(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170304
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】複合バッテリーアセンブリ構造
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241129BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241129BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20241129BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20241129BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241129BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20241129BHJP
H01M 50/258 20210101ALI20241129BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20241129BHJP
H01M 50/291 20210101ALN20241129BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M50/211
H01M50/293
H01M50/289 101
H01M10/613
H01M10/6554
H01M50/258
H01M10/647
H01M50/291
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082980
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】112119638
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512306818
【氏名又は名称】輝能科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PROLOGIUM TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6-1, Ziqiang 7th Rd., Zhongli Dist., Taoyuan City, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】李証智
(72)【発明者】
【氏名】呉孟鴻
(72)【発明者】
【氏名】蔡沛修
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK01
5H040AA28
5H040AT04
5H040NN03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複合バッテリーアセンブリ構造を提供する。
【解決手段】本発明は、複合バッテリーアセンブリ構造を提供する。放熱シート10は、支持および保護のためにバッテリーセル20間に配置される。構造的強度を提供することに加えて、高熱伝導率材料製である放熱シートは、放熱効果を大幅に向上させることができる。さらに、放熱シートは、固定用タブ14および固定用切り欠き13によって、互いに接続される。このような構成によって、放熱シートは、互いに容易に固定することができる。軽量で小型の設計を可能にすることにより、本発明は、単位重量当たりおよび単位体積当たりの複合バッテリーアセンブリ構造のエネルギー密度を向上させることができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
2枚の隣接する放熱シート間に少なくとも1つのバッテリーセルが配置される複数の放熱シートと、
を備え、
各放熱シートは、
前記バッテリーセルの1つに直接接触する放熱体と、
前記放熱体の相対する2つの側面から同一方向に延在する2つの接続部と、
固定用タブ首部と、前記固定用タブ首部に接続された固定用タブ頭部と、を有し、前記接続部の端から延在する複数の固定用タブと、
前記放熱体と前記接続部との接合部に配置され、前記固定用タブに対応し、固定用切り欠き首部と、前記固定用切り欠き首部に接続された固定用切り欠き頭部と、を有する、複数の固定用切り欠きと、
を有し、
前記固定用タブと、前記固定用切り欠きとにより、2枚の隣接する放熱シートが互いに接続される、複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項2】
2枚の隣接する放熱シート間に、1つのバッテリーセルのみが配置され、前記バッテリーセルは、両側の前記2枚の隣接する放熱シートに直接接触する、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項3】
2枚の隣接する放熱シート間に、2つのバッテリーセルが配置され、前記バッテリーセルはそれぞれ、前記2枚の隣接する放熱シートの内の対応するものに直接接触する、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項4】
前記放熱シートの前記放熱体のサイズは、前記バッテリーセルのサイズと実質的に等しい、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項5】
前記放熱シートの前記接続部は、前記バッテリーセルの2つの縁部をクランプする、請求項4に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項6】
