4を参照して、入射面101aに対する平面視における放射線検出装置101の各構成要素の位置について説明する。
図4(a)は、後筺体202を外した状態で放射線検出装置101を入射面101aとは反対側から見た図である。
図4(a)では、集積回路(例えば、集積回路218、219)が省略されている。また、結合部材214a及び214bの外縁が破線で示される。
図4(b)は、
図4(a)のうちセンサパネル212に着目した図である。
【0046】
放射線検出装置101は、基台213の下面に取り付けられた回路基板401をさらに有する。回路基板401は、フレキシブル回路基板を通じてセンサパネル212に接続されており、導電線を通じて回路基板216に接続されている。
【0047】
図4(b)において、センサパネル212の結合部分301、接触部分303、検出部分304及び結合部分306のそれぞれの外縁を破線で示す。可変部分302は、センサパネル212のうち結合部分301と接触部分303との間に位置する部分である。可変部分305は、センサパネル212のうち結合部分306と接触部分303との間に位置する部分である。センサパネル212の検出部分304に、複数の画素回路403が2次元アレイ状に形成されている。画素回路403は、上述の検出素子と、トランジスタとを含んでもよい。
【0048】
基台213は、板状部材であり、入射面101aに対する平面視において矩形の形状を有する。基台213は、4つの側面402a~402dを有する。側面402aと側面402cとは互いに反対側に位置しており、どちらもy軸方向に延在する。側面402bと側面402dとは互いに反対側に位置しており、どちらもx軸方向に延在する。
【0049】
結合部材214aは、基台213の側面402aに沿って延在する。そのため、結合部材214aに結合された結合部分301も基台213の側面402aに沿って延在する。回路基板216も基台213の側面402aに沿って延在する。特定の部材が側面に沿って延在するとは、特定の部材が側面の付近に位置し、側面に沿った方向の長さが他の方向の長さよりも長いことであってもよい。結合部材214bは、基台213の側面402cに沿って延在する。そのため、結合部材214cに結合された結合部分306も基台213の側面402bに沿って延在する。
【0050】
上述したように、可変部分302及び305が変形することによって、x軸方向におけるセンサパネル212と基台213との線膨張係数の差に起因して生じるセンサパネル212の反りが軽減される。一方、
図4(a)の構成では、y軸方向におけるセンサパネル212と基台213との線膨張係数の差に起因して、センサパネル212に反りが生じうる。そのため、この反りを軽減するために、補強部材220a及び220bが基台213に結合されている。補強部材220aは、基台213の側面402aに沿って延在する。補強部材220bは、基台213の側面402cに沿って延在する。補強部材220a及び220bは、リブとも呼ばれうる。補強部材220a及び220bによってセンサパネル212のy軸方向の剛性が向上するため、センサパネル212に生じる反りが軽減される。
図4(a)の例では2つの補強部材220a及び220bが配置されるが、補強部材の個数及び位置はこの例に限られない。例えば、補強部材の個数は1つ又は3つ以上であってもよい。補強部材は、基台213の略中央においてy軸に延在してもよい。
【0051】
基台213に補強部材220a及び220bを取り付けることに加えて、又はこれに代えて、基台213に異方性材料(例えば、CFRP)を使用することによって、y軸方向におけるセンサパネル212と基台213との線膨張係数の差に起因して生じるセンサパネル212の反りが軽減されてもよい。例えば、側面402aに沿った方向(y軸方向)における基台213の線膨張係数が、この方向に直交する方向(x軸方向)における基台213の線膨張係数よりも高くなる向きに基台213を配置してもよい。これによって、y軸方向におけるセンサパネル212と基台213との線膨張係数の差が軽減するため、センサパネル212に生じる反りが軽減される。
【0052】
これに加えて又はこれに代えて、例えば側面402aに沿った方向(y軸方向)における基台213の曲げ弾性率が、この方向に直交する方向(x軸方向)における基台213の曲げ弾性率よりも高くなる向きに基台213を配置してもよい。これによって、センサパネル212のy軸方向の剛性が向上するため、センサパネル212に生じる反りが軽減される。
【0053】
図5を参照して、放射線検出装置101の変形例について説明する。上述の実施形態では、結合部材214aが基台213の入射面101a側の面に結合される。これに代えて、
図5(b)に示されるように、センサパネル212の可変部分302が曲げられることによって、結合部材214aが基台213の側面402aに結合されてもよい。このような構成であっても、可変部分302は、基台213からの距離が変化するように変形可能である。放射線検出装置101の筺体の内部が室温である状態において、可変部分302は、基台213から離れていてもよい。このような構成によれば、放射線検出装置101の筺体の内部が室温よりも高い場合に、センサパネル212が基台213に対して相対的に膨張するため、可変部分302は、
