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特開2024-170323電子カルテ管理システム、電子カルテ管理装置、電子カルテ管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170323
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】電子カルテ管理システム、電子カルテ管理装置、電子カルテ管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20241129BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2024094715
(22)【出願日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2023097331
(32)【優先日】2023-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518315287
【氏名又は名称】エニシア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 憲生
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智洋
(72)【発明者】
【氏名】小東 茂夫
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】医療情報を閲覧する利用者の利便性を向上させることができる電子カルテ管理システム、電子カルテ管理装置、電子カルテ管理処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】電子カルテ管理システムは、端末装置3から送信される診療関連情報要求情報を取得する診療関連情報要求取得部112と、診療関連情報要求情報が取得されると、取得された診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、電子カルテ情報の中から診療関連情報に含める医療情報を抽出する医療情報抽出部114と、フォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報を用いて診療関連情報を生成する診療関連情報生成部115と、生成された診療関連情報を端末装置3へ送信する診療関連情報通知部116と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1利用者が所持する第1端末装置と、
第2利用者が所持する第2端末装置と、
前記第1利用者により作成された電子カルテ情報を記憶する電子カルテ記憶部と、
前記第1端末装置から送信される前記電子カルテ情報を取得して前記電子カルテ記憶部に前記第1利用者を識別する第1利用者識別情報に対応づけて記憶させる電子カルテ取得部と、
前記第2端末装置から送信される、前記電子カルテ情報に含まれる医療情報の出力形式を示すフォーマット情報を含む診療関連情報要求情報を取得する診療関連情報要求取得部と、
前記診療関連情報要求情報が取得されると、取得された前記診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、前記電子カルテ情報の中から前記診療関連情報に含める前記医療情報を抽出する医療情報抽出部と、
前記フォーマット情報に基づいて、抽出された前記医療情報を用いて前記診療関連情報を生成する診療関連情報生成部と、
生成された前記診療関連情報を前記第2端末装置へ送信する診療関連情報通知部と、を備える、
電子カルテ管理システム。
【請求項2】
前記診療関連情報は、前記電子カルテ情報に含まれる病症名情報、アレルギ情報、感染症情報、薬剤忌避情報、検査情報および処方情報のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の電子カルテ管理システム。
【請求項3】
前記診療関連情報は、診療情報提供書、健康診断結果報告書または有害事象報告書を作成するための情報、退院時サマリ情報、医師異動に伴う引継ぎ情報および医薬品処方の履歴情報のうちのいずれかである、
請求項2に記載の電子カルテ管理システム。
【請求項4】
前記電子カルテ記憶部は、前記電子カルテ情報を、前記電子カルテ情報に対応する患者を識別する患者識別情報と、前記電子カルテ情報が作成された診療日を示す診療日情報と、に対応づけて記憶し、
前記診療関連情報を、前記診療関連情報を識別する診療関連情報識別情報と、前記診療関連情報の基となる前記電子カルテ情報に対応する患者を識別する患者識別情報と、に対応づけて記憶する診療関連情報記憶部と、
前記第2端末装置から送信される、前記診療関連情報識別情報と、前記診療日情報と、を含み、前記電子カルテ情報の送信を要求する電子カルテ閲覧要求情報を取得すると、前記診療関連情報記憶部が記憶する前記患者識別情報の中から、前記診療関連情報識別情報に対応する前記患者識別情報を特定し、前記電子カルテ記憶部が記憶する前記電子カルテ情報の中から、前記診療関連情報要求情報に含まれる前記診療日情報と、特定した前記患者識別情報と、の組み合わせに対応する前記電子カルテ情報を選出する電子カルテ選出部と、
選出された前記電子カルテ情報を前記第2端末装置へ送信する電子カルテ通知部と、を更に備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子カルテ管理システム。
【請求項5】
前記第1利用者により作成された前記診療関連情報を、前記第1利用者識別情報に対応づけて記憶する第1利用者作成診療関連情報記憶部と、
前記第1端末装置から送信される前記診療関連情報を取得して前記第1利用者作成診療関連情報記憶部に前記第1利用者識別情報に対応づけて記憶させる第1利用者作成診療関連情報取得部と、を更に備え、
前記診療関連情報通知部は、更に、前記第1利用者作成診療関連情報記憶部が記憶する前記第1利用者により作成された前記診療関連情報を前記第2端末装置へ送信する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子カルテ管理システム。
【請求項6】
第1利用者が所持する第1端末装置から送信される前記第1利用者により作成された電子カルテ情報を取得して、電子カルテ記憶部に前記第1利用者を識別する第1利用者識別情報に対応づけて記憶させる電子カルテ取得部と、
第2端末装置から送信される、前記電子カルテ情報に含まれる医療情報の出力形式を示すフォーマット情報を含む診療関連情報要求情報を取得する診療関連情報要求取得部と、
前記診療関連情報要求情報が取得されると、取得された前記診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、前記電子カルテ情報の中から前記診療関連情報に含める前記医療情報を抽出する医療情報抽出部と、
前記フォーマット情報に基づいて、抽出された前記医療情報を用いて前記診療関連情報を生成する診療関連情報生成部と、
生成された前記診療関連情報を前記第2端末装置へ送信する診療関連情報通知部と、を備える、
電子カルテ管理装置。
【請求項7】