前記固定用タブの前記固定用タブ頭部の最大幅は、前記固定用切り欠きの前記固定用切り欠き首部の幅を、少なくとも20%上回る、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項7】
前記固定用タブ首部は、前記固定用切り欠き首部に対応し、前記固定用タブ頭部は、前記固定用切り欠き頭部に対応する、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項8】
前記固定用タブ首部は、矩形、円形、および台形を含む形状を有する、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【請求項9】
前記バッテリーセルは、ソフト梱包されている、請求項1に記載の複合バッテリーアセンブリ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーアセンブリ構造、特に、熱伝導性、構造的強度、および組み立て時の効率が高い、複合バッテリーアセンブリ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギー車の促進、市場での登場が徐々に進んでいる。パワーバッテリーは、新エネルギー電気自動車の3つのコア技術の内の1つである。したがって、パワーバッテリーの構造的保護および熱管理が、新エネルギー車の極めて重要な要素と考えられている。パワーバッテリーが幅広く使用されることで、新エネルギー車製造業者には、新エネルギー車の移動可能距離を広げるために、軽量化が求められる。これは、新エネルギー車の普及がスムーズになるよう、限られたスペースおよび電力容量にて最大限移動可能距離を広げるものと期待される。
【0003】
ソフト梱包されたパワーバッテリーは、一般的なハードパッケージと異なる、固有の利点を誇る。アルミニウムプラスチックフィルムなどのソフトフィルム材料が、内部バッテリーセルまたはバッテリーを封入するように使用される。パッケージ材料がソフトフィルム材料であるため、総重量および占有スペースが低減される。したがって、単位体積または単位重量当たりのエネルギー密度が増す。当該構造は、新エネルギー車用のパワーバッテリーとして大いに適している。
【0004】
しかし、ソフト梱包された構造は、ソフトフィルム材料の特性により、バッテリーモジュール全体の構造的強度が低減してしまう。さらに、エネルギー密度が高いことは、単位空間当たりの熱の蓄積につながる。したがって、既存のソフトパッケージバッテリーモジュール内に、強度増強機構および放熱機構が追加される。しかし、これでは軽量特性を損ね、固有の利点が失われる。
【0005】
上述の問題を解決するため、従来の出願として、中国特許公報第109671886号は、熱伝達を向上する、ソフトパッケージバッテリーモジュール構造を開示する。特定構造のセルホルダーが、上下ケースモジュールと協働して、支持および放熱を実現するように使用される。したがって、ソフトパッケージバッテリーパックの放熱および構造的支持が向上する。しかし、その構造、特にセルブラケットはあまりに複雑である。複雑な構造は、製造を困難にし、組み立てに不便である。米国特許公報第2020274211号も、バッテリーおよびバッテリーパックを開示する。第1熱伝導性コンポーネントが、各セルの表面に配置および接触し、第2熱伝導性コンポーネントがそれに対するクランプを構成する。したがって、放熱効率が向上する。しかし、第1熱伝導性コンポーネント間の接続が強固でないため、バッテリーパックの支持構造は向上しない。そのクランプに第2熱伝導性コンポーネントを使用する必要がある。したがって、バッテリーパックの総重量が増え、組み立ての複雑さが増す。
【0006】
したがって、本発明は、上述の問題を低減または防止する複合バッテリーアセンブリ構造を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、新規の複合バッテリーアセンブリ構造を提供することである。バッテリーセル間の間隔に、放熱シートが配置される。これにより、放熱効果を高め、さらに熱管理の効率を向上する。
【0008】
さらに、本発明の別の目的は、複合バッテリーアセンブリ構造にある。放熱シートは単純な構造を有し、製造および組み立てが容易である。さらに軽量で、占有スペースが小さい。クランプ強度も高くなる。したがって、全体的な複合バッテリーアセンブリ構造は、極めて高い構造的支持強度と、より高いエネルギー密度を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記を実現するために、本発明は、複数のバッテリーセルと、複数の放熱シートと、を有する複合バッテリーアセンブリ構造を開示する。2枚の隣接する放熱シートの間に、少なくとも1つのバッテリーセルが配置される。各放熱シートは、放熱体と、2つの接続部と、複数の固定用タブと、複数の固定用切り欠きと、を有する。放熱体は、放熱を実現するために、バッテリーセルの1つに直接接触する。2つの接続部は、放熱体の相対する2つの側面から同一方向に延在する。固定用タブは、接続部の端から延在し、固定用切り欠きは、放熱体と接続部との接合部に配置される。固定用タブは、固定用タブ首部と、固定用タブ首部に接続された固定用タブ頭部と、を有する。固定用切り欠きは、それぞれ固定用タブの固定用タブ首部および固定用タブ頭部に対応する、固定用切り欠き首部と、固定用切り欠き首部に接続された固定用切り欠き頭部と、を有する。固定用タブと、固定用切り欠きとにより、2枚の隣接する放熱シートが互いに接続される。したがって、2枚の隣接する放熱シートは強固に固定され、構造的支持が提供される。バッテリーアセンブリ構造全体の物理的構造的強度が向上する。
【0010】
さらに、放熱シートはサイズが小さく、軽量で、組み立てが容易であるため、製造コストおよび組み立てコストが低減可能となり、かなり高いエネルギー密度が維持可能となる。
【0011】
