IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

特開2024-170324サービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170324
(43)【公開日】2024-12-06
(54)【発明の名称】サービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20241129BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20241129BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20241129BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q10/02
G01C21/26 P
G08G1/005
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024122973
(22)【出願日】2024-07-30
(62)【分割の表示】P 2024538497の分割
【原出願日】2023-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】小林 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】河合 克哉
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 啓太
(72)【発明者】
【氏名】西口 隆行
(72)【発明者】
【氏名】鶴 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村橋 悠介
(72)【発明者】
【氏名】朝比奈 努
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L010
5L050
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA04
2F129CC16
2F129EE79
2F129EE87
2F129EE90
2F129EE91
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
5H181AA14
5H181AA21
5H181BB13
5H181FF13
5H181FF33
5H181MA28
5H181MA30
5L010AA03
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】オンデマンド型モビリティシステムの利用に関するユーザの空き時間の有効利用を図ることができるサービス提供装置を得ること。
【解決手段】本開示にかかるサービス提供装置1は、予約により手配され複数の停留所を含む運行経路を走行する車両3-1~3-nを利用するユーザの空き時間を取得し、空き時間を用いて、空き時間にユーザに対して提供されるサービスであって、車両3-1~3-nが運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するサービス決定部12と、サービス決定部12による決定結果に基づいて、決定されたサービスをユーザに提供するための処理を行う提示情報生成部13と、を備え、空き時間は、手配された車両3-1~3-nの到着をユーザが待っている時間である待ち時間、およびユーザが車両3-1~3-nを利用している時間である利用時間の少なくともいずれか一方を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約により手配され複数の停留所を含む運行経路を走行する移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、前記空き時間を用いて、前記空き時間に前記ユーザに対して提供されるサービスであって、前記移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するサービス決定部と、
前記サービス決定部による決定結果に基づいて、決定された前記サービスを前記ユーザに提供するための処理を行うサービス処理部と、
を備え、
前記空き時間は、手配された前記移動体の到着を前記ユーザが待っている時間である待ち時間、および前記ユーザが前記移動体を利用している時間である利用時間の少なくともいずれか一方を含む、ことを特徴とするサービス提供装置。
【請求項2】
前記サービス決定部は、前記空き時間を用いて、ユーザに提示する提示情報を決定し、
前記サービス処理部は、前記決定結果に基づいて、前記提示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載のサービス提供装置。
【請求項3】
前記ユーザが前記予約に用いた予約端末に前記提示情報を送信する送受信部、を備え、
前記予約端末は前記提示情報を表示することを特徴とする請求項2に記載のサービス提供装置。
【請求項4】
前記送受信部は、さらに、前記提示情報を前記移動体に搭載され前記提示情報を表示可能な移動体端末へ送信することを特徴とする請求項3に記載のサービス提供装置。
【請求項5】
前記サービス決定部は、前記空き時間を用いて、前記提示情報の情報量を決定することを特徴とする請求項3または4に記載のサービス提供装置。
【請求項6】
前記サービス決定部は、前記待ち時間および前記利用時間を用いて、前記提示情報の情報量を決定することを特徴とする請求項5に記載のサービス提供装置。
【請求項7】
前記移動体は車両であり、
前記サービス決定部は、前記待ち時間がしきい値未満の場合には、前記提示情報を、前記ユーザが前記車両に乗車する停留所である乗車停留所からの距離が第1の距離までの範囲である第1の範囲内の施設または場所に関する情報とし、前記待ち時間がしきい値以上の場合には、前記提示情報を、前記乗車停留所からの距離が前記第1の距離より長い第2の距離までの範囲である第2の範囲内の施設または場所に関する情報とするように、前記提示情報を決定することを特徴とする請求項3または4に記載のサービス提供装置。
【請求項8】
前記第2の範囲は、前記乗車停留所に隣接する停留所を含むように設定されることを特徴とする請求項7に記載のサービス提供装置。
【請求項9】
前記サービス決定部は、前記乗車停留所より、前記乗車停留所に隣接する停留所に近い施設または場所に関する情報を前記提示情報に含めることを決定した場合、前記車両の予約の変更を受付ける表示を前記予約端末に行わせるための表示情報を生成し、
前記送受信部は、前記表示情報を前記予約端末へ送信することを特徴とする請求項8に記載のサービス提供装置。
【請求項10】
前記サービス決定部は、前記乗車停留所より、前記乗車停留所に隣接する停留所に近い施設または場所に関する情報を前記提示情報に含めることを決定した場合、前記乗車停留所から乗車する場合における前記待ち時間を予約待ち時間とし、乗車する停留所を前記乗車停留所に隣接する停留所に変更した場合の待ち時間である経路変更待ち時間を取得し、前記予約待ち時間と前記経路変更待ち時間とを前記予約端末に表示させるための待ち時間表示情報を生成し、
前記送受信部は、前記待ち時間表示情報を前記予約端末へ送信することを特徴とする請求項8に記載のサービス提供装置。
【請求項11】
前記サービス決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する目的に基づいて前記提示情報を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項12】
前記サービス決定部は、前記予約における前記移動体による前記ユーザの移動が終了する終了場所を取得し、さらに前記終了場所を用いて前記提示情報を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項13】
前記サービス決定部は、前記終了場所に基づいて前記ユーザの目的を推定し、前記目的に基づいて前記提示情報を決定することを特徴とする請求項12に記載のサービス提供装置。
【請求項14】
前記移動体は車両であり、前記終了場所は、前記ユーザが降車する停留所である降車停留所であり、
前記サービス決定部は、前記降車停留所より、前記降車停留所に隣接する停留所に近い施設または場所に関する情報を前記提示情報に含めることを特徴とする請求項12に記載のサービス提供装置。
【請求項15】
前記サービス決定部は、前記移動体が運行される運行エリアを含む地域における地元住民から提供された地域提供情報のなかから、前記提示情報に含める前記地域提供情報を選択することでユーザに提示する前記提示情報を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項16】
