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特開2024-170186チューブベルトサンダの作業部構造、アタッチメント、及びチューブベルトサンダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170186
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】チューブベルトサンダの作業部構造、アタッチメント、及びチューブベルトサンダ
(51)【国際特許分類】
   B24B 21/00 20060101AFI20241129BHJP
   B24B 23/06 20060101ALI20241129BHJP
   B24B 47/26 20060101ALN20241129BHJP
【FI】
B24B21/00 Z
B24B23/06
B24B47/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087208
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】川上 高弘
(72)【発明者】
【氏名】中浜 雅俊
【テーマコード(参考)】
3C034
3C158
【Fターム(参考)】
3C034AA19
3C158AA05
3C158AA16
3C158CB04
3C158DA01
(57)【要約】
【課題】サンディングベルトの離脱が更に抑制されるチューブベルトサンダの作業部構造、アタッチメント、及びチューブベルトサンダを提供する。
【解決手段】チューブベルトサンダの作業部であるアタッチメント4は、サンディングベルトBを装着するための第1ホイール106及び第2ホイール114と、これらを保持する基端側アーム104及び先端側アーム110と、これらの何れかに対し間接的に設けられたローラ240と、を備えている。第1ホイール106及び第2ホイール114は、自身の中心軸である従動ホイール軸の周りで回転可能である。ローラ240は、サンディングベルトBの側方に配置される。ローラ240の延びる方向は、従動ホイール軸の延びる方向と、上方及び後方の少なくとも一方から見て交わっている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブベルトサンダにおける被加工物に作業を施すための作業部の構造であって、
サンディングベルトを装着するための従動ホイールと、
前記従動ホイールを保持するアームと、
前記アームに対し、直接的に又は間接的に設けられたストッパと、
を備えており、
前記従動ホイールは、自身の中心軸である従動ホイール軸の周りで回転可能であり、
前記ストッパは、前記サンディングベルトの側方に配置されており、
前記ストッパの延びる方向は、前記従動ホイール軸の延びる方向と、上方及び後方の少なくとも一方から見て交わっている
ことを特徴とするチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項2】
更に、前記アームに立設された立設部を備えており、
前記ストッパは、前記立設部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項3】
前記立設部は、火花のユーザへの到達を抑制する火花ガードを含む
ことを特徴とする請求項2に記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項4】
前記ストッパは、複数設けられている
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項5】
前記ストッパは、前記サンディングベルトの両側方に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項6】
前記ストッパは、自身の中心軸の周りで回転可能なローラである
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項7】
前記ストッパは、円錐形状を含む形状であり、
前記ストッパの前記円錐形状における径は、その設置部から離れるに従い増大する
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項8】
前記ストッパの延びる方向は、装着された前記サンディングベルトの延びる方向と、側方から見て交わっている
ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項9】
前記ストッパは、着脱自在である
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造を有している
ことを特徴とするチューブベルトサンダのアタッチメント。
【請求項11】
請求項1から請求項9の何れかに記載のチューブベルトサンダの作業部構造を有している
ことを特徴とするチューブベルトサンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンディングベルトが渡されるチューブベルトサンダの作業部の構造、チューブベルトサンダのアタッチメント、及びチューブベルトサンダに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10-2011-117412号明細書(特許文献1)に示されるように、サンディングベルトのホイールにフランジが設けられたチューブグラインダが知られている。フランジにより、サンディングベルトのホイールからの離脱が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第10-2011-117412号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チューブベルトサンダ及びそのアタッチメント並びにベルトサンダの作業部構造において、サンディングベルトの離脱が更に抑制される技術が期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、チューブベルトサンダの作業部構造を開示する。この作業部構造は、チューブベルトサンダにおける被加工物に作業を施すための作業部の構造であっても良い。この作業部構造は、サンディングベルトを装着するための従動ホイールを備えていても良い。従動ホイールを保持するアームを備えていても良い。アームに対し、直接的に又は間接的に設けられたストッパを備えていても良い。従動ホイールは、自身の中心軸である従動ホイール軸の周りで回転可能であっても良い。ストッパは、サンディングベルトの側方に配置されていても良い。ストッパの延びる方向は、従動ホイール軸の延びる方向と、上方及び後方の少なくとも一方から見て交わっていても良い。
【発明の効果】
【0006】
本開示のチューブベルトサンダの作業部構造、アタッチメント、及びベルトサンダによれば、チューブベルトサンダの作業部構造、アタッチメント、及びチューブベルトサンダにおける、サンディングベルトの離脱が更に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施例の形態に係るチューブベルトサンダの斜視図である。
図2図1の左側面図であって、一部において中央縦断面図が示される図である。
図3図2のA-A線の一部断面図である。
図4図2のE-E線の断面図である。
図5図3のF-F線の断面図である。
図6図1のチューブベルトサンダにおける第1の駆動ホイールに係る右側の分解斜視図である。
図7図6の第1の駆動ホイールに係る左側の分解斜視図である。
図8図1のチューブベルトサンダにおけるアタッチメントの右側斜視図である。
図9図8のアタッチメントの左側斜視図である。
図10図2のC-C線の断面図である。
図11図2のB-B線の断面図である。
図12図2のG-G線の断面図である。
図13】第1の駆動ホイールに代えて第2の駆動ホイールが装着された場合の図2のA-A線に相当する線における一部断面図である。
図14図13の第2の駆動ホイールに係る右側の分解斜視図である。
図15図13の第2の駆動ホイールに係る左側の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施形態において、チューブベルトサンダの作業部構造は、アームに立設された立設部を備えていても良い。ストッパは、立設部に設けられていても良い。この場合、ストッパが、簡便な構造においてサンディングベルトの隣接位置に配置される。
本開示の一実施形態において、立設部は、火花のユーザへの到達を抑制する火花ガードを含んでいても良い。この場合、ストッパを設けるための立設部がユーザへの火花到達の抑制機能も発揮することとなり、チューブベルトサンダが効率のより良好な構造となる。
本開示の一実施形態において、ストッパは、複数設けられていても良い。この場合、よりサンディングベルトが外れ難くなる。
