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特開2024-170307コネクタ用ハウジングアセンブリ、コネクタ、および接続アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170307
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】コネクタ用ハウジングアセンブリ、コネクタ、および接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20241129BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
H01R13/631
H01R13/64
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024083123
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】202341036446
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】514095099
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ インディア プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TE CONNECTIVITY INDIA PRIVATE LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】523412304
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ チェコ エス.エル.オー.
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャガディーシュワラヤ ジュクティヒレマス
(72)【発明者】
【氏名】トマス スヴァテック
(72)【発明者】
【氏名】ミロスラフ ヘラフィンカ
(72)【発明者】
【氏名】ダルメンドラジェイン ヴェダラヴェニ パルスワナサイア
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ディキア
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC38
5E021HB02
5E021HB04
5E021HB09
5E021KA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業者が、誤ってレバーを使わずに力ずくでコネクタを嵌合させる等の取り付けエラーを防止することができるハウジングアセンブリを提供する。
【解決手段】ハウジングアセンブリは、コネクタハウジング(16)と、レバー(12)とを備える。コネクタハウジング(16)はレセプタクルを備える。レバー(12)は、初期位置(24)とプレロック位置との間で移動可能にコネクタハウジング(16)に配置されるとともに、ブロック部(50)を有する少なくとも1つのレバーアーム(38)を備える。ブロック部(50)は、レバー(12)が初期位置(24)にあるとき、レセプタクル内に位置し、ブロック部(50)は、レバーがプレロック位置にあるとき、レセプタクルの外に位置している。ブロック部がレセプタクル内に位置していることにより、相互嵌合を行う作業者が、レバーを作動させずに無理にコネクタ同士の嵌合を行おうとする試みが防止される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタ(6)と相互嵌合可能である電気コネクタ(2)用のハウジングアセンブリ(1)であって、前記ハウジングアセンブリ(1)は、
- コネクタハウジング(16)と、
- 前記電気コネクタ(2)と前記相手側コネクタ(6)との間の嵌合過程を補助するためのレバー(12)と
を備え、

前記コネクタハウジング(16)は、前記相手側コネクタ(6)を少なくとも部分的に受け入れるためのレセプタクル(22)を備え、
前記レバー(12)は、初期位置(24)とプレロック位置(26)との間で移動可能に前記コネクタハウジング(16)に配置されるとともに、ブロック部(50)を有する少なくとも1つのレバーアーム(38)を備え、
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあるとき、前記レセプタクル(22)内に位置し、前記ブロック部(50)は、前記レバーが前記プレロック位置(26)にあるとき、前記レセプタクル(22)の外に位置している、
ハウジングアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ブロック部(50)は、前記レバーが前記初期位置(24)にあるとき、前記レセプタクル(22)の外方を向く当接面(62)を提供する、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記ブロック部(50)は、前記コネクタハウジング(16)に向かって突出している、
請求項1または2に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ブロック部(50)は、突起(52)によって形成されており、
前記突起(52)は、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあるとき、前記レセプタクル(22)に延出し、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるとき、前記レセプタクル(22)を開通させるように構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記初期位置(24)から前記プレロック位置(26)に移動されると、円弧軌道に沿って進む、
請求項1から4のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記コネクタハウジング(16)は、前記レセプタクル(22)に隣接するハウジングポケット(74)を備え、前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるとき、前記ハウジングポケット(74)内に位置している、
