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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170277
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】表示装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20241129BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241129BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241129BHJP
   G09G 5/373 20060101ALI20241129BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20241129BHJP
   B60K 35/28 20240101ALI20241129BHJP
   B60K 35/22 20240101ALI20241129BHJP
【FI】
G02B27/01
G09F9/00 359
G09F9/00 313
G09F9/00 366G
G09G5/00 550B
G09G5/00 530T
G09G5/373 200
G09G5/373 100
G09G5/00 550C
B60R11/02 C
B60K35/28
B60K35/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186497
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2023086861
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】今村 典広
(72)【発明者】
【氏名】永冨 謙司
【テーマコード(参考)】
2H199
3D020
3D344
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA13
2H199DA15
2H199DA16
2H199DA19
2H199DA20
2H199DA22
2H199DA36
2H199DA41
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD03
3D020BD05
3D344AA03
3D344AA20
3D344AA21
3D344AA26
3D344AA27
3D344AA30
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD13
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB15
5C182AB25
5C182AC03
5C182AC46
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA54
5C182BA56
5C182CB12
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB15
5C182CB42
5C182CC21
5C182DA65
5G435AA17
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435BB19
5G435CC11
5G435DD11
5G435EE49
5G435FF03
5G435FF05
5G435FF15
5G435GG09
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】表示部を複数用いなくとも三次元画像を作成可能な表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置10は、映像光を出射する表示部20と、表示部から離れた位置に配置され、映像光を反射する第一状態及び映像光を透過する第二状態が切り替えられる光学素子30と、光学素子に対し、表示部とは反対側に配置される第一反射部25と、表示部20及び光学素子30を制御する制御部50とを備え、制御部は、表示部及び光学素子を制御して、第一画像及び第二画像を表示部で交互に繰り返し出力させる際に、光学素子の第一状態及び第二状態を、第一画像及び第二画像に同期させて交互に繰り返し出力させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像光を出射する表示部と、
前記表示部から離れた位置に配置され、前記映像光を反射する第一状態及び前記映像光を透過する第二状態が切り替えられる光学素子と、
前記光学素子に対し、前記表示部とは反対側に配置される第一反射部と、
前記表示部及び前記光学素子を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記表示部及び前記光学素子を制御して、第一画像及び第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態を、前記第一画像及び前記第二画像に同期させて交互に繰り返し出力させる、
表示装置。
【請求項2】
前記光学素子は、液晶層と、前記液晶層を挟む第一偏光板及び第二偏光板とを備え、
前記第一偏光板は、前記映像光が入射される透過型偏光板であり、
前記第二偏光板は、反射型偏光板である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部と前記光学素子との間に配置されたハーフミラーを備える、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部から出射された映像光の光路上に配置された第二反射部を備える、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第一反射部は、前記光学素子に対向する第一領域と、前記光学素子の外方に配置された第二領域とを有する、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記光学素子の異常を検出した場合には、前記表示部を制御して、異常時に対応した第三画像を表示部に出力させる、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第一画像と前記第二画像は同一の画像であり、
前記制御部は、前記表示部及び前記光学素子を制御して、前記第一画像及び前記第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態の切替を、当該切替を視認可能な所定期間毎に交互に繰り返す、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光学素子が前記第一状態のときに表示される前記映像光を前記第一画像とし、前記光学素子が前記第二状態のときに表示される前記映像光を前記第二画像としたとき、
前記制御部は、
(i)前記光学素子を前記第一状態としたまま初期サイズの前記第一画像が、前記初期サイズよりも小型な第一所定サイズまで徐々に小さくなるように、前記第一画像を出力し、
(ii)前記第一画像が前記第一所定サイズになった後に前記光学素子を前記第二状態に切り替え、
(iii)前記光学素子を前記第二状態としたまま前記第二画像が前記第一所定サイズよりも小型な第二所定サイズから、前記第二所定サイズよりも小型な第三所定サイズまで徐々に小さくなるように、前記第二画像を出力し、
(iv)前記第二画像が前記第三所定サイズに至れば、前記第二画像が前記第二所定サイズまで徐々に大きくなるように、前記第二画像を出力し、
(v)前記第二画像が前記第二所定サイズになった後に前記光学素子を前記第一状態に切り替え、
(vi)前記光学素子を前記第一状態としたまま前記第一所定サイズの前記第一画像が前記初期サイズまで徐々に大きくなるように、前記第一画像を出力し、
