(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170209
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20241129BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G08G1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087239
(22)【出願日】2023-05-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 行為時の権利者であるKDDI株式会社は、国土交通省に対して、中嶋 優、渡邊 剣一、高岡 莉人、及び、福迫 裕太が発明した情報処理装置についての公開を行うことを依頼し、国土交通省が当該依頼に基づいて当該情報処理装置についてウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/plateau/file/libraries/doc/plateau_tech_doc_0039_ver01.pdf (ウェブサイトの掲載日 令和5年3月27日))にて公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 優
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 剣一
(72)【発明者】
【氏名】高岡 莉人
(72)【発明者】
【氏名】福迫 裕太
【テーマコード(参考)】
5B050
5H181
【Fターム(参考)】
5B050BA08
5B050BA12
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA05
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA18
5B050FA02
5B050FA09
5B050GA08
5H181AA21
5H181EE02
5H181EE03
5H181EE08
5H181FF10
(57)【要約】
【課題】仮想空間内を移動する人の特性を考慮して仮想空間を評価できるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1は、仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得する取得部131と、複数の移動体それぞれの属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定する特定部134と、仮想空間内で、所定の出発領域に配置された複数の移動体それぞれの属性に関連付けられた移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御する移動制御部135と、複数の移動体の移動の履歴に基づいて、仮想空間の評価結果を出力する出力部136と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得する取得部と、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定する特定部と、
前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御する移動制御部と、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記移動制御部は、前記仮想空間内に配置された構造物と、前記複数の移動体それぞれの前記移動特性と、の関係に基づいて各移動体が移動する速度及び経路を決定し、決定した前記速度及び前記経路に従って前記複数の移動体を移動させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記構造物の配置に基づいて、前記出発領域内で前記複数の移動体それぞれを配置する出発位置と、前記到着領域内で前記複数の移動体それぞれを到着させる到着位置と、を決定する決定部をさらに有する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記出発領域と前記到着領域との間の基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記出発領域内の位置を前記出発位置として決定するとともに、前記基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記到着領域内の位置を前記到着位置として決定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記構造物の第1の配置に対する前記評価結果に応じて、前記第1の配置とは異なる前記構造物の第2の配置を示す情報を出力する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動できたか否かと、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動するために掛かった移動時間と、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動する間に前記複数の移動体間で衝突が発生した程度と、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動する間の所定の領域における前記複数の移動体の密度と、のうち少なくとも1つを含む前記評価結果を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記仮想空間内で第1領域から前記第1領域よりも狭い第2領域に進入する地点を基準とした所定の大きさの領域における前記複数の移動体の密度を含む前記評価結果を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記評価結果が所定の基準を満たさない前記仮想空間内の領域を示す情報を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記複数の移動体のうち複数の前記属性のいずれかに該当する移動体の前記履歴を用いて決定された前記評価結果を、当該属性と関連付けて出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、複数の移動体それぞれが出発領域を出発して到着領域を目的地として移動した過程を表す画像を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記移動特性は、移動体同士の距離が所定値以下になったこと、又は移動体と構造物との距離が所定値以下になったことの少なくとも一方を条件として、移動体が所定の移動を行うことを含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得するステップと、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定するステップと、
前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御するステップと、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項13】
プロセッサに、
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得するステップと、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定するステップと、
前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御するステップと、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力するステップと、
を実行させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に関する情報を処理するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ビルのレイアウトデータにおいて仮想的な人を発生させて動かすことにより、ビル内における人の流れのシミュレーション(人流シミュレーションともいう)を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、現実空間を模擬した仮想空間において人間等の移動体の動きをシミュレーションすることにより、仮想空間及び仮想空間に対応する現実空間を評価することが行われている。現実空間において、老人、若者、男性、女性等の移動体の特性が当該移動体の動き方に影響する。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、移動体の特性を考慮してシミュレーションを行うことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、仮想空間内を移動する移動体の特性を考慮して仮想空間を評価できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得する取得部と、前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定する特定部と、前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御する移動制御部と、前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記移動制御部は、前記仮想空間内に配置された構造物と、前記複数の移動体それぞれの前記移動特性と、の関係に基づいて各移動体が移動する速度及び経路を決定し、決定した前記速度及び前記経路に従って前記複数の移動体を移動させてもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記構造物の配置に基づいて、前記出発領域内で前記複数の移動体それぞれを配置する出発位置と、前記到着領域内で前記複数の移動体それぞれを到着させる到着位置と、を決定する決定部をさらに有してもよい。
【0009】
前記決定部は、前記出発領域と前記到着領域との間の基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記出発領域内の位置を前記出発位置として決定するとともに、前記基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記到着領域内の位置を前記到着位置として決定してもよい。
【0010】
前記出力部は、前記構造物の第1の配置に対する前記評価結果に応じて、前記第1の配置とは異なる前記構造物の第2の配置を示す情報を出力してもよい。
【0011】
前記出力部は、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動できたか否かと、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動するために掛かった移動時間と、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動する間に前記複数の移動体間で衝突が発生した程度と、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動する間の所定の領域における前記複数の移動体の密度と、のうち少なくとも1つを含む前記評価結果を出力してもよい。
