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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170213
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】端末装置及び端末装置の再起動方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/4401 20180101AFI20241129BHJP
【FI】
G06F9/4401
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087247
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】花香 敏
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AE05
5B376AE29
(57)【要約】
【課題】再起動を指示してから完了するまでの時間を短縮する。
【解決手段】第2受信部22は、第2受信部無線部CPU28と、第2受信部安全部CPU29と、コネクタ24と、を備える。第2受信部無線部CPU28が実行する第1処理と、第2受信部安全部CPU29が実行する第2処理とは、異なる。コネクタ24は、第2受信部22に対する再起動指示を受け付ける。コネクタ24が再起動指示を受け付けた場合、第1処理のプログラムは、電力の供給が維持された状態の第2受信部無線部CPU28によって終了させられた後に再起動させられる。第2処理のプログラムは、第2受信部安全部CPU29に対する電力の供給をいったん停止した後に開始することにより再起動させられる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1処理を実行する第1CPUと、
前記第1処理とは異なる第2処理を実行する第2CPUと、
再起動指示を受け付ける受付部と、
を備え、
電源が投入された場合、供給される電力により前記第1CPUが動作を開始することにより前記第1処理のプログラムが自動的に起動し、供給される電力により前記第2CPUが動作を開始することにより前記第2処理のプログラムが自動的に起動し、
前記受付部が再起動指示を受け付けた場合、前記第1処理のプログラムは、電力の供給が維持された状態の前記第1CPUによって終了させられた後に再起動させられ、前記第2処理のプログラムは、前記第2CPUに対する電力の供給をいったん停止した後に開始することにより再起動させられることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
無線送信装置と無線通信を行い、その結果に基づいて産業用機械に信号を送信することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の端末装置であって、
前記第1処理は、前記無線送信装置との無線通信であり、
前記第2処理は、前記無線通信の結果に応じて、前記産業用機械を安全状態とするための安全状態要求信号を当該産業用機械に送信する処理であることを特徴とする端末装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の端末装置であって、
前記第1CPUと前記第2CPUは、相互に情報の送受信が可能な通信線により接続されており、
前記受付部が再起動指示を受け付けたために前記第1処理のプログラムが再起動した後、前記第1CPUは、周期的に前記通信線を介して前記第2CPUに信号を送信し、
前記受付部が再起動指示を受け付けたために前記第2処理のプログラムが再起動した後、前記第2CPUは、前記第1CPUからの信号に応じて前記第1CPUに信号を送信することを特徴とする端末装置。
【請求項5】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記第1処理のプログラムは、オペレーションシステムにインストールされ、
前記受付部が再起動指示を受け付けた場合、前記第1処理のプログラムは、オペレーションシステムの再起動を伴わずに再起動させられることを特徴とする端末装置。
【請求項6】
第1処理を実行する第1CPUと、
前記第1処理とは異なる第2処理を実行する第2CPUと、
再起動指示を受け付ける受付部と、
を備え、
電源が投入された場合、供給される電力により前記第1CPUが動作を開始することにより前記第1処理のプログラムが自動的に起動し、供給される電力により前記第2CPUが動作を開始することにより前記第2処理のプログラムが自動的に起動する、端末装置の再起動方法であって、
前記受付部により再起動指示を受け付ける第1工程と、
前記受付部が前記再起動指示を受け付けた場合に、電力の供給が維持された状態の前記第1CPUによって、前記第1処理のプログラムを終了した後に再起動し、前記第2CPUに対する電力の供給をいったん停止した後に開始することにより、前記第2処理のプログラムを再起動する第2工程と、
