IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ DRD4株式会社の特許一覧

特開2024-170240情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理方法、条件設定プログラム、車両貸出プログラム、還元設定プログラム、及び申込みプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170240
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理プログラム、情報処理方法、条件設定プログラム、車両貸出プログラム、還元設定プログラム、及び申込みプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20241129BHJP
【FI】
G06Q30/0645
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087287
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】522413663
【氏名又は名称】DRD4株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 慶一
(72)【発明者】
【氏名】山川 照人
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB68
5L049BB68
(57)【要約】
【課題】利用者が自動車を他者に貸し出した場合において、他者から利用者が支払いを受ける料金の算出を行う情報処理方法等の提供をすること。利用者が自動車を利用して、他者が求める場所を訪れた場合、それに対して受ける還元額の算出を行う情報処理方法等の提供をすること。
【解決手段】情報処理方法は、車両の利用期間に基づいて定めた基本料金と、前記車両の所定期間内における利用走行距離に基づいて定めた従量料金とから算出した前記車両に関し車両利用者が支払う料金を取得し、前記車両の貸し出しにより得られた貸出料金、又は、所定の誘致場所を目的地として、前記車両を利用して移動した場合に得られる還元額を前記車両に関し前記車両利用者が支払いを受けられる料金として算出し、前記車両利用者が支払う料金、及び前記車両利用者が支払いを受けられる料金を出力する処理をコンピュータが実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の利用期間に基づいて定めた基本料金と、前記車両の所定期間内における利用走行距離に基づいて定めた従量料金とから算出した前記車両に関し車両利用者が支払う料金を取得し、
前記車両の貸し出しにより得られた貸出料金、又は、所定の誘致場所を目的地として、前記車両を利用して移動した場合に得られる還元額を前記車両に関し前記車両利用者が支払いを受けられる料金として算出し、
前記車両利用者が支払う料金、及び、前記車両利用者が支払いを受けられる料金を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記車両利用者より前記車両を借り出した貸出利用者が、前記車両を走行させた走行距離と、前記車両利用者が定めた第1の距離単価とに基づき、前記貸出利用者が支払うべき前記貸出料金を算出し、
算出した前記貸出料金を出力する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記従量料金は、第2の距離単価に基づき定められたものであって、
前記車両利用者が、前記第1の距離単価を、第2の距離単価より低い金額とした場合に、前記車両利用者に対し、その旨を通知する、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記走行距離は、貸出期間における前記車両の位置情報に基づき決定する
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記走行距離を計算する期間を、前記貸出利用者からの申告に基づき、決定する
請求項2又は請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記貸出料金に、所定の手数料を上乗せした料金を、前記貸出利用者へ向けて出力する
請求項2又は請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記車両利用者の支払う料金から、前記貸出料金を差し引く
請求項2又は請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項8】
所定の出発場所から、前記車両を利用した移動の目的地とされるべく設定された前記誘致場所までの路程と、距離単価とに基づいて、前記還元額を算出し、
算出した前記還元額を、前記車両利用者又は貸出利用者へ還元する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
路程は、衛星測位システムにより求めた経路に基づき算出する
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記車両が前記誘致場所に到着したことを検出した場合、前記車両利用者又は前記貸出利用者への還元を実行する
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記車両が前記誘致場所に到着したことの検出は、前記車両利用者又は前記貸出利用者の端末から、前記誘致場所に設置された二次元コードを読み取った旨の通知により行う
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記車両が前記誘致場所に到着したことの検出は、前記車両の位置情報に基づき行う
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記車両利用者への還元は、前記還元額を前記車両利用者へ支払うための処理、又は、前記車両利用者の支払う料金から、前記還元額を差し引く処理であり、
前記貸出利用者への還元は、前記還元額の前記貸出利用者へ支払うための処理、又は、前記貸出料金から、前記還元額を差し引く処理である
請求項8から請求項12の何れか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記還元額に相当するクーポンを前記車両利用者又は前記貸出利用者へ提供する
請求項8から請求項12の何れか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
車両の利用期間に基づいて定めた基本料金を取得し、
前記車両の所定期間内における利用走行距離と、距離単価とに基づき、従量料金を算出し、
前記車両の貸し出しにより得られた貸出料金、又は、所定の誘致場所を目的地として、前記車両を利用して移動した場合に得られる還元額を算出し、
前記基本料金と前記従量料金とから算出した利用料、及び、前記貸出料金又は前記還元額を出力する
処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【請求項16】
車両の利用期間に基づいて定めた基本料金を取得し、
前記車両の所定期間内における利用走行距離と、距離単価とに基づき、従量料金を算出し、
前記車両の貸し出しにより得られた貸出料金、又は、所定の誘致場所を目的地として、前記車両を利用して移動した場合に得られる還元額を算出し、
前記基本料金と前記従量料金とから算出した利用料、及び、前記貸出料金又は前記還元額を出力する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項17】
車両の貸出可能期間と、前記車両の走行距離毎の料金単価とを含む貸出条件とを受け付け、
受け付けた前記貸出条件を送信する
処理をコンピュータに実行させる条件設定プログラム。
【請求項18】
受け付けた料金単価が、前記車両の車両利用者が支払う従量料金の算定に用いられる単価よりも低い場合、警告を出力する
請求項17に記載の条件設定プログラム。
【請求項19】
車両の貸出を受けたい貸出期間と、貸出料金の算定に用いられる走行距離の料金単価の希望額を含む貸出条件を受け付け、
受け付けた前記貸出条件を送信し、
前記貸出条件に合致する車両の情報を受信し、
受信した前記車両の情報を表示し、
前記車両の選択操作を受け付けた場合、選択された前記車両の識別情報を送信する
処理をコンピュータに実行させる車両貸出プログラム。
【請求項20】
前記車両の利用開始を受け付けた場合、前記車両の利用開始の旨を送信し、
前記車両の利用終了を受け付けた場合、前記車両の利用終了の旨を送信する
請求項19に記載の車両貸出プログラム。
【請求項21】
車両を利用した移動の目的地とされるべく設定された誘致場所の情報と、前記誘致場所を目的地として前記車両を走行させた場合に付与される特典とを含む還元情報を受け付け、
受け付けた前記還元情報を送信する
処理をコンピュータに実行させる還元設定プログラム。
【請求項22】
車両による移動の目的地についての条件を受け付け、
受け付けた前記条件を送信し、
前記条件に合致する誘致場所を受信し、
受信した前記誘致場所を表示し、
前記誘致場所の選択操作を受け付けた場合、選択された前記誘致場所の識別情報を送信する
処理をコンピュータに実行させる申込みプログラム。
【請求項23】
前記誘致場所に設置されたに二次元コードを読み込み、
読み込んだ二次元コードに含まれる情報に基づき、前記誘致場所に到着した旨の情報を送信する
請求項22に記載の申込みプログラム。
【請求項24】
前記誘致場所への到着した旨の操作を受け付け場合、到着した旨の情報を送信し、
前記車両の位置に基づく到着判定結果を受信し、
受信した前記到着判定結果を表示する
請求項22に記載の申込みプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の利用に伴って、当該車両の利用者が支払う料金を出力する情報処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の販売価格が上昇している。自動車を入手する際の金銭負担を軽減するため、残価型自動車クレジットが利用されている。残価型自動車クレジットは、車両価格全額を対象にせず、一定時間・一定の距離を走行することを事前に想定し、自動車の残存価格を予想した上で、元本から残存価格を差し引いた額を支払い元本とするものである。しかし、残価型自動車クレジットの利用者による自動車の走行実績距離が、想定されている距離よりも少ない場合、距離の差分に相当する残存額を、利用者は余計に支払うことになり、不合理である。
【0003】