前記(i)から(vi)の動作を繰り返す、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第一反射部は、前記光学素子からの距離が互いに異なる第一反射領域及び第二反射領域を有する、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第一反射領域は、前記第二反射領域よりも前記光学素子からの距離が遠く、
前記光学素子において、前記第一反射領域に対応する部位は前記第二状態のみを保持する、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第一反射領域は、前記第二反射領域よりも前記光学素子からの距離が遠く、
前記光学素子は、前記第一反射領域を露出させている、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第一反射領域は、凹面鏡である、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
請求項1または2に記載の表示装置を備える表示システム。
【請求項14】
前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像の位置及び前記第二画像の位置の少なくとも一方を調整する、
請求項13に記載の表示システム。
【請求項15】
前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像の形状及び前記第二画像の形状の少なくとも一方を調整する、
請求項13に記載の表示システム。
【請求項16】
前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像及び前記第二画像の一方を基準とした他方の倍率を調整する、
請求項13に記載の表示システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数枚の表示パネル(表示部)が手前側から奥側に重なるように配置されており、各表示パネルに画像を表示することで、三次元画像を作成可能な表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-17768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コスト低減のため、表示部の設置個数を低減することが求められている。
【0005】
そこで本開示の目的は、表示部を複数用いなくとも三次元画像を作成可能な表示装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、映像光を出射する表示部と、前記表示部から離れた位置に配置され、前記映像光を反射する第一状態及び前記映像光を透過する第二状態が切り替えられる光学素子と、前記光学素子に対し、前記表示部とは反対側に配置される第一反射部と、前記表示部及び前記光学素子を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部及び前記光学素子を制御して、第一画像及び第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態を、前記第一画像及び前記第二画像に同期させて交互に繰り返し出力させる。
【0007】
本開示の一態様に係る表示システムは、上記表示装置を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、表示部を複数用いなくとも三次元画像を作成可能な表示装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る表示装置が車両に設置された状態を示す模式図である。
図2図2は、実施の形態1に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
図3A図3Aは、実施の形態1に係る光学素子において第一状態を示す模式図である。
図3B図3Bは、実施の形態1に係る光学素子において第二状態を示す模式図である。
図4図4は、実施の形態1に係る表示装置を備えた表示システムの制御構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1に係る表示部で表示される基礎画像の一例を示す説明図である。
図6図6は、実施の形態1に係る第一画像及び第二画像の一例を示す説明図である。
図7図7は、実施の形態1に係る第一画像の位置及び第二画像の位置の調整前後の状態を示す説明図である。
図8図8は、実施の形態1に係る第一画像の形状及び第二画像の形状の調整後の状態を示す説明図である。
図9A図9Aは、実施の形態1に係る第一画像及び第二画像と、ユーザの視点位置との関係を上方から見た説明図である。
図9B図9Bは、実施の形態1に係る第一画像及び第二画像と、ユーザの視点位置との関係を上方から見た説明図である。
図10図10は、実施の形態2に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
図11A図11Aは、実施の形態3に係る第一の例の表示装置を示す模式図である。
図11B図11Bは、実施の形態3に係る第二の例の表示装置を示す模式図である。
図11C図11Cは、実施の形態3に係る第三の例の表示装置を示す模式図である。
図12A図12Aは、実施の形態4に係る表示装置において光学素子と、第一反射部とを示す上面図である。
図12B図12Bは、実施の形態4に係る表示装置において光学素子と、第一反射部とを示す上面図である。
図13図13は、実施の形態4に係る表示装置で表示された画像を示す説明図である。
図14図14は、実施の形態5に係る表示装置で表示された画像を示す説明図である。
図15図15は、実施の形態6に係る表示装置で表示された画像を示す説明図である。
図16図16は、実施の形態7に係る表示装置において光学素子及び第一反射部と、表示された画像とを示す説明図である。
図17図17は、実施の形態8に係る表示装置において光学素子及び第一反射部と、表示された画像とを示す説明図である。
図18図18は、実施の形態9に係る表示装置において光学素子及び第一反射部と、表示された画像とを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る表示装置は、映像光を出射する表示部と、前記表示部から離れた位置に配置され、前記映像光を反射する第一状態及び前記映像光を透過する第二状態が切り替えられる光学素子と、前記光学素子に対し、前記表示部とは反対側に配置される第一反射部と、前記表示部及び前記光学素子を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部及び前記光学素子を制御して、第一画像及び第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態を、前記第一画像及び前記第二画像に同期させて交互に繰り返し出力させる。
【0011】
これによれば、第一画像と第二画像とが交互に繰り返し出力されることに同期させて、光学素子の第一状態と第二状態とが切り替えられている。つまり、第一画像の出力時には、光学素子は第一状態であり、第一画像をなす映像光が光学素子で反射されてからユーザに到達する。一方、第二画像の出力時には、光学素子は第二状態であり、第二画像をなす映像光が光学素子を透過し、第一反射部で反射されてユーザに到達する。これにより、第二画像をなす映像光の視距離は、第一画像をなす映像光の視距離よりも長くなる。第一画像を近傍用画像として、第二画像を遠方用画像とすると、近傍用画像はユーザにとって近くに投影され、遠方用画像はユーザにとって遠くに投影される。したがって、ユーザは三次元画像を視認できる。このように、表示部が複数でなくとも三次元画像を作成できる。
【0012】
また、前記光学素子は、液晶層と、前記液晶層を挟む第一偏光板及び第二偏光板とを備え、前記第一偏光板は、前記映像光が入射される透過型偏光板であり、前記第二偏光板は、反射型偏光板である、としてもよい。
【0013】
これによれば、第一偏光板が透過型偏光板であるので、反射型偏光板である場合よりも不要な反射光を抑制できる。
【0014】
また、表示装置は、前記表示部と前記光学素子との間に配置されたハーフミラーを備える、としてもよい。
