(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170319
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】電力ハーネス
(51)【国際特許分類】
H01R 12/61 20110101AFI20241129BHJP
【FI】
H01R12/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024084766
(22)【出願日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】18/324384
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン ジョン ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】クララ ロードス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ブライアン ヒッチコック
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ジェームズ デ シャザール
(72)【発明者】
【氏名】ラム キショア ヴェンカテサン
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA21
5E223AC05
5E223AC06
5E223BA01
5E223BA04
5E223CA15
5E223CB11
5E223CC15
5E223DA42
5E223EA13
5E223EC10
5E223EC32
5E223EC47
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気車両で使用されるフラットケーブル間の接続部を有し、振動、環境による劣化の影響に対して頑健で信頼性の高い電力ハーネスを提供する。
【解決手段】電力ハーネスは、ケーブル本体(204)と電気的に接続されるリングインサート(212)と、フラットケーブル(202)を備える。電力ハーネスは、ケーブルスロット(244)と、ハブ(250)を貫通する孔(252)とを含むチャンバ(232)を有するハウジング(230)を備える。電力ハーネスは、相手側ハーネスと螺合するためにハブで受け入れられるねじ付きボルト(300)を備える。電力ハーネスは、ねじ付きボルトを受け入れる開口部(216)を有するリングインサートと位置合わせされ、ハブで受け入れられるコンタクトリング(270)を備える。第1の端部(272)はリングインサートと係合して電気的に接続され、第2の端部(274)は相手側ハーネスと電気的に接続される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ハーネス(102)であって、
前記電力ハーネス(102)は、
● 終端(208)まで延びるケーブル本体(204)を有するフラットケーブル(202)であり、前記フラットケーブルは、開口部(210)と、前記開口部(216)に受け入れられるリングインサート(212)とを含み、前記リングインサートは、前記ケーブル本体と電気的に接続され、前記フラットケーブルは、前記フラットケーブルを囲み前記フラットケーブルを封止するケーブルシール(220)を含む、フラットケーブル(202)と、
チャンバ(232)を有するハウジング(230)であり、前記チャンバ(232)は、ケーブルスロット(244)と、前記ハウジングを貫通する孔(252)を有するハブ(250)とを含み、前記ケーブルスロットは、前記フラットケーブルの前記終端を受け入れ、前記リングインサートは前記孔と位置合わせされ、前記ハウジングは、前記電力ハーネスの相手側ハーネスと嵌合するように構成されている嵌合端(260)を有する、ハウジング(230)と、
● 前記ハブで受け入れられ前記孔を通過するねじ付きボルト(300)であり、前記ねじ付きボルトは、前記相手側ハーネスと螺合するために前記リングインサートを通過し、前記ねじ付きボルトは、ヘッド(302)と、ねじ付き軸部(304)とを含み、前記ねじ付きボルトは、前記ねじ付きボルトと前記ハウジングとの間を封止するボルトシール(330)を含む、ねじ付きボルト(300)と、
● 前記ハブで受け入れられ前記孔で前記リングインサートと位置合わせされるコンタクトリング(270)であり、前記コンタクトリングは、第1の端部(272)と第2の端部(274)との間に開口部を有し、前記第1の端部は、前記リングインサートと係合して電気的に接続され、前記第2の端部は、前記相手側ハーネスと電気的に接続するように構成されている、コンタクトリング(270)と、
● 前記ハウジングと前記相手側ハーネスとの間を封止するように構成されている嵌合シール(360)と、
を備える、
電力ハーネス(102)。
【請求項2】
前記ねじ付きボルト(300)は、前記ヘッド(302)における絶縁カバー(310)と、前記ねじ付き軸部(304)の遠位端(308)における絶縁キャップ(320)とを含み、
前記孔(252)は、前記ハウジング(230)の上部(234)で開口し、かつ前記ハウジングの底部(236)で開口しており、
前記絶縁カバーは、前記ハウジングの開口した前記上部を通して前記ねじ付きボルトにタッチプルーフ構造をもたらし、
前記絶縁キャップは、前記ハウジングの開口した前記底部を通して前記ねじ付きボルトにタッチプルーフ構造をもたらす、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項3】
前記ねじ付きボルト(300)の前記絶縁キャップ(320)は、前記相手側ハーネスと嵌合するために、前記ハウジング(230)の端部を超えて前記ハウジングの外部まで延出する、
請求項2に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項4】
前記ボルトシール(330)は、前記ハウジング(230)の前記ハブ(250)に封止されている、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項5】
前記コンタクトリング(270)は、前記コンタクトリングを前記孔(252)に保持するために前記ハウジング(230)と係合するフランジ(214)を含む、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項6】
前記ねじ付きボルト(300)は、前記ねじ付きボルトが締め付けられると、前記コンタクトリング(270)を前記相手側ハーネスへ押し付ける、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項7】