前記地元住民ごとに、前記地元住民の前記地域提供情報に関する実績に基づいて前記地元住民に支払うインセンティブの額を算出する支払額算出部、
を備えることを特徴とする請求項15に記載のサービス提供装置。
【請求項17】
前記サービス処理部は、前記サービス決定部による決定結果に基づいて、前記ユーザに付加サービスを提供する付加サービス移動体を手配するための処理を行い、
前記サービス決定部は、前記空き時間を用いて、手配する前記付加サービス移動体と前記付加サービス移動体が手配される場所とを決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項18】
前記付加サービス移動体は移動販売を行う移動販売車を含み、
前記サービス決定部は、前記待ち時間が第1のしきい値以上の場合に、前記移動販売車を前記移動体による前記ユーザの移動が開始される開始場所へ手配することを決定することを特徴とする請求項17に記載のサービス提供装置。
【請求項19】
前記付加サービス移動体はゴミ箱を搭載する移動ゴミ箱車を含み、
前記サービス決定部は、前記待ち時間が第2のしきい値以上の場合に、前記移動ゴミ箱車を前記移動体による前記ユーザの移動が開始される開始場所へ手配することを決定することを特徴とする請求項17に記載のサービス提供装置。
【請求項20】
前記付加サービス移動体はトイレを搭載する移動トイレ車を含み、
前記サービス決定部は、前記待ち時間が第3のしきい値以上の場合に、前記移動トイレ車を前記移動体による前記ユーザの移動が開始される開始場所へ手配することを決定することを特徴とする請求項17に記載のサービス提供装置。
【請求項21】
前記付加サービス移動体はトイレを搭載する移動トイレ車を含み、
前記サービス決定部は、前記待ち時間が第3のしきい値以上でありかつ前記利用時間が第4のしきい値以上の場合に、前記移動トイレ車を前記開始場所へ手配することを決定することを特徴とする請求項20に記載のサービス提供装置。
【請求項22】
前記付加サービス移動体はトイレを搭載する移動トイレ車を含み、
前記サービス決定部は、前記利用時間がしきい値以上の場合に、前記移動トイレ車を、前記移動体による前記ユーザの移動が開始される開始場所へ手配することを決定し、
前記サービス処理部は、前記サービス決定部による決定結果に基づいて前記移動トイレ車を手配するための処理を行うことを特徴とする請求項17に記載のサービス提供装置。
【請求項23】
送受信部、を備え、
前記サービス決定部は、前記空き時間がしきい値以上である場合、前記ユーザに前記移動体が運行される運行エリアを含む地域における地元住民とのコミュニケーションを前記サービスとして提供することを決定し、登録されている前記地元住民から前記ユーザに対応する前記地元住民を選択し、
前記サービス処理部は、前記サービス決定部によって選択された前記地元住民の端末装置と、前記ユーザが前記予約に用いた予約端末とを、前記ユーザと前記地元住民とが前記コミュニケーションを行うことができるように接続するための情報であるアクセス情報を生成し、
前記送受信部は、前記アクセス情報を前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項24】
送受信部、を備え、
前記サービス決定部は、前記空き時間がしきい値以上である場合、前記ユーザに前記移動体が運行される運行エリアを含む地域における地元住民とのコミュニケーションを前記サービスとして提供することを決定し、登録されている前記地元住民から前記ユーザに対応する前記地元住民を選択し、
前記サービス処理部は、前記移動体による前記ユーザの移動が開始される開始場所へ、前記サービス決定部によって選択された前記地元住民を前記コミュニケーションのために移動させるための情報であるアクセス情報を生成し、
前記送受信部は、前記アクセス情報を前記サービス決定部によって選択された前記地元住民の端末装置へ送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項25】
送受信部、を備え、
前記サービス決定部は、前記利用時間がしきい値以上である場合、前記ユーザに前記移動体が運行される運行エリアを含む地域における地元住民とのコミュニケーションを前記サービスとして提供することを決定し、登録されている前記地元住民から前記ユーザに対応する前記地元住民を選択し、
前記サービス処理部は、前記予約により手配される前記移動体に、前記サービス決定部によって選択された前記地元住民を搭乗させるための情報であるアクセス情報を生成し、
前記送受信部は、前記アクセス情報を前記サービス決定部によって選択された前記地元住民の端末装置へ送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項26】
前記移動体は自動運転車両であり、
前記サービス決定部によって選択された前記地元住民は、搭乗する前記移動体のセーフティドライバーを兼ねることを特徴とする請求項25に記載のサービス提供装置。
【請求項27】
前記地元住民ごとに、前記地元住民の前記コミュニケーションに関する実績に基づいて前記地元住民に支払うインセンティブの額を算出する支払額算出部、
を備えることを特徴とする請求項23に記載のサービス提供装置。
【請求項28】
前記サービス決定部は、さらに、前記ユーザの属性を示す属性情報に基づいて前記ユーザに提供するサービスを決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のサービス提供装置。
【請求項29】
ユーザからの予約により手配され複数の停留所を含む運行経路を走行する移動体の運用を管理し、前記予約を要求する予約情報を用いて前記移動体の予約処理を行う運用管理装置と、
サービス提供装置と、
を備え、
前記サービス提供装置は、
前記運用管理装置から、前記予約処理の結果である予約結果を取得し、前記予約結果を用いて前記移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、前記空き時間を用いて、前記空き時間に前記ユーザに対して提供されるサービスであって、前記移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するサービス決定部と、
前記サービス決定部による決定結果に基づいて、決定された前記サービスを前記ユーザに提供するための処理を行うサービス処理部と、
を備え、
前記空き時間は、手配された前記移動体の到着を前記ユーザが待っている時間である待ち時間、および前記ユーザが前記移動体を利用している時間である利用時間の少なくともいずれか一方を含む、ことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項30】
前記ユーザからの入力を受付け、受付けた入力に基づいて前記予約情報を前記サービス提供装置へ送信する予約端末、
を備え、
前記サービス提供装置は、前記予約端末から受信した前記予約情報を前記運用管理装置へ送信することを特徴とする請求項29に記載のサービス提供システム。
【請求項31】
サービス提供装置におけるサービス提供方法であって、
予約により手配され複数の停留所を含む運行経路を走行する移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、前記空き時間を用いて、前記空き時間に前記ユーザに対して提供されるサービスであって、前記移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するステップと、
決定された前記サービスを前記ユーザに提供するための処理を行うステップと、
を含み、
前記空き時間は、手配された前記移動体の到着を前記ユーザが待っている時間である待ち時間、および前記ユーザが前記移動体を利用している時間である利用時間の少なくともいずれか一方を含む、ことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項32】
コンピュータシステムに、
予約により手配され複数の停留所を含む運行経路を走行する移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、前記空き時間を用いて、前記空き時間に前記ユーザに対して提供されるサービスであって、前記移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するステップと、
決定された前記サービスを前記ユーザに提供するための処理を行うステップと、
を実行させ、
