(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170252
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成方法および画像形成プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20241129BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241129BHJP
B41J 3/42 20060101ALI20241129BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B41J29/393 105
G03G21/00 510
B41J3/42
H04N1/00 002A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087312
(22)【出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】大久保 謙治
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB10
2C061BB35
2C061HH03
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HV19
2C061HV21
2C061HV32
2C061KK03
2C061KK25
2C061KK26
2C061KK27
2H270KA57
2H270LA19
2H270LD03
2H270MB25
2H270MC55
2H270MD17
2H270MH09
2H270NE08
2H270PA26
2H270RA03
2H270RB03
2H270RB09
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB01
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC09
5C062AC11
5C062AC15
5C062AC22
5C062AC61
5C062AC72
5C062AE01
5C062AF14
5C062AF15
5C062BD01
(57)【要約】
【課題】 複数の画像形成装置それぞれの状態を検査すること。
【解決手段】 画像形成支援システムは、画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置12と、第1画像形成装置12よりも記録媒体の搬送方向における下流側の搬送経路上に配置された第2画像形成装置15と、第1画像形成装置12と第2画像形成装置15との間の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1検査装置13と、第2画像形成装置15よりも搬送方向における下流側の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2検査装置16と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、
前記第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記第2画像形成装置よりも前記搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備えた画像形成システム。
【請求項2】
前記第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく前記第1面に画像を形成させる装置制御手段と、
前記第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する第1検査手段を、さらに備え、
前記第1読取部は、記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取る、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記第1検査手段は、前記第1読取部が前記第1面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1検査手段は、前記第1読取部が前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する、請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1検査手段により異常が検出された前記第1画像形成装置により画像が形成された記録媒体に対する前記第2画像形成装置による画像形成を禁止する禁止手段を、さらに備えた、請求項2~4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記装置制御手段は、前記第2画像形成装置に記録媒体の前記第1面に画像を形成させることなく前記第2面に画像を形成させ、
前記第2読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する第2検査手段を、さらに備え、
前記第2読取部は、記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取る、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記第2検査手段は、前記第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出するための基準を変更する、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記第2検査手段は、記録媒体の前記第2面を前記第2読取部が読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記第2検査手段は、記録媒体の前記第1面を前記第2読取部が読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する、請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記装置制御手段は、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のいずれか一方で異常が検出され、他方で異常が検出されない場合、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のうち異常が検出された一方による画像形成を禁止し、他方に記録媒体の両面に画像を形成させる、請求項6~9のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記第1検査手段は、前記第2画像形成装置が記録媒体の両面に画像を形成する場合、前記第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置を通過する記録媒体の異常を検出し、
前記装置制御手段は、前記第1検査手段により記録媒体の異常が検出される場合、前記第2画像形成装置による画像形成を禁止する、請求項10に記載の画像形成システム。
【請求項12】
画像形成システムで実行される画像形成方法であって、
前記画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、
前記第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記第2画像形成装置よりも前記搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、
前記第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく前記第1面に画像を形成させるとともに、前記第2画像形成装置に記録媒体の前記第1面に画像を形成させることなく前記第2面に画像を形成させる装置制御ステップと、
前記第1読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する第1検査ステップと、
前記第2読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する第2検査ステップと、を含む画像形成方法。
【請求項13】
画像形成システムを制御するコンピューターで実行される画像形成プログラムであって、
前記画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、
前記第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記第2画像形成装置よりも前記搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、
前記第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく前記第1面に画像を形成させるとともに、前記第2画像形成装置に記録媒体の前記第1面に画像を形成させることなく前記第2面に画像を形成させる装置制御ステップと、
前記第1読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する第1検査ステップと、
前記第2読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する第2検査ステップと、を前記コンピューターに実行させる画像形成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成システム、画像形成方法および画像形成プログラムに関し、特に、複数の画像形成装置を備える画像形成システム、その画像形成システムで実行される画像形成方法、およびその画像形成方法をコンピューターに実行させる画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置により画像が形成された用紙を読み取って、画像形成装置による画像形成が正しく実行されたかを検査する技術が知られている(例えば、特許文献1~3)。しかしながら、2つの画像形成装置が直列に接続され、2つの画像形成装置それぞれが同一の用紙に画像を形成する画像形成システムにおいては、2つの画像形成装置のいずれにより画像形成の異常が発生したかを検出することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-185670号公報
【特許文献2】特開2021-105629号公報
【特許文献3】特開2021-165813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、複数の画像形成装置それぞれの状態を検査することが可能な画像形成システムを提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、複数の画像形成装置それぞれの状態を検査することが可能な画像形成方法を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、複数の画像形成装置それぞれの状態を検査することが可能な画像形成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成システムは、 記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、第1画像形成装置と第2画像形成装置との間の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、第2画像形成装置よりも搬送方向における下流側の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備える。
【0008】