図5(b)の状態よりも基台213から離れるように変形する。一方、放射線検出装置101の筺体の内部が室温よりも低い場合に、センサパネル212が基台213に対して相対的に収縮するため、可変部分302は、
図5(b)の状態よりも基台213に近づくように変形する。よって、何れの場合であっても、センサパネル212に生じる反りが軽減される。
図5(a)に示されるように、基台213の端部の厚さを厚くする(例えば、基台213の端部にリブを形成する)ことによって、基台213に結合部材214aを結合しやすくしてもよい。結合部材214bも結合部材214aと同様に基台213の側面に結合されてもよい。
【0054】
図5(b)に示される変形例では、センサパネル212の可変部分302が曲げられることによって、結合部材214aが基台213の下面(すなわち、入射面101aとは反対側の面)に結合されている。このような構成であっても、可変部分302は、基台213からの距離が変化するように変形可能である。放射線検出装置101の筺体の内部が室温である状態において、可変部分302は、基台213から離れていてもよい。このような構成によれば、放射線検出装置101の筺体の内部が室温よりも高い場合に、センサパネル212が基台213に対して相対的に膨張するため、可変部分302は、
図5(b)の状態よりも基台213から離れるように変形する。一方、放射線検出装置101の筺体の内部が室温よりも低い場合に、センサパネル212が基台213に対して相対的に収縮するため、可変部分302は、
図5(b)の状態よりも基台213に近づくように変形する。よって、何れの場合であっても、センサパネル212に生じる反りが軽減される。結合部材214bも結合部材214aと同様に基台213の下面に結合されてもよい。
【0055】
放射線検出装置101は、基台213の側面402aとセンサパネル212(具体的に、その可変部分302)との間に、弾性部材501をさらに有してもよい。弾性部材501を設けることによって、センサパネル212の検出部分304のxy平面に沿った振動を抑制できる。
図5(b)の変形例は、
図5(a)の変形例と比較して、基台213の厚さを低減しやすい。
【0056】
上述のように、結合部材(例えば、結合部材214a)は、基台213の上面に結合されてもよいし、側面に結合されてもよいし、下面に結合されてもよい。放射線検出装置101の複数の結合部材は、基台213の異なる面に結合されてもよい。例えば、結合部材214aが
図3(a)に示されるように基台213の上面に結合され、結合部材214bが
図5(a)に示されるように基台213の側面に結合されてもよい。
【0057】
図6を参照して、放射線検出装置101の更なる変形例について説明する。この変形例では、結合部材214a及び214bの位置及び形状が異なる。
図6(a)は、後筺体202を外した状態で放射線検出装置101を入射面101aとは反対側から見た図である。
図6(a)では、集積回路(例えば、集積回路218、219)が省略されている。また、結合部材214a及び214bの外縁が破線で示される。
図6(b)は、
図6(a)のうちセンサパネル212に着目した図である。
【0058】
基台213は、板状部材であり、入射面101aに対する平面視において矩形の形状を有する。基台213は、4つの角部600a~600dを有する。角部600aと角部600cとは互いに反対側に位置する。角部600bと角部600dとは互いに反対側に位置する。
【0059】
結合部材214aは、角部600aに位置する。すなわち、結合部材214aは、角部600aにおいて、センサパネル212の結合部分301を基台213に結合する。結合部材214bは、角部600cに位置する。すなわち、結合部材214bは、角部600cにおいて、センサパネル212の結合部分306を基台213に結合する。このように結合部材214a及び214bを角部600a及び600cに配置することによって、x軸方向及びy軸方向の両方においてセンサパネル212に生じる反りが軽減される。そのため、この変形例では、補強部材220a及び220bが省略されてもよい。
【0060】
放射線検出装置101は、結合部材214c及び214dをさらに有してもよい。結合部材214cは、角部600bに位置する。すなわち、結合部材214cは、角部600bにおいて、センサパネル212の結合部分601を基台213に結合する。センサパネル212は、結合部分601と接触部分303との間に可変部分を含んでもよい。結合部材214dは、角部600dに位置する。すなわち、結合部材214dは、角部600dにおいて、センサパネル212の結合部分602を基台213に結合する。センサパネル212は、結合部分602と接触部分303との間に可変部分を含んでもよい。
図6の変形例においても、結合部材(例えば、結合部材214a)は、基台213の上面に結合されてもよいし、側面に結合されてもよいし、下面に結合されてもよい。
【0061】
上述の実施形態では、センサパネル212が可変部分302と可変部分305との両方を含む。これに代えて、センサパネル212は、可変部分302と可変部分305との一方のみを含んでもよい。例えば、シンチレータ層211が結合部分306まで延在することによって、可変部分305が存在しなくてもよい。この場合であっても、可変部分302が変形することによって、センサパネル212の接触部分303に生じる反りが軽減される。
【0062】