前記空き時間は、手配された前記移動体の到着を前記ユーザが待っている時間である待ち時間、および前記ユーザが前記移動体を利用している時間である利用時間の少なくともいずれか一方を含む、ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体を利用するユーザへサービスを提供可能なサービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両をはじめとした移動体をオンデマンドで手配するオンデマンド型モビリティシステムでは、ユーザは、停留所に設置された停留所端末またはユーザの端末などから、移動体の利用の予約を行う。このようなオンデマンド型モビリティシステムでは、ユーザが搭乗することを予定している停留所などに、移動体が到着するまでに待ち時間が生じることがある。
【0003】
交通機関の待ち時間を利用する技術として、特許文献1には、列車を含む移動に関して経路探索を行ったユーザに、経路探索の結果、駅での列車の乗り換えでの待ち時間が発生する際に、その乗り換え場所と待ち時間とに応じた広告をユーザの端末に配信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-271283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、列車の乗り換え時の待ち時間にユーザに広告を提示することができる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、列車の時刻表に基づいて乗り換えの待ち時間を算出し、待ち時間に応じて駅の構内および駅周辺の施設の広告をユーザに提供しており、時刻表の定まっていないオンデマンド型モビリティシステムには適用できない。また、待ち時間と同じように、ユーザが移動体を利用して移動している時間である利用時間も、ユーザにとって有効活用できる可能性があるが、特許文献1では、利用時間(すなわち、移動体である列車に乗車している時間)の活用については言及されていない。このように、オンデマンド型モビリティシステムにおいて、ユーザの待ち時間や利用時間を有効活用することについては、これまで十分に検討されていなかった。なお、これらの待ち時間および利用時間のうちの少なくとも一方を、以下、空き時間と呼ぶ。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、オンデマンド型モビリティシステムの利用に関するユーザの空き時間の有効利用を図ることができるサービス提供装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるサービス提供装置は、予約により手配され複数の停留所を含む運行経路を走行する移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、空き時間を用いて、空き時間にユーザに対して提供されるサービスであって、移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するサービス決定部と、サービス決定部による決定結果に基づいて、決定されたサービスをユーザに提供するための処理を行うサービス処理部と、を備え、空き時間は、手配された移動体の到着をユーザが待っている時間である待ち時間、およびユーザが移動体を利用している時間である利用時間の少なくともいずれか一方を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかるサービス提供装置は、オンデマンド型モビリティシステムの利用に関するユーザの空き時間の有効利用を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1にかかるサービス提供システムの構成例を示す図
図2】実施の形態1の停留所端末の構成例を示す図
図3】実施の形態1の運用管理装置の構成例を示す図
図4】実施の形態1の車両の構成例を示す図
図5】実施の形態1のサービス提供システムにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図
図6】実施の形態1の停留所と周辺の施設との一例を示す模式図
図7】実施の形態1の地域提供情報記憶部に格納される地域提供情報の一例を示す図
図8】実施の形態1の提示規則情報の一例を示す図
図9】実施の形態1の提示規則情報の別の一例を示す図
図10】ニューラルネットワークの一例を示す模式図
図11】実施の形態1の予約端末における提示情報の表示画面の一例を示す図
図12】実施の形態1の予約端末における提示情報の表示画面の一例を示す図
図13】複数の経路の待ち時間を提示する場合の実施の形態1の予約端末における提示情報の表示画面の一例を示す図
図14】実施の形態1のサービス提供装置を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図
図15】実施の形態2にかかるサービス提供システムの構成例を示す図
図16】実施の形態2の運用管理装置の構成例を示す図
図17】実施の形態2のサービス提供システムにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図
図18】実施の形態2の手配規則情報の一例を示す図
図19】実施の形態2の手配規則情報の別の一例を示す図
図20】実施の形態2の変形例にかかるサービス提供システムの構成例を示す図
図21】実施の形態3にかかるサービス提供システムの構成例を示す図
図22】実施の形態3のサービス提供システムにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図
図23】実施の形態3のサービス提供システムにおけるサービス提供に関する動作の別の一例を示すシーケンス図
図24】実施の形態4にかかるサービス提供システムの構成例を示す図
図25】実施の形態4のサービス提供システムにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図
図26】実施の形態5にかかるサービス提供システムの構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施の形態にかかるサービス提供装置、サービス提供システム、サービス提供方法およびプログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。本実施の形態のサービス提供システム100は、サービス提供装置1と、運用管理装置2とを備える。運用管理装置2は、移動体の一例である車両3-1~3-n(nは1以上の整数)の運用を管理する管制装置である。以下、車両3-1~3-nを個別に区別せずに示すときには、車両3と記載する。図1では、車両3が複数台の例を示しているが車両3は1台以上であればよい。なお、図1では、サービス提供装置1と、運用管理装置2とが別に設けられているが、運用管理装置2内にサービス提供装置1が設けられてもよい。すなわち、運用管理装置2が、サービス提供装置1としての機能も有していてもよい。
【0012】
車両3は、運用管理装置2とともに、ユーザからの予約により移動体が手配されるモビリティシステム、すなわちオンデマンド型モビリティシステムを構成する。車両3は、ユーザからの予約によって手配される移動体の一例である。以下では、モビリティシステムにおける移動体が車両3である例を説明するが、移動体は、車両3に限定されず、船、航空機などであってもよく、ユーザを乗せて移動することが可能であればよい。本実施の形態のモビリティシステムは、定められた運行エリア内でモビリティサービスを提供する。運行エリアは、例えば、観光地であってもよいし、市街地であってもよいし、リゾート施設であってもよいし、ショッピングモール、アウトレットモールなどの大型商業施設であってもよいし、テーマパークなどであってもよい。運行エリアは、これらに限定されない。
【0013】
車両3は、運行エリア内で、複数の停留所を含む運行経路を運用管理装置2から受け取った運行計画に基づいて走行する。各停留所には、停留所端末4が設けられる。図1では、停留所端末4を1つ図示しているが、停留所端末4は停留所ごとに複数設けられる。ここでは、各停留所にそれぞれ停留所端末4が設けられる例を説明するが、運行エリア内に存在する複数の停留所のうちの一部の停留所にだけ停留所端末4が設けられてもよい。車両3は、自動運転車両であってもよく、運転手によって運転される車両であってもよい。また、モビリティシステムで用いられる車両3が複数台である場合、自動運転車両と、運転手によって運転される車両とが混在していてもよい。なお、車両3-1~3-nおよび停留所端末4のうち少なくとも一方をサービス提供システム100に含めてもよい。
【0014】