この発明の他の局面によれば、画像形成方法は、画像形成システムで実行される画像形成方法であって、画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、第1画像形成装置と第2画像形成装置との間の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、第2画像形成装置よりも搬送方向における下流側の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく第1面に画像を形成させるとともに、第2画像形成装置に記録媒体の第1面に画像を形成させることなく第2面に画像を形成させる装置制御ステップと、第1読取部が記録媒体の第1面および第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置の異常を検出する第1検査ステップと、第2読取部が記録媒体の第1面および第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置の異常を検出する第2検査ステップと、を含む。
【0009】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成プログラムは、画像形成システムを制御するコンピューターで実行される画像形成プログラムであって、画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、第1画像形成装置と第2画像形成装置との間の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、第2画像形成装置よりも搬送方向における下流側の搬送経路上に配置され、搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく第1面に画像を形成させるとともに、第2画像形成装置に記録媒体の第1面に画像を形成させることなく第2面に画像を形成させる装置制御ステップと、第1読取部が記録媒体の第1面および第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置の異常を検出する第1検査ステップと、第2読取部が記録媒体の第1面および第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置の異常を検出する第2検査ステップと、をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの一例を示す正面図である。
【
図2】給紙装置の内部構造の一例を模式的に示す図である。
【
図3】第1画像形成装置の内部構成を模式的に示す図である。
【
図4】第1検査装置の内部構成を模式的に示す図である。
【
図5】反転装置の内部構成を模式的に示す図である。
【
図6】後処理装置の内部構成を模式的に示す図である。
【
図7】画像形成システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図9】連続画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1エラー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第2エラー処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】第1単独形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2単独形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】連続形成モードにおけるエラー判定テーブルの一例を示す図である。
【
図15】第1単独形成モードにおけるエラー判定テーブルの一例を示す図である。
【
図16】第2単独形成モードにおけるエラー判定テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成システムの一例を示す正面図である。
図1を参照して、画像形成システム1は、給紙装置11と、第1画像形成装置12と、第1検査装置13と、反転装置14と、第2画像形成装置15と、第2検査装置16と、後処理装置17と、を備える。給紙装置11に収容された記録媒体が搬送経路に沿って後処理装置17まで搬送される。記録媒体は、トナーで画像を形成可能な媒体であり、紙等の用紙、OHP(Over Head Projector)シートを含む。本実施の形態においては、記録媒体の一例として用紙を用いる場合を例に説明する。
【0013】
給紙装置11、第1画像形成装置12、第1検査装置13、反転装置14、第2画像形成装置15、第2検査装置16および後処理装置17は、この順で搬送経路に沿って配置される。第1画像形成装置12および第2画像形成装置15は、構成および機能は同じである。また、第1検査装置13および第2画像形成装置15は、構成および機能は同じである。ここでは、特に言及しない限り第1画像形成装置12および第1検査装置13を例に説明する。
【0014】
図2は、給紙装置の内部構造の一例を模式的に示す図である。
図2を参照して、給紙装置11は、第1給紙トレイ41と、第2給紙トレイ42と、第3給紙トレイ43と、を含む。第1給紙トレイ41、第2給紙トレイ42および第3給紙トレイ43それぞれは、複数枚の用紙を収容可能である。第1給紙トレイ41、第2給紙トレイ42および第3給紙トレイ43それぞれが収容する用紙の種類、サイズおよび方向は、同じであってもよく、異なってもよい。給紙装置11は、第1給紙トレイ41、第2給紙トレイ42および第3給紙トレイ43のいずれかから用紙を1枚ずつ取り出して、第1画像形成装置12に供給する。第1給紙トレイ41、第2給紙トレイ42および第3給紙トレイ43それぞれは、ピックアップローラおよび捌きローラを備えており、積載された複数枚の用紙の最上段から順に1枚ずつ用紙を取り出す。ピックアップローラおよび捌きローラにより取り出された用紙は供給ローラ44により搬送される。供給ローラ44は、用紙を搬送経路P1に沿って搬送する。搬送経路P1は、第1画像形成装置12に繋がる経路である。供給ローラ44により搬送される用紙は、搬送経路P1に沿って進行し、第1画像形成装置12に供給される。
【0015】
図3は、第1画像形成装置の内部構成を模式的に示す図である。
図3を参照して、第1画像形成装置12は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックにそれぞれ対応する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを含む。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。以下、説明のために、用紙の搬送方向に直交する水平方向を前後方向という。また、背面から正面に向かう方向を前方といい、正面から背面に向かう方向を後方という。
【0016】
画像形成ユニット20Yは、現像器21Yと、像担持体である感光体ドラム22Yと、帯電ローラ23Yと、露光装置24Yと、1次転写ローラ26Yと、トナーボトル27Yと、トナーホッパー28Yと、を含む。
【0017】
トナーボトル27Y、トナーホッパー28Yおよび現像器21Yは、この順にトナーが搬送される経路上に配置される。トナーホッパー28Yは、現像器21Yの直前に配置される。トナーホッパー28Yから現像器21Yには、トナー搬送路を介して、トナーが供給される。
【0018】
現像器21Yは、現像ローラ25Yを含む、現像ローラ25Yは、マグネットローラが内蔵されており、現像器21Yに収納された帯電したトナーを磁力の作用で保持する。感光体ドラム22Yは、円筒形状を有し、感光体ドラム22Yの周辺に、帯電ローラ23Y、露光装置24Y、現像ローラ25Y、1次転写ローラ26Yが、感光体ドラム22Yの回転方向に沿って順に配置される。
【0019】
感光体ドラム22Yは、その表面が帯電ローラ23Yによって帯電された後、露光装置24Yが発光するレーザー光が照射される。露光装置24Yは、感光体ドラム22Yの表面の画像対応部を露光して静電潜像を形成する。これにより、感光体ドラム22Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器21Yが、感光体ドラム22Yに形成された静電潜像をトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム22Yに形成された静電潜像上に現像ローラ25Yが保持するトナーが電界力の作用で載せられることにより、トナー像が感光体ドラム22Yに形成される。感光体ドラム22Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト29上に1次転写ローラ26Yにより電界力の作用で転写される。
【0020】
中間転写ベルト29は、駆動ローラR1と従動ローラR2とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラR1が
図1中で時計回りに回転すると、中間転写ベルト29が所定の速度で図中時計回りに回転する。中間転写ベルト29の回転に伴って、従動ローラR2が、時計回りに回転する。
【0021】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、この順に中間転写ベルト29上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト29上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト29に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトのトナー像が中間転写ベルト29上に重畳される。
【0022】
第1受入ローラR5、2次転写ローラR3、定着ローラ対R4、排出ローラR6が、この順で搬送方向に並んで搬送経路P1に沿って配置される。第1受入ローラR5は、給紙装置11から搬送される用紙を受け取り、用紙を2次転写ローラR3に向けて搬送する。
【0023】
2次転写ローラR3は、従動ローラR2に対向して配置される。2次転写ローラR3と従動ローラR2との間において、2次転写ローラR3によって電界力が発生する。このため、搬送経路P1に沿って搬送される用紙が2次転写ローラR3と従動ローラR2との間を通過する際に、中間転写ベルト29に形成されたトナー像が電界力の作用で用紙の第1面に転写される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対R4に搬送される。定着ローラ対R4は、定着ローラ対R4の間を通過する用紙を加熱および加圧する。これにより、トナーが溶かされて用紙の第1面に定着する。
【0024】
定着ローラ対R4と排出ローラR6との間の搬送経路P1上に第1切換爪33が配置される。第1画像形成装置12は、搬送経路P1の下方に第1反転機構30を備える。第1反転機構30は、第1反転経路P2、第1反転経路P2に配置された第1反転ローラR7および第1退避トレイ34を含む。第1切換爪33は、用紙の進行方向を、搬送経路P1と第1反転経路P2とのいずれか一方に切り換える。第1切換爪33が、用紙の進行方向を搬送経路P1に切り換えた状態において、定着ローラ対R4により搬送される用紙は搬送経路P1に沿って進行し、排出ローラR6により受け取られる。排出ローラR6は、定着ローラ対R4により搬送される用紙を受け付け、用紙を搬送する。排出ローラR6により搬送される用紙は搬送経路P1に沿って進行し、第1検査装置13に供給される。
【0025】
第1切換爪33が、用紙の進行方向を第1反転経路P2に切り換えた状態において、定着ローラ対R4により搬送される用紙は第1反転経路P2に沿って進行する。第1反転経路P2は、第1退避経路31と、第1再供給経路32と、を含む。第1退避経路31は、搬送経路P1の第1切換爪33の上流の位置から第1退避トレイ34に至る経路である。第1再供給経路32は、第1退避トレイ34から搬送経路P1の第1受入ローラR5の上流の位置に至る経路である。
【0026】