上述の実施形態では、シンチレータ層211がセンサパネル212の接触部分303に接する。放射線検出装置101がシンチレータ層211を含まない場合に、緩衝部材210がセンサパネル212の接触部分303に接してもよい。この場合に、緩衝部材210は、接触部材と呼ばれてもよい。
【0063】
上述の実施形態では、可変部分302の上面が他の部材に接しておらず、放射線検出装置101の筺体の内部空間に面する。これに代えて、センサパネル212に生じる反りを軽減できるのであれば、可変部分302の上面が他の部材(例えば、可撓性を有する部材)に接してもよい。可変部分302以外の他の可変部分についても同様である。
【0064】
上述の実施形態では、センサパネル212の線膨張係数が基台213の線膨張係数よりも大きい場合について説明する。これに代えて、センサパネル212の線膨張係数が基台213の線膨張係数よりも小さくてもよい。
【0065】
上述の実施形態では、接触部分303は、基台213に結合された部分を含まない。これに代えて、接触部分303は、基台213に結合された部分を含んでもよい。例えば、接触部分303の中央が接着剤などによって基台213に結合されてもよい。この場合でも、センサパネル212の可変部分が変形することによって、センサパネル212に生じる反りが軽減される。
【0066】
<実施形態のまとめ>
[項目1]
入射面から入射した放射線を検出するための放射線検出装置であって、
可撓性を有する基板と、検出素子とを有するセンサパネルと、
前記センサパネルと前記入射面との間に位置する接触部材であって、前記センサパネルのうち前記検出素子が配置された検出部分に接している接触部材と、
前記センサパネルに関して前記接触部材の反対側に位置する基台と、
前記センサパネルの第1結合部分を前記基台に結合する第1結合部材と、
前記センサパネルの第2結合部分を前記基台に結合する第2結合部材と、を備え、
前記センサパネルの前記第1結合部分と前記センサパネルの前記第2結合部分とは、前記入射面に対する平面視において、前記センサパネルの前記検出部分に関して互いに反対側に位置しており、
前記センサパネルは、前記第1結合部分と前記第2結合部分との間に、前記接触部材に接触していない可変部分を含み、
前記センサパネルの前記可変部分は、前記基台からの距離が変化するように変形可能である、放射線検出装置。
[項目2]
前記第1結合部材は、前記基台の前記入射面側の面に結合されている、項目1に記載の放射線検出装置。
[項目3]
前記第1結合部材は、前記基台の側面に結合されている、項目1に記載の放射線検出装置。
[項目4]
前記第1結合部材は、前記基台の前記入射面側とは反対側の面に結合されている、項目1に記載の放射線検出装置。
[項目5]
前記放射線検出装置は、前記基台の側面と前記センサパネルとの間に、弾性部材を更に備える、項目4に記載の放射線検出装置。
[項目6]
前記基台は、互いに反対側にある第1側面及び第2側面を有し、
前記第1結合部材は、前記第1側面に沿って延在し、
前記第2結合部材は、前記第2側面に沿って延在する、項目1乃至5の何れか1項に記載の放射線検出装置。
[項目7]
前記放射線検出装置は、前記基台に結合された補強部材を更に備え、
前記補強部材は、前記第1側面に沿った方向に延在する、項目6に記載の放射線検出装置。
[項目8]
前記第1側面に沿った第1方向における前記基台の線膨張係数は、前記第1方向に直交する第2方向における前記基台の線膨張係数よりも大きい、項目6又は7に記載の放射線検出装置。
[項目9]
前記第1側面に沿った第1方向における前記基台の曲げ弾性率は、前記第1方向に直交する第2方向における前記基台の曲げ弾性率よりも大きい、項目6乃至8の何れか1項に記載の放射線検出装置。
[項目10]
前記基台は、互いに反対側にある第1角部及び第2角部を有し、
前記第1結合部材は、前記第1角部に位置し、
前記第2結合部材は、前記第2角部に位置する、項目1乃至5の何れか1項に記載の放射線検出装置。
[項目11]
前記放射線検出装置は、
前記センサパネルの第3結合部分を前記基台に結合する第3結合部材と、
前記センサパネルの第4結合部分を前記基台に結合する第4結合部材と、をさらに備え、
前記基台は、互いに反対側にある第3角部及び第4角部をさらに有し、
前記第3結合部材は、前記第3角部に位置し、
前記第4結合部材は、前記第4角部に位置する、項目10に記載の放射線検出装置。
[項目12]
前記放射線検出装置は、前記センサパネルの前記第1結合部分に接続されたフレキシブル回路基板を更に備える、項目1乃至11の何れか1項に記載の放射線検出装置。
[項目13]
前記接触部材は、シンチレータを含む、項目1乃至12の何れか1項に記載の放射線検出装置。
[項目14]
前記接触部材は、前記センサパネルの前記検出部分を前記基台に向けて押圧する、項目1乃至13の何れか1項に記載の放射線検出装置。
[項目15]
項目1乃至14の何れか1項に記載の放射線検出装置と、
前記放射線検出装置によって得られた信号を処理する信号処理手段と
を備えることを特徴とする放射線検出システム。
【0067】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0068】
110 放射線検出装置、211 シンチレータ層、212 センサパネル、213 基台、214a 結合部材