本開示の一実施形態において、ストッパは、サンディングベルトの両側方に配置されていても良い。この場合、2方向においてサンディングベルトの脱落抑制が行える。
本開示の一実施形態において、ストッパは、自身の中心軸の周りで回転可能なローラであっても良い。この場合、サンディングベルト及びストッパの摩擦力が抑制される。よって、サンディングベルト及びストッパの損傷の発生がより抑制される
本開示の一実施形態において、ストッパは、円錐形状を含む形状であっても良い。ストッパの円錐形状における径は、その設置部から離れるに従い増大しても良い。この場合、ストッパの円錐形状の大径部が、サンディングベルトの裏側に配置される。よって、ストッパは、サンディングベルトの裏側に対してより接触し易くなる。従って、ストッパ及びサンディングベルトの損傷の発生が、より抑制される。
本開示の一実施形態において、ストッパの延びる方向は、装着されたサンディングベルトの延びる方向と、側方から見て交わっていても良い。この場合、サンディングベルトの脱落が、より適切に抑制される。
本開示の一実施形態において、ストッパは、着脱自在であっても良い。この場合、ストッパの有無及び配置が調節可能である。よって、ストッパの作業状況に応じた配置が可能となる。従って、作業状況に応じて作業容易性の度合及びサンディングベルトの脱落抑制の度合の調和を図ることができるチューブベルトサンダの作業部構造が提供される。
【0009】
又、本明細書は、チューブベルトサンダのアタッチメントを開示する。このアタッチメントは、上述のチューブベルトサンダの作業部構造を有していても良い。
更に、本明細書は、チューブベルトサンダを開示する。このベルトサンダは、上述のチューブベルトサンダの作業部構造を有していても良い。
【実施例0010】
以下、本開示の実施例の形態が、適宜図面に基づいて説明される。当該説明には、当該形態の変更例が含まれる。本開示は、当該形態及び当該変更例に限定されない。
当該形態及び変更例における前後上下左右は、説明の便宜上定められたものであり、作業の状況及び部材の移動の少なくとも何れか等により変化することがある。
【0011】
図1は、本開示の実施例の形態に係るチューブベルトサンダ1の斜視図である。図2は、図1の左側面図であって、一部において中央縦断面図が示される図である。
ベルトサンダの一例としてのチューブベルトサンダ1は、本体部2と、アタッチメント4と、を有している。チューブベルトサンダ1は、パイプベルトサンダ、チューブサンダ、あるいはパイプサンダとも呼ばれ得る。アタッチメント4は、アッセンブリとも呼ばれ得る。チューブベルトサンダ1において、アタッチメント4は、被加工物に対して研磨等の作業を施す作業部である。尚、以下に説明されるチューブベルトサンダ1と異なり、作業部は、本体部2に分離困難な状態で組み込まれていても良く、即ち本体部2に容易に着脱可能なアタッチメント4でなくても良い。
図2において、左がチューブベルトサンダ1の前となる。又、図2において、上がチューブベルトサンダ1の上となる。
【0012】
図3は、図2のA-A線の一部断面図である。図4は、図2のE-E線の断面図である。図5は、図3のF-F線の断面図である。
本体部2は、中心軸を前後方向とする円柱状である。
本体部2は、ハウジング10と、モータ12と、ファン14と、モータ軸受15と、バッテリ装着部16と、バッテリ18と、コントローラ20と、スイッチ本体22と、速度調整ダイヤル24と、スイッチ操作部26と、動力伝達部28と、出力部としてのスピンドル30と、を有する。
本体部2において、後方から順に、バッテリ18、バッテリ装着部16、コントローラ20、スイッチ本体22、モータ12、ファン14、動力伝達部28、及びスピンドル30が配置されている。
尚、バッテリ18は、本体部2又はチューブベルトサンダ1の構成要素とせず、本体部2又はチューブベルトサンダ1から独立した構成要素とされても良い。又、スピンドル30は、動力伝達部28の構成要素とされても良い。スピンドル30は、出力部の構成要素とされても良い。
【0013】
ハウジング10は、本体部2の外郭を構成する。
ハウジング10は、各種の部材を直接又は間接的に保持する。
ハウジング10は、モータハウジング40と、ファンケース42と、ギヤハウジング44と、ベアリングボックス45と、Oリング47と、を備えている。
【0014】
モータハウジング40は、プラスチック製である。モータハウジング40は、半割状であり、左モータハウジング40L及び右モータハウジング40Rを有している。
左モータハウジング40Lは、複数のネジボス部を有している。右モータハウジング40Rは、複数のネジ孔部を有している。ネジ孔部は、ネジボス部に対応するネジ孔を有している。左モータハウジング40L及び右モータハウジング40Rは、ネジ孔部とネジボス部に入るネジにより、合わせられている。そのネジは、左右に延びており、本体部2の右側から左方へ入れられる。
モータハウジング40は、筒状である。モータハウジング40の前端部は、前方へ開口した前開口部となっている。モータハウジング40の後端部は、後方へ開口した後開口部となっている。
モータハウジング40の前後方向における中央部は、ユーザが把持可能なグリップ部Gとなっている。
【0015】
ファンケース42は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ファンケース42は、リング状である。ファンケース42は、前後に開口している。
ファンケース42は、複数の排気口42Eを有している。各排気口42Eは、前後に延びている。複数の排気口42Eは、ファンケース42の左上、左下、右上及び右下に配置されている。
【0016】
ギヤハウジング44は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ギヤハウジング44は、前部が後部に対して縮径した釣鐘状の部材である。ギヤハウジング44の後端部は、後方に開放されている。ギヤハウジング44の左端部は、左方に開放されている。
ギヤハウジング44は、複数の排気口48を有している。排気口48は、ギヤハウジング44の前上部及び前下部に配置されている。
ギヤハウジング44は、ファンケース42を介して、モータハウジング40に固定される。モータハウジング40の前開口部に、ファンケース42の後開口部が合わせられる。ファンケース42の前開口部に、ギヤハウジング44の後開口部が合わせられる。ギヤハウジング44及びファンケース42は、前後に延びる複数(ここでは4本)のネジ49によって固定される。ネジ49は、ファンケース42及びギヤハウジング44後部の右上、右下、左上、及び左下に配置される。各ネジ49は、前側から後方に入れられる。
【0017】
ベアリングボックス45は、アルミニウムダイキャスト合金製である。ベアリングボックス45は、円筒状であり、左右に延びている。
ベアリングボックス45は、ギヤハウジング44に固定されている。ベアリングボックス45の右部は、ギヤハウジング44の左開口部に入っている。ベアリングボックス45とギヤハウジング44との間には、Oリング47が介装されている。
【0018】
尚、ハウジング10は、様々に変更可能である。例えば、モータハウジング40において、前部と後部とが、互いに組み合わせ可能な別体とされても良い。又、半割のモータハウジング40において、左モータハウジング40Lと右モータハウジング40Rとで大きさ及び形状の少なくとも一方が大きく異なっていても良い。更に、左モータハウジング40Lと右モータハウジング40Rとが、爪等の係止部及び爪穴等の被係止部等を用いて、ネジ以外により組み合わせられても良い。ギヤハウジング44が半割とされても良い。ファンケース42がモータハウジング40又はギヤハウジング44と一体化されることで省略されても良い。ギヤハウジング44は、ベアリングボックス45と一体化されても良い。ハウジング10における各種部分の材質が変更されても良い。又、排気口42E,48の数及び配置の少なくとも何れかは、適宜変更されても良い。
【0019】
モータ12は、ブラシレスモータであり、DCモータであって、電動モータである。
モータ12は、モータ軸50と、ピニオン52と、を有している。
モータ軸50は、自身の中心軸の周りで回転する。モータ軸50は、前後に延びる。
ピニオン52は、モータ軸50の前端部に一体に固定されている。
【0020】
ファン14は、モータ軸50と一体に固定される。
ファン14は、遠心ファンである。尚、ファン14として、軸流ファン等の他のものが用いられても良い。
ファンの径方向外方に配置されるファンケース42には、複数の排気口42Eが設けられている。
ギヤハウジング44の前上部及び前下部には、ギヤハウジング44の排気口48が配置されている。
【0021】
モータ軸受15は、モータ軸50を回転可能に支持する。モータ軸受15は、ファン14とピニオン52の間に配置される。モータ軸受15は、ファン14の前側に配置される。モータ軸受15の外輪は、ファンケース42に保持される。モータ軸受15とファンケース42との間には、Oリング54が介装されている。