を含むことを特徴とする端末装置の再起動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のCPUを有する端末装置の再起動に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のCPUを有する端末装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1は、産業用機械に接続される機械側通信機を開示する。この機械側通信機には、第2受信部無線部と、第2受信部安全部と、が設けられている。第2受信部無線部及び第2受信部安全部は、何れもCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータとして構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-36181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の機械側通信機において、通信異常が発生した場合等に、機械側通信機の再起動が必要になることがある。しかし、コンピュータの再起動には比較的長い時間を要する場合があり、作業性の観点から改善が望まれていた。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、再起動を指示してから完了するまでの時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の端末装置が提供される。即ち、端末装置は、第1CPUと、第2CPUと、受付部と、を備える。前記第1CPUは、第1処理を実行する。前記第2CPUは、前記第1処理とは異なる第2処理を実行する。前記受付部は、再起動指示を受け付ける。電源が投入された場合、供給される電力により前記第1CPUが動作を開始することにより前記第1処理のプログラムが自動的に起動し、供給される電力により前記第2CPUが動作を開始することにより前記第2処理のプログラムが自動的に起動する。前記受付部が再起動指示を受け付けた場合、前記第1処理のプログラムは、電力の供給が維持された状態の前記第1CPUによって終了させられた後に再起動させられ、前記第2処理のプログラムは、前記第2CPUに対する電力の供給をいったん停止した後に開始することにより再起動させられる。
【0009】
これにより、電源投入時における起動を複雑化することなく、再起動操作が受け付けられた場合に速やかな再起動を実現することができる。
【0010】
前記の端末装置においては、無線送信装置と無線通信を行い、その結果に基づいて産業用機械に信号を送信することが好ましい。
【0011】
これにより、無線送信装置と無線通信を行う端末装置において、電源投入時における起動を複雑化することなく、再起動操作が受け付けられた場合に速やかな再起動を実現することができる。
【0012】
前記の端末装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第1処理は、前記無線送信装置との無線通信である。前記第2処理は、前記無線通信の結果に応じて、前記産業用機械を安全状態とするための安全状態要求信号を当該産業用機械に送信する処理である。
【0013】
この構成では、第2処理には安全面での配慮が求められる。この点、上記の構成においては、第2CPUが行う第2処理のプログラムを再起動する場合は、第2CPUへの電源供給のOFF/ONを行うことで、再起動プロセスの信頼性を高めることができる。第1処理には安全面での配慮がさほど求められない一方、電力供給のOFF/ONを伴う再起動には比較的時間を要する。そこで、第1CPUが行う第1処理のプログラムを再起動する場合は、第1CPUへの電源供給を維持した状態で行うことで、速やかな再起動を実現できる。
【0014】
前記の端末装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第1CPUと前記第2CPUは、相互に情報の送受信が可能な通信線により接続されている。前記受付部が再起動指示を受け付けたために前記第1処理のプログラムが再起動した後、前記第1CPUは、周期的に前記通信線を介して前記第2CPUに信号を送信する。前記受付部が再起動指示を受け付けたために前記第2処理のプログラムが再起動した後、前記第2CPUは、前記第1CPUからの信号に応じて前記第1CPUに信号を送信する。
【0015】
これにより、第2CPUの再起動の完了の前に第1CPUの再起動が完了した場合でも、第2CPUの再起動の完了を第1CPUが待機することができる。従って、第1CPUと第2CPUがスムーズに連携して処理を行うことができる。
【0016】
前記の端末装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第1処理のプログラムは、オペレーションシステムにインストールされる。前記受付部が再起動指示を受け付けた場合、前記第1処理のプログラムは、オペレーションシステムの再起動を伴わずに再起動させられる。
【0017】
これにより、第1処理のプログラムの再起動を短時間で完了させることができる。
【0018】