【0015】
これによれば、表示部と光学素子との間にハーフミラーが配置されているので、ハーフミラーで映像光を反射させることにより、当該映像光を光学素子に対して略垂直に入射させることができる。光学素子に備わる偏光板の特性として、当該偏光板に対して入射光が垂直であればあるほど偏光度合いが高まる。したがって、ハーフミラーによって偏光の分離度を高めることができ、画質を向上できる。
【0016】
また、表示装置は、前記表示部から出射された映像光の光路上に配置された第二反射部を備える、としてもよい。
【0017】
これによれば、第二反射部が映像光を反射させることで、当該映像光の視距離を延ばすことができる。したがって、より奥行き感のある三次元映像を作成可能である。
【0018】
また、前記第一反射部は、前記光学素子に対向する第一領域と、前記光学素子の外方に配置された第二領域とを有する、としてもよい。
【0019】
これによれば、第一領域では三次元画像を作成でき、第二領域では二次元画像を作成できる。したがって、三次元画像と二次元画像とを一括して表現できる。さらに、光学素子は、第一反射部の第一領域のみに対向する大きさとすればよいので、光学素子の小型化も可能である。
【0020】
また、前記制御部は、前記光学素子の異常を検出した場合には、前記表示部を制御して、異常時に対応した第三画像を表示部に出力させる、としてもよい。
【0021】
これによれば、光学素子の異常時には、異常時に対応した第三画像を表示部から出力できる。したがって、三次元画像が作成できない異常時においても、二次元画像に対応した第三画像を出力することで、二次元画像を表示できる。
【0022】
また、前記第一画像と前記第二画像は同一の画像であり、前記制御部は、前記表示部及び前記光学素子を制御して、前記第一画像及び前記第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態の切替を、当該切替を視認可能な所定期間毎に交互に繰り返す、としてもよい。
【0023】
これによれば、第一画像及び第二画像を表示部で交互に繰り返し出力させる際に、光学素子の第一状態及び第二状態の切替が、当該切替を視認可能な所定期間毎に交互に繰り返される。第一画像と第二画像とは同一の画像であるので、同一の画像が視距離が異なりながら表示される。このように画像が強調表示されるので、ユーザが画像を気づきやすくすることができる。
【0024】
また、前記光学素子が前記第一状態のときに表示される前記映像光を前記第一画像とし、前記光学素子が前記第二状態のときに表示される前記映像光を前記第二画像としたとき、前記制御部は、(i)前記光学素子を前記第一状態としたまま初期サイズの前記第一画像が、前記初期サイズよりも小型な第一所定サイズまで徐々に小さくなるように、前記第一画像を出力し、(ii)前記第一画像が前記第一所定サイズになった後に前記光学素子を前記第二状態に切り替え、(iii)前記光学素子を前記第二状態としたまま前記第二画像が前記第一所定サイズよりも小型な第二所定サイズから、前記第二所定サイズよりも小型な第三所定サイズまで徐々に小さくなるように、前記第二画像を出力し、(iv)前記第二画像が前記第三所定サイズに至れば、前記第二画像が前記第二所定サイズまで徐々に大きくなるように、前記第二画像を出力し、(v)前記第二画像が前記第二所定サイズになった後に前記光学素子を前記第一状態に切り替え、(vi)前記光学素子を前記第一状態としたまま前記第一所定サイズの前記第一画像が前記初期サイズまで徐々に大きくなるように、前記第一画像を出力し、前記(i)から(vi)の動作を繰り返す、としてもよい。
【0025】
これによれば、第一画像の大きさ及び第二画像の大きさがアニメーション的に大きくなったり小さくなったりして表現されるので、ユーザが第一画像及び第二画像を気づきやすくすることができる。
【0026】
また、前記第一反射部は、前記光学素子からの距離が互いに異なる第一反射領域及び第二反射領域を有する、としてもよい。
【0027】
これによれば、第一反射領域を反射した映像光からなる画像の視距離と、第二反射領域を反射した映像光からなる画像の視距離とを異ならせることができる。これにより、より多様な三次元表示が可能となる。
【0028】
また、前記第一反射領域は、前記第二反射領域よりも前記光学素子からの距離が遠く、前記光学素子において、前記第一反射領域に対応する部位は前記第二状態のみを保持する、としてもよい。
【0029】
これによれば、第一反射領域を反射した映像光からなる画像は、第二反射領域を反射した映像光からなる画像よりも視距離を遠くすることができる。光学素子では、第一反射領域に対応する部位は第二状態のみが保持されているので、この視距離が遠くされた画像により、視認しやすく多様な表示が可能である。
【0030】
また、前記第一反射領域は、前記第二反射領域よりも前記光学素子からの距離が遠く、前記光学素子は、前記第一反射領域を露出させている、としてもよい。
【0031】
これによれば、第一反射領域を反射した映像光からなる画像は、第二反射領域を反射した映像光からなる画像よりも視距離を遠くすることができる。光学素子では、第一反射領域が露出されているので、この視距離が遠くされた画像では光の減衰を抑制でき、視認しやすく多様な表示が可能である。
【0032】
また、前記第一反射領域は、凹面鏡である、としてもよい。
【0033】
これによれば、第一反射領域が凹面鏡であるので、当該第一反射領域を反射した映像光からなる画像を凹面鏡によって、第二反射領域で反射した映像光よりも遠方に表示されることで奥行き感が得られる。
【0034】
また、表示システムは、上記表示装置を備えている。
【0035】
これによれば、上記表示装置と同等の効果を得ることができる。
【0036】
また、表示システムは、前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像の位置及び前記第二画像の位置の少なくとも一方を調整する、としてもよい。
【0037】
これによれば、ユーザ検出部が検出したユーザに基づいて、第一画像の位置及び第二画像の位置の少なくとも一方が調整されるので、多重像による三次元画像の劣化を抑制できる。
【0038】
また、表示システムは、前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像の形状及び前記第二画像の形状の少なくとも一方を調整する、としてもよい。
【0039】
これによれば、ユーザ検出部が検出したユーザに基づいて、第一画像の形状及び第二画像の形状の少なくとも一方が調整されるので、ユーザに適した三次元画像を作成できる。
【0040】
また、表示システムは、前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部とを備え、前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像及
び前記第二画像の一方を基準とした他方の倍率を調整する、としてもよい。
【0041】
これによれば、ユーザ検出部が検出したユーザに基づいて、第一画像及び第二画像の一方を基準とした他方の倍率が調整されるので、第一画像と第二画像とを適切に重ならせることができる。
【0042】
(実施の形態)
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0043】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0044】
以下の実施の形態において、平行及び直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0045】
以下の実施の形態における各図で例示する光路は、原理的な考え方を示すものであるため、必ずしも実際の光路を反映しているものではない。
【0046】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る表示装置10が車両1に設置された状態を示す模式図である。図1では、車両1を断面で示している。
【0047】