第1切換爪33が、用紙の進行方向を第1反転経路P2に切り換えた状態において、定着ローラ対R4により搬送される用紙は第1退避経路31に進入する。第1退避経路31には複数のローラが配置されており、複数のローラが用紙を搬送する。第1退避経路31の複数のローラにより搬送される用紙は、第1退避経路31に沿って進行し、第1反転ローラR7に受け付けられる。
【0027】
第1反転ローラR7は、順方向に回転することにより用紙を第1退避トレイ34に向けて搬送する。第1反転ローラR7は、用紙を第1退避トレイ34に所定量搬送した後に、回転方向を逆転させて逆方向に回転する。第1反転ローラR7が逆方向に回転することにより第1退避トレイ34にその一部が収容された用紙は、それまで搬送された方向と逆方向に搬送され、第1再供給経路32に進入する。第1再供給経路32には、複数のローラが配置されており、複数のローラが用紙を搬送する。複数のローラにより搬送される用紙は、第1再供給経路32に沿って搬送され、搬送経路P1に進入する。
【0028】
第1受入ローラR5は、第1再供給経路32の複数のローラにより第1再供給経路32に沿って搬送される用紙を受け付け、用紙を2次転写ローラR3に向けて搬送する。第1再供給経路32を通って第1受入ローラR5により受け取られる用紙の上方を向く面は、その用紙が給紙装置11から供給されて搬送経路P1を搬送される間に上方を向く第1面と反対側の第2面である。このため、第1再供給経路32に沿って搬送される用紙が第1受入ローラR5により搬送経路P1に沿って搬送される間に、その用紙の第2面に画像が形成される。
【0029】
第1画像形成装置12は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。
【0030】
図4は、第1検査装置の内部構成を模式的に示す図である。
図4を参照して、第1検査装置13は、読取部51、第1搬送ローラ52および第2搬送ローラ53を含む。第1搬送ローラ52は、第1画像形成装置12から排出される用紙を受け付け、用紙を搬送経路P1に沿って搬送する。第2搬送ローラ53は、第1搬送ローラ52により搬送される用紙を受け付け、用紙を搬送する。第2搬送ローラ53により搬送される用紙は、搬送経路P1に沿って搬送され、反転装置14に供給される。
【0031】
第2搬送ローラ53と第2搬送ローラ53との間に、読取部51が配置される。読取部51は、搬送経路P1を挟んで配置された第1CIS51aおよび第2CIS51bを含む。第1CIS51aおよび第2CIS51bは、コンタクトイメージセンサーであり、主走査方向に並んで読取面に配置された複数の光電変換素子を含む。第1CIS51aおよび第2CIS51bは、その読取面が搬送経路P1を向いて配置される。このため、用紙が第1CIS51aおよび第2CIS51bの間を通過する間に、第1CIS51aおよび第2CIS51bにより用紙の上面および下面がそれぞれ読み取られる。
【0032】
図5は、反転装置の内部構成を模式的に示す図である。
図5を参照して、反転装置14は、第2切換爪61、第3搬送ローラ62および第4搬送ローラ63を含む。第3搬送ローラ62と第4搬送ローラ63とは、この順で用紙の搬送方向に並んで搬送経路P1上に配置される。第3搬送ローラ62は、第1検査装置13から搬送される用紙を受け付け、用紙を第4搬送ローラ63に向かって搬送する。
【0033】
第3搬送ローラ62と第4搬送ローラ63との間の搬送経路P1上に第2切換爪61が配置される。反転装置14は、搬送経路P1の下方に第2反転機構64を備える。第2反転機構64は、第2反転経路P3、第2反転経路P3に配置された第2反転ローラ65および第2退避トレイ68を含む。第2切換爪61は、用紙の進行方向を、搬送経路P1と第2反転経路P3とのいずれか一方に切り換える。
【0034】
第2切換爪61が、用紙の進行方向を搬送経路P1に切り換えた状態において、第3搬送ローラ62により搬送される用紙は搬送経路P1に沿って第4搬送ローラ63に進行する。第4搬送ローラ63は、第3搬送ローラ62により搬送される用紙を受け付け、用紙を搬送する。第3搬送ローラ62により搬送される用紙は、搬送経路P1に沿って進行し、第2画像形成装置15に供給される。
【0035】
第2切換爪61が、用紙の進行方向を第2反転経路P3に切り換えた状態において、第3搬送ローラ62により搬送される用紙は第2反転経路P3に沿って進行する。第2反転経路P3は、搬送経路P1の第2切換爪61の上流の分岐点から第2反転ローラ65まで延びる第2退避経路66と、第2反転ローラ65から第2切換爪61の下流の分岐点まで延びる第2再供給経路67と、第2退避経路66と第2再供給経路67とが合流する位置から第2退避トレイ68に至る経路と、を含む。
【0036】
第2切換爪61が、用紙の進行方向を第2反転経路P3に切り換えた状態において、第3搬送ローラ62により搬送される用紙は第2退避経路66に進入し、第2反転ローラ65により受け取られる。第2反転ローラ65は、順方向に回転することにより用紙を第2退避トレイ68に向けて搬送する。第2反転ローラ65は、用紙を第2退避トレイ68に所定量搬送した後に、回転方向を逆転させて逆方向に回転する。第2反転ローラ65が逆方向に回転することにより第2退避トレイ68にその一部が収容された用紙は、それまで搬送された方向と逆方向に搬送され、第2再供給経路67に進入する。さらに、第2反転ローラ65により搬送される用紙は、搬送経路P1に進入し、第4搬送ローラ63まで搬送される。第4搬送ローラ63により搬送される用紙は、搬送経路P1に沿って進行し、第2画像形成装置15に供給される。
【0037】
第2反転経路P3を通って第4搬送ローラ63により受け取られる用紙の上方を向く面は、その用紙が第3搬送ローラ62により搬送される間に上方を向く面と反対側の面である。
【0038】
図6は、後処理装置の内部構成を模式的に示す図である。
図6を参照して、後処理装置17は、排紙トレイ71と、パージトレイ72と、第3切換爪73と、第2受入ローラ74と、パージローラ75と、排紙ローラ76と、を含む。第2受入ローラ74と排紙ローラ76とは、この順で用紙の搬送方向に並んで搬送経路P1上に配置される。第2受入ローラ74は、第2検査装置16から搬送される用紙を受け付け、用紙を排紙ローラ76に向かって搬送する。
【0039】
第2受入ローラ74と排紙ローラ76との間の搬送経路P1上に第3切換爪73が配置される。後処理装置17は、搬送経路P1の上方に搬送経路P1から分岐するパージ経路P4が形成される。第3切換爪73は、用紙の進行方向を、搬送経路P1とパージ経路P4とのいずれか一方に切り換える。
【0040】
第3切換爪73が、用紙の進行方向を搬送経路P1に切り換えた状態において、第2受入ローラ74により搬送される用紙は搬送経路P1に沿って進行する。排紙ローラ76は、第2受入ローラ74により搬送される用紙を受け付け、用紙を搬送する。排紙ローラ76により搬送される用紙は、搬送経路P1に沿って進行し、排紙トレイ71上に排出される。
【0041】
第3切換爪73が、用紙の進行方向をパージ経路P4に切り換えた状態において、第2受入ローラ74により搬送される用紙はパージ経路P4に沿って進行する。パージ経路P4は、搬送経路P1の第3切換爪73の上流の分岐点からパージトレイ72まで延びる経路である。
【0042】
第3切換爪73が、用紙の進行方向をパージ経路P4に切り換えた状態において、第2受入ローラ74により搬送される用紙はパージ経路P4に進入し、パージローラ75により受け取られる。パージローラ75により搬送される用紙は、パージ経路P4に沿って進行し、パージトレイ72に排出される。
【0043】
図7は、画像形成システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7を参照して、画像形成システム1は、メイン回路110を含む。メイン回路110は、給紙装置11、第1画像形成装置12、第1検査装置13、反転装置14、第2画像形成装置15、第2検査装置16、後処理装置17のいずれかに設けられる。ここでは、メイン回路110が第1画像形成装置12に設けられる場合を例に説明する。なお、メイン回路110は、給紙装置11、第1画像形成装置12、第1検査装置13、反転装置14、第2画像形成装置15、第2検査装置16および後処理装置17とは別の筐体に設けられてもよい。
【0044】
メイン回路110は、画像形成システム1の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、給紙装置11、第1画像形成装置12、第1検査装置13、反転装置14、第2画像形成装置15、第2検査装置16、後処理装置17および操作パネル18と接続され、画像形成システム1の全体を制御する。
【0045】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0046】
操作パネル18は、第1画像形成装置12の筐体の上部に設けられる。操作パネル18は、表示部19aと操作部19bとを含む。表示部19aは、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0047】
操作部19bは、タッチパネルまたはハードキーを含む。タッチパネルは、表示部19aの表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ハードキーは、例えば接点スイッチである。
【0048】
通信I/F部112は、画像形成システム1をネットワークに接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0049】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)119、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM119からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行してもよい。
【0050】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM119に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行してもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0051】
図8は、本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図4に示す機能は、画像形成システム1が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM119に記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111で実現される機能である。
図8を参照して、CPU111は、表面画像取得部121と、裏面画像取得部123と、装置制御部125と、第1検査部127と、第2検査部129と、排出部131と、エラー判定部133と、カウント部135と、通知部137と、を含む。
【0052】
表面画像取得部121は、用紙の第1面に形成するための表面画像データを取得する。裏面画像取得部123は、用紙の第2面に形成するための裏面画像データを取得する。ユーザーが操作部19bに入力する指示により画像形成の対象となる画像データが特定される。画像データは、通信I/F部112が外部のコンピューターから受信されたデータであってもよいし、CD-ROM119に記憶されたデータであってもよい。画像データは、複数ページのページデータを含む。表面画像取得部121は、複数ページのページデータのうち奇数番号のページデータを表面画像データとして取得し、表面画像データを装置制御部125に出力する。裏面画像取得部123は、複数ページのページデータのうち偶数番号のページデータを裏面画像データとして取得し、裏面画像データを裏面画像取得部123に出力する。
【0053】