前記フラットケーブル(202)は、前記フラットケーブルの前記終端(208)で前記ケーブルシール(220)を保持するケーブルシールキャップ(222)を含み、
前記ケーブルシールキャップは、前記ケーブルシールを前記ハウジングに保持するために、前記ハウジング(230)と掛止可能に結合されている、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項8】
前記ねじ付きボルトを前記ハブ(250)に保持するために、前記ねじ付きボルト(300)の外側で前記ハウジング(230)と結合するボルト保持具(340)をさらに備える、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項9】
前記嵌合シール(360)を前記ハウジングに保持するために、前記ハウジング(230)と結合する嵌合シール保持具(370)をさらに備える、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項10】
前記ハブ(250)は、内側ハブリング(262)と、外側ハブリング(264)と、前記外側ハブリング内の前記内側ハブリングの間のポケット(266)とを含み、
前記嵌合シール(360)は、前記ポケットに受け入れられて前記内側ハブリングに封止され、前記ポケットは、前記嵌合シールに接続するための前記相手側ハーネスの相手側ハブを受け入れるように構成されている、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【請求項11】
前記ハブ(250)は円筒形であり、前記相手側ハーネスとの360°の嵌合方向を可能にしている、
請求項1に記載の電力ハーネス(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は一般に、電力コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電力コネクタは、例えば1つの部品から他の部品に電力を送るために、様々な電気部品を電気的に接続するのに使用される。例えば、電気車両において、電力コネクタは、車両のバッテリを車両の電動モータなどの他の部品と電気的に接続するために使用してもよい。一部の既知のシステムは、高電圧電力伝送のためにフラットケーブルまたはバスバーを使用する。しかし、フラットケーブル間の接続は難しい場合がある。例えば、電気車両で使用される場合、接続部は、振動、および湿気または塵などの環境による劣化の影響を受けやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば電気車両用などの、頑健で信頼性の高い電力コネクタシステムが依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、電力ハーネスが提供され、電力ハーネスは、終端まで延びるケーブル本体を有するフラットケーブルを備える。フラットケーブルは、開口部と、開口部に受け入れられるリングインサートとを含む。リングインサートは、ケーブル本体と電気的に接続される。フラットケーブルは、フラットケーブルを囲みフラットケーブルを封止するケーブルシールを含む。フラットケーブルは、ケーブル本体の終端でケーブルシールを保持するケーブルシールキャップを含む。電力ハーネスは、チャンバを有するハウジングを備え、チャンバは、ケーブルスロットと、ハウジングを貫通する孔を有するハブとを含む。ケーブルスロットは、フラットケーブルの終端を受け入れる。リングインサートは、孔と位置合わせされる。
ハウジングは、電力ハーネスの相手側ハーネスと嵌合するように構成されている嵌合端を有する。電力ハーネスは、ハブで受け入れられ孔を通過するねじ付きボルトを備える。ねじ付きボルトは、相手側ハーネスと螺合する(threadably couple)ためにリングインサートを通過する。ねじ付きボルトは、ヘッドと、ねじ付き軸部とを含む。ねじ付きボルトは、ヘッドに絶縁カバーを含む。ねじ付きボルトは、ねじ付き軸部の遠位端に絶縁キャップを含む。ねじ付きボルトは、ねじ付きボルトとハウジングとの間で封止されたボルトシールを含む。電力ハーネスは、ハブで受け入れられ孔でリングインサートと位置合わせされるコンタクトリングを備える。コンタクトリングは、第1の端部と第2の端部との間に開口部を有する。
第1の端部は、リングインサートと係合して電気的に接続される。第2の端部は、相手側ハーネスと電気的に接続するように構成されている。電力ハーネスは、ハウジングと相手側ハーネスとの間を封止するように構成されている嵌合シールを含む。
【0005】
ここで、添付図面を参照し、本発明が例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的実施形態による電力ハーネスを有する電力システムの上面斜視図である。
【
図2】例示的実施形態による電力ハーネスの底面斜視図である。
【
図3】例示的実施形態による第1のハーネスコネクタの分解図である。
【
図4】例示的実施形態による第2のハーネスコネクタの分解図である。
【
図5】例示的実施形態による第2のハーネスコネクタと嵌合するために持ち上げられた第1のハーネスコネクタを示す電力システムの上面斜視図である。
【
図6】例示的実施形態による第2のハーネスコネクタと嵌合するために持ち上げられた第1のハーネスコネクタを示す電力システムの底面斜視図である。
【
図7】第2のハーネスコネクタと結合された第1のハーネスコネクタを示す、例示的実施形態による電力システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、例示的実施形態による電力ハーネス102を有する電力システム100の上面斜視図である。
図2は、例示的実施形態による電力ハーネス102の底面斜視図である。電力ハーネス102は、第1の構成要素104と第2の構成要素106との間のラインに設けられている電力コネクタを含む。例えば、電力ハーネス102は、第1のハーネスコネクタ200と、第2のハーネスコネクタ400とを含む。第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、第1の構成要素104から延びる電力ケーブル202の端部および第2の構成要素106から延びる電力ケーブル402の端部にそれぞれ設けられている。第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、第1の構成要素104と第2の構成要素106との間の電力伝送ラインに分離可能な境界面を提供する。
【0008】