図1に示すように、車両1においてセンターコンソール2には表示装置10が配置されている。表示装置10は、画像を表示するための装置である。例えば、表示装置10は、車両1に関する車両情報を表示する。車両1の運転手であるユーザは、表示装置10を見ることによって、車両情報を視認できる。車両情報としては、例えば、車両1の車速、エンジンの回転数、車両1に近接する物体の検知結果、または車両1の現在地から目的地までのナビゲーション情報、車両1の後方を撮像するカメラによって撮像された画像情報などが挙げられる。なお、図1では表示装置10をセンターコンソール2に配置した場合を例示したが、表示装置10の設置箇所はこれに限定されず、例えば、フロントウインドウ上端近傍、ダッシュボード上などに配置されてもよい。
【0048】
センターコンソール2には、表示装置10から発せられた光をユーザに向けて出射させるための開口部29が形成されている。開口部29は防塵のための透明板で覆われていてもよい。センターコンソール2内には、表示装置10の各構成要素が収容されている。
【0049】
図2は、実施の形態1に係る表示装置10の概略構成を示す模式図である。図2に示すように、表示装置10は、表示部20と、第一反射部25と、光学素子30と、を備えている。
【0050】
表示部20は、表示面21を有する表示素子である。表示部20は、表示面21から表示像(後述の第一画像g1及び第二画像g2等)をなす映像光を発する。例えば、表示部20は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。表示部20は、表示面21が全体として平坦状となっている。表示部20は、平面視長方形状に形成されており、表示面21が下方を向くように配置されている。具体的には、表示部20は、表示面21が車両1の後方斜め下を向く姿勢で配置されている。
【0051】
第一反射部25は、平板状の全反射ミラーであり、表示部20から離れた位置に配置されている。具体的には、第一反射部25は、表示部20の下方に配置されている。光学素子30は、表示部20の表示面21に対して傾く姿勢で配置されている。
【0052】
光学素子30は、平板状の液晶ミラーであり、映像光を反射する第一状態及び映像光を透過する第二状態が切り替えられる。光学素子30は、表示部20と第一反射部25との間で、表示部20及び第一反射部25から離れた位置に配置されている。光学素子30は、第一反射部25と平行に配置されている。
【0053】
図3Aは、実施の形態1に係る光学素子30において第一状態を示す模式図である。図3Bは、実施の形態1に係る光学素子30において第二状態を示す模式図である。なお、図3A図3Bは原理を説明する図であるため、ガラス基板、透明電極、および配向膜等は省略している。図3A及び図3Bに示すように、光学素子30は、液晶層31と、液晶層31を挟む第一偏光板32及び第二偏光板33とを備えている。第一偏光板32は、液晶層31を基準として表示部20側に配置されており、第二偏光板33は、第一偏光板32とは反対側に配置されている。例えば、第一偏光板32は、P偏光の直線偏光(以降、「P偏光」と称す。)を透過し、その他の偏光を吸収する透過型偏光板である。なお、第一偏光板32は、P偏光を透過し、その他の偏光を反射する反射型偏光板であってもよい。第二偏光板33は、P偏光を透過し、S偏光の直線偏光(以降、「S偏光」と称す。)を反射する反射型偏光板である。
【0054】
図3Aに示すように第一状態では、表示部20からP偏光の映像光Lが出射された場合を示している。このとき、液晶層31には、電圧が印加されておらず、当該液晶層31に含まれる多数の液晶分子が、P偏光をS偏光に変換できる姿勢で配列されている。このため、P偏光の映像光Lは、第一偏光板32を透過してから液晶層31を透過することでS偏光に変換される。このS偏光の映像光Lは、第二偏光板33で反射される。反射後のS偏光の映像光Lは、液晶層31を再度透過することでP偏光に変換される。これにより、P偏光の映像光Lは、第一偏光板32を透過して、光学素子30からユーザに向けて出射される。この第一状態において、映像光Lのユーザに対する視距離には、光学素子30から第一反射部25までの間隔が加算されていない。
【0055】
図3Bに示すように第二状態では、表示部20からP偏光の映像光Lが出射された場合を示している。このとき、液晶層31には、電圧が印加されており、当該液晶層31に含まれる多数の液晶分子が、P偏光をP偏光のままで透過させる姿勢で配列されている。このため、P偏光の映像光Lは、第一偏光板32及び液晶層31を透過してから第二偏光板33を透過し、光学素子30から出射する。出射後のP偏光の映像光Lは、第一反射部25で反射されてから、光学素子30の第二偏光板33に入射する。P偏光の映像光Lは、第二偏光板33、液晶層31及び第一偏光板32を透過してから、光学素子30からユーザに向けて出射される。この第二状態において、映像光Lのユーザに対する視距離には、光学素子30から第一反射部25までの間隔(厳密には当該間隔の往復分)が加算されている。このため、第二状態での視距離は、第一状態での視距離よりも長くなる。したがっ
て、図2に示すようにユーザにとっては、第一状態での映像光L(後述の映像光L1)からなる表示像が近傍位置T1で視認され、第二状態での映像光L(後述の映像光L2)からなる表示像が遠方位置T2で視認される。
【0056】
図4は、実施の形態1に係る表示装置10を備えた表示システム100の制御構成を示すブロック図である。図4に示すように、表示システム100は、ユーザ検出部40と、表示装置10とを備えている。
【0057】
ユーザ検出部40は、車内のユーザを検出するための装置である。具体的には、ユーザ検出部40は、ユーザを撮影するカメラ41を有しており、このカメラで撮影された映像に対して種々の画像処理を施すことで、ユーザの視点位置、ユーザ検出部40からユーザまでの距離、ユーザの姿勢等を含むユーザ情報を検出できるようになっている。カメラ41は、図1ではフロントガラスの上縁部に配置されている場合を例示しているが、ユーザを撮影できるのであればその設置箇所は如何様でもよく、例えばセンターコンソール2内に配置されていてもよい。
【0058】
表示装置10は、表示部20及び光学素子30を制御するための制御部50を有している。
【0059】
制御部50は、表示部20、光学素子30及びユーザ検出部40に電気的に接続されていて、当該表示部20、光学素子30及びユーザ検出部40を制御する。具体的には、制御部50は、CPU、RAM、ROM等を備えており、CPUがROM中のプログラムをRAMに展開して実行することで各処理を実行する。なお、制御部50は、カメラ41からの映像に基づいてユーザ情報を検出してもよい。この場合、制御部50は、ユーザ検出部の一部として機能する。
【0060】
制御部50は、車両1に備わる各種センサにも電気的に接続されている。各種センサから取得された情報を含めて、制御部50は、表示部20で表示される画像を作成する。図5は、実施の形態1に係る表示部20で表示される基礎画像Gの一例を示す説明図である。図5に示す基礎画像Gには、車両1の前方に見える道路R1と、以降の進行方向を示す矢印Y1と、道路標識R2とが含まれている。制御部50は、この基礎画像Gに基づいて、三次元表示用の第一画像g1及び第二画像g2を作成する。
【0061】
図6は、実施の形態1に係る第一画像g1及び第二画像g2の一例を示す説明図である。図6では、説明の便宜上、第一画像g1及び第二画像g2に含まれる道路R1のみを抽出している。また、図6では、明るさをドットハッチングの濃淡で表現している。具体的には、ドットハッチングの淡い部分が明るく、ドットハッチングの濃い部分が暗い。
【0062】
第一画像g1は近傍用画像であり、第二画像g2は遠方用画像である。立体感を高めるべく、近傍用画像である第一画像g1では、道路R1の手前が明るく、奥が暗くされている。一方、遠方用画像である第二画像g2では、道路R1の手前が暗く、奥が明るくされている。
【0063】
