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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170301
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】コードスキャナ
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20241129BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241129BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06K7/10 444
G06K7/10 372
H05K5/02 D
G06F3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082045
(22)【出願日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】P 2023086956
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近田 健二
(72)【発明者】
【氏名】寺内 嘉一
【テーマコード(参考)】
4E360
5B020
【Fターム(参考)】
4E360AB04
4E360AD01
4E360EA24
4E360FA02
4E360FA20
4E360GA46
4E360GA47
4E360GB99
5B020DD01
5B020GG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】様々な利用方法に対応するコードスキャナを提供する。
【解決手段】コードスキャナ2は、筐体10と、前記筐体に支持されている操作部20、22と、を備え、前記筐体は、ユーザが把持する把持部12と、前記把持部の先端から折れ曲がっている屈曲部14と、を含み、前記操作部は、前記屈曲部の表面に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードから情報を読み取るコードスキャナであって、
筐体と、
前記筐体に支持されている操作部と、
を備え、
前記筐体は、
ユーザが把持する把持部と、
前記把持部の先端から折れ曲がっている屈曲部と、
を含み、
前記操作部は、前記屈曲部の表面に配置されている、コードスキャナ。
【請求項2】
前記操作部は、前記屈曲部の前記表面うち、前記把持部の前記先端と前記屈曲部の先端の間の範囲において、前記屈曲部の前記先端が位置する側よりも、前記把持部の前記先端が位置する側に片寄っている、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項3】
前記操作部は、静電容量式のボタンである、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項4】
前記筐体は、前記筐体の表面を構成する第1部材と、前記筐体の裏面を構成する第2部材と、を備え、
前記屈曲部の内部には、前記第1部材と前記第2部材で挟まれた空間が存在し、
前記操作部は、前記空間内において、前記第1部材に支持されている、請求項3に記載のコードスキャナ。
【請求項5】
前記第1部材の裏面には、平坦な支持面が形成されており、
前記操作部は、前記支持面に貼り付けられている、請求項4に記載のコードスキャナ。
【請求項6】
前記操作部である前記静電容量式のボタンが反応したことを報知する報知部をさらに備える、請求項3に記載のコードスキャナ。
【請求項7】
前記屈曲部の根本の裏面に前記情報コードからの反射光を受ける読取口が露出している、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項8】
前記把持部の裏面の端部には、前記読取口に隣接する第2突起が形成されている、請求項7に記載のコードスキャナ。
【請求項9】
前記屈曲部の裏面の両端には、前記読取口に隣接する第3突起が形成されている、請求項7に記載のコードスキャナ。
【請求項10】
前記第3突起の両側面の幅は、前記読取口から遠ざかるにつれて狭まっている、請求項9に記載のコードスキャナ。
【請求項11】
前記第3突起の側面と前記屈曲部の表面との間の角度は、直角以下である、請求項9に記載のコードスキャナ。
【請求項12】
前記屈曲部の裏面の両端には、前記読取口に隣接する第3突起が形成されており、
前記第3突起は、前記第2突起と繋がっている、請求項8に記載のコードスキャナ。
【請求項13】
前記把持部のうち、前記屈曲部に近い側の部分の幅は、前記把持部のうち、前記屈曲部から遠い側の部分の幅よりも狭い、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項14】
前記把持部の横断面は、オーバル形状であり、
前記屈曲部が折れ曲がる第1方向における前記オーバル形状の長さは、前記第1方向と直交する第2方向における前記オーバル形状の長さよりも長い、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項15】
前記屈曲部の先端の厚みは、前記把持部の幅よりも小さい、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項16】
前記屈曲部の厚みは、前記屈曲部の根本から前記屈曲部の先端へ徐々に狭まっている、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項17】
前記屈曲部の幅は、前記屈曲部の根本から前記屈曲部の先端へ徐々に広がっている、請求項1に記載のコードスキャナ。
【請求項18】
複数個の前記操作部をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコードスキャナ。
【請求項19】
前記複数個の操作部は、第1操作部と、第2操作部と、を含み、
前記第1操作部と前記第2操作部は、前記屈曲部の幅方向に沿って並んでいる、請求項18に記載のコードスキャナ。
【請求項20】
前記屈曲部の前記表面における前記第1操作部と前記第2操作部の間に第1突起が形成されている、請求項19に記載のコードスキャナ。
【請求項21】
前記複数個の操作部のいずれかが操作されたことを検知する検知回路を備える、請求項18に記載のコードスキャナ。
【請求項22】
前記複数個の操作部のうちの第1操作部が操作されたことを検知する第1検知回路と、
前記複数個の操作部のうちの第2操作部が操作されたことを検知する第2検知回路と、
を備える、請求項18に記載のコードスキャナ。
