(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001703
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】レンズユニット
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20231227BHJP
【FI】
G02B7/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100538
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】井上 道夫
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AA05
2H044AA18
(57)【要約】
【課題】レンズユニットの小型化を図りつつ、レンズユニットの耐久性を向上させる。
【解決手段】リテーナ(38)は、複数のレンズ(14,16,18,20,22)を押圧する環状の押圧部(42)を有する。リテーナ(38)における押圧部(42)の径方向外側に、光軸方向の片側に窪んだ環状の凹部(44)が形成され、光軸方向に沿った断面において、凹部(44)は、湾曲した形状に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡筒と、
該鏡筒内に光軸方向に沿って設けられた複数のレンズと、
前記鏡筒に螺合して設けられ、前記複数のレンズを押圧する環状の押圧部を有し、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定する環状のリテーナと、を備え、
前記リテーナにおける前記押圧部の径方向外側に、前記光軸方向の片側に窪んだ環状の凹部が形成され、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、湾曲した形状に形成されている、レンズユニット。
【請求項2】
前記押圧部の内側面は、前記光軸方向に沿った断面において、前記押圧部の先端面から遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように前記光軸方向に対して傾斜している、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記複数のレンズのうち前記光軸方向に隣接するいずれかのレンズ間に設けられた環状のスペーサを更に備え、
前記鏡筒の内周壁に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、
前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記鏡筒の内周壁の先端側に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、
前記リテーナは、前記鏡筒の外周壁の基端側に螺合して設けられ、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記鏡筒の内周壁の先端側に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、
前記リテーナは、前記鏡筒の内周壁の基端側に螺合して設けられ、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項6】
前記鏡筒の内周壁の基端側に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、
前記リテーナは、前記鏡筒の外周壁の先端側に螺合して設けられ、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項7】
前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、径方向内側に位置しかつ湾曲した第1湾曲部と、径方向外側に位置しかつ湾曲した第2湾曲部と、前記第1湾曲部と前記第2湾曲部との間に位置する直線部とを有する、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項8】
前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、U字状に形成されている、請求項1に記載のレンズユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車載カメラ等のカメラに用いられるレンズユニットとして、特許文献1に示すものがある。その先行技術に係るレンズユニットは、略円筒状の鏡筒(特許文献1では第一の樹脂製鏡筒の内筒と称される)を備えており、鏡筒は、光軸方向に延びている。鏡筒内には、複数のレンズが光軸方向に沿って設けられている。鏡筒の外周壁の基端側には、複数のレンズを鏡筒に対して固定する環状のリテーナ(特許文献1では第二の樹脂製鏡筒と称される)が螺合して設けられている。リテーナは、光軸方向の片側(一方側)から複数のレンズを押圧する環状の押圧部(特許文献1では保持部と称される)を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車載用カメラに用いられるレンズユニットは、例えば、-40℃~120℃の広い温度範囲において使用される。その広い温度範囲において鏡筒内において複数のレンズを安定的に保持するには、リテーナの締付力を大きくして、押圧部による押圧力を高くする必要がある。