制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、第一画像g1及び第二画像g2を表示部20で交互に繰り返し出力させる際に、光学素子30の第一状態及び第二状態を、第一画像g1及び第二画像g2に同期させて交互に繰り返し出力させる。具体的には、制御部50は、第一画像g1を出力するタイミングで光学素子30を第一状態とし、第二画像g2を出力するタイミングで光学素子30を第二状態とする。例えば、制御部50は、1秒間に30フレーム(30fps)で映像を出力する場合には、奇数フレーム時に第一画像g1を出力するとともに光学素子30を第一状態とし、偶数フレーム時に第二画像g2を出力するとともに光学素子30を第二状態とする。この際、制御部50は、ユーザからは第一画像g1と第二画像g2が重なって見えるようにするために、第一画像g1と第二画像g2を相対的に上下方向にずらして表示する。
【0064】
これにより、奇数フレーム時に第一画像g1が近傍位置T1で出現され、偶数フレーム時に第二画像g2が遠方位置T2で出現される。このように、第一画像g1と第二画像g2とが奥行方向で異なる位置で高速で切り替えられているので、ユーザからは奥行き感のある三次元画像が視認できる。
【0065】
ここで、制御部50は、ユーザ検出部40の検出結果に基づいて、第一画像g1の位置と第二画像g2の位置を調整してもよい。図7は、実施の形態1に係る第一画像g1の位置及び第二画像g2の位置の調整前後の状態を示す説明図である。図7では、遠方位置T2で出現する第二画像g2の外形を破線で示している。
【0066】
第一画像g1と第二画像g2とは奥行方向で異なる位置に出現しているので、ユーザの視点が左右にぶれると、図7に示す調整前のように、第一画像g1及び第二画像g2が左右に位置ずれしてしまう。このため、制御部50は、ユーザ検出部40から送られたユーザ情報に基づいて、ユーザの視点位置と基準位置とのずれ量を求める。制御部50は、このずれ量から、第一画像g1の位置及び第二画像g2の位置の少なくとも一方を調整することで、図7に示す調整後のように第一画像g1及び第二画像g2の位置ずれを抑制する。
【0067】
また、制御部50は、ユーザ検出部40の検出結果に基づいて、第一画像g1の形状と第二画像g2の形状の少なくとも一方を調整してもよい。図8は、実施の形態1に係る第一画像g1の形状及び第二画像g2の形状の調整後の状態を示す説明図である。図8では、遠方位置T2で出現する第二画像g2の外形を破線で示している。
【0068】
例えば、車両からまっすぐ前方に延びる道路R1であったとしても、ユーザの視点が左右に移動すると、それに基づき道路R1も傾くことになる。このようにユーザの視点位置を考慮して制御部50が第一画像g1の形状と第二画像g2の形状の少なくとも一方の形状を調整することで、図8に示すようなユーザの視点位置に対応した第一画像g1及び第二画像g2とすることができる。
【0069】
また、制御部50は、ユーザ検出部40の検出結果に基づいて、第一画像g1及び第二画像g2の一方を基準とした他方の倍率を調整してもよい。図9A及び図9Bは、実施の形態1に係る第一画像g1及び第二画像g2と、ユーザの視点位置との関係を上方から見た説明図である。第一画像g1は近傍位置T1で出現し、第二画像g2は遠方位置T2で出現している。
【0070】
図9Aでは、ユーザの視点位置E1が基準位置にある場合を示している。この場合では、ユーザが視点位置E1から第一画像g1及び第二画像g2を見ると、両者がちょうど重なり合うように、第一画像g1及び第二画像g2の相対的な倍率が設定されている。
【0071】
図9Bでは、ユーザの視点位置E2が基準位置よりも近傍位置T1から遠ざかった場合を示している。このとき、第一画像g1及び第二画像g2の相対的な倍率が図9Aの場合と同様であると、視点位置E2にいるユーザからは第一画像g1が第二画像g2よりも小さく見える。このため、制御部50は、ユーザ検出部40の検出結果に基づいて、ユーザの視点位置E2から近傍位置T1までの第一距離と、ユーザの視点位置E2から遠方位置T2までの第二距離とを求める。その後、制御部50は、視点位置E2にいるユーザからは第一画像g1と第二画像g2とが一致するように、第一距離と第二距離とに基づいて第一画像g1の倍率を調整する。倍率が調整された第一画像g1は、引き伸ばされて第二画像g2に重なり合う(図9Bの調整後の第一画像g11参照)。
【0072】
また、光学素子30の異常時には、第一状態及び第二状態の一方のみしか実行できない可能性が高い。つまり、二次元表示しかできない可能性が高い。このため、制御部50は、光学素子30の異常を検出した場合には、表示部20を制御して、異常時に対応した第三画像を表示部20に出力させる。第三画像は、二次元表示に対応した画像であればよく、例えば基礎画像Gを採用してもよい。または、第一状態のみが実行される場合には、第三画像として第一画像g1を採用してもよいし、第二状態のみが実行される場合には、第三画像として第二画像g2を採用してもよい。
【0073】
以上のように、本実施の形態によれば、第一画像g1と第二画像g2とが交互に繰り返し出力されることに同期させて、光学素子30の第一状態と第二状態とが切り替えられている。つまり、第一画像g1の出力時には、光学素子30は第一状態であり、第一画像g1をなす映像光が光学素子30で反射されてからユーザに到達する。一方、第二画像g2の出力時には、光学素子30は第二状態であり、第二画像g2をなす映像光が光学素子30を透過し、第一反射部25で反射されてユーザに到達する。これにより、第二画像g2をなす映像光の視距離は、第一画像g1をなす映像光の視距離よりも長くなる。第一画像g1を近傍用画像として、第二画像g2を遠方用画像とすると、近傍用画像はユーザにとって近くに投影され、遠方用画像はユーザにとって遠くに投影される。したがって、ユーザは三次元画像を視認できる。このように、表示部20が複数でなくとも三次元画像を作成できる。
【0074】
また、光学素子30の第一偏光板32が透過型偏光板であるので、反射型偏光板である場合よりも不要は反射光を抑制できる。
【0075】
また、光学素子30の異常時には、異常時に対応した第三画像を表示部20から出力できる。したがって、三次元画像が作成できない異常時においても、二次元画像に対応した第三画像を出力することで、二次元画像を表示できる。
【0076】
また、ユーザ検出部40が検出したユーザに基づいて、第一画像g1の位置及び第二画像g2の位置の少なくとも一方が調整されるので、多重像による三次元画像の劣化を抑制できる。
【0077】
また、ユーザ検出部40が検出したユーザに基づいて、第一画像g1の形状及び第二画像g2の形状の少なくとも一方が調整されるので、ユーザに適した三次元画像を作成できる。
【0078】
また、ユーザ検出部40が検出したユーザに基づいて、第一画像g1及び第二画像g2の一方を基準とした他方の倍率が調整されるので、第一画像g1と第二画像g2とを適切に重ならせることができる。
【0079】
[実施の形態2]
実施の形態2について説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0080】
図10は、実施の形態2に係る表示装置10Aの概略構成を示す模式図である。図10に示すように、表示装置10Aは、表示部20と、光学素子30との間に配置されたハーフミラー70を備えている。図10では、第一画像g1をなす映像光に符号L1を付し、第二画像g2をなす映像光に符号L2を付している。
【0081】
ハーフミラー70は、例えばガラス基材に金属膜を蒸着した平板状の光学部材である。ハーフミラー70は、表示部20から出射された映像光L1、L2を、光学素子30に向けて反射するとともに、光学素子30または第一反射部25で反射した映像光L1、L2を透過する姿勢で配置されている。さらに、ハーフミラー70は、自身が反射した映像光L1、L2が光学素子30に対して略垂直に入射させる姿勢で配置されている。
【0082】
このように、表示部20と光学素子30との間にハーフミラー70が配置されているので、ハーフミラー70で映像光L1、L2を反射させることにより、当該映像光L1、L2を光学素子30に対して略垂直に入射させることができる。光学素子30に備わる第一偏光板32の特性として、当該第一偏光板32に対して入射光が垂直であればあるほど偏光度合いが高まる。したがって、ハーフミラー70によって偏光の分離度を高めることができ、画質を向上できる。