【0022】
バッテリ装着部16は、本体部2の後端部に配置される。バッテリ装着部16は、前側の部分に対して上下左右に広がっている。
バッテリ装着部16には、バッテリ18が装着される。バッテリ装着部16は、バッテリ18の端子と接続される本体部側端子を有している。本体部側端子は、本体部2の後開口部内に配置されている。
バッテリ18は、バッテリ装着部16の後側に装着される。バッテリ18は、バッテリ装着部16の上側から下方へスライドすることにより装着される。尚、バッテリ18のスライド装着方向は、上側から下方への方向以外の方向であっても良い。又、バッテリ18は、スライド装着以外の態様で装着されても良い。
バッテリ18は、18V(ボルト)のリチウムイオンバッテリである。バッテリ18は、プラスチック製のバッテリケース内に、図示されないセルを8個内包するものである。セルは、軸方向に長い円柱状であり、バッテリ18の装着時に左右方向を向いている。バッテリ18は、モータ12を駆動するための電力を保持している。尚、バッテリ18として、10.8V、14.4V,25.2V,28V,36V等の任意のリチウムイオンバッテリが用いられても良い。又、バッテリ18として、10.8V未満あるいは36Vを超える電圧のリチウムイオンバッテリが用いられても良い。バッテリ18として、他の種類のバッテリが用いられても良い。複数のバッテリ18が用いられても良い。
【0023】
コントローラ20は、バッテリ装着部16の内部に保持される。
コントローラ20は、モータ12を制御する。コントローラ20には、スイッチ本体22を介して、モータ12が電気的に接続されている。更に、コントローラ20には、バッテリ装着部16の本体部側端子が電気的に接続されている。
又、コントローラ20には、速度調整ダイヤル24、及びスイッチ本体22が、それぞれ電気的に接続されている。
【0024】
速度調整ダイヤル24は、モータハウジング40の後端部の上部に配置されている。
速度調整ダイヤル24は、上下左右に広がっており、前後方向の仮想軸周りで回転可能である。
速度調整ダイヤル24の上端部は、露出している。
【0025】
スイッチ操作部26は、モータハウジング40の前端上部に配置される。
スイッチ操作部26の上部は、露出している。スイッチ操作部26は、後方のオフ位置からその前方の最大オン位置まで、前後にスライド可能である。
スイッチ操作部26は、ユーザによりオフ位置から前方へのスライド操作がなされると、所定の遊びを経てオンとなる。
尚、スイッチ本体22は、スイッチ操作部26がスイッチ本体22をオンとする状態から更に前方へ操作された場合、前方への操作量に応じて、発出する信号の状態を変えても良い。この場合、速度調整ダイヤル24が省略され、コントローラ20がスイッチ本体22の信号の状態に応じてモータ12の回転速度を変えても良い。コントローラ20は、スイッチ操作部26が前方へ操作されるほど、モータ12の回転速度が速くなるように、モータ12を制御しても良い。又、遊びが省略され、スイッチ本体22がスイッチ操作部22の前方への操作開始によりすぐにオンとなるようにしても良い。
【0026】
動力伝達部28は、スピンドル30にモータ12の動力を伝達する。スピンドル30は、円柱状である。スピンドル30は、左右に延びる。スピンドル30の先端部としての左端部には、連結部30Cが配置されている。連結部30Cは、スプライン軸である。
動力伝達部28は、ベベルギヤ60と、右スピンドル軸受62と、左スピンドル軸受64と、サークリップ65と、ワッシャ66と、を有する。
動力伝達部28は、ギヤハウジング44内及びベアリングボックス45内に配置されている。
【0027】
ベベルギヤ60は、スピンドル30に一体に固定される。ベベルギヤ60は、スピンドル30の上部の周りに配置されている。
ベベルギヤ60は、ピニオン52と噛み合っている。
ベベルギヤ60は、モータ軸50の回転を減速し、スピンドル30に伝える。
【0028】
右スピンドル軸受62は、スピンドル30の右端部の周りに配置されている。
右スピンドル軸受62は、スピンドル30を、その中心軸の周りで回転可能に支持する。
右スピンドル軸受62は、ベベルギヤ60の右側に配置されている。右スピンドル軸受62は、ギヤハウジング44に保持される。
右スピンドル軸受62は、モータ軸50の前側に配置されている。
【0029】
左スピンドル軸受64は、スピンドル30の中央部の周りに配置されている。
左スピンドル軸受64は、スピンドル30を、その中心軸の周りで回転可能に支持する。
左スピンドル軸受64は、ベベルギヤ60の左側に配置されている。左スピンドル軸受64は、サークリップ65により、ベアリングボックス45に保持される。
【0030】
ワッシャ66は、左スピンドル軸受64の左側に配置されている。
ワッシャ66は、左スピンドル軸受64の内輪と、スピンドル30中央部の大径部との間に配置されている。
【0031】
図6は、第1の駆動ホイール70に係る右側の分解斜視図である。図7は、第1の駆動ホイール70に係る左側の分解斜視図である。図8は、アタッチメント4の左側の斜視図である。図9は、アタッチメント4の右側の斜視図である。図10は、図2のC-C線断面図である。図11は、図2のB-B線断面図である。図12は、図2のG-G線断面図である。
アタッチメント4は、第1の駆動ホイール70と、ベース部100と、第1関節部102と、アームとしての基端側アーム104と、第1ホイール106と、第2関節部108と、アームとしての先端側アーム110と、第2ホイール114と、グリップ116と、ガード118と、ストッパ機構119と、を有する。
第1の駆動ホイール70は、第2の駆動ホイール300と交換可能である。
尚、図8から図12において、第1の駆動ホイール70及びグリップ116の図示は省略されている。又、駆動ホイール70,300は、本体部2の構成要素とされても良い。駆動ホイール70,300は、スピンドル30に代えて、あるいはスピンドル30と共に、出力部とされても良い。更に、駆動ホイール70,300は、アタッチメント4から独立した構成要素とされても良い。駆動ホイール70,300は、アタッチメント4とは別のアタッチメントと捉えられても良い。
【0032】
第1のホイールとしての第1の駆動ホイール70は、左右に延びる円柱状である。
第1の駆動ホイール70は、取付筒体としての内筒体71と、2つのボルト72と、回転筒体としての外筒体73と、第1外筒体ベアリング74と、第2外筒体ベアリング75と、外筒体サークリップ76と、軸体77と、第1軸体ベアリング78と、第2軸体ベアリング79と、内筒体サークリップ80と、Oリング81と、2つのワッシャ82と、軸体サークリップ83と、を備えている。
【0033】
内筒体71は、内筒体本体71Bと、2つのボルト孔71Hと、第1フランジ71Fと、第2フランジ71Gと、を有する。
内筒体本体71Bは、円筒状であり、左右に延びている。
本体部2に対する第1の駆動ホイール70の取付部としての各ボルト孔71Hは、内筒体本体71Bの右端部に配置されている。各ボルト孔71Hは、内筒体本体71Bの径方向に延びている。双方のボルト孔71Hの間の角度は、90°である。尚、双方のボルト孔71Hの間の角度は、90°以外であっても良い。
第1フランジ71Fは、内筒体本体71Bの中央部に配置されている。第1フランジ71Fは、内筒体本体71Bから径方向外方に突出している。第1フランジ71Fは、リング状である。
第2フランジ71Gは、内筒体本体71Bの左部に配置されている。第2フランジ71Gは、内筒体本体71Bから径方向外方に突出している。第2フランジ71Gは、リング状である。
【0034】
各ボルト72は、対応するボルト孔71Hに入る。
内筒体71は、各ボルト72により、ベアリングボックス45に固定される。内筒体71の右端部は、ベアリングボックス45の左開口部に入っている。ベアリングボックス45の左開口部には、各ボルト孔71Hに対応するボルト孔45Hが開けられている。各ボルト72は、対応するボルト孔45Hを通過して、対応するボルト孔71Hに入る。
【0035】
外筒体73は、外筒体本体73Bと、外筒体外郭部73Aと、を有する。外筒体73は、内筒体71の径方向外方に配置されている。
外筒体本体73Bは、左壁部73Wを有する円筒状であり、左右に延びている。左壁部73Wの中央部には、外筒体受け部73Rが開けられている。外筒体受け部73Rは、スプライン孔である。左壁部73Wの左面であって、外筒体受け部73Rの周囲には、隣接部に対して右方に窪むリング状の凹部73Pが設けられている。
外筒体外郭部73Aは、外筒体外郭部本体73Yと、第1フランジ73Fと、第2フランジ73Gと、複数(ここでは3本)の溝73Vと、を有する。