第1利用者が所持する第1端末装置と、第2利用者が所持する第2端末装置と、を備える電子カルテ管理システムが実行する電子カルテ管理方法であって、
前記第1端末装置から送信される、前記第1利用者により作成された電子カルテ情報を取得して、取得した前記電子カルテ情報を、電子カルテ記憶部に前記第1利用者を識別する第1利用者識別情報に対応づけて記憶させるステップと、
前記第2端末装置から送信される、前記電子カルテ情報に含まれる医療情報の出力形式を示すフォーマット情報を含む診療関連情報要求情報を取得するステップと、
前記診療関連情報要求情報が取得されると、取得された前記診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、前記電子カルテ情報の中から前記診療関連情報に含める前記医療情報を抽出するステップと、
前記フォーマット情報に基づいて、抽出された前記医療情報を用いて前記診療関連情報を生成するステップと、
生成された前記診療関連情報を前記第2端末装置へ送信するステップと、を含む、
電子カルテ管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
第1利用者により作成された電子カルテ情報を記憶する電子カルテ記憶部、
第1端末装置から送信される前記電子カルテ情報を取得して前記電子カルテ記憶部に前記第1利用者を識別する第1利用者識別情報に対応づけて記憶させる電子カルテ取得部、
第2端末装置から送信される、前記電子カルテ情報に含まれる医療情報の出力形式を示すフォーマット情報を含む診療関連情報要求情報を取得する診療関連情報要求取得部、
前記診療関連情報要求情報が取得されると、取得された前記診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、前記電子カルテ情報の中から前記診療関連情報に含める前記医療情報を抽出する医療情報抽出部、
前記フォーマット情報に基づいて、抽出された前記医療情報を用いて前記診療関連情報を生成する診療関連情報生成部、
生成された前記診療関連情報を前記第2端末装置へ送信する診療関連情報通知部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテ管理システム、電子カルテ管理装置、電子カルテ管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療・福祉に関連するサービスを提供する複数の事業者の事業者情報を記録する電子カルテデータベースおよび処方箋データベースと、事業者のサービスを利用する利用者の利用者情報を識別情報と関連付けて記録する利用者データベースと、を備えた医療情報共有サーバと、事業者の情報処理端末と、を備える医療システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。この医療システムでは、複数の事業者間で、互いに、電子カルテデータベース、処方箋データベースに記録された他の事業者が作成した電子カルテデータ、処方せんデータを参照することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6660655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されているように、電子カルテ情報を複数の医療関係の事業者で共有するシステムにおいて、電子カルテ情報に含まれる医療情報を各事業者が所望する出力形式に変換して各事業者が所持する端末装置へ表示させることにより事業者の利便性を向上させることが要請されている。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、医療情報を閲覧する利用者の利便性を向上させることができる電子カルテ管理システム、電子カルテ管理装置、電子カルテ管理処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る電子カルテ管理システムは、
第1利用者が所持する第1端末装置と、
第2利用者が所持する第2端末装置と、
前記第1利用者により作成された電子カルテ情報を記憶する電子カルテ記憶部と、
前記第1端末装置から送信される前記電子カルテ情報を取得して前記電子カルテ記憶部に前記第1利用者を識別する第1利用者識別情報に対応づけて記憶させる電子カルテ取得部と、
前記第2端末装置から送信される、前記電子カルテ情報に含まれる医療情報の出力形式を示すフォーマット情報を含む診療関連情報要求情報を取得する診療関連情報要求取得部と、
前記診療関連情報要求情報が取得されると、取得された前記診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、前記電子カルテ情報の中から前記診療関連情報に含める前記医療情報を抽出する医療情報抽出部と、
前記フォーマット情報に基づいて、抽出された前記医療情報を用いて前記診療関連情報を生成する診療関連情報生成部と、
生成された前記診療関連情報を前記第2端末装置へ送信する診療関連情報通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、医療情報抽出部が、診療関連情報要求情報が取得されると、取得された診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、電子カルテ情報の中から診療関連情報に含める前記医療情報を抽出する。そして、診療関連情報生成部が、フォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報を用いて診療関連情報を生成する。これにより、第2端末装置において、フォーマット情報が示す医療情報の出力形式を指定するだけで、第2端末装置において所望する医療情報の出力形式で医療情報を閲覧することができる。従って、医療情報を閲覧する利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る電子カルテ管理システムの概略構成図である。
図2】実施の形態に係る電子カルテ管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係るクラウドサーバの機能構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る電子カルテ記憶部が記憶する情報の内容の一例を示す図である。
図5】実施の形態に係る診療関連情報記憶部が記憶する情報の内容の一例を示す図である。
図6】(A)は実施の形態に係るフォーマットの一例を説明するための図であり、(B)は実施の形態に係るフォーマットの他の一例を説明するための図である。
図7】(A)は実施の形態に係るフォーマットの一例を説明するための図であり、(B)は実施の形態に係るフォーマットの他の一例を説明するための図である。