様々な実施形態において、電力システム100は、電気車両などの車両の一部であってもよい。第1の構成要素104は、車両のバッテリであってもよく、第2の構成要素106は、モータなどの車両の電動装置であってもよい。様々な実施形態において、第1のハーネスコネクタ200または第2のハーネスコネクタ400の一方は、車両のシャーシに設けられていてもよく、対して第1のハーネスコネクタ200または第2のハーネスコネクタ400の他方は、車両の運転室に設けられていてもよく、運転室が車両のフレームに載せられているとき接続がなされていてもよい。
他の様々な実施形態において、第1のハーネスコネクタ200または第2のハーネスコネクタ400の一方は、車両に設けられていてもよく、対して第1のハーネスコネクタ200または第2のハーネスコネクタ400の他方は、車両により牽引されるトレーラなどの、他の車両または他の構成要素に設けられていてもよい。電力ハーネス102は、代替的実施形態において、他の種類の構成要素を接続するために使用されてもよい。電力システム100は、代替的実施形態において、電気車両以外の他の用途で使用されてもよい。
【0009】
例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、第1の電力ケーブル202および第2の電力ケーブル402を機械的かつ電気的に接続するために、ねじ付きインサートで受け入れられるねじ付きボルトなどのねじ付き締結具を用いて接続される。例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400はコンパクトであり、対応する電力ケーブル202および電力ケーブル402より、あまり多くの空間(例えば高さ、および/または幅、および/または長さ)を占有しない。例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、電力ケーブル202と電力ケーブル402との間に、封止された境界面を形成する。
例えば、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、電力ケーブル202および電力ケーブル402と封止され、1つまたは複数の環境シールが、第1のハーネスコネクタ200と第2のハーネスコネクタ400との間の分離可能な境界面を封止するために、第1のハーネスコネクタ200と第2のハーネスコネクタ400との間の境界面に設けられる。ねじ付き締結具が、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400内でさらに封止されていてもよい。例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400との接触は安全であり、通電する要素に触れることによる短絡、火花発生、または損傷を防ぐために、あらゆる通電する導電性要素が絶縁されている。
第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400との接触は、嵌合状態および非嵌合状態の両方において、安全である。例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、電力伝送ラインに沿って信用性の高い電気接続を保つために、耐振動性がある。例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、互いに対し様々な方向で嵌合されてもよい。例えば、電力ケーブル202および電力ケーブル402は、180°、90°、または他の角度などの様々な角度で、接続部から離れて延在してもよい。任意選択で、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、電力ケーブル202および電力ケーブル402が任意の方向に延びることを可能にするために、360°の嵌合用に設計されていてもよい。
しかし、代替的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、単一の嵌合方向を有してもよい。
図1および
図2では単一の境界面が示されているが、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は複数の境界面を有してもよい。
【0010】
図3は、例示的実施形態による第1のハーネスコネクタ200の分解図である。第1のハーネスコネクタ200は、電力ケーブル202と、ハウジング230と、コンタクトリング270と、ねじ付きボルト300とを含む。ハウジング230は、電力ケーブル202、コンタクトリング270、およびねじ付きボルト300を受け入れる。ハウジング230は、第2のハーネスコネクタ400(
図1および
図2に示す)と嵌合するように構成されている。ねじ付きボルト300は、第1のハーネスコネクタ200を第2のハーネスコネクタ400と機械的に接続するために使用される。コンタクトリング270は、電力ケーブル202を第2のハーネスコネクタ400と電気的に接続するために使用される。
【0011】
例示的実施形態において、電力ケーブル202はフラットケーブルであり、以下フラットケーブル202と呼ぶこともある。フラットケーブル202は、圧延された金属製の編組テープ(braided metal tape)から製造されていてもよい。例えば、金属製の編組テープは、アルミニウムまたは銅であってもよい。代替的実施形態において、フラットケーブル202は、バスバーなどの、金属板または金属棒であってもよい。フラットケーブル202は、例えば略平面状の上面および底面を有するなど、断面が略矩形であってもよい。但し、様々な実施形態において、フラットケーブル202の外縁部は曲線状であってもよい。様々な実施形態において、フラットケーブル202は、フラットケーブル202の高さの少なくとも2倍の幅を有する。任意選択で、フラットケーブル202は、高さの4倍以上の幅を有してもよい。代替的実施形態において、電力ケーブル202は、平坦ではなく丸みを帯びていてもよい。
【0012】
フラットケーブル202は、ケーブル本体204と、ケーブル本体204を囲うジャケット206とを含む。ジャケット206は、フラットケーブル202との接触を安全にするために、誘電材料または他の絶縁材料から形成されている。例示的実施形態において、ケーブル本体204は、フラットケーブル202の終端208で露出されている。フラットケーブル202は、終端208において開口部210を含む。リングインサート212は、開口部210に受け入れられる。リングインサート212はケーブル本体204と電気的に接続される。リングインサート212は、コンタクトリング270とケーブル本体204との間に直接電路を形成するために、組立時にコンタクトリング270と結合するように構成されている。