さて、IT技術の進展に伴い、個人間での連絡が容易となったこともあり、IT技術を用いた個人間での物の貸し借りも行なわれている。特許文献1には、対象物(車両又は住居等)の共同使用を支援するためのシステムが提案されている。しかし、特許文献1に記載のシステムでは、賃借人から賃貸人への支払額の算出方法については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6481076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。本発明は、利用者が自動車を他者に貸し出した場合において、他者から利用者が支払いを受ける料金の算出を行う情報処理方法等の提供を、第1の目的とする。また、本発明は、利用者が自動車を利用して、他者が求める場所を訪れた場合、それに対して受ける還元額の算出を行う情報処理方法等の提供を、第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様に係る情報処理方法は、車両の利用期間に基づいて定めた基本料金と、前記車両の所定期間内における利用走行距離に基づいて定めた従量料金とから算出した前記車両に関し車両利用者が支払う料金を取得し、前記車両の貸し出しにより得られた貸出料金、又は、所定の誘致場所を目的地として、前記車両を利用して移動した場合に得られる還元額を前記車両に関し前記車両利用者が支払いを受けられる料金として算出し、前記車両利用者が支払う料金、及び前記車両利用者が支払いを受けられる料金を出力する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0007】
本願の一態様にあっては、利用者が自動車を他者に貸し出した場合において、他者から利用者が支払いを受ける料金の算出を行うことが可能となる。また、本願の一態様にあっては、利用者が自動車を利用して、他者が求める場所を訪れた場合、それに対して受ける還元額の算出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】自動車取引システムの構成例を示す説明図である。
図2】サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】利用者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4】所有者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5】通信デバイスのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6】賃借人端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図7】提供者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図8】顧客DBの例を示す説明図である。
図9】契約DBの例を示す説明図である。
図10】デバイスDBの例を示す説明図である。
図11】位置情報DBの例を示す説明図である。
図12】走行距離DBの例を示す説明図である。
図13】走行実績DBの例を示す説明図である。
図14】請求実績DBの例を示す説明図である。
図15】貸出条件DBの例を示す説明図である。
図16】予約DBの例を示す説明図である。
図17】貸出実績DBの例を示す説明図である。
図18】位置情報取得処理の手順例を示すフローチャートである。
図19】走行距離算出処理の手順例を示すフローチャートである。
図20】貸出条件登録処理の手順例を示すフローチャートである。
図21】貸出条件登録処理の手順例を示すフローチャートである。
図22】予約処理の手順例を示すフローチャートである。
図23】予約確認処理の手順例を示すフローチャートである。
図24】貸出開始処理の手順例を示すフローチャートである。
図25】貸出終了処理の手順例を示すフローチャートである。
図26】賃料算出処理の手順例を示すフローチャートである。
図27】料金設定画面の例を示す説明図である。
図28】スケジュール登録画面の例を示す説明図である。
図29】時間帯設定サブ画面の例を示す説明図である。
図30】貸出・受渡登録画面の例を示す説明図である。
図31】貸出登録情報画面の例を示す説明図である。
図32】予約画面の例を示す説明図である。
図33】予約状況画面の例を示す説明図である。
図34】提供者DBの例を示す説明図である。
図35】誘致DBの例を示す説明図である。
図36】申込みDBの例を示す説明図である。
図37】誘致登録処理の手順例を示すフローチャートである。
図38】申込み処理の手順例を示すフローチャートである。
図39】報奨請求処理の手順例を示すフローチャートである。
図40】報奨付与処理の手順例を示すフローチャートである。
図41】誘致登録画面の例を示す説明図である。
図42】申込み画面の例を示す説明図である。
図43】請求処理の手順例を示すフローチャートである。
図44】利用料金表示画面の例を示す説明図である。
図45】利用料金表示画面の他の例を示す説明図である。
図46】利用料金表示画面の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は自動車取引システムの構成例を示す説明図である。自動車取引システム100はサーバ1、利用者端末2、所有者端末3、通信デバイス4、賃借人端末5、及び提供者端末6を含む。本実施の形態において、提供者端末6は必須の構成ではない。
【0010】
サーバ1は自動車取引システム100の運用に関わる種々の情報処理を担う情報処理装置である。サーバ1はサーバコンピュータ、ワークステーション、PC(Personal Computer)等で構成する。また、サーバ1を複数のコンピュータからなるマルチコンピュータやクラスタシステム、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシン又は量子コンピュータで構成しても良い。さらに、サーバ1の機能をクラウドサービスで実現してもよい。
【0011】
図2はサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。サーバ1は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15を含む。各構成はバスBにより接続されている。
【0012】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有する。制御部11は、補助記憶部13に記憶された制御プログラム1P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、サーバ1が担う種々の情報処理、制御処理等を行い、各種の機能部を実現する。
【0013】
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。主記憶部12は主として制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0014】
補助記憶部13はハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等であり、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1Pや各種DB(Database、データベース)を記憶する。補助記憶部13は、顧客DB131、契約DB132、デバイスDB133、位置情報DB134、走行距離DB135、走行実績DB136、請求実績DB137、貸出条件DB138、予約DB139、貸出実績DB13A、提供者DB13B、誘致DB13C及び申込みDB13Dを記憶する。補助記憶部13はサーバ1に外部接続された外部記憶装置であってもよい。補助記憶部13に記憶する各種DB等を、サーバ1とは異なるデータベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0015】
通信部14はネットワークNを介して、利用者端末2、所有者端末3、通信デバイス4、賃借人端末5、及び提供者端末6と通信を行う。また、制御部11が通信部14を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム1Pをダウンロードし、補助記憶部13に記憶してもよい。
【0016】
読み取り部15はCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読み取り部15を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、補助記憶部13に記憶してもよい。また、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
【0017】
利用者端末2は自動車を利用する車両利用者が使用する端末である。自動車取引システム100では、車両利用者はオートローン、残価設定型クレジット等により、自動車を購入するか、リース契約により、自動車を借り受けることを想定している。利用者端末2はスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、PC等で構成する。以降、車両利用者を単に利用者ともいう。自動車を車両ともいう。
【0018】
図3は利用者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。利用者端末2は制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、表示パネル25、操作部26及び撮像部27を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0019】
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部21は、補助記憶部23に記憶された制御プログラム2P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、種々の機能を提供する。
【0020】
主記憶部22は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部22は主として制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0021】
補助記憶部23はハードディスク又はSSD等であり、制御部21が処理を実行するために必要な各種データを記憶する。補助記憶部23は利用者端末2に外部接続された外部記憶装置であってもよい。補助記憶部23に記憶する各種DB等を、データベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0022】
通信部24はネットワークNを介して、サーバ1と通信を行う。また、制御部21が通信部24を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム2Pをダウンロードし、補助記憶部23に記憶してもよい。
【0023】
表示パネル25は、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成することができる。操作部26は、例えば、表示パネル25に組み込まれたタッチパネルで構成することができ、利用者が表示パネル25上で行う所定の操作を行うことができる。また、操作部26は、表示パネル16に表示したソフトウェアキ-ボード上の操作を行うことができる。なお、操作部26は、ハードウェアキーボード、マウスなどでもよい。
【0024】
撮像部27は例えばCCDカメラ又はCMOSカメラ等であり、CCD又はCOMS等を介して入力された光信号を光電変換することにより画像データを取得する。
【0025】