図8】実施の形態に係る電子カルテ管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図9】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する電子カルテ管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】変形例に係る電子カルテ管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図11】変形例に係る電子カルテ管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置について図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る電子カルテ管理システムは、第1利用者が所持する第1端末装置と、第2利用者が所持する第2端末装置と、第1利用者により作成された電子カルテ情報を記憶する電子カルテ記憶部と、第1端末装置から送信される電子カルテ情報を取得して電子カルテ記憶部に第1利用者を識別する第1利用者識別情報に対応づけて記憶させる電子カルテ取得部と、第2端末装置から送信される、電子カルテ情報に含まれる医療情報の出力形式を示すフォーマット情報を含む診療関連情報要求情報を取得する診療関連情報要求取得部と、診療関連情報要求情報が取得されると、取得された診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、電子カルテ情報の中から診療関連情報に含める医療情報を抽出する医療情報抽出部と、フォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報を用いて診療関連情報を生成する診療関連情報生成部と、生成された診療関連情報を前記第2端末装置へ送信する診療関連情報通知部と、を備える。本実施の形態に係る電子カルテ管理システムは、医師が電子カルテ情報に含まれる医療情報から診療情報提供書、退院時サマリ、健康診断結果報告書等を作成する際に活用できる。また、本実施の形態に係る電子カルテ管理システムは、例えば、主治医意見書のような他の医療文書作成、薬の副作用、有害事象等のスクリーニングに利用される有害事象報告書の作成にも活用することができる。
【0010】
本実施の形態に係る電子カルテ管理システムは、例えば図1に示すように、クラウドサーバ1と、クラウドサーバ1とネットワークNW1を介して通信可能な端末装置2、3と、を備える。端末装置2、3は、それぞれ、医療機関、福祉施設等に設置され、医師、その他医療従事者等の利用者により使用される。なお、端末装置2、3は、訪問診療、訪問看護、訪問介護の現場で使用される場合、端末装置2、3のいずれか一方が、患者、被介護者の居住地へ訪問する利用者が所持し、他方を病院等の医療機関、訪問介護ステーション等に設置するようにしてもよい。或いは、端末装置2、3のいずれか一方が、薬局に設置され薬剤師等の利用者に利用され、他方が病院等の医療機関、製薬会社に設置されるものであってもよい。或いは、端末装置2が、病院等の医療機関に設置され、端末装置3が、患者または患者の親族等が利用するものであってもよい。端末装置2、3は、例えばパーソナルコンピュータであり、表示部と入力部とを備える。表示部は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。入力部は、キーボード、タッチパッド等の入力装置である。ここで、端末装置2、3の利用者が、端末装置2、3の入力部に対して、患者の電子カルテ情報から生成される診療関連情報の内容を通知する診療関連情報通知画像を表示部に表示させるため診療関連情報要求操作を行ったとする。ここで、診療関連情報としては、前述の診療情報提供書、健康診断結果報告書等を作成するための医療情報を含む情報、退院時サマリ情報等が挙げられる。或いは、診療関連情報としては、医師異動に伴う引継ぎ情報、医薬品処方の履歴情報および前述の有害事象報告書を作成するための医療情報を含むものであってもよい。この場合、端末装置2、3は、それぞれ、診療関連情報における前述の医療情報の出力形式を示すフォーマット情報と端末装置2、3の利用者の認証情報とを含み、クラウドサーバ1に対して電子カルテ情報から生成された診療関連情報の送信を要求する診療関連情報要求情報をクラウドサーバ1へ送信することにより、クラウドサーバ1から送信される診療関連情報を取得する。ここで、認証情報は、例えば端末装置2、3の利用者それぞれに予め付与された利用者識別情報とパスワード情報とを含む。また、診療関連情報要求情報には、この送信元である端末装置2、3を識別する端末装置識別情報が含まれる。端末装置識別情報としては、例えば端末装置2、3のIPアドレス、FQDN(Fully Qualified Domain Name)等が挙げられる。そして、端末装置2,3は、取得した診療関連情報に基づいて、前述の診療関連情報通知画像を形成して表示部に表示させる。ここで、資料関連情報通知画像としては、前述の診療情報提供書、退院時サマリ、健康診断結果報告書、有害事業報告書等或いはこれらの書類を補足するためのレポート形式の画像が挙げられる。
【0011】
また、端末装置2、3の利用者が、端末装置2、3の入力部に対して、表示部に表示された診療関連情報通知画像に対応する、患者を識別する患者識別情報とその診療日とを指定して対応する電子カルテを表示部に表示させるための電子カルテ表示操作を行ったとする。この場合、端末装置2、3は、それぞれ、端末装置2、3の利用者の認証情報、診療関連情報識別情報および診療日情報を含み、クラウドサーバ1に対して電子カルテ情報の送信を要求する電子カルテ閲覧要求情報をクラウドサーバ1へ送信することにより、クラウドサーバ1から送信される電子カルテ情報を取得する。電子カルテ閲覧要求には、この送信元である端末装置2、3の端末装置識別情報が含まれる。そして、端末装置2,3は、取得した電子カルテ情報に基づいて、電子カルテ情報を利用者に閲覧させるための電子カルテ閲覧画像を形成して表示部に表示させる。
【0012】
更に、端末装置2、3の利用者が、端末装置2、3の入力部に対して、患者の電子カルテ情報をクラウドサーバ1にアップロードするための電子カルテ登録操作を行ったとする。この場合、端末装置2、3は、それぞれ、入力された電子カルテ情報と診療日情報とを含む電子カルテ通知情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。
【0013】
クラウドサーバ1は、図2に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、各部を接続するバス109と、を備え、電子カルテ情報を管理する電子カルテ管理装置として機能する。主記憶部12は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリから構成され、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、モデムとゲートウェイとを有し、ネットワークNW1を介して端末装置2、3と通信する。
【0014】