【0005】
しかしながら、リテーナの締付力が大きくなると、押圧部周辺における過大な応力集中によってクラックが発生して、レンズユニットの耐久性の低下を招くことになる。一方、押圧部周辺における応力集中を抑えるために、押圧部の内周面からリテーナの外周面までの距離を長くして、リテーナの強度を高めると、レンズユニットの径方向の寸法が拡大して、レンズユニットの大型化を招くことになる。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、レンズユニットの小型化を図りつつ、レンズユニットの耐久性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明の一態様は、鏡筒と、該鏡筒内に光軸方向に沿って設けられた複数のレンズと、前記鏡筒に螺合して設けられ、前記複数のレンズを押圧する環状の押圧部を有し、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定する環状のリテーナと、を備える。前記リテーナにおける前記押圧部の径方向外側に、前記光軸方向の片側(一方側)に窪んだ環状の凹部が形成され、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、湾曲した形状に形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、レンズユニットの小型化を図りつつ、レンズユニットの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係るレンズユニットの光軸方向に沿った模式的な断面図である。
【
図3】実施形態1の他の態様に係るレンズユニットの部分拡大断面図である。
【
図4】実施形態2に係るレンズユニットの光軸方向に沿った模式的な断面図である。
【
図6】実施形態3に係るレンズユニットの光軸方向に沿った模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、明細書及び特許請求の範囲において、光軸方向とは、レンズの光軸方向、鏡筒の光軸方向、又はレンズユニットの光軸方向のことをいう。光軸方向は、鏡筒の軸方向又はレンズユニットの軸方向と同義であり、本発明の実施形態においては前後方向のことである。径方向とは、レンズの半径方向、鏡筒の半径方向、又はレンズユニットの半径方向のことである。径方向外側とは、径方向のうちの光軸(レンズ又はレンズユニットの中心線)から遠ざかる方向のことをいい、径方向内側とは、径方向のうちの光軸に近づく方向のことをいう。図面中、「AD」は光軸方向、「RDo」は径方向外側、「RDi」は径方向内側、「FF」は前側又は前方向、「FR」は後側又は後方向をそれぞれ指している。
【0011】
〔実施形態1〕
図1及び
図2を参照して、実施形態1に係るレンズユニット10の構成について説明する。
図1は、実施形態1に係るレンズユニット10の光軸方向に沿った模式的な断面図である。
図2は、
図1におけるII部の拡大断面図である。
【0012】
(レンズユニット10の概要)
図1に示すように、実施形態1に係るレンズユニット10は、車載用カメラに用いられる光学ユニットである。車載用カメラのカメラボディ(不図示)に着脱可能である。レンズユニット10は、入射した光をカメラボディ内の撮像素子面(不図示)に結像する。なお、レンズユニット10が車載用カメラに用いられる代わりに、監視用カメラ等の他のカメラに用いられてもよい。
【0013】
(鏡筒12)
図1に示すように、レンズユニット10は、略円筒状の鏡筒12を備えており、鏡筒12は、光軸方向に延びている。鏡筒12の先端側である前端側、及び鏡筒12の基端側である後端側は、それぞれ開口されている。鏡筒12は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の合成樹脂により構成されている。鏡筒12の先端側は、被写体(物体)側を向き、鏡筒12の基端側は、結像側を向く。
【0014】
(複数のレンズ14,16,18,20,22)
図1に示すように、鏡筒12内には、第1レンズ14、第2レンズ16、第3レンズ18、第4レンズ20、及び第5レンズ22が光軸方向に沿って設けられている。換言すれば、鏡筒12内には、複数のレンズ14,16,18,20,22からなるレンズ群が設けられている。換言すれば、鏡筒12は、複数のレンズ14,16,18,20,22からなるレンズ群を収容する。
【0015】
第1レンズ14は、鏡筒12内における先端側(前端側)に位置しており、第1レンズ14は、ガラス又はプラスチックにより構成されている。第1レンズ14の一方のレンズ面14a及び他方のレンズ面14bは、それぞれ光軸方向に対して垂直な平面状に形成されている。第1レンズ14の2つのレンズ面14a,14bの周縁には、それぞれ面取り加工が施されている。なお、第1レンズ14の2つのレンズ面14a,14bのうちのいずれかのレンズ面を凸曲面状又は凹曲面状に形成してもよい。
【0016】