図1では、停留所端末4の周辺に、車両3を利用するユーザの一例であるユーザ7-1,7-2が存在する例を示している。例えば、ユーザ7-1は、停留所端末4を用いて車両3の予約を行い、ユーザ7-2は、ユーザ7-2のユーザ端末5、すなわちユーザ7-2が操作可能な端末装置であるユーザ端末5を用いて予約を行う。ユーザ端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどであるが、これらに限定されない。図1では、車両3のユーザを識別するために、7-1,7-2の符号を付しているが、車両3のユーザ一般を示すときには、符号を付さずに記載する。車両3の予約は、図1に示すように、停留所端末4を用いて行われてもよいし、ユーザが操作可能なユーザ端末5を用いて行われてもよい。停留所端末4を用いた予約が可能であるため、ユーザ端末5を所有していない高齢者なども車両3の配車を予約することができる。以下、車両3の配車の予約を行う停留所端末4およびユーザ端末5を、予約端末とも呼ぶ。ユーザ端末5をサービス提供システム100に含めてもよい。
【0015】
サービス提供装置1は、車両3の予約結果に基づいて、車両3を利用するユーザの空き時間を取得し、取得した空き時間を用いて予約結果に対応するユーザに提供するサービスを決定し、決定したサービスを提供する処理を実施する。当該サービスは、空き時間にユーザに対して提供されるサービスであって、車両3が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスである。これにより、サービス提供装置1は、オンデマンド型モビリティシステムにおけるユーザの空き時間の有効利用を図ることができる。また、ユーザによってサービスが利用されることにより、当該地域が活性化されることとなるため、サービスを提供する地域住民にとっても有益である。
【0016】
本実施の形態では、ユーザに提供するサービスが、ユーザへの情報の提供である例を説明する。ユーザへ提供する情報は、その予約された移動体の運行エリアを含む地域の情報であり、例えば、ユーザの乗車予定の停留所付近の施設の広告およびクーポンのうちの少なくとも一方、ユーザの目的地(降車予定の停留所)付近の施設の広告およびクーポンのうちの少なくとも一方、目的地の観光情報・イベント情報などのうちの少なくとも1つである。目的地は、ユーザの予約における移動体によるユーザの移動が終了する終了場所の一例である。施設は、例えば、店舗であるが、店舗に限らず、美術館、博物館などの店舗以外の施設であってもよい。また、観光情報は、例えば、観光スポットに関する情報、イベントに関する情報、名産品、特産品などに関する情報などのうちの少なくとも1つである。
【0017】
本実施の形態では、サービス提供装置1は、例えば、ユーザへ提供する情報を、運行エリアを含む地域の地元住民から提供された情報である地域提供情報から抽出する。地元住民は、運行エリア内に住んでいる人、運行エリア内の施設に勤務する人のうちの少なくとも一方を含む。また、地元住民は、運行エリアの周辺に住んでいる人、運行エリアの周辺の施設に勤務する人のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。すなわち、地元住民は、例えば、運行エリアを含む地域に住んでいるまたは勤務する人である。図1では、地元住民を2人図示しているが、地元住民の数に制約はなく、地域提供情報は1人以上の地元住民から提供されればよい。地域は、運行エリアと同一であってもよいし、運行エリアより広くてもよい。例えば、運行エリアがA市である場合、地域はA市とA市に隣接する市町村とを含んでいてもよい。
【0018】
地域提供情報は、例えば、地元住民が操作可能な端末装置6-1,6-2から送信されることで、サービス提供装置1に登録される。以下、端末装置6-1,6-2を個別に区別せずに示すときには端末装置6と記載する。端末装置6は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどであるが、これらに限定されない。図1では、地元住民と端末装置6とが1対1に対応する例を示しているが、複数の地元住民が1つの端末装置6を用いて地域提供情報を登録してもよいし、一人の地元住民が複数の端末装置6を用いて地域提供情報を登録してもよい。地域提供情報は、例えば、その地域における店舗(小売店や飲食店)の広告や、当該店舗で利用できるクーポン・商品券、その地域の観光情報・イベント情報等である。また、近年、アニメ(アニメーション)・漫画等のサブカルチャーを用いて振興を図る地域が多いことに鑑みて、例えば、地域提供情報は、有名なアニメや漫画の舞台となった場所に関する情報を含んでもよい。
【0019】
サービス提供装置1が、地元住民から提供された情報である地域提供情報から抽出した情報をユーザへ提供することで、地元住民の要望に沿った情報をユーザに提供することができ、運用エリアに対応する地域の活性化、地域振興を効率的に推進することができる。なお、サービス提供装置1における地域提供情報の収集方法は、地元住民から登録される例に限定されず、サービス提供装置1が、観光協会のデータベース、SNS(Social Networking Service)などのインターネット上の情報提供サイトから、対応する地域のイベント情報、施設に関する情報などを自動で収集してもよい。また、地域提供情報は、地元住民によって登録される情報と、サービス提供装置1が自動で収集した情報とが混在していてもよい。ここで、本実施の形態では、地域ごとにサービス提供装置1が設置されるものとする。ただし、本開示はかかる例に限定されず、複数の地域に対して1つのサービス提供装置1が割当てられてもよい。その場合、サービス提供装置1は、地域提供情報を地域ごとに区別して記憶し、予約されたモビリティの運行エリアに係る地域提供情報を抽出して、その予約したユーザに対して提供することになる。
【0020】
次に、サービス提供装置1の構成例について説明する。図1に示すように、サービス提供装置1は、送受信部11、サービス決定部12、提示情報生成部13、登録処理部14および地域提供情報記憶部15を備える。
【0021】
送受信部11は、他の装置との間で通信を行うことで、情報の送受信を行う。例えば、送受信部11は、予約端末(停留所端末4またはユーザ端末5)から車両3の予約を要求することを示す予約情報を受信すると、受信した予約情報を、サービス決定部12へ出力するとともに運用管理装置2へ送信する。予約情報は、例えば、乗車地(乗車予定の停留所)、目的地(降車予定の停留所)、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を含む。なお、予約情報において、乗車希望時刻が指定されてもよい。予約情報の詳細は後述する。乗車地は、移動体によるユーザの移動が開始される開始場所の一例である。また、送受信部11は、地元住民が端末装置6へ入力した地域提供情報を、端末装置6から受信すると、受信した地域提供情報を登録処理部14へ出力する。また、送受信部11は、運用管理装置2から、予約情報に基づいて行われた車両3の予約の結果である予約結果を受信すると、予約結果をサービス決定部12へ出力する。また、送受信部11は、提示情報生成部13から後述する提示情報を予約結果とともに受け取ると、受け取った提示情報を予約結果とともに予約端末へ送信する。さらに、当該提示情報が乗車時間にユーザに提供されるものである場合には、送受信部11は、受け取った提示情報を運用管理装置2へ送信してもよい。後述するように、当該提示情報は、運用管理装置2を介して車両3に送信され、車両端末34において車両3に乗車中のユーザに対して提示される。なお、この場合において、送受信部11は、運用管理装置2を介さずに直接車両3に提示情報を送信してもよい。
【0022】
サービス決定部12は、予約により手配される移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、当該空き時間を用いて、当該空き時間にユーザに対して提供されるサービスであって、移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定する。例えば、サービス決定部12は、送受信部11から受け取った予約結果を用いて、ユーザの待ち時間を算出し、待ち時間を用いてユーザに提供するサービスを決定する。ここで、待ち時間は、予約結果に含まれる車両3の乗車地への到着予定時刻に基づいて算出される。具体的には、サービス決定部12は、地域提供情報記憶部15に格納されているその予約に係る地域に関する地域提供情報のなかから、待ち時間に応じた地域提供情報をユーザに提供する地域提供情報として選択することで提示する情報の内容を決定し、決定結果を予約結果とともに提示情報生成部13へ出力する。例えば、サービス決定部12は、地元住民から提供された地域提供情報のなかから、待ち時間に応じた地域提供情報を提示情報に含める地域提供情報として選択することで、ユーザに提示する情報の内容を決定する。なお、サービス提供装置1が複数の地域に割当てられている場合には、サービス決定部12は、地域提供情報記憶部15に格納されている地域提供情報のなかから対応する地域に関する地域提供情報を抽出し、抽出した地域提供情報のなかから待ち時間に応じた地域提供情報をユーザに提供する地域提供情報として選択する。この場合、対応する地域は、予約結果(予約情報であってもよい)に含まれる開始場所(すなわち、乗車地である乗車予定の停留所)または終了場所(すなわち、目的地である降車予定の停留所)の情報に基づいて特定されてよい。待ち時間に応じた情報の決定方法の詳細については後述する。また、サービス決定部12は、送受信部11から受け取った予約結果を用いて乗車時間を算出し、さらに、乗車時間を用いてユーザに提供する情報を選択してもよい。また、サービス決定部12は、待ち時間、または待ち時間および乗車時間を、予約結果とともに、提示情報生成部13へ出力してもよい。