クラウドサーバ1では、CPU101が、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み込んで実行することにより、図3に示すように、電子カルテ取得部111、診療関連情報要求取得部112、認証部113、医療情報抽出部114、診療関連情報生成部115、診療関連情報通知部116、電子カルテ閲覧要求取得部117、電子カルテ選出部118および電子カルテ通知部119として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、電子カルテ記憶部131と、医療情報記憶部132と、診療関連情報記憶部133と、認証情報記憶部134と、を有する。電子カルテ記憶部131は、例えば図4に示すように、電子カルテ情報を、その電子カルテ情報が作成された診療日を示す診療日情報と、電子カルテ情報に対応する患者を識別する患者識別情報と、に対応づけて記憶する。電子カルテ情報は、例えばHL7 Internationalによって作成された医療情報交換の次世代標準フレームワークであるHL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)に適合する医療情報を含む。具体的には、電子カルテ情報は、病症名情報、アレルギ情報、感染症情報、薬剤忌避情報、検査情報および処方情報を含む。ここで、感染症情報は、厚生労働省標準規格「HS014 臨床検査マスタ」等で活用されているJLACコードを示すものであってもよい。また、検査情報は、厚生労働省標準規格「HS014 臨床検査マスタ」等で活用されているJLACコードを示すもの、或いは、「救急・災害用標準診療データセット」、「生活習慣病自己管理項目セット集」において定義されている「臨床検査項目基本コードセット」を示すものであってもよい。更に、処方情報は、例えば電子処方箋で利用されている医薬品コードを示すものであってもよい。なお、電子カルテ情報が、患者について診療を行った際の電子カルテの自由記述欄に記載されるいわゆるSOAP情報を含むものであってもよい。ここで、SOAP情報は、主観的(Subjective)情報、客観的(Objective)情報、評価(Assessment)情報、治療の計画(Plan)に関する情報であり、医師による患者の病状についてのコメント等を含むものである。また、SOAP情報は、各情報を、主観的情報、客観的情報、評価情報または治療の計画に関する情報のいずれに属するかを示す属性情報(SOAPラベル情報)を含んでいる。
【0015】
図3に戻って、医療情報記憶部132は、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、医療情報を抽出する際の各種医療情報に含まれるキーワードを示す情報を記憶する。診療関連情報記憶部133は、例えば図5に示すように、診療関連情報とこれに対応する患者識別情報と、対応する診療関連情報要求情報の送信元の端末装置2、3の端末装置識別情報と、を、診療関連情報を識別する診療関連情報識別情報に対応づけて記憶する。図3に戻って、認証情報記憶部134は、端末装置2、3の利用者の利用者識別情報とパスワード情報とを含む認証情報を記憶する。
【0016】
電子カルテ取得部111は、端末装置2、3から送信される電子カルテ通知情報を取得すると、取得した電子カルテ通知情報に含まれる電子カルテ情報および診療日情報を抽出して互いに対応づけて電子カルテ記憶部131に記憶させる。診療関連情報要求取得部112は、端末装置2、3から送信される診療関連情報要求情報を取得すると、取得した診療関連情報要求情報を認証部113に通知する。認証部113は、診療関連情報要求情報が通知されると、認証情報記憶部134が記憶する認証情報と、通知された診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と、を比較し、認証情報記憶部134が記憶する認証情報の中に通知された診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と一致するものが存在する場合、認証に成功したと判定する。認証部113は、この認証に成功したと判定すると、通知された診療関連情報要求情報を、医療情報抽出部114、診療関連情報生成部115および診療関連情報通知部116に通知する。また、認証部113は、電子カルテ閲覧要求情報が通知されると、認証情報記憶部134が記憶する認証情報と、通知された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる認証情報と、を比較し、認証情報記憶部134が記憶する認証情報の中に通知された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる認証情報と一致するものが存在する場合、認証に成功したと判定する。認証部113は、この認証に成功したと判定すると、通知された電子カルテ閲覧要求情報を、電子カルテ選出部118および電子カルテ通知部119に通知する。
【0017】
医療情報抽出部114は、診療関連情報要求情報が通知されると、診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出するとともに、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、診療関連情報要求情報に含まれる患者識別情報に対応する電子カルテ情報を特定する。そして、医療情報抽出部114は、抽出したフォーマット情報に基づいて、特定した電子カルテ情報の中から、診療関連情報に含める医療情報および診療日情報を抽出し、抽出した医療情報および診療日情報を診療関連情報生成部115に通知する。また、医療情報抽出部114は、電子カルテ情報が前述のSOAP情報を含む場合、抽出したフォーマット情報に基づいて、特定した電子カルテ情報の中から、診療関連情報に含めるSOAP情報を抽出するものであってもよい。
【0018】
診療関連情報生成部115は、通知された診療関連情報要求情報に含まれる前述のフォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報および診療日情報を用いて診療関連情報を生成する。ここで、フォーマット情報は、例えば図6(A)乃至図7(B)それぞれに示すような「単純時系列表示フォーマット」、「プロブレム別表示フォーマット」、「単純時系列・キーワードリスト表示フォーマット」、「プロブレム別・キーワードリストフォーマット」の4種類のフォーマットを示す。「単純時系列表示フォーマット」は、例えば図6(A)に示すように、電子カルテ情報が示す文章を、日時DATEを縦に並べて配置し、その日時DATEの右横に、当該日時DATEに対応する電子カルテ文章を配置した形で表示することを示す。「プロブレム別表示フォーマット」は、例えば図6(B)に示すように、電子カルテ情報が示す文章を、症状SYM別に、当該症状SYMに対応する電子カルテ文章を配置した形で表示することを示す。「単純時系列・キーワードリスト表示フォーマット」は、例えば図7(A)に示すように、電子カルテ情報が示す文章から抜き出したキーワードを、日時DATEを縦に並べて配置し、その日時DATEの右横に、当該日時DATEに対応するキーワードをリスト形式で配置した形で表示することを示す。「プロブレム別・キーワードリスト表示フォーマット」は、例えば図7(B)に示すように、電子カルテ情報が示す文章から抜き出したキーワードを、症状SYM別に、当該症状SYMに対応するキーワードをリスト形式で配置した形で表示することを示す。なお、診療関連情報生成部115は、電子カルテ情報が示す電子カルテ文章を前述のフォーマット情報が示すフォーマットに当てはめる形で診療関連情報を生成するのみならず、電子カルテ情報に基づいて、前述のフォーマット情報が示すフォーマットの文章を生成することによる診療関連情報の生成も実行する。図3に戻って、そして、診療関連情報生成部115は、生成した診療関連情報を、診療関連情報要求情報に含まれる患者識別情報と診療関連情報を識別する診療関連情報識別情報と診療関連情報要求情報の送信元の端末識別情報とに対応づけて診療関連情報記憶部133に記憶させる。診療関連情報通知部116は、診療関連情報記憶部133が記憶する診療関連情報を、対応する端末識別情報で識別される診療関連情報要求情報の送信元の端末装置2、3へ送信する。