【請求項23】
前記第1検知回路が操作を検知した回数が、前記第2検知回路が操作を検知した回数より多い場合に、前記第1検知回路が前記第1操作部の動作を確認する第1頻度を、前記第2検知回路が前記第2操作部の動作を確認する第2頻度よりも高める、請求項22に記載のコードスキャナ。
【請求項24】
前記コードスキャナのモードが第1モードである場合に、前記第1検知回路が前記第1操作部の動作を確認する第1頻度に対する前記第2検知回路と前記第2操作部の動作を確認する第2頻度の比率を第1比率に設定し、
前記コードスキャナのモードが前記第1モードとは異なる第2モードである場合に、前記第1頻度に対する前記第2頻度の比率を、前記第1比率とは異なる第2比率に設定する、請求項22に記載のコードスキャナ。
【請求項25】
前記操作部は、前記屈曲部の幅方向における中心から片寄った位置に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のコードスキャナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、情報コードから情報を読み取るコードスキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが把持する把持部を有するコードスキャナが開示されている。把持部の裏側には、トリガスイッチが露出している。ユーザは、把持部を把持しながら、トリガスイッチを押す。これにより、コードスキャナが情報コードから情報を読み取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-093110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、コードスキャナの利用方法が多様化している。例えば、セルフレジでは、コードスキャナは所定の場所に固定され得る。また、例えば、店舗の従業員は、コードスキャナを把持して利用する。把持部の裏側のトリガスイッチでは、様々な利用方法に対応することが困難である。本明細書では、様々な利用方法に対応するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示するコードスキャナは、筐体と、前記筐体に支持されている操作部と、を備え、前記筐体は、ユーザが把持する把持部と、前記把持部の先端から折れ曲がっている屈曲部と、を含み、前記操作部は、前記屈曲部の表面に配置されている。
【0006】
ユーザが把持部を把持しておらず、コードスキャナが所定の場所に置かれている状況、例えば、コードスキャナがセルフレジに設置されている状況が想定される。この状況において、ユーザは、把持部を把持しなくても、屈曲部に手を近づければ、操作部を操作することができる。また、ユーザが把持部を把持している状況、例えば、店員がコードスキャナを繰り返し操作する状況が想定される。この状況では、ユーザは、把持部を把持している手の指を屈曲部まで延ばして、操作部を操作することができる。様々な利用方法に対応することができる。
【0007】
前記操作部は、前記屈曲部の前記表面うち、前記把持部の前記先端と前記屈曲部の先端の間の範囲において、前記屈曲部の前記先端が位置する側よりも、前記把持部の前記先端が位置する側に片寄っていてもよい。
【0008】
上記の構成によれば、操作部が把持部を把持している手の指に近づく。ユーザの操作性が向上する。
【0009】
前記操作部は、静電容量式のボタンであってもよい。
【0010】
上記の構成によれば、屈曲部の表面に継ぎ目なく操作部を配置することができる。
【0011】
前記筐体は、前記筐体の表面を構成する第1部材と、前記筐体の裏面を構成する第2部材と、を備え、前記屈曲部の内部には、前記第1部材と前記第2部材で挟まれた空間が存在し、前記操作部は、前記空間内において、前記第1部材に支持されていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、空間内に操作部を隠すとともに操作部を保護することができる。
【0013】
前記第1部材の裏面には、平坦な支持面が形成されており、前記操作部は、前記支持面に貼り付けられていてもよい。
【0014】
第1部材の表面は、意匠面であり、湾曲している。第1部材の裏面も表面と同様に湾曲している。仮に、湾曲した裏面に操作部を貼り付けると、操作部と裏面との間に隙間が生じ得る。上記の構成によれば、操作部が平坦な支持面に貼り付けられるため、操作部と裏面との間に隙間が生じることを抑制することができる。
【0015】
前記操作部である前記静電容量式のボタンが反応したことを報知する報知部をさらに備えてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ユーザは、静電容量式のボタンが反応したことを知ることができる。
【0017】
前記屈曲部の根本の裏面に前記情報コードからの反射光を受ける読取口が露出していてもよい。
【0018】
屈曲部は、コードスキャナのユーザが慣れ親しんだ形状である。上記の構成によれば、ユーザが慣れ親しんだ屈曲部を維持しつつ、読取口の視野を広げて、バーコードだけでなく、2次元コードの読取にも対応することができる。また、把持部に代えて、屈曲部に操作部を配置することにより、ユーザは、把持部を把持する5本の指のうちの一つを屈曲部に自然に移動させる。ユーザは違和感なくコードスキャナを利用することができる。また、一つの指が屈曲部へ移動することにより、当該指が読取口に当たることを抑制することができる。
【0019】
前記把持部の裏面の端部には、前記読取口に隣接する第2突起が形成されていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、把持部を把持している手の指で操作部を操作する際に、ユーザの指が第2突起に当たる。これにより、ユーザの指が読取口に当たることを抑制することができる。
【0021】
前記屈曲部の裏面の両端には、前記読取口に隣接する第3突起が形成されていてもよい。
【0022】
操作部を操作する指以外の指が屈曲部の側面に位置し得る。上記の構成によれば、屈曲部の側面に位置する指が第3突起に当たる。これにより、ユーザの指が読取口に当たることを抑制することができる。
【0023】
前記第3突起の両側面の幅は、前記読取口から遠ざかるにつれて狭まっていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、ユーザは、屈曲部の側面に位置する指を、把持部を把持している他の指に近づけることができる。ユーザは、コードスキャナを安定的に把持することができる。操作部の操作性が向上する。
【0025】
前記第3突起の側面と前記屈曲部の表面との間の角度は、直角以下であってもよい。