本発明の第2の観点によれば、以下の端末装置の再起動方法が提供される。即ち、端末装置は、第1CPUと、第2CPUと、受付部と、を備える。前記第1CPUは、第1処理を実行する。前記第2CPUは、前記第1処理とは異なる第2処理を実行する。前記受付部は、再起動指示を受け付ける。電源が投入された場合、供給される電力により前記第1CPUが動作を開始することにより前記第1処理のプログラムが自動的に起動し、供給される電力により前記第2CPUが動作を開始することにより前記第2処理のプログラムが自動的に起動する。端末装置の再起動方法は、第1工程と、第2工程と、を含む。前記第1工程では、前記受付部により再起動指示を受け付ける。前記第2工程では、前記受付部が前記再起動指示を受け付けた場合に、電力の供給が維持された状態の前記第1CPUによって、前記第1処理のプログラムを終了した後に再起動し、前記第2CPUに対する電力の供給をいったん停止した後に開始することにより、前記第2処理のプログラムを再起動する。
【0019】
これにより、電源投入時における起動を複雑化することなく、再起動操作が受け付けられた場合に速やかな再起動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る無線通信方法が行われる自動倉庫の構成を模式的に示す平面図。
図2】自動倉庫を構成する1つのスタッカクレーンの構成を説明する図。
図3】スタッカクレーンの制御システムの構成を示すブロック図。
図4】安全信号システムの構成を示すブロック図。
図5】第2受信部の構成を示す斜視図。
図6】第2受信部の詳細な電気的構成を示すブロック図。
図7】タブレットが携帯型リモコンに取り付けられて構成される携帯操作ユニットを示す正面図。
図8】携帯操作ユニットの側面図。
図9】第2受信部無線部CPUの起動後の処理を説明するフローチャート。
図10】第2受信部安全部CPUの起動後の処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法が行われる自動倉庫1の構成を模式的に示す平面図である。図2は、自動倉庫1を構成する1つのスタッカクレーン12の構成を説明する図である。図3は、スタッカクレーン12の制御システム10の構成を示すブロック図である。図4は、安全信号システム20の構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示す自動倉庫1は、複数のスタッカラック11と、複数のスタッカクレーン(産業用機械)12と、を備える。スタッカラック11には、部品や材料等の荷物を収納可能な多数の収納空間が形成されている。スタッカクレーン12は、スタッカラック11の収納空間に荷物を自動で搬入/搬出する。自動倉庫1は、スタッカクレーン12を介して、荷物をスタッカラック11に自動的に格納したり、スタッカラック11に格納している荷物を自動的に搬出したりすることができる。
【0023】
図2に示すように、それぞれのスタッカクレーン12は、軌道に沿って走行する走行台車13と、上下に昇降可能な昇降台14と、走行台車13及び昇降台14の動作を制御するクレーンコントローラ(機械コントローラ)2と、を備える。
【0024】
スタッカクレーン12は、自動運転モードと、手動運転モードと、の中から運転モードを選択して動かすことができる。自動運転モードでは、スタッカクレーン12は、予めプログラムされた規則に従って自動的に動く。手動運転モードでは、スタッカクレーン12は、オペレータの動作指示に従って動く。
【0025】
図2及び図3に示すクレーンコントローラ2は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力部等からなる公知の制御ユニットから構成される。ROMには、各種プログラムや自動運転に関するデータ(規則)等が記憶されている。CPUは、各種プログラム等をROMから読み出して実行することができる。
【0026】
スタッカクレーン12の運転モードとして自動運転モードが選択されている場合、クレーンコントローラ2は、記憶された自動運転に関するデータ等に基づいて、走行台車13及び昇降台14の動作を制御する。
【0027】
スタッカクレーン12の運転モードとして手動運転モードが選択されている場合、クレーンコントローラ2は、第1受信部21を介して受信したオペレータからの動作指示、及び第2受信部22を介して受信した各スイッチの状態信号に従って、走行台車13及び昇降台14の動作を制御する。
【0028】
自動倉庫1は、第1受信部21と、第2受信部(端末装置)22と、を備える。第1受信部21及び第2受信部22は、それぞれ通信装置として構成され、スタッカクレーン12におけるクレーンコントローラ2の近傍に設置されている。第1受信部21及び第2受信部22は、クレーンコントローラ2に電気的に接続されている。第1受信部21と第2受信部22は、1つのスタッカクレーン12に対して1つずつ設けられている。
【0029】
第1受信部21は、無線LANを介して、後述のタブレット5と無線通信する。無線LANは複数の無線通信チャネルを有しており、電波や赤外線等を用いてデータを伝送する。本実施形態では、無線LANとしてWi-Fi(Wi-Fiは登録商標)が用いられている。この無線通信により、第1受信部21は、オペレータがタブレット5を操作することによって当該タブレット5に入力された動作指示を受信する。動作指示の例としては、走行台車13を走行させる指示、及び、昇降台14を昇降させる指示等を挙げることができる。第1受信部21は、これらの指示を示す信号を、スタッカクレーン12の動作を制御するための制御信号としてクレーンコントローラ2に出力する。