第2レンズ16は、第1レンズ14に接触した状態で光軸方向に隣接しており、ガラス又はプラスチックにより構成されている。第2レンズ16の一方のレンズ面16a及び他方のレンズ面16bは、それぞれ光軸方向に対して垂直な平面状に形成されている。第2レンズ16の2つのレンズ面16a,16bの周縁には、それぞれ面取り加工が施されている。第2レンズ16の2つのレンズ面16a,16bのうちのいずれかのレンズ面が凸曲面状又は凹曲面状に形成されるようにしてもよい。
【0017】
第3レンズ18は、第2レンズ16に離隔した状態で光軸方向に隣接しており、ガラス又はプラスチックにより構成されている。第3レンズ18の一方のレンズ面18a及び他方のレンズ面18bは、それぞれ光軸方向に対して垂直な平面状に形成されている。なお、第3レンズ18の一方のレンズ面18a及び他方のレンズ面18bのうちいずれかが凸曲面状又は凹曲面状に形成されるようにしてもよい。
【0018】
第4レンズ20は、第3レンズ18に離隔した状態で光軸方向に隣接しており、ガラス又はプラスチックにより構成されている。第4レンズ20の一方のレンズ面20a及び他方のレンズ面20bは、それぞれ光軸方向に対して垂直な平面状に形成されている。第4レンズ20の2つのレンズ面20a,20bの周縁には、それぞれ面取り加工が施されている。なお、第4レンズ20の2つのレンズ面20aが凸曲面状又は凹曲面状に形成されるようにしてもよい。
【0019】
第5レンズ22は、鏡筒12内における基端側(後端側)に位置しており、かつ第4レンズ20に離隔した状態で光軸方向に隣接している。第5レンズ22は、ガラス又はプラスチックにより構成されている。第5レンズ22の一方のレンズ面22aは、凸曲面状に形成されている。第5レンズ22の他方のレンズ面22bは、光軸方向に対して垂直な平面状に形成されている。第5レンズ22の他方のレンズ面22bの周縁には、面取り加工が施されている。なお、第5レンズ22の他方のレンズ面22bが凸曲面状又は凹曲面状に形成されるようにしてもよい。
【0020】
複数のレンズ14,16,18,20,22は、鏡筒12の内周壁12iに形成された複数の位置決めリブ(不図示)によって、鏡筒12に対して径方向に位置決めされている。複数のレンズ14,16,18,20,22の中心は、それぞれ光軸に一致している。また、複数のレンズ14,16,18,20,22の2つのレンズ面14a,14b,16a,16b,18a,18b,20a,20b,22a,22bには、必要に応じて、それぞれ反射防止膜、親水膜、撥水膜等が形成される。
【0021】
(複数のスペーサ24,26,28)
図1に示すように、鏡筒12内における第2レンズ16と第3レンズ18の間には、環状の第1スペーサ24が設けられている。第1スペーサ24は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。第1スペーサ24は、その正面側(前側)に、第2レンズ16の外縁部を保持する環状の保持面24gを有している。第1スペーサ24は、その背面側(後側)に、第3レンズ18の外縁部を保持する環状の保持面24pを有している。
【0022】
鏡筒12内における第3レンズ18と第4レンズ20との間には、環状の第2スペーサ26が設けられている。第2スペーサ26は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。第2スペーサ26は、その正面側に、第3レンズ18の外縁部を保持する環状の保持面26gを有している。第2スペーサ26は、その背面側に、第4レンズ20の外縁部を保持する環状の保持面26pを有している。
【0023】
鏡筒12内における第4レンズ20と第5レンズ22との間には、環状の第3スペーサ28が設けられている。第3スペーサ28は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。第3スペーサ28は、その正面側に、第4レンズ20の外縁部を保持する環状の保持面28gを有している。第3スペーサ28は、その背面側に、第5レンズ22の外縁部を保持する環状の保持面28pを有している。
【0024】
複数のスペーサ24,26,28は、鏡筒12の複数の位置決めリブによって鏡筒12に対して径方向に位置決めされている。
【0025】
(フィルタ保持部材30、赤外線カットフィルタ32)
鏡筒12内における第5レンズ22の後側には、環状のフィルタ保持部材30が設けられている。フィルタ保持部材30は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。また、フィルタ保持部材30の背面には、光学フィルタとして、近赤外線領域の光を除去する円板状の赤外線カットフィルタ32が設けられている。なお、赤外線カットフィルタ32の代わりに、所定の周波数成分の光を除去する他の光学フィルタを用いてもよい。また、複数のレンズ14,16,18,20,22のうち光軸方向に隣接するいずれのレンズ間には、通過光量を制限する環状の絞り部材(不図示)が設けられている。
【0026】
(突起部34、雄ネジ部36)
図1に示すように、鏡筒12の内周壁12iの先端側(前端側)には、径方向内側に向かって突出した環状の突起部34が形成されている。突起部34は、前方向から第1レンズ14の外縁部に係止し、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して光軸方向に位置決めする。鏡筒12の外周壁12oの基端側(後端側)には、雄ネジ部36が形成されている。
【0027】
(リテーナ38、雌ネジ部40、押圧部42)