外筒体外郭部本体73Yは、円筒状であり、左右に延びている。外筒体外郭部本体73Yは、外筒体本体73Bの外面に固定されている。第1フランジ73Fは、外筒体外郭部本体73Yの右端部から径方向外方に突出している。第2フランジ73Gは、外筒体外郭部本体73Yの左端部から径方向外方に突出している。各溝73Vは、外筒体外郭部本体73Yの外面から径方向内方に窪んでいる。各溝73Vは、外筒体外郭部本体73Yの周方向に延びている。各溝73Vは、ジグザグ状である。複数の溝73Vは、第1フランジ73Fと第2フランジ73Gとの間において、左右に並んでいる。
【0036】
第1外筒体ベアリング74は、内筒体71の右部外側に固定されている。第1外筒体ベアリング74は、外筒体73を、回転可能に支持する。
第2外筒体ベアリング75は、内筒体71の左部外側に固定されている。第2外筒体ベアリング75は、外筒体73を、回転可能に支持する。
【0037】
外筒体サークリップ76は、外筒体本体73Bの内面の溝に固定されている。
第1外筒体ベアリング74は、第1フランジ71Fと外筒体サークリップ76とに挟まれている。
第2外筒体ベアリング75は、第2フランジ71Gと外筒体本体73Bの内面の段部とに挟まれている。
外筒体サークリップ76は、外筒体本体73B内部の部材を抜け止めしている。
【0038】
軸体77は、軸体本体77Bと、受け部77Rと、接続部77Cと、を有する。軸体77は、内筒体71の径方向内方に配置されている。
軸体本体77Bは、円筒状であり、左右に延びている。
受け部77Rは、軸体本体77Bの右部の内部に配置されている。受け部77Rは、スプライン孔である。スピンドル30の連結部30Cは、受け部77Rに入っており、受け部77Rとスプライン結合により連結されている。尚、スピンドル30及び軸体77の連結は、連結部30Cと受け部77Rとのスプライン結合以外によりなされても良い。
接続部77Cは、軸体本体77Bの左部の外部に配置されている。接続部77Cは、スプライン軸である。
接続部77Cは、外筒体受け部73Rに入っており、外筒体受け部73Rとスプライン結合により接続されている。尚、外筒体73及び軸体77の接続は、接続部77Cと外筒体受け部73Rとのスプライン結合以外によりなされても良い。
【0039】
第1軸体ベアリング78は、内筒体71の右部内側に固定されている。第1軸体ベアリング78は、軸体77を、回転可能に支持する。
第2軸体ベアリング79は、内筒体71の左部内側に固定されている。第2軸体ベアリング79は、軸体77を、回転可能に支持する。
【0040】
内筒体サークリップ80は、内筒体本体71Bの内面の溝に固定されている。
第1軸体ベアリング78は、軸体77の外面における第1の段部と内筒体サークリップ80とに挟まれている。
第2軸体ベアリング79は、軸体77の外面における第2の段部と内筒体71の左端部内の段部とに挟まれている。
内筒体サークリップ80は、内筒体71内方の部材を抜け止めしている。
【0041】
Oリング81は、外筒体73の左壁部73Wの凹部73Pに配置されている。
複数のワッシャ82は、左右に重なった状態で、Oリング81の左側に配置されている。
軸体サークリップ83は、軸体77の左端部外面の溝に固定されている。軸体サークリップ83は、Oリング81及び各ワッシャ82を固定する。
【0042】
第1の駆動ホイール70は、ボルト孔71Hにおいて本体部2に取り付けられる。第1の駆動ホイール70は、スピンドル30と一体に連結される。スピンドル30の回転は、第1の駆動ホイール70に伝達される。第1の駆動ホイール70における内筒体71以外の部分は、自身の中心軸である駆動ホイール軸の周りで回転する。
第1の駆動ホイール70は、サンディングベルトBを受け入れる。第1の駆動ホイール70には、サンディングベルトBが取り外し可能に装着される。第1の駆動ホイール70は、サンディングベルトBを駆動可能に装着するためのものである。
【0043】
ベース部100は、金属製であり、固定部120と、軸受部122と、カバー123と、を有する。
【0044】
固定部120は、前後上下に広がる板状であり、中央孔124と、複数(ここでは4つ)のネジ孔126と、を有する。
中央孔124は、左右に延びている。中央孔124内には、スピンドル30が通る。
各ネジ孔126は、左右に延びている。ネジ孔126は、固定部120の前上部、前下部、後上部、及び後下部に配置されている。
固定部120は、ベアリングボックス45の左部に対し、各ネジ孔126を通る左右方向のネジ128により一体に固定される。これにより、アタッチメント4における第1の駆動ホイール70を除いた部分が本体部2に装着される。各ネジ128は、左側から右方へ入れられる。
固定部120は、第1の駆動ホイール70に隣接している。
【0045】
軸受部122は、固定部120の上側に配置される。
軸受部122は、左辺部から上方へ板状に突出する左突出部122L、及び右辺部から上方へ板状に突出する右突出部122Rを有する二股状である。左突出部122Lは、中央孔を有する。右突出部122Rは、中央孔を有する。
【0046】
カバー123は、板状であり、前側から後方へ見て“U”字状である。
カバー123は、軸受部122に固定されており、軸受部122の前側を覆っている。
【0047】
第1関節部102は、軸体130と、弾性体であるトーションスプリング132と、サークリップ134と、を有する。尚、トーションスプリング132は、第1関節部102の構成要素とせず、独立した構成要素としても良い。
軸体130は、円柱状であり、左右に延びる。
トーションスプリング132は、軸体130の周りに配置される。トーションスプリング132は、基端側アーム104を、上下方向を向く姿勢となるように付勢している。即ち、トーションスプリング132は、基端側アーム104を、水平姿勢から鉛直姿勢への回転方向に付勢している。
サークリップ134は、軸体130の左端部に配置され、軸体130の抜け止めを行う。
第1関節部102は、ベース部100に対して基端側アーム104を回転可能に接続する。基端側アーム104は、ベース部100と、回転可能に連結される。
【0048】
基端側アーム104は、金属製であり、上下に延びる弧状である。基端側アーム104は、後方へ凸となるように反っている。基端側アーム104は、先端側アーム110より本体部2に近い側、即ち基端側に配置されている。
基端側アーム104は、下軸受部140と、第1ホイール保持部142と、上軸受部146と、を有する。
【0049】
下軸受部140は、基端側アーム104の下端部に配置される。
下軸受部140は、左辺部から下方へ板状に突出する左突出部140L、及び右辺部から下方へ板状に突出する右突出部140Rを有する二股状である。左突出部140Lは、中央孔を有する。右突出部140Rは、中央孔を有する。
左突出部140Lは、ベース部100の左突出部122Lの右側に配置される。右突出部140Rは、ベース部100の右突出部122Rの左側に配置される。左突出部122Lの中央孔、左突出部140Lの中央孔、右突出部140Rの中央孔、及び右突出部122Rの中央孔は、左右に並んでおり、第1関節部102の軸体130を受け入れている。基端側アーム104は、軸体130の周りで、ベース部100に対し回転可能である。これにより、アタッチメント4は、第1の関節を有する。
軸体130は、左突出部122L左側のサークリップ134により抜け止めされている。トーションスプリング132は、左突出部140Lと右突出部140Rとの間に配置されている。
【0050】
第1ホイール保持部142は、左右方向の孔及びその周囲の部分であり、基端側アーム104の上部に配置されている。
上軸受部146は、基端側アーム104の上端部に配置されている。上軸受部146は、左辺部から上方へ板状に突出する左突出部146L、及び右辺部から上方へ板状に突出する右突出部146Rを有する二股状である。左突出部146Lは、中央孔を有する。右突出部146Rは、中央孔を有する。
【0051】
第1ホイール106は、従動ホイール軸としての第1ホイール軸150と、ボルト151と、第1ホイール回転部152と、右軸受154と、左軸受156と、サークリップ158と、を有する。
第1ホイール軸150は、左右に延びる円柱状のピンである。第1ホイール軸150は、第1ホイール保持部142の孔に対し、左右に延びるボルト151により一体に固定される。
第1ホイール回転部152は、ボビン状であり、左右に延びる内孔を有している。第1ホイール回転部152は、第1フランジ152Fと、第2フランジ152Gと、を有している。第1フランジ152Fは、第1ホイール回転部152の右端部に配置されており、隣接する部分に対し、径方向外方に突出している。第2フランジ152Gは、第1ホイール回転部152の左端部に配置されており、隣接する部分に対し、径方向外方に突出している。
右軸受154は、第1ホイール軸150の右部に保持されている。右軸受154の内輪の右面は、第1ホイール軸150外面の段部に係止されている。右軸受154の外輪の左面は、第1ホイール回転部152の内孔内面の段部に係止されている。右軸受154は、第1ホイール回転部152を回転可能に支持する。