任意選択で、リングインサート212は、ケーブル本体204の上面および/または下面に沿ってフランジ214を含む。様々な実施形態において、リングインサート212は、ケーブル本体204とは異なる金属または金属合金から製造されている。例えば、ケーブル本体204はアルミニウムでもよく、リングインサート212は銅でもよい。リングインサート212は、リングインサート212の中心を貫通する開口部216を含む。開口部216は、ねじ付きボルト300を受け入れるように構成されている。
【0013】
例示的実施形態において、フラットケーブル202は、ケーブル本体204およびジャケット206を囲うケーブルシール220を含む。ケーブルシール220の内面は、フラットケーブル202のジャケット206に対して封止されるように構成されている。様々な実施形態において、ケーブルシール220はゴム材料であってもよい。ケーブルシール220の外面は、ハウジング230に封止されるように構成されている。例示的実施形態において、フラットケーブル202は、ケーブル本体204およびジャケット206を囲うケーブルシールキャップ222を含む。ケーブルシールキャップ222は、ケーブルシール220をフラットケーブル202の終端208に配置するために使用される。
ケーブルシールキャップ222は、ケーブルシール220をハウジング230で保持するために使用される。例示的実施形態において、ケーブルシールキャップ222は、ハウジング230と掛止可能に結合するように構成されているラッチ224を含む。ケーブルシールキャップ222の前部は、ハウジング230の一部に差し込まれてもよい。
【0014】
ハウジング230は、プラスチック材料などの誘電材料から製造されている。任意選択で、ハウジング230は射出成形部品であってもよい。ハウジング230は、フラットケーブル202、コンタクトリング270、およびねじ付きボルト300を受け入れるチャンバ232を形成する壁を含む。例示的実施形態において、ハウジング230は上部234および底部236を含む。ハウジング230は、前部240と後部242との間に延在する側部238を含む。ハウジング230は、チャンバ232へのアクセスを提供するケーブルスロット244を画定する前部240に開口部を含む。フラットケーブル202は、ケーブルスロット244で受け入れられる。様々な実施形態において、ケーブルスロット244は概して水平に向けられてもよい。
ケーブルシールキャップ222は、ケーブルスロット244に差し込まれて前部240でハウジング230と結合していてもよい。ケーブルシール220は、ケーブルスロット244でハウジング230の内面に封止されていてもよい。
【0015】
例示的実施形態において、ハウジング230は、ハブ250を貫通する孔252を有するハブ250を含む。孔252は、チャンバ232の一部に対して開口し、チャンバ232の一部を画定する。様々な実施形態において、ハブ250は略円筒形である。しかし、代替的実施形態において、ハブ250は他の形状を有してもよい。孔252は、例えば垂直軸線に沿って、ハウジング230を貫通する。例示的実施形態において、フラットケーブル202は、リングインサート212がねじ付きボルト300を受け入れるために例えば垂直軸線に沿って孔252と位置合わせされた状態で、ハウジング230に配置されている。孔252は、上方開口部254と下方開口部256とを含む。ねじ付きボルト300は、ハブ250で受け入れられ、孔252を通過する。
例えば、ねじ付きボルト300は、上方開口部254および/または下方開口部256を通過してもよい。コンタクトリング270は、ハブ250に受け入れられる。例えば、コンタクトリング270は、上方開口部254を通じて孔252に装入されてもよい。ねじ付きボルト300は、コンタクトリング270の上方で、上方開口部254を通じて孔252に装入されてもよい。
【0016】
コンタクトリング270は、第1の端部272と第2の端部274との間で延在する。第1の端部272は、コンタクトリング270の上部であってもよく、第2の端部274は、コンタクトリング270の底部であってもよい。コンタクトリング270は、第1の端部272と第2の端部274との間でコンタクトリング270を貫通する開口部を含む。開口部276は、ねじ付きボルト300を受け入れるように構成されている。例示的実施形態において、コンタクトリング270は第1の端部272にフランジ278を含む。フランジ278は、コンタクトリング270をハウジング230に配置するために使用される。例えば、コンタクトリング270は、ハウジング230の壁または表面に載るフランジ278により、孔252に垂設されていてもよい。
組立時、コンタクトリング270はハブ250に受け入れられ、孔252でフラットケーブル202のリングインサート212と位置合わせされる。例えば、開口部276は、孔252の垂直軸線に沿って開口部216と位置合わせされる。コンタクトリング270の第1の端部272は、リングインサート212と係合し電気的に接続するように構成されている。第2の端部274は、第2のハーネスコネクタ400の対応するコンタクトリングなど、第2のハーネスコネクタ400と係合し電気的に接続するように構成されている。ねじ付きボルト300は、リングインサート212を押し込んでコンタクトリング270と物理的かつ電気的に接触させるように構成されている。
【0017】
ねじ付きボルト300は、ヘッド302と、ヘッド302から延びるねじ付き軸部304とを含む。ねじ付き軸部304は、ねじ付き軸部304の遠位端308にねじ山を含む。例示的実施形態において、ねじ付きボルト300との接触は安全である。例えば、ねじ付きボルト300は、ヘッド302における絶縁カバー310と、ねじ付き軸部304の遠位端308から延出する絶縁キャップ320とを含む。
【0018】
絶縁カバー310は、ヘッド302にオーバーモールドされていてもよい。代替的に、絶縁カバー310は、予め形成されてスナップフィット、プレスフィット、接着、または別の方法でヘッド302に固定されていてもよい。絶縁カバー310は、ねじ付きボルト300の金属部または導電部の接触を防ぐためにヘッド302を覆う。絶縁カバー310は、ねじ付きボルト300を駆動または回転させるための駆動機構312を含む。例えば、駆動機構312は、第2のハーネスコネクタ400との組立中にねじ付きボルト300を締めるかまたは緩めるために、ソケットレンチまたは他の工具がねじ付きボルト300を時計回りまたは反時計回りに回転させることを可能にする、絶縁カバー310の上部の平坦面であってもよい。