【0083】
[実施の形態3]
実施の形態3について説明する。実施の形態3に係る表示装置は、表示部から出射された映像光の光路上に配置された第二反射部を備えている。第二反射部は、光学素子30または第一反射部25で反射された映像光を更に反射する光学部材である。第二反射部は、平板状の全反射ミラーでもよいし、凹面鏡または凸面鏡であってもよい。さらに第二反射部は、レンズ・ミラーハイブリッド素子であってもよい。
【0084】
図11Aは、実施の形態3に係る第一の例の表示装置10Bを示す模式図である。図11Aに示すように、表示装置10Bでは、表示面21が車両1の前方斜め上を向く姿勢で表示部20が配置されている。光学素子30及び第一反射部25は、表示部20の上方で表示面21に対向する位置に配置されている。第二反射部60bは、光学素子30または第一反射部25を反射した映像光L1、L2をセンターコンソール2の開口部29に向けて反射させる位置に配置されている。
【0085】
図11Bは、実施の形態3に係る第二の例の表示装置10Cを示す模式図である。図11Bに示すように、表示装置10Cでは、表示面21が車両1の後方斜め上を向く姿勢で表示部20が配置されている。光学素子30及び第一反射部25は、表示部20の後方で表示面21に対向する位置に配置されている。第二反射部60cは、光学素子30または第一反射部25を反射した映像光L1、L2をセンターコンソール2の開口部29に向けて反射させる位置に配置されている。
【0086】
図11Cは、実施の形態3に係る第三の例の表示装置10Dを示す模式図である。図11Cに示すように、表示装置10Dでは、表示面21が車両1の前方斜め下を向く姿勢で表示部20が配置されている。光学素子30及び第一反射部25は、表示部20の前方で表示面21に対向する位置に配置されている。光学素子30及び第一反射部25の下方には、第一λ/4板61dが配置されている。第一λ/4板61dの下方には、反射型偏光板62dと第二λ/4板63dとの積層体とが配置されている。
【0087】
第一λ/4板61dと、第二λ/4板63dとは、λ/4位相差板である。λ/4位相差板は、当該λ/4位相差板に入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該λ/4位相差板に入射した円偏光を直線偏光に変換するための光学部材である。
【0088】
例えば、表示部20からP偏光の映像光L1、L2が出射した場合には、映像光L1、L2は、光学素子30または第一反射部25で反射されて、第一λ/4板61dを透過することで、円偏光(例えばP+偏光)に変換される。その後、P+偏光の映像光L1、L2は、第二λ/4板63dを透過することでS偏光に変換される。反射型偏光板62dは、S偏光を反射し、P偏光を透過するので、S偏光の映像光L1、L2は反射型偏光板62dで反射される。反射直後には、S偏光の映像光L1、L2は、再び第二λ/4板63dを透過することで円偏光(例えばS+偏光)に変換される。
【0089】
第二反射部60dは、S+偏光の映像光L1、L2を、センターコンソール2の開口部29に向けて反射させる位置に配置されている。第二反射部60dを反射したS+偏光の映像光L1、L2は、さらに第二λ/4板63dを透過することでP偏光に変換される。これにより、P偏光の映像光L1、L2は、反射型偏光板62dを透過して、開口部29に向かう。
【0090】
このように、第二反射部60b、60c、60dが映像光L1、L2を反射させることで、当該映像光L1、L2の視距離を延ばすことができる。したがって、より奥行き感のある三次元映像を作成可能である。
【0091】
なお、第二反射部は、表示部から出射された映像光を、光学素子及び第一反射部に向けて反射させる位置に配置されてもよい。
【0092】
[実施の形態4]
実施の形態4では、三次元表示と、二次元表示とを一括で実行可能な表示装置10Eについて説明する。図12A及び図12Bは、実施の形態4に係る表示装置10Eにおいて光学素子30と、第一反射部25eとを示す上面図である。図12Aに示すように、第一反射部25eは、光学素子30よりも大型に形成されている。光学素子30は、第一反射部25eの中央部に対向して配置されている。第一反射部25eにおいて光学素子30に対向する領域が第一領域251eであり、その他の領域が第二領域252eである。つまり、第二領域252eは、光学素子30の外方に配置された領域である。なお図12Bに示すように、第一反射部25eは、第一領域251eと、第二領域252eとが分割されていてもよい。
【0093】
表示部20からは、第一反射部25の大きさに対応した映像光が出射される。制御部50は、表示部20を制御して、第一領域251e内に収まるように第一画像g1及び第二画像g2を作成し、第二領域252e内に収まるように、二次元表示用の画像を作成する。
【0094】
図13は、実施の形態4に係る表示装置10Eで表示された画像を示す説明図である。図13に示すように、中央部には、三次元表示用の画像(第一画像g1及び第二画像g2)が表示され、両端部には、二次元表示用の画像(速度計画像g3及びタコメータ画像g4)が表示されている。
【0095】
このように第一領域251eでは三次元画像を作成でき、第二領域252eでは二次元画像を作成できる。したがって、三次元画像と二次元画像とを一括して表現できる。さらに、光学素子30は、第一反射部25eの第一領域251eのみに対向する大きさとすればよいので、光学素子30の小型化も可能である。
【0096】
[実施の形態5]
実施の形態5では、制御部50によって強調表示が行われる場合について説明する。図14は、実施の形態5に係る画像の表示例を示す説明図である。図14では、近傍位置T1に出現された第一画像g1fと、遠方位置T2に出現された第二画像g2fとが交互に切り替えられる場合を説明している。第一画像g1fと、第二画像g2fとは同一の画像である。本実施の形態では、第一画像g1fと、第二画像g2fとは、警告を示す画像である場合を例示している。第一画像g1fは第一状態で表示される映像光であり、第二画像g2fは、第二状態で表示される映像光である。
【0097】
制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、第一画像g1f及び第二画像g2fを表示部20で交互に繰り返し出力させる際に、光学素子30の第一状態及び第二状態を、第一画像g1f及び第二画像g2fに同期させて交互に繰り返し出力させる。このとき、制御部50は、第一状態の切替を所定時間毎に繰り返す。つまり、第一画像g1fは、近傍位置T1で所定時間だけ表示されて、第二画像g2fは、遠方位置T2で所定時間だけ表示されることが切り替わる。所定時間とは、当該切替をユーザが視認可能な時間のことであり、例えば0.3秒以上0.8秒以下の範囲に収められる。
【0098】
このように、第一画像g1f及び第二画像g2fを表示部20で交互に繰り返し出力させる際に、光学素子30の第一状態及び第二状態の切替が、当該切替を視認可能な所定期間毎に交互に繰り返される。第一画像g1fと第二画像g2fとは同一の画像であるので、同一の画像が視距離が異なりながら表示される。このように画像が強調表示されるので、ユーザが画像を気づきやすくすることができる。
【0099】
なお、ここでは、制御部50は、同一画像である第一画像g1f及び第二画像g2fを表示部20で交互に繰り返し出力させているが、これは例えば、制御部50が、表示部20で常に第一画像g1fのみを表示して、光学素子30の第一状態及び第二状態のみを所定時間毎に切り替えるようにしてもよい。この場合も、同一の画像が視距離が異なりながら表示される。
【0100】
[実施の形態6]
実施の形態6では、制御部50によって他の強調表示が行われる場合について説明する。図15は、実施の形態6に係る画像の表示例を示す説明図である。図15では、近傍位置T1に出現された第一画像g1gの大きさが変動し、遠方位置T2に出現された第二画像g2gの大きさが変動する場合を説明している。本実施の形態では、第一画像g1gと、第二画像g2gとは、警告を示す画像である場合を例示している。第一画像g1gは第一状態で表示される映像光であり、第二画像g2gは、第二状態で表示される映像光である。