装置制御部125は、給紙装置11、第1画像形成装置12、反転装置14、第2画像形成装置15を制御して、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15に給紙装置11から供給される用紙の両面に画像を形成させる。ここで、用紙の両面を、第1面と、第1面と反対側の第2面という。装置制御部125は、複数の制御モードで、給紙装置11、第1画像形成装置12、反転装置14、第2画像形成装置15を制御する。複数の制御モードは、連続形成モード、第1単独形成モードおよび第2単独形成モードを含む。連続形成モードは、第1画像形成装置12に用紙の第1面に画像を形成させ、第2画像形成装置15に用紙の第2面に画像を形成させる制御モードである。第1単独形成モードは、第1画像形成装置12が用紙の両面に画像を形成し、第2画像形成装置15が用紙の両面のいずれにも画像を形成しない制御モードである。第2単独形成モードは、第2画像形成装置15が用紙の両面に画像を形成し、第1画像形成装置12が用紙の両面のいずれにも画像を形成しない制御モードである。
【0054】
装置制御部125は、連続形成モードにおいて、給紙装置11に用紙を供給させ、第1画像形成装置12に用紙の第1面に画像を形成させ、反転装置14に用紙を反転させ、第2画像形成装置15に用紙の第2面に画像を形成させる。装置制御部125は、第1画像形成装置12に表面画像取得部121から入力される表面画像データを出力し、第2画像形成装置15に裏面画像取得部123から入力される裏面画像データを出力する。また、装置制御部125は、第1検査部127および第2検査部129に、制御モードが連続形成モードであることを示す信号と表面画像データおよび裏面画像データを出力する。
【0055】
装置制御部125は、第1単独形成モードにおいて、給紙装置11に用紙を供給させ、第1画像形成装置12に用紙の第1面および第2面に画像を形成させ、反転装置14に用紙を反転させることなく搬送経路P1に沿って搬送させ、第2画像形成装置15に用紙に画像を形成させることなく用紙を通過させる。装置制御部125は、第1画像形成装置12に表面画像取得部121から入力される表面画像データおよび裏面画像取得部123から入力される裏面画像データを出力し、第2画像形成装置15に通過指示を出力する。また、装置制御部125は、第1検査部127および第2検査部129に、制御モードが第1単独形成モードであることを示す信号、表面画像データおよび裏面画像データを出力する。
【0056】
装置制御部125は、第2単独形成モードにおいて、給紙装置11に用紙を供給させ、第1画像形成装置12に用紙に画像を形成させることなく用紙を通過させ、反転装置14に用紙を反転させることなく搬送経路P1に沿って搬送させ、第2画像形成装置15に用紙の第1面および第2面に画像を形成させる。装置制御部125は、第1画像形成装置12に通過指示を出力し、第2画像形成装置15に表面画像取得部121から入力される表面画像データおよび裏面画像取得部123から入力される裏面画像データを出力する。また、装置制御部125は、第1検査部127および第2検査部129に、制御モードが第2単独形成モードであることを示す信号、表面画像データおよび裏面画像データを出力する。
【0057】
第1検査部127は、第1検査装置13を制御し、第1検査装置13の第1CIS51aが用紙を読み取って出力する第1検査データおよび第2CIS51bが用紙を読み取って出力する第2検査データを取得する。第1検査部127は、第1検査データおよび第2検査データに基づいて、第1画像形成装置12の異常を検出する。第1検査部127は、用紙に形成された画像から画像形成不良を検出し、画像形成不良が検出される場合に第1画像形成装置12が異常であることを検出する。第1検査部127は、検査結果を、装置制御部125、排出部131およびエラー判定部133に出力する。
【0058】
<連続形成モード>
制御モードが連続形成モードの場合、第1検査装置13の第1CIS51aは用紙の第1面を読み取って第1検査データを出力し、第2CIS51bは用紙の第2面を読み取って第2検査データを出力する。第1画像形成装置12により用紙の第1面に表面画像データの画像が形成され、用紙の第2面に画像が形成されない。第1検査部127は、制御モードが連続形成モードの場合、表面画像データと第1検査データとに基づいて画像形成不良の有無を検出する。画像形成不良の検出方法は、特定するものではないが、例えば、第1検査部127は、表面画像データに存在するが第1検査データに存在しない部分、および表面画像データに存在しないが第1検査データに存在する部分を検出する。例えば、第1検査部127は、表面画像データと第1検査データとの差分画像の濃度を閾値と比較することにより、画像形成不良を検出する。
【0059】
第1検査部127は、制御モードが連続形成モードの場合、第2検査データに基づいて画像形成不良の有無を検出する。制御モードが連続形成モードの場合、用紙の第2面に画像が形成されない。このため、第2検査データは、画像を含まないデータとなる。しかしながら、用紙が第1画像形成装置12を通過する間に、用紙にトナーが付着する画像形成不良が発生する場合がある。
【0060】
なお、用紙の厚さが薄い場合や用紙の坪量が比較的小さい等の場合に、第1面に形成された表面画像データの画像が透けて第2面に表れる場合があり、第2検査データが表面画像データの一部を含む場合がある。この場合は、第1検査部127は、第2検査データと表面画像データとに基づいて、画像形成不良を検出する。用紙の坪量や厚さが給紙装置11に関連付けて予め設定されている場合に、第1検査部127は、第2検査データと表面画像データとに基づいて、画像形成不良を検出する。
【0061】
<第1単独形成モード>
制御モードが第1単独形成モードの場合、第1検査装置13の第1CIS51aは用紙の第2面を読み取って第1検査データを出力し、第2CIS51bは用紙の第1面を読み取って第2検査データを出力する。制御モードが第1単独形成モードの場合、第1画像形成装置12により用紙の第1面に表面画像データの画像が形成され、用紙の第2面に裏面画像データの画像が形成される。第1検査部127は、制御モードが第1単独形成モードの場合、表面画像データと第2検査データとに基づいて画像形成不良の有無を検出する。例えば、第1検査部127は、表面画像データと第2検査データとの差分画像の濃度を閾値と比較することにより、画像形成不良を検出する。さらに、第1検査部127は、制御モードが第1単独形成モードの場合、裏面画像データと第1検査データとに基づいて画像形成不良の有無を検出する。例えば、第1検査部127は、裏面画像データと第1検査データとの差分画像の濃度を閾値と比較することにより、画像形成不良を検出する。
【0062】
なお、用紙の厚さが薄い場合や用紙の坪量が比較的小さい等の場合に、第1面に形成された表面画像データの画像が透けて第2面に表れる場合があり、第2面に形成された裏面画像データの画像が透けて第1面に表れる場合がある。この場合、第1検査データが表面画像データの一部を含み、第2検査データが裏面画像データの一部を含む。このため、第1検査部127は、第1検査データと表面画像データおよび裏面画像データとに基づいて、画像形成不良を検出し、第2検査データと表面画像データおよび裏面画像データとに基づいて、画像形成不良を検出する。
【0063】
<第2単独形成モード>
制御モードが第2単独形成モードの場合、第1検査装置13の第1CIS51aは用紙の第1面を読み取って第1検査データを出力し、第2CIS51bは用紙の第2面を読み取って第2検査データを出力する。制御モードが第2単独形成モードの場合、第1画像形成装置12により用紙の第1面および第2面のいずれにも画像が形成されない。第1検査部127は、制御モードが第2単独形成モードの場合、第1検査データおよび第2検査データそれぞれに基づいて画像形成不良の有無を検出する。第1検査データおよび第2検査データは、画像を含まないデータとなる。しかしながら、用紙が第1画像形成装置12を通過する間に、用紙の第1面または第2面にトナーが付着する画像形成不良が発生する場合がある。
【0064】
第2検査部129は、第2検査装置16を制御し、第2検査装置16の第1CIS51aが用紙を読み取って出力する第3検査データおよび第2CIS51bが用紙を読み取って出力する第4検査データを取得する。第2検査部129は、第3検査データおよび第4検査データに基づいて、第2画像形成装置15の異常を検出する。第2検査部129は、用紙に形成された画像から画像形成不良を検出し、画像形成不良が検出される場合に第2画像形成装置15が異常であることを検出する。第2検査部129は、検査結果を、装置制御部125、排出部131およびエラー判定部133に出力する。
【0065】
<連続形成モード>
制御モードが連続形成モードの場合、第2検査装置16の第1CIS51aは用紙の第2面を読み取って第3検査データを出力し、第2CIS51bは用紙の第1面を読み取って第4検査データを出力する。第2画像形成装置15により用紙の第2面に裏面画像データの画像が形成され、用紙の第1面に画像が形成されない。第2検査部129は、制御モードが連続形成モードの場合、裏面画像データと第3検査データとに基づいて画像形成不良の有無を検出する。例えば、第2検査部129は、裏面画像データと第3検査データとの差分画像の濃度を閾値と比較することにより、画像形成不良を検出する。
【0066】
第2検査部129は、第1検査部127から第2検査データを取得し、第2検査データにさらに基づいて、画像形成不良の有無を検出する。例えば、第2検査部129は、画像形成不良の有無を検出する閾値を、第1検査データに基づいて変更する。用紙の厚さが薄い場合や用紙の坪量が比較的小さい等の場合に、第1面に形成された表面画像データの画像が透けて第2面に表れる場合があり、第3検査データが表面画像データの画像の一部を含む場合がある。例えば、閾値を表面画像データの濃度が高いほど低い閾値としてもよい。
【0067】
第2検査部129は、制御モードが連続形成モードの場合、第4検査データおよび第1検査データに基づいて画像形成不良の有無を検出する。制御モードが連続形成モードの場合、第2画像形成装置15により用紙の第1面に画像が形成されない。このため、第4検査データは、第1検査データに等しくなるはずである。しかしながら、用紙が第2画像形成装置15を通過する間に、用紙にトナーが付着する画像形成不良が発生する場合がある。
【0068】
なお、用紙の厚さが薄い場合や用紙の坪量が比較的小さい等の場合に、第2面に形成された裏面画像データの画像が透けて第1面に表れる場合があり、第4検査データが裏面画像データの画像の一部を含む場合がある。この場合は、第2検査部129は、第4検査データと第2検査データに加えて裏面画像データに基づいて、画像形成不良を検出する。
【0069】
<第2単独形成モード>
制御モードが第2単独形成モードの場合、第2検査装置16の第1CIS51aは用紙の第2面を読み取って第3検査データを出力し、第2CIS51bは用紙の第1面を読み取って第4検査データを出力する。制御モードが第2単独形成モードの場合、第2画像形成装置15により用紙の第1面に表面画像データの画像が形成され、用紙の第2面に裏面画像データの画像が形成される。第2検査部129は、制御モードが第2単独形成モードの場合、表面画像データと第4検査データとに基づいて画像形成不良の有無を検出する。例えば、第2検査部129は、表面画像データと第4検査データとの差分画像の濃度を閾値と比較することにより、画像形成不良を検出する。さらに、第2検査部129は、制御モードが第2単独形成モードの場合、裏面画像データと第3検査データとに基づいて画像形成不良の有無を検出する。例えば、第2検査部129は、裏面画像データと第3検査データとの差分画像の濃度を閾値と比較することにより、画像形成不良を検出する。
【0070】
なお、用紙の厚さが薄い場合や用紙の坪量が比較的小さい等の場合に、第1面に形成された表面画像データの画像が透けて第2面に表れる場合があり、第2面に形成された裏面画像データの画像が透けて第1面に表れる場合がある。この場合、第3検査データが表面画像データの一部を含み、第4検査データが裏面画像データの一部を含む。このため、第2検査部129は、第3検査データと表面画像データおよび裏面画像データとに基づいて、画像形成不良を検出し、第4検査データと表面画像データおよび裏面画像データとに基づいて、画像形成不良を検出する。