左軸受156は、第1ホイール軸150の左端部に保持されている。左軸受156の内輪の左面は、サークリップ158により係止されている。サークリップ158は、第1ホイール軸150の左端部に係止されている。左軸受156の外輪の右面は、第1ホイール回転部152の内孔内面の段部に係止されている。左軸受156は、第1ホイール回転部152を回転可能に支持する。
第1ホイール106は、基端側アーム104に保持される。
第1ホイール106は、サンディングベルトBを受け入れる。第1ホイール106には、サンディングベルトBが取り外し可能に装着される。第1ホイール106は、駆動されるサンディングベルトBに従動する従動ホイールである。第1ホイール106は、サンディングベルトBを装着するためのものである。
【0052】
第2関節部108は、軸体160と、弾性体であるトーションスプリング162と、サークリップ164と、を有する。尚、トーションスプリング162は、第2関節部108の構成要素とせず、独立した構成要素としても良い。
軸体160は、円柱状であり、左右に延びる。
トーションスプリング162は、基端側アーム104と先端側アーム110との間に介装されている。トーションスプリング162は、先端側アーム110を、基端側アーム104に対して前方及び上方へ開くように付勢している。即ち、トーションスプリング162は、先端側アーム110を、基端側アーム104に対してより開く回転方向に付勢可能である。
第2関節部108は、基端側アーム104に対して先端側アーム110を回転可能に接続する。先端側アーム110は、基端側アーム104と、回転可能に連結される。
【0053】
先端側アーム110は、金属製であり、前後に延びている。先端側アーム110は、台形の下底辺を除く3辺に沿う形状である。先端側アーム110の後部は、二股状に形成されており、前方と上方とに延びている。先端側アーム110は、上方へ凸となっている。先端側アーム110は、基端側アーム104より、本体部2から遠い側、即ち先端側に配置されている。
先端側アーム110は、後軸受部170と、第2ホイール保持部172と、グリップ取付部174と、を有する。
【0054】
後軸受部170は、先端側アーム110の後端部に配置される。
後軸受部170は、左辺部から下方へ板状に突出する左突出部170L、及び右辺部から下方へ板状に突出する右突出部170Rを有する二股状である。左突出部170Lは、中央孔を有する。右突出部170Rは、中央孔を有する。
左突出部170Lは、基端側アーム104における上軸受部146の左突出部146Lの左側に配置される。右突出部170Rは、基端側アーム104における上軸受部146の右突出部146Rの右側に配置される。左突出部170Lの中央孔、基端側アーム104の左突出部146Lの中央孔、基端側アーム104の右突出部146Rの中央孔、及び右突出部170Rの中央孔は、左右に並んでおり、第2関節部108の軸体160を受け入れている。先端側アーム110は、軸体160の周りで、基端側アーム104に対し回転可能である。これにより、アタッチメント4は、第2の関節を有する。
【0055】
第2ホイール保持部172は、左右方向の孔及びその周囲の部分であり、先端側アーム110の前端部に配置されている。
グリップ取付部174は、左右方向の孔及びその周囲の部分であり、先端側アーム110における上方へ延びる部分の上端部に配置されている。
【0056】
第2ホイール114は、従動ホイール軸としての第2ホイール軸200と、ボルト201と、第2ホイール回転部202と、右軸受204と、左軸受206と、サークリップ208と、を有する。
第2ホイール軸200は、左右に延びる円柱状のピンである。第2ホイール軸200は、第2ホイール保持部172の孔に対し、左右に延びるボルト201により一体に固定される。
第2ホイール回転部202は、ボビン状であり、左右に延びる内孔を有している。第2ホイール回転部202は、第1フランジ202Fと、第2フランジ202Gと、複数(ここでは6本)の溝202Vと、を有している。第1フランジ202Fは、第2ホイール回転部202の右端部に配置されており、隣接する部分に対し、径方向外方に突出している。第2フランジ202Gは、第2ホイール回転部202の左端部に配置されており、隣接する部分に対し、径方向外方に突出している。各溝202Vは、第2ホイール回転部202の外面から径方向内方に窪んでいる。各溝202Vは、第2ホイール回転部202の周方向に延びている。各溝202Vは、リング状である。複数の溝202Vは、第1フランジ202Fと第2フランジ202Gとの間において、左右に並んでいる。
右軸受204は、第2ホイール軸200の右部に保持されている。右軸受204の内輪の右面は、第2ホイール軸200外面の段部に係止されている。右軸受204の外輪の左面は、第2ホイール回転部202の内孔内面の段部に係止されている。右軸受204は、第2ホイール回転部202を回転可能に支持する。
左軸受206は、第2ホイール軸200の左端部に保持されている。左軸受206の内輪の左面は、サークリップ208により係止されている。サークリップ208は、第2ホイール軸200の左端部に係止されている。左軸受206の外輪の右面は、第2ホイール回転部202の内孔内面の段部に係止されている。左軸受206は、第2ホイール回転部202を回転可能に支持する。
第2ホイール114は、先端側アーム110に保持される。
第2ホイール114は、サンディングベルトBを受け入れる。第2ホイール114には、サンディングベルトBが取り外し可能に装着される。第2ホイール114は、駆動されるサンディングベルトBに従動する従動ホイールである。第2ホイール114は、サンディングベルトBを装着するためのものである。
【0057】
サンディングベルトBは、帯状であり、リング状即ち無端状であるやすりである。サンディングベルトBは、被加工物に対して研磨を施す面である研磨用面を有している。
1つのサンディングベルトBが、研磨用面を外側とした状態で、第1の駆動ホイール70、第1ホイール106、及び第2ホイール114に装着される。サンディングベルトBは、非研磨時、左方から見て、第1の駆動ホイール70、第1ホイール106、及び第2ホイール114を頂点とする三角形状となっている。
【0058】
グリップ116は、左右に延びており、ユーザが把持可能である。
グリップ116は、先端側アーム110のグリップ取付部174に対し一体に固定されている。グリップ116は、グリップ取付部174の左側に配置される。
【0059】
立設部としてのガード118は、第1ガード体220と、第2ガード体222と、を有する。
【0060】
第1ガード体220は、金属製である。
第1ガード体220は、第1ガード体本体224と、複数(ここでは2つ)のネジ孔226と、複数(ここでは2つ)のネジ227と、複数(ここでは4つ)の取付孔228と、を有する。
第1ガード体本体224は、板状である。第1ガード体本体224の下部は、上下左右に広がる。第1ガード体本体224の上部は、円筒面状のコーナー部と、前後左右に広がる部分と、を有している。
各ネジ孔226は、第1ガード体本体224の下部の右辺縁に配置されている。2つのネジ孔226は、上下に並んでいる。
各ネジ227は、対応するネジ孔226、及び基端側アーム104の対応するネジ穴に入る。基端側アーム104は、ネジ227のためのネジ穴を、複数(ここでは2つ)有している。ネジ227のためのネジ穴は、それぞれ、基端側アーム104の下部の後面から前方へ延びている。
第1ガード体220は、各ネジ孔226及び各ネジ227により、基端側アーム104に固定される。第1ガード体220は、基端側アーム104に立設されている。
各取付孔228は、第1ガード体本体224の下部に配置されている。4つの取付孔228は、仮想的な矩形の頂点に相当する位置に配置されている。
第1ガード体220は、サンディングベルトBのうち、第1ホイール106の周りの部分の上方及び後方を覆い、又第1ホイール106及び第1の駆動ホイール70の間の部分の後方を覆う。第1ガード体220は、ユーザのサンディングベルトBへの接触を抑制する。又、第1ガード体220は、サンディングベルトB及び被加工材からの火花のユーザへの到達を抑制する。被加工材からの火花のユーザへの到達を抑制する第1ガード体220は、火花ガードである。尚、第1ガード体220は、その接触抑制及び火花到達抑制以外を目的として設けられても良く、例えばストッパ機構119の設置のみを目的として設けられても良い。
【0061】
第2ガード体222は、金属製である。
第2ガード体222は、第2ガード体本体234と、複数(ここでは2つ)のネジ孔と、複数(ここでは2つ)のネジと、複数(ここでは4つ)の取付孔238と、を有する。
第2ガード体本体234は、板状である。第2ガード体本体234は、前後左右に広がる
各ネジ孔は、第2ガード体本体234の右辺縁に配置されている。2つのネジ孔は、前後に並んでいる。