【0101】
制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、(i)光学素子30を第一状態としたまま初期サイズの第一画像g1gを出力させてから(図15の(a))、初期サイズよりも小型な第一所定サイズまで徐々に小さくなるように、第一画像g1gを出力する(図15では(a)→(b)→(c)という流れ。)。このとき、第一画像g1gの最上部(図15の場合は三角形の頂点)が破線で示した仮想線に沿って、徐々に上方に移動する。これにより、近傍位置T1にて第一画像g1gが徐々に小型となる。図15の(c)は第一所定サイズの第一画像g1gを示している。
【0102】
次いで、制御部50は、光学素子30を制御して、(ii)第一画像G1Gが第一所定サイズになった後に光学素子30を第二状態に切り替える(図15の(c)と(d)との間の時点。)。
【0103】
次いで、制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、(iii)光学素子30を第二状態としたまま第二画像g2gを出力させる。このとき、制御部50は、図15の(d)に示す第二画像g2g(三角形)の大きさを、図15の(c)に示す第一画像g1gの第一所定サイズより小さい第二所定サイズとする。その後、制御部50は、図15の(d)の第二所定サイズから、第二所定サイズよりも小型な第三所定サイズまで徐々に小さくなるように、第二画像g2gを出力する(図15では(d)→(e)→(f)という流れ。)。このときも、第二画像g2gの最上部(三角形の頂点)が破線で示した仮想線に沿って、徐々に上方に移動する。これにより、遠方位置T2にて第二画像g2gが徐々に小型となる。また、仮想線が図15の右斜め上方向に設定されているので、第一画像g1gおよび第二画像g2gは経時的に奥に向かうように表現される。図15の(f)は第三所定サイズの第二画像g2gを示している。
【0104】
次いで、制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、(iv)第二画像g2gが第三所定サイズに至れば、第二画像g2gが第二所定サイズまで徐々に大きくなるように、第二画像g2gを出力する(図15では、(f)→(e)→(d)という流れ。)。このとき、第二画像g2gの最上部(三角形の頂点)が破線で示した仮想線に沿って、徐々に下方に移動する。これにより、遠方位置T2にて第二画像g2gが徐々に大型となる。
【0105】
次いで、制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、(v)第二画像g2gが第二所定サイズになった後に光学素子30を第一状態に切り替える(図15の(c)と(d)との間の時点。)。
【0106】
次いで、制御部50は、表示部20及び光学素子30を制御して、(vi)光学素子30を第一状態としたまま図15の(c)に示す第一所定サイズの第一画像g1gが初期サイズまで徐々に大きくなるように、第一画像g1gを出力する。(図15では、(c)→(b)→(a)という流れ。)。このときも、第二画像g2gの最上部(三角形の頂点)が破線で示した仮想線に沿って、徐々に下方に移動する。これにより、近傍位置T1にて第一画像g1gが徐々に大型となる。また、仮想線が図15の右斜め上方向に設定されているので、第二画像g2gおよび第一画像g1gは経時的に手前に向かうように表現される。
【0107】
制御部50は、(i)から(vi)の動作を繰り返す。これにより、アニメーション的に第一画像g1g及び第二画像g2gが小型となって奥に向かったり、大型となって手前に向かったりが繰り返される。なお、大きさの変動タイミングは、滑らかなアニメーション表現が可能な時間であればよく、例えば0.2±0.1秒である。
【0108】
このように、第一画像g1gの大きさ及び第二画像g2gの大きさがアニメーション的に大きくなったり小さくなったりして表現されるので、ユーザが第一画像g1g及び第二画像g2gを気づきやすくすることができる。
【0109】
[実施の形態7]
実施の形態7では、領域ごとに視距離を異ならせることが可能な表示装置10Hについて説明する。図16は、実施の形態7に係る表示装置10Hの一部と、その表示例を示す説明図である。図16では、表示装置10Hに備わる光学素子30及び第一反射部25hを上面から見た図を示している。
【0110】
図16に示すように、第一反射部25hは、幅方向に3つに分割されている。分割された各反射領域(第一反射領域251h、一対の第二反射領域252h)は、光学素子30に対向して配置されている。具体的には、第一反射領域251hは、光学素子30の中央部に対向しており、一対の第二反射領域252hは、光学素子30の両端部に対向している。第一反射領域251hから光学素子30までの距離と、第二反射領域252hから光学素子30までの距離とは異なっている。具体的には、第一反射領域251hから光学素子30までの距離は、第二反射領域252hから光学素子30までの距離よりも遠い。このため、第一反射領域251hを反射した映像光からなる画像の視距離は、第二反射領域252hを反射した映像光からなる画像の視距離よりも遠くすることができる。
【0111】
例えば、表示部20は、光学素子30の中央部に対応する画像として、ナビゲーション画像g71hが表示されており、光学素子30の両端部に対応する画像として、計器画像g72hが表示されている。前述したように、第一反射領域251hから光学素子30までの距離は、第二反射領域252hから光学素子30までの距離よりも遠い。このため、ナビゲーション画像g71hは、ユーザから見て計器画像g72hよりも奥行きの長い映像を表現することができる。したがって、2段階の奥行方向の長さを有する三次元表示が可能となる。
【0112】
このように、第一反射領域251hを反射した映像光からなる画像の視距離と、第二反射領域252hを反射した映像光からなる画像の視距離とを異ならせることができる。これにより、光学素子30の切替による三次元表示と、視距離の相違による三次元表示を同時に実現できるため、より多様な三次元表示が可能となる。
【0113】
さらに、第一反射領域251hと光学素子30までの距離と、第二反射領域252hと光学素子30までの距離とを異ならせることにより、車両の搭載部の形状に対応させて、第一反射領域251h及び第二反射領域252hを配置することも可能である。したがって、車両搭載の自由度を高めることができる。
【0114】
本実施の形態では、第一反射部25hの分割数を3つとしたが、第一反射部25hの分割数は、2つでも4つ以上であってもよい。また、本実施の形態では、第一反射部25hでは、光学素子からの距離が二段階で異なる場合を例示したが、三段階以上で異なっていてもよい。
【0115】
[実施の形態8]
実施の形態8では、第一反射領域が凹面鏡である場合について説明する。図17は、実施の形態8に係る表示装置10Iの一部と、その表示例を示す説明図である。図17は、図16に対応する図である。実施の形態8では、実施の形態7と同等の部分については同等の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0116】
図17に示すように、第一反射部25iでは、第一反射領域251iが凹面鏡となっている。さらに、制御部50は、光学素子30において第一反射領域251iに対応する部位35iに対し第二状態のみを保持させる。これにより、ナビゲーション画像g71iは、三次元表示されないが、第一反射領域251iの凹面鏡により、第二反射領域252hで反射される映像よりも遠方に表示され、奥行き感が得られる。
【0117】
このように、第一反射領域251iが凹面鏡であるので、当該第一反射領域251iを反射した映像光からなるナビゲーション画像g71iは、奥行き感が得られるようになる。
【0118】
[実施の形態9]
実施の形態9では、光学素子が第一反射領域を露出させている場合について説明する。図18は、実施の形態9に係る表示装置10Jの一部と、その表示例を示す説明図である。図18は、図17に対応する図である。実施の形態9では、実施の形態8と同等の部分については同等の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0119】