請求項1から5のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるとき、前記ハウジングポケット(74)に完全に受け入れられている、
請求項6に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記レバー(12)は、枢軸(28)を中心として枢動可能であり、前記ブロック部(50)は、前記枢軸(28)から離隔されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるときと、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあるときとで、前記枢軸(28)を挟んで互いに反対側に位置している、
請求項8に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記コネクタハウジング(16)には、前記相手側コネクタ(6)の相手側コンタクト(14)に接触するための少なくとも1つの電気コンタクト要素(10)が位置決めされている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)を備える電気コネクタ(2)。
【請求項11】
請求項10に記載の電気コネクタ(2)と、前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)に挿入可能に構成された相手側コネクタ(6)とを備える接続アセンブリ(4)であって、前記相手側コネクタ(6)には、前記レバー(12)と係合可能に配置された少なくとも1つの従動要素(46)が設けられている、
接続アセンブリ(4)。
【請求項12】
前記接続アセンブリ(4)は、第1の状態(101)を含み、
前記第1の状態(101)では、前記相手側コネクタ(6)が前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)に挿入され、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあり、前記ブロック部(50)が前記相手側コネクタ(6)に当接している、
請求項11に記載の接続アセンブリ(4)。
【請求項13】
前記接続アセンブリ(4)は、第2の状態(102)を含み、
前記第2の状態(102)では、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあり、前記ブロック部(50)が前記相手側コネクタ(6)との当接から外れている、
請求項12に記載の接続アセンブリ(4)。
【請求項14】
前記接続アセンブリ(4)は、第3の状態(103)を含み、
前記第3の状態(103)では、前記相手側コネクタ(6)が前記第1の状態(101)と比べて前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)のさらに奥に挿入され、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあり、前記レバー(12)の前記初期位置(24)への移動が前記相手側コネクタ(6)によってブロックされる、
請求項13に記載の接続アセンブリ(4)。
【請求項15】
前記レバー(12)は、前記相手側コネクタ(6)の前記少なくとも1つの従動要素(46)と係合可能に配置された少なくとも1つの駆動要素(40)を備え、

前記接続アセンブリ(4)は、第4の状態(104)を含み、
前記第4の状態(104)では、前記相手側コネクタ(6)が前記第3の状態(103)と比べて前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)のさらに奥に挿入され、前記少なくとも1つの駆動要素(40)が前記少なくとも1つの従動要素(46)と係合しており、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)から前記初期位置(24)に移動可能である、
請求項14に記載の接続アセンブリ(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車用途のためのプラグコネクタなど、電気コネクタ用ハウジングアセンブリに関する。さらに、本発明は、そのようなハウジングアセンブリを備える電気コネクタに関する。また、本発明は、そのような電気コネクタおよび相手側コネクタを備える接続アセンブリに関する。
【0002】
但し、本発明概念の応用可能性は、電気コネクタにも自動車分野にも限定されない。例えば、本発明の概念は、(光コネクタなどの)他のタイプのコネクタに使用することもでき、工学分野の他の用途に拡張することもできる。
【背景技術】
【0003】
電力および/または電気信号の伝送が関与する応用例では、互いに離隔された技術ユニットを、例えば、電気コネクタを使用して、分離可能な形で電気ケーブルを介して電気接続することが必要となり得る。1対の対応する電気コネクタ同士(すなわち、コネクタおよび相手側コネクタ)を相互嵌合することによってそのような電気接続を確立する際、通常ある種の内部抵抗力を克服する必要がある。
【0004】
この工程を容易にするために、いわゆる嵌合補助レバーを設けることができる。これらの嵌合補助レバーは、多くの場合、手動で操作して、電気コネクタと相手側コネクタとを互いに引くおよび/または押すことで、電気接続を確立する。そのような嵌合補助レバーは、上記内部抵抗力を克服するために作業者が加える必要がある嵌合力を、てこの作用により軽減する。
【0005】
しかし、これらの嵌合補助レバーは、適切に操作しないと取り付けエラーの原因となることもある。例えば、作業者が、誤って、レバーを使わずに力ずくで電気コネクタと相手側コネクタとの完全な相互嵌合を試みることがある。その結果生じる状態は、一見、問題ないように見えるかもしれないが、電気接続が機能していない可能性が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一般に、電気コネクタの取り扱いを改善すること、特に、取り付けエラーを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、相手側コネクタと相互嵌合可能な電気コネクタ用のハウジングアセンブリであって、ハウジングアセンブリは、コネクタハウジングと、電気コネクタと相手側コネクタとの間の嵌合過程を補助するためのレバーとを備え、コネクタハウジングは、相手側コネクタを少なくとも部分的に受け入れるためのレセプタクルを備え、レバーは、初期位置とプレロック位置との間で移動可能にコネクタハウジングに配置されるとともに、ブロック部を有する少なくとも1つのレバーアームを備え、ブロック部は、レバーが初期位置にあるとき、レセプタクル内に位置し、ブロック部は、レバーがプレロック位置にあるとき、レセプタクルの外に位置している、ハウジングアセンブリによって達成される。