【0023】
また、サービス決定部12は、ユーザが車両3を利用する目的(乗車の目的または移動全体の目的)に基づいて提示情報を決定してもよい。ユーザの目的は、例えば、観光スポットの観光、スポーツ、買い物、飲食、ビジネスなどであるがこれらに限定されない。サービス決定部12は、終了場所の一例である目的地に基づいてユーザの目的を推定してもよい。例えば、特定の観光スポットの最寄の停留所がユーザの目的地である場合には、当該観光スポットの観光がユーザの目的であると推定してもよい。また、例えば、オフィスビルの最寄の停留所がユーザの目的地である場合には、ビジネスがユーザの目的であると推定してもよい。また、ユーザの目的は、予約情報に含まれていてもよく、この場合、サービス決定部12は、予約情報に含まれる目的を用いてユーザに提供する情報を選択する。
【0024】
提示情報生成部13は、サービス決定部12から受け取った決定結果に基づいて、決定されたサービスをユーザに提供するための処理を行うサービス処理部の一例である。提示情報生成部13は、サービス決定部12から受け取った決定結果に基づいて、提示情報を生成し、生成した提示情報をサービス決定部12から受け取った予約結果とともに送受信部11へ出力する。提示情報としては、地域提供情報として、例えば、乗車停留所または降車停留所の周辺の店舗店舗(小売店や飲食店)の広告や、当該店舗で利用できるクーポン・商品券、その手配された車両3の運行エリアを含む地域の観光情報・イベント情報等が、ユーザに対して提示される。また、ユーザの目的が、有名なアニメや漫画の舞台となった場所を巡ること(いわゆる聖地巡礼)である場合には、その場所に関する情報が、当該アニメや漫画と関連付けられて提示されてもよい。例えば、アニメや漫画においてその場所が登場した場面が説明されたり、当該アニメで登場人物を演じた声優の音声により情報が提示されたりしてもよい。提示情報生成部13は、さらに、待ち時間、または待ち時間および乗車時間を、送受信部11へ出力する。なお、ここでは、予約結果を提示情報生成部13が送受信部11へ出力する例を記載したが、これに限らず、サービス決定部12が予約結果を送受信部11へ出力してもよい。待ち時間、または待ち時間および乗車時間についても同様に、サービス決定部12が送受信部11へ出力してもよい。また、ここでは、予約結果とともに提示情報が予約端末へ送信される例を説明するが、予約結果と提示情報とはそれぞれ個別に予約端末へ送信されてもよい。
【0025】
登録処理部14は、送受信部11から地域提供情報を受け取ると、受け取った地域提供情報を地域提供情報記憶部15へ格納する。地域提供情報記憶部15は、地域提供情報を記憶する。サービス提供装置1が複数の地域に割当てられており、複数の地域における地域提供情報を一括して管理する場合には、地域提供情報記憶部15は、地域提供情報を地域ごとに区別して記憶する。登録処理部14は、例えば、送受信部11から受け取った地域提供情報に識別情報である情報番号を付与して地域提供情報記憶部15へ格納する。なお、情報番号の付与は必須ではなく、地域提供情報内の別の情報を用いて各地域提供情報が特定されてもよい。また、地域提供情報の受信に先だって、登録処理部14は、地域提供情報の登録用のフォームなどの登録用情報を生成し、生成した情報を送受信部11へ出力し、送受信部11が当該情報を端末装置6へ送信してもよい。この場合、地元住民は、端末装置6に表示された登録用のフォームなどにしたがって、地域提供情報を端末装置6に入力することができる。なお、地域提供情報の登録方法に特に制約はなく、登録処理部14が登録用のWebサイトの情報を、送受信部11を介して端末装置6へ提供し、地元住民がWebサイトにおいて地域提供情報を入力してもよいし、端末装置6に、地域提供情報の登録のためのアプリケーションソフトウェア(以下、アプリと略す)をインストールし、地元住民がアプリを起動して地域提供情報を入力してもよい。また、登録用のフォームなどを電子メールによって端末装置6へ送信し、端末装置6が電子メールによって地域提供情報をサービス提供装置1へ送信してもよい。
【0026】
次に、停留所端末4の構成例について説明する。図2は、本実施の形態の停留所端末4の構成例を示す図である。図2に示すように、停留所端末4は、予約情報生成部41、送受信部42、情報提示部43、ID取得部44および入力受付部45を備える。
【0027】
入力受付部45は、車両3の利用を希望するユーザからの予約を受付ける。具体的には、入力受付部45は、少なくとも目的地(降車予定の停留所)の入力を受付け、受付けた情報を予約情報生成部41へ出力する。入力受付部45が受付ける情報は、例えば、乗車予定の停留所である乗車地と、目的地とを含む。また、入力受付部45が受付ける情報は、乗車人数および目的のうち少なくとも一方を含んでいてもよい。なお、入力受付部45が受付ける情報は、少なくとも目的地を含んでいればよく、他の情報は停留所端末4が自動で設定してもよい。なお、入力受付部45は、ユーザの操作により入力を受付けてもよいし、ユーザが発する音声によって入力を受付けてもよい。
【0028】
例えば、停留所端末4は、乗車地については自身が設置されている停留所とし、乗車人数は一人としてもよい。なお、乗車人数を一人で固定する場合には、乗客ごとに、予約の入力を行う。また、停留所端末4は、乗車地、目的地および乗車人数を受付ける際に、乗車地および乗車人数を、デフォルト値として、それぞれ停留所端末4が設置されている停留所および一人を表示し、表示したデフォルト値を変更可能とすることで、変更された入力を受付けられるようにしてもよい。
【0029】
ID取得部44は、車両3を予約するユーザの識別情報であるユーザID(IDentifier)を取得し、取得したユーザIDを予約情報生成部41へ出力する。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報であればよく、車両3の予約のためにユーザに割当てられた識別情報であってもよいし、別のサービスで使用されている識別情報であってもよい。ユーザIDは、例えば、QRコード(登録商標)などの二次元コードとして紙に印刷されていてもよいし、二次元コードとしてユーザ端末5に表示されていてもよい。また、ユーザIDは、IC(Integrated Circuit)カードや磁気カードに記憶されていてもよいし、指紋、静脈、顔、光彩などの生体情報であってもよい。ID取得部44は、例えば、二次元コードを読み取るリーダーであってもよいし、ユーザIDが記憶されたICカードや磁気カードからユーザIDを読み取るカードリーダであってもよいし、ユーザの生体情報を読み取る生体情報読取装置であってもよい。また、ID取得部44は、ユーザからのユーザIDの入力を受付けることでユーザIDを取得してもよい。
【0030】
予約情報生成部41は、入力受付部45から受け取った情報とID取得部44から受け取ったユーザIDとを用いて予約情報を生成し、生成した予約情報を送受信部42へ出力する。入力受付部45が、ユーザID以外の予約情報に含まれる全ての情報の入力をユーザから受付けている場合には、予約情報生成部41は、入力受付部45から受け取った情報にユーザIDを付加することで予約情報を生成する。例えば、入力受付部45が、乗車地の入力を受付けていない場合には、予約情報生成部41は、入力受付部45から受け取った情報に、予約情報生成部41を備える停留所端末4が設置されている停留所を乗車地として付加するとともにユーザIDを付加することで予約情報を生成する。なお、各停留所端末4は、自身が設置されている停留所を示す情報を保持しているとする。
【0031】
送受信部42は、他の装置との間で通信を行うことで、情報の送受信を行う。例えば、送受信部42は、予約情報生成部41から受け取った予約情報をサービス提供装置1へ送信する。また、送受信部42は、サービス提供装置1から予約結果を受信すると、受信した予約結果および提示情報を情報提示部43へ出力する。
【0032】