図1及び
図2に示すように、鏡筒12の外周壁12oの基端側には、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定する環状のリテーナ38が螺合して設けられている。リテーナ38の内周面には、鏡筒12の雄ネジ部36に螺合するための雌ネジ部40が形成されている。リテーナ38は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。また、リテーナ38は、光軸方向の片側(一方側)である後方向から複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する環状の押圧部42を有しており、押圧部42は、弾性変形可能である。押圧部42は、フィルタ保持部材30との協働によって赤外線カットフィルタ32を挟持する。押圧部42は、赤外線カットフィルタ32、フィルタ保持部材30、複数のスペーサ24,26,28を介して、後方向から複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する。
【0028】
押圧部42の先端面42tは、赤外線カットフィルタ32の周縁部に接触する面であり、複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する押圧面である。押圧部42の先端面42tは、光軸方向に対して直交している。押圧部42の内周面42iは、光軸方向に沿った断面において、先端面42tから遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。換言すれば、押圧部42の内周面42iは、光軸方向に沿った断面において、先端面42tに近づくにしたがって径方向内側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。
【0029】
前記の構成により、リテーナ38を締付けることにより、押圧部42が光軸方向の片側である後方向から複数のスペーサ24,26,28を介して複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する。これにより、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定して、鏡筒12内において安定的に保持することができる。
【0030】
(凹部44)
図1及び
図2に示すように、リテーナ38における押圧部42の先端面42tの径方向外側には、光軸方向の片側(一方側)である後方向に窪んだ環状の凹部44が形成されている。光軸方向に沿った断面において、凹部44は、円弧状に湾曲した形状に形成されている。凹部44は、1つ又は複数の曲率半径を有している。凹部44の曲率半径は、例えば、0.3mm以上に設定されている。凹部44の曲率半径とは、凹部44が複数の曲率半径を有する場合には、平均の曲率半径のことである。凹部44の径方向の幅Wは、鏡筒12の基端面(後端面)の径方向の長さよりも長くなっている。レンズユニット10の径方向の拡大を抑えるため、凹部44の径方向の幅Wは、例えば、2mm以下に設定されている。押圧部42の先端面から凹部44の底部までの光軸方向の長さLは、例えば、0.6mm以上に設定されている。
【0031】
(作用効果)
レンズユニット10の構成によると、前述のように、光軸方向に沿った断面において、凹部44が円弧状に湾曲した形状に形成されている。そのため、押圧部42の内周面42iからリテーナ38の外周面38oまでの距離を長くすることなく、リテーナ38の締付力を大きくしても、凹部44を含む押圧部42周辺における応力集中を抑えることができる。これにより、レンズユニット10の小型化を図りつつ、押圧部42周辺におけるクラックの発生を防止して、レンズユニット10の耐久性を向上させることができる。
【0032】
また、レンズユニット10の構成によると、前述のように、光軸方向に沿った断面において、押圧部42の内周面42iが押圧部42の先端面42tから遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。そのため、押圧部42が撓み易くなり、低温時から高温時までの広い温度範囲において押圧部42の光軸方向の押圧力(軸力)を安定的に維持することができる。具体的には、鏡筒12の熱膨張率がレンズ14等の熱膨張率よりも大きい場合には、押圧部42の光軸方向の押圧力が高温時に低下すると共に低温時に上昇する傾向にある。鏡筒12の熱膨張率がレンズ14等の熱膨張率よりも小さい場合には、押圧部42の光軸方向の押圧力が高温時に上昇すると共に低温時に低下する傾向にある。それゆえ、常温時に、押圧部42を撓ませた状態で、リテーナ38を強固に締付けることにより、低温時から高温時の広い温度範囲において押圧部42の光軸方向の押圧力を安定的に維持することができる。
【0033】
〔実施形態1の他の態様〕
図3を参照して、実施形態1の他の態様に係るレンズユニット10Aの構成について説明する。
図3は、実施形態1の他の態様に係るレンズユニット10Aの部分拡大断面図である。
【0034】
(レンズユニット10Aの概要)
図3に示すように、実施形態1の他の態様に係るレンズユニット10Aは、車載用カメラに用いられる光学ユニットであり、入射した光をカメラボディ内の撮像素子面(不図示)に結像する。レンズユニット10Aは、一部を除き、実施形態1に係るレンズユニット10(