【0008】
上述の解決策は、レバーが、上述の嵌合補助レバーとして機能し得るため、有利である。さらに、ハウジングアセンブリは、電気コネクタに使用すれば、次のように取り付けエラーを防止することができる。通常、電気コネクタは、そのレバーが初期位置にある状態でハウジングアセンブリを具備している。ブロック部が、レセプタクル内に位置していることにより、作業者が実際にレバーをプレロック位置に動かすまで、相手側コネクタのレセプタクルへの挿入がブロックされる。したがって、挿入をブロックすることで、作業者がレバーを作動させずにコネクタ同士を嵌合させようとする試みが直接防止される。また、作業者は、嵌合過程の間にレバーを作動させるようにも促される。
【0009】
上記解決策は、以下の任意選択の特徴のうちの1つまたは複数を追加することによってさらに改善され得る。以下の任意選択の特徴の各々は、それ自体が有利であり、何らかの他の任意選択の特徴と独立して組み合わせることもできる。
【0010】
第1の可能な実施形態によれば、電気コネクタは、好ましくは、嵌合方向に沿って相手側コネクタと相互嵌合可能である。レセプタクルは、相手側コネクタの対向嵌合面に相補的に設計された嵌合面の一部であってもよい。これにより、電気コネクタおよび相手側コネクタの取り扱いが容易になる。
【0011】
さらに、ブロック部は、レバーが初期位置にあるとき、レセプタクルの外方を向く当接面を提供することができる。レセプタクルの外方を向く当接面は、レセプタクルの外方を向く法線ベクトルを含んでもよい。上記法線ベクトルは、好ましくは、嵌合方向に平行である。したがって、当接面は、レバーが初期位置にある限り、相手側コネクタがレセプタクルに入るのを阻止する。
【0012】
製造が容易である別の可能な実施形態によれば、ブロック部は、コネクタハウジングに向かって突出してもよい。特に、ブロック部は、レバーが初期位置にあるとき、レセプタクルに延出する突起によって形成されてもよい。当接面は、突起の前端に配置され得る。例えば、突起は、レバーが初期位置にあるとき、嵌合方向に沿って延びるリブであってもよい。また、突起は、レバーがプレロック位置にあるとき、レセプタクルの外に移動することでレセプタクルを開通させてもよい。
【0013】
コンパクトで限られた空間におけるブロック部の移動を実現するために、ブロック部は、好ましくは、レバーが初期位置からプレロック位置に移動されると、円弧軌道に沿って進む。具体的には、ブロック部は、レバーが初期位置からプレロック位置に移動されると、円形状の軌道に沿って進んでもよい。これを実装するために、レバーは、コネクタハウジングに枢動可能および/または回転可能に配置されてもよい。特に、レバーは、枢軸を中心として枢動可能および/または回転可能であってもよく、ブロック部は、特に、その当接面が枢軸から離隔され、好ましくは、枢軸に対して径方向に離隔される。
【0014】
枢軸は、コネクタハウジングが、レバーを枢動可能に保持するための少なくとも1つの軸ジャーナルを備えるという点で固定されてもよい。レバーは、少なくとも1つの軸ジャーナルを少なくとも部分的に受け入れるための少なくとも1つの軸受孔を備える。また、ブロック部は、少なくとも1つの軸受孔の中心に対して径方向にオフセットされてもよい。
【0015】
任意選択で、ブロック部は、当接面に隣接する面取り部を備えてもよい。面取り部は、好ましくは、当接面よりも枢軸からさらに離隔される。言い換えれば、当接面は、面取り部よりも枢軸に近接し得る。したがって、面取り部は、ブロック部の任意の角部の詰まりを防止するので、円弧軌道に沿ったブロック部の移動を円滑にする。面取り部の代わりに、丸みを帯びた縁部を当接面に隣接して設けることもできる。
【0016】
別の可能な実施形態によれば、コネクタハウジングは、レセプタクルに隣接するハウジングポケットを備えてもよく、ブロック部は、レバーがプレロック位置にあるとき、ハウジングポケット内に位置する。したがって、ハウジングポケットは、ブロック部のための退避空間を提供する。特に、ブロック部は、レバーが初期位置からプレロック位置に枢動されると、旋回してハウジングポケットに入ってもよい。
【0017】
好ましくは、ブロック部は、レバーがプレロック位置にあるとき、ハウジングポケットに完全に受け入れられる。これにより、レバーがプレロック位置にあるとき、ブロック部と相手側コネクタとの間の干渉を取り除くことができる。
【0018】
レバーがプレロック位置にあるときとレバーが初期位置にあるときとで、ブロック部が枢軸を挟んで互いに反対側に位置する実施形態では、干渉のさらなる除去が実現され得る。特に、枢軸および嵌合方向は、1つの平面を共有してもよく、レバーが初期位置からプレロック位置に枢動されると、ブロック部は上記平面を通って移動し、逆も同様である。
【0019】
安定性向上のために、レバーは2つのレバーアームを備えてもよい。さらに、レバーは、U字状であってもよく、コネクタハウジングを少なくとも部分的に取り囲んでもよい。各レバーアームは、1つのブロック部を備え得る。また、2つのレバーアームのブロック部は、互いに対向し、コネクタハウジングに向かって内向きに突出してもよい。
【0020】
冒頭で定義した本発明の目的はまた、前述の実施形態のうちの1つによるハウジングアセンブリを備える電気コネクタであって、コネクタハウジングには、相手側コネクタの相手側コンタクトに接触するための少なくとも1つの電気コンタクト要素が位置決めされている、電気コネクタによって達成することができる。電気コネクタの使用分野によっては、任意選択で、コネクタハウジングに複数のコンタクト要素が配置されてもよい。既に上で説明したハウジングアセンブリの機能および利点により、本発明による電気コネクタは、取り付けエラーのリスクをほとんどまたは全く伴わずに容易に取り扱うことができる。