【0030】
第2受信部22は、無線LANを介して後述の携帯型リモコン6と無線通信する。この無線通信により、第2受信部22は、各種の状態信号を受信する。状態信号の例としては、非常停止スイッチの状態信号、及び、タブレット5からの動作指示を有効にするためのイネーブルスイッチの状態信号等を挙げることができる。第2受信部22は、受信した状態信号を、スタッカクレーン12の動作を制御するための制御信号としてクレーンコントローラ2に出力する。第1受信部21及び第2受信部22は、互いに異なる周波数帯域又はチャネルを用いて無線通信をそれぞれ行う。
【0031】
次に、第2受信部22について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は、第2受信部22の構成を示す斜視図である。図6は、第2受信部22の詳細な電気的構成を示すブロック図である。
【0032】
第2受信部22は、図6に示すように、無線部基板41と、安全部基板42と、を備える。
【0033】
無線部基板41には、第2受信部無線部CPU28が配置されている。更に、無線部基板41には、コネクタ24、電圧変換器43、フォトカプラ45、リニアレギュレータ44、トランジスタ46、及びFET47が配置されている。
【0034】
安全部基板42には、第2受信部安全部CPU29が配置されている。
【0035】
図5等に示すように、コネクタ24には、ケーブル91が接続されている。このケーブル91を介して、第2受信部22の動作(言い換えれば、第2受信部無線部CPU28及び第2受信部安全部CPU29の動作)に必要な電力が供給される。ケーブル91には複数の電線が含まれており、ケーブル91は、電力供給だけでなく、信号の入出力のためにも用いられる。
【0036】
一例として、ケーブル91は、スタッカクレーン12が備える図略の電源供給部に接続される。従って、第2受信部22にはスタッカクレーン12から電力が供給される。スタッカクレーン12は操作盤を備え、操作盤にはリセットボタンが配置されている。操作盤のリセットボタンを操作すると、リセット信号がケーブル91及びコネクタ24を介して第2受信部22に入力される。
【0037】
第2受信部22には、コネクタ24のほかに、アンテナケーブル93を電気的に接続するための図略のコネクタが設けられている。このアンテナケーブル93には、電波の送受信を行うための図略の無線アンテナが接続される。
【0038】
図6に示す電圧変換器43は、コネクタ24に入力された電源電圧を、第2受信部無線部CPU28及び第2受信部安全部CPU29が動作するのに適切な電圧に変換する。電圧変換器43による変換後の電圧は、リニアレギュレータ44を介して第2受信部無線部CPU28に供給される。また、電圧変換器43による変換後の電圧は、FET47を介して、安全部基板42に配置された第2受信部安全部CPU29に供給される。
【0039】
コネクタ24を構成する複数の端子のうちリセット信号の入力端子には、電気的な絶縁を目的としてフォトカプラ45が接続される。フォトカプラ45の信号(実質的には、コネクタ24に入力されるリセット信号)は、第2受信部無線部CPU28に出力されるとともに、トランジスタ46に出力される。
【0040】
リニアレギュレータ44は、電圧の変動を低減して、第2受信部無線部CPU28の動作を安定させる。
【0041】
FET(開閉器)47は、トランジスタ46からの信号に応じて、第2受信部安全部CPU29へ供給される電力のON/OFFを切り換える。
【0042】
第2受信部22には、図4に示すように、第2受信部無線部CPU28と、第2受信部安全部CPU29と、が設けられている。この第2受信部無線部CPU28と第2受信部安全部CPU29は、図6に示すデータ通信線(通信線)48により接続され、例えば公知のシリアル通信によって相互に信号をやり取りすることができる。
【0043】
第2受信部無線部CPU28は、図略のROM、RAM等とともに、コンピュータ(具体的には、無線通信モジュール)として機能する。第2受信部無線部CPU28においては、無線通信に関する処理(第1処理)を行うプログラムが実行される。このプログラムの実行により、第2受信部無線部CPU28は、携帯型リモコン6との間で無線通信し、データを送受信することができる。
【0044】
第2受信部安全部CPU29は、図略のROM、RAM等とともに、コンピュータとして機能する。このコンピュータは、機能安全部として用いられる。第2受信部安全部CPU29においては、機能安全に関する処理(第2処理)を行うプログラムが実行される。このプログラムの実行により、第2受信部安全部CPU29は、第2受信部無線部CPU28が携帯型リモコン6と通信した結果に基づいて、スタッカクレーン12が動作しない安全状態とすべきか否かを判断する。第2受信部安全部CPU29は、必要に応じて安全状態要求信号をクレーンコントローラ2に出力する。
【0045】