代替的実施形態においては、ねじ回しまたはねじ付きボルト300の締め付けおよび緩めを行うためのスクリュードライバまたは他の種類の工具を受け入れるための1つまたは複数のスロットなどの、他の種類の駆動機構が使用されてもよい。
【0019】
絶縁キャップ320は、ねじ付き軸部304にオーバーモールドされていてもよい。代替的に、絶縁キャップ320は、予め形成されてスナップフィット、プレスフィット、接着、または別の方法でねじ付き軸部304の遠位端308に固定されていてもよい。絶縁キャップ320は、ねじ付きボルト300の金属部または導電部の接触を防ぐためにねじ付き軸部304を覆う。
【0020】
例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200は、ねじ付きボルト300とハウジング230との間を封止するためのボルトシール330を含む。例示される実施形態において、ボルトシール330は、ねじ付きボルト300のヘッド302で絶縁カバー310と結合している。ボルトシール330の外面は、ねじ付きボルト300がハブ250で受け入れられるときのハブ250など、ハウジング230に封止されるように構成されている。例えば、ボルトシール330は、上方開口部254でのハブ250の直径に等しい直径を有してもよい。
【0021】
例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200は、ねじ付きボルト300をハウジング230に保持するためのボルト保持具340を含む。ボルト保持具340は、ヘッド302および絶縁カバー310の上方など、ねじ付きボルト300の外側でハウジング230と結合していてもよい。ボルト保持具340はハブ250と結合していてもよい。ボルト保持具340は、ボルト保持具340をハウジング230に固定するためにハウジング230と掛止可能に結合するように構成されている、ラッチ342を含む。例示的実施形態において、ボルト保持具340は、例えばねじ付きボルト300を回転させるべく駆動機構312に係合するために、ねじ付きボルト300へのアクセスを提供するための開口部344を含む。
しかし、代替的実施形態において、ボルト保持具340は、ねじ付きボルト300へのアクセスを防ぐために閉鎖されていてもよい。例示的実施形態において、ボルト保持具340は、ねじ付きボルト300をハウジング230で保持するための1つまたは複数の保持機構346を含む。例示される実施形態において、保持機構346は、開口部344に延びるリップまたはリムである。リップは、開口部344を通してねじ付きボルト300が取り除かれるのを防ぐために、ヘッド302および絶縁カバー310の上方に着座するように構成されている。代替的実施形態においては、他の種類の保持機構が使用されてもよい。
【0022】
例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200は、ハウジング230の嵌合端260でハウジング230と結合している嵌合シール360を含む。例示される実施形態において、嵌合端260は底部236に設けられている。嵌合端260は、ハブ250の下方開口部256に位置する。嵌合端260は、第2のハーネスコネクタ400と嵌合するように構成されている。例示される実施形態において、嵌合シール360は円筒形であり、ハブ250に対して封止をするために、ハブ250の下方開口部256に差し込まれるように構成されている。任意選択で、嵌合シール360の内面362がハブ250に封止されていてもよく、嵌合シール360の外面364が第2のハーネスコネクタ400に封止するように構成されている。しかし、代替的実施形態においては、外面364がハブ250に封止してもよく、内面362が第2のハーネスコネクタ400に封止してもよい。
【0023】
例示的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200は、嵌合シール360をハウジング230に保持するためのシール保持具370を含む。シール保持具370は、嵌合シール360の底部の下方など、嵌合シール360の外部でハウジング230と結合していてもよい。シール保持具370はハブ250と結合していてもよい。シール保持具370は、シール保持具370をハウジング230に固定するためにハウジング230と掛止可能に結合するように構成されている、ラッチ342を含む。
【0024】
図4は、例示的実施形態による第2のハーネスコネクタ400の分解図である。第2のハーネスコネクタ400は、電力ケーブル402と、ハウジング430と、コンタクトリング470と、ソケットインサート500とを含む。ハウジング430は、電力ケーブル402、コンタクトリング470、およびソケットインサート500を受け入れる。ハウジング430は、第1のハーネスコネクタ200(
図3に示す)と嵌合するように構成されている。ソケットインサート500は、第2のハーネスコネクタ400を第1のハーネスコネクタ200と機械的に接続するために使用される。例えば、ソケットインサート500は、ねじ付きボルト300(
図3に示す)と螺合してもよい。コンタクトリング470は、電力ケーブル402を第1のハーネスコネクタ200と電気的に接続するために使用される。
【0025】
例示的実施形態において、電力ケーブル402はフラットケーブルであり、以下フラットケーブル402と呼ぶこともある。フラットケーブル402は、同じ材料、同じ形状、同じ製造技法など、フラットケーブル202(
図3)と同一であってもよい。フラットケーブル402は、圧延された金属製の編組テープから製造されていてもよい。例えば、金属製の編組テープはアルミニウムまたは銅であってもよい。代替的実施形態において、フラットケーブル402は、バスバーなどの、金属板または金属棒であってもよい。フラットケーブル402は、略平面状の上面および底面を有するなど、断面が略矩形であってもよい。但し、様々な実施形態において、フラットケーブル402の外縁部は曲線状であってもよい。
様々な実施形態において、フラットケーブル402は、フラットケーブル402の高さの少なくとも2倍の幅を有する。任意選択で、フラットケーブル402は、高さの4倍以上の幅を有してもよい。代替的実施形態において、電力ケーブル402は、平坦ではなく丸みを帯びていてもよい。
【0026】
フラットケーブル402は、ケーブル本体404と、ケーブル本体404を囲うジャケット406とを含む。ジャケット406は、フラットケーブル402との接触を安全にするために、誘電材料または他の絶縁材料から形成されている。例示的実施形態において、ケーブル本体404は、フラットケーブル402の終端408で露出されている。フラットケーブル402は、終端408において開口部410を含む。リングインサート412は開口部410に受け入れられる。リングインサート412はケーブル本体404と電気的に接続される。リングインサート412は、コンタクトリング470とケーブル本体404との間に直接電路を形成するために、組立時にコンタクトリング470と結合するように構成されている。