各ネジは、対応するネジ孔、及び先端側アーム110の対応するネジ穴に入る。先端側アーム110は、ネジのためのネジ穴を、複数(ここでは2つ)有している。ネジのためのネジ穴は、それぞれ、先端側アーム110の下面から上方へ延びている。
第2ガード体222は、各ネジ孔及び各ネジにより、先端側アーム110に固定される。第2ガード体222は、基端側アーム104に立設されている。
各取付孔238は、第2ガード体本体234の前部に配置されている。4つの取付孔238は、仮想的な矩形の頂点に相当する位置に配置されている。
第2ガード体222は、サンディングベルトBのうち、第1ホイール106及び第2ホイール114の間の部分の上方を覆う。第2ガード体222は、ユーザのサンディングベルトBへの接触を抑制する。又、第2ガード体222は、サンディングベルトB及び被加工材からの火花のユーザへの到達を抑制する。被加工材からの火花のユーザへの到達を抑制する第2ガード体222は、火花ガードである。尚、第2ガード体222は、その接触抑制及び火花到達抑制以外を目的として設けられても良く、例えばストッパ機構119の設置のみを目的として設けられても良い。
【0062】
ストッパ機構119は、ストッパとして、複数(ここでは8つ)のローラ240を含む。尚、図面では、4つのローラ240が図示されている。
各ローラ240は、自身の中心軸周りにおいて回転可能である。各ローラ240は、取付位置を除いて同様に成るため、以下主に1つのローラ240について説明する。尚、ストッパ機構119に含まれるストッパの数は、1つを含み7つ以下であっても良いし、9つ以上であっても良い。又、ストッパ機構119は、軸周りに回転しないストッパを含んでいても良い。例えば、ストッパは、円柱状あるいは円錐状のベルト脱落ガードであっても良い。更に、ストッパ機構119は、例えばローラ240及びベルト脱落ガードというように、2種類以上のストッパを含んでいても良い。
【0063】
ローラ240は、ローラ軸242と、ナット244と、ローラ回転部246と、第1軸受247と、第2軸受248と、サークリップ249と、を有する。
【0064】
ローラ軸242は、円柱状である。ローラ軸242は、取付状態において、上下(図12参照)又は前後に延びている。以下、主に図12の方向において説明がなされる。
ローラ軸242は、ローラ軸本体242Bと、ボルト部242Tと、軸受保持部242Gと、を有する。
ローラ軸本体242Bは、ローラ軸242において最も径の大きい部分である。
ボルト部242Tは、ローラ軸本体242Bの上側に配置されている。ボルト部242Tの外面には、ネジ溝が形成されている。
軸受保持部242Gは、ローラ軸本体242Bの下側に配置されている。
【0065】
ナット244は、ボルト部242Tに進入可能である。
ローラ240は、ボルト部242Tを、取付孔228,238の何れかに、サンディングベルトBに近い側から遠い側へ通した状態で、ナット244を、ボルト部242TにサンディングベルトBに遠い側から入れていくことで、ガード118に取り付けられる。第1ガード体220又は第2ガード体222は、ナット244及びローラ軸本体242Bに挟まれる。ローラ240は、設置部としての取付孔228,238の何れかに対して設置される。
尚、ローラ240は、ボルト部242T及びナット244に代えて、あるいはボルト部242T及びナット244と共に、他の取付構造により取り付けられても良い。例えば、ローラ240は、爪等の係止部が第1ガード体220又は第2ガード体222における溝等の被係止部に係止することで取り付けられても良い。
【0066】
ローラ回転部246は、ローラ回転部本体246Bと、フランジ部246Fと、を有する。
ローラ回転部本体246Bは、熱処理された鋼製であり、中空円錐状である。ローラ回転部本体246Bの径は、上部から下部にかけて、即ちガード118から離れるに従い、増大する。ローラ回転部本体246Bは、下部から上方へ細くなるテーパ状である。ローラ回転部本体246Bの内部には、隣接する部分に対して径方向内方へ突出する突出部246Jが設けられている。
フランジ部246Fは、熱処理された鋼製であり、ローラ回転部本体246Bの下側に配置されている。フランジ部246Fは、ローラ回転部本体246Bに保持されている。フランジ部246Fは、ローラ回転部本体246Bの下端部を塞ぐ。
尚、ローラ回転部本体246B及びフランジ部246Fは、一体に形成されても良い。
【0067】
第1軸受247は、軸受保持部242Gの外側に配置される。
第1軸受247の内輪の上面は、ローラ軸本体242Bの下面に接触している。第1軸受247の外輪の下面は、突出部246Jの上面に接触している。
第1軸受247は、ローラ回転部246を、ローラ軸242の周りで回転可能に支持する。
第2軸受248は、軸受保持部242Gの外側に配置される。
第2軸受248の外輪の上面は、突出部246Jの下面に接触している。第2軸受248の内輪の下面は、サークリップ249に接触している。
第2軸受248は、ローラ回転部246を、ローラ軸242の周りで回転可能に支持する。
サークリップ249は、軸受保持部242Gの下端部に止められる。サークリップ249は、第1軸受247及び第2軸受248を、ローラ軸242に対して固定する。
【0068】
ローラ240は、取付孔228,238の何れかに対して着脱自在である。
取り付けられたローラ240は、サンディングベルトBに送り負荷以外の負荷がかかっていない通常時、サンディングベルトBの側面の側方に配置される。取り付けられたローラ240は、通常時、サンディングベルトBの側部に接触しない。尚、取り付けられたローラ240は、通常時、サンディングベルトBに接触しても良い。
ローラ240の延びる方向は、装着されたサンディングベルトBの延びる方向と、側方から見て直交している。尚、ローラ240の延びる方向は、装着されたサンディングベルトBの延びる方向と、90°以外の角度で交わっていても良い。
ローラ240の延びる方向は、従動ホイール軸である第1ホイール軸150及び第2ホイール軸200の延びる方向と、上方及び後方の少なくとも一方から見て直交している。より詳しくは、取付孔228に取り付けられたローラ240の延びる方向は前後方向であり、従動ホイール軸の方向である左右方向と、上方から見て直交している。又、取付孔238に取り付けられたローラ240の延びる方向は上下方向であり、従動ホイール軸の方向である左右方向と、後方から見て直交している。尚、ローラ240の延びる方向は、従動ホイール軸の延びる方向と、90°以外の角度で交わっていても良い。
【0069】
先端側アーム110、基端側アーム104、ガード118、及びストッパ機構119は、作業部としてのアタッチメント4に係るサンディングベルトBの脱落抑制のための構造である作業部構造P1の要素である。
尚、サンディングベルトBの脱落抑制のための作業部構造P1に、上記以外の要素が追加されても良い。又、作業部構造P1において、上記の要素の一部が省略されても良い。
【0070】
図13は、第2の駆動ホイール300が装着された場合の図2のA-A線に相当する線における一部断面図である。図14は、第2の駆動ホイール300に係る右側の分解斜視図である。図15は、第2の駆動ホイール300に係る左側の分解斜視図である。
第2のホイールとしての第2の駆動ホイール300は、左右に延びる円柱状である。
第2の駆動ホイール300は、第1の駆動ホイール70と、外筒体73内方の構造を除き、変更例も含めて同様に成る。第2の駆動ホイール300における、第1の駆動ホイール70と同様の部材及び部分については、第1の駆動ホイール70と同じ符号が付され、説明が適宜省略される。
第2の駆動ホイール300は、取付筒体としての内筒体371と、2つのボルト72と、回転筒体としての外筒体73と、第1外筒体ベアリング74と、第2外筒体ベアリング75と、外筒体サークリップ76と、第1軸体301と、複数(ここでは6つ)の遊星歯車302と、第2軸体377と、第1軸体ベアリング378と、第2軸体ベアリング379と、第3軸体ベアリング303と、第1内筒体サークリップ380と、第2内筒体サークリップ304と、Oリング81と、2つのワッシャ82と、軸体サークリップ83と、を備えている。
【0071】
内筒体371は、内筒体本体371Bと、2つのボルト孔71Hと、第1フランジ71Fと、第2フランジ71Gと、第3フランジ371Eと、内歯車部371Nと、を有する。
内筒体本体371Bは、円筒状であり、左右に延びている。
第3フランジ371Eは、内筒体本体371Bの内面から径方向内方に突出している。第3フランジ371Eは、左右方向において、第1フランジ71Fと、第2フランジ71Gとの間に配置されている。第3フランジ371Eは、リング状である。
内歯車部371Nは、内筒体本体371Bの内面に配置されている。内歯車部371Nは、径方向内方へ延びる歯を、複数有する。内歯車部371Nは、各遊星歯車302に噛み合う。
【0072】