情報提示部43は、送受信部42から受信した予約結果および提示情報をユーザへ提示する。情報提示部43は、表示装置であってもよいし、スピーカなどの音により情報を提示する装置であってもよいし、紙などに印刷することで情報を提示する装置であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0033】
なお、ここでは、停留所端末4を利用してユーザが車両3の予約を行い、予約結果が提示される際に、提示情報も併せて提示される例を説明したが、予約結果の提示と提示情報の提示とが異なるタイミングで行われてもよい。例えば、予約結果が表示され予約の処理が完了した後に、次の操作が行われるまで停留所端末4に提示情報が表示されていてもよい。また、複数のユーザが続けて停留所端末4を用いて予約を行う場合、例えば、それぞれのユーザの予約結果が表示され予約の処理が完了した後に、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の提示情報が、画面分割または時分割で、停留所端末4に表示されてもよい。
【0034】
図示を省略するが、ユーザ端末5は、停留所端末4と同様の構成である。なお、ユーザ端末5は、ID取得部44を備えずに、例えば、車両3の予約のためにユーザに割当てられたユーザIDを内部に保持していてもよい。この場合、予約情報生成部41は、入力受付部45から受け取った情報に、保持しているユーザIDを付加することで予約情報を生成する。また、ユーザ端末5に、車両3の予約のためのアプリがインストールされることで、ユーザ端末5が停留所端末4と同様の上記の処理を行ってもよいし、Webサイトを用いてユーザ端末5が停留所端末4と同様の上記の処理を行ってもよい。後者の場合、例えば、車両3の予約のためのWebサイトを、サービス提供装置1、運用管理装置2または図示しないWebサーバが提供し、ユーザ端末5がWebサイトにアクセスすることで、ユーザ端末5が停留所端末4と同様の動作を行ってもよい。すなわち、Webサイトとして表示された入力を促す画面において、ユーザがユーザ端末5を操作することで、ユーザ端末5の入力受付部45が予約情報の各項目の入力を受付けてもよい。この場合、ユーザ端末5は、予約情報生成部41を備えずに、入力された各情報が予約情報として送受信部42からサービス提供装置1へ送信され、ユーザIDは予約情報とは別に送受信部42から送信されてもよい。
【0035】
次に、運用管理装置2の構成例について説明する。図3は、本実施の形態の運用管理装置2の構成例を示す図である。図3に示すように、運用管理装置2は、手配処理部21、運行計画記憶部22、送受信部23および車両情報記憶部24を備える。
【0036】
送受信部23は、他の装置との間で通信を行うことで、情報の送受信を行う。例えば、送受信部23は、サービス提供装置1から予約情報を受信し、受信した予約情報を手配処理部21へ出力する。また、送受信部23は、車両3から車両3の現在位置を示す車両情報を受信し、受信した車両情報を車両情報記憶部24に格納する。また、送受信部23は、手配処理部21から後述する運行計画を受信すると、受信した運行計画を対応する車両3へ送信する。また、送受信部23は、手配処理部21から予約結果を受け取ると、予約結果をサービス提供装置1および対応する車両3へ送信する。また、例えば、送受信部23は、サービス提供装置1から提示情報を受信し、受信した提示情報を車両3へ送信する。
【0037】
車両情報記憶部24は、車両3ごとの車両情報を記憶する。運行計画記憶部22は、車両3ごとに、走行の予定を示す運行計画を記憶する。後述するように、運行計画は、ユーザからの予約に基づいて、すなわち予約端末から送信された予約情報に基づいて決定される。運行計画は、各時間帯に、車両3がどこに存在するかの予定がわかる情報であればよい。運行計画は、例えば、運行計画における各時間において、車両3が空き車両として車庫などの定められた位置に駐車されているのか、または運用中であるのかを示す情報である。また、運行計画は、例えば、車両3が運用中である場合には、何時にどの停留所に到着するのかを示す情報と、区間ごとの乗車予定人数を示す情報とを含む。
【0038】
手配処理部21は、サービス提供装置1から送信された予約情報を送受信部23から受け取ると、受け取った予約情報に基づいて車両3を手配して予約を確定させる予約処理を行う。具体的には、手配処理部21は、運行計画記憶部22に記憶されている車両3ごとの運行計画に基づいて、予約情報に対応する乗車地から目的地までの経路を走行することが可能でありかつ空席のある車両3を選択し、選択した車両3を予約情報に対応する予約に割当てる。また、手配処理部21は、予約処理に、車両情報記憶部24に格納されている車両3の現在位置を示す車両情報を用いてもよい。例えば、予約情報に対応する予約に割当て可能な車両3が複数存在する場合には、現在位置が乗車地に最も近い車両3を選択してもよい。ここでは、予約情報に乗車希望時刻が含まれず、予約が行われた時点から最早の時刻で車両3の手配が行われる例を説明したが、上述したように、予約情報において乗車希望時刻が指定されてもよい。予約情報において乗車希望時刻が指定される場合、手配処理部21は、例えば、乗車希望時刻に乗車地を出発して目的地まで走行することができる車両3を、予約情報に対応する予約に割当てる。乗車希望時刻に乗車地を出発して目的地まで走行することができる車両3が存在しない場合には、手配処理部21は、乗車希望時刻になるべく近い時刻に乗車地を出発して目的地まで走行することができる車両3を、予約情報に対応する予約に割当てる。なお、車両3の割当て方法はどのような方法を用いてもよく、一般的な方法を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【0039】
手配処理部21は、割当てる車両3を決定すると、当該車両3の現在位置に基づいて、車両3の乗車地への到着予定時刻と、車両3の目的地への到着予定時刻と、ユーザIDとを含む予約結果を生成し、生成した予約結果を送受信部23へ出力する。なお、手配処理部21は、交通情報を提供する図示しないシステムから送受信部23を介して渋滞情報を取得し、渋滞情報を用いて車両3の乗車地への到着予定時刻と、車両3の目的地への到着予定時刻とを算出してもよい。また、手配処理部21は、各車両3の車両情報に基づいて運行計画を更新してもよい。手配処理部21は、予約結果に座席を指定する情報を含めてもよい。また、手配処理部21は、予約結果に、車両3を識別する車両識別情報を含めてもよい。これにより、ユーザは、車両3が到着したときに、自身が予約した車両3であるか否かを判断することができる。
【0040】
なお、ここでは、予約情報が予約端末からサービス提供装置1へ送信される例を示しているが、予約情報は予約端末から運用管理装置2へ送信されてもよい。この場合、運用管理装置2が予約結果とともに予約情報をサービス提供装置1へ送信してもよい。または、予約情報に含まれており予約結果に含まれない情報がない場合、または予約情報に含まれており予約結果に含まれない情報があっても、サービス提供装置1が当該情報を処理に用いない場合には、運用管理装置2は予約情報をサービス提供装置1へ送信しなくてもよい。
【0041】
また、運用管理装置2とサービス提供装置1とが一体化されている場合、すなわち運用管理装置2がサービス提供装置1としての機能も有する場合には、運用管理装置2とサービス提供装置1とのやりとりは装置内でのやりとりとなる。この場合、装置内の情報のやりとりは、送受信部11および送受信部23を介さなくてもよい。また、この場合、他の装置との送受信に関しては、送受信部23が送受信部11の機能も兼ねることで、送受信部11が設けられなくてもよい。
【0042】
次に、車両3の構成例について説明する。図4は、本実施の形態の車両3の構成例を示す図である。図4に示すように、車両3は、車両搭載装置31、ID取得装置32、走行制御装置33、車両端末34-1~34-m(mは1以上の整数)、機器35および位置取得部36を備える。なお、図4では、車両3が自動運転車両である例を示しているが、車両3は、自動運転車両に限定されない。
【0043】
ID取得装置32は、車両3に乗車するユーザのユーザIDを取得し、取得したユーザIDを車両搭載装置31へ出力する。ID取得装置32は、停留所端末4のID取得部44と同様に、二次元コードを読み取るリーダーであってもよいし、ユーザIDが記憶されたICカードや磁気カードからユーザIDを読み取るカードリーダであってもよいし、ユーザの生体情報を読み取る生体情報読取装置であってもよい。例えば、ユーザIDが二次元コードで示されている場合は、ユーザは、車両3に乗車する際に、二次元コードが印刷された紙または二次元コードが表示されたユーザ端末5をID取得装置32にかざす。これにより、ID取得装置32は、車両3に乗車するユーザのユーザIDを取得する。なお、上述したように、ユーザIDは二次元コード以外で提示されてもよい。