【0026】
上記の構成によれば、第3突起の側面に位置する指が誤って屈曲部の表面に移動することを抑制することができる。操作部の誤動作を抑制することができる。
【0027】
前記屈曲部の裏面の両端には、前記読取口に隣接する第3突起が形成されており、前記第3突起は、前記第2突起と繋がっていてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、読取口を取り囲むように読取口への指の接触を防止する突起を形成することができる。
【0029】
前記把持部のうち、前記屈曲部に近い側の部分の幅は、前記把持部のうち、前記屈曲部から遠い側の部分の幅よりも狭くてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、把持部の幅の狭い部分に手が収まり、把持部に対する手の位置が定まり、操作部の操作性が向上する。
【0031】
前記把持部の横断面は、オーバル形状であり、前記屈曲部が折れ曲がる第1方向における前記オーバル形状の長さは、前記第1方向と直交する第2方向における前記オーバル形状の長さよりも長くてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、操作部を操作するユーザが持ちやすい把持部を実現することができる。
【0033】
前記屈曲部の先端の厚みは、前記把持部の幅よりも小さくてもよい。
【0034】
前記屈曲部の厚みは、前記屈曲部の根本から前記屈曲部の先端へ徐々に狭まっていてもよい。
【0035】
屈曲部の厚みを小さくするで、屈曲部と把持部の接続箇所の厚みも制限され、操作部が操作しやすい位置を把持することができる。
【0036】
前記屈曲部の幅は、前記屈曲部の根本から前記屈曲部の先端へ徐々に広がっていてもよい。
【0037】
上記の構成によれば、屈曲部の幅が根本から先端へ徐々に狭まっている比較例と比べて、操作部を操作している指以外の指を屈曲部の側面に置きやすくすることができる。
【0038】
複数個の前記操作部をさらに備えてもよい。
【0039】
上記の構成によれば、複数個の操作部を利用して、様々な機能を実現することができる。
【0040】
前記複数個の操作部は、第1操作部と、第2操作部と、を含み、前記第1操作部と前記第2操作部は、前記屈曲部の幅方向に沿って並んでいてもよい。
【0041】
例えば、ユーザは、把持部を右手で把持した際に第1操作部を操作し、把持部を左手で把持した際に第2操作部を操作することができる。ユーザは、左右どちらの手で把持しても、コードスキャナを操作することができる。
【0042】
前記屈曲部の前記表面における前記第1操作部と前記第2操作部の間に第1突起が形成されていてもよい。
【0043】
上記の構成によれば、第1突起により、第1操作部を操作する指が移動する範囲と第2操作部を操作する指が移動する範囲が互いに隔離される。第1操作部の操作時に第2操作部が誤って反応することを抑制することができる。
【0044】
前記複数個の操作部のいずれかが操作されたことを検知する検知回路を備えてもよい。
【0045】
上記の構成によれば、1つの検知回路で複数個の操作部の操作を検知することができる。回路の構成をシンプルにすることができる。
【0046】
前記複数個の操作部のうちの第1操作部が操作されたことを検知する第1検知回路と、前記複数個の操作部のうちの第2操作部が操作されたことを検知する第2検知回路と、を備えてもよい。
【0047】
上記の構成によれば、第1操作部と第2操作部を別々の回路で検知することができる。第1操作部が操作されたイベントと第2操作部が操作されたイベントを区別することができる。
【0048】
前記第1検知回路が操作を検知した回数が、前記第2検知回路が操作を検知した回数より多い場合に、前記第1検知回路が前記第1操作部の動作を確認する第1頻度を、前記第2検知回路が前記第2操作部の動作を確認する第2頻度よりも高めてもよい。
【0049】
上記の構成によれば、第1操作部を多く利用するユーザの操作性を向上させることができる。
【0050】
前記コードスキャナのモードが第1モードである場合に、前記第1検知回路が前記第1操作部の動作を確認する第1頻度に対する前記第2検知回路と前記第2操作部の動作を確認する第2頻度の比率を第1比率に設定し、前記コードスキャナのモードが前記第1モードとは異なる第2モードである場合に、前記第1頻度に対する前記第2頻度の比率を、前記第1比率とは異なる第2比率に設定してもよい。
【0051】
上記の構成によれば、コードスキャナのモードを変更することで各操作部の操作性を変えることができる。
【0052】
前記操作部は、前記屈曲部の幅方向における中心から片寄った位置に配置されていてもよい。
【0053】
例えば、操作部が中心から右側に片寄ることにより、右手で把持し易いコードスキャナを実現することができる。また、例えば、操作部が中心から左側に片寄ることにより、左手で把持し易いコードスキャナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】コードスキャナの斜視図と第1操作方法を示す図である。
図2】コードスキャナの平面図と第2操作方法を示す図である。
図3図2のIII-III線における断面図である。
図4図2のIV-IV線における断面図である。
図5】第2実施例に係るコードスキャナの断面図である。
図6】第3実施例に係るコードスキャナの断面図である。
図7図2の矢視VIIから見たコードスキャナの正面図である。
図8図2のVIII-VIII線における断面図である。
図9】裏側から見たコードスキャナの斜視図である。
図10図3のX-X線における断面図である。
図11】コードスキャナの他の持ち方を示す図である。
図12】筐体を構成する部材の裏面を示す図である。
図13】コードスキャナ内の基板に実装される回路構成の第1具体例である。
図14】コードスキャナ内の基板に実装される回路構成の第2具体例である。
図15】第4実施例に係るコードスキャナの処理のフローチャート図である。
図16】第5、第6実施例に係るコードスキャナの処理のフローチャート図である。
図17】コードスキャナを置く台を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
(第1実施例)
(コードスキャナ2の構成;図1図2図3
コードスキャナ2は、情報コード(例えば、バーコード、2次元コード)から情報を読み取るための装置である。コードスキャナ2は、例えば、店頭、倉庫等で利用される。コードスキャナ2によって読み取られた情報は、外部の装置、例えば、POS端末、スマートフォン、PC等に送信される。
【0056】