以下の詳細な説明から、本発明のさらなる適用範囲が明らかになろう。ただし、本発明の要旨および範囲内で各種変更および変形が、本詳細の説明から、当業者には明らかであるため、詳細な説明および具体例は本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、あくまで例示であることを理解されたい。
【0012】
本発明は、以下の詳細な説明からより完全に理解されるが、あくまで例示であって、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の放熱シートの実施形態の概略図である。
【
図2】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の放熱シートおよびバッテリーセルの実施形態の展開図である。
【
図3】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の放熱シートおよびバッテリーセルの実施形態の概略図である。
【
図4】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の放熱シートおよびバッテリーセルの別の実施形態の概略図である
【
図5】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の実施形態の概略図である。
【
図6A】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【
図6B】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【
図6C】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【
図7A】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【
図7B】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【
図7C】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【
図7D】本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の固定用タブおよび固定用切り欠きの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を、具体的な実施形態に関して、特定の図面を参照にして説明するが、本発明はそれではなく、請求項によりのみ限定される。請求項内のあらゆる参照符号は、範囲を限定するものと解されるべきではない。記載の図面は、あくまで概略的であって、限定的ではない。図において、一部の要素の寸法は、説明のために強調され得、実寸に合わせて描かれてはいない場合がある。
【0015】
本発明の複合バッテリーアセンブリ構造の放熱シートの実施形態の概略図である
図1を参照されたい。放熱シート10は、高熱伝導性金属製の、薄板状シートである、放熱体11を有する。2つの接続部12が、放熱体11の相対する2つの側面から同一方向に延在する。2つの接続部12は、互いに略平行で、放熱体11に対して略垂直である。したがって、放熱シート10は、U字状で、その間に収容空間を形成する。また、接続部12の延在寸法は、後の収容空間内への設置に必要なバッテリーセル量に依存する。詳細な説明は後述する。
【0016】
固定用タブ14は、接続部12の端、即ち自由端から延在し、固定用切り欠き13は、放熱体11と接続部12との接合部に配置される。固定用タブ14は、固定用タブ首部142と、固定用タブ首部142に接続された固定用タブ頭部141と、を有する。固定用切り欠き13は、それぞれ固定用タブ14の固定用タブ首部142および固定用タブ頭部141に対応する、固定用切り欠き首部132と、固定用切り欠き首部132に接続された固定用切り欠き頭部131と、を有する。図示のとおり、固定用タブ頭部141は、より小さい幅の固定用タブ首部142を介して、接続部12に接続される。固定用切り欠き13は、固定用タブ14に対応する同様の形状を有する。固定用切り欠き首部132は、固定用切り欠き頭部131よりも幅が小さい。したがって、2つの隣接する放熱シート10が、隣接する固定用切り欠き13に固定される固定用タブ14を介して、クランプ可能であり、互いに固着可能である。これについても詳細な説明は後述する。全ての固定用タブ14の形状、サイズ、または間隔は必ずしも同じではなく、要件に合わせて調整可能である。例えば、固定用タブ14の形状およびサイズは、位置合わせのため、または設置方向を制限するために修正される。さらに、放熱シート10は、高熱伝導性金属製であり得、最も一般的なプレス加工により形成可能であるが、これに限定されない。
【0017】
図1および2を参照されたい。
図1および2において、2つの放熱シート10間に1つのバッテリーセル20のみが挟まれているが、これはあくまで1つの例示的実施形態である。バッテリーセル20は、充電および放電を行う、基本的な電気化学電池である。バッテリーセル20は、正および負極が内蔵されて完全梱包されたものである。バッテリーセル20の2つの側面から、接続および電力出力用の正タブ21および負タブ22が延在する。バッテリーセル20は概して、薄い矩形状である。放熱体11のサイズは、放熱および支持のため、正タブ21および負タブ22の長さを含むバッテリーセル20のサイズ以下である。好ましくは、放熱体11の長さL1は、正タブ21および負タブ22の長さを除いたバッテリーセル20の長さL2と略等しい。放熱体11の幅W1は、バッテリーセル20の幅W2よりも若干大きい。放熱体11の接続部12の延在距離D1は、バッテリーセル20の厚さD2よりも若干大きい。即ち、D1>D2である。放熱シート10でバッテリーセル20がクランプされた後、接続部12は、バッテリーセル20の上下側においてクランプされる。2枚の放熱シート10により、バッテリーセル20の前後側がクランプおよび固定される。したがって、バッテリーセル20は、放熱シート10により完全に被覆される。これにより構造的保護が実現される。バッテリーセル20は完全梱包され、外部から隔離される。例えば、ソフトパッケージバッテリーセルを形成するのに、アルミホイル袋が利用可能である。さらに、バッテリーセル20は、幅W2よりも大きな長さL2を有し得る。