第1軸体301は、第1軸体本体301Bと、受け部301Rと、太陽歯車部301Cと、を有する。第1軸体301は、内筒体371の径方向内方に配置されている。
第1軸体本体301Bは、円筒状であり、左右に延びている。
受け部301Rは、受け部77Rと同様に成る。受け部301Rは、第1軸体本体301Bの右部の内部に配置されている。受け部301Rは、スピンドル30の連結部30Cと、スプライン結合により連結されている。
太陽歯車部301Cは、第1軸体本体301Bの左部の外部に配置されている。太陽歯車部301Cは、径方向外方へ延びる歯を複数有しており、各遊星歯車302に噛み合う。
【0073】
第2軸体377は、軸体本体377Bと、キャリア部377Rと、接続部377Cと、を有する。第2軸体377は、内筒体371の径方向内方に配置されている。
軸体本体377Bは、円筒状であり、左右に延びている。
キャリア部377Rは、軸体本体377Bの右部に配置されている。キャリア部377Rは、上下前後に広がる円盤状のキャリア部本体と、キャリア部本体の右面から右方に突出する複数(ここでは6本)の軸部とを有する。キャリア部本体の径は、軸体本体377Bの径より大きい。キャリア部377Rは、遊星歯車302を、それぞれ対応する軸部において回転可能に支持する。各遊星歯車302は、左右方向の軸の周りで回転する。各遊星歯車302は、太陽歯車部301Cの周囲に配置されている。
接続部377Cは、接続部77Cと同様に成る。接続部377Cは、軸体本体377Bの左部の外部に配置されている。
接続部377Cは、外筒体受け部73Rに入っており、外筒体受け部73Rとスプライン結合により接続されている。
【0074】
内歯車部371N、太陽歯車部301C、各遊星歯車302、及びキャリア部377Rにより、変速機構としての遊星歯車機構Mが構成される。遊星歯車機構Mは、左右方向において、左壁部73Wとボルト孔71Hとの間に配置されている
内歯車部371Nは、内筒体371に対して固定される。太陽歯車部301Cは、スピンドル30により回転する。各遊星歯車302は、自転すると共に、キャリア部377Rに従って公転する。
遊星歯車機構Mは、第1軸体301の回転を減速して、第2軸体377に伝達する。第2軸体377は、第1軸体301と、遊星歯車機構Mを介してつながっている。尚、第1軸体301から第2軸体377への減速は、遊星歯車機構M以外によりなされても良い。
【0075】
第1軸体ベアリング378は、内筒体371の右部内側に固定されている。第1軸体ベアリング378は、第1軸体301を、回転可能に支持する。
第2軸体ベアリング379は、内筒体371の中央部内側に固定されている。第2軸体ベアリング379は、第1軸体301を、回転可能に支持する。
第3軸体ベアリング303は、内筒体371の右部内側に固定されている。第3軸体ベアリング303は、第2軸体377を、回転可能に支持する。
【0076】
第1内筒体サークリップ380は、内筒体本体371Bの右端部に形成された内面の溝に固定されている。
第1軸体ベアリング378は、第1軸体301の外面における第1の段部と内筒体サークリップ80とに挟まれている。
第2軸体ベアリング379は、第1軸体301の外面における第2の段部と内筒体371の第3フランジ371Eとに挟まれている。第2軸体ベアリング379は、第3フランジ371Eに接触している。
内筒体サークリップ80は、第3フランジ371Eより右方における内筒体371内方の部材を抜け止めしている。
【0077】
第2内筒体サークリップ304は、内筒体本体371Bの左端部に形成された内面の溝に固定されている。
第3軸体ベアリング303は、内筒体371の左端部内面の段部と第2内筒体サークリップ304とに挟まれている。第3軸体ベアリング303は、第3フランジ371Eに接触している。第3軸体ベアリング303は、第1軸体ベアリング378及び第2軸体ベアリング379より大きい。第3軸体ベアリング303は、キャリア部377Rの左側に配置されている。
第2内筒体サークリップ304は、第3フランジ371Eより左方における内筒体371内方の部材を抜け止めしている。
【0078】
第2の駆動ホイール300は、スピンドル30と一体に連結される。スピンドル30の回転は、第2の駆動ホイール300に伝達される。第2の駆動ホイール300における内筒体371以外の部分は、自身の中心軸の周りで回転する。より詳しくは、スピンドル30の回転は、第1軸体301から第2軸体377へ、遊星歯車機構Mにより減速して伝わり、第2軸体377及び第2軸体377に連結された外筒体73が回転する。
第2の駆動ホイール300は、サンディングベルトBを受け入れる。第2の駆動ホイール300には、サンディングベルトBが取り外し可能に装着される。第2の駆動ホイール300は、サンディングベルトBを駆動可能に装着するためのものである。
第2の駆動ホイール300は、第1の駆動ホイール70より、低速で回転し、サンディングベルトBを、より低速で送る。
【0079】
第1の駆動ホイール70、及び第2の駆動ホイール300は、アタッチメント4に係る速度変更のための構造である作業部構造P2の要素である。第1の駆動ホイール70、及び第2の駆動ホイール300は、速度変更のためのホイールのセットである。
尚、速度変更のための作業部構造P2あるいはホイールのセットに、上記以外の要素が追加されても良い。又、作業部構造P2において、上記の要素の一部が省略されても良い。
【0080】
このようなチューブベルトサンダ1、アタッチメント4、及び作業部構造P1,P2の動作例が説明される。
ユーザは、本体部2において、バッテリ装着部16に、充電されたバッテリ18を装着する。ユーザは、本体部2にアタッチメント4を装着する。ユーザは、アタッチメント4を係止状態とする。ユーザは、アタッチメント4にサンディングベルトBを装着する。
ユーザがスイッチ操作部26を操作すると、スイッチ本体22がオンとなる。すると、コントローラ20は、モータ軸50が速度調整ダイヤル24の回転位置に応じた速度で回転するように、バッテリ18の電力を、モータ12へ制御のうえで供給する。これにより、モータ12は、速度調整ダイヤル24の回転位置に応じた速度で駆動される。尚、モータ軸50の回転方向は、切り替え可能とされても良い。
【0081】
モータ軸50の回転により、ファン14が回転して、各排気口42E,48への排気により、本体部2内に空気の流れ(風)が形成される。
かような風によって、モータ12を始めとするチューブベルトサンダ1の内部機構が冷却される。
【0082】
更に、モータ軸50の回転力は、ベベルギヤ60での減速を経て、スピンドル30に伝達される。
スピンドル30に第1の駆動ホイール70が装着されている場合、第1の駆動ホイール70は、サンディングベルトBを、スピンドル30の回転速度に対応する速度で送る。サンディングベルトBは、第1の駆動ホイール70、第1ホイール106、及び第2ホイール114の外側において、無限軌道状に回転する。
他方、スピンドル30に第2の駆動ホイール300が装着されている場合、第2の駆動ホイール300は、サンディングベルトBを、スピンドル30の回転速度から遊星歯車機構Mにより減速された回転速度に対応する速度で送る。サンディングベルトBは、第1の駆動ホイール70、第1ホイール106、及び第2ホイール114の外側において、第1の駆動ホイール70の装着時より低速で、無限軌道状に回転する。
チューブベルトサンダ1は、第1の駆動ホイール70及び第2の駆動ホイール300を交換可能に含む作業部構造P2を有している。よって、ユーザは、サンディングベルトBの送り速度を変更することができる。例えば、住居又は店舗等の建築物に配置されるパイプを研磨する場合、ユーザは、より高速である第1の駆動ホイール70を選択する。他方、例えば、工場又はコンビナート等に配置されるパイプラインの溶接部を研磨する場合、ユーザは、より低速である第2の駆動ホイール300を選択する。
【0083】
ユーザは、右手で本体部2のグリップ部Gを握り、左手でアタッチメント4のグリップ116を握る。
そして、ユーザは、パイプの外面等といった被加工材の被加工部に、送られているサンディングベルトBにおける第1ホイール106及び第2ホイール114の間の部分の下面を当てる。すると、被加工材の被加工部は、サンディングベルトBにより研磨される。
【0084】
このとき、サンディングベルトBにおける第1ホイール106及び第2ホイール114の間の部分が通るルートは、被加工部への押し付け力に応じ、左側から右方へ見て、被加工部に沿って上方に“U”字状に凹む。サンディングベルトBのルートの凹みが生じている場合、サンディングベルトBのルートは、三角形状から四角形状に変化する。かようなサンディングベルトBのルートの凹みにより、被加工部がサンディングベルトBに包まれる。よって、被加工部の研磨がより良好に行われる。