【0012】
前記出力部は、前記仮想空間内で第1領域から前記第1領域よりも狭い第2領域に進入する地点を基準とした所定の大きさの領域における前記複数の移動体の密度を含む前記評価結果を出力してもよい。
【0013】
前記出力部は、前記評価結果が所定の基準を満たさない前記仮想空間内の領域を示す情報を出力してもよい。
【0014】
前記出力部は、前記複数の移動体のうち複数の前記属性のいずれかに該当する移動体の前記履歴を用いて決定された前記評価結果を、当該属性と関連付けて出力してもよい。
【0015】
前記出力部は、複数の移動体それぞれが出発領域を出発して到着領域を目的地として移動した過程を表す画像を出力してもよい。
【0016】
前記移動特性は、移動体同士の距離が所定値以下になったこと、又は移動体と構造物との距離が所定値以下になったことの少なくとも一方を条件として、移動体が所定の移動を行うことを含んでもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得するステップと、前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定するステップと、前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御するステップと、前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第3の態様のプログラムは、プロセッサに、仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得するステップと、前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定するステップと、前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御するステップと、前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、仮想空間内を移動する移動体の特性を考慮して仮想空間を評価できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図3】決定部が出発位置及び到着位置を決定する方法を説明するための模式図である。
【
図4】配置部が複数の移動体を配置する方法を説明するための模式図である。
【
図5】特定部が移動体の移動特性を特定する方法を説明するための模式図である。
【
図6】仮想空間の評価に用いられる評価対象領域を説明するための模式図である。
【
図7】評価結果を表示している情報端末の模式図である。
【
図8】評価結果を表示している情報端末の模式図である。
【
図9】評価結果を表示している情報端末模式図である。
【
図10】提案情報を表示している情報端末2の模式図である。
【
図11】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。情報処理システムは、情報処理装置1と、情報端末2と、を含む。情報処理システムは、複数の情報端末2を含んでもよい。情報処理システムは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
情報処理装置1は、情報端末2に表示される仮想空間を管理するコンピュータである。仮想空間は、コンピュータ上に形成された仮想的な空間(例えば、メタバース)である。仮想空間は、情報端末2において面積又は体積を有する領域として表示される。一方、ユーザが生活する実際の空間(例えば、地球上の空間)を現実空間という。
【0023】
情報処理装置1は、仮想空間内に仮想的な構造物Sを配置する。構造物Sは、例えば、建物である。情報処理装置1は、配置された構造物Sの内部又は外部において、仮想的な移動体Mを移動させる。移動体Mは、例えば、人間を模したアバタ、又はアバタを運ぶ乗り物(車椅子等)である。情報処理装置1は、仮想空間内の構造物Sの位置と移動体Mの位置との関係(接触、接近等)を特定し、移動体Mを構造物Sと重ならないように移動させる。これにより、情報処理装置1は、例えば、現実空間を模した仮想空間において避難誘導等を目的とした人流シミュレーションをすることができる。
【0024】
情報端末2は、ユーザが利用するコンピュータである。ユーザは、情報端末2に表示された仮想空間又は仮想空間に対する評価結果を見る人間である。また、ユーザは、情報端末2において、移動体Mを移動させるための操作を行ってもよい。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。情報端末2は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。情報端末2は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0025】
本実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、仮想空間内で移動可能な複数の移動体Mそれぞれに設定された属性を取得する。属性は、例えば、年齢、性別等、移動の傾向に影響を与え得る人間の特性である。
【0026】
情報処理装置1は、複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた、当該移動体Mの移動特性を特定する。移動特性は、例えば、移動の速度、移動中の行動等を含む。
【0027】
情報処理装置1は、仮想空間内で、所定の出発領域に配置された複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御する。