【0018】
図1から3を参照すると、組み立て時に、放熱シート10の固定用タブ14が、隣接する放熱シート10の固定用切り欠き13にクランプされる。バッテリーセル20は、その間で完全に被覆されることで、構造的保護および支持が実現される。バッテリーセル20は、両面全体で放熱シート10に直接接触する。これにより、熱伝導および放熱効果が向上する。クランプの際に、固定用タブ14の固定用タブ頭部141が固定用切り欠き13の固定用切り欠き頭部131にクランプし、固定用タブ首部142が固定用切り欠き首部132にクランプすることで、強固な固定がなされる。外部衝撃または振動により、係合関係が損なわれることを防止するため、固定用タブ14の固定用タブ頭部141の最大幅W3は、固定用切り欠き13の固定用切り欠き首部132の幅W4を少なくとも20%上回る。したがって、外部衝撃または振動が生じたとしても、固定用タブ14および固定用切り欠き13の良好なクランプ関係を維持可能である。さらに、組み立て後の固定用タブ14と固定用切り欠き13との間の間隙は、固定用切り欠き首部132の幅W4の1%未満とすることが可能である。固定用タブ14および固定用切り欠き13間のクランプ関係はより強固となる。
【0019】
上記実施形態において、1つのバッテリーセル20はそれぞれ、2枚の放熱シート10により挟まれる。これにより、最適な熱伝導および放熱効果が実現される。一方で、放熱シート10が特定の体積を有することから、単位当たりの総エネルギー密度は下がってしまう。したがって、
図4を参照すると、2つのバッテリーセル41、42が、第1放熱シート31と、第2放熱シート32との間に配置される。別の2つのバッテリーセル43、44が、第2放熱シート32と、第3放熱シート33との間に配置される。クランプ後、バッテリーセル41は、第1放熱シート31の内面311に接触する。バッテリーセル42は、第2放熱シート32の外面に接触する。バッテリーセル43は、第2放熱シート32の内面321に接触する。バッテリーセル44は、第3放熱シート33の外面332に接触する。これにより、各バッテリーセル41~44の少なくとも一面が、放熱シート、即ち第1放熱シート31、第2放熱シート32、および第3放熱シート33の少なくとも一枚に接触していることが保証される。したがって、良好な放熱効果が維持される。またこれにより、放熱シート10の数が低減することで、構造全体でのエネルギー密度が向上する。放熱シート10が互いに良好に係合可能となることを保証するため、図示のとおり、本実施形態における放熱シート10の接続部12の延在距離D3は、2つのバッテリーセル20の厚さD2を若干上回る必要がある。即ち、D3>(D2×2)となる。係合関係は、上述の実施形態と同じとなる。重複する説明は省略する。
【0020】
したがって、本発明は、複数のバッテリーセル20と、複数の放熱シート10と、を備える複合バッテリーアセンブリ構造50を開示する。
図5を参照されたい。単一のバッテリーセル20が、2枚の隣接する放熱シート10間に挟まれる。これにより、最適な放熱効果が維持される。或いは、上述の2つのバッテリーセル20などの、複数のバッテリーセルが、2枚の隣接する放熱シート10間に挟まれる。これにより単一のバッテリーセル20をクランプする場合と比較して、単位体積または単位重量当たりのエネルギー密度が向上する。放熱シート10は、上述の固定用タブ14および固定用切り欠き13により、クランプされ、互いに係合する。この係合構造は、強固に固定され、放熱シート10の材料の強度でもって内蔵される。複合バッテリーアセンブリ構造50全体の構造的強度が向上可能となる。
【0021】
さらに、スタックの最遠端で、放熱シート10をさらに接続する必要がないため、平坦形状のカバープレート51が利用される。隣接する放熱シート10の固定用タブ14を曲げることで、カバープレート51が固定される。
【0022】
さらに、
図1に示す固定用タブ14の固定用タブ頭部141は矩形であるが、固定用タブ14および固定用切り欠き13はそれ以外の形状であってもよい。
図6Aから6Cに示す円形、または
図7Aから7Dに示す台形などである。固定用タブ頭部の形状のほか、首部の幅も均一でなくてもよい。
図6Aまたは7Aに示すように、首部の幅は、固定用タブの頭部に向かって先細りしている。したがって、当業者であれば、互いに締結可能である限り、あらゆる固定用タブ頭部141および固定用タブ首部142から構成される固定用タブ14と、固定用切り欠き頭部131および固定用切り欠き首部132から構成される対応する固定用切り欠き13とが、本発明の範囲に含まれることが理解されよう。
【0023】
したがって、本発明は、複合バッテリーアセンブリ構造を提供する。少なくとも1つのバッテリーセルが、放熱シートに挟まれる。放熱シートは高熱伝導率材料製で、その間に挟まれるバッテリーセルに接触する。これにより、放熱効果が向上し、さらに熱管理効率が向上する。放熱シートの固定に、固定用タブおよび固定用切り欠きが利用される。これにより、バッテリーアセンブリの全体の構造的強度が向上する。放熱シートが軽量および肉薄であることにより、単位体積または単位重量当たりの高エネルギー密度が実現される。さらに、放熱シートは容易に製造され、組み立てに便利である。製造および組み立てコストが大幅に下がる。
【0024】
本発明を上記したが、それが各種変更され得ることは明らかである。当該変更は、本発明の要旨および範囲から逸脱するものとはみなされない。あらゆる当該変更は、当業者には明らかなように、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。