【0021】
冒頭で定義した本発明の目的はさらに、前述の実施形態のうちの1つによる電気コネクタと、電気コネクタのレセプタクルに挿入可能に構成された相手側コネクタとを備える接続アセンブリであって、相手側コネクタには、レバーと係合可能に配置された少なくとも1つの従動要素が設けられている、接続アセンブリによって達成することができる。
【0022】
一方、レバーは、相手側コネクタの少なくとも1つの従動要素と係合するように配置された少なくとも1つの駆動要素を備えてもよい。少なくとも1つの駆動要素は、少なくとも1つのレバーアームに、ブロック部に隣接して配置されてもよい。特に、少なくとも1つの駆動要素は、ブロック部の基部に配置されてもよく、逆も同様である。
【0023】
例えば、少なくとも1つの従動要素は、嵌合部に延在するかまたは嵌合部に対して斜めに延在する歯付きラックであってもよい。少なくとも1つの駆動要素は、歯付きラックに対して相補的に形成された単一のギア歯であってもよい。代替として、少なくとも1つの駆動要素は、枢軸に対して周方向に、少なくとも1つの軸受孔の周りを部分的に延在するギア部であってもよい。
【0024】
本発明によるコネクタアセンブリはまた、ハウジングアセンブリの利点から利益を得る。上述したブロック部と相手側コネクタとの間の相互作用により、取り付けエラーを効果的に防止することができる。
【0025】
1つの可能な実施形態によれば、接続アセンブリは、相手側コネクタが電気コネクタのレセプタクルに挿入され、レバーが初期位置にあり、ブロック部が相手側コネクタに当接している、第1の状態を含んでもよい。特に、ブロック部の当接面は、相手側コネクタに形成された肩部の停止面に当接してもよい。この当接は、レバーが初期位置に留まる限り維持される。
【0026】
好ましくは、第1の状態(挿入前状態とも呼ばれ得る)では、相手側コネクタは、電気コンタクト要素と任意の相手側コンタクトとの間の距離が、空間距離および沿面距離よりも大きい深さまでしか電気コネクタのレセプタクルに挿入できない。この挿入深さの限界により、接続アセンブリが第1の状態にある間、アーク放電が防止される。
【0027】
別の可能な実施形態によれば、接続アセンブリは、レバーがプレロック位置にあり、ブロック部が相手側コネクタとの当接から外れている、第2の状態を含んでもよい。特に、ブロック部は、レセプタクルの外にあり、好ましくは、上述したハウジングポケット内にある。これにより、相手側コネクタを電気コネクタのレセプタクルのさらに奥に挿入することができる。したがって、この第2の状態は、挿入状態とも呼ぶことができ、この状態では、レバーの正しい位置決めの確認を行う。
【0028】
追加または代替として、接続アセンブリは、相手側コネクタが第1の状態と比べて電気コネクタのレセプタクルのさらに奥に挿入され、レバーがプレロック位置にあり、レバーの初期位置への移動が相手側コネクタによってブロックされる、第3の状態を含んでもよい。このために、相手側コネクタは、相手側コネクタの上述した肩部に休止面を備えてもよい。肩部の休止面は、第3の状態が持続する間、ハウジングポケットを覆い、ブロック部がハウジングポケットから出るのを防ぐとともに、レバーが初期位置に入るのを阻止してもよい。
【0029】
任意選択で、ブロック部は、当接面の反対側に摺動面を備えてもよい。摺動面は、上述した突起の後端に配置されてもよい。レバーがプレロック位置にあり、接続アセンブリが第3の状態にあるとき、摺動面は、ハウジングポケットと面一となり得る。さらに、摺動面は、肩部の休止面に接し得る。
【0030】
第1の状態、第2の状態、および第3の状態では、少なくとも1つの駆動要素および少なくとも1つの従動要素は、まだ係合していない。また、第3の状態は、上記係合が生じない限り、存続する。したがって、この第3の状態は、係合前状態とも呼ばれ得る。
【0031】
少なくとも1つの駆動要素と少なくとも1つの従動要素との間の係合を生じさせるためには、電気コネクタと相手側コネクタとを、特定の挿入深さまで互いに押し込む必要がある。その過程で、レバーの摺動面は、肩部の休止面を摺動し得る。係合が生じると、休止面は、ハウジングポケットを通り過ぎる。これにより、接続アセンブリの第4の状態、すなわち、係合状態が生じる。
【0032】
第4の状態において、相手側コネクタは、第3の状態と比べて電気コネクタのレセプタクルにさらに挿入される。少なくとも1つの駆動要素は、少なくとも1つの従動要素と係合しており、レバーは、プレロック位置から初期位置に移動可能である。これにより、少なくとも1つの駆動要素が少なくとも1つの従動要素と実際に係合している場合にのみ、早すぎることなく作業者によってレバーが作動されることが保証される。
【0033】
レバーをプレロック位置から初期位置に戻すことにより、レバーの回転運動は、駆動要素および従動要素を介してコネクタの嵌合を行う並進運動に変換される。これにより、接続アセンブリは、(完全)嵌合状態とも呼ばれ得る、第5の状態に至る。
【0034】
レバーの初期位置は、レバーの最終位置と一致し得る。言い換えれば、接続アセンブリは、相互嵌合の過程で、前後に移動する。代替として、最終位置は、初期位置を通り過ぎ、プレロック位置から離れた場所に位置してもよい。
【0035】
任意選択で、ハウジングアセンブリは、レバーを最終位置に保持するための摺動可能なCPA(コネクタ位置保証)要素を備え得る。さらなる任意選択の特徴として、コネクタハウジングおよびレバーの各々は、初期位置、プレロック位置、および/または最終位置など、レバーを所定の位置に固定するための少なくとも1つのラッチ要素を備えてもよい。接続アセンブリの異なる状態は、本明細書で説明する順に基づいて第1、第2、第3、第4、および第5の状態と命名されている。但し、これは、時間的限定および/または因果的限定を示唆するものと理解されるべきではない。接続アセンブリの応用例によっては、挿入前状態、挿入状態、係合前状態、および係合状態はまた、別の組合せおよび/または順序で存在してもよい。
【0036】
以下では、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。図示され、説明される実施形態は、単に説明の目的のためのものである。実施形態に示す特徴の組合せは、前述の説明に従って変更されてもよい。例えば、実施形態では示さないが、上で説明している特徴は、この特徴に関連付けられる技術的効果が特定の応用例に対して有益である場合に追加されてもよい。逆も同様であり、実施形態の一部として示す特徴は、この特徴に関連付けられる技術的効果が、特定の応用例で必要ない場合に、上記説明として省略されることもある。