任意選択で、リングインサート412は、ケーブル本体404の上面および/または下面に沿ってフランジ414を含む。様々な実施形態において、リングインサート412は、ケーブル本体404とは異なる金属または金属合金から製造されている。例えば、ケーブル本体404はアルミニウムでもよく、リングインサート412は銅でもよい。リングインサート412は、リングインサート412の中心を貫通する開口部416を含む。開口部416は、ソケットインサート500を受け入れるように構成されている。
【0027】
例示的実施形態において、フラットケーブル402は、ケーブル本体404およびジャケット406を囲うケーブルシール420を含む。ケーブルシール420の内面は、フラットケーブル402のジャケット406に対して封止されるように構成されている。様々な実施形態において、ケーブルシール420はゴム材料であってもよい。ケーブルシール420の外面は、ハウジング430に封止されるように構成されている。例示的実施形態において、フラットケーブル402は、ケーブル本体404およびジャケット406を囲うケーブルシールキャップ422を含む。ケーブルシールキャップ422は、ケーブルシール420をフラットケーブル402の終端408に配置するために使用される。ケーブルシールキャップ422は、ケーブルシール420をハウジング430で保持するために使用される。
例示的実施形態において、ケーブルシールキャップ422は、ハウジング430と掛止可能に結合するように構成されているラッチ424を含む。ケーブルシールキャップ422の前部は、ハウジング430の一部に差し込まれてもよい。
【0028】
ハウジング430は、プラスチック材料などの誘電材料から製造されている。任意選択で、ハウジング430は射出成形部品であってもよい。ハウジング430は、フラットケーブル402、コンタクトリング470、およびソケットインサート500を受け入れるチャンバ432を形成する壁を含む。例示的実施形態において、ハウジング430は上部434および底部436を含む。ハウジング430は、前部440と後部442との間に延在する側部438を含む。ハウジング430は、チャンバ432へのアクセスを提供するケーブルスロット444(
図5および
図6に示す)を画定する前部440に開口部を含む。フラットケーブル402はケーブルスロット444で受け入れられる。様々な実施形態において、ケーブルスロット444は概して水平に向けられていてもよい。
ケーブルシールキャップ422は、ケーブルスロット444に差し込まれて前部440でハウジング430と結合していてもよい。ケーブルシール420は、ケーブルスロット444でハウジング430の内面に封止されていてもよい。
【0029】
例示的実施形態において、ハウジング430は、ハブ450を貫通する孔452を有するハブ450を含む。孔452は、チャンバ432の一部に対して開口し、チャンバ432の一部を画定する。様々な実施形態において、ハブ450は略円筒形である。しかし、代替的実施形態において、ハブ450は他の形状を有してもよい。孔452は、例えば垂直軸線に沿って、ハウジング430を貫通する。例示的実施形態において、フラットケーブル402は、リングインサート412がソケットインサート500を受け入れるために例えば垂直軸線に沿って孔452と位置合わせされた状態で、ハウジング430に配置されている。孔452は、上方開口部454と下方開口部456とを含む。ソケットインサート500は、ハブ450で受け入れられ、孔452を通過する。
例えば、ソケットインサート500は、上方開口部454および/または下方開口部456を通過してもよい。コンタクトリング470はハブ450に受け入れられる。例えば、コンタクトリング470は、下方開口部456を通じて孔452に装入されてもよい。ソケットインサート500は、コンタクトリング470の下方で、下方開口部456を通じて孔452に装入されてもよい。
【0030】
コンタクトリング470は、第1の端部472と第2の端部474との間で延在する。第1の端部472はコンタクトリング470の底部であってもよく、第2の端部474はコンタクトリング470の上部であってもよい。コンタクトリング470は、第1の端部472と第2の端部474との間でコンタクトリング470を貫通する開口部を含む。開口部476は、ソケットインサート500を受け入れるように構成されている。例示的実施形態において、コンタクトリング470は第1の端部472にフランジ478を含む。フランジ478は、コンタクトリング470をハウジング430に配置するために使用される。例えば、コンタクトリング470は、フランジ478がハウジング430の壁または表面に底打ちするまで、孔452に装入されてもよい。
組立時、コンタクトリング470はハブ450に受け入れられ、孔452でフラットケーブル402のリングインサート412と位置合わせされる。例えば、開口部476は、孔452の垂直軸線に沿って開口部416と位置合わせされる。コンタクトリング470の第1の端部472は、リングインサート412と係合し電気的に接続するように構成されている。第2の端部474は、第1のハーネスコネクタ200と係合し電気的に接続するように構成されている。例えば、第2の端部474は、第1のコンタクトリング270と第2のコンタクトリング470との間で直接電気接続を生ずるために、コンタクトリング270の第2の端部274に当接してもよい。ソケットインサート500は、リングインサート412を押し込んでコンタクトリング470と物理的かつ電気的に接触させるように構成されている。
【0031】
ソケットインサート500は、基部502と、基部502から延びるねじ付き管504とを含む。ねじ付き管504は、ねじ付き管504の中空孔内部に内部ねじ山を含む。ねじ付き管504は、基部502から遠位端508まで延在する。例示的実施形態において、ソケットインサート500との接触は安全である。例えば、ソケットインサート500は、ねじ付き管504の遠位端508から延出する絶縁キャップ520を含む。絶縁キャップ520は、ねじ付き管504にオーバーモールドされていてもよい。代替的に、絶縁キャップ520は、予め形成されてスナップフィット、プレスフィット、接着、または別の方法でねじ付き管504の遠位端508に固定されていてもよい。絶縁キャップ520は、ソケットインサート500の金属部または導電部の接触を防ぐためにねじ付き管504を覆う。