【0071】
<第1単独形成モード>
制御モードが第1単独形成モードの場合、第2検査装置16の第1CIS51aは用紙の第2面を読み取って第3検査データを出力し、第2CIS51bは用紙の第1面を読み取って第4検査データを出力する。制御モードが第1単独形成モードの場合、第1画像形成装置12により用紙の第1面に表面画像データの画像が形成され、用紙の第2面に裏面画像データの画像が形成され、第2画像形成装置15により用紙の第1面および第2面のいずれにも画像が形成されない。
【0072】
このため、第3検査データは第1検査データと等しくなり、第4検査データは第2検査データと等しくなる。しかしながら、用紙が第2画像形成装置15を通過する間に、用紙の第1面または第2面にトナーが付着する画像形成不良が発生する場合がある。
【0073】
第2検査部129は、制御モードが第1単独形成モードの場合、第3検査データおよび第1検査データに基づいて画像形成不良の有無を検出するとともに、第4検査データおよび第2検査データに基づいて画像形成不良の有無を検出する。
【0074】
エラー判定部133は、第1検査部127および第2検査部129から入力される検出結果に基づいて、エラーの種類を決定する。エラーの種類は、画像形成不良が発生した装置を特定する情報を含む。エラー判定部133は、検出結果が画像形成不良を含む場合に、排出部131に排出指示を出力するとともに、エラーの種類をカウント部135に出力する。
【0075】
排出部131は、後処理装置17を制御する。排出部131は、エラー判定部133から排出指示が入力されることに応じて、後処理装置17に第3切換爪73をパージ経路P4側に切り換えさせる。これにより、画像形成不良の発生した用紙がパージ経路P4に沿って進行し、パージトレイ72に排出される。
【0076】
カウント部135は、エラー判定部133からエラーの種類が入力されることに応じて、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15ごとに画像形成不良の発生回数をカウントする。カウント部135は、HDD115に記憶された装置別テーブルを更新する。装置別テーブルは、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15それぞれに関連付けられたレコードを含む。装置別テーブルに含まれるレコードは、装置を識別するための装置識別情報と、画像形成不良が発生した回数と、を関連付ける。
【0077】
通知部137は、ユーザーが操作部19bに入力する操作に従って、HDD115に記憶された装置別テーブルを表示部19aに表示する。ユーザーは、装置別テーブルを参照することにより、画像形成不良が第1画像形成装置12および第2画像形成装置15のいずれの原因によるものかを容易に判断することができる。また、通知部137は、画像形成不良が発生した回数が、予め定められた閾値以上になる時点で、画像形成システム1の管理者に通知してもよい。例えば、通知部137は、電子メールなどを送信する。電子メールは、装置別テーブルを含んでもよい。
【0078】
図9は、連続画像形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。連続形成モード画像形成処理は、画像形成システム1が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM119に記憶された画像形成プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。連続形成モード画像形成処理は、制御モードが連続形成モードに設定されている場合にCPU111により実行される処理である。
【0079】
図9を参照して、CPU111は、第1装置により用紙の第1面に表面画像を形成し(ステップS01)、処理をステップS02に進める。第1装置は、第1画像形成装置12である。CPU111は、第1画像形成装置12に表面画像データを送信する。第1画像形成装置12は、用紙の第1面に表面画像データの表面画像を形成する。
【0080】
ステップS02においては、第1検査データおよび第2検査データが取得され、処理はステップS03に進む。第1検査装置13の第1CIS51aが用紙の第1面を読み取って出力する第1検査データと、第2CIS51bが用紙の第2面を読みって出力する第2検査データとが取得される。
【0081】
ステップS03においては、第1検査処理が実行される。第1検査処理は、第1検査データと表面画像データとを用いた検査と、第2検査データを用いた検査とを含む。第1検査データと表面画像データとの差分を示す差分データに、所定の閾値以上の所定数の隣接する画素の集合が存在する場合に画像形成エラーと判断する。また、第2検査データに、所定の閾値以上の所定数の隣接する画素の集合が存在する場合に画像形成不良と判断する。
【0082】
ステップS04においては、ステップS03における第1検査処理の結果により処理が分岐する。第1検査結果が正常ならば処理はステップS07に進むが、そうでなく画像形成エラーならば処理はステップS05に進む。ステップS05においては第1エラー処理が実行され、処理はステップS06に進む。第1エラー処理の詳細は後述するが、第1画像形成装置12において検出された異常に対応する処理である。ステップS06においては、制御モードが第2単独形成モードに設定され、処理はステップS08に進む。
【0083】
ステップS07においては、第2装置により用紙の第2面に表面画像が形成され、処理はステップS08に進む。第2装置は、第2画像形成装置15である。CPU111は、第2画像形成装置15に裏面画像データを送信する。第2画像形成装置15は、用紙の第2面に裏面画像データの裏面画像を形成する。
【0084】
ステップS08においては、第3検査データおよび第4検査データが取得され、処理はステップS09に進む。第2検査装置16に反転装置14から供給される用紙は、反転装置14により表裏が反転されている。第2検査装置16の第1CIS51aが用紙の第2面を読み取って出力する第3検査データと、第2CIS51bが用紙の第1面を読みって出力する第4検査データとが取得される。
【0085】
ステップS09においては、第2検査データに基づいて基準が変更される。次のステップS10において実行される第2検査処理に用いる閾値が第2検査データに基づいて変更される。ステップS10においては、第2検査処理が実行される。第2検査処理は、第3検査データと裏面画像データとを用いた検査と、第4検査データと第1検査データとを用いた検査とを含む。第3検査データと裏面画像データとの差分を示す差分データに、所定の閾値以上の所定数の隣接する画素の集合が存在する場合に画像形成エラーと判断する。また、第4検査データと第1検査データとの差分データに、所定の閾値以上の所定数の隣接する画素の集合が存在する場合に画像形成不良と判断する。
【0086】
ステップS11においては、ステップS10における第2検査処理の結果により処理が分岐する。第2検査結果が正常ならば処理は終了するが、そうでなく画像形成不良ならば処理はステップS12に進む。ステップS12においては第2エラー処理が実行され、処理はステップS13に進む。第2エラー処理の詳細は後述するが、第2画像形成装置15において検出された異常に対応する処理である。ステップS13においては、制御モードが第1単独形成モードに設定され、処理は終了する。
【0087】
図10は、第1エラー処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1エラー処理は、
図9のステップS05において実行される処理である。
図10を参照して、第1検査結果により処理が分岐する(ステップS21)。第1検査結果が用紙の両面に画像形成異常が検出されたことを示す場合に処理はステップS22に進む。第1検査結果が用紙の第1面に画像形成異常が検出され、第2面に画像形成異常が検出されないことを示す場合には処理はステップS23に進む。第1検査結果が用紙の第2面に画像形成異常が検出され、第1面に画像形成異常が検出されないことを示す場合には処理はステップS24に進む。
【0088】
ステップS22においては、第1両面エラー回数がカウントアップされ、処理はステップS25に進む。第1両面エラー回数のカウンターは、第1画像形成装置12において第1面および第2面のそれぞれに画像形成不良が発生した回数を示す。第1面の画像形成不良は、第1検査データに基づいて検出され、第2面の画像形成不良は第2検査データに基づき検出される。
【0089】
ステップS23においては、第1表面エラー回数がカウントアップされ、処理はステップS25に進む。第1表面エラー回数のカウンターは、第1画像形成装置12において第1面に画像形成不良が発生した回数を示す。
【0090】
ステップS24においては、第1裏面エラー回数がカウントアップされ、処理はステップS25に進む。第1裏面エラー回数のカウンターは、第1画像形成装置12において第2面に画像形成不良が発生した回数を示す。
【0091】
ステップS25においては、画像形成システム1の管理者にエラーが通知され、処理はステップS26に進む。エラーの内容が表示部19aに表示される。電子メール等により画像形成不良が発生したことが通知されてもよい。
【0092】
ステップS26においては、排紙経路搬送に設定され、処理は連続画像形成処理に戻る。具体的には、CPU111は、反転装置14に用紙を反転することなく搬送する指示を出力し、第2画像形成装置15に画像形成することなく用紙を搬送する指示を出力し、後処理装置17にパージトレイ72に排紙する指示を出力する。
【0093】
図11は、第2エラー処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2エラー処理は、
図9のステップS12において実行される処理である。
図11を参照して、第2検査結果により処理が分岐する(ステップS31)。第2検査結果が用紙の両面に画像形成異常が検出されたことを示す場合に処理はステップS32に進む。第2検査結果が用紙の第1面に画像形成異常が検出され、第2面に画像形成異常が検出されないことを示す場合には処理はステップS33に進む。第2検査結果が用紙の第2面に画像形成異常が検出され、第1面に画像形成異常が検出されないことを示す場合には処理はステップS34に進む。
【0094】
ステップS32においては、第2両面エラー回数がカウントアップされ、処理はステップS35に進む。第2両面エラー回数のカウンターは、第2画像形成装置15において第1面および第2面のそれぞれに画像形成不良が発生した回数を示す。第1面の画像形成不良は、第4検査データに基づいて検出され、第2面の画像形成不良は第3検査データに基づき検出される。
【0095】
ステップS33においては、第2表面エラー回数がカウントアップされ、処理はステップS35に進む。第2表面エラー回数のカウンターは、第2画像形成装置15において第1面に画像形成不良が発生した回数を示す。
【0096】
ステップS34においては、第2裏面エラー回数がカウントアップされ、処理はステップS35に進む。第3裏面エラー回数のカウンターは、第2画像形成装置15において第2面に画像形成不良が発生した回数を示す。
【0097】
ステップS35においては、画像形成システム1の管理者にエラーが通知され、処理はステップS36に進む。エラーの内容が表示部19aに表示される。電子メール等により画像形成不良が発生したことが通知されてもよい。
【0098】
ステップS36においては、排紙経路搬送に設定され、処理は連続画像形成処理に戻る。具体的には、CPU111は、後処理装置17にパージトレイ72に排紙する指示を出力する。
【0099】
図12は、第1単独形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1単独形成処理は、制御モードが第1単独形成モードに設定されている場合に実行される処理である。