図2参照)と同様の構成を有している。レンズユニット10Aの構成のうち、レンズユニット10の構成と異なる点についてのみ説明する。なお、説明の便宜上、本実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0035】
(第1湾曲部44a、第2湾曲部44b、直線部44c)
図3に示すように、光軸方向に沿った断面において、凹部44は、湾曲した形状に形成されている。凹部44は、径方向内側に位置しかつ円弧状に湾曲した第1湾曲部44aと、径方向外側に位置しかつ円弧状に湾曲した第2湾曲部44bと、第1湾曲部44aと第2湾曲部44bとの間に位置する直線部44cとを有する。湾曲した形状とは、一部に直線部44cを有する場合を含む意である。
【0036】
凹部44の第1湾曲部44aは、押圧部42に隣接しており、1つ又は複数の曲率半径を有している。凹部44の第1湾曲部44aの曲率半径は、例えば、0.3mm以上に設定されている。凹部44の第2湾曲部44bは、1つ又は複数の曲率半径を有している。凹部44の第2湾曲部44bの曲率半径は、例えば、0.3mm以上に設定されている。凹部44の直線部44cは、第1湾曲部44aと第2湾曲部44bに滑らかに繋がっている。
【0037】
(作用効果)
続いて、実施形態1の他の態様の作用効果について説明する。
【0038】
レンズユニット10Aにおいては、前述のように、凹部44は、第1湾曲部44aと第2湾曲部44bとの間に位置する直線部44cを有している。そのため、光軸方向に沿った断面において、凹部44が円弧状に形成されている場合に比べて、凹部44の径方向の幅を短くすることができる。これにより、凹部44の径方向の幅を短くした分だけ、レンズユニット10Aの小型化を促進することができる。
【0039】
その他、実施形態1の他の態様においても、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0040】
〔実施形態2〕
図4及び
図5を参照して、実施形態2に係るレンズユニット46の構成について説明する。
図4は、実施形態2に係るレンズユニット46の光軸方向に沿った模式的な断面図である。
図5は、
図4におけるV部の拡大断面図である。
【0041】
(レンズユニット46の概要)
図4に示すように、実施形態2に係るレンズユニット46は、車載用カメラに用いられる光学ユニットであり、入射した光をカメラボディ内の撮像素子面(不図示)に結像する。レンズユニット46は、一部を除き、実施形態1に係るレンズユニット10(
図1及び
図2参照)と同様の構成を有している。レンズユニット46の構成のうち、レンズユニット10の構成と異なる点についてのみ説明する。なお、説明の便宜上、本実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0042】
(雌ネジ部48、リテーナ50、雄ネジ部52、押圧部54)
図4及び
図5に示すように、鏡筒12の外周壁12oの基端側(後端側)には、雌ネジ部48が形成されている。鏡筒12の内周壁12iの基端側には、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定する環状のリテーナ50が螺合して設けられている。リテーナ50の外周面には、鏡筒12の雌ネジ部48に螺合するための雄ネジ部52が形成されている。リテーナ50は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。また、リテーナ50は、光軸方向の片側(一方側)である後方向から複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する環状の押圧部54を有しており、押圧部54は、弾性変形可能である。押圧部54は、フィルタ保持部材30との協働によって赤外線カットフィルタ32を挟持する。押圧部54は、赤外線カットフィルタ32、フィルタ保持部材30、複数のスペーサ24,26,28を介して、後方向から複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する。
【0043】
押圧部54の先端面54tは、赤外線カットフィルタ32の周縁部に接触する面であり、複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する押圧面である。押圧部54の先端面54tは、光軸方向に対して直交している。押圧部54の内周面54iは、光軸方向に沿った断面において、先端面54tから遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。換言すれば、押圧部54の内周面54iは、光軸方向に沿った断面において、先端面54tに近づくにしたがって径方向内側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。
【0044】
前記の構成により、リテーナ50を締付けることにより、押圧部54が光軸方向の片側である後方向から複数のスペーサ24,26,28を介して複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する。これにより、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定して、鏡筒12内において安定的に保持することができる。