図3に示すように、コードスキャナ2は、筐体10と、操作部20と、操作部22と、読取部30と、電源ケーブル44と、振動素子42と、を備える。操作部20と操作部22と読取部30と振動素子42は、筐体10の内側で筐体10に支持されている。電源ケーブル44は、コードスキャナ2に電力を供給する。電源ケーブル44は、商用電源に接続されている。なお、変形例では、電源ケーブル44は、外部の装置(例えばPOS端末)に接続されており、外部の装置が、コードスキャナ2に電力を供給してもよい。
【0057】
筐体10は、把持部12と、屈曲部14と、読取口16と、を含む。把持部12は、ユーザが把持する部位であり、ユーザが把持し易い棒形状を有する。屈曲部14は、把持部12の棒形状における先端から折れ曲がっている。別言すれば、屈曲部14は、把持部12の棒形状における先端から、当該棒形状が延びる方向と交差しつつ把持部12から遠のく方向へ張り出している。図2に示すように、屈曲部14の幅は、把持部12から離れるほど広がっている。読取口16は、屈曲部14の根本の裏面から屈曲部14の先端14b、即ち、紙面下側へ向かって露出している。読取口16は、光が透過する素材で形成されている。
【0058】
図1図2に示すように、コードスキャナ2は、筐体10の表面のいずれの箇所にもディスプレイを備えない簡易的なデバイスである。
【0059】
図3に示すように、読取部30は、照明32と、イメージセンサ34と、を備える。照明32は、読取対象の情報コードを照らす光源である。イメージセンサ34は、情報コードを撮像する。読取部30は、読取口16と対面している。ユーザは、情報コードから情報を読み取るために、屈曲部14の先端14bを情報コードに近づける。これにより、情報コードが読取口16と対面し、情報コードからの反射光が読取口16を通過して読取部30に入射する。読取部30は、情報コードからの反射光を利用して、情報コードを含む画像を撮像する。
【0060】
図3に示すように、把持部12の先端の裏側には、突起12aが形成されている。ユーザは、把持部12を把持している状態で、操作部20又は22を操作するために、手の指を操作部20又は22に近づける。この際、ユーザの指が突起12aに当たる。これにより、ユーザの指が読取口16に当たることを抑制することができる。なお、変形例では、把持部12には、突起12aが形成されていなくてもよい。
【0061】
読取部30は、筐体10に収容されている基板40に接続されている。基板40は、読取部30を制御する。また、基板40は、読取部30によって撮像された画像内の情報コードをデコードして、情報コードから情報を取得する。
【0062】
振動素子42は、把持部12に振動を伝達する。振動素子42は、振動の発生源として、例えば、モータを含む。振動素子42は、いわゆる、バイブレータである。振動素子42は、基板40に接続されている。
【0063】
2個の操作部20及び22は、屈曲部14に配置されている。図2に示すように、2個の操作部20及び22は、屈曲部14の幅方向(即ち紙面左右方向)に沿って並んでいる。2個の操作部20及び22のそれぞれは、静電容量式のボタンである。図3に示すように、2個の操作部20及び22は、屈曲部14の表側の表面14aに埋め込まれている。この構成によれば、屈曲部14の表面14aに継ぎ目なく操作部20、22を配置することができる。継ぎ目がないので清掃し易い。
【0064】
なお、操作部20及び22は、屈曲部14の内側に配置されていればよい。例えば、図3に示すように、筐体10は、上側の第1部材10aと、下側の第2部材10bと、で構成されている。屈曲部14の内部には、第1部材10aと第2部材10bで挟まれた空間が存在し、操作部20及び22は、当該空間内において、第1部材10aに支持されている。図3に示すように、操作部20及び22は、第1部材10aに埋め込まれていてもよいし、第1部材10aの裏面に貼り付けられていてもよい。空間内に操作部20及び22を隠すとともに操作部20及び22を保護することができる。
【0065】
図12は、第1部材10aのうち、屈曲部14を構成する範囲の裏面の一例を示す。この裏面には、2個の支持面100が形成されている。各支持面100は、平坦に形成されている。一方の支持面100には、操作部20が貼り付けられ、他方の支持面100には、操作部22が貼り付けられる。第1部材10aの表面は、意匠面であり、湾曲している。第1部材10aの裏面も表面と同様に湾曲している。仮に、湾曲した裏面に操作部20及び22を貼り付けると、操作部20及び22と裏面との間に隙間が生じ得る。操作部20及び22が平坦な支持面100に貼り付けられるため、操作部20及び22と裏面との間に隙間が生じることを抑制することができる。
【0066】
また、図12に示すように、支持面100の断面は、櫛状である。支持面100を櫛状の断面で形成することにより、意匠面である第1部材10aの表面にヒケが発生することを抑制することができる。なお、変形例では、支持面100の断面は、櫛状でなくてもよい。
【0067】
2個の操作部20及び22は、屈曲部14の内側に配置されている基板24に搭載されている。基板24は、基板40に接続されている。例えば、ユーザの指が操作部20に触れると、操作部20は、基板24を介して、所定の信号を基板40に送信する。これにより、基板40は、所定の信号に応じた動作を実行する。
【0068】
また、基板40は、操作部20及び22のいずれかから所定の信号を受信すると、振動素子42を動作させる。把持部12を把持しているユーザは、振動素子42によって発生した振動を知覚する。ユーザは、静電容量式のボタンが反応したことを知ることができる。
【0069】
2個の操作部20及び22のそれぞれには、様々な機能を割り当てることができる。また、2個の操作部20及び22を同時に押す操作にも、特定の機能を割り当てることができる。様々な機能及び特定の機能は、例えば、情報コードの読取を開始する機能、情報コードの読取を停止する機能、コードスキャナ2が設置されている場所から離れている従業員を呼び出す機能、コードスキャナ2が接続されている外部の装置(例えばPOS端末)に特定の信号を送信する機能、読取部30の動作モードを変更する機能である。従業員を呼び出す機能では、例えば、コードスキャナ2に搭載されているブザーが動作してもよいし、コードスキャナ2が呼び出しのための信号を外部の装置(例えば、従業員が携帯する携帯端末)に送信してもよい。2個の操作部20及び22のそれぞれへの機能の割り当ては、例えば、コードスキャナ2の管理者によって行われる。
【0070】
(操作部20及び22の操作方法;図1図2図4図11図17