【0028】
情報処理装置1は、複数の移動体Mの移動の履歴に基づいて、仮想空間の評価結果を出力する。情報処理装置1は、例えば、複数の移動体Mの移動可否、複数の移動体Mの移動時間、複数の移動体M間の衝突の頻度、複数の移動体Mの密度等を含む評価結果を出力する。
【0029】
このように、情報処理装置1は、複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた移動特性に従って、仮想空間内で各移動体Mを移動させ、複数の移動体Mの移動の履歴に基づいて仮想空間の評価結果を出力する。これにより、情報処理装置1は、仮想空間内を移動する移動体Mの特性を考慮して仮想空間を評価することができる。
【0030】
[情報処理システムの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0031】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0032】
通信部11は、ネットワークを介して情報端末2との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、情報端末2又はその他の装置からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータを情報端末2又はその他の装置に送信する。
【0033】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0034】
制御部13は、取得部131と、決定部132と、配置部133と、特定部134と、移動制御部135と、出力部136と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、決定部132、配置部133、特定部134、移動制御部135及び出力部136として機能する。
【0035】
以下、情報処理装置1が実行する処理について詳細に説明する。情報処理装置1が仮想空間内で複数の移動体Mを移動させるための処理を実行する際に、取得部131は、情報端末2から、ユーザが指定した、仮想空間内で複数の移動体Mが移動を開始する出発領域A1と、仮想空間内で複数の移動体Mが移動の目的地とする到着領域A2と、を示す領域情報を取得する。情報端末2は、例えば、ユーザが仮想空間内で指定した2つの領域を出発領域A1及び到着領域A2として示す領域情報を、情報処理装置1に送信する。取得部131は、情報端末2が送信した出発領域A1及び到着領域A2を示す領域情報を受信する。
【0036】
また、取得部131は、仮想空間内に配置される複数の構造物Sの位置及び形状を含む構造物データを取得する。取得部131は、例えば、記憶部12に予め記憶された構造物データを取得する。構造物データは、複数の構造物Sそれぞれの位置を示す情報(例えば、仮想空間内の座標)と、複数の構造物Sそれぞれの形状を示す情報(例えば、3次元形状データ)と、を含む。構造物Sは、例えば、仮想的な建物であり、移動体Mが移動可能な通路を内部に含む。また、構造物Sは、山、谷等の地形、又は道路、橋梁、トンネル等の土木構造物を含んでもよい。
【0037】
決定部132は、複数の移動体Mの出発位置P1及び到着位置P2を決定する。
図3は、決定部132が出発位置P1及び到着位置P2を決定する方法を説明するための模式図である。
【0038】
決定部132は、取得部131が取得した領域情報が示す出発領域A1及び到着領域A2を特定するとともに、取得部131が取得した構造物データが示す複数の構造物Sの配置を特定する。決定部132は、複数の構造物Sの配置に基づいて、出発領域A1内で複数の移動体Mそれぞれを配置する出発位置P1と、到着領域A2内で複数の移動体Mそれぞれを到着させる到着位置P2と、を決定する。
【0039】
決定部132は、例えば、出発領域A1と到着領域A2との間の基準位置P0を決定する。基準位置P0は、例えば、出発領域A1及び到着領域A2の中間地点である。決定部132は、既知の経路探索処理を実行することにより、基準位置P0から移動体Mが到達可能な経路が存在する出発領域A1内の各位置を出発位置P1として決定するとともに、基準位置P0から移動体Mが到達可能な経路が存在する到着領域A2内の各位置を到着位置P2として決定する。これにより、情報処理装置1は、移動体Mが到達できない位置を出発位置P1及び到着位置P2として決定することを抑え、シミュレーションの精度を向上させることができる。
【0040】
決定部132は、ここに示した具体的な方法に限られず、その他の方法で出発位置P1及び到着位置P2を決定してもよい。
【0041】
配置部133は、移動体Mを決定部132が決定したいずれかの出発位置P1に配置するとともに、移動体Mに決定部132が決定したいずれかの到着位置P2を目的地として設定する。
【0042】
図4は、配置部133が複数の移動体Mを配置する方法を説明するための模式図である。配置部133は、複数の移動体Mそれぞれを、決定部132が決定した複数の出発位置P1のいずれかに配置する。複数の移動体Mの数は、ユーザ又は仮想空間の管理者によって予め指定される。配置部133は、無作為に又は所定の規則に従って複数の移動体Mそれぞれを複数の出発位置P1のいずれかに配置する。配置部133は、1つの出発位置P1に対して、1つの移動体Mを配置してもよく、複数の移動体Mを配置してもよい。配置部133は、全ての出発位置P1に対して移動体Mを配置してもよく、一部の出発位置P1に対して移動体Mを配置してもよい。
【0043】