図12を参照して、
図9に示した連続画像形成処理と異なる点は、ステップS01がステップS01Aに変更された点、ステップS06、S07、S09およびS13が削除された点である。
【0100】
ステップS01Aにおいては、CPU111は、第1装置により用紙の第1面および第2面に画像を形成し、処理をステップS03に進める。第1装置は、第1画像形成装置12である。CPU111は、第1画像形成装置12に表面画像データおよび裏面画像データを送信する。第1画像形成装置12は、用紙の第1面に表面画像データの表面画像を形成し、用紙の第2面に裏面画像データの裏面画像を形成する。
【0101】
ステップS04においては、ステップS03における第1検査処理の結果により処理が分岐する。第1検査結果が正常ならば処理はステップS08に進むが、そうでなく画像形成エラーならば処理はステップS05に進む。ステップS05においては、
図10に示した第1エラー処理が実行され、処理はステップS08に進む。
【0102】
ステップS08においては、第3検査データおよび第4検査データが取得され、処理はステップS10に進む。ステップS10においては、第2検査処理が実行され、処理はステップS11に進む。ステップS11においては、ステップS10における第2検査処理の結果により処理が分岐する。第2検査結果が正常ならば処理は終了するが、そうでなく画像形成不良ならば処理はステップS12に進む。ステップS12においては
図11に示した第2エラー処理が実行され、処理は終了する。
【0103】
図13は、第2単独形成処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2単独形成処理は、制御モードが第2単独形成モードに設定されている場合に実行される処理である。
図13を参照して、
図9に示した連続画像形成処理と異なる点は、ステップS07がステップS07Aに変更された点、ステップS01、S06、S09およびS13が削除された点である。制御モードが第2単独形成モードの場合、第1画像形成装置12は給紙装置11から供給される用紙に画像形成することなく、そのまま搬送する。
【0104】
CPU111は、第1検査データおよび第2検査データを取得し(ステップS02)、処理をステップS03に進める。第1検査装置13の第1CIS51aが用紙の第1面を読み取って出力する第1検査データと、第2CIS51bが用紙の第2面を読みって出力する第2検査データとが取得される。
【0105】
ステップS03においては、第1検査処理が実行され、処理はステップS04に進む。ステップS04においては、ステップS03における第1検査処理の結果により処理が分岐する。第1検査結果が正常ならば処理はステップS07Aに進むが、そうでなく画像形成エラーならば処理はステップS05に進む。ステップS05においては
図10に示した第1エラー処理が実行され、処理はステップS07Aに進む。
【0106】
ステップS07Aにおいては、第2装置により用紙の第1面と第2面に画像が形成され、処理はステップS08に進む。第2装置は、第2画像形成装置15である。CPU111は、第2画像形成装置15に表面画像データおよび裏面画像データを送信する。第2画像形成装置15は、用紙の第1面に表面画像データの表面画像を形成し、用紙の第2面に裏面画像データの裏面画像を形成する。
【0107】
ステップS08においては、第3検査データおよび第4検査データが取得され、処理はステップS10に進む。第2検査装置16に第2画像形成装置15から供給される用紙は、第2画像形成装置15により表裏が反転されている。第2検査装置16の第1CIS51aが用紙の第2面を読み取って出力する第3検査データと、第2CIS51bが用紙の第1面を読みって出力する第4検査データとが取得される。
【0108】
ステップS10においては、第2検査処理が実行され、処理はステップS11に進む。ステップS11においては、ステップS10における第2検査処理の結果により処理が分岐する。第2検査結果が正常ならば処理は終了するが、そうでなく画像形成不良ならば処理はステップS12に進む。ステップS12においては
図11に示した第2エラー処理が実行され、処理は終了する。
【0109】
図14は、連続形成モードにおけるエラー判定テーブルの一例を示す図である。
図14を参照して、連続形成モードにおけるエラー判定テーブルは、第1画像形成装置12、第1検査装置13、第2画像形成装置15、第2検査装置16および後処理装置17それぞれの動作状態と、異常判定と、を含む。異常判定は、第1エラーと、第2エラーと対策とを含む。第1エラーは第1画像形成装置12の状態を示し、第2エラーは第2画像形成装置15の状態を示す。
【0110】
制御モードが連続形成モードにおいて、第1画像形成装置12において用紙の第1面に表面画像データの表面画像が形成され、用紙の第2面には画像は生成されない。第1検査装置13における第1検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第1面エラーと判定される。この場合における第1面エラーは、第1画像形成装置12による表面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第1検査装置13における第2検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第2面エラーと判定される。この場合における第2面エラーは、用紙が第1画像形成装置12を通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第1検査装置13における第1検査データを用いた検査および第2検査データを用いた検査のいずれにおいても画像形成異常が検出されない場合に、正常と判定される。
【0111】
制御モードが連続形成モードにおいて、第2画像形成装置15において用紙の第2面に裏面画像データの裏面画像が形成され、用紙の第1面には画像は生成されない。第2検査装置16における第4検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第1面エラーと判定される。この場合における第1面エラーは、用紙が第2画像形成装置15を通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第2検査装置16における第3検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第2面エラーと判定される。この場合における第2面エラーは、第2画像形成装置15による裏面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第2検査装置16における第3検査データを用いた検査および第4検査データを用いた検査のいずれにおいても画像形成異常が検出されない場合に、正常と判定される。
【0112】
第1検査装置13による検査の結果が第1面エラーまたは第2面エラーを示す場合、または、第2検査装置16による検査の結果が第1面エラーまたは第2面エラーを示す場合、後処理装置17は用紙をパージトレイ72に排出する。第1検査装置13による検査の結果が正常を示し、かつ、第2検査装置16による検査の結果が正常を示す場合、後処理装置17は用紙を排紙トレイ71に排出する。
【0113】
異常判定において、第1画像形成装置12で発生した画像形成異常が第1エラーとして示され、第2画像形成装置15で発生した画像形成異常を第2エラーとして示され、画像形成システム1の動作が対策で示される。第1エラーは、第1形成エラーと、第1通過エラーとを含む。第1形成エラーは、第1画像形成装置12による表面画像の形成に異常が発生したことを示す。第1通過エラーは、第1画像形成装置12を用紙が通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第2エラーは、第2形成エラーと、第2通過エラーとを含む。第2形成エラーは、第2画像形成装置15による裏面画像の形成に異常が発生したことを示す。第2通過エラーは、第2画像形成装置15を用紙が通過したことにより異常が発生したことを示す。
【0114】
対策は、第1形成エラー、第1通過エラー、第2形成エラーおよび第2通過エラーのいずれかが発生した場合の画像形成システム1の動作が示される。第1画像形成装置12において第1形成エラーおよび第1通過エラーのいずれかが検出され、かつ、第2検査装置16において第2通過エラーが検出される場合、エラーが通知される。第1画像形成装置12において第1形成エラーおよび第1通過エラーのいずれかが検出され、かつ、第2検査装置16において第2通過エラーが検出されない場合、制御モードが第2単独モードに切り換えられる。第1画像形成装置12において第1形成エラーおよび第1通過エラーのいずれも検出されず、第2検査装置16において第2通過エラーまたは第2形成エラーが検出される場合、制御モードが第1単独モードに切り換えられる。第1画像形成装置12において第1形成エラーおよび第1通過エラーのいずれも検出されず、第2検査装置16において第2通過エラーおよび第2形成エラーのいずれも検出されない場合、制御モードとして連続形成モードが維持される。異常判定において、対策にエラー通知が示される場合、制御モードと、第1エラーと第2エラーそれぞれの内容と、が通知される。
【0115】
図15は、第1単独形成モードにおけるエラー判定テーブルの一例を示す図である。
図15を参照して、制御モードが第1単独形成モードにおいて、第1画像形成装置12において用紙の第1面に表面画像データの表面画像が形成され、用紙の第2面に裏面画像データの裏面画像が形成される。第1検査装置13における第1検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第1面エラーと判定される。この場合における第1面エラーは、第1画像形成装置12による表面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第1検査装置13における第2検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第2面エラーと判定される。この場合における第2面エラーは、第1画像形成装置12による裏面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第1検査装置13における第1検査データを用いた検査および第2検査データを用いた検査のいずれにおいても画像形成異常が検出されない場合に、正常と判定される。
【0116】
制御モードが第1単独形成モードにおいて、第2画像形成装置15において用紙の第1面および第2面に画像が形成されない。第2検査装置16における第4検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第1面エラーと判定される。この場合における第1面エラーは、用紙が第2画像形成装置15を通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第2検査装置16における第4検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第2面エラーと判定される。この場合における第2面エラーは、用紙が第2画像形成装置15を通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第2検査装置16における第3検査データを用いた検査および第4検査データを用いた検査のいずれにおいても画像形成異常が検出されない場合に、正常と判定される。
【0117】
第1検査装置13による検査の結果が第1面エラーまたは第2面エラーを示す場合、または、第2検査装置16による検査の結果が第1面エラーまたは第2面エラーを示す場合、後処理装置17は用紙をパージトレイ72に排出する。第1検査装置13による検査の結果が正常を示し、かつ、第2検査装置16による検査の結果が正常を示す場合、後処理装置17は用紙を排紙トレイ71に排出する。
【0118】