【0019】
電子カルテ閲覧要求取得部117は、端末装置2、3から送信される電子カルテ閲覧要求情報を取得すると、取得した電子カルテ閲覧要求情報を認証部113に通知する。電子カルテ選出部118は、電子カルテ閲覧要求情報が通知されると、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、通知された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる診療関連情報識別情報に対応する患者識別情報と診療日情報との組み合わせに対応する電子カルテ情報を選出し、選出した電子カルテ情報を電子カルテ通知部119に通知する。電子カルテ通知部119は、電子カルテ情報が通知されると、対応する電子カルテ閲覧要求情報に含まれるその送信元の端末識別情報で識別される端末装置2、3へ送信する。
【0020】
次に、本実施の形態に係る電子カルテ管理システムの動作について図8を参照しながら説明する。まず、端末装置2の利用者が、端末装置2の入力部に対して前述の電子カルテ登録操作を行ったとする。この場合、端末装置2が、電子カルテ登録操作により入力された登録対象の電子カルテ情報と診療日情報とを含む電子カルテ通知情報を生成し(ステップS1)、生成された電子カルテ通知情報が、端末装置2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS2)。一方、クラウドサーバ1は、電子カルテ通知情報を取得すると、取得した電子カルテ通知情報に含まれる電子カルテ情報および診療日情報を抽出してこれらを互いに対応づけて電子カルテ記憶部131に記憶させる(ステップS3)。
【0021】
また、端末装置3の利用者が、端末装置3の入力部に対して前述の診療関連情報要求操作を行ったとする。この場合、端末装置3が、診療関連情報要求操作の操作内容に応じて、前述のフォーマット情報と端末装置3の利用者の認証情報とを含む診療関連情報要求情報を生成し(ステップS4)、生成された診療関連情報要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS5)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される診療関連情報要求情報を取得すると、認証情報記憶部134が記憶する認証情報と、取得した診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と、を比較する。ここで、クラウドサーバ1が、認証情報記憶部134が記憶する認証情報の中に通知された診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と一致し、認証に成功したと判定したとする(ステップS6)。この場合、クラウドサーバ1は、診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出するとともに、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、診療関連情報要求情報に含まれる患者識別情報に対応する電子カルテ情報を特定する(ステップS7)。次に、クラウドサーバ1は、抽出したフォーマット情報に基づいて、特定した電子カルテ情報の中から、診療関連情報に含める医療情報および診療日情報を抽出する(ステップS8)。
【0022】
続いて、クラウドサーバ1は、前述のフォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報および診療日情報を用いて診療関連情報を生成し、生成した診療関連情報を診療関連情報記憶部133に記憶させる(ステップS9)。その後、生成された診療関連情報が、クラウドサーバ1から診療関連情報要求情報の送信元である端末装置3へ送信される(ステップS10)。一方、端末装置3は、診療関連情報を取得すると、取得した診療関連情報に基づいて、前述の診療関連情報通知画像を形成して表示部に表示させる(ステップS11)。
【0023】
ここで、端末装置3の利用者が、端末装置3の入力部に対して前述の電子カルテ表示操作を行ったとする。この場合、端末装置3が、電子カルテ表示操作に応じて、診療関連情報識別情報と診療日時情報と認証情報とを含む電子カルテ閲覧要求情報を生成し(ステップS12)、生成された電子カルテ閲覧要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS13)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される電子カルテ閲覧要求情報を取得すると、認証情報記憶部134が記憶する認証情報と、取得した電子カルテ閲覧要求情報に含まれる認証情報と、を比較する。ここで、クラウドサーバ1が、認証情報記憶部134が記憶する認証情報の中に通知された診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と一致し、認証に成功したと判定したとする(ステップS14)。この場合、クラウドサーバ1は、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、通知された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる診療関連情報識別情報に対応する患者識別情報と診療日情報との組み合わせに対応する電子カルテ情報を選出する(ステップS15)。次に、選出された電子カルテ情報が、クラウドサーバ1から電子カルテ閲覧要求情報の送信元の端末装置3へ送信される(ステップS16)。一方、端末装置3は、電子カルテ情報を取得すると、取得した電子カルテ情報に基づいて、前述の電子カルテ閲覧画像を形成して表示部に表示させる(ステップS17)。
【0024】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する電子カルテ管理処理について図9を参照しながら説明する。この電子カルテ管理処理は、クラウドサーバ1において電子カルテ管理処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、電子カルテ取得部111は、端末装置2、3から送信される電子カルテ通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、電子カルテ取得部111が、電子カルテ通知情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS103の処理が実行される。一方、電子カルテ取得部111は、電子カルテ通知情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、取得した電子カルテ通知情報に含まれる電子カルテ情報および診療日情報を抽出して互いに対応づけて電子カルテ記憶部131に記憶させる(ステップS102)。