【0045】
(凹部56)
図4及び
図5に示すように、リテーナ50における押圧部54の先端面54tの径方向外側には、光軸方向の片側(一方側)である後方向に窪んだ環状の凹部44が形成されている。光軸方向に沿った断面において、凹部56は、湾曲した形状、具体的には、U字形状に形成されており、開口側に向かって広がっている。換言すれば、凹部56は、径方向内側に位置する第1直線部と、径方向外側に位置する第2直線部と、第1直線部と第2直線部との間に位置しかつ円弧状に湾曲した湾曲部とを有している。凹部56の底部の曲率半径は、例えば、0.3mm以上に設定されている。凹部56の径方向の幅Wは、レンズユニット46の径方向の拡大を抑えるため、凹部56の径方向の幅Wは、例えば、2mm以下に設定されている。押圧部54の先端面から凹部56の底部までの光軸方向の長さLは、例えば、0.6mm以上に設定されている。
【0046】
(作用効果)
続いて、実施形態2の作用効果について説明する。
【0047】
レンズユニット46の構成によると、前述のように、光軸方向に沿った断面において、凹部56が円弧状に湾曲した形状に形成されている。そのため、押圧部54の内周面54iからリテーナ50の外周面50oまでの距離を長くすることなく、リテーナ50の締付力を大きくしても、凹部56を含む押圧部54周辺における応力集中を抑えることができる。これにより、レンズユニット46の小型化を図りつつ、押圧部54周辺におけるクラックの発生を防止して、レンズユニット46の耐久性を向上させることができる。
【0048】
特に、光軸方向に沿った断面において、凹部56がU字形状に形成されかつ開口側に向かって広がっている。そのため、光軸方向に沿った断面において、凹部56が円弧状に形成されている場合に比べて、凹部56の径方向の幅を短くすることができる。これにより、凹部56の径方向の幅を短くした分だけ、レンズユニット46の小型化を促進することができる。
【0049】
また、レンズユニット46の構成によると、前述のように、光軸方向に沿った断面において、押圧部54の内周面54iが先端面54tから遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。そのため、押圧部54が撓み易くなり、低温時から高温時までの広い温度範囲において押圧部54の光軸方向の押圧力を安定的に維持することができる。
【0050】
〔実施形態3〕
図6及び
図7を参照して、実施形態3に係るレンズユニット58の構成について説明する。
図6は、実施形態3に係るレンズユニット58の光軸方向に沿った模式的な断面図である。
図7は、
図6におけるVII部の拡大断面図である。
【0051】
(レンズユニット58の概要)
図6に示すように、実施形態3に係るレンズユニット58は、車載用カメラに用いられる光学ユニットであり、入射した光をカメラボディ内の撮像素子面(不図示)に結像する。レンズユニット58は、一部を除き、実施形態1に係るレンズユニット10(
図1及び
図2参照)と同様の構成を有している。レンズユニット58の構成のうち、レンズユニット10の構成と異なる点についてのみ説明する。なお、説明の便宜上、本実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0052】
(突起部60、雄ネジ部62)
図6に示すように、鏡筒12の内周壁12iの基端側(後端側)には、径方向内側に向かって突出した環状の突起部60が形成されている。突起部60は、後方向から赤外線カットフィルタ32の外縁部に係止し、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して光軸方向に位置決めする。鏡筒12の外周壁12oの先端側(前端側)には、雄ネジ部62が形成されている。
【0053】
(リテーナ64、雌ネジ部66、押圧部68)
図6及び
図7に示すように、鏡筒12の外周壁12oの先端側には、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定する環状のリテーナ64が螺合して設けられている。リテーナ64の内周面には、鏡筒12の雄ネジ部62に螺合するための雌ネジ部66が形成されている。リテーナ64は、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂により構成されている。また、リテーナ64は、光軸方向の片側(一方側)である前方向から複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部34側に押圧する環状の押圧部68を有しており、押圧部68は、弾性変形可能である。押圧部68は、複数のスペーサ24,26,28、赤外線カットフィルタ32、フィルタ保持部材30を介して、前方向から複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部60側に押圧する。
【0054】
押圧部68の先端面68tは、第1レンズ14の周縁部に接触する面であり、複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部60側に押圧する押圧面である。押圧部68の先端面68tは、光軸方向に対して直交している。押圧部68の内周面68iは、光軸方向に沿った断面において、先端面68tから遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。換言すれば、押圧部68の内周面68iは、光軸方向に沿った断面において、先端面68tに近づくにしたがって径方向内側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。