所有者端末3は、自動車の所有者が使用する端末である。自動車の所有者は、ローン会社やクレジット会社、リース会社等である。自動車取引システム100の運営者が所有者となってもよい。所有者端末3はPC、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等で構成する。
【0026】
図4は所有者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。所有者端末3は制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、入力部35及び表示部36を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0027】
制御部31は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部31は、補助記憶部33に記憶された制御プログラム3P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、種々の機能を提供する。
【0028】
主記憶部32は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部32は主として制御部31が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0029】
補助記憶部33はハードディスク又はSSD等であり、制御部31が処理を実行するために必要な各種データを記憶する。補助記憶部33は所有者端末3に外部接続された外部記憶装置であってもよい。補助記憶部33に記憶する各種DB等を、データベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0030】
通信部34はネットワークNを介して、サーバ1と通信を行う。また、制御部31が通信部34を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム3Pをダウンロードし、補助記憶部33に記憶してもよい。
【0031】
入力部35はキーボードやマウスである。表示部36は液晶表示パネル又は有機EL(electro Luminescence)表示パネル等を含む。表示部36はサーバ1が出力した利用者情報などを表示する。また、入力部35と表示部36とを一体化し、タッチパネルディスプレイを構成してもよい。なお、所有者端末3は外部の表示装置に表示を行ってもよい。
【0032】
通信デバイス4は自動車に取り付けてあるデバイスである。通信デバイス4は衛星測位システム等を利用して自己の位置を測定する機能、測定した位置を移動体通信網により、サーバ1へ送信する機能を備える。通信デバイス4は例えば、通信型ドライブレコーダにより構成する。
【0033】
図5は通信デバイスのハードウェア構成例を示すブロック図である。通信デバイス4は制御部41、主記憶部42、補助記憶部43、通信部44、位置取得部45及び撮像部46を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0034】
制御部41は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部41は、補助記憶部43に記憶された制御プログラム4P(プログラム、プログラム製品)を読み出して実行することにより、通信デバイス4の制御を行う。
【0035】
主記憶部42は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部42は主として制御部41が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0036】
補助記憶部43はSDメモリカード又はSSD等であり、制御部41が処理を実行するために必要な各種データを記憶する。また、補助記憶部43は位置取得部45が取得した位置情報や、撮像部46が取得した画像を記憶する。
【0037】
通信部44はネットワークNを介して、サーバ1と通信を行う。通信部44はSIM(Subscriber Identity Module)カード441を備えており、移動体通信網を利用して、サーバ1へ位置情報や画像を送信する。
【0038】
位置取得部45は、GPS(Global Positioning System)受信機等で構成する。位置取得部45は、GPS衛星からの電波を受信する。位置取得部45は、受信した衛星電波を元に、自らの位置を求める。
【0039】
撮像部46は例えばCCDカメラ又はCMOSカメラ等で構成する。撮像部46はCCD又はCOMS等を介して入力された光信号を光電変換することにより画像データを取得する。
【0040】
賃借人端末5は利用者から自動車の時間貸しを受けるもの(貸出利用者)が利用する端末である。賃借人端末5はスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、PC等で構成する。利用者は自動車の時間貸しを行う場合においては、賃貸人となる。
【0041】
図6は賃借人端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。賃借人端末5は制御部51、主記憶部52、補助記憶部53、通信部54、表示パネル55、操作部56及び撮像部57を含む。各構成はバスBで接続されている。主記憶部52、補助記憶部53、通信部54、表示パネル55、操作部56及び撮像部57それぞれは、利用者端末2の制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、表示パネル25、操作部26及び撮像部27と同様な構成であるから、説明を省略する。
【0042】
提供者端末6は一般消費者を所定の施設や観光スポット等(誘致場所)に誘致する活動を行っている法人や公共団体(誘致者)が利用する端末である。誘致者は自動車取引システム100を利用して、利用者又は貸借人が誘致場所を訪れた場合、金銭やポイント等のインセンティブを支給する。提供者端末6はPC、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、スマートフォン等で構成する。
【0043】
図7は提供者端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。提供者端末6は制御部61、主記憶部62、補助記憶部63、通信部64、入力部65及び表示部66を含む。各構成はバスBで接続されている。制御部61、主記憶部62、補助記憶部63、通信部64、入力部65及び表示部66それぞれは、所有者端末3の主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、入力部35及び表示部36と同様な構成であるから、説明を省略する。
【0044】
次に、自動車取引システム100において、利用者から徴収する利用料金について説明する。利用料金は、毎月の基本料金と従量料金を支払う2階建てのような形態としている。基本料金は毎月一定であり、従量料金は、毎月の車両の走行距離により算出する。基本料金、従量料金の距離単価の算出については種々の方法が考えられ、採用しうる。本件に関連するのは、利用料金が基本料金と従量料金の2階建てとなっている点であり、基本料金、従量料金の距離単価の算出の方法については、本件との関係は薄いので、以下、一の算出方法について、具体例を用いて説明するに留める。
【0045】
ここでは、3年リース、月間300km迄乗り放題プランと題する料金プランにおける基本料金と従量料金の距離単価の算出方法について説明する。当該料金プランでは、月間の車両の総走行距離が300km以内であれば、利用料金は基本料金のみとする。総走行距離が300kmを超えた場合、基本料金に、超えた距離(1km単位)と距離単価とから算出した従量料金とを加えた値を利用料金とするものである。
【0046】
基本料金及び距離単価の算出には、車両の残価データを用いる。残価データは残価、又は、残価率である。残価とは残存価格の略語である。残価は車両の将来価値を示す。例えば、リース開始時の車両本体価格が200万円とし、リース期間満了の3年後の車両本体価格が100万円とした場合、残価は100万円、残価率は50%である。残価は、車種、走行距離、グレード、車体色等により、定まる。残価や残価率は、中古車市場動向に基づいて定める。または、調査会社等から残価データを入手する。
【0047】
例えば、算出対象とする車両について、現在の車両本体価格と、リース期間3年の総走行距離が10,800kmであるとした場合の3年後の残価とに基づき、残価率を算出する。10,800kmは、毎月の総走行距離300kmとした場合の3年間の総走行距離である。残価率が85%であったとする。そして、リース開始時の車両本体価格に諸経費及び利益を載せた額、算定基礎額が720万円であったとする。
【0048】
基本料金=算定基礎額×(1-残価率)÷(リース月数)と定義すると、上記の条件では、3万円となる。なお、基本料金の算出方法は一例であり、これに限るものではない。
【0049】
距離単価は総走行距離が異なる2つの残価に基づいて算出する。3年間の総走行距離が18,000kmとの残価は、10,800kmとの残価よりも180,000円減少すると仮定する。このとき、減少分を1kmあたりに換算する。ここで、総走行距離の差分は、7,200kmであるから、180,000円÷7,200km=25円/kmとなる。25円に諸経費や利益などとして5円が必要と仮定すると、距離単価30円となる。
【0050】
続いて、自動車取引システム100が用いるデータベースについて説明する。図8は顧客DBの例を示す説明図である。顧客DB131は顧客についての情報を記憶する。ここでの顧客は、利用者又は賃借人である。顧客DB131は顧客ID列、種別列、氏名列、性別列、生年月日列及び住所列を含む。顧客ID列は顧客を一意に特定可能な顧客IDを記憶する。種別列は顧客の種別、ここでは利用者又は賃借人を記憶する。氏名列は顧客の氏名を記憶する。性別列は顧客の性別を記憶する。生年月日列は顧客の生年月日を記憶する。住所列は顧客の住所を記憶する。なお、顧客DBは、顧客の電子メールアドレス、職業、趣味、年収など、その他の個人情報を記憶してもよい。
【0051】
図9は契約DBの例を示す説明図である。契約DB132は車両の利用契約の情報を記憶する。契約DB132は顧客ID列、車両ID列、支払開始月列、支払終了月列、料金プラン列、月額基本料金列、距離単価列、及びボーナス払い列を含む。顧客ID列は顧客IDを記憶する。車両ID列は顧客が利用契約を結んでいる対象車両の車両IDを記憶する。車両IDは、自動車取引システム100において各車両を一意に特定可能であればよい。車両IDは独自に発行してもよいが、ISO3833が定義されている車両識別番号(Vehicle Identification Number、略してVIN)や国土交通省から付与される車台番号を用いてもよい。支払開始月列は利用者が料金の支払いを開始する又は開始した時点の年と月とを記憶する。支払終了月列は利用者が料金の支払いを終了する又は終了した時点の年と月とを記憶する。料金プラン列は料金プランの名称を記憶する。月額基本料金列は月あたりの基本料金を記憶する。距離単価列は従量料金を算出する際に用いる単位距離あたりの料金を記憶する。ここでは、1kmあたりの料金である。ボーナス払い列は利用料金をボーナス払いする場合の支払月や金額を記憶する。