【0037】
図面において、機能および/または構造に関して互いに対応する要素は、同じ参照符号が与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本開示の1つの可能な実施形態による、電気コネクタの概略的な斜視図である。
図2】本開示の1つの可能な実施形態による、相手側コネクタの概略的な斜視図である。
図3】本開示の1つの可能な実施形態による、初期位置にある嵌合補助レバーの概略的な斜視図である。
図4】プレロック位置にある、図3に示す嵌合補助レバーの概略的な側面図である。
図5】本開示の1つの可能な実施形態による、第1の状態にある接続アセンブリの概略的な斜視断面図である。
図6図5の詳細部VIの概略図である。
図7】第2の状態にある、図5に示す接続アセンブリの概略的な側断面図である。
図8】第3の状態にある、図5に示す接続アセンブリの概略的な側断面図である。
図9】第3の状態にある、図5に示す接続アセンブリの別の概略的な側断面図である。
図10】第4の状態にある、図5に示す接続アセンブリの別の概略的な側断面図である。
図11】第5の状態にある、図5に示す接続アセンブリの別の概略的な側断面図である。
図12】本開示の可能な実施形態による、コネクタハウジングの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、ハウジングアセンブリ1の構造について、図1図12に示す例示的な実施形態を参照して説明する。また、本発明による、電気コネクタ2の構造および接続アセンブリ4の構造についても説明する。
【0040】
図1は、嵌合方向8(図2参照)に沿って相手側コネクタ6と相互嵌合可能な電気コネクタ2の例示的な実施形態の斜視図を示す。電気コネクタ2および相手側コネクタ6は、合わせて接続アセンブリ4を形成する。
【0041】
電気コネクタ2は、本発明によるハウジングアセンブリ1を備える。電気コネクタ2は、ハウジングアセンブリ1に位置決めされている、相手側コネクタ6の相手側コンタクト14と接触するための少なくとも1つの電気コンタクト要素10を備える。
【0042】
図1に示すように、ハウジングアセンブリ1は、コネクタハウジング16を備える。コネクタハウジング16は、射出成形されたプラスチック部品であってもよく、そのようなものとして嵌合面18を備えてもよい。嵌合面18は、嵌合方向8を向き、相手側コネクタ6の対向嵌合面20(図2参照)に相補的となるように設計されてもよい。嵌合面18の一部として、コネクタハウジング16は、相手側コネクタ6を少なくとも部分的に受け入れるためのレセプタクル22を備える。言い換えれば、相手側コネクタ6は、電気コネクタ1のレセプタクル22に挿入可能に構成されている。
【0043】
ハウジングアセンブリ1は、電気コネクタ2と相手側コネクタ6との間の嵌合過程を補助するための嵌合補助レバー12をさらに備える。嵌合補助レバー12も、射出成形されたプラスチック部品とすることができる。
【0044】
嵌合補助レバー12は、初期位置24(図1参照)とプレロック位置26(図7参照)との間で移動可能にコネクタハウジング16に配置されている。特に、嵌合補助レバー12は、初期位置24からプレロック位置26へ、およびその逆方向に枢動可能または回転可能である。そのため、嵌合補助レバー12は、枢軸28を中心として、より具体的には、固定された枢軸を中心として枢動可能であってもよい。
【0045】
このために、コネクタハウジング16は、嵌合補助レバー12を枢動可能に保持するための少なくとも1つの軸ジャーナル30を備え得る。一方、嵌合補助レバー12は、上記軸ジャーナル30を少なくとも部分的に受け入れるための少なくとも1つの軸受孔32を備えてもよい。枢軸28、ならびに少なくとも1つの軸ジャーナル30および少なくとも1つの軸受孔32は、嵌合方向8に対して垂直に延在する。軸ジャーナル30と孔32とが複数設けられている場合、それらは、好ましくは、相互に平行かつ同軸となり、特に、枢軸28と平行かつ同軸となる。
【0046】
少なくとも1つの軸ジャーナル30には、少なくとも1つの軸ジャーナル30の遠位端と近位端との間において、嵌合補助レバー12のための実質的に円筒形の軸受面34が延在し得る。任意選択で、少なくとも1つの軸ジャーナル30は、涙形フランジ36を有する遠位端を備えてもよい。この場合、少なくとも1つの軸受孔32は、これに対応して涙形ともなり得る。嵌合補助レバー12のコネクタハウジング16への組付けの際、嵌合補助レバー12が、正しい組付け位置(図示せず)にあり、上述の涙形要素が互いに一致するときにのみ、少なくとも1つの軸ジャーナル30を少なくとも1つの軸受孔32に受け入れることが可能となり得る。反対に、嵌合補助レバーを組付け位置に入れない限り、嵌合補助レバー12をコネクタハウジング16から取り外すことはできない。
【0047】
嵌合補助レバー12は、駆動要素40を有する少なくとも1つのレバーアーム38を備え(図3参照)、手動で操作されるように構成されている。図示の実施形態では、駆動要素40は、単一のギア歯42である。代替として、駆動要素40は、枢軸28に対して周方向44に、少なくとも1つの軸受孔32の周りを部分的に延在するギア部(図示せず)とすることもできる。
【0048】
少なくとも1つの駆動要素40をギア部とする代わりに、少なくとも1つの駆動要素40を摩擦ホイールまたは摩擦ホイール部(図示せず)とすることもできる。代替として、少なくとも1つの駆動要素40は、偏心カムホイールまたは偏心カムホイール部(図示せず)であってもよい。
【0049】
相手側コネクタ6には、嵌合補助レバー12、特に、少なくとも1つの駆動要素40と係合可能に配置された少なくとも1つの従動要素46が設けられてもよい。
【0050】
少なくとも1つの従動要素46は、例えば、嵌合方向8に延在するか、または嵌合方向8に対して斜めに延在する歯付きラック48であってもよい。歯付きラック48は、好ましくは、ギア歯42と相補的に成形されている。
【0051】