【0055】
前記の構成により、リテーナ64を締付けることにより、押圧部68が光軸方向の片側である前方向から複数のスペーサ24,26,28を介して複数のレンズ14,16,18,20,22を突起部60側に押圧する。これにより、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定して、鏡筒12内において安定的に保持することができる。
【0056】
(凹部70)
図6及び
図7に示すように、リテーナ64における押圧部68の先端面68tの径方向外側には、光軸方向の片側(一方側)である前方向に窪んだ環状の凹部70が形成されている。光軸方向に沿った断面において、凹部70は、円弧状に湾曲した形状に形成されている。凹部70は、1つ又は複数の曲率半径を有している。凹部70の曲率半径は、例えば、0.3mm以上に設定されている。凹部70の曲率半径とは、凹部70が複数の曲率半径を有する場合には、平均の曲率半径のことである。凹部70の径方向の幅Wは、鏡筒12の先端面(前端面)の径方向の長さよりも長くなっている。レンズユニット58の径方向の拡大を抑えるため、凹部70の径方向の幅Wは、例えば、2mm以下に設定されている。押圧部68の先端面から凹部70の底部までの光軸方向の長さLは、例えば、0.6mm以上に設定されている。
【0057】
(作用効果)
続いて、実施形態3の作用効果について説明する。
【0058】
レンズユニット58の構成によると、前述のように、光軸方向に沿った断面において、凹部70が円弧状に湾曲した形状に形成されている。そのため、押圧部68の内周面68iからリテーナ64の外周面64oまでの距離を長くすることなく、リテーナ64の締付力を大きくしても、凹部70を含む押圧部68周辺における応力集中を抑えることができる。これにより、レンズユニット58の小型化を図りつつ、押圧部68周辺におけるクラックの発生を防止して、レンズユニット58の耐久性を向上させることができる。
【0059】
また、レンズユニット58の構成によると、前述のように、光軸方向に沿った断面において、押圧部68の内周面68iが先端面68tから遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように光軸方向に対して傾斜している。そのため、押圧部68が撓み易くなり、低温時から高温時までの広い温度範囲において押圧部68の光軸方向の押圧力を安定的に維持することができる。
【0060】
〔他の実施形態〕
図示は省略するが、レンズユニット10において、突起部34を省略して、鏡筒12の内周壁12iの中間部に径方向内側に向かって突出した環状の中間突起部を形成してもよい。この場合には、リテーナ38の押圧部42は、後方向から複数のレンズ20,22を中間突起部側に押圧する。また、鏡筒12の外周壁12oの先端側に、複数のレンズ14,16,18,20,22を鏡筒12に対して固定する環状の第2のリテーナを設ける。第2のリテーナは、前方向から複数のレンズ14,16,18を中間突起部側に押圧する第2押圧部を有する。第2のリテーナの構成は、レンズユニット58のリテーナ64と同様の構成である。
【0061】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るレンズユニットは、鏡筒と、該鏡筒内に光軸方向に沿って設けられた複数のレンズと、前記鏡筒に螺合して設けられ、前記複数のレンズを押圧する環状の押圧部を有し、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定する環状のリテーナと、を備える。前記リテーナにおける前記押圧部の径方向外側に、前記光軸方向の片側(一方側)に窪んだ環状の凹部が形成され、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、湾曲した形状に形成されている。
【0062】
前記の構成によれば、前述のように、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部が湾曲した形状に形成されている。そのため、前記押圧部の内周面から前記リテーナの外周面までの距離を長くすることなく、前記リテーナの締付力を大きくしても、前記凹部を含む前記押圧部周辺における応力集中を抑えることができる。これにより、前記レンズユニットの小型化を図りつつ、前記押圧部周辺におけるクラックの発生を防止して、前記レンズユニットの耐久性を向上させることができる。
【0063】
本発明の態様2に係るレンズユニットは、前記態様1において、前記押圧部の内側面は、前記光軸方向に沿った断面において、前記押圧部の先端面から遠ざかるにしたがって径方向外側に位置するように前記光軸方向に対して傾斜してもよい。
【0064】
前記の構成によれば、前記押圧部が撓み易くなり、低温時から高温時までの広い温度範囲において前記押圧部の光軸方向の押圧力を安定的に維持することができる。
【0065】