図3に示すように、本実施形態の自動倉庫1は、スタッカクレーン12を制御するための制御システム10を備える。制御システム10は、オペレータがスタッカクレーン12に指示するための制御指示送信機3を備える。制御指示送信機3は、1又は複数の送信機から構成される。それぞれの送信機は、クレーンコントローラ2に指示を与えるために、第1受信部21及び第2受信部22経由で、無線LANによる通信を行う。
【0046】
制御指示送信機3は、携帯操作ユニット(送信機)30を含む。携帯操作ユニット30について、図7を参照して詳細に説明する。図7は、携帯操作ユニット30を示す正面図である。
【0047】
携帯操作ユニット30は、タブレット(携帯端末)5と、携帯型リモコン(無線送信装置)6と、により構成される。リモコンとは、リモートコントローラの略である。
【0048】
携帯操作ユニット30を構成するタブレット5は、CPU、ROM、RAM、入出力部等から構成される公知のタブレット型のコンピュータである。タブレット5には図略の無線アンテナが内蔵されており、図3に示すように、第1受信部21と無線通信することができる。タブレット5は、オペレータの操作に応じて、スタッカクレーン12の運転モードの切換指示や、スタッカクレーン12の手動運転モードにおいて当該スタッカクレーン12を動かすための動作指示等の様々な指示を第1受信部21に無線送信する。
【0049】
携帯型リモコン6は、スタッカクレーン12の手動運転モードにおいてスタッカクレーン12の動作を制御するために、タブレット5と組み合わせて用いられる。携帯型リモコン6には図略の無線アンテナが内蔵されており、図3等に示すように、第2受信部22と無線通信することができる。
【0050】
携帯型リモコン6は、図7及び図8に示すように、データ通信ケーブル64と、イネーブルスイッチ65と、非常停止スイッチ66と、を備える。
【0051】
データ通信ケーブル64は、携帯型リモコン6のハウジングから引き出され、タブレット5に接続されている。これにより、タブレット5及び携帯型リモコン6を連携させて携帯操作ユニット30として機能させることができる。
【0052】
イネーブルスイッチ65は、例えば押しボタンスイッチとして構成される。イネーブルスイッチ65は、スタッカクレーン12が手動運転モードとなっているときに、スタッカクレーン12の動作を許可していることを示すために押される。
【0053】
非常停止スイッチ66は、例えば押しボタンスイッチとして構成されている。非常停止スイッチ66は、スタッカクレーン12の手動運転モードにおいて、当該スタッカクレーン12を非常停止させたいときに押される。
【0054】
携帯型リモコン6には、図4に示すように、リモコン無線部CPU67と、リモコン安全部CPU68と、が設けられている。リモコン無線部CPU67とリモコン安全部CPU68は、適宜のデータ通信線で接続され、シリアル通信を行う。
【0055】
リモコン無線部CPU67は、図略のROM、RAM等とともに、コンピュータ(具体的には、無線通信モジュール)を構成する。リモコン無線部CPU67は、第2受信部22が備える第2受信部無線部CPU28との間で、無線通信によりデータを送受信することができる。
【0056】
リモコン安全部CPU68は、図略のROM、RAM等とともに、コンピュータを構成する。このコンピュータは、機能安全部として用いられる。具体的には、リモコン安全部CPU68は、イネーブルスイッチ65及び非常停止スイッチ66と電気的に接続される。リモコン安全部CPU68は、イネーブルスイッチ65及び非常停止スイッチ66の状態に応じて、安全状態解除信号又は安全状態要求信号をリモコン無線部CPU67に出力する。
【0057】
安全状態とは、スタッカクレーン12の動作が停止している状態を意味し、非常時において要求される状態である。安全状態の解除とは、スタッカクレーン12の動作が許可されている状態を意味する。
【0058】
携帯型リモコン6は、イネーブルスイッチ65が押された状態であり、かつ、非常停止スイッチ66が押されていない状態である場合、安全状態解除信号をリモコン無線部CPU67に出力する。これに応じて、リモコン無線部CPU67は、安全状態解除信号を第2受信部22の第2受信部無線部CPU28に送信する。
【0059】
携帯型リモコン6は、イネーブルスイッチ65が押されていない状態、又は、非常停止スイッチ66が押された状態である場合、安全状態要求信号をリモコン無線部CPU67に出力する。これに応じて、リモコン無線部CPU67は、安全状態要求信号を第2受信部22の第2受信部無線部CPU28に送信する。
【0060】
上記のように、制御システム10は、スタッカクレーン12を動作させる動作指示の信号を通信する動作指示信号システム(第1受信部21及びタブレット5)とは別途に、非常時にはスタッカクレーン12の動作を阻止して安全状態を実現するための信号を通信する安全信号システム(無線通信システム)20を備える。この安全信号システム20は、図4に示すように、第2受信部22と、携帯型リモコン6と、から構成される。
【0061】
無線通信経路に着目すると、スタッカクレーン12を手動運転モードで操作する場合、クレーンコントローラ2と、オペレータが操作する携帯操作ユニット30と、の間には、2つの無線通信経路を通じて信号がやり取りされる。第1無線通信経路は、第1受信部21とタブレット5との間に確立される。第2無線通信経路は、第2受信部22と携帯型リモコン6との間に確立される。