【0044】
車両端末34-1~34-mのそれぞれは、受信部341および提示部342を備える。車両端末34-1~34-mのそれぞれは、移動体に搭載され提示情報を表示可能な移動体端末の一例である。受信部341は、車両搭載装置31から制御情報を受信し、受信した制御情報を提示部342へ出力する。提示部342は、受信部341から受け取った制御情報に基づいて、表示および音の出力のうち少なくとも一方を行うことでユーザに情報を提示する。車両端末34-1~34-mは、例えば、車両3内の各座席の前に設置されるが、車両端末34-1~34-mの設置位置はこれに限定されない。以下、車両端末34-1~34-mを個別に区別せずに示すときには、車両端末34と記載する。
【0045】
車両搭載装置31は、運用管理装置2から受信した情報に基づき、車両3の運行を制御する。図4に示すように、車両搭載装置31は、送受信部311、予約結果記憶部312および予約照合部313を備える。
【0046】
送受信部311は、他の装置との間で通信を行うことで、情報の送受信を行う。例えば、送受信部311は、運用管理装置2から予約結果を受信し、受信した予約結果を予約結果記憶部312に格納する。また、送受信部311は、運用管理装置2から運行計画を受信すると、受信した運行計画を走行制御装置33へ送信する。また、送受信部311は、走行制御装置33から車両3の現在位置を受信すると、受信した現在位置を車両情報として運用管理装置2へ送信する。また、送受信部311は、サービス提供装置1から運用管理装置2を介して提示情報を受信すると、予約照合部313へ出力する。なお、提示情報は、運用管理装置2を介さずに、サービス提供装置1の送受信部11から直接車両搭載装置31の送受信部311に送信されてもよい。また、送受信部311は、予約照合部313から提示情報を受信すると提示情報を宛先の車両端末34へ送信する。予約結果記憶部312は、予約結果を記憶する。
【0047】
予約照合部313は、ID取得装置32から受け取ったユーザIDの照合を行い、予約されたユーザであるか否かを判定し、予約されたユーザでないと判定した場合には、ユーザにその旨を通知する。具体的には、予約照合部313は、ID取得装置32から受け取ったユーザIDが、予約結果記憶部312に記憶されている予約結果に含まれるユーザIDと一致するか否かを判定し、一致する場合に予約されたユーザであると判定し、一致しない場合に予約されたユーザでないと判定する。また、予約照合部313は、ユーザIDだけでなく、さらに、予約結果に含まれる乗車地が現在停車している停留所と一致するかを判定してもよく、ユーザIDと乗車地とが予約結果と整合するときに、予約されたユーザであると判定してもよい。予約照合部313は、エラー音を発したり、エラー表示を行ったりすることでユーザに通知してもよいし、例えば、図示しない出力装置により予約されていないことを通知し、出力装置が、音および表示の少なくとも一方によりエラーを通知してもよい。なお、当該通知は、ユーザだけでなく車両3の搭乗員に対してなされてもよい。
【0048】
また、予約照合部313は、送受信部311から提示情報を受け取ると、予約結果記憶部312から、提示情報に含まれるユーザIDに対応する予約結果を読み出し、当該予約結果に基づいて、提示情報を提示させる車両端末34を選択する。予約照合部313は、選択した車両端末34を宛先として提示情報を送受信部311へ出力する。例えば、車両端末34が座席ごとに設けられ、予約時に座席が指定され、サービス提供装置1から送信される提示情報にユーザIDが含まれる例を説明する。この場合、予約照合部313は、ユーザIDに対応する予約結果に含まれる座席に対応する車両端末34を、提示情報を提示させる車両端末34として選択する。また、予約照合部313は、予約結果に基づいて、予約結果に対応する乗車期間(乗車地から目的地まで)の間、提示情報を提示するように、車両端末34へ指示してもよい。なお、ここでは、予約照合部313が提示情報を提示させる車両端末34を選択したが、これに限らず、サービス提供装置1が各車両3の座席と車両端末34との対応を保持し、提示情報生成部13が各車両3の予約結果に基づいて座席に対応する車両端末34を決定し、決定した車両端末34を提示情報の宛先として指定してもよい。この場合、提示情報は、サービス提供装置1から車両搭載装置31の送受信部311を介して車両端末34へ送信されてもよいし、サービス提供装置1から車両端末34へ送信されてもよい。
【0049】
また、座席が指定されない場合には、予約照合部313は、提示情報を提示させる車両端末34を選択せずに、全車両端末34に提示情報を提示させてもよい。この場合も、予約照合部313は、提示情報に含まれるユーザIDに対応する予約結果に対応する乗車期間の間、提示情報を提示するように、車両端末34へ指示してもよい。また、この場合、複数の予約結果にそれぞれ対応するユーザが、車両3に同乗する重複乗車期間がある場合は、重複乗車期間の間は、各ユーザに対応する提示情報を、画面分割により表示するよう車両端末34に指示してもよいし、時分割により提示(表示および音で出力のうち少なくとも一方)するよう車両端末34に指示してもよい。なお、このような車両端末34に対する画面分割による表示、時分割による提示などの制御は、予約照合部313が行う例に限定されず、サービス提供装置1の提示情報生成部13が画面分割による表示、時分割による提示などの提示方法を決定し、提示方法も含めた提示情報が提示情報生成部13から車両3へ送信されてもよい。この場合、提示情報は、サービス提供装置1から車両搭載装置31の送受信部311を介して車両端末34へ送信されてもよいし、サービス提供装置1から車両端末34へ送信されてもよい。
【0050】
位置取得部36は、車両3の現在位置を取得し、取得した現在位置を走行制御装置33へ送信する。位置取得部36は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を備え測位を行うことで車両の現在位置を取得するが、現在位置の取得方法はこれに限定されない。機器35は、車両3の走行のためのアクセル、ブレーキ、ハンドルなどの機器であり、走行制御装置33によって制御される。走行制御装置33は、車両搭載装置31から受信した運行計画と位置取得部36から取得した現在位置とに基づいて、機器35を制御することで、運行計画にしたがって車両3を走行させる。なお、例えば、走行制御装置33は、車載レーダーなど各種の図示しないセンサによって取得された情報を用いて車両3の走行を制御するが、走行制御装置33における自動運転のための制御はどのような制御方法で行われてもよく、詳細な説明は省略する。なお、図4では、位置取得部36が取得した現在位置が、走行制御装置33を介して車両搭載装置31に送信される例を示しているが、これに限らず、現在位置は位置取得部36から車両搭載装置31に送信されてもよい。
【0051】
なお、ここでは、ユーザがユーザIDを車両3の乗車時に提示することで、車両3を予約したユーザであるか否かが判定される例を説明するが、車両3の乗車時の確認がユーザID以外の方法で行われてもよい。例えば、予約結果に予約を識別する予約IDが含まれ、ユーザがこの予約IDを取得して車両3の乗車時に提示する(すなわち、ID取得装置32による読み取りを行う)構成としてもよい。この場合、停留所端末4およびユーザ端末5は、ID取得部44を備えなくてよく、予約情報にユーザIDを含めなくてよい。また、この場合、停留所端末4は、予約IDを紙などに印刷することでユーザに提示してもよいし、予約IDを表示してもよいし、予約IDを音声で伝えてもよい。また、この場合、ユーザ端末5を用いて予約を行ったユーザは、予約IDをユーザ端末5に表示させることで、車両3の乗車時に予約IDを提示してもよい。予約IDは、二次元コードで示されてもよい。なお、車両3の予約の確認方法は、上述した例に限定されず、どのような方法を用いてもよく、車両3の予約の確認方法に応じて、車両3の予約に関する処理は適宜変更可能である。例えば、ID取得装置32を用いずに、車両3の搭乗員が目視で印刷されたユーザIDや予約IDを確認することで、予約の照合を行ってもよい。また、車両3に乗車する際の予約の確認が行われなくてもよい。この場合、車両3は、ID取得装置32を備えていなくてもよく、車両搭載装置31は予約の照合を行わなくてもよい。
【0052】
また、図4では、自動運転車両を例に挙げて説明したが、車両3が運転手によって運転される場合には、例えば、車両搭載装置31は受信した運行計画を、運転手が確認することが可能な図示しない表示装置に出力する。これにより運転手は、運行計画に基づいて車両3を走行させる。または、運行計画は、運転手の携帯する図示しない端末装置に送信され、端末装置に表示されてもよい。