サンディングベルトBの長さは変わらないため、サンディングベルトBのルートの凹みの分、第2ホイール114が第1ホイール106に対して近づく。第2ホイール114の第1ホイール106に対する接近は、主に、先端側アーム110の基端側アーム104に対する回転により行われる。先端側アーム110の基端側アーム104に対する回転は、トーションスプリング162により、弾性が作用する状態で行われる。
又、基端側アーム104のベース部100に対する回転は、トーションスプリング132により、弾性が作用する状態で行われる。
チューブベルトサンダ1は、それぞれ弾性が作用する状態で回転可能な第1関節部102及び第2関節部108を有する2関節型であるため、第1関節部102のない1関節型に比べ、被加工部に対するサンディングベルトBの当たり方がより良好となる。よって、チューブベルトサンダ1は、被加工部の研磨をより良好に行える。
【0085】
ユーザは、被加工部の全体形状に応じ、適宜サンディングベルトBの被加工部に対する当たり方、即ちサンディングベルトBが被加工部に当たる位置、範囲等を変えることができる。
サンディングベルトBの被加工部に対する当たり方により、サンディングベルトBが、外筒体73の第1フランジ73F及び第2フランジ73G、第1ホイール106の第1フランジ152F及び第2フランジ152G、並びに第2ホイール114の第1フランジ202F及び第2フランジ202Gの少なくとも何れかを乗り越えようとし、外筒体73、第1ホイール106及び第2ホイール114の少なくとも何れかから外れようとすることがある。特に、カーブしている被加工部にサンディングベルトBが当たる場合、サンディングベルトBの張力の低減により、サンディングベルトBがアタッチメント4から脱落しようとする傾向が強い。
これに対し、チューブベルトサンダ1は、ストッパ機構119を含む作業部構造P1により、サンディングベルトBのアタッチメント4からの脱落を抑制する。即ち、左の取付孔228,238に取り付けられたローラ240は、左に脱落しようとするサンディングベルトBにおける左への移動を遮る。又、右の取付孔228,238に取り付けられたローラ240は、右に脱落しようとするサンディングベルトBにおける右への移動を遮る。サンディングベルトBのねじれ又は蛇行により左右に同時に脱落しようとするサンディングベルトBの側方への移動は、その発生がまれではあるものの、左の取付孔228,238に取り付けられたローラ240により遮られる。
更に、チューブベルトサンダ1では、ストッパ機構119として、軸周りで回転可能であるローラ240が用いられている。よって、ローラ240は、当たってきたサンディングベルトBと共に回転し、サンディングベルトBにより優しく接触することができる。
又更に、ローラ240が複数設けられれば、サンディングベルトBの脱落がより一層抑制される。又、ローラ240がサンディングベルトBの左右両側方に配置されれば、サンディングベルトBの脱落が2方向において抑制される。
【0086】
サンディングベルトBの脱落抑制については、第1フランジ73F,152F,202F及び第2フランジ73G,152G,202Gの各突出高さをより大きくすることが考えられる。
この場合、突出高さを大きくした分、サンディングベルトBが装着し難くなる。第1フランジ73F,152F,202F及び第2フランジ73G,152G,202Gは、サンディングベルトBのルートにおけるカーブ部の側方に配置される。よって、ユーザは、サンディングベルトBのルートにおける直線部の側方に配置されるローラ240を避けてサンディングベルトBの装着を行う場合に比べ、突出高さを大きくした際の装着を行い難い。
又、突出高さを大きくした分、第1フランジ73F,152F,202F及び第2フランジ73G,152G,202Gが被加工材に接触する可能性が大きくなる。特に、外筒体73の第1フランジ73F及び第2フランジ73G、並びに第2ホイール114の第1フランジ202F及び第2フランジ202Gは、被加工材により近いため、被加工材により接触し易い。チューブベルトサンダ1では、各突出高さをさほど大きくしなくても、サンディングベルトBの脱落抑制が十分になされる。尚、チューブベルトサンダ1において、少なくとも何れかの突出高さを十分に大きくしても良い。この場合、サンディングベルトBの脱落の可能性がより一層低減される。
更に、突出高さを大きくした分、第1フランジ73F,152F,202F及び第2フランジ73G,152G,202Gがユーザの腕等に接触する可能性が大きくなる。ローラ240は、第1フランジ73F,152F,202F及び第2フランジ73G,152G,202Gより小さくすることが可能であるし、サンディングベルトBのルートにおけるコーナー部への配置に限定されない。よって、ストッパ機構119がユーザの腕等に接触する可能性は、より小さくなる。ストッパ機構119は、ガード118におけるグリップ部Gと反対側に配置される。よって、ストッパ機構119のユーザの腕等への接触が抑制される。
【0087】
ユーザは、研磨完了時、スイッチ操作部26の前方スライド操作を停止して、モータ12をオフにさせる。このとき、サンディングベルトBは停止する。ユーザは、適宜、サンディングベルトB、アタッチメント4、バッテリ18を外す。
【0088】
尚、本開示の実施例の形態は、上記のもの及び変更例に限定されず、例えば更に次のような変更を適宜施すことができる。
ローラ240及び取付孔228,238の少なくとも何れかは、左側又は右側だけ、即ち片側だけに設けられても良い。又、1以上のローラ240は、着脱不能に設けられても良い。1以上のローラ240は、基端側アーム104及び先端側アーム110の少なくとも一方に直接的に設けられても良い。
第1フランジ73F,152F,202F及び第2フランジ73G,152G,202Gの少なくとも何れかは、省略されても良い。
速度変更用の駆動ホイールは、3種類以上設けられても良い。
第2の駆動ホイール300における第1軸体301から第2軸体377への回転の伝達において、減速ではなく増速がなされても良いし、同じ回転速度での伝達がなされても良い。
【0089】
チューブベルトサンダ1におけるモータ軸50から第1の駆動ホイール70への減速機構は、ピニオン52及びベベルギヤ60以外の減速機構に代えられても良い。
チューブベルトサンダ1は、バッテリ装着部16に代えて、電源コードを有することで、商用電源に係る交流駆動とされても良い。各種のケース及びハウジングの少なくとも何れかの材質が、樹脂、金属、及びこれらの複合体等に変更されても良い。ハウジング10の区分が、上述のものから変えられても良い。その他、各種部材、部分の個数、設置の有無、材質、熱処理等の処理の有無、配置、構造、及び形式の少なくとも何れか等は、適宜変更されても良い。
【0090】
更に、上記形態又はその変更例は、他のチューブベルトサンダに適用されても良い。例えば、上記形態又はその変更例は、1関節型のチューブベルトサンダに適用されても良い。1関節型のチューブベルトサンダは、二股1関節型であっても良い。あるいは、上記形態又はその変更例は、3つ以上の従動ホイールを有するチューブベルトサンダに適用されても良い。又は、上記形態又はその変更例は、複数の駆動ホイールを有するチューブベルトサンダに適用されても良い。あるいは、上記形態又はその変更例は、3つ以上の関節部を有するチューブベルトサンダに適用されても良い。
あるいは、上記形態又はその変更例は、他のベルトサンダに適用されても良い。例えば、上記形態又はその変更例は、ブロック状の本体部の下端部に無限軌道状のサンディングベルトを配置したベルトサンダに適用されても良い。
【符号の説明】
【0091】
1・・チューブベルトサンダ(ベルトサンダ)、4・・アタッチメント(作業部)、10・・ハウジング、12・・モータ(電動モータ)、70・・第1の駆動ホイール(ホイールセットの構成要素)、71,371・・内筒体(取付筒体)、71H・・ボルト孔(取付部)、73・・外筒体(回転筒体)、73W・・左壁部(壁部)、77・・軸体、77C,377C・・接続部、77R,301R・・受け部、104・・基端側アーム(アーム)、106・・第1ホイール(従動ホイール)、110・・先端側アーム(アーム)、114・・第2ホイール(従動ホイール)、118・・ガード(立設部,火花ガード)、240・・ローラ(ストッパ)、300・・第2の駆動ホイール(ホイール,ホイールセットの構成要素)、301・・第1軸体、301C・・太陽歯車部(歯車,遊星歯車機構Mの構成要素)、302・・遊星歯車(歯車,遊星歯車機構Mの構成要素)、303・・第3軸体ベアリング、371E・・第3フランジ(第2軸体ベアリング379及び第2軸体ベアリング303が接触するフランジ)、371N・・内歯車部(歯車,遊星歯車機構Mの構成要素)、377・・第2軸体、377R・・キャリア部(遊星歯車機構Mの構成要素)、378・・第1軸体ベアリング、379・・第2軸体ベアリング、B・・サンディングベルト、M・・遊星歯車機構(変速機構)、P1・・(サンディングベルトBの脱落抑制のための)作業部構造。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15