【0062】
このように、スタッカクレーン12の動作を制御する動作指示の信号と、スタッカクレーン12の安全状態を実現する信号と、の無線通信経路が分離しているので、非常時において安全状態要求信号を第2受信部22に遅延なく送信して、スタッカクレーン12を確実に即座に停止させることができる。
【0063】
本実施形態では、スタッカクレーン12の動作指示の信号システムに加えて、安全信号システム20が無線通信により構築されている。従って、信号ケーブルが機械に引っ掛かったりすることがなくなり、取回しに優れている。また、信号ケーブルの分だけ携帯操作ユニット30を軽くすることができ、オペレータの負担を軽減できる。
【0064】
次に、第2受信部22のコネクタ24に対して電源供給が停止された状態から、電源供給が開始された場合の動作を説明する。
【0065】
ケーブル91を介してコネクタ24に電力が供給されるのに伴い、電圧変換器43及びリニアレギュレータ44を介して、第2受信部無線部CPU28に電力が供給される。これにより、第2受信部無線部CPU28が起動することができる。
【0066】
コネクタ24にリセット信号が入力されていないので、トランジスタ46は動作せず、FET47は閉じられている。この結果、コネクタ24の電力が、電圧変換器43及びFET47を介して第2受信部安全部CPU29に供給され、第2受信部安全部CPU29が起動することができる。
【0067】
次に、第2受信部22のコネクタ24に対して電源供給が継続されている状態で、リセット信号が入力された場合の動作を説明する。
【0068】
第2受信部無線部CPU28は、コネクタ24に入力されるリセット信号を、フォトカプラ45を介して監視する。コネクタ24へのリセット信号の入力を検出した場合、第2受信部無線部CPU28は、無線通信に関するプログラムのプロセスを強制終了する処理を行う。これにより、無線通信に関するプログラムを停止させることができる。
【0069】
コネクタ24にリセット信号が入力されるのに伴って、フォトカプラ45はトランジスタ46へ適宜の信号を出力する。この信号が入力されたトランジスタ46は、FET47を開く。この結果、第2受信部安全部CPU29へ電力が供給されなくなるので、第2受信部安全部CPU29が停止する。
【0070】
コネクタ24へのリセット信号の入力が消失すると、フォトカプラ45からの信号が失われる。第2受信部無線部CPU28は、このタイミングで、無線通信に関するプログラムのプロセスを新しく起動する処理を行う。これにより、無線通信に関するプログラムを再び起動することができる。同時に、フォトカプラ45からの信号がないことを検出したトランジスタ46がFET47を閉じるので、第2受信部安全部CPU29に電力が供給される。この結果、第2受信部安全部CPU29の起動が開始される。これにより、機能安全に関するプログラムを起動することができる。
【0071】
ここで、無線通信に関するプログラム、及び、機能安全に関するプログラムに関する、アーキテクチャの違いについて説明する。
【0072】
第2受信部無線部CPU28を含んで構築されているコンピュータには、適宜のOSがインストールされている。OSはオペレーションシステムの略称である。前述の無線通信に関する処理は、OSにインストールされている無線通信プログラムにより実現される。OSには、無線通信プログラムの他に、リセット信号監視プログラムがインストールされている。無線通信プログラム及びリセット信号監視プログラムは、OSが起動すると直ちに自動起動するように設定されている。
【0073】
リセット信号監視プログラムは、フォトカプラ45からの信号(実質的には、コネクタ24に入力されるリセット信号)を常時監視し、フォトカプラ45からの信号が検出されると、無線通信プログラムの実行プロセスを強制的に終了させる。リセット信号監視プログラムは、フォトカプラ45からの信号が検出されなくなると、無線通信プログラムの実行プロセスを再び生成する。これにより、無線通信処理に関する実質的な再起動を、OSの再起動処理なしで(即ち、いわゆるソフトウェアリセットにより)行うことができる。従って、再起動処理に必要な時間を短縮することができる。
【0074】
第2受信部安全部CPU29を含んで構築されているコンピュータには、OSがインストールされていない。機能安全に関する処理は、当該コンピュータに直接インストールされている機能安全プログラムにより実現される。機能安全プログラムは、コンピュータの起動後直ちに自動起動するように設定されている。第2受信部安全部CPU29は、電力の供給が遮断されてから復帰することで、機能安全処理に関する再起動を行うことができる。第2受信部安全部CPU29のコンピュータにおいてはOSの再起動が本来不要であるため、電力のOFF/ONが行われたとしても、再起動完了までに必要な時間は、一般的にOSの再起動を伴うCPUの再起動完了までに必要な時間よりも短い。
【0075】
本実施形態の第2受信部22において、特定の異常が検出された場合(例えば、第2受信部22と携帯型リモコン6との間で通信異常が発生した場合)には、異常検出状態に移行する。この異常検出状態では、第2受信部22は、安全状態要求信号をクレーンコントローラ2に出力している。これらの処理は、第2受信部安全部CPU29が実行する機能安全に関する処理に含まれている。