【0052】
図10はデバイスDBの例を示す説明図である。デバイスDB133は通信デバイス4についての情報を記憶する。デバイスDB133は車両ID列、端末管理番号列、IMEI列及びSIM列を含む。車両ID列は通信デバイス4が取り付けられている車両の車両IDを記憶する。端末管理番号列は通信デバイス4の管理番号を記憶する。IMEI列は国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identifier)を記憶する。SIM列は通信デバイス4が備えるSIMカード441の端末製造番号を記憶する。
【0053】
図11は位置情報DBの例を示す説明図である。位置情報DB134は通信デバイス4の位置、すなわち車両の位置を記憶する。位置情報DB134はIMEI列、SIM列、Trip開始列、Trip終了列、時刻列、緯度列及び経度列を含む。IMEI列は通信デバイス4の国際移動体装置識別番号を記憶する。SIM列は通信デバイス4が備えるSIMカード441の端末製造番号を記憶する。Trip開始列はTripの開始に該当するレコードである場合、フラグが立つ。Trip終了列はTripの終了に該当するレコードである場合、フラグが立つ。Tripは車両のひとまとまりの運行である。TripのTrip開始時点はエンジンの始動時点、Trip終了時点はエンジンの停止時点である。図11ではフラグが立っていることをチェックマークで示す。時刻列は位置を観測した時刻を記憶する。緯度列は位置を示す緯度を記憶する。経度列は位置を示す経度を記憶する。
【0054】
図12は走行距離DBの例を示す説明図である。走行距離DB135は各Tripの走行距離を記憶する。走行距離DB135は車両ID列、IMEI列、開始列、終了列、Trip列、及び走行距離列を含む。車両ID列は車両IDを記憶する。IMEI列は通信デバイス4に付与されたIMEIを記憶する。開始列はTripの開始日時を記憶する。終了列はTripの終了日時を記憶する。Trip列は順番号を記憶する。走行距離列はTripの走行距離を記憶する。図12の例では単位はメートル(m)である。走行距離の算出は次のように行う。位置情報DB134に基づき、Tripの開始地点、終了地点、途中の通過点を、道路ネットワークデータを持つ電子地図にプロットし、マップマッチング技術により、開始地点から終了地点までの経路を求める。経路を構成する各道路セグメントの路程を、道路ネットワークデータの属性から取得する。取得した路程を足し合わせて、走行距離を算出する。
【0055】
図13は走行実績DBの例を示す説明図である。走行実績DB136は各車両の月毎の総距離を記憶する。走行実績DB136は車両ID列、IMEI列、年月列及び総距離列を含む。車両ID列は車両IDを記憶する。IMEI列は通信デバイス4に付与されたIMEIを記憶する。年月列は算出対象とした年月を記憶する。総距離列は対象月の総走行距離を記憶する。総走行距離は、走行距離DB135から対象月のデータを抽出し、抽出したレコードの走行距離を合計した値である。なお、月をまたぐTripについては、開始日時で判断するのか、終了日時で判断するのか、予め定めておくこととする。
【0056】
図14は請求実績DBの例を示す説明図である。請求実績DB137は利用者への利用料金の請求実績を記憶する。請求実績DB137は顧客ID列、車両ID列、IMEI列、利用年月列、従量料金列及び利用料金列を含む。顧客ID列は顧客IDを記憶する。車両ID列は利用者が利用している車両の車両IDを記憶する。IMEI列は通信デバイス4に付与されたIMEIを記憶する。利用年月列は請求対象となった車両の利用月を記憶する。従量料金列は請求した従量料金の値を記憶する。利用料金列は請求した利用料金の値を記憶する。
【0057】
図15は貸出条件DBの例を示す説明図である。貸出条件DB138は利用者が他者へ車両を賃貸したい条件等を記憶する。貸出条件DB138は貸出ID列、顧客ID列、車両ID列、距離単価列、貸出日時登録列、開始日時列、終了日時列、及び掲載列を含む。貸出ID列は各申し出を特定するための貸出IDを記憶する。顧客ID列は利用者の顧客IDを記憶する。車両ID列は貸し出す車両の車両IDを記憶する。距離単価列は走行距離毎の貸出料金を記憶する。貸出日時登録列は申し出の名称を記憶する。開始日時列は貸出が可能となる開始日時を記憶する。終了日時列は貸出可能の終了日時を記憶する。掲載列は貸出情報を掲載しているか否かを記憶する。
【0058】
図16は予約DBの例を示す説明図である。予約DB139は賃借人による車両の利用予約情報を記憶する。予約DB139は貸出ID列、枝番列、顧客ID列、名前列、携帯番号列、車両ID列、車両IMEI列、距離単価列、開始予定日時列、終了予定日時列、及び状態列を含む。貸出ID列は貸出IDを記憶する。枝番列は枝番を記憶する。1つの貸出IDに対して複数の予約が入った場合に識別するためである。顧客ID列は賃借人の顧客IDを記憶する。名前列は賃借人の氏名を記憶する。携帯番号列は賃借人の携帯電話番号を記憶する。車両ID列は賃借される車両の車両IDを記憶する。車両IMEI列は車両に取り付けられている通信デバイス4のIMEIを記憶する。距離単価列は走行距離毎の貸出料金を記憶する。開始予定日時列は車両の貸出を開始する予定日時を記憶する。終了予定日時列は貸出を終了する予定日時を記憶する。状態列は予約の状態を示す。予約が登録された直後、状態は承認待ちとなる。利用者が予約を承認すると、状態は承認済となる。利用者が予約を拒否すると、状態は未承認となる。
【0059】
図17は貸出実績DBの例を示す説明図である。貸出実績DB13Aは賃借人が車両を賃借した実績の情報を記憶する。貸出実績DB13Aは貸出ID列、枝番列、顧客ID列、開始日時列、終了日時列、走行距離列、請求料金列、手数料列及び支払額列を含む。貸出ID列は貸出IDを記憶する。枝番列は枝番を記憶する。顧客ID列は賃借人の顧客IDを記憶する。開始日時列は車両の貸出を開始した日時を記憶する。終了日時列は車両の貸出を終了した日時を記憶する。走行距離列は貸出期間での車両の走行距離を記憶する。請求料金列は賃借人に請求された料金を記憶する。手数料列は運営者等が徴収するシステム利用手数料を記憶する。支払額列は利用者に支払われた金額を記憶する。
【0060】
次に、自動車取引システム100が行う情報処理について説明する。図18は位置情報取得処理の手順例を示すフローチャートである。位置情報取得処理は、車両に取り付けられている通信デバイス4から位置情報を取得して、車両の位置を位置情報DB134に蓄積する処理である。通信デバイス4は車両のエンジンが起動したことを検知して、処理を開始する。通信デバイス4の制御部41はサーバ1へ認証要求を送信する(ステップS1)。サーバ1の制御部11は認証要求を受信する(ステップS2)。制御部11は認証を行う(ステップS3)。例えば制御部11はSMS認証を行う。制御部11は認証結果を通信デバイス4へ送信する(ステップS4)。通信デバイス4の制御部41は認証結果を受信する(ステップS5)。制御部41は認証に成功したか否か判定する(ステップS6)。制御部41は認証に失敗したと判定した場合(ステップS6でNO)、処理を終了する。制御部41は認証に成功したと判定した場合(ステップS6でYES)、位置取得部45での測位結果をサーバ1へ送信する(ステップS37)。サーバ1の制御部11は測位結果受信する(ステップS38)。制御部11は測位結果に基づく車両の位置情報を位置情報DB134に記憶する(ステップS9)。制御部11は位置情報を記憶した旨の応答を通信デバイス4へ送信する(ステップS10)。通信デバイス4の制御部41は応答を受信する(ステップS11)。制御部41は処理を終了するか否かを判定する(ステップS12)。例えば、制御部41は車両のエンジンが停止したことを検知した場合、終了すると判定する。制御部41は処理を終了しないと判定した場合(ステップS12でNO)、処理をステップS7へ戻して、処理を続行する。制御部41は処理を終了すると判定した場合(ステップS12でYES)、終了をサーバ1へ送信する(ステップS13)。サーバ1の制御部11は終了を受信する(ステップS14)。制御部11は終了を記憶する(ステップS15)。例えば、制御部11は、最新の位置情報にTrip終了のフラグを立てる。制御部11は応答を通信デバイス4へ送信する(ステップS16)。通信デバイス4の制御部41は応答を受信し(ステップS17)、処理を終了する。
【0061】
図19は走行距離算出処理の手順例を示すフローチャートである。走行距離算出処理は位置情報DB134に記憶している位置情報に基づいて、各Tripの車両走行距離を算出する処理である。サーバ1の制御部11は処理対象とする1つのTripに含まれる位置情報を取得する(ステップS31)。制御部11は位置情報に基づいて、Tripの開始位置、終了位置、途中の通過位置を、電子地図上にプロットする(ステップS32)。その際、制御部11は、各点と道路ラインデータとの重なりを調べ、すべての点が道路上になるように補正する(マップマッチングを行う)。制御部11はプロットした位置と、道路ラインデータ又は道路ネットワークデータとより、開始位置から修了位置までの経路を生成する(ステップS33)。制御部11は経路と道路ネットワークデータとから、走行距離を算出する(ステップS34)。制御部11は走行距離を走行距離DB135に記憶する(ステップS35)。制御部11は終了するか否かを判定する(ステップS36)。制御部11は走行距離を算出していないTripがなければ終了すると判定し、そうでなければ、終了しないと判定する。制御部11は終了しないと判定した場合(ステップS36でNO)、処理をステップS31へ戻し、処理を続行する。制御部11は終了と判定した場合(ステップS36でYES)、処理を終了する。なお、走行距離算出処理は、位置情報取得処理おいて、1つのTripの終了を検知する毎に、当該Tripを対象として走行距離を算出することが望ましい。この場合、ステップS36は不要である。
【0062】