配置部133は、いずれかの出発位置P1に配置された複数の移動体Mそれぞれに、決定部132が決定した複数の到着位置P2のいずれかを目的地として設定する。配置部133は、無作為に又は所定の規則に従って複数の移動体Mそれぞれに複数の到着位置P2のいずれかを割り当てる。配置部133は、1つの到着位置P2に対して、1つの移動体Mを割り当ててもよく、複数の移動体Mを割り当ててもよい。配置部133は、全ての到着位置P2に対して移動体Mを割り当ててもよく、一部の到着位置P2に対して移動体Mを割り当ててもよい。
【0044】
配置部133は、複数の移動体Mそれぞれに、属性を設定する。属性は、例えば、年齢、性別等、移動体Mの移動の傾向に影響を与え得る人間の特性である。本実施形態では、配置部133は、子供、若年又は高齢の年齢(年齢層)と、男性、女性又はその他の性別と、の組み合わせを属性として用いる。配置部133は、ここに示した具体的な属性に限られず、その他の属性を用いてもよい。配置部133は、無作為に又は所定の規則に従って複数の移動体Mそれぞれにいずれかの属性を割り当てる。
【0045】
移動制御部135が複数の移動体Mの移動を開始させる前に、取得部131は、配置部133が複数の移動体Mそれぞれに設定した属性を取得する。特定部134は、複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた、当該移動体Mの移動特性を特定する。移動特性は、例えば、移動の速度、移動中の行動等を含む。
【0046】
図5は、特定部134が移動体Mの移動特性を特定する方法を説明するための模式図である。特定部134は、例えば、記憶部12に予め記憶された、属性及び移動特性を関連付けたテーブルにおいて、複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた移動特性を特定する。特定部134は、例えば、若年又は子供の属性を有する移動体Mに対して、高齢の属性を有する移動体Mの移動速度よりも高い移動速度となる移動特性を特定する。
【0047】
また、特定部134は、例えば、女性又は高齢の属性を有する移動体Mに対して、移動中に回避行動をとる移動特性を特定する。回避行動は、例えば、移動体M同士の距離が所定値以下になったこと、又は移動体Mと構造物Sとの距離が所定値以下になったことの少なくとも一方を条件として、移動体Mが他の移動体M又は構造物Sから離れるように移動することである。特定部134は、ここに示した具体的な移動特性に限られず、その他の移動特性を特定してもよい。
【0048】
移動制御部135は、仮想空間内で、出発領域A1に配置された複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた移動特性に従って、到着領域A2を目的地とする各移動体Mの移動を制御する。移動制御部135は、仮想空間内に配置された構造物Sと、複数の移動体Mそれぞれの移動特性と、の関係に基づいて各移動体Mが移動する速度及び経路を決定し、決定した速度及び経路に従って複数の移動体Mを移動させる。ここで移動制御部135は、例えば、既知の物理シミュレーション方法を用いて、移動体Mが構造物Sに接触しないように、又は移動体Mが構造物Sから所定の距離を保つように、移動体Mを移動させる。
【0049】
移動制御部135は、複数の移動体Mの移動の履歴を示す履歴情報を、記憶部12に記憶させる。履歴情報が示す履歴は、例えば、複数の移動体Mそれぞれの日時又は移動開始からの経過時間ごとの位置を含む。これにより、情報処理装置1は、例えば、移動体Mの特性、すなわち移動体Mに対応する人間の特性を考慮して、現実空間を模した仮想空間において避難誘導等を目的とした人流シミュレーションをすることができる。
【0050】
出力部136は、記憶部12に記憶された履歴情報が示す複数の移動体Mの移動の履歴に基づいて、仮想空間の評価結果を情報端末2に出力する。仮想空間を評価するために、出力部136は、例えば、評価の対象とする一又は複数の評価対象領域AAを設定する。
【0051】
図6は、仮想空間の評価に用いられる評価対象領域AAを説明するための模式図である。出力部136は、例えば、出発領域A1の一部又は全部の領域(
図6中の出発領域1、出発領域2)を、評価対象領域AAとして設定する。出力部136は、例えば、到着領域A2の一部又は全部の領域(
図6中の到着領域1、到着領域2)を、評価対象領域AAとして設定する。出力部136は、出発領域A1及び到着領域A2それぞれの中に複数の評価対象領域AAを設定してもよい。
【0052】
また、出力部136は、例えば、仮想空間内で第1領域から当該第1領域よりも狭い第2領域に進入する地点を基準とした所定の大きさの中間領域(
図6中の中間領域1、中間領域2)を評価対象領域AAとして設定する。中間領域は、例えば、移動体Mが建物に設けられたドアを通過する地点の前又は後の領域である。これにより、情報処理装置1は、仮想空間の中で特に移動体Mの移動のボトルネックになる可能性のある場所を評価対象とすることができる。
【0053】
出力部136は、一又は複数の評価対象領域AAそれぞれに対して、複数の移動体Mの移動可否、複数の移動体Mの移動時間、複数の移動体M間での衝突が発生した程度、又は複数の移動体Mの密度のうち少なくとも1つを、評価結果として決定する。これにより、情報処理装置1は、仮想空間内の所定の領域ごとに、仮想空間内の移動体Mの移動を評価できる。
【0054】
出力部136は、例えば、複数の移動体Mの移動可否として、評価対象領域AAである出発領域A1から出発した複数の移動体Mのうち、到着領域A2まで移動できた移動体Mの数又は割合を算出する。
【0055】
出力部136は、例えば、複数の移動体Mの移動時間として、評価対象領域AAである出発領域A1から出発した複数の移動体Mが到着領域A2まで移動するために掛かった時間の統計値(平均値、中央値、最大値等)を算出する。また、出力部136は、例えば、複数の移動体Mの移動時間として、評価対象領域AAである出発領域A1から出発した複数の移動体Mが到着領域A2まで移動するために掛かった時間が所定の閾値以上になった移動体Mの数又は割合を算出してもよい。