【0076】
上記の異常検出状態を解除するには、コネクタ24にリセット信号を入力して、第2受信部22を再起動する必要がある。ここで、仮に第2受信部22の再起動に時間を要すると、作業者は長時間待機していなければならず、作業性が低下する。特に、異常発生時においては迅速な対応が求められているため、再起動時間の短縮が要望されていた。この点、本実施形態においては、電力のOFF/ONを伴わないで、第2受信部無線部CPU28の処理プログラムを実質的に再起動することができる。従って、作業者はOSの再起動等を待機する必要がないため、メンテナンス作業等を迅速に行うことができる。
【0077】
本実施形態において、コネクタ24にリセット信号が入力された場合、第2受信部無線部CPU28における無線通信プログラムの再起動と、第2受信部安全部CPU29における機能安全プログラムの再起動とは、ほぼ同一のタイミングで開始される。一般的に、第2受信部安全部CPU29側のプログラムの再起動は、第2受信部無線部CPU28側のプログラムの再起動よりも、長い時間を要する。
【0078】
第2受信部無線部CPU28における無線通信処理、及び、第2受信部安全部CPU29における機能安全処理は、何れも、第2受信部無線部CPU28と第2受信部安全部CPU29との間で、データ通信線48を介して通信する処理を含んでいる。仮に、第2受信部安全部CPU29のプログラムの起動が完了する前に、第2受信部無線部CPU28のプログラムの起動が完了して無線通信処理を開始した場合、第2受信部安全部CPU29との通信ができないため、通信エラーによりプログラムが異常停止する原因となる。
【0079】
これを防止するため、第2受信部無線部CPU28の無線通信処理プログラムは、実質的な処理を開始する前に、データ通信線48を介して、第2受信部安全部CPU29に対して起動問合せの信号を送信するように構成されている。この起動問合せ信号に対して第2受信部安全部CPU29からの返答がない限り、第2受信部無線部CPU28は無線通信に関する処理を開始せず、第2受信部安全部CPU29に対して起動問合せ信号を所定時間毎に反復して送信する。
【0080】
第2受信部安全部CPU29で実行される機能安全プログラムは、第2受信部無線部CPU28からデータ通信線48を介して起動問合せの信号を受信した場合、返答の信号を第2受信部無線部CPU28へ送信するように構成されている。従って、第2受信部安全部CPU29において機能安全プログラムが起動した時点で、第2受信部安全部CPU29は、第2受信部無線部CPU28からの起動問合せ信号に返答することができるようになる。
【0081】
第2受信部無線部CPU28は、上記の返答によって第2受信部安全部CPU29の起動が完了したことを確認した後、実質的に無線通信処理を開始する。これにより、第2受信部無線部CPU28において、第2受信部安全部CPU29との通信エラーの発生を防止することができる。
【0082】
次に、図9及び図10を参照して、第2受信部無線部CPU28及び第2受信部安全部CPU29の具体的な処理を説明する。
【0083】
図9のフローチャートで示すように、第2受信部無線部CPU28のプログラムの起動が完了すると、第2受信部無線部CPU28は最初に、第2受信部安全部CPU29に対して起動問合せ信号を送信する(ステップS101)。
【0084】
第2受信部無線部CPU28は、送信から所定時間以内に、起動問合せに対する返答を第2受信部安全部CPU29から受信したか否かを判定する(ステップS102)。返答の受信がなかった場合は、処理はステップS101に戻る。
【0085】
ステップS102の判断で、起動問合せに対する返答を第2受信部安全部CPU29から受信した場合、無線通信に関する処理が開始される(ステップS103)。
【0086】
図10のフローチャートで示すように、第2受信部安全部CPU29のプログラムの起動が完了すると、第2受信部安全部CPU29は、機能安全に関する処理を実行する(ステップS201)。
【0087】
続いて、第2受信部安全部CPU29は、第2受信部無線部CPU28から起動問合せを受信したか否かを判定する(ステップS202)。起動問合せを受信していた場合は、第2受信部安全部CPU29は、返答を第2受信部無線部CPU28へ送信する(ステップS203)。その後、処理はステップS201に戻り、上記の処理が繰り返される。
【0088】
以上に説明したように、本実施形態の第2受信部22は、第2受信部無線部CPU28と、第2受信部安全部CPU29と、コネクタ24と、を備える。第2受信部無線部CPU28は、無線通信に関する処理を実行する。第2受信部安全部CPU29は、無線通信に関する処理とは異なる、機能安全に関する処理を実行する。コネクタ24は、第2受信部22に対する再起動指示を受け付ける。第2受信部22に電源が投入された場合、供給される電力により第2受信部無線部CPU28が動作を開始することにより、無線通信に関する処理のプログラムが自動的に起動する。供給される電力により第2受信部安全部CPU29が動作を開始することにより、機能安全に関する処理のプログラムが自動的に起動する。コネクタ24が再起動指示を受け付けた場合、無線通信に関する処理のプログラムは、電力の供給が維持された状態の第2受信部無線部CPU28によって終了させられた後に再起動させられる。機能安全に関する処理のプログラムは、第2受信部安全部CPU29に対する電力の供給をいったん停止した後に開始することにより再起動させられる。