図20及び図21は貸出条件登録処理の手順例を示すフローチャートである。貸出条件登録処理は利用者が車両を貸し出す条件を設定する際に実行される処理である。利用者は利用者端末2の画面において、貸出条件登録メニューを選択する。利用者端末2の制御部21は登録要求をサーバ1へ送信する(ステップS51)。サーバ1の制御部11は登録要求を受信する(ステップS52)。制御部11は料金設定画面を作成する(ステップS53)。料金設定画面は距離単価を設定する画面である。新規登録の場合、距離単価欄は空白とし、既に登録がある場合は、現在の設定値を設定する。制御部11は料金設定画面を利用者端末2へ送信する(ステップS54)。利用者端末2の制御部21は料金設定画面を受信する(ステップS55)。制御部21は料金設定画面を表示パネル25に表示する(ステップS56)。利用者は走行距離毎の貸出料金(貸出単価という)を設定する。制御部21は料金設定を受け付ける(ステップS57)。制御部21は貸出単価が契約単価(第2の距離単価)を越えているか否かを判定する(ステップS58)。契約単価は利用者が契約しているプランにおける距離単価である。制御部21は貸出単価が契約単価以下であると判定した場合(ステップS58でNO)、警告を行う(ステップS59)。貸出単価が契約単価以下であると、利用者は車両を他者に貸し出しても損をする可能性があるからである。但し、利用者が例えば500kmまで乗り放題プランを契約している場合であって、利用実態(昨日迄の走行距離)によっては、当月500km利用しないときは、契約単価を下回る貸出単価を設定しても、利用者は損とならないこともあり得る。そこで、警告を表示する画面で、利用者は貸出単価を修正するかしないか選択可能とする。利用者の選択入力に基づき、制御部11は貸出単価を修正するか否か判定する(ステップS60)。制御部11は貸出単価を修正すると判定した場合(ステップS60でYES)、処理をステップS56へ戻す。制御部11は貸出単価を修正しないと判定した場合(ステップS60でNO)、処理をステップS61へ進める。制御部21は貸出単価が契約単価を越えていると判定した場合(ステップS58でYES)、利用者が設定した貸出単価をサーバ1へ送信する(ステップS61)。サーバ1の制御部11は貸出単価を受信する(ステップS62)。制御部11はスケジュール登録画面を作成する(ステップS63)。スケジュール登録画面は貸出を行うスケジュールを設定する画面である。新規登録の場合、スケジュールは未設定状態とし、既に登録がある場合は、現在の設定を画面に反映させる。制御部11はスケジュール登録画面を利用者端末2へ送信する(ステップS64)。利用者端末2の制御部21はスケジュール登録画面を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS65)。利用者はスケジュール(貸出可能期間)を入力する。制御部21はスケジュールを受け付ける(ステップS66)。制御部21はスケジュールをサーバ1へ送信する(ステップS67)。サーバ1の制御部11はスケジュールを受信する(ステップS68)。制御部11は貸出・受渡登録画面を作成する(ステップS69)。貸出・受渡登録画面は貸出開始時、終了時に車両を貸し出す場所と車両の返却を受ける場所の設定、及び鍵の受け渡しをどのように行うかを設定する画面である。新規登録の場合、未設定状態とし、既に登録がある場合は、現在の設定を画面に反映させる。制御部11は貸出・受渡登録画面を利用者端末2へ送信する(ステップS70)。利用者端末2の制御部21は貸出・受渡登録画面を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS71)。図21へ移る。利用者は車両を貸し出す場所と車両の返却を受ける場所の設定、及び鍵の受け渡し方法を、貸出・受渡登録画面へ入力する。制御部21は貸出場所の設定、及び鍵の受け渡し設定を受け付ける(ステップS72)。制御部21は受け付けた内容をサーバ1へ送信する(ステップS73)。サーバ1の制御部11は貸出場所の設定、及び鍵の受け渡し設定を受信する(ステップS74)。制御部11は貸出単価、スケジュール、貸出場所の設定、及び鍵の受け渡し設定を、貸出条件DB138へ記憶し(ステップS75)、処理を終了する。なお、貸出場所の設定、及び鍵の受け渡し設定は、顧客DB131に記憶してもよい。
【0063】
図22は予約処理の手順例を示すフローチャートである。予約処理は賃借人が車両の利用を予約する処理である。賃借人は賃借人端末5を用いて、自動車取引システム100の貸出サイトにアクセスする。トップ画面には、賃借人端末5の位置を中心とした地図が表示され、当該地図上には貸し出しを受けることが可能な車両の貸出場所がアイコンで表示される。アイコンを選択すると予約処理が開始する。賃借人端末5の制御部51は表示要求をサーバ1へ送信する(ステップS81)。表示要求には車両ID(識別情報)を含む。サーバ1の制御部11は表示要求を受信する(ステップS82)。制御部11は車両の情報、利用条件等を含む貸出登録情報画面を作成する(ステップS83)。制御部11は貸出登録情報画面を賃借人端末5へ送信する(ステップS84)。賃借人端末5の制御部51は貸出登録情報画面を受信する(ステップS85)。賃借人は貸出条件を確認し、貸出予約をする場合は、予約手続きボタンを選択する。そうでない場合は、戻るボタン等を賃借人は選択する。制御部51は操作を受け付け、予約手続をするか否かを判定する(ステップS86)。制御部51は予約手続しないと判定した場合(ステップS86でNO)、処理を終了する。制御部51は予約手続をすると判定した場合(ステップS86でYES)、予約要求をサーバ1へ送信する(ステップS87)。サーバ1の制御部11は予約要求を受信する(ステップS88)。制御部11は予約画面を作成する(ステップS89)。制御部11は予約画面を賃借人端末5へ送信する(ステップS90)。賃借人端末5の制御部51は予約画面を受信し、表示パネル55に表示する(ステップS91)。賃借人は予約画面にて、開始日時と終了日時とを入力し、予約ボタンを選択する。制御部51は入力を受け付ける(ステップS92)。制御部51は受け付けた開始日時と終了日時とをサーバ1へ送信する(ステップS93)。サーバ1の制御部11は開始日時と終了日時とを受信する(ステップS94)。制御部11は賃借人の顧客ID、車両ID、開始日時及び終了日時を含む予約情報を予約DB139に記憶する(ステップS95)。制御部11は予約が登録されたことの通知を利用者へ送信する(ステップS96)。制御部11は完了画面を賃借人端末5へ送信する(ステップS97)。賃借人端末5の制御部51は完了画面を受信し、表示パネル55に表示する(ステップS98)。制御部51は処理を終了する。
【0064】
予約処理に関して、貸出をしたい貸出期間と距離単価の希望額とを含む貸出条件を指定して、貸し出しを受けることが可能な車両を検索する検索機能を提供してもよい。検索にヒットした車両の中から、賃借人が1つを選択した場合に、予約処理が開始する。
【0065】
図23は予約確認処理の手順例を示すフローチャートである。予約が登録されたことの通知は、利用者端末2の表示パネル25に表示される。利用者は通知内にある予約内容を確認するためのハイパーリンクを選択すると、予約確認処理が起動する。利用者端末2の制御部21は予約状況送信の要求をサーバ1へ送信する(ステップS111)。サーバ1の制御部11は予約状況送信の要求を受信する(ステップS112)。制御部11は予約状況を示す予約状況画面を作成する(ステップS113)。制御部11は予約状況画面を利用者端末2へ送信する(ステップS114)。利用者端末2の制御部21は予約状況画面を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS115)。利用者は未承認の予約を選択する。制御部21は予約の詳細内容を表示する(ステップS116)。利用者は詳細内容を確認し、承認するか、拒否するかを入力する。制御部21は入力を受け付ける(ステップS117)。制御部21は受け付けた承認又は拒否の情報をサーバ1へ送信する(ステップS118)。サーバ1の制御部11は情報を受信する(ステップS119)。制御部11は賃借人へのメッセージを作成する(ステップS120)。例えば、承認された場合、メッセージは「予約が承認されました。」とする。拒否された場合、メッセージは「残念ながら、あなたの予約は拒否されました。」とする。制御部11は賃借人へメッセージを送信する(ステップS121)。制御部11は完了画面を利用者端末2へ送信する(ステップS122)。利用者端末2の制御部21は完了画面を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS123)。制御部21は処理を終了する。
【0066】
図24は貸出開始処理の手順例を示すフローチャートである。賃借人は貸出開始時刻に指定された貸出場所に出向き、車両の貸出を受ける。賃借人は車両の利用開始に先立ち、賃借人は賃借人端末5を操作して、貸出開始を申告する。賃借人端末5の制御部51は貸出開始処理を開始する。制御部51は貸出開始をサーバ1へ送信する(ステップS141)。送信する情報には、貸出ID、賃借人の顧客IDが含まれる。サーバ1の制御部11は貸出開始を受信する(ステップS142)。制御部11は貸出実績DB13Aに新規レコードを記憶する(ステップS143)。制御部11は受信した貸出ID、顧客IDを検索キーにして、予約DB139を検索し、該当する利用予約情報を取得する。制御部11は利用予約情報に含まれる貸出ID、枝番、顧客IDを貸出実績DB13Aに記憶する。また、開始日時は現在日時又は開始予定日時を記憶する。制御部11は予約情報を含む確認画面を作成する(ステップS144)。制御部11は確認画面を賃借人端末5へ送信する(ステップS145)。賃借人端末5の制御部51は確認画面を受信し、表示パネル55に表示する(ステップ146)。制御部51は処理を終了する。なお、賃借人が貸出開始を申告しなかった場合、開始時刻は予約した時刻であったとして扱う。
【0067】
図25は貸出終了処理の手順例を示すフローチャートである。賃借人は車両の利用を終了し、利用者へ返却を完了した後、賃借人端末5を操作して、貸出終了を申告する。賃借人端末5の制御部51は貸出終了処理を開始する。制御部51は貸出終了をサーバ1へ送信する(ステップS161)。送信する情報には、貸出ID、賃借人の顧客IDが含まれる。サーバ1の制御部11は貸出終了を受信する(ステップS162)。制御部11は終了日時を貸出実績DB13Aに記憶する(ステップS163)。制御部11は受信した貸出ID、顧客IDを検索キーにして、貸出実績DB13Aを検索し、該当する実績情報を特定する。制御部11は現在日時を、該当する実績情報の終了日時に設定する。なお、開始日時が設定されていない場合、制御部11は予約DB139に記憶されている開始予定日時を、開始日時に設定する。制御部11は賃料算出処理を行う(ステップS164)。制御部11は終了画面を作成し、賃借人端末5へ送信する(ステップS165)。終了画面には、賃借人への請求額が含まれる。賃借人端末5の制御部51は終了画面を受信し、表示パネル55に表示する(ステップS166)。制御部51は処理を終了する。賃借人が不正を行なわないように、賃借人から終了の申告があった場合には、利用者へプッシュ通知等で終了の申告があったことを知らせ、利用者が終了に同意する返答をした場合にのみ、貸出終了処理を続行することにしてもよい。または、賃借人から終了の申告があった場合には、該当する車両の位置が返却すべき場所にあることを確認できた場合にのみ、貸出終了を続行することにしてもよい。さらに、賃借人から終了の申告がない場合であっても、制御部11がTripの終了を検知した場合に、Tripの終了位置が返却すべき場所であると判定したときは、貸出終了としたとして処理してもよい。
【0068】
図26は賃料算出処理の手順例を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は貸出IDを検索キーに予約DBに139を検索し、貸出が終了した車両の車両IDを取得する(ステップS181)。制御部11は車両ID、開始日時、終了日時をキーに走行距離DB135を検索する(ステップS182)。制御部11は検索がヒットしたか否かを判定する(ステップS183)。なお、開始時刻と終了時刻とは、走行距離DB135に記憶されている時刻と完全一致するとは限らないため幅を持たせた検索を行う。制御部11は検索がヒットしていないと判定した場合(ステップS183でNO)、走行距離算出処理を実行する(ステップS184)。走行距離算出処理は図19に示した処理である。制御部11は検索がヒットしたと判定した場合(ステップS183でYES)、賃料等の算出を行う(ステップS185)。賃料は走行距離と利用予約情報に含まれる距離単価とから算出する。運営側が徴収する手数料は、賃料と予め定めた料率とから算出する。利用者へ支払う支払額は、賃料から手数料を差し引いた額である。制御部11は算出した賃料(請求料金)、手数料、支払額を貸出実績DB13Aに記憶する(ステップS186)。制御部11は処理を呼び出し元に戻す。