操作部20及び22は、様々な方法で操作することができる。図1は、第1操作方法で操作するユーザの手200を示す。第1操作方法では、ユーザは、把持部12を把持しておらず、コードスキャナ2が所定の場所に置かれている。第1操作方法が利用される状況は、例えば、コードスキャナ2がセルフレジに設置されている状況である。この状況において、ユーザは、把持部12を把持しなくても、屈曲部14に手を近づければ、操作部20及び22を操作することができる。この状況では、例えば、操作部20及び22の少なくとも一方に、従業員を呼び出す機能を割り当てる。これにより、セルフレジの近くに従業員がいない場合に、ユーザは、従業員を探さなくてもよい。また、従業員を呼び出すためのボタン装置を、コードスキャナ2とは別に設置しなくてもよい。
【0071】
図17は、第1操作方法においてコードスキャナ2を所定の場所に置く一例である。コードスキャナ2は、所定の場所に置かれた支持台300に支持されてもよい。なお、図17の支持台300の形状は、一例に過ぎない。
【0072】
図2図11は、第2の操作方法で操作するユーザの手200を示す。第2操作方法では、ユーザは、把持部12を把持する。第2操作方法が利用される状況は、例えば、従業員が商品に表示されている情報コードを読み取る状況である。この状況では、例えば、操作部20及び22の双方に情報コードの読取を開始する機能を割り当てる。図2に示すように、従業員が右手200aで把持部12を把持する場合には、従業員は、右手200aの人差し指で操作部20を操作することができる。一方、従業員が左手200bで把持部12を把持する場合には、従業員は、左手200bの人差し指で操作部22を操作することができる。従業員は、左右どちらの手で把持しても、コードスキャナ2を操作することができる。
【0073】
図2図11に示すように、操作部20及び22は、屈曲部14の表面のうち、把持部12の先端と屈曲部14の先端14bの間の範囲において、屈曲部14の先端14bが位置する側よりも、把持部12の先端が位置する側に片寄っている。この構成によれば、操作部20又は22が把持部12を把持している右手200a又は左手200bの指に近づく。ユーザの操作性が向上する。さらに、図11に示すように、ユーザが、把持部12のうち屈曲部14に近い側を把持すると、操作部20及び22は、ユーザの指の先端ではなく、ユーザの指の腹に対面し得る。操作部20及び22は、ユーザの指の腹でも反応する。このため、ユーザは、図2及び図11のいずれの持ち方でも、操作部20及び22を操作できる。仮に、操作部20及び22が、屈曲部14の先端14bに位置していると、ユーザは、図11の持ち方でなければ、操作部20及び22を操作できない。特に、操作部20及び22が筐体10で隠れて見えないと、ユーザは、操作部20及び22の位置をおおまかにしか認識できない。把持部12の先端が位置する側に片寄っている操作部20及び22は、ユーザの指の先端及び腹のいずれにも対面するので、ユーザは、操作部20及び22の位置を正確に認識しなくても、操作部20及び22を操作することができる。なお、変形例では、操作部20及び22の少なくとも一方は、屈曲部14の先端14bに配置されてもよい。
【0074】
図4は、屈曲部14の幅方向に沿った断面図である。図4に示すように、屈曲部14の表面14aにおける操作部20及び22の間に突起14cが形成されている。突起14cにより、操作部20を操作する指が移動する範囲と操作部22を操作する指が移動する範囲が互いに隔離される。操作部20の操作時に操作部22が誤って反応することを抑制することができる。また、突起14cにより、静電容量式である操作部20の反応範囲20aが、同じく静電容量式である操作部22の反応範囲22aから物理的に隔離される。これにより、一方の操作部から他方の操作部へのノイズの伝達を低減することができる。なお、変形例では、屈曲部14には、突起14cが形成されていなくてもよい。
【0075】
(把持部12の構成;図2図8
図2に示すように、把持部12のうち、屈曲部14に近い側の部分の幅a1は、把持部12のうち、屈曲部14から遠い側の部分の幅a2よりも狭い。別言すれば、把持部12と屈曲部14の接続箇所は、くびれている。この構成によれば、把持部12の幅の狭い部分(即ちくびれた部分)に手が収まり、把持部12に対する手の位置が定まり、操作部20及び22の操作性が向上する。なお、変形例では、幅a1と幅a2は同じであってもよい。別言すれば、把持部12と屈曲部14の接続箇所は、くびれていなくてもよい。
【0076】
また、図8に示すように、把持部12の横断面は、オーバル形状である。オーバル形状は、例えば、楕円、長円、卵形状といった閉じた曲線である。具体的には、紙面上下方向におけるオーバル形状の長さd2(即ち把持部12の上下方向の幅d2)は、紙面左右方向におけるオーバル形状の長さd1(即ち把持部12の左右方向の幅d1)よりも長い。ここで、紙面上下方向は、屈曲部14が折れ曲がる方向であり、紙面左右方向は、屈曲部14が折れ曲がる方向と直交する方向である。この構成によれば、操作部20及び22を操作するユーザが持ちやすい把持部12を実現することができる。なお、変形例では、長さd2が長さd1より短くてもよい。また、他の変形例では、把持部12の横断面は、オーバル形状以外の形状(例えば矩形)であってもよい。
【0077】
(屈曲部14の構成;図3図7
図3に示すように、屈曲部14の厚みは、屈曲部14の根本から屈曲部の先端へ徐々に狭まっている。特に、屈曲部14の先端の厚みbは、把持部12の幅d1及びd2よりも小さい(図8参照)。この構成によれば、屈曲部14の厚みを小さくすることで、屈曲部14と把持部12の接続箇所の厚みも制限され、操作部20及び22が操作しやすい位置を把持することができる。なお、変形例では、屈曲部14の厚みは、屈曲部14の根本から屈曲部の先端で一定であってもよいし、広がってもよい。
【0078】
また、図7に示すように、屈曲部14の幅は、屈曲部14の根本から屈曲部14の先端へ徐々に広がっている。具体的には、屈曲部14の先端の幅c2は、屈曲部14の根本の幅c1よりも長い。この構成によれば、屈曲部14の幅が根本から先端へ徐々に狭まっている比較例と比べて、操作部20及び22を操作している指(例えば人差し指)以外の指(例えば親指)を屈曲部14の側面に置きやすくすることができる。なお、変形例では、上記の比較例の構成が採用されてもよい。
【0079】
(読取口16の周囲の構成;図2図9図10図11
図9、10に示すように、屈曲部14の裏面の両端には、読取口16に隣接する突起16aが形成されている。突起16aは、屈曲部14の根本から屈曲部14の先端まで延びている。突起16aは、把持部12の先端の裏側に形成されている突起12aと繋がっている。
【0080】