【0056】
出力部136は、例えば、複数の移動体M間での衝突が発生した程度として、評価対象領域AAである出発領域A1、中間領域又は到着領域A2において、複数の移動体M間での衝突(接触)が発生した回数又は頻度を算出する。出力部136は、例えば、複数の移動体Mの密度として、評価対象領域AAである出発領域A1、中間領域又は到着領域A2において、複数の移動体Mの単位面積あたりの数の統計値(平均値、中央値、最大値等)を算出する。
【0057】
出力部136は、一又は複数の評価対象領域AAのうち、評価結果が所定の基準を満たさない評価対象領域AAを決定してもよい。所定の基準は、仮想空間における移動体Mの移動が円滑に行われたことを示す基準であり、記憶部12に予め記憶されている。所定の基準は、例えば、複数の移動体Mの移動可否、複数の移動体Mの移動時間、複数の移動体M間での衝突が発生した程度、又は複数の移動体Mの密度それぞれが、所定の基準値以上であること又は所定の基準値以下であることである。
【0058】
また、出力部136は、評価対象領域AAごとではなく、移動体Mの属性ごとに、複数の移動体Mの移動可否、複数の移動体Mの移動時間、複数の移動体M間での衝突が発生した程度、又は複数の移動体Mの密度のうち少なくとも1つを、評価結果として決定してもよい。出力部136は、例えば、複数の移動体Mのうち複数の属性のいずれかに該当する移動体Mの履歴を用いて、当該属性の評価結果を決定する。これにより、情報処理装置1は、移動体Mの属性ごとに、仮想空間内の移動体Mの移動を評価できる。
【0059】
出力部136は、評価結果として、ここに示した具体的な値に限られず、複数の移動体Mの移動に関するその他の値を算出してもよい。
【0060】
出力部136は、決定した評価結果を表示するための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、評価結果を表示部上に表示する。
【0061】
図7(a)、
図7(b)、
図8及び
図9は、評価結果を表示している情報端末2の模式図である。
図7(a)の例では、情報端末2は、複数の評価対象領域AAそれぞれと関連付けて、移動時間(移動完了時間)が閾値以上になった移動体Mの数を、評価結果として表示している。
図7(b)の例では、情報端末2は、複数の評価対象領域AAそれぞれと関連付けて、複数の移動体Mの密度(単位面積あたりの数の最大値)を、評価結果として表示している。
図8の例では、情報端末2は、複数の評価対象領域AAそれぞれについて、複数の移動体Mの密度(単位面積あたりの数の最大値)の時系列推移を、評価結果として表示している。
【0062】
図7(a)、
図7(b)において、情報端末2は、評価結果が所定の基準を満たさない評価対象領域AAに関連付けて、基準を満たさないことを示す情報(図中の「要改善」のラベル)を表示している。これにより、ユーザは、仮想空間の中で移動体Mの移動に関する評価が基準を満たさない領域を容易に把握できる。
【0063】
図9の例では、情報端末2は、移動体Mの複数の属性それぞれと関連付けて、移動時間(移動完了時間)の平均値を、評価結果として表示している。
図9において、情報端末2は、評価結果が所定の基準を満たさない属性に関連付けて、基準を満たさないことを示す情報(図中の「要改善」のラベル)を表示している。これにより、ユーザは、仮想空間の中で移動体Mの移動に関する評価が基準を満たさない移動体Mの属性を容易に把握できる。
【0064】
出力部136は、複数の移動体Mそれぞれが出発領域A1を出発して到着領域A2を目的地として移動した過程を表す画像(リプレイ画像ともいう)を、シミュレーション結果として出力してもよい。画像は、例えば、構造物Sの内部又は外部において移動する複数の移動体Mを時系列で表す動画像である。情報端末2は、情報処理装置1から受信したシミュレーション結果を、表示部上に表示する。これにより、ユーザは、仮想空間内を複数の移動体Mが移動した際の経路や行動を画像として把握することができる。
【0065】
出力部136は、評価結果に応じて、構造物Sの配置の変更を提案する提案情報を出力してもよい。出力部136は、例えば、評価結果が所定の基準を満たさなかった評価対象領域AAの近傍において、構造物Sの第1の配置(すなわち、複数の移動体Mを移動させた際の構造物Sの配置)とは異なる構造物Sの第2の配置を決定する。第2の配置は、例えば、第1の配置における複数の構造物Sの間隔よりも広い間隔で当該複数の構造物Sを配置することである。出力部136は、その他の方法で、第1の配置とは異なる第2の配置を決定してもよい。
【0066】
出力部136は、決定した第2の配置を示す提案情報を表示するための表示情報を、情報端末2に送信する。情報端末2は、情報処理装置1から受信した表示情報に従って、提案情報を表示部上に表示する。
【0067】
図10は、提案情報を表示している情報端末2の模式図である。
図10の例では、情報端末2は、所定の基準を満たさない中間領域の近傍における構造物Sの第1の配置及び第2の配置を表示している。これにより、情報処理装置1は、仮想空間の評価結果に基づいてユーザが仮想空間に対応する現実空間における構造物の配置を変更しやすくすることができる。
【0068】
[情報処理方法のフロー]
図11は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。情報処理装置1が仮想空間内で複数の移動体Mを移動させるための処理を実行する際に、取得部131は、領域情報及び構造物データを取得する(S11)。領域情報は、仮想空間内で複数の移動体Mが移動を開始する出発領域A1と、仮想空間内で複数の移動体Mが移動の目的地とする到着領域A2と、を示す情報である。構造物データは、仮想空間内に配置される複数の構造物Sの位置及び形状を含むデータである。