【0025】
次に、診療関連情報要求取得部112は、端末装置2、3から送信される診療関連情報要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、診療関連情報要求取得部112が、診療関連情報要求情報を取得していないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS109の処理が実行される。一方、診療関連情報要求取得部112は、診療関連情報要求情報を取得したと判定すると(ステップS103:Yes)、取得した診療関連情報要求情報を認証部113に通知する。そして、認証部113は、認証情報記憶部134が記憶する認証情報と、通知された診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と、を比較し、認証情報記憶部134が記憶する認証情報の中に通知された診療関連情報要求情報に含まれる認証情報と一致するものが存在し、認証に成功したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、認証部113が認証に失敗したと判定すると(ステップS104:No)、後述のステップS109の処理が実行される。一方、認証部113は、認証に成功したと判定すると(ステップS104:Yes)、通知された診療関連情報要求情報を、医療情報抽出部114、診療関連情報生成部115および診療関連情報通知部116に通知する。そして、医療情報抽出部114は、通知された診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出するとともに、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、診療関連情報要求情報に含まれる患者識別情報に対応する電子カルテ情報を特定する(ステップS105)。続いて、医療情報抽出部114は、抽出したフォーマット情報に基づいて、特定した電子カルテ情報の中から、診療関連情報に含める医療情報および診療日情報を抽出する(ステップS106)。その後、診療関連情報生成部115は、通知された診療関連情報要求情報に含まれる前述のフォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報および診療日情報を用いて診療関連情報を生成し、生成した診療関連情報を、診療関連情報要求情報に含まれる患者識別情報と診療関連情報を識別する診療関連情報識別情報と診療関連情報要求情報の送信元の端末識別情報とに対応づけて診療関連情報記憶部133に記憶させる(ステップS107)。次に、診療関連情報通知部116が、診療関連情報記憶部133が記憶する診療関連情報を、対応する端末識別情報で識別される診療関連情報要求情報の送信元の端末装置2、3へ送信する(ステップS108)。
【0026】
続いて、電子カルテ閲覧要求取得部117は、端末装置2、3から送信される電子カルテ閲覧要求情報を取得したか否かを判定する(ステップS109)。ここで、電子カルテ閲覧要求取得部117が、電子カルテ閲覧要求情報を取得していないと判定すると(ステップS109:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、電子カルテ閲覧要求取得部117は、電子カルテ閲覧要求情報を取得したと判定したとする(ステップS109:Yes)。この場合、認証部113は、認証情報記憶部134が記憶する認証情報と、取得された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる認証情報と、を比較し、認証情報記憶部134が記憶する認証情報の中に通知された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる認証情報と一致するものが存在し、認証に成功したか否かを判定する(ステップS110)。ここで、認証部113が認証に失敗したと判定すると(ステップS110:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、認証部113は、認証に成功したと判定すると(ステップS110:Yes)、通知された電子カルテ閲覧要求情報を、電子カルテ選出部118および電子カルテ通知部119に通知する。
【0027】
その後、電子カルテ選出部118は、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、通知された電子カルテ閲覧要求情報に含まれる診療関連情報識別情報に対応する患者識別情報と診療日情報との組み合わせに対応する電子カルテ情報を選出する。そして、電子カルテ通知部119が、選出された電子カルテ情報を、対応する電子カルテ閲覧要求情報の送信元の端末装置2、3へ送信する(ステップS111)。次に、再びステップS101の処理が実行される。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態に係る電子カルテ管理システムによれば、医療情報抽出部114が、診療関連情報要求情報が取得されると、取得された診療関連情報要求情報に含まれるフォーマット情報を抽出し、抽出したフォーマット情報に基づいて、電子カルテ情報の中から診療関連情報に含める医療情報を抽出する。そして、診療関連情報生成部115が、フォーマット情報に基づいて、抽出された医療情報を用いて診療関連情報を生成する。これにより、端末装置2、3において、フォーマット情報が示す医療情報の出力形式を指定するだけで、端末装置2、3において所望する医療情報の出力形式で医療情報を閲覧することができる。従って、医療情報を閲覧する利用者の利便性を向上させることができる。
【0029】
また、本実施の形態に係る電子カルテ管理システムによれば、端末装置2を所持する利用者が、電子カルテ情報をクラウドサーバ1にいわゆるアップロードした後、端末装置2を所持する利用者自身が、端末装置2を介して前述の診療関連情報を取得することができる。これにより、端末装置2の利用者自身が、自らアップロードした電子カルテ情報から前述の診療関連情報を取得することができるので、利用者が前述の診療情報提供書、退院時サマリ、健康診断結果報告書、有害事業報告書等或いはこれらの書類を補足するためのレポート形式の文書を作成する負担が軽減されるという利点がある。
【0030】