【0069】
賃料算出において、以下の特例を適用してもよい。賃料は走行距離と距離単価とにより算出するが、例えば、2時間利用に対して走行距離5kmのような場合も想定される。この場合、利用者にとっては、貸し出した時間の長さに対して、走行距離が極端に短いため、得られる賃料が少なく、他者への貸出は割り合わないと感じる可能性がある。そこで、利用時間に応じて最低みなし走行距離を設定する。例えば、2時間利用の場合、20kmと設定する。この場合、走行距離が20kmを越えなくとも、賃料計算では走行距離を20kmとする。走行距離が20kmのときは、その走行距離で賃料を計算する。
【0070】
また、賃料算出において、走行距離に応じた燃料費を算出し、賃料に加算してもよい。レンタカー会社がガソリン車を貸し出す場合においては、ガソリンタンクが満杯の状態で貸し出し、返却直前に給油し、満杯の状態で返却することを行える。しかし、貸し出す車両が、ハイブリッド車や電気自動車の場合、燃料が満杯で返却することが困難な場合がある。また、車両利用者が貸し出す度に、燃料を満杯にした状態するのも手間を要するからである。なお、燃料費を考慮して貸出単価を設定するルールとするのであれば、燃料費の算出は不要である。
【0071】
次に、利用者端末2又は賃借人端末5が表示する画面について説明する。図27は料金設定画面の例を示す説明図である。料金設定画面d01は利用者が車両を他者へ貸し出す場合において、距離単価(貸出単価、第1の距離単価、料金単価)を設定する画面である。料金設定画面d01はプランd011、距離単価d012、走行距離d013、平日単価欄d014、休日単価欄d015、賃料目安表d016、登録ボタンd017を含む。プランd011は利用者が契約しているプランを表示する。距離単価d012は従量料金を計算する際の距離単価(契約単価)を表示する。走行距離d013は前日までの当月の総走行距離を表示する。平日単価欄d014は、車両を平日に貸し出した場合に徴収する賃料の基礎となる距離単価を設定する欄である。休日単価欄d015は、車両を土日・祝日に貸し出した場合に徴収する賃料の基礎となる距離単価を設定する欄である。賃料目安表d016は、平日単価欄d014、休日単価欄d015に設定した距離単価をもとに、貸出距離別の賃料を表示する。想定時間は、走行距離時間とは異なり、凡その貸出時間を想定した時間長を表示する。登録ボタンd017を選択すると、平日単価欄d014、休日単価欄d015に設定した距離単価が、サーバ1へ送信される。なお、上述したように、設定した距離単価が契約単価を下回っている場合、サーバ1へ送信されずに警告が表示される。
【0072】
図28はスケジュール登録画面の例を示す説明図である。スケジュール登録画面d02は利用者が車両を他者へ貸出可能な時間帯を設定するための画面である。スケジュール登録画面d02は曜日指定欄d021、開始時刻欄d022、終了時刻欄d023、登録ボタンd024、カレンダーd025及び次月リンクd026を含む。曜日指定欄d021は曜日毎に同一のスケジュールを設定するため欄である。日曜日にチェックを入れると毎週日曜日のスケジュールを設定できる。開始時刻欄d022は貸出開始時刻を設定する欄である。終了時刻欄d023は貸出終了時刻を設定する欄である。登録ボタンd024を選択すると、曜日指定欄d021で選択している毎曜日に、開始時刻欄d022と終了時刻欄d023とで指定された時間帯に貸出可能というスケジュールが登録される。カレンダーd025はスケジュールの登録状況を示す。図28の例では、毎週日曜日と、8日から11日にスケジュールが登録されている。カレンダーd025において、特定の日を選択すると後述する時間帯設定サブ画面が表示され、選択した日のみの設定を行うことが可能である。次月リンクd026を選択すると、カレンダーd025の表示月が、次の月の表示となる。カレンダーd025の表示月が例えば翌月表示の場合は、前月リンクが表示され、当該リンクを選択すると、表示付が当月となる。
【0073】
図29は時間帯設定サブ画面の例を示す説明図である。時間帯設定サブ画面d03は、特定の日について時間帯を設定するための画面である。例えば、時間帯設定サブ画面d03は貸出指定モードと自家指定モードとの2つのモードが有る。図29Aは貸出指定モードの時間帯設定サブ画面の例を示す。貸出指定モードでは貸出可能な時間帯を設定可能である。時間帯欄d032を操作することで、貸出を可とする時間帯と不可とする時間帯を設定することができる。左スクロールボタンd033を選択すると、時間帯欄d032の表示がスクロールして、表示している時間帯よりも前の時間帯を表示することできる。同様に、右スクロールボタンd034を選択すると、時間帯欄d032の表示がスクロールして、表示している時間帯よりも後の時間帯を表示することできる。登録ボタンd035を選択すると、時間帯の設定が登録される。図29Bは自家指定モードの時間帯設定サブ画面の例を示す。自家指定モードでは自家利用する時間帯を設定可能である。すなわち、貸出不可とする時間帯を設定するために用いる。画面操作は貸出指定モードと同様であるから、説明を省略する。
【0074】
図30は貸出・受渡登録画面の例を示す説明図である。貸出・受渡登録画面d04は利用者が車両を他者へ貸し出す場合において、車両の貸出・返却を行う場所及び車両の鍵の受渡場所を登録する画面である。貸出・受渡登録画面d04は場所種別設定欄d041、住所欄d042、決定ボタンd043、地図欄d044及び受渡方法欄d045を含む。場所種別設定欄d041は車両を貸し出す場所の種別を設定する。ここでは、貸出場所として、自宅又は自宅以外を選択する。住所欄d042は貸出場所として自宅以外を選択した場合に貸出場所の住所を入力する欄である。決定ボタンd043を選択すると、住所欄d042に入力された住所がサーバ1又は地図サービスへ送信される。地図欄d044は住所欄d042に入力された住所付近の地図を表示する。利用者は地図欄d044において、位置マークd0441を貸出場所へ移動させる。受渡方法欄d045は鍵の受け渡し方法を設定する。ここでは、3つの選択肢がある。1つ目の選択肢は、貸出場所で利用者本人が受け渡す場合である。2つ目の選択肢は、貸出場所で利用者の代理人が受け渡す場合である。3つ目の選択肢は、スマートキーを利用する場合である。この選択肢が選択可能なのは、車両にスマートキーが搭載されている場合のみである。ここでは、スマートキーを発展させたデジタルキーを想定している。すなわち、車両の鍵の開け締めをスマートフォンにより可能とするものである。賃借人端末5へ有効期間付きID(シェアキー)を送信する。有効期間は貸出開始予定日時から貸出終了予定日時である。賃借人は賃借人端末5が受信したシェアキーを用いて、車両の鍵の開け締めや、エンジンの始動・停止を行うことが可能となる。
【0075】
図31は貸出登録情報画面の例を示す説明図である。貸出登録情報画面d05は車両を利用者から借りる賃借人が貸出条件等を参照する画面である。貸出登録情報画面d05は情報量が多いため、一度に全体を表示することはできず、スクロールすることにより、図31A及び図31Bに示した内容を参照できるという想定である。貸出登録情報画面d05は車両写真d051、平日単価d052、休日単価d053、賃料目安表d054、予約状況表d055、次月リンクd056、受渡場所d057、車両情報d058、車両紹介d059、利用者プロフィールd05A及び予約手続ボタンd05Bを含む。車両写真d051は貸出対象車両の写真である。当該写真は図示しない車両DBが記憶している。平日単価d052は平日の距離単価である。休日単価d053は土日及び祝日の距離単価である。賃料目安表d054は利用時間毎に設定した走行距離をもとに算出した賃料を示す。なお、実際の走行距離が、利用時間毎に設定した走行距離を下回った場合、賃料目安表d054で示す距離で賃借を計算する。利用時間毎に表示した料金は、賃料最低額となる旨の注意書きを表示する。予約状況表d055は現在日以降の予約状況を示す。図31Aでは4日分が表示されている。縦方向にスクロールすることにより、他の日の状況を参照可能である。図31Aにおいて、予約状況表d055は時間帯について6時間分を表示している。横スクロールすることにより、前後の時間帯の予約状況を参照可能である。次月リンクd056を選択すると、予約状況表d055の表示が次の月となる。受渡場所d057は鍵の受渡場所を示す。なお、受渡場所と車両の貸出・返却場所とは、同一又は近接している想定である。車両情報d058は定員、オプション品の装備状況など車両の情報を示す。車両紹介d059は利用者が入力した車両についての紹介文である。車両の情報、車両の紹介文は車両DBが記憶している。利用者プロフィールd05Aは利用者のプロフィール、例えば賃借人からの評価、貸出予約が登録されてから承認/拒否の回答が得られるまでの平均回答時間、貸出予約数に占める承認回答の割合(承認率)を示す。利用者のプロフィールは、顧客DB131が記憶する。予約手続ボタンd05Bを選択すると、予約画面に遷移する。
【0076】
図32は予約画面の例を示す説明図である。予約画面d06は賃借人が車両の貸出を予約するための画面である。予約画面d06は日時指定表d061、次月リンクd062、開始・終了予定日時d063、距離単価d064、賃料目安表d065、回答期限d066、メッセージ欄d067及び予約ボタンd068を含む。日時指定表d061は貸出登録情報画面d05の予約状況表d055と類似する表である。日時指定表d061は各時間帯に3種類の表示がある。予約可表示d0611、予約不可表示d0612、選択状態表示d0613である。予約可表示d0611は予約が可能で時間帯で、選択状態ではないことを示す。予約不可表示d0612は予約不可の時間帯を示す。選択状態表示d0613は予約が可能で時間帯で、選択状態であることを示す。予約可表示d0611の時間帯を選択すると、選択状態表示d0613となる。選択状態表示d0613の時間帯を選択すると、予約可表示d0611に戻る。日時指定表d061を縦方向にスクロールすることにより、表示されていない他の日について、予約を入れることが可能である。日時指定表d061を横スクロールすることにより、前後の時間帯の予約を入れることが可能である。次月リンクd062を選択すると、日時指定表d061の表示が次の月となる。開始・終了予定日時d063は日時指定表d061での指定に従って、貸出開始用予定日時と貸出終了予定日時を表示する。距離単価d064は距離単価を表示する。賃料目安表d065は、距離単価をもとに走行距離別の賃料を表示する。走行距離は貸出時間の長さ毎に想定距離を設定してある。賃料目安表d065は賃借人が借りる予定の時間の長さが含まれるように表示する。なお、走行距離が想定よりも短い場合には、想定距離を走行したとして賃料を請求する場合は、賃料目安表d065の近辺に注意書きを表示する。回答期限d066には、貸出予約を承認するか、拒否するかの回答を、利用者がいつまでにして欲しいかの期限を設定する。メッセージ欄d067には、賃借人から利用者へのメッセージを入力する。予約ボタンd068を選択すると、予約画面d06で設定された内容で、予約の申請が行なわれる。