【0069】
決定部132は、取得部131が取得した領域情報が示す出発領域A1及び到着領域A2を特定するとともに、取得部131が取得した構造物データが示す複数の構造物Sの配置を特定する。決定部132は、複数の構造物Sの配置に基づいて、出発領域A1内で複数の移動体Mそれぞれを配置する出発位置P1と、到着領域A2内で複数の移動体Mそれぞれを到着させる到着位置P2と、を決定する(S12)。
【0070】
配置部133は、複数の移動体Mそれぞれを、決定部132が決定した複数の出発位置P1のいずれかに配置する(S13)。また、配置部133は、いずれかの出発位置P1に配置された複数の移動体Mそれぞれに、決定部132が決定した複数の到着位置P2のいずれかを目的地として設定する。また、配置部133は、複数の移動体Mそれぞれに、属性を設定する。
【0071】
移動制御部135が複数の移動体Mの移動を開始させる前に、取得部131は、配置部133が複数の移動体Mそれぞれに設定した属性を取得する(S14)。特定部134は、複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた、当該移動体Mの移動特性を特定する(S15)。
【0072】
移動制御部135は、仮想空間内で、出発領域A1に配置された複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた移動特性に従って、到着領域A2を目的地とする各移動体Mの移動を制御する(S16)。移動制御部135は、複数の移動体Mの移動の履歴を示す履歴情報を、記憶部12に記憶させる。
【0073】
出力部136は、記憶部12に記憶された履歴情報が示す複数の移動体Mの移動の履歴に基づいて、仮想空間の評価結果を情報端末2に出力する(S17)。ここで出力部136は、例えば、評価の対象とする一又は複数の評価対象領域AAを設定する。出力部136は、一又は複数の評価対象領域AAそれぞれに対して、複数の移動体Mの移動可否、複数の移動体Mの移動時間、複数の移動体M間での衝突が発生した程度、又は複数の移動体Mの密度のうち少なくとも1つを、評価結果として決定する。
【0074】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理装置1は、情報処理装置1は、複数の移動体Mそれぞれの属性に関連付けられた移動特性に従って、仮想空間内で各移動体Mを移動させ、複数の移動体Mの移動の履歴に基づいて仮想空間の評価結果を出力する。これにより、情報処理装置1は、仮想空間内を移動する移動体Mの特性を考慮して仮想空間を評価することができる。
【0075】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0076】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0077】
1 情報処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 決定部
133 配置部
134 特定部
135 移動制御部
136 出力部
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得する取得部と、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定する特定部と、
前記仮想空間内における構造物の配置に基づいて、所定の出発領域内で前記複数の移動体それぞれを配置する出発位置と、所定の到着領域内で前記複数の移動体それぞれを到着させる到着位置と、を決定する決定部と、
前記仮想空間内で、前記構造物と、前記出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性と、の関係に基づいて各移動体が移動する速度及び経路を決定し、決定した前記速度及び前記経路に従って、前記到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御する移動制御部と、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力する出力部と、
を有し、
前記決定部は、前記出発領域と前記到着領域との間の基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記出発領域内の位置を前記出発位置として決定するとともに、前記基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記到着領域内の位置を前記到着位置として決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得する取得部と、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定する特定部と、
前記仮想空間内で、所定の出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性に従って、所定の到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御する移動制御部と、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力する出力部と、
を有し、
前記移動特性は、移動体同士の距離が所定値以下になったこと、又は移動体と構造物との距離が所定値以下になったことの少なくとも一方を条件として、移動体が所定の移動を行うことを含む、
情報処理装置。
【請求項3】