異常判定において、第1画像形成装置12で発生した画像形成異常が第1エラーとして示され、第2画像形成装置15で発生した画像形成異常を第2エラーとして示され、画像形成システム1の動作が対策で示される。第1エラーは、第1形成エラーを含む。第1形成エラーは、第1画像形成装置12による表面画像の形成または裏面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第2エラーは、第2通過エラーを含む。第2通過エラーは、第2画像形成装置15を用紙が通過したことにより異常が発生したことを示す。
【0119】
対策は、第1形成エラーおよび第2通過エラーのいずれかが発生した場合の画像形成システム1の動作が示される。第1画像形成装置12において第1形成エラーが検出される場合、または、第2検査装置16において第2通過エラーが検出される場合、エラーが通知される。第1画像形成装置12において第1形成エラーが検出されず、かつ、第2検査装置16において第2通過エラーが検出されない場合、制御モードとして第1単独形成モードが維持される。異常判定において、対策にエラー通知が示される場合、制御モードと、第1エラーと第2エラーそれぞれの内容と、が通知される。
【0120】
図16は、第2単独形成モードにおけるエラー判定テーブルの一例を示す図である。
図16を参照して、制御モードが第2単独形成モードにおいて、第1画像形成装置12において用紙の第1面および第2には画像は生成されない。第1検査装置13における第1検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第1面エラーと判定される。この場合における第1面エラーは、第1画像形成装置12を用紙が通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第1検査装置13における第2検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第2面エラーと判定される。この場合における第2面エラーは、用紙が第1画像形成装置12を通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第1検査装置13における第1検査データを用いた検査および第2検査データを用いた検査のいずれにおいても画像形成異常が検出されない場合に、正常と判定される。
【0121】
制御モードが第2単独形成モードにおいて、第2画像形成装置15において用紙の第1面に表面画像データの表面画像が形成され、第2面に裏面画像データの裏面画像が形成される。第2検査装置16における第4検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第1面エラーと判定される。この場合における第1面エラーは、第2画像形成装置15による表面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第2検査装置16における第3検査データを用いた検査により画像形成異常が検出される場合に第2面エラーと判定される。この場合における第2面エラーは、第2画像形成装置15による裏面画像の形成に異常が発生したことを示す。また、第2検査装置16における第3検査データを用いた検査および第4検査データを用いた検査のいずれにおいても画像形成異常が検出されない場合に、正常と判定される。
【0122】
第1検査装置13による検査の結果が第1面エラーまたは第2面エラーを示す場合、または、第2検査装置16による検査の結果が第1面エラーまたは第2面エラーを示す場合、後処理装置17は用紙をパージトレイ72に排出する。第1検査装置13による検査の結果が正常を示し、かつ、第2検査装置16による検査の結果が正常を示す場合、後処理装置17は用紙を排紙トレイ71に排出する。
【0123】
異常判定において、第1画像形成装置12で発生した画像形成異常が第1エラーとして示され、第2画像形成装置15で発生した画像形成異常を第2エラーとして示され、画像形成システム1の動作が対策で示される。第1エラーは、第1通過エラーを含む。第1通過エラーは、第1画像形成装置12を用紙が通過したことにより異常が発生したことを示す。また、第2エラーは、第2形成エラーを含む。第2形成エラーは、第2画像形成装置15による表面画像の形成の異常または裏面画像の形成に異常が発生したことを示す。
【0124】
対策は、第1通過エラーおよび第2形成エラーのいずれかが発生した場合の画像形成システム1の動作が示される。第1画像形成装置12において第1通過エラーが検出される場合、または、第2検査装置16において第2形成エラーが検出される場合、エラーが通知される。第1画像形成装置12において第1通過エラーが検出されず、かつ、第2検査装置16において第2形成エラーが検出されない場合、制御モードとして第2単独モードが維持される。異常判定において、対策にエラー通知が示される場合、制御モードと、第1エラーと第2エラーそれぞれの内容と、が通知される。
【0125】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成システム1は、用紙の搬送経路P1上に配置された第1画像形成装置12と、第1画像形成装置12よりも用紙の搬送方向における下流側の搬送経路P1上に配置された第2画像形成装置15と、第1画像形成装置12と第2画像形成装置15との間の搬送経路P1上に配置され、搬送経路P1を搬送される用紙を読み取る第1検査装置13と、第2画像形成装置15よりも搬送方向における下流側の搬送経路P1上に配置され、搬送経路P1を搬送される用紙を読み取る第2検査装置16と、を備える。第1検査装置13が第1画像形成装置12と第2画像形成装置15との間の搬送経路P1上に配置されるので、第1画像形成装置12の異常を検査することができる。また、第2検査装置16が第2画像形成装置15よりも下流側の搬送経路P1上に配置されるので、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15の異常を検出することができる。第1検査装置13の検査結果と第2検査装置16の検査結果と、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15それぞれの動作とから第1画像形成装置12および第2画像形成装置15のいずれの異常であるかを判断することができる。
【0126】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第1画像形成装置12に用紙の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく第1面に画像を形成させ、第1検査装置13が用紙を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置12の異常を検出し、第1検査装置13は、用紙の第1面および第2面を読み取る。このため、第1画像形成装置12が画像を形成する第1面および画像を形成しない第2面それぞれに発生する異常を検出することができる。
【0127】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第1検査装置13が第1面を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置12の異常を検出する。このため、第1画像形成装置12による画像を形成に関連する異常を検出することができる。
【0128】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第1検査装置13が第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置12の異常を検出する。このため、第1画像形成装置12による画像形成時の用紙の搬送に関連する異常を検出することができる。
【0129】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第1検査装置13により異常が検出された第1画像形成装置12により画像が形成された用紙に対する第2画像形成装置15による画像形成を禁止する。このため、第2画像形成装置15に無駄な動作をさせることなく、省エネルギー化が可能となる。
【0130】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第2画像形成装置15に用紙の第1面に画像を形成させることなく第2面に画像を形成させ、第2検査装置16が用紙を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置15の異常を検出し、第2検査装置16は、用紙の第1面および第2面を読み取る。このため、第2画像形成装置15が画像を形成する第2面および画像を形成しない第1面それぞれに発生する異常を検出することができる。
【0131】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第1検査装置13が用紙を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置15の異常を検出するための基準を変更する。第2検査装置16が読取の対象とする用紙の第1面に第1画像形成装置12により画像が形成されている。このため、第2検査装置16が用紙を読み取って出力する画像データには、第1面に形成された画像の一部が含まれる場合がある。第1検査装置13が用紙を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置15の異常を検出するための基準が変更されるので、第2画像形成装置15の異常を正確に検出することができる。
【0132】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、用紙の第2面を第2検査装置16が読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置15の異常を検出する。このため、第2画像形成装置15による画像を形成に関連する異常を検出することができる。
【0133】
画像形成システム1が備えるCPU111は、用紙の第1面を第2検査装置16が読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置15の異常を検出する。このため、第2画像形成装置15による画像形成時の用紙の搬送に関連する異常を検出することができる。
【0134】
画像形成システム1が備えるCPU111は、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15のいずれか一方で異常が検出され、他方で常が検出されない場合、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15のうち異常が検出された一方による画像形成を禁止し、他方に用紙の両面に画像を形成させる。このため、第1画像形成装置12および第2画像形成装置15の双方を用いて用紙の両面に画像を形成させることがでない状態であっても、用紙の両面に画像を形成させることができる。
【0135】
また、画像形成システム1が備えるCPU111は、第2検査装置16が用紙の両面に画像を形成する場合、第1検査装置13が用紙を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置12を通過する用紙の異常を検出し、用紙の異常が検出される場合、第2画像形成装置15による画像形成を禁止する。このため、第1画像形成装置12による用紙の搬送に関連する異常を検出することができ、画像不良となる用紙が生成されないようにできる。
【0136】
<実施の形態の総括>
(項1) 記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、
前記第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記第2画像形成装置よりも前記搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備えた画像形成システム。