【0053】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図5は、本実施の形態のサービス提供システム100におけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図である。図5に示すように、地元住民が端末装置6を操作することで、端末装置6から地域提供情報がサービス提供装置1へ送信される(ステップS1)。
【0054】
サービス提供装置1は、地域提供情報を受信すると、受信した地域提供情報を登録する(ステップS2)。詳細には、送受信部11が地域提供情報を受信し、登録処理部14が、地域提供情報を地域提供情報記憶部15に格納する。なお、上述したように、地域提供情報の受信に先だって、端末装置6に入力用フォームなどの登録用の情報が送信されてもよい。
【0055】
サービス提供装置1は、予約端末(停留所端末4またはユーザ端末5)から、予約情報を受信する(ステップS3)と、受信した予約情報を運用管理装置2へ送信する(ステップS4)。なお、図5では、ステップS1,S2の後に、ステップS3が実施される例を示しているが、ステップS1,S2が実施されるタイミングと、ステップS3が実施されるタイミングとの関係は任意であり、図5に示した例に限定されない。また、上述したように、地域提供情報は端末装置6から登録される例に限定されず、サービス提供装置1が自動で取得してもよい。
【0056】
運用管理装置2は、予約情報を受信すると、車両3の予約処理を行う(ステップS5)。詳細には、送受信部23が予約情報を受信し、手配処理部21が、予約情報に基づいて車両3を手配して予約を確定させる予約処理を行い、予約結果を送受信部23へ出力する。
【0057】
運用管理装置2は、予約結果をサービス提供装置1へ送信する(ステップS6)。詳細には、送受信部23が予約結果をサービス提供装置1へ送信する。なお、図5では図示を省略しているが、運用管理装置2は、予約処理において車両3の運行計画を生成し、生成した運行計画と予約結果とを車両3へ送信する。
【0058】
サービス提供装置1は、予約結果を受信すると、予約結果に基づいて待ち時間を算出する(ステップS7)。詳細には、送受信部11が予約結果を受信し、サービス決定部12が、予約結果を用いて、ユーザの待ち時間を算出する。待ち時間は、車両3がユーザの乗車地に到着するまでの時間であり、例えば、現在時刻から予約結果に含まれる到着予定時刻(乗車予定の停留所への車両3の到着時刻)までの時間である。
【0059】
次に、サービス提供装置1は、待ち時間に基づいて提示情報を決定する(ステップS8)。詳細には、サービス決定部12が、空き時間の一例である待ち時間を用いて、地域提供情報記憶部15に格納されている地域提供情報からユーザに提供する提示情報(提示情報の内容)を決定し、決定結果を予約結果とともに提示情報生成部13へ出力する。決定結果は、例えば、提示情報として選択する地域提供情報の情報番号により指定されてもよいし、他の地域提供情報内の後述する名称などにより指定されてもよい。また、地域提供情報に対して例えばデータの削減などなんらかの処理を要する場合には、決定結果は、当該処理の内容も含む。
【0060】
ここで、サービス決定部12における待ち時間に基づいた提示情報の決定方法の詳細について説明する。本実施の形態では、サービス決定部12は、例えば、待ち時間が短い場合には、ユーザの乗車予定の停留所周辺の施設および場所であって予想滞在時間の短い施設および場所に関する地域提供情報を提示情報として選択する。予想滞在時間は、地域提供情報ごとにあらかじめ定めておいてもよいし、例えば小売店であれば予想滞在時間が短いと想定するなど施設および場所の種別によってあらかじめ定めておいてもよい。また、待ち時間が長い場合には、ユーザの乗車予定の停留所周辺の施設および場所であって予想滞在時間の長い施設および場所に関する地域提供情報を提示情報として選択してもよいし、ユーザの乗車予定の停留所から離れた施設および場所に関する地域提供情報を提示情報として選択してもよい。また、サービス決定部12は、待ち時間を用いて、提示情報の長さ、すなわち提示情報の情報量(データ量)を決定してもよい。例えば、短い場合には、提示情報を短く、すなわち提示情報の情報量を少なくし、待ち時間が長い場合には、提示情報を長く、すなわち提示情報の情報量を多くしてもよい。また、待ち時間だけでなく、乗車時間も考慮されて、提示情報が決定されてもよい。
【0061】
例えば、サービス決定部12は、待ち時間がしきい値未満の場合には、提示情報を、乗車停留所からの距離が第1の距離までの範囲である第1の範囲内の施設または場所に関する情報とし、待ち時間がしきい値以上の場合には、提示情報を、乗車停留所からの距離が第2の距離までの範囲である第2の範囲内の施設または場所に関する情報とするように、提示情報を決定する。第2の距離は、第1の距離より長い。また、第2の範囲は、乗車停留所に隣接する停留所を含むように設定されてもよい。
【0062】
図6は、本実施の形態の停留所と周辺の施設との一例を示す模式図である。図6に示した停留所端末4-1,4-2,4-10,4-11,4-12は、それぞれが図1に示した停留所端末4であり、それぞれに対応する停留所に設置されている。図6に示した例では、予約結果において、乗車地(乗車停留所)が停留所端末4-1に対応する停留所(停留所#1とする)であり、目的地(降車停留所)が停留所端末4-11に対応する停留所(停留所#11とする)である。すなわち、この予約結果におけるユーザの乗車区間は、停留所端末4-1に対応する停留所#1から停留所端末4-11に対応する停留所#11までである。また、停留所端末4-2に対応する停留所(停留所#2とする)は、乗車地である停留所#1から目的地である停留所#11に至る経路上において停留所#1に隣接する停留所(すなわち、経路上、乗車停留所から1つ先の停留所)であり、停留所端末4-10に対応する停留所(停留所#10とする)は、当該経路上において停留所#11に隣接する停留所(すなわち、経路上、降車停留所より1つ前の停留所)である。さらに、停留所端末4-12に対応する停留所(停留所#12とする)は、上記経路からは外れているものの、停留所#11に隣接する停留所(車両3の運行ルートにおいて、停留所#11の次に位置する停留所)である。なお、乗車停留所は、ユーザの移動が開始される開始場所の一例である。
【0063】
予約結果における乗車地および目的地が、図6に示す例である場合、サービス決定部12は、例えば、待ち時間に応じて、乗車地である停留所#1または目的地である停留所#11の周辺に対応する地域提供情報を提示情報として選択する。具体的には、例えば、サービス決定部12は、待ち時間ごとの提示情報の条件を定めた提示規則情報にしたがって、地域提供情報記憶部15に格納されている地域提供情報を用いて、待ち時間に応じた提示情報を決定する。提示規則情報は、待ち時間(または待ち時間および乗車時間)と提供するサービスとの対応を示す規則情報の一例である。提示規則情報は、例えば、テーブル形式の情報であるがこれに限定されない。
【0064】
図7は、本実施の形態の地域提供情報記憶部15に格納される地域提供情報の一例を示す図である。図7では、各地域提供情報は、地域提供情報を識別するための識別情報である情報番号が付加された後に、地域提供情報記憶部15に格納される例を示している。図7に示した例では、地域提供情報は、登録者(登録した地元住民の識別情報)、名称(施設または場所の名称)、種別(施設または場所の種別)、内容(情報の種類)、最寄停留所、位置、提示データを含む。また、図7に示した例では、最寄停留所は、停留所の番号(停留所番号)によって示されているがこれに限らず、停留所の名称または略称などで示されてもよい。例えば、停留所番号は、図6に示した停留所端末の符号4-1,4-2などの枝番号が停留所番号に対応しているとする。位置は、緯度経度で示されてもよいし、例えば、定められた基準点を原点とした座標系などで示されてもよく、位置の表現方法はどのようなものであってもよい。また、図7に示した例では、提示データは、電子ファイル名によって示され、電子ファイルが別に存在する例を示しているが、提示データの内容自体が直接含まれていてもよい。また、提示データは、情報量に応じた複数の種類のデータを含んでいてもよい。例えば、情報量の少ない電子ファイルと、当該電子ファイルより情報量の多い電子ファイルとの2種類が提示データに含まれていてもよい。
【0065】
なお、地域提供情報のデータ構成は、図7に示した例に限定されず、地域提供情報に、地域提供情報の提供者を示す情報が含まれていてもよい。地域提供情報は、提示規則情報を用いた判断に使用される情報と、提示データを示す情報とが少なくとも含まれていればよく、図7に示した項目のうちの一部が含まれていなくてもよく、図7に示した項目以外の項目が含まれていてもよい。各地域提供情報を識別