前記移動制御部は、前記仮想空間内に配置された構造物と、前記複数の移動体それぞれの前記移動特性と、の関係に基づいて各移動体が移動する速度及び経路を決定し、決定した前記速度及び前記経路に従って前記複数の移動体を移動させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記構造物の配置に基づいて、前記出発領域内で前記複数の移動体それぞれを配置する出発位置と、前記到着領域内で前記複数の移動体それぞれを到着させる到着位置と、を決定する決定部をさらに有する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記出発領域と前記到着領域との間の基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記出発領域内の位置を前記出発位置として決定するとともに、前記基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記到着領域内の位置を前記到着位置として決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記構造物の第1の配置に対する前記評価結果に応じて、前記第1の配置とは異なる前記構造物の第2の配置を示す情報を出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動できたか否かと、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動するために掛かった移動時間と、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動する間に前記複数の移動体間で衝突が発生した程度と、前記複数の移動体が前記出発領域から前記到着領域まで移動する間の所定の領域における前記複数の移動体の密度と、のうち少なくとも1つを含む前記評価結果を出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記仮想空間内で第1領域から前記第1領域よりも狭い第2領域に進入する地点を基準とした所定の大きさの領域における前記複数の移動体の密度を含む前記評価結果を出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記評価結果が所定の基準を満たさない前記仮想空間内の領域を示す情報を出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力部は、前記複数の移動体のうち複数の前記属性のいずれかに該当する移動体の前記履歴を用いて決定された前記評価結果を、当該属性と関連付けて出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記出力部は、複数の移動体それぞれが出発領域を出発して到着領域を目的地として移動した過程を表す画像を出力する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得するステップと、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定するステップと、
前記仮想空間内における構造物の配置に基づいて、所定の出発領域内で前記複数の移動体それぞれを配置する出発位置と、所定の到着領域内で前記複数の移動体それぞれを到着させる到着位置と、を決定するステップと、
前記仮想空間内で、前記構造物と、前記出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性と、の関係に基づいて各移動体が移動する速度及び経路を決定するステップと、
前記速度及び前記経路に従って、前記到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御するステップと、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力するステップと、
を有し、
前記出発位置及び前記到着位置を決定するステップにおいて、前記出発領域と前記到着領域との間の基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記出発領域内の位置を前記出発位置として決定するとともに、前記基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記到着領域内の位置を前記到着位置として決定する、
情報処理方法。
【請求項13】
プロセッサに、
仮想空間内で移動可能な複数の移動体それぞれに設定された属性を取得するステップと、
前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた、当該移動体の移動特性を特定するステップと、
前記仮想空間内における構造物の配置に基づいて、所定の出発領域内で前記複数の移動体それぞれを配置する出発位置と、所定の到着領域内で前記複数の移動体それぞれを到着させる到着位置と、を決定するステップと、
前記仮想空間内で、前記構造物と、前記出発領域に配置された前記複数の移動体それぞれの前記属性に関連付けられた前記移動特性と、の関係に基づいて各移動体が移動する速度及び経路を決定するステップと、
前記速度及び前記経路に従って、前記到着領域を目的地とする各移動体の移動を制御するステップと、
前記複数の移動体の前記移動の履歴に基づいて、前記仮想空間の評価結果を出力するステップと、
を実行させ、
前記出発位置及び前記到着位置を決定するステップにおいて、前記出発領域と前記到着領域との間の基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記出発領域内の位置を前記出発位置として決定するとともに、前記基準位置から移動体が到達可能な経路が存在する前記到着領域内の位置を前記到着位置として決定する、
プログラム。