少なくとも1つの駆動要素40と少なくとも1つの従動要素46とが互いに係合している(図10参照)とき、これらの要素は、ぴったりと噛み合っているかまたは連動している。この係合中、嵌合補助レバー12を動かすことにより、レバーの回転運動が、電気コネクタ1と相手側コネクタ6との間の並進相対運動に変換される。嵌合補助レバー12がプレロック位置26から初期位置24に移動されると、嵌合を行う並進運動が生じる。嵌合補助レバー12が、初期位置24からプレロック位置26に移動されると、非嵌合を行う並進運動がそれに続く。
【0052】
嵌合補助レバー12は、少なくとも1つのレバーアーム38に、少なくとも1つの駆動要素40に隣接するブロック部50を備える(図3参照)。特に、ブロック部50は、少なくとも1つの駆動要素40の基部に配置されてもよく、逆も同様である。代替として、少なくとも1つの駆動要素40およびブロック部50は、互いに離隔されてもよい。
【0053】
ブロック部50は、嵌合補助レバー12がコネクタハウジング16に配置されたとき、コネクタハウジング16に向かって突出してもよい。図3を見るとわかるように、ブロック部50は、突起52、例えば、嵌合補助レバー12が初期位置24にあるときに嵌合方向8に沿って延びるリブ54によって形成されてもよい。
【0054】
任意選択で、嵌合補助レバー12は、2つのレバーアーム38を備えてもよい。さらに、嵌合補助レバー12は、U字状であってもよく、少なくとも部分的にコネクタハウジング16を取り囲んでもよい(図1参照)。2つのレバーアーム38は、構造ユニット58を形成するようにハンドル56によって接合され得る。言い換えれば、嵌合補助レバー12は、一体部品であってもよい。図示していない代替実施形態によれば、嵌合補助レバー12は、複数の部分からなる部品とすることもできる。特に、2つのレバーアームは、互いに分離可能に構成されてもよい。任意選択で、レバーは、着脱可能な接続要素を含んでもよく、この接続要素を介して、2つのレバーアームは、上述したU字状となるように接続可能である。
【0055】
各レバーアームは、1つのブロック部50を備えてもよい。2つのレバーアーム38のブロック部50は、互いに対向し、内向きに突出し得る。ブロック部50の機能について、1つのブロック部50を例に挙げて以下で説明する。
【0056】
嵌合補助レバー12が、初期位置24にあるとき、ブロック部50は、レセプタクル22内に位置している。特に、嵌合補助レバー12が初期位置24にあるとき、突起52は、レセプタクル22に延出する。また、嵌合補助レバー12が、プレロック位置26にあるとき、ブロック部50は、レセプタクル22の外に位置している。すなわち、嵌合補助レバー12が、プレロック位置26に移動されると、ブロック部50は、レセプタクル22の外に移動する(また、それにより、レセプタクル22を開通させる)。
【0057】
図3および図4を並べてみるとわかるように、ブロック部50は、好ましくは、嵌合補助レバー12がプレロック位置26にあるときと、嵌合補助レバー12が初期位置24にあるときとで、枢軸28を挟んで互いに反対側に位置する。すなわち、ブロック部50は、図3では枢軸28の上方にあり、図4では枢軸の下方にある。言い換えれば、枢軸28および嵌合方向8は平面60を共有しており、嵌合補助レバー12が初期位置24からプレロック位置26に枢動されると、ブロック部50は上記平面60を通って移動し、逆も同様である。
【0058】
好ましくは、ブロック部50は、嵌合補助レバー12が初期位置24にあるときにレセプタクル22の外方を向く当接面62を提供する。当接面62は、上述した突起52の前端64に配置されてもよい。さらに、当接面62は、レセプタクル22の外方を向く面の法線ベクトルを呈し得る。
【0059】
図5図11は、電気コネクタ2と相手側コネクタ6との間に電気接続を確立する際に嵌合補助レバー12と相手側コネクタ6との間の相互作用を示す一連の過程を表している。まず、電気コネクタ2は、対向嵌合面20が嵌合面18に挿入された状態で相手側コネクタ6に置かれており、このとき、嵌合補助レバー12は、初期位置24にある。
【0060】
接続アセンブリ4のこの第1の状態101において、ブロック部50、より具体的には、その当接面62は、相手側コネクタ6がレセプタクル22に完全に入るのを防止する。これは、図5および図6に最もよく示されている。それらを見ると、ブロック部50は、相手側コネクタ6に形成された肩部55の停止面63に当接していることがわかる。この当接は、嵌合補助レバー12が初期位置24に留まる限り維持される。コネクタ2とコネクタ6との間に大きな間隙68があるため、コネクタ2、6同士の嵌合を行う作業者(図示せず)は、この状態において、嵌合過程がまだ終了していないことをはっきりと認識する。
【0061】
好ましくは、この第1の状態101(挿入前状態70とも呼ばれ得る)において、相手側コネクタ6は、電気コンタクト要素10と任意の相手側コンタクト14との間の距離が空間距離および沿面距離より大きい深さまでしか、電気コネクタ1のレセプタクル22に挿入できない。図1に示すように、電気コネクタ1は、その嵌合補助レバー12が初期位置24にある状態でハウジングアセンブリ1を具備している。ブロック部50がレセプタクル22内にあることにより、作業者が嵌合補助レバー12をプレロック位置26に移動させるまで、相手側コネクタ6の挿入がブロックされる。この挿入深さの限界により、コネクタ2、6同士が嵌合補助レバー12の作動なしで嵌合された場合にアーク放電が防止される。
【0062】
嵌合過程を続行するために、ブロック部50は、肩部55の停止面63との当接から外れる必要がある。このために、作業者は、次の段階として嵌合補助レバー12をプレロック位置26に移動させる。上述したように、これにより、ブロック部50はレセプタクル22の外に移動し、接続アセンブリ4が第2の状態102に至る(図7参照)。
【0063】
例えば、コネクタハウジング16は、ブロック部50のための退避空間76として機能するハウジングポケット74を備えてもよい。ハウジングポケット74は、レセプタクル22に隣接して配置されてもよい。ブロック部50は、好ましくは、嵌合補助レバー12がプレロック位置26にあるとき、ハウジングポケット74内に位置する。特に、嵌合補助レバー12がプレロック位置26にあるとき、ブロック部50をハウジングポケット74に完全に受け入れることが可能となる。
【0064】