更に、本実施の形態に係る電子カルテ管理システムでは、例えば電子カルテ情報をアップロードした利用者または電子カルテ情報に対応する患者により予め診療関連情報、電子カルテ情報へのアクセスが許可され、認証情報記憶部134に認証情報が登録された利用者、例えば医療介護系のサービス提供者(ケアマネージャ、薬局等)のみが診療関連情報または電子カルテ情報を取得することができる。これにより、例えば電子カルテ情報をアップロードした利用者が、その電子カルテ情報に対応する患者の要望に従って診療関連情報を提供することもできる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えばクラウドサーバ1が、端末装置2において生成されクラウドサーバ1へ送信された診療関連情報を記憶し、当該診療関連情報を端末装置3へ送信する機能を有するものであってもよい。この場合、クラウドサーバ1は、第1利用者により作成された診療関連情報を、第1利用者識別情報に対応づけて記憶する第1利用者作成診療関連情報記憶部(図示せず)と、端末装置2から送信される診療関連情報を取得し、取得した診療関連情報を、第1利用者識別情報に対応づけて第1利用者作成診療関連情報記憶部に記憶させる第1利用者作成診療関連情報取得部と、を備えるものとすればよい。そして、診療関連情報通知部116は、第1利用者作成診療関連情報記憶部が記憶する第1利用者により作成された診療関連情報を端末装置3へ送信するものとすればよい。例えば図10に示すように、まず、端末装置2の利用者が、端末装置2の入力部に対して前述の診療情報提供書、退院時サマリ、健康診断結果報告書、有害事業報告書等を入力する操作を行い、入力した内容をクラウドサーバ1に登録するための診療関連情報登録操作を行ったとする。この場合、端末装置2が、診療関連情報登録操作により入力された登録対象の診療情報提供書等の内容を示す診療関連情報を生成し(ステップS2001)、生成された診療関連情報が、端末装置2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS2002)。一方、クラウドサーバ1は、診療関連情報を取得すると、取得した診療関連情報を第1利用者作成診療関連情報記憶部に記憶させる(ステップS2003)。次に、第1利用者作成診療関連情報記憶部が記憶する診療関連情報が、クラウドサーバ1から端末装置3へ送信される(ステップS2004)。一方、端末装置3は、診療関連情報を取得すると、取得した診療関連情報に基づいて、前述の診療関連情報通知画像を形成して表示部に表示させる(ステップS2005)。続いて、端末装置3の利用者が、表示部に表示された診療関連情報通知画像を確認した後、そのフォーマットの変更のために端末装置3の入力部に対して新たに前述の診療関連情報要求操作を行ったとする。この場合、端末装置3が、診療関連情報要求操作の操作内容に応じて、前述のフォーマット情報と端末装置3の利用者の認証情報とを含む診療関連情報要求情報を生成し(ステップS4)、前述のステップS5以降の一連の処理が実行される。
【0032】
本構成によれば、端末装置2において生成された診療関連情報の内容を端末装置3において確認した後、端末装置3において、端末装置3の利用者の所望するフォーマットに変更して端末装置3に表示させることが可能となる。
【0033】
実施の形態において、クラウドサーバ1が、診療関連情報要求情報の送信元の端末装置3の属性に応じて、診療関連情報に含めることができる情報をフィルタリングするフィルタリング部(図示せず)を備えるものであってよい。この場合、クラウドサーバ1は、診療関連情報をフィルタリングする際のフィルタリングポリシを示すフィルタリングポリシ情報を、利用者識別情報に対応づけて記憶するフィルタリングポリシ記憶部(図示せず)を備えればよい。フィルタリングポリシ情報としては、例えば「投薬に関連する医療情報を削除する」等が挙げられ、例えば患者または患者の親族の利用者識別情報に対応づけられる。ここで、フィルタリング部は、フィルタリングポリシ記憶部が記憶するフィルタリングポリシ情報を参照して、診療関連情報生成部115により生成された診療関連情報に含まれる医療情報、診療日情報を適宜フィルタリング(削除)して診療関連情報を再生成し、再生成した診療関連情報を、診療関連情報要求情報に含まれる患者識別情報と診療関連情報を識別する診療関連情報識別情報と診療関連情報要求情報の送信元の端末識別情報とに対応づけて診療関連情報記憶部133に記憶させるようにすればよい。この場合、端末装置3は、例えば削除された医療情報をブランク表示或いは黒塗り表示したような診療関連情報通知画像を形成して表示部に表示させるようにすればよい。
【0034】
また、前述のフィルタリング部は、実施の形態で説明した電子カルテ閲覧要求情報の送信元の端末装置2、3の属性に応じて、電子カルテ選出部118が選出した電子カルテ情報の一部をフィルタリングするものであってもよい。そして、電子カルテ通知部119が、選出された電子カルテ情報をフィルタリングしてなる電子カルテ情報の一部のみを端末装置2、3へ送信するものであってもよい。ここで、フィルタリング部は、例えば電子カルテ閲覧要求情報の送信元が患者または患者の親族が所持する端末装置3である場合、フィルタリングポリシ記憶部が記憶するフィルタリングポリシ情報を参照してフィルタリングを行うが、電子カルテ閲覧要求情報の送信元が医療機関に設置された端末装置2である場合、フィルタリングを実行しないものであってもよい。このようにすることで、医療機関に設置された端末装置2には、電子カルテ情報の全体が含まれる電子カルテ閲覧画像が表示されるが、患者等が所持する端末装置3には、電子カルテ情報の一部のみが含まれる電子カルテ閲覧画像が表示されるようにすることができる。
【0035】
本構成によれば、端末装置2、3の利用者の属性に応じて、端末装置2、3の表示部に表示される診療関連情報通知画像または電子カルテ情報を介した利用者への医療情報の開示レベルを変えることができる。
【0036】
実施の形態では、クラウドサーバ1において、診療関連情報通知部116が、前述の診療関連情報を、前述の診療関連情報要求情報の送信元の端末装置2、3へ送信し、電子カルテ通知部119が、電子カルテ情報を電子カルテ閲覧要求情報の送信元の端末装置2、3へ送信する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、診療関連情報通知部116が、診療関連情報を、診療関連情報要求情報の送信元の端末装置2、3とは異なる端末装置へ送信したり、電子カルテ通知部119が、電子カルテ情報を、電子カルテ閲覧要求情報の送信元の端末装置2、3とは異なる端末装置へ送信したりするものであってもよい。
【0037】
ここで、本変形例に係る電子カルテ管理システムの動作について、図11を参照しながら説明する。なお、図11において、実施の形態と同様の処理については図8と同一の符号を付している。図11に示すように、本変形例では、端末装置2、3とは異なる、クラウドサーバ1と通信可能な端末装置3004が存在する。まず、実施の形態で説明したステップS1からS3までの一連の処理が実行された後、端末装置3の利用者が、端末装置3の入力部に対して、診療関連情報の送信先である端末装置3004を指定する操作を含む診療関連情報要求操作を行ったとする。この場合、端末装置3が、診療関連情報要求操作の操作内容に応じて、前述のフォーマット情報と認証情報とともに、利用者が指定した診療関連情報の送信先を識別する指定送信先識別情報を含む診療関連情報要求情報を生成し(ステップS3001)、生成された診療関連情報要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS3002)。一方、クラウドサーバ1が、端末装置3から送信される診療関連情報要求情報を取得し、取得した診療関連情報要求情報に含まれる認証情報に基づいて認証に成功したと判定したとする(ステップS6)。この場合、ステップS7およびS8の一連の処理が実行される。次に、クラウドサーバ1は、診療関連情報を生成し、生成した診療関連情報を診療関連情報記憶部133に記憶させる。このとき、クラウドサーバ1は、診療関連情報要求情報に含まれる指定送信先識別情報に基づいて、診療関連情報の送信先である端末装置3004を特定する(ステップS3003)。続いて、生成された診療関連情報が、クラウドサーバ1から特定された送信先である端末装置3004へ送信される(ステップS3004)。一方、端末装置3004は、診療関連情報を取得すると、取得した診療関連情報を、自装置が備える記憶部に記憶させる(ステップS3005)。その後、端末装置3004の利用者が、端末装置3004の入力部に対して、診療関連情報を表示させる診療関連情報表示操作を行ったとする。この場合、端末装置3004は、記憶部が記憶する診療関連情報に基づいて、前述の診療関連情報通知画像を形成して表示部に表示させる。