図18に示すように、光学素子30jは第一反射領域251iを露出させている。具体的には、光学素子30jは、幅方向に分割され、第一反射領域251iを避けて配置されていてもよいし、第一反射領域251iを露出させる開口が設けられていてもよい。これにより、ナビゲーション画像g71jは、液晶層31、第一偏光板32及び第二偏光板33を通過しないので、ナビゲーション画像g71jは光の減衰を抑制した状態で表示され、かつ奥行き感が得られる。
【0120】
このように光学素子30jでは、第一反射領域251iが露出されているので、ナビゲーション画像g71jでは光の減衰を抑制でき、視認しやすく多様な表示が可能である。
【0121】
(その他)
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る表示装置及び表示システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0122】
(付記)
以上の実施の形態等の記載により、下記の技術が開示される。
【0123】
[技術1]
所定の位相の映像光を出射する表示部と、
前記表示部から離れた位置に配置され、前記映像光を反射する第一状態及び前記映像光を透過する第二状態が切り替えられる光学素子と、
前記光学素子に対し、前記表示部とは反対側に配置される第一反射部と、
前記表示部及び前記光学素子を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記表示部及び前記光学素子を制御して、第一画像及び第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態を、前記第一画像及び前記第二画像に同期させて交互に繰り返し出力させる、
表示装置。
【0124】
[技術2]
前記光学素子は、液晶層と、前記液晶層を挟む第一偏光板及び第二偏光板とを備え、
前記第一偏光板は、前記映像光が入射される透過型偏光板であり、
前記第二偏光板は、反射型偏光板である、
技術1に記載の表示装置。
【0125】
[技術3]
前記表示部と前記光学素子との間に配置されたハーフミラーを備える、
技術1または2に記載の表示装置。
【0126】
[技術4]
前記表示部から出射された映像光の光路上に配置された第二反射部を備える、
技術1~3のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0127】
[技術5]
前記第一反射部は、前記光学素子に対向する第一領域と、前記光学素子の外方に配置された第二領域とを有する、
技術1~4のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0128】
[技術6]
前記制御部は、前記光学素子の異常を検出した場合には、前記表示部を制御して、異常時に対応した第三画像を表示部に出力させる、
技術1~5のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0129】
[技術7]
前記第一画像と前記第二画像は同一の画像であり、
前記制御部は、、前記表示部及び前記光学素子を制御して、前記第一画像及び前記第二画像を前記表示部で交互に繰り返し出力させる際に、前記光学素子の前記第一状態及び前記第二状態の切替を、当該切替を視認可能な所定期間毎に交互に繰り返す、
技術1~6のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0130】
[技術8]
前記光学素子が前記第一状態のときに表示される前記映像光を前記第一画像とし、前記光学素子が前記第二状態のときに表示される前記映像光を前記第二画像としたとき、
前記制御部は、
(i)前記光学素子を前記第一状態としたまま初期サイズの前記第一画像が、前記初期サイズよりも小型な第一所定サイズまで徐々に小さくなるように、前記第一画像を出力し、
(ii)前記第一画像が前記第一所定サイズになった後に前記光学素子を前記第二状態に切り替え、
(iii)前記光学素子を前記第二状態としたまま前記第二画像が前記第一所定サイズよりも小型な第二所定サイズから、前記第二所定サイズよりも小型な第三所定サイズまで徐々に小さくなるように、前記第二画像を出力し、
(iv)前記第二画像が前記第三所定サイズに至れば、前記第二画像が前記第二所定サイズまで徐々に大きくなるように、前記第二画像を出力し、
(v)前記第二画像が前記第二所定サイズになった後に前記光学素子を前記第一状態に切り替え、
(vi)前記光学素子を前記第一状態としたまま前記第一所定サイズの前記第一画像が前記初期サイズまで徐々に大きくなるように、前記第一画像を出力し、
前記(i)から(vi)の動作を繰り返す、
技術1~7のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0131】
[技術9]
前記第一反射部は、前記光学素子からの距離が互いに異なる第一反射領域及び第二反射領域を有する、
技術1~8のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0132】
[技術10]
前記第一反射領域は、前記第二反射領域よりも前記光学素子からの距離が遠く、
前記光学素子において、前記第一反射領域に対応する部位は前記第二状態のみを保持する、
技術9に記載の表示装置。
【0133】
[技術11]
前記第一反射領域は、前記第二反射領域よりも前記光学素子からの距離が遠く、
前記光学素子は、前記第一反射領域を露出させている、
技術9に記載の表示装置。
【0134】
[技術12]
前記第一反射領域は、凹面鏡である、
技術10または11に記載の表示装置。
【0135】
[技術13]
技術1~技術12のいずれかひとつに記載の表示装置を備える
表示システム。
【0136】
[技術14]
前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像の位置及び前記第二画像の位置の少なくとも一方を調整する、
技術13に記載の表示システム。
【0137】
[技術15]
前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像の形状及び前記第二画像の形状の少なくとも一方を調整する、
技術13または技術14に記載の表示システム。
【0138】
[技術16]
前記映像光に基づく画像を視認するユーザを検出するユーザ検出部を備え、
前記制御部は、前記ユーザ検出部の検出結果に基づいて、前記第一画像及び前記第二画像の一方を基準とした他方の倍率を調整する、
技術13~技術15のいずれかひとつに記載の表示システム。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本開示は、画像を表示するための表示装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0140】
1 車両
2 センターコンソール
10、10A、10B、10C、10D、10E、10H、10I、10J 表示装置
20 表示部
21 表示面
25、25e、25h、25i 第一反射部
29 開口部
30、30j 光学素子
31 液晶層
32 第一偏光板
33 第二偏光板
40 ユーザ検出部
41 カメラ
50 制御部
60b、60c、60d 第二反射部
61d 第一λ/4板
62d 反射型偏光板
63d 第二λ/4板
70 ハーフミラー
100 表示システム
251e 第一領域
252e 第二領域
251h、251i 第一反射領域
252h 第二反射領域
E1、E2 視点位置
G 基礎画像
g1、g11、g1f、g1g 第一画像
g2、g2d、g2g 第二画像
g3 速度計画像
g4 タコメータ画像
g71h、g71i、g71j ナビゲーション画像
g72h 計器画像
L、L1、L2 映像光
R1 道路
R2 道路標識
T1 近傍位置
T2 遠方位置
Y1 矢印
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18