図3に示すように、ブロック部50は、枢軸28から、好ましくは、枢軸28に対して径方向78に離隔され得る。言い換えれば、ブロック部50は、少なくとも1つの軸受孔32の中心に対して径方向にオフセットされてもよい。これにより、嵌合補助レバー12が、初期位置24からプレロック位置26に移動、枢動、または回転されると、ブロック部50は円弧軌道に沿って進む。特に、嵌合補助レバー12が初期位置24からプレロック位置26に枢動されると、ブロック部50は、旋回してハウジングポケット74に入り得る。
【0065】
任意選択で、ブロック部50は、当接面62に隣接する面取り部80を備えてもよい。面取り部80は、ブロック部50の任意の角部の肩部55における詰まりを防ぐので、円弧軌道に沿ったブロック部50のハウジングポケット74への移動を円滑にする。
【0066】
ブロック部50が、レセプタクル22の外にあり、好ましくは、ハウジングポケット74内にあるため、相手側コネクタ6を電気コネクタ1のレセプタクル22のさらに奥へと挿入することができる。したがって、この第2の状態102は、挿入状態82とも呼ばれ得る。
【0067】
第2の状態102の後、図8および図9に示す接続アセンブリ4の第3の状態103が続き得る。このとき、少なくとも1つの駆動要素40および少なくとも1つの従動要素46は、まだ係合していない。第3の状態103は、上記係合が生じない限りは存続する。したがって、この第3の状態103は、係合前状態86とも呼ばれ得る。
【0068】
第3の状態103の間、嵌合補助レバー12をプレロック位置26に維持するとともに、嵌合補助レバー12の早すぎる移動、枢動、または回転を防止するために、嵌合補助レバー12の初期位置24への移動は、相手側コネクタ6によってブロックされる。
【0069】
このために、相手側コネクタ6は、肩部55に休止面88を備えてもよい。休止面88は、停止面63に対して斜めに、特に停止面63に対して垂直に延在し得る。休止面88および停止面63は、合わせて肩部55の角部を形成し得る。さらに、肩部55の休止面88は、第3の状態103が持続する間、ハウジングポケット74を覆い、それにより、ブロック部50がハウジングポケット74を出るのを防ぐとともに、嵌合補助レバー12の枢動を阻止することができる。
【0070】
任意選択で、ブロック部50は、当接面62の反対側に摺動面90を備えてもよい。摺動面90は、上述した突起52の後端92に配置されてもよい。嵌合補助レバー12が、プレロック位置26にあり、接続アセンブリ4が第3の状態103(すなわち、係合前状態86)にあるとき、摺動面90は、ハウジングポケット74と面一となり得る。さらに、摺動面90は、肩部55の休止面88に接し得る(図8参照)。
【0071】
少なくとも1つの駆動要素40と少なくとも1つの従動要素46との間で係合を生じさせるためには、電気コネクタ1と相手側コネクタ6とを特定の挿入深さまで互いに押し込む必要がある(図10参照)。係合が生じると、休止面はハウジングポケット74を通り過ぎ、レバーの枢動が(再び)可能となる。その過程で、摺動面90は、肩部55の休止面88を摺動してもよい。
【0072】
その結果生じる第4の状態104において、相手側コネクタ6は、第3の状態103と比べて電気コネクタ1のレセプタクル22のさらに奥へと挿入される。また、少なくとも1つの駆動要素40が、少なくとも1つの従動要素46と係合しており、嵌合補助レバー12は、プレロック位置26から初期位置24に移動可能である。したがって、第4の状態104は、係合状態96とも呼ばれ得る。
【0073】
接続アセンブリ4は、嵌合補助レバー12をプレロック位置26から初期位置24に移動、枢動、または回転させることによって、第4の状態104から第5の状態105に至り得る(図11参照)。既に上で説明したように、これにより、電気コネクタ1と相手側コネクタ6との間の並進相対運動が生じ、コネクタ2、6同士が完全に嵌合する。したがって、第5の状態105は、(完全)嵌合状態98とも呼ばれ得る。
【0074】
初期位置24は、嵌合補助レバー12の最終位置72と一致し得る。代替として、最終位置72は、初期位置24を通り過ぎ、プレロック位置26から離れた場所に位置してもよい。任意選択で、ハウジングアセンブリ1は、嵌合補助レバー12を最終位置72に保持するための摺動可能なCPA(コネクタ位置保証)要素94を備えてもよい(図11参照)。代替として、コネクタハウジング16および嵌合補助レバー12の各々は、初期位置24、プレロック位置26、最終位置72、および/または組付け位置(図示せず)など、嵌合補助レバー12を所定の位置に固定するための少なくとも1つのラッチ要素66を備えてもよい(図3および図12参照)。
【0075】
接続アセンブリ4の応用例によっては、挿入前状態70、挿入状態82、係合前状態86、および係合状態96は、別の組合せおよび/または順序で存在してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 ハウジングアセンブリ
2 電気コネクタ
4 接続アセンブリ
6 相手側コネクタ
8 嵌合方向
10 コンタクト要素
12 嵌合補助レバー
14 相手側コンタクト
16 コネクタハウジング
18 嵌合面
20 対向嵌合面
22 レセプタクル
24 初期位置
26 プレロック位置
28 枢軸
30 軸ジャーナル
32 軸受孔
34 軸受面
36 涙形フランジ
38 レバーアーム
40 駆動要素
42 ギア歯
44 周方向
46 従動要素
48 歯付きラック
50 ブロック部
52 突起
54 リブ
55 肩部
56 ハンドル
58 構造ユニット
60 平面
62 当接面
63 停止面
64 前端
66 ラッチ要素
68 間隙
70 挿入前状態
72 最終位置
74 ハウジングポケット
76 退避空間
78 径方向
80 面取り部
82 挿入状態
86 係合前状態
88 休止面
90 摺動面
92 後端
94 CPA要素
96 係合状態
98 嵌合状態
101 第1の状態
102 第2の状態
103 第3の状態
104 第4の状態
105 第5の状態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側コネクタ(6)と相互嵌合可能である電気コネクタ(2)用のハウジングアセンブリ(1)であって、前記ハウジングアセンブリ(1)は、
- コネクタハウジング(16)と、
- 前記電気コネクタ(2)と前記相手側コネクタ(6)との間の嵌合過程を補助するためのレバー(12)と
を備え、