図2に示すように、屈曲部14の表面に位置する操作部20及び22を操作する指(例えば人差し指)以外の指(例えば親指)が、屈曲部14の側面に位置し得る。特に、図11に示すように、ユーザが、把持部12のうち屈曲部14に近い側を把持すると、屈曲部14の側面に指が位置し得る。突起16aを形成することにより、屈曲部14の側面に位置する指が突起16aに当たる。ユーザの指が突起16aに当たることで、指が読取口16に当たることを抑制することができる。さらに、突起12aと突起16aが繋がっていることにより、読取口16を取り囲むように読取口16への指の接触を防止する突起を形成することができる。
【0081】
また、図10に示すように、突起16aの両側面の幅は、読取口16から遠ざかるにつれて狭まっている。別言すれば、突起16aの両側面の先端の幅e1は、筐体10の幅e2よりも狭い。図2に示すように、例えば、ユーザは、操作部20及び22を操作する人差し指と突起16aに位置する親指以外の指で、把持部12を把持する。突起16aの両側面の幅が徐々に狭まることにより、突起16aに位置する親指が把持部12を把持する他の指に近づく。これにより、ユーザは、コードスキャナ2を安定的に把持することができる。操作部20及び22の操作性が向上する。
【0082】
また、図10に示すように、突起16aの側面と屈曲部14の表面との間の角度e3は、直角以下である。この構成によれば、突起16aの側面に位置する指が誤って屈曲部14の表面に移動することを抑制することができる。操作部20及び22の誤動作を抑制することができる。
【0083】
(回路構成の第1具体例;図13
図13は、操作部20及び22が静電容量式のボタンである場合における基板24及び40に実装される回路構成の第1具体例を示す。ボタンに指がタッチされていない場合には、ボタンは、所定の浮遊容量Coを有する。一方、ボタンに指がタッチされると、浮遊容量Coに指の静電容量Cfが加わり、ボタンは、浮遊容量Co+Cfを有する。スイッチSwをオンしてボタンの浮遊容量に溜まる電荷の量を比較器Cmで基準と比較することにより、基板24及び40は、ボタンのタッチの有無を検知する。
【0084】
図13の第1具体例では、操作部20及び22の双方が、一つのスイッチSw及び一つの比較器Cmを含む一つの検知回路に接続されている。本具体例では、基板24及び40は、操作部20及び22のいずれかが操作されたことを検知する。操作部20の操作と操作部22の操作が同じイベントとして判断され、操作部20及び22に同じ機能が割り当てることができる。一つの検知回路で2個の操作部20及び22の操作を検知することができる。回路の構成をシンプルにすることができる。
【0085】
(回路構成の第2具体例;図14
図14は、回路構成の第2具体例を示す。本具体例では、基板24及び40は、2個のスイッチSw1及びSw2と、2個の比較器Cm1及びCm2と、を備える。スイッチSw1と比較器Cm1は、操作部20の第1検知回路を構成し、スイッチSw2と比較器Cm2は、操作部22の第2検知回路を構成する。第1検知回路でスイッチSw1をオン及びオフする一連の処理により、操作部20の操作の有無が検知され、第2検知回路でスイッチSw2をオン及びオフする一連の処理により、操作部22の操作の有無が検知される。スイッチSw1をオン及びオフする頻度は、スイッチSw2をオン及びオフする頻度と同じである。第1検知回路は、操作部20の操作を検知し、第2検知回路は、操作部22の操作を検知する。操作部20の操作と操作部22の操作を異なるイベントとして判断可能であり、操作部20及び22に異なる機能が割り当てることができる。
【0086】
(本実施例の効果)
本実施例の構成によれば、操作部20及び22を屈曲部14に配置することにより、図1の第1操作方法及び図2の第2操作方法等の複数の操作方法でコードスキャナ2を操作することができる。複数の操作方法に対応することにより、コードスキャナ2の様々な利用方法に対応することができる。ユーザの利便性が向上する。
【0087】
屈曲部14は、コードスキャナ2のユーザが慣れ親しんだ形状である。本実施例では、読取口16は、屈曲部14の根本の裏面に配置されている。この構成によれば、ユーザが慣れ親しんだ屈曲部14を維持しつつ、読取口16の視野を広げて、バーコードだけでなく、2次元コードの読取にも対応することができる。また、把持部12に代えて、屈曲部14に操作部20及び22を配置することにより、ユーザは、把持部12を把持する5本の指のうちの一つ(例えば人差し指)を屈曲部14に自然に移動させる。ユーザは違和感なくコードスキャナ2を利用することができる。
【0088】
例えば、屈曲部14の根本の裏面に読取口16を配置する構成において、把持部12の裏面に操作部を配置する比較例が想定される。この比較例において、人差し指で操作できるように操作部を配置すると、操作部が読取口16に隣接する。ユーザの指が操作部ではなく読取口16に当たる可能性がある。また、操作部を読取口16から離すと、読取口16と操作部との間の距離だけ把持部12の長さが長くなる可能性がある。また、把持部12の長さを変えずに操作部を読取口16から離すと、操作部が人差し指から離れ、ユーザは操作し難いと感じ得る。これに対して、本実施例のように屈曲部14に操作部20及び22を配置することにより、把持部12を把持する手の一つの指が屈曲部14へ自然に移動する。ユーザは、比較例より少ない指の数で把持部12を把持し得る。把持部12を把持する手の指が読取口16に当たることを抑制することができる。
【0089】
(第1実施例の変形例)
例えば、コードスキャナ2は、操作部20を備え、操作部22を備えなくてもよい(図2参照)。本変形例では、操作部20は、屈曲部14の幅方向における中心から右側に片寄った位置に配置されている。操作部20が右側に片寄ることにより、右手で把持し易いコードスキャナ、例えば、右利き用のコードスキャナを実現することができる。
【0090】
例えば、コードスキャナ2は、操作部22を備え、操作部20を備えなくてもよい(図2参照)。本変形例では、操作部22は、屈曲部14の幅方向における中心から左側に片寄った位置に配置されている。操作部22が左側に片寄ることにより、左手で把持し易いコードスキャナ、例えば、左利き用のコードスキャナを実現することができる。
【0091】
(対応関係)
コードスキャナ2、筐体10が、それぞれ、「コードスキャナ」、「筐体」の一例である。操作部20及び22のうちの一方が、「操作部」であり、操作部20及び22が、び「複数個の操作部」の一例である。操作部20、操作部22が、それぞれ、「第1操作部」、「第2操作部」の一例である。把持部12、屈曲部14が、それぞれ、「把持部」、「屈曲部」の一例である。突起14c、突起12aが、それぞれ、「第1突起」、「第2突起」の一例である。振動素子42が、「報知部」の一例である。
【0092】