【0089】
これにより、電源投入時における起動を複雑化することなく、再起動操作が受け付けられた場合に速やかな再起動を実現することができる。
【0090】
また、本実施形態の第2受信部22は、携帯操作ユニット30と無線通信を行い、その結果に基づいてスタッカクレーン12に信号を送信する端末装置である。
【0091】
これにより、携帯操作ユニット30と無線通信を行う第2受信部22において、電源投入時における起動を複雑化することなく、再起動操作が受け付けられた場合に速やかな再起動を実現することができる。
【0092】
また、本実施形態の第2受信部22において、第2受信部無線部CPU28が行う処理は、携帯操作ユニット30との無線通信である。第2受信部安全部CPU29が行う処理は、前記無線通信の結果に応じて、スタッカクレーン12を安全状態とするための安全状態要求信号をスタッカクレーン12に送信する処理である。
【0093】
この構成では、第2受信部安全部CPU29が行う処理には、安全面での配慮が求められる。本実施形態においては、第2受信部安全部CPU29が行う処理のプログラムを再起動する場合は電源供給のOFF/ONを行うことで、再起動プロセスの信頼性を高めることができる。第2受信部無線部CPU28が行う処理には安全面での配慮がさほど求められない一方、電力供給のOFF/ONを伴う再起動には比較的時間を要する。そこで、第2受信部無線部CPU28が行う処理のプログラムを再起動する場合は、第2受信部無線部CPU28への電源供給を維持した状態で行うことで、速やかな再起動を実現できる。
【0094】
また、本実施形態の第2受信部22において、第2受信部無線部CPU28及び第2受信部安全部CPU29は、相互に情報の送受信が可能なデータ通信線48により接続されている。コネクタ24が再起動指示を受け付けたために無線通信に関する処理のプログラムが再起動した後、第2受信部無線部CPU28は、周期的にデータ通信線48を介して第2受信部安全部CPU29に信号を送信する。コネクタ24が再起動指示を受け付けたために無線通信に関する処理のプログラムが再起動した後、第2受信部安全部CPU29は、第2受信部無線部CPU28からの信号に応じて第2受信部無線部CPU28に信号を送信する。
【0095】
これにより、第2受信部安全部CPU29の再起動の完了の前に第2受信部無線部CPU28の再起動が完了した場合でも、第2受信部安全部CPU29の再起動の完了を第2受信部無線部CPU28が待機することができる。従って、第2受信部無線部CPU28と第2受信部安全部CPU29がスムーズに連携して処理を行うことができる。
【0096】
本実施形態の第2受信部22において、無線通信に関する処理のプログラムは、OSにインストールされる。コネクタ24が再起動指示を受け付けた場合、無線通信に関する処理のプログラムは、OSの再起動を伴わずに再起動させられる。
【0097】
これにより、無線通信に関する処理のプログラムを再起動するための時間を大幅に短縮することができる。
【0098】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。変更は単独で行われても良いし、複数の変更が任意に組み合わせて行われても良い。
【0099】
第2受信部安全部CPU29で構築されているコンピュータに、OSがインストールされても良い。この場合、機能安全に関するプログラムを当該OSにインストールする構成に変更することができる。
【0100】
第2受信部無線部CPU28において、携帯操作ユニット30との無線通信とは異なる処理のプログラムが実行されても良い。第2受信部安全部CPU29において、機能安全とは異なる処理のプログラムが実行されても良い。第2受信部安全部CPU29は、スタッカクレーン12とは異なる産業用機械に信号を出力するために用いられても良い。
【0101】
コネクタ24にリセット信号が入力された場合、第2受信部無線部CPU28がOSの再起動を行っても良い。OSの再起動は、第2受信部無線部CPU28に対する電力の供給が維持された状態で行われる。無線通信に関する処理のプログラムは、OSの再起動に伴って、当然に再起動される。
【0102】
コネクタ24を介してリセット信号を入力する構成に代えて、第2受信部22にリセットスイッチを備え、リセットスイッチの操作を再起動指示として受け付ける構成に変更することもできる。
【0103】
第2受信部22に対して、スタッカクレーン12以外の装置から電力が供給されても良い。第2受信部22自身が、バッテリー等の電源部を備えていても良い。
【符号の説明】
【0104】
6 携帯型リモコン(無線送信装置)
12 スタッカクレーン(産業用機械)
22 第2受信部(端末装置)
24 コネクタ(受付部)
28 第2受信部無線部CPU(第1CPU)
29 第2受信部安全部CPU(第2CPU)
48 データ通信線(通信線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10