前記コネクタハウジング(16)は、前記相手側コネクタ(6)を少なくとも部分的に受け入れるためのレセプタクル(22)を備え、
前記レバー(12)は、初期位置(24)とプレロック位置(26)との間で移動可能に前記コネクタハウジング(16)に配置されるとともに、ブロック部(50)を有する少なくとも1つのレバーアーム(38)を備え、
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあるとき、前記レセプタクル(22)内に位置し、前記ブロック部(50)は、前記レバーが前記プレロック位置(26)にあるとき、前記レセプタクル(22)の外に位置している、
ハウジングアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ブロック部(50)は、前記レバーが前記初期位置(24)にあるとき、前記レセプタクル(22)の外方を向く当接面(62)を提供する、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記ブロック部(50)は、前記コネクタハウジング(16)に向かって突出している、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ブロック部(50)は、突起(52)によって形成されており、
前記突起(52)は、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあるとき、前記レセプタクル(22)に延出し、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるとき、前記レセプタクル(22)を開通させるように構成されている、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記初期位置(24)から前記プレロック位置(26)に移動されると、円弧軌道に沿って進む、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記コネクタハウジング(16)は、前記レセプタクル(22)に隣接するハウジングポケット(74)を備え、前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるとき、前記ハウジングポケット(74)内に位置している、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるとき、前記ハウジングポケット(74)に完全に受け入れられている、
請求項6に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記レバー(12)は、枢軸(28)を中心として枢動可能であり、前記ブロック部(50)は、前記枢軸(28)から離隔されている、
請求項1に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記ブロック部(50)は、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあるときと、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあるときとで、前記枢軸(28)を挟んで互いに反対側に位置している、
請求項8に記載のハウジングアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記コネクタハウジング(16)には、前記相手側コネクタ(6)の相手側コンタクト(14)に接触するための少なくとも1つの電気コンタクト要素(10)が位置決めされている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリ(1)を備える電気コネクタ(2)。
【請求項11】
請求項10に記載の電気コネクタ(2)と、前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)に挿入可能に構成された相手側コネクタ(6)とを備える接続アセンブリ(4)であって、前記相手側コネクタ(6)には、前記レバー(12)と係合可能に配置された少なくとも1つの従動要素(46)が設けられている、
接続アセンブリ(4)。
【請求項12】
前記接続アセンブリ(4)は、第1の状態(101)を含み、
前記第1の状態(101)では、前記相手側コネクタ(6)が前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)に挿入され、前記レバー(12)が前記初期位置(24)にあり、前記ブロック部(50)が前記相手側コネクタ(6)に当接している、
請求項11に記載の接続アセンブリ(4)。
【請求項13】
前記接続アセンブリ(4)は、第2の状態(102)を含み、
前記第2の状態(102)では、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあり、前記ブロック部(50)が前記相手側コネクタ(6)との当接から外れている、
請求項12に記載の接続アセンブリ(4)。
【請求項14】
前記接続アセンブリ(4)は、第3の状態(103)を含み、
前記第3の状態(103)では、前記相手側コネクタ(6)が前記第1の状態(101)と比べて前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)のさらに奥に挿入され、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)にあり、前記レバー(12)の前記初期位置(24)への移動が前記相手側コネクタ(6)によってブロックされる、
請求項13に記載の接続アセンブリ(4)。
【請求項15】
前記レバー(12)は、前記相手側コネクタ(6)の前記少なくとも1つの従動要素(46)と係合可能に配置された少なくとも1つの駆動要素(40)を備え、

前記接続アセンブリ(4)は、第4の状態(104)を含み、
前記第4の状態(104)では、前記相手側コネクタ(6)が前記第3の状態(103)と比べて前記電気コネクタ(2)の前記レセプタクル(22)のさらに奥に挿入され、前記少なくとも1つの駆動要素(40)が前記少なくとも1つの従動要素(46)と係合しており、前記レバー(12)が前記プレロック位置(26)から前記初期位置(24)に移動可能である、
請求項14に記載の接続アセンブリ(4)。
【外国語明細書】