第1部材10a、第2部材10bが、「第1部材」、「第2部材」の一例である。支持面100が、「支持面」の一例である。突起16aが、「第3突起」の一例である。紙面上下方向、紙面左右方向が、「第1方向」、「第2方向」の一例である。図14においてスイッチSw1と比較器Cm1を含む回路、スイッチSw2と比較器Cm2を含む回路が、それぞれ、「第1検知回路」、「第2検知回路」の一例である。
【0093】
(第2実施例)
(コードスキャナ4の構成;図5
本実施例のコードスキャナ4は、電源ケーブル44に代えて、コネクタ52と電池54とを備える。電池54は、コネクタ52に接続された電源によって充電される。電池54は、例えば、リチウムイオン電池である。コードスキャナ4は、電池54の電力で駆動する。なお、変形例では、コードスキャナ4は、コネクタ52を備えなくてもよい。本変形例では、電池54は、コードスキャナ4から着脱可能であってもよい。また、他の変形例では、電池54は、乾電池であってもよい。
【0094】
従来のコードスキャナは、外部の装置(例えばPOS端末)にケーブルで接続されており、当該ケーブルが、電力の送信と外部の装置との通信を兼用する。一方、近年、ケーブルを有しないコードスキャナが求められている。本実施例では、ケーブルに代わる電力源として、電池54を採用する。
【0095】
(第3実施例)
(コードスキャナ6の構成;図6
本実施例のコードスキャナ6は、筐体60の形状が異なる点、及び、読取部70の構成が異なる点、を除いて、第1実施例と同様である。
【0096】
本参考例の読取部70は、ビーム光源72と、受光センサ74と、を備える。読取部70は、ビーム光源72によって照射されるビームを情報コードに沿って走査する。受光センサ74は、情報コードによって反射した反射光を受光する。
【0097】
筐体60は、把持部62と、屈曲部64と、を含む。把持部62の形状は、第1実施例の把持部12と同様である。屈曲部64は、第1実施例の屈曲部14と同様に、把持部62の先端から張り出している。屈曲部64の内側には、ビーム光源72から照射されるビームと、反射光と、が通過する空間が設けられている。ユーザは、屈曲部64の先端64bを情報コードに対面させることにより、情報コードから情報を読み取る。本参考例では、屈曲部64の先端64bが、読取口であり、先端64bは、光が透過する素材で形成されている。
【0098】
本実施例では、操作部20及び22は、屈曲部64の表側の表面64aに配置されている。本実施例でも、ユーザは図1の第1操作方法及び図2の第2操作方法等の複数の操作方法でコードスキャナ6を操作することができる。
【0099】
(対応関係)
コードスキャナ6、筐体60、把持部62、屈曲部64が、それぞれ、「コードスキャナ」、「筐体」、「把持部」、「屈曲部」の一例である。
【0100】
(第4実施例)
本実施例では、図14の回路構成が採用されるとともに、スイッチSw1をオン及びオフする頻度(以下、「第1頻度」と記載)を、スイッチSw2をオン及びオフする頻度(以下、「第2頻度」と記載)と異なる頻度に変えることが可能である。
【0101】
(頻度決定処理;図15
図15を参照して、コードスキャナ2(即ち基板24及び40)が実行する頻度決定処理について説明する。図15の処理は、例えば、コードスキャナ2の電源がオンされたことをトリガとして実行される。図15の処理が開始されると、コードスキャナ2は、操作部20を操作した回数である第1回数及び操作部22を操作した回数である第2回数をゼロにセットする。
【0102】
S10では、コードスキャナ2は、第1頻度と第2頻度を同じ頻度に設定する。S12では、コードスキャナ2は、操作部20及び22のいずれかの操作が検知されることを監視する。コードスキャナ2は、操作部20及び22のいずれかの操作が検知されたと判断する場合(S12でYES)に、S14以降の処理に進む。
【0103】
S14では、コードスキャナ2は、第1回数及び第2回数のいずれかをインクリメントする。コードスキャナ2は、S10で操作部20が操作されたと判断される場合には、第1回数をインクリメントし、S10で操作部22が操作されたと判断される場合には、第2回数をインクリメントする。
【0104】
S16では、コードスキャナ2は、現在の第1回数と第2回数を利用して、操作部20が操作部22より多く操作されているのか否かを判断する。例えば、コードスキャナ2は、第1回数と第2回数の差分の絶対値が所定値より大きく、かつ、第1回数よりも第2回数が大きい場合に、操作部20が操作部22より多く操作されていると判断する。所定値は、1より大きい整数である。コードスキャナ2は、操作部20が操作部22より多く操作されていると判断する場合(S16でYES)に、S18に進む。
【0105】
S18では、コードスキャナ2は、第1頻度を第2頻度よりも大きい頻度に設定する。例えば、単位時間当たりの頻度の比率を、第1頻度:第2頻度=3:1に設定する。
【0106】
また、コードスキャナ2は、操作部20が操作部22より多く操作されていないと判断する場合(S16でNO)に、S20に進む。S20では、コードスキャナ2は、第1回数と第2回数を利用して、操作部22が操作部20より多く操作されているのか否かを判断する。例えば、コードスキャナ2は、第1回数と第2回数の差分の絶対値が所定値より大きく、かつ、第2回数よりも第1回数が大きい場合に、操作部22が操作部20より多く操作されていると判断する。コードスキャナ2は、操作部22が操作部20より多く操作されていると判断する場合(S20でYES)に、S22に進む。
【0107】
S22では、コードスキャナ2は、第2頻度を第1頻度よりも大きい頻度に設定する。例えば、単位時間当たりの頻度の比率を、第1頻度:第2頻度=1:3に設定する。
【0108】
S18及びS22のいずれかが終了すると、コードスキャナ2は、S24において、第1頻度と第2頻度を同じ頻度に戻すトリガとなるリセットイベントが発生したのか否かを監視する。リセットイベントの一例は、コードスキャナ2が特定の情報コードから特定の情報を読み取ることである。特定の情報は、例えば、社員を識別する情報である。特定の情報コードは、例えば、社員証等に表示されている。また、その他の例では、操作部20及び22の少なくとも一方に対して所定の操作が行われることである。所定の操作は、例えば、操作部20及び22の双方を同時にタッチすること、操作部20及び22のいずれかを所定時間に亘ってタッチし続けることである。また、その他の例では、操作部20及び22のいずれも操作されることなく所定時間が経過することである。また、その他の例では、コードスキャナ2の上位の装置(例えばPOS端末)から頻度をリセットする要求を受信することである。コードスキャナ2は、リセットイベントが発生したと判断する場合(S24でYES)に、S10に戻る。
【0109】