【0032】
例示的実施形態において、第2のハーネスコネクタ400は、ソケットインサート500を覆うためにハウジング430と結合するカバー組立体530を含む。カバー組立体530は、カバー要素532と、カバーシール534と、カバー保持具536とを含む。カバー要素532およびカバーシール534は、ハブ450の孔452に受け入れられるように構成されている。カバー要素532は、ソケットインサート500を孔452に保持するために、ソケットインサート500の下方に配置されている。
【0033】
カバー要素532は、本体540と、本体540の上部にあるフランジ542と、本体540の上部から延びるプラグ544とを含む。プラグ544は、ソケットインサート500の基部502などの端部に差し込まれるように構成されている。カバー要素532は、ソケットインサート500をハウジング430に保持するために使用される。例示的実施形態において、カバー要素532は、本体540の上部にポケット546を含む。ポケット546は、ソケットインサート500の基部502を受け入れる。フランジ542は、ポケット546の外周を囲っていてもよい。
【0034】
例示的実施形態において、カバー要素532は、1つまたは複数の回転止め機構548を含む。1つまたは複数の回転止め機構548は、例えばねじ付きボルト300との嵌合中に、ソケットインサート500の位置を保持しソケットインサート500の回転に抵抗するために、ソケットインサート500に接続するように構成されている。例示される実施形態において、回転止め機構548は、ポケット546に沿って延びる平坦面を含む。回転止め機構548は、ソケットインサート500の相補的回転止め機構510に接続する。例えば、基部502は、カバー要素532に対するソケットインサート500の回転位置を保持するために回転止め機構548の平坦面に接続するように構成されている、1つまたは複数の平坦面を含んでもよい。回転止め機構548は、孔452におけるカバー要素532の回転に抵抗するために、さらにハブ450に接続してもよい。
【0035】
例示的実施形態において、カバーシール534は、カバー要素532の本体540の外面と結合している。カバーシール534はカバー要素532に封止されている。例えば、カバーシール534の内面がカバー要素532に封止されている。カバーシール534の外面は、ハブ450など、ハウジング430に封止されるように構成されている。例えば、カバーシール534は、下方開口部456でのハブ450の直径に等しい直径を有してもよい。
【0036】
カバー保持具536は、カバー要素532をハウジング430に保持するために使用される。カバー保持具536は、ソケットインサート500およびカバー要素532の下方など、ソケットインサート500およびカバー要素532の外部でハウジング430と結合していてもよい。カバー保持具536はハブ450と結合していてもよい。カバー保持具536は、カバー保持具536をハウジング430に固定するためにハウジング430と掛止可能に結合するように構成されている、ラッチを含んでもよい。カバー保持具536は、ソケットインサート500へのアクセスを妨げ、第2のハーネスコネクタ400との接触を安全にする。
【0037】
任意選択で、第2のハーネスコネクタ400は、ハウジング430の嵌合端460でハウジング430と結合する嵌合シール(図示せず)を含んでもよい。例示される実施形態において、嵌合端460は上部434に設けられている。嵌合端460は、ハブ450の上方開口部454に位置する。嵌合端460は、第1のハーネスコネクタ200と嵌合するように構成されている。例示される実施形態において、嵌合端460は円筒形であり、第1のハーネスコネクタ200のハウジング230に差し込まれるように構成されている。嵌合シールは、第1のハーネスコネクタ200のハウジング230と嵌合するために、ハブ450の内部またはハブ450の外部に設けられていてもよい。
【0038】
図5は、第2のハーネスコネクタ400と嵌合するために持ち上げられた第1のハーネスコネクタ200を示す電力システム100の上面斜視図である。
図6は、第2のハーネスコネクタ400と嵌合するために持ち上げられた第1のハーネスコネクタ200を示す電力システム100の底面斜視図である。第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は、嵌合軸線に沿った嵌合方向に嵌合する。嵌合軸線は垂直軸線であってもよい。
【0039】
嵌合中、ねじ付きボルト300はソケットインサート500と位置合わせされる。第1のハーネスコネクタ200のハブ250は第2のハーネスコネクタ400のハブ450と位置合わせされる。例示的実施形態において、嵌合境界部は円筒形であり、互いに対して任意の角度方向での嵌合が可能になる。例えば、フラットケーブル202およびフラットケーブル402は任意の角度方向に延びていてもよい。例示される実施形態において、フラットケーブル202およびフラットケーブル402は互いに対して180°に向けられている。しかし、第1のハーネスコネクタ200および/または第2のハーネスコネクタ400は、他の任意の角度方向に向けられても、やはり接続に成功できる。
しかし、代替的実施形態において、第1のハーネスコネクタ200および/または第2のハーネスコネクタ400は、嵌合境界部での鍵付き嵌合のための鍵機構を含んでもよい。例えば、鍵付き嵌合は、嵌合を1つまたは複数の特定の方向(例えば180°、90°、45°など)に制限してもよい。
【0040】
嵌合中、ねじ付きボルト300はソケットインサート500に差し込まれる。例えば、ねじ付きボルト300の端部の絶縁キャップ320が、例えば絶縁キャップ520を通して、ねじ付き管504の中空孔に差し込まれる。ねじ付き軸部304がねじ付き管504に接続するとき、ねじ付きボルト300は、ねじ付きボルト300をソケットインサート500に締めるために回転される。例示的実施形態において、ねじ付きボルト300の端部は、例えばハブ250の底部を超えて、ハウジング230の外部から延出する。ハウジング230の外部に露出されているねじ付きボルト300の部分は、絶縁キャップ320である。ねじ付きボルト300の金属部または導電部は、露出されていない。従って、第1のハーネスコネクタ200との接触は、非嵌合状態において安全である。