【0038】
また、端末装置3の利用者が、端末装置3の入力部に対して、電子カルテを表示させる端末装置3004を指定して電子カルテ情報を指定した端末装置3004へ送信することを要求する電子カルテ要求操作を行ったとする。この場合、端末装置3が、電子カルテ要求操作に応じて、診療関連情報識別情報と診療日時情報と認証情報とともに、利用者が指定した電子カルテ情報の送信先を識別する指定送信先識別情報を含む電子カルテ要求情報を生成し(ステップS3006)、生成された電子カルテ要求情報が、端末装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS3007)。一方、クラウドサーバ1は、端末装置3から送信される電子カルテ要求情報を取得し、取得した電子カルテ要求情報に含まれる認証情報に基づいて、認証に成功したと判定したとする(ステップS14)。この場合、クラウドサーバ1は、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、通知された電子カルテ要求情報に含まれる診療関連情報識別情報に対応する患者識別情報と診療日情報との組み合わせに対応する電子カルテ情報を選出する。このとき、クラウドサーバ1は、電子カルテ要求情報に含まれる指定送信先識別情報に基づいて、電子カルテ情報の送信先である端末装置3004を特定する(ステップS3008)。次に、選出された電子カルテ情報が、クラウドサーバ1から特定した電子カルテ情報の送信先の端末装置3004へ送信される(ステップS3009)。一方、端末装置3は、電子カルテ情報を取得すると、取得した電子カルテ情報を、自装置が備える記憶部に記憶させる(ステップS3010)。その後、端末装置3004の利用者が、端末装置3004の入力部に対して、電子カルテを表示させる電子カルテ表示操作を行ったとする。この場合、端末装置3004は、記憶部が記憶する電子カルテ情報に基づいて、前述の電子カルテ閲覧画像を形成して表示部に表示させる。
【0039】
なお、クラウドサーバ1は、診療関連情報を、診療関連情報要求情報の送信元の端末装置2、3とは異なる端末装置3004へ送信する機能、または、電子カルテ情報を、電子カルテ閲覧要求情報の送信元の端末装置2、3とは異なる端末装置3004へ送信する機能のいずれか一方のみを有するものであってもよい。
【0040】
本構成によれば、複数の利用者間で診療関連情報、電子カルテ情報を授受し易くなるので、複数の利用者間での診療関連情報、電子カルテ情報の活用が促進されるという利点がある。
【0041】
実施の形態において、電子カルテ要求情報が、患者識別情報を含むものであってもよい。この場合、電子カルテ選出部118は、電子カルテ記憶部131が記憶する電子カルテ情報の中から、電子カルテ閲覧要求情報に含まれる患者識別情報に対応づけられた電子カルテ情報を選出するものであってもよい。
【0042】
実施の形態において、診療関連情報のフォーマット情報が、医療情報の表示形式が時系列またはプロブレム別のいずれであるかと、電子カルテ情報からの医療情報の抽出方法がキーワードまたは当該キーワードを含む文節のいずれに基づいて抽出するかと、によって指定されるものであってもよい。
【0043】
実施の形態において、フォーマット情報が、電子カルテ情報の中から、病症名情報および処方情報を優先的に抽出されるように設定されているものであってもよい。この場合、クラウドサーバ1が、病症名情報および処方情報を優先的に抽出して診療関連情報を自動的に生成するものであってもよい。
【0044】
実施の形態において、フォーマット情報が、診療関連情報に含まれる文字数を示す文字数情報を含み、クラウドサーバ1が、フォーマット情報に含まれる文字数情報が示す文字数以内で収まるように診療関連情報を生成するものであってもよい。
【0045】
実施の形態において、電子カルテ記憶部131が、電子カルテ情報を、その電子カルテ情報が作成された作成日を含む名称が付与されたディレクトリまたは当該作成日を含む名称が付与された電子ファイルとして記憶しているものであってもよい。
【0046】
実施の形態において、電子カルテ記憶部131が、電子カルテ情報とともに、その診療日に発生したイベントの記事情報を、互いに対応づけて記憶しているものであってもよい。また、電子カルテ記憶部131が、電子カルテ情報とともに、その診療日における薬剤等のオーダリング情報を、互いに対応づけて記憶しているものであってもよい。
【0047】
実施の形態におけるクラウドサーバ1の機能が、互いにネットワークNW1を介して通信可能な複数の物理サーバにより実現されていてもよい。
【0048】
実施の形態において、電子カルテ記憶部131が、クラウドサーバ1とは異なる他の電子カルテ管理サーバから取得するものであってもよい。或いは、電子カルテ取得部111が、クラウドサーバ1とは異なる他の電子カルテ管理サーバから電子カルテ通知情報を取得するものであってもよい。
【0049】
また、本発明に係るクラウドサーバ1の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するクラウドサーバ1を構成してもよい。
【0050】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS(Bulletin Board System))にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行するクラウドサーバ1として機能する。
【0051】
以上、本発明の各実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、医療現場において電子カルテ情報とともに、電子カルテ情報に基づいて生成される診療関連情報を管理するシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0053】
1:クラウドサーバ、2,3:端末装置、101:CPU、102:主記憶部、103:補助記憶部、106:通信部、109:バス、111:電子カルテ取得部、112:診療関連情報要求取得部、113:認証部、114:医療情報抽出部、115:診療関連情報生成部、116:診療関連情報通知部、117:電子カルテ閲覧要求取得部、118:電子カルテ選出部、119:電子カルテ通知部、131:電子カルテ記憶部、132:医療情報記憶部、133:診療関連情報記憶部、134:認証情報記憶部、NW1:ネットワーク
図1
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図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11