【0077】
図33は予約状況画面の例を示す説明図である。予約状況画面d07は利用者が予約状況等を確認するための画面である。図33Aに示すのが予約状況画面d07である。図33Bは予約状況画面d07への操作により、ポップアップウィンドウとして表示される回答画面d08である。予約状況画面d07は予約等状況表d071、次月リンクd072、稼働表d073及びリクエスト表d074を含む。予約等状況表d071は時間帯毎の予約状況等を示す。予約等状況表d071は各時間帯に5種類の表示がある。不可表示d0711は貸出を行なわない時間帯を示す。空き表示d0712は貸出可能だが予約入っていない時間帯を示す。取引済表示d0713は貸出が完了した時間帯を示す。予約表示d0714は予約されており、承認済の時間帯を示す。承認待ち表示d0715は予約されているが、未回答の時間帯を示す。次月リンクd072を選択すると、予約等状況表d071の表示が次の月となる。稼働表d073は当日に予約が入っている場合にその状況を表示する。リクエスト表d074は回答待ちの予約を表示する。リクエスト表d074の状況列にある操作ボタンd0741を選択すると、回答画面d08がポップアップ表示される。
【0078】
回答画面d08は詳細情報d081、拒否ボタンd082及び承認ボタンd083を含む。詳細情報d081は予約についての詳細情報を表示する。拒否ボタンd082を選択する予約は拒否となり、予約はなかったものとなる。承認ボタンd083を選択すると予約が承認となり、予約済状態となる。
【0079】
本実施の形態においては、以下の効果を奏する。車両利用者は自らが使用しない時間帯に、賃借人へ車両を貸し出し、それによって利用者が支払いを受ける賃料の算出を行うことが可能となる。
【0080】
(実施の形態2)
本実施の形態は、車両の利用促進を図る誘致取引に関する。誘致取引は車両利用者又は車両の賃借人が、提供人が訪問を望んでいる場所(誘致場所、目的地)を訪れた場合、提供人から金銭的な報奨を受けられる取引を言う。提供人は予め利用者又は賃借人が訪れて欲しい場所と訪れた場合の報奨を、自動車取引システム100に登録する。例えば報奨は利用者又は賃借人の登録住所から誘致場所までの走行距離分の料金を還元するというものである。
【0081】
実施の形態1において説明したデータベースに加えて、本実施の形態において用いるデータベースに付いて説明する。図34は提供者DBの例を示す説明図である。提供者DB13Bは報奨を提供する提供者の情報を記憶する。提供者DB13Bは提供者ID列、名称列及び住所列を含む。提供者ID列は提供者を一意に特定可能な提供者IDを記憶する。名称列は提供者の名称を記憶する。住所列は提供者の住所を記憶する。
【0082】
図35は誘致DBの例を示す説明図である。誘致DB13Cは誘致場所、報奨等の誘致情報(還元情報)を記憶する。誘致DB13Cは誘致ID列、提供者ID列、名称列、住所列、画像列、紹介文列、開始日時列、終了日時列、対象者列、還元タイプ列、金額列、付与日列及び付与条件列を含む。誘致ID列は誘致情報を一意に特定する誘致IDを記憶する。提供者ID列は提供者IDを記憶する。名称列は誘致場所の名称を記憶する。住所列は誘致場所の住所を記憶する。例えば、旅館が提供者となる場合などは、提供者と誘致場所とが一致するので、名称列、住所列はそれぞれ提供者の名称と住所とを記憶する。画像列は誘致場所の画像を記憶する。画像ではなく画像ファイル名を記憶してもよい。紹介文列は誘致場所の紹介文を記憶する。開始日時列は報奨付与の対象となる期間の開始日時を記憶する。終了日時列は当該期間の終了日時を記憶する。対象者列は報奨付与の対象となる顧客の種別を記憶する。本明細書では利用者又は賃借人である。還元タイプ列は報奨の形態を記憶する。例えば、出発地(顧客の自宅等)から誘致場所までの片道の距離料金を還元、出発地からから誘致場所までの往復の距離料金を還元、走行距離に関わらず一律額を還元、一律額のクーポンを還元等である。金額列は金額を指定する報奨の形態が選択されたときに、指定された金額を記憶する。付与日列は報奨を提供する予定日を記憶する。付与条件列は報奨を付与する条件を記憶する。付与する条件は誘致場所を訪れたことを示す操作を規定する。例えば、二次元コードの撮影、誘致場所が発行した領収書の画像である。
【0083】
図36は申込みDBの例を示す説明図である。申込みDB13Dは報奨の付与の申込み情報を記憶する。申込みDB13Dは誘致ID列、顧客ID列、還元タイプ列、還元額列及び状況列を含む。誘致ID列は誘致IDを記憶する。顧客ID列は申込みをした顧客の顧客IDを記憶する。還元タイプ列は報奨の形態を記憶する。還元額列は付与される還元額を記憶する。状況列は還元の状況を記憶する。例えば、申込みを行った状況を示すエントリー、車両が誘致場所へ向かっている状況を示す稼働中、誘致場所への到着を確認したことを示す到着済、報奨の付与を待っている状況の付与待ち、報奨の付与が完了したことを示す付与完了を、状況列は記憶する。
【0084】
実施の形態2における情報処理について説明する。図37は誘致登録処理の手順例を示すフローチャートである。提供者は提供者端末6を操作して、誘致情報の登録を要求する。提供者端末6の制御部61は要求をサーバ1へ送信する(ステップS201)。サーバ1の制御部11は要求を受信する(ステップS202)。サーバ1は誘致情報を登録するための画面を提供者端末6へ送信する(ステップS203)。提供者端末6の制御部61は画面を受信し、表示部66に表示する(ステップS204)。提供者は誘致情報を画面に入力する。制御部61は誘致情報を受け付ける(ステップS205)。制御部61は誘致情報をサーバ1へ送信する(ステップS206)。サーバ1の制御部11は誘致情報を受信する(ステップS207)。制御部11は誘致情報を誘致DB13Cに記憶する(ステップS208)。制御部11は完了画面を提供者端末6へ送信する(ステップS209)。提供者端末6の制御部61は完了画面を受信し、表示部66に表示する(ステップS210)。制御部61は処理を終了する。
【0085】
図38は申込み処理の手順例を示すフローチャートである。申込み処理は誘致取引の申込みを行うための処理である。申込み処理は、利用者が行う場合と賃借人が行う場合とで手順は同様であるので、以下の説明は利用者が申し込む場合について説明する。利用者は利用者端末2を操作して、誘致情報の要求を行う。このとき、誘致情報の検索条件(場所、期間等の条件)を設定してもよい。利用者端末2の制御部21は誘致情報の要求をサーバ1へ送信する(ステップS221)。サーバ1の制御部11は要求を受信する(ステップS222)。制御部11は誘致DB13Cを参照して、条件に合致する誘致情報の一覧を作成し、一覧を利用者端末2へ送信する(ステップS223)。利用者端末2の制御部21は一覧を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS224)。利用者は一覧の中から申し込む誘致情報を選択し、制御部21は選択を受け付ける(ステップS225)。制御部21は選択情報をサーバ1へ送信する(ステップS226)。サーバ1の制御部11は選択情報を受信する(ステップS227)。制御部11は選択された誘致情報の詳細を示す詳細画面を作成し、利用者端末2へ送信する(ステップS228)。制御部11は還元タイプが距離料金の還元である場合、利用者の住所と誘致場所との住所に基づき、公知の経路探索技術を用いて、利用者の住所(出発場所)から誘致場所までの道路距離を算出する。算出した距離と利用者の距離単価とに基づき、還元額を計算し、その値を詳細画面に埋め込む。利用者端末2の制御部21は詳細画面を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS229)。利用者は誘致情報の詳細を確認し、申込みを入力する。制御部21は入力を受け付ける(ステップS230)。制御部21は申込み指示をサーバ1へ送信する(ステップS231)。サーバ1の制御部11は申込み指示を受信する(ステップS232)。制御部11は申込み情報を申込みDB13Dに記憶する(ステップS233)。制御部11は申込み完了画面を利用者端末2へ送信する(ステップS234)。利用者端末2の制御部21は申込み完了画面を表示パネル25に表示する(ステップS235)。制御部21は処理を終了する。
【0086】
図39は報奨請求処理の手順例を示すフローチャートである。報奨請求処理は誘致取引を申し込んだ利用者又は賃借人が、誘致場所に到着したことを申告して、料金の還元等の報奨の請求を行う処理である。申し込む処理と同様に、利用者が行う場合について説明する。利用者は誘致場所に到着した後に、付与条件の操作を行う。利用者は利用者端末2の撮像部27で、誘致場所に設置された二次元コードを撮影する。または、利用者は撮像部27で誘致場所の利用料や物品購入によって交付されたレシート、領収書を撮影する。利用者端末2の制御部21は撮像部27から画像を取得する(ステップS251)。制御部21は画像が二次元コードであるか否か判定する(ステップS252)。制御部21は画像が二次元コードでないと判定した場合(ステップS252でNO)、画像をサーバ1へ送信する(ステップS253)。サーバ1の制御部11は画像を受信する(ステップS254)。制御部11は画像認識を行い、レシート等が発行された場所の情報から、誘致場所での利用であるか否かを判定する(ステップS255)。制御部11は誘致場所での利用であると判定した場合(ステップS255でYES)、申込みDB13Dの状況列の値を例えば到着済へ更新する(ステップS256)。制御部11は応答画面、ここでは誘致場所へ到着、誘致場所の利用が確認できた旨の画面を作成し、利用者端末2へ送信する(ステップS257)。制御部11は、誘致場所での利用でないと判定した場合(ステップS255でNO)、誘致場所への到着、誘致場所の利用が確認できなかった旨の応答画面を作成し、利用者端末2へ送信する(ステップS257)。利用者端末2の制御部21は応答画面を受信し、表示パネル25に表示する(ステップS258)。制御部21は処理を終了する。制御部21は画像が二次元コードであると判定した場合(ステップS252でYES)、二次元コードに埋め込まれている情報に基づいて、サーバ1へ情報を送信する(ステップS259)。例えば、誘致IDが埋め込まれたフォームのPOSTである。サーバ1は情報を受信する(ステップS260)。制御部11はステップS256以降を実行する。なお、車両が誘致場所に到着していることを通信デバイス4から得た位置情報から判定し、到着判定結果を応答画面に含めてもよい。
【0087】
図40は報奨付与処理の手順例を示すフローチャートである。報奨付与処理は報奨付与日に達した誘致取引について報奨を付与する処理である。報奨付与処理は日次で実行することを想定する。サーバ1の制御部11は誘致DB13Cを検索し、付与日が当日である誘致情報を抽出する(ステップS271)。制御部11は抽出した誘致情報の1つを選択する(ステップS272)。制御部11は選択した誘致情報の誘致IDをキーにして、申込みDB13Dを検索して、誘致IDが一致し、状況列の値が付与待ちの申込み情報を抽出する(ステップS273)。制御部11は抽出した申込み情報の状況列の値を付与完了へ更新する(ステップS274)。なお、付与する報奨がクーポンである場合、制御部11は別途、クーポンを付与する処理を行う。クーポンに関する処理は公知であるから説明を省略する。制御部11は未処理の誘致情報があるか否かを判定する(ステップS275)。制御部11は未処理の誘致情報があると判定した場合(ステップS275でYES)、処理をステップS272へ戻す。制御部11は未処理の誘致情報がないと判定した場合(ステップS275でNO)、処理を終了する。