【0137】
この局面に従えば、第1読取部が前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置されるので、第1画像形成装置の異常を検査することができる。また、第2読取部が第2画像形成装置よりも下流側の搬送経路上に配置されるので、第1画像形成装置および第2画像形成装置の異常を検出することができる。第1読取部の検査結果と第2読取部の検査結果と、第1画像形成装置および第2画像形成装置それぞれの動作とから第1画像形成装置および第2画像形成装置のいずれの異常であるかを判断することができる。その結果、複数の画像形成装置それぞれの状態を検査することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0138】
(項2) 前記第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく前記第1面に画像を形成させる装置制御手段と、
前記第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する第1検査手段を、さらに備え、
前記第1読取部は、記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取る、項1に記載の画像形成システム。
【0139】
この局面に従えば、第1画像形成装置により記録媒体の第1面に画像が形成され、第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置の異常が検出される。このため、第1画像形成装置が画像を形成する第1面および画像を形成しない第2面それぞれに発生する異常を検出することができる。
【0140】
(項3) 前記第1検査手段は、前記第1読取部が前記第1面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する、項2に記載の画像形成システム。
【0141】
この局面に従えば、第1画像形成装置による画像を形成に関連する異常を検出することができる。
【0142】
(項4) 前記第1検査手段は、前記第1読取部が前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する、項2または3に記載の画像形成システム。
【0143】
この局面に従えば、第1画像形成装置による画像形成時の記録媒体の搬送に関連する異常を検出することができる。
【0144】
(項5) 前記第1検査手段により異常が検出された前記第1画像形成装置により画像が形成された記録媒体に対する前記第2画像形成装置による画像形成を禁止する禁止手段を、さらに備えた、項2~4のいずれかに記載の画像形成システム。
【0145】
この局面に従えば、第1検査手段により異常が検出された第1画像形成装置により画像が形成された記録媒体に対して第2画像形成装置により画像が形成されない。このため、第2画像形成装置に無駄な動作をさせることなく、省エネルギー化が可能となる。
【0146】
(項6) 前記装置制御手段は、前記第2画像形成装置に記録媒体の前記第1面に画像を形成させることなく前記第2面に画像を形成させ、
前記第2読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する第2検査手段を、さらに備え、
前記第2読取部は、記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取る、項2~5のいずれかに記載の画像形成システム。
【0147】
この局面に従えば、第2画像形成装置により記録媒体の第2面に画像が形成され、第2読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置の異常が検出される。このため、第2画像形成装置が画像を形成する第2面および画像を形成しない第1面それぞれに発生する異常を検出することができる。
【0148】
(項7) 前記第2検査手段は、前記第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出するための基準を変更する、項6に記載の画像形成システム。
【0149】
この局面に従えば、第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置の異常を検出するための基準が変更される。第2読取部が読取の対象とする記録媒体の第1面に第1画像形成装置により画像が形成されている。このため、第2読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データには、第1面に形成された画像の一部が含まれる場合がある。第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、第2画像形成装置の異常を検出するための基準が変更されるので、第2画像形成装置の異常を正確に検出することができる。
【0150】
(項8) 前記第2検査手段は、記録媒体の前記第2面を前記第2読取部が読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する、項6または7に記載の画像形成システム。
【0151】
この局面に従えば、第2画像形成装置による画像を形成に関連する異常を検出することができる。
【0152】
(項9) 前記第2検査手段は、記録媒体の前記第1面を前記第2読取部が読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する、項8に記載の画像形成システム。
【0153】
この局面に従えば、第2画像形成装置による画像形成時の記録媒体の搬送に関連する異常を検出することができる。
【0154】
(項10) 前記装置制御手段は、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のいずれか一方で異常が検出され、他方で常が検出されない場合、前記第1画像形成装置および前記第2画像形成装置のうち異常が検出された一方による画像形成を禁止し、他方に記録媒体の両面に画像を形成させる、項6~9のいずれかに記載の画像形成システム。
【0155】
この局面に従えば、第1画像形成装置および第2画像形成装置のうち異常が検出された一方による画像形成が禁止され、他方で記録媒体の両面に画像が形成される。このため、第1画像形成装置および第2画像形成装置の双方を用いて記録媒体の両面に画像を形成させることがでない状態であっても、記録媒体の両面に画像を形成させることができる。
【0156】
(項11) 前記第1検査手段は、前記第2画像形成装置が記録媒体の両面に画像を形成する場合、前記第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置を通過する記録媒体の異常を検出し、
前記装置制御手段は、前記第1検査手段により記録媒体の異常が検出される場合、前記第2画像形成装置による画像形成を禁止する、項10に記載の画像形成システム。
【0157】
この局面に従えば、第2画像形成装置が記録媒体の両面に画像を形成する場合に、第1読取部が記録媒体を読み取って出力する画像データに基づいて、第1画像形成装置を通過する記録媒体の異常が検出され、記録媒体の異常が検出される場合、第2画像形成装置による画像形成が禁止される。このため、第1画像形成装置による記録媒体の搬送に関連する異常を検出することができ、画像不良となる用紙が生成されないようにできる。
【0158】
(項12) 画像形成システムで実行される画像形成方法であって、
前記画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、
前記第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記第2画像形成装置よりも前記搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、
前記第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく前記第1面に画像を形成させるとともに、前記第2画像形成装置に記録媒体の前記第1面に画像を形成させることなく前記第2面に画像を形成させる装置制御ステップと、
前記第1読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する第1検査ステップと、
前記第2読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する第2検査ステップと、を含む。
【0159】
この局面に従えば、複数の画像形成装置それぞれの状態を検査することが可能な画像形成方法を提供することができる。
【0160】
(項13) 画像形成システムを制御するコンピューターで実行される画像形成プログラムであって、
前記画像形成システムは、記録媒体の搬送経路上に配置された第1画像形成装置と、
前記第1画像形成装置よりも記録媒体の搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置された第2画像形成装置と、
前記第1画像形成装置と前記第2画像形成装置との間の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記第2画像形成装置よりも前記搬送方向における下流側の前記搬送経路上に配置され、前記搬送経路を搬送される記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、
前記第1画像形成装置に記録媒体の第1面と反対側の第2面に画像を形成させることなく前記第1面に画像を形成させるとともに、前記第2画像形成装置に記録媒体の前記第1面に画像を形成させることなく前記第2面に画像を形成させる装置制御ステップと、
前記第1読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第1画像形成装置の異常を検出する第1検査ステップと、
前記第2読取部が記録媒体の前記第1面および前記第2面を読み取って出力する画像データに基づいて、前記第2画像形成装置の異常を検出する第2検査ステップと、を前記コンピューターに実行させる画像形成プログラム。
【0161】
この局面に従えば、複数の画像形成装置それぞれの状態を検査することが可能な画像形成プログラムを提供することができる。
【0162】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0163】
1 画像形成システム、11 給紙装置、12 第1画像形成装置、13 第1検査装置、14 反転装置、15 第2画像形成装置、16 第2検査装置、17 後処理装置、18 操作パネル、19a 表示部、19b 操作部、20Y,20M,20C,20K画像形成ユニット、30 第1反転機構、31 第1退避経路、32 第1再供給経路、33 第1切換爪、34 第1退避トレイ、41 第1給紙トレイ、42 第2給紙トレイ、43 第3給紙トレイ、44 供給ローラ、51 読取部、51a 第1CIS、51b 第2CIS、52 第1搬送ローラ、53 第2搬送ローラ、61 第2切換爪、62 第3搬送ローラ、63 第4搬送ローラ、64 第2反転機構、65 第2反転ローラ、66 第2退避経路、67 第2再供給経路、68 第2退避トレイ、71 排紙トレイ、72 パージトレイ、73 第3切換爪、74 第2受入ローラ、75 パージローラ、76 排紙ローラ、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 HDD、118 外部記憶装置、119 CD-ROM、121 表面画像取得部、123 裏面画像取得部、125 装置制御部、127 第1検査部、129 第2検査部、130 原稿読取部、131 排出部、133 エラー判定部、135 カウント部、137 通知部、P1 搬送経路、P2 第1反転経路、P3 第2反転経路、P4 パージ経路。