同様に、ソケットインサート500の端部は、例えばハブ450の上部を超えて、ハウジング430の外部から延出してもよい。ハウジング430の外部に露出されているソケットインサート500の部分は、絶縁キャップ520である。ソケットインサート500の金属部または導電部は、露出されていない。従って、第2のハーネスコネクタ400との接触は、非嵌合状態において安全である。カバー組立体530は、ソケットインサート500の底端を覆い、第2のハーネスコネクタ400との接触を安全にする。同様に、絶縁カバー310は、ねじ付きボルト300の上端を覆い、第1のハーネスコネクタ200との接触を安全にする。
例示的実施形態において、フラットケーブル202の終端208の露出部はハウジング230内に収容または封入されており、第1のハーネスコネクタ200との接触をさらに安全にする。フラットケーブル402の終端408の露出部はハウジング430内に収容または封入されており、第2のハーネスコネクタ400との接触をさらに安全にする。
【0041】
嵌合中、第2のハーネスコネクタ400のハブ450の上部が、第1のハーネスコネクタ200のハブ250の下部に差し込まれる。例示される実施形態において、第1のハーネスコネクタ200は、嵌合中に第2のハーネスコネクタ400のハブ450に接続するための嵌合シール360を担持する。従って、封止された境界面が、第1のハーネスコネクタ200と第2のハーネスコネクタ400との間に形成される。例示的実施形態において、例えば第1のハーネスコネクタ200のボルトシール330およびケーブルシール220ならびに第2のハーネスコネクタ400のカバーシール534およびケーブルシール420によって、ハウジング230およびハウジング430の他の開口部は封止されている。
【0042】
図5および
図6では単一の境界面が示されているが、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400は複数の境界面を有してもよい。例えば、第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400のそれぞれは、複数のハブ(例えば1対のハブ)および対応するねじ付きボルト300/ソケットインサート500を含んでもよい。
【0043】
図7は、第2のハーネスコネクタ400と結合された第1のハーネスコネクタ200を示す、例示的実施形態による電力システム100の断面図である。嵌合されている場合、電力システム100との接触は安全である。絶縁カバー310は、ねじ付きボルト300の金属部または導電部に第1のハーネスコネクタ200の外部から触れることができないように、ねじ付きボルト300の上部を覆う。カバー組立体530は、ソケットインサート500の金属部または導電部に第2のハーネスコネクタ400の外部から触れることができないように、ソケットインサート500の底部を覆う。ハウジング230は、フラットケーブル202の金属部または導電部に第1のハーネスコネクタ200の外部から触れることができないように、フラットケーブル202の終端208を覆うかまたは封入する。
ハウジング430は、フラットケーブル402の金属部または導電部に第2のハーネスコネクタ400の外部から触れることができないように、フラットケーブル402の終端408を覆うかまたは封入する。
【0044】
嵌合されている場合、電力システム100は外部環境から封止されている。例えば、ケーブルシール220は、フラットケーブル202と対応するハウジング230との間を封止し、ケーブルシール420は、フラットケーブル402と対応するハウジング430との間を封止する。ボルトシール330は、ハブ250の上部でねじ付きボルト300とハウジング230との間を封止する。カバーシール534は、ハブ450の底部でカバー組立体530とハウジング430との間を封止する。嵌合シール360は、第1のハーネスコネクタ200と第2のハーネスコネクタ400との間の境界面を封止する。例えば、嵌合シール360は、ハウジング230およびハウジング430の両方に封止される。例示的実施形態において、ハブ250は内側ハブリング262と外側ハブリング264とを含む。
ポケット266が、内側ハブリング262と外側ハブリング264との間に形成されている。第2のハーネスコネクタ400のハブ450は、内側ハブリング262と外側ハブリング264との間のポケット266に受け入れられるように構成されている。嵌合シール360は、第2のハーネスコネクタ400のハブ450に接続するためにポケット266に受け入れられる。例示される実施形態において、嵌合シール360は内側ハブリング262に設けられている。シール保持具370は、嵌合シール360を内側ハブリング262で保持するために、内側ハブリング262と結合している。嵌合シール360の内面は内側ハブリング262に封止され、嵌合シール360の外面はハブ450の内面に封止されている。しかし、代替的実施形態において、嵌合シール360は外側ハブリング264に設けられてハブ450の外面に対して封止をしてもよい。
【0045】
ねじ付きボルト300およびソケットインサート500は、第1のハーネスコネクタ200を第2のハーネスコネクタ400と機械的に接続するために使用される。例えば、ねじ付きボルト300のねじ付き軸部304は、ソケットインサート500のねじ付き管504の孔で受け入れられる。ねじ付きボルト300は、ねじ付き軸部304をねじ付き管504で締めるために回転される。ねじ付きボルト300が締め付けられると、第1のハーネスコネクタ200は第2のハーネスコネクタ400に電気的に接続される。例えば、ねじ付きボルト300とソケットインサート500との間のねじ接続は、コンタクトリング270を押し込んでコンタクトリング470と電気的に接続させる。コンタクトリング270、470はフラットケーブル202、402のリングインサート212、412と係合する。
フラットケーブル202およびフラットケーブル402は、リングインサート212およびリングインサート412ならびにコンタクトリング270およびコンタクトリング470を介して、電気的に接続される。例示的実施形態において、フラットケーブル202とフラットケーブル402との間にコンタクトリング270がある。例示的実施形態において、コンタクトリング270は銅から製造されており、高い導電性を有する。例示的実施形態において、リングインサート212およびリングインサート412は銅から製造されており、高い導電性を有する。従って、効率的な電力伝送路が、第1のハーネスコネクタ200と第2のハーネスコネクタ400との間に作成される。
第1のハーネスコネクタ200および第2のハーネスコネクタ400の嵌合境界部は円筒形であるため、フラットケーブル202およびフラットケーブル402は、互いに対して様々な角度方向に向けられてもよい。コンパクトであり、頑健であり、封止され、耐振動性があり、接触しても安全である電気接続が、第1のハーネスコネクタ200と第2のハーネスコネクタ400との間に形成される。
【外国語明細書】