本発明の態様3に係るレンズユニットは、前記態様1又は2において、前記複数のレンズのうち前記光軸方向に隣接するいずれかのレンズ間に設けられた環状のスペーサを更に備え、前記鏡筒の内周壁に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧してもよい。
【0066】
前記の構成によれば、前記リテーナを締付けることにより、前記押圧部が前記スペーサを介して前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する。これにより、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定して、前記鏡筒内において安定的に保持することができる。
【0067】
本発明の態様4に係るレンズユニットは、前記態様1又は2において、前記鏡筒の内周壁の先端側に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、前記リテーナは、前記鏡筒の外周壁の基端側に螺合して設けられ、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧してもよい。
【0068】
前記の構成によれば、前記リテーナを締付けることにより、前記押圧部が前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する。これにより、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定して、前記鏡筒内において安定的に保持することができる。
【0069】
本発明の態様5に係るレンズユニットは、前記態様1又は2において、前記鏡筒の内周壁の先端側に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、前記リテーナは、前記鏡筒の内周壁の基端側に螺合して設けられ、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧してもよい。
【0070】
前記の構成によれば、前記リテーナを締付けることにより、前記押圧部が前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する。これにより、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定して、前記鏡筒内において安定的に保持することができる。
【0071】
本発明の態様6に係るレンズユニットは、前記態様1又は2において、前記鏡筒の内周壁の基端側に、径方向内側に向かって突出した環状の突起部が形成され、
前記リテーナは、前記鏡筒の外周壁の先端側に螺合して設けられ、前記押圧部は、前記複数のレンズを前記突起部側に押圧してもよい。
【0072】
前記の構成によれば、前記リテーナを締付けることにより、前記押圧部が前記複数のレンズを前記突起部側に押圧する。これにより、前記複数のレンズを前記鏡筒に対して固定して、前記鏡筒内において安定的に保持することができる。
【0073】
本発明の態様7に係るレンズユニットは、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、径方向内側に位置しかつ湾曲した第1湾曲部と、径方向外側に位置しかつ湾曲した第2湾曲部と、前記第1湾曲部と前記第2湾曲部との間に位置する直線部とを有してもよい。
【0074】
前記の構成によれば、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部が円弧状に形成されている場合に比べて、前記凹部の径方向の幅を短くすることができる。これにより、前記凹部の径方向の幅を短くした分だけ、前記レンズユニットの小型化を促進することができる。
【0075】
本発明の態様8に係るレンズユニットは、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部は、U字状に形成されてもよい。
【0076】
前記の構成によれば、前記光軸方向に沿った断面において、前記凹部が円弧状に形成されている場合に比べて、前記凹部の径方向の幅を短くすることができる。これにより、前記凹部の径方向の幅を短くした分だけ、前記レンズユニットの小型化を促進することができる。
【0077】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
10 レンズユニット(実施形態1に係るレンズユニット)
12 鏡筒
12i 内周壁
12o 外周壁
14 第1レンズ
16 第2レンズ
18 第3レンズ
20 第4レンズ
22 第5レンズ
24 第1スペーサ
26 第2スペーサ
28 第3スペーサ
30 フィルタ保持部材
32 赤外線カットフィルタ
34 突起部
36 雄ネジ部
38 リテーナ
38o 外周面
40 雌ネジ部
42 押圧部
42t 先端面
42i 内周面
44 凹部
10A レンズユニット(実施形態1の他の態様に係るレンズユニット)
44a 第1湾曲部
44b 第2湾曲部
44c 直線部
46 レンズユニット(実施形態2に係るレンズユニット)
48 雌ネジ部
50 リテーナ
50o 外周面
52 雄ネジ部
54 押圧部
54t 先端面
54i 内周面
56 凹部
58 レンズユニット(実施形態3に係るレンズユニット)
60 突起部
62 雄ネジ部
64 リテーナ
64o 外周面
66 雌ネジ部
68 押圧部
68t 先端面
68i 内周面
70 凹部