操作部20が操作部22より多く操作される場合に、操作部20の第1頻度を高めることにより、操作部20を多く利用するユーザの操作性を向上させることができる。また、操作部22が操作部20より多く操作される場合に、操作部22の第2頻度を高めることにより、操作部22を多く利用するユーザの操作性を向上させることができる。
【0110】
(第5実施例)
本実施例は、第1頻度を第2頻度と異なる頻度に変える条件が異なることを除いて、第4実施例と同様である。本実施例では、コードスキャナ2は、置きモードと手持ちモードのいずれかを示す使用モードを有する。置きモードは、コードスキャナ2を所定の場所に置く図1等の第1の操作方法による使用を示すモードである。手持ちモードは、把持部12を把持する図2等の第2の操作方法による使用を示すモードである。ユーザは、置きモードと手持ちモードのいずれかを選択する。ユーザは、コードスキャナ2の上位の装置、コードスキャナ2の特定のボタン等を操作して、各モードを選択してもよい。
【0111】
(頻度決定処理;図16
図16を参照して、本実施例の頻度決定処理について説明する。S30では、コードスキャナ2は、使用モードとして置きモードが選択されたのか否かを判断する。コードスキャナ2は、使用モードとして置きモードが選択されたと判断する場合(S30でYES)に、S32に進む。S32では、コードスキャナ2は、第1頻度と第2頻度を同じ頻度に設定する。
【0112】
また、コードスキャナ2は、使用モードとして手持ちモードが選択されたと判断する場合(S30でNO)に、S34に進む。S34では、単位時間当たりの頻度の比率を、所定の比率に設定する。所定の比率は、例えば、第1頻度:第2頻度=1:3、第1頻度:第2頻度=3:1である。即ち、コードスキャナ2は、第1頻度と第2頻度の一方を、第1頻度と第2頻度の他方の頻度よりも大きい頻度に設定する。S32及びS34が終了すると、コードスキャナ2は、図16の処理を終了する。
【0113】
この構成によれば、コードスキャナ2の使用モードを変更することで各操作部20及び22の操作性を変えることができる。例えば、置きモードでは、操作部20及び22を操作する回数が略同じであることが推測される。S32により第1頻度と第2頻度が同じ頻度に設定される。一方、手持ちモードでは、ユーザが右利きか左利きか等の状況により操作部20及び22を操作する回数が偏ることが推測される。S34により、ユーザの操作傾向に基づき一方の頻度を他方の頻度よりも高い頻度に設定し、ユーザの操作性を向上させることができる。置きモード、手持ちモードが、それぞれ、「第1モード」、「第2モード」の一例である。
【0114】
(第6実施例)
(頻度決定処理;図16
本実施例は、S34に代えて、S36の処理が実行される点を除いて、第5実施例と同様である。本実施例では、コードスキャナ2は、使用モードとして手持ちモードが選択されたと判断する場合(S30でNO)に、S36において、図15の処理を実行する。即ち、コードスキャナ2は、実際に操作部20及び22を操作した回数に基づいて、第1頻度と第2頻度を設定する。本実施例でも、第5実施例と同様に、手持ちモードにおいて、ユーザの操作性を向上させることができる。
【0115】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0116】
(変形例1)「コードスキャナ」は、読取部30によって読み取られた情報を表示可能なディスプレイを備えてもよい。
【0117】
(変形例2)屈曲部14に配置される操作部の個数は、2個に限らず、例えば、1個であってもよい。本変形例では、1個の操作部が、「操作部」の一例である。また、屈曲部14には、3個以上の操作部が配置されてもよい。
【0118】
(変形例3)2個の操作部20及び22が並ぶ方向は、屈曲部14の幅方向に限らず、例えば、屈曲部14の幅方向と直交する方向であってもよい。
【0119】
(変形例4)「操作部」は、静電容量式のボタンに限らず、例えば、圧電式のボタン、メカニカルスイッチであってもよい。メカニカルスイッチ等を採用する場合には、「操作部」は、屈曲部から露出していてもよく、この場合、「操作部」は、屈曲部内の空間内で支持されていなくてもよい。
【0120】
(変形例5)「報知部」は、振動素子42に限らず、例えば、所定の音を出力可能なブザーであってもよいし、所定の信号を外部の装置(例えばスマートフォン)へ送信する通信モジュールであってもよい。
【0121】
(変形例6)支持面100ではなく、第1部材10aの湾曲した裏面に操作部20及び22が貼り付けられてもよい。本変形例では、「平坦な支持面」を省略可能である。
【0122】
(変形例7)突起16aの幅は、一定であってもよいし、読取口16から遠ざかるにつれて広がってもよい。また、他の例では、屈曲部14の表面と突起16aの側面の間の角度e3は、鈍角であってもよい。また、他の例では、突起16aは、突起12aと繋がっていなくてもよい。
【0123】
(変形例8)突起16aは形成されなくてもよい。本変形例では、「第3突起」を省略可能である。また、他の例では、
【0124】
(変形例9)第5実施例において、コードスキャナ2は、複数のユーザのそれぞれで異なる固有のモードを有していてもよい。例えば、第1ユーザのモードでは、第1頻度:第2頻度=1:1であり、第2ユーザのモードでは、第1頻度:第2頻度=3:1であってもよい。また、例えば、第1ユーザのモードでは、第1頻度:第2頻度=1:2であり、第2ユーザのモードでは、第1頻度:第2頻度=3:1であってもよい。本変形例では、第1ユーザのモード、第2ユーザのモードが、それぞれ、「第1モード」、「第2モード」の一例である。
【0125】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0126】
2、4、6 :コードスキャナ
10 :筐体
10a :第1部材
10b :第2部材
12 :把持部
12a :突起
14 :屈曲部
14a :表面
14b :先端
14c :突起
16 :読取口
16a :突起
20 :操作部
20a :反応範囲
22 :操作部
22a :反応範囲
24 :基板
30 :読取部
32 :照明
34 :イメージセンサ
40 :基板
42 :振動素子
44 :電源ケーブル
52 :コネクタ
54 :電池
60 :筐体
62 :把持部
64 :屈曲部
64a :表面
64b :先端
70 :読取部
72 :ビーム光源
74 :受光センサ
100 :支持面
200 :手
200a :右手
200b :左手
300 :支持台
Cf :静電容量
Cm、Cm1、Cm2 :比較器
Co :浮遊容量
Sw、Sw1、Sw2 :スイッチ
a1、a2 :幅
b :厚み
c1、c2 :幅
d1、d2 :幅
e1、e2 :幅
e3 :角度
図1
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