【0088】
図41は誘致登録画面の例を示す説明図である。誘致登録画面d09は提供者が誘致情報を登録するための画面である。誘致登録画面d09は情報量が多いため、一度に全体を表示することはできず、スクロールすることにより、図41A及び図41Bに示した内容を参照できるという想定である。誘致登録画面d09は名称・住所欄d091、画像欄d092、紹介欄d093、期間欄d094、対象者欄d095、特典欄d096、付与日欄d097、付与条件欄d098及び登録ボタンd099を含む。名称・住所欄d091は誘致場所の名称、住所を設定する欄である。名称・住所欄d091は名称欄d0911、決定ボタンd0912、住所欄d0913及び決定ボタンd0914を含む。名称欄d0911に誘致場所の名称を入力し、決定ボタンd0912を選択すると、名称が設定される。住所欄d0913に誘致場所の住所を入力し、決定ボタンd0914を選択すると、住所が設定される。画像欄d092は誘致場所の写真など設定する欄である。選択ボタンd0921を選択し、画像ファイルを指定する。読み込まれた画像は表示領域d0922に表示される。紹介欄d093には誘致場所の案内文を入力する。期間欄d094は対象期間を設定する欄である。対象者欄d095は特典付与の対象者を設定する欄である。チェックボックスd0951にチェックを入れると、車両利用者が対象となる。チェックボックスd0952にチェックを入れると、賃借人(貸出利用者)が対象となる。2つのチェックボックスにチェックを入れると、利用者と賃借人とが対象となる。特典欄d096は特典(還元内容)を設定する欄である。チェックボックスd0961にチェックを入れると、特典は誘致場所までの片道距離相当の距離料金の還元となる。チェックボックスd0962にチェックを入れると、特典は誘致場所までの往復距離相当の距離料金の還元となる。チェックボックスd0963にチェックを入れると、特典は一律金額の距離料金の還元となる。プルダウンメニューd0964で一律額を選択し、決定ボタンd0965を選択すると、一律金額が設定される。チェックボックスd0966にチェックを入れると、特典は一律金額のクーポンの付与となる。プルダウンメニューd0967で金額を設定し、決定ボタンd0968を選択すると、クーポンの金額が設定される。付与日欄d097は特典の付与日を設定する欄である。プルダウンメニューd0971で日付を選択し、決定ボタンd0972を選択肢すると、付与日が設定される。付与条件欄d098は特典の付与条件を設定する欄である。チェックボックスd0981をチェックすると、誘致場所の二次元コードの撮影が付与条件となる。チェックボックスd0982をチェックすると、誘致場所で発行されたレシートの撮影が付与条件となる。登録ボタンd099を選択すると、設定した誘致情報がサーバ1へ送信され、誘致DB13Cに記憶される。
【0089】
図42は申込み画面の例を示す説明図である。申込み画面d10は利用者又は賃借人が誘致取引を申し込むための画面である。申込み画面d10は期間d101、特典d102、画像d103、名称等d104、条件ルール表d105、施設情報d106及びエントリーボタンd107を含む。期間d101は特典が得られる車両の利用期間を示す。特典d102は距離料金の還元等の特典(報奨)内容を示す。画像d103は誘致情報の画像を示す。名称等d104は誘致場所の名称等を示す。条件ルール表d105は走行料金の還元が受けられる条件やルールを示す。施設情報d106は誘致場所の情報を示す。エントリーボタンd107を選択すると、誘致取引を申し込む旨の情報が、サーバ1へ送信され、申込みDB13Dに申込み情報が記憶される。
【0090】
本実施の形態においては、誘致取引により、利用者又は賃借人は距離料金の還元等の特典が得られる。特典の提供者は利用者又は賃借人が誘致場所を訪問することを促すことが可能となる。
【0091】
次に料金の請求処理について説明する。料金の請求は利用者と賃借人とに行うが、ここでは利用者への請求のみを説明する。図43は請求処理の手順例を示すフローチャートである。料金の請求はひと月(所定期間)毎を想定しているので、請求処理は月次処理である。サーバ1の制御部11は顧客DB131を検索し、請求対象となる顧客(利用者)の情報を抽出する(ステップS291)。制御部11は処理対象とする顧客を選択する(ステップS292)。制御部11は選択した顧客の月間の総走行距離を算出する(ステップS293)。制御部11は走行距離DB135より顧客の対象月における各Tripの走行距離を取得し、取得した走行距離を足し合わせて、総走行距離を算出する。制御部11は算出した月間の総走行距離(利用走行距離)を走行実績DB136に記憶する。制御部11は従量料金(距離料金)の算出を行う(ステップS294)。制御部11は契約DB132に記憶している距離単価に総走行距離を掛けて従量料金を算出する。なお、上述した月間300km迄乗り放題プランの場合は、総走行距離が300kmを越えた分の走行距離で従量料金を算出する。制御部11は貸出支払額を算出する(ステップS295)。制御部11は貸出実績DB13Aより顧客の対象月における貸出実績を取得し、取得した貸出実績に含まれる支払額を足し合わせて、月間の貸出支払額を算出する。制御部11は還元額を算出する(ステップS296)。制御部11は申込みDB13Dより顧客の対象月における申込み情報であって、状況列の値が付与完了のものを抽出する。制御部11は抽出した申込み情報に含む還元額を足し合わせて月間の還元額を算出する。制御部11は相殺するか否かを判定する(ステップS297)。ここでの相殺は、利用者が支払うべき基本料金、従量料金と、利用者が受けるべき貸出支払額、還元額とが対象である。相殺するか否かは予め定めてあるとする。相殺するか否かの設定は全顧客共通であってもよいし、顧客毎に設定してもよい。制御部11は相殺すると判定した場合(ステップS297でYES)、請求額を算出する(ステップS298)。請求額=基本料金+従量料金-(貸出支払額+還元額)である。制御部11は算出した請求額が0以下であるか否か判定する(ステップS299)。制御部11は請求額が0以下でないと判定した場合(ステップS299でNO)、算出した請求額の請求処理を行う(ステップS300)。制御部11は処理をステップS306へ進める。
制御部11は請求額が0以下であると判定した場合(ステップS299でYES)、マイナス分を支払うか否かを判定する(ステップS301)。マイナス分を支払うか否かは予め定めてあるとする。マイナス分を支払うか否かの設定は全顧客共通であってもよいし、顧客毎に設定してもよい。制御部11はマイナス分を支払うと判定した場合(ステップS301でYES)、支払処理を行う(ステップS302)。制御部11は処理をステップS306へ進める。制御部11はマイナス分を支払わないと判定した場合(ステップS301でNO)、マイナス分の額を、残額として補助記憶部13などに記憶する(ステップS303)。制御部11は処理をステップS306へ進める。制御部11は相殺しないと判定した場合(ステップS297でNO)、基本料金と従量料金とを合わせた額を利用料金として請求する(ステップS304)。制御部11は貸出支払額と還元額とを合わせた額を支払う処理を行う(ステップS305)。制御部11は処理をステップS306へ進める。制御部11は未処理の顧客が有るか否かを判定する(ステップS306)。制御部11は未処理の顧客が有ると判定した場合(ステップS306でYES)、処理をステップS292へ戻す。制御部11は未処理の顧客がないと判定した場合(ステップS306でNO)、処理を終了する。
【0092】
図44は利用料金表示画面の例を示す説明図である。利用料金表示画面d11は、基本料金、従量料金と、貸出支払額、還元額とを相殺する場合の画面である。利用料金表示画面d11は請求額d111、支払情報d112、利用料金d113、入金額d114及び入金内訳d115を含む。請求額d111は相殺後の請求額を示す。支払情報d112は支配方法、引落とし日等の支払日を示す。利用料金d113は基本料金と距離料金(従量料金)を示す。入金額d114は利用者が受け取る額を示す。入金内訳d115は貸出取引により得た貸出支払額と誘致取引により得た還元額とを示す。
【0093】
図45は利用料金表示画面の他の例を示す説明図である。利用料金表示画面d12は、基本料金、従量料金と、貸出支払額、還元額とを相殺し、相殺した結果がマイナスになったときに、その額を残額として繰り越す場合の画面である。利用料金表示画面d12は請求額d121、支払情報d122、利用料金d123、入金額d124、入金内訳d125及び残額d126を含む。請求額d121は相殺後の請求額を示す。請求額が0以下となった場合は、0を表示する。支払情報d122は支配方法、引落とし日等の支払日を示す。利用料金d123は基本料金と距離料金(従量料金)を示す。入金額d124は利用者が受け取る額を示す。入金内訳d125は貸出取引により得た貸出支払額と誘致取引により得た還元額とを示す。残額d126は翌月に利用料金と相殺する残額を示す。
【0094】
図46は利用料金表示画面の他の例を示す説明図である。利用料金表示画面d13は、基本料金、従量料金と、貸出支払額、還元額とを相殺しない場合の画面である。利用料金表示画面d13は請求額d131、支払情報d132、利用料金d133、支払額d134及び支払内訳d135を含む。請求額d131は請求額を示す。支払情報d132は支配方法、引落とし日等の支払日を示す。利用料金d133は請求額の内訳となる基本料金と距離料金(従量料金)を示す。支払額d134は利用者が支払いを受け取る額を示す。支払内訳d135は貸出取引により得た貸出支払額と誘致取引により得た還元額とを示す。
【0095】
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0096】
100 :自動車取引システム
1 :サーバ
11 :制御部
12 :主記憶部
13 :補助記憶部
131 :顧客DB
132 :契約DB
133 :デバイスDB
134 :位置情報DB
135 :走行距離DB
136 :走行実績DB
137 :請求実績DB
138 :貸出条件DB
139 :予約DB
13A :貸出実績DB
13B :提供者DB
13C :誘致DB
13D :申込みDB
14 :通信部
15 :読み取り部
16 :表示パネル
1P :制御プログラム
1a :可搬型記憶媒体
1b :半導体メモリ
2 :利用者端末
21 :制御部
22 :主記憶部
23 :補助記憶部
24 :通信部
25 :表示パネル
26 :操作部
27 :撮像部
2P :制御プログラム
3 :所有者端末
4 :通信デバイス
41 :制御部
42 :主記憶部
43 :補助記憶部
44 :通信部
441 :SIMカード
45 :位置取得部
46 :撮像部
4P :制御プログラム
5 :賃借人端末
51 :制御部
52 :主記憶部
53 :補助記憶部
54 :通信部
55 :表示パネル
56 :操作部
57 :撮像部
6 :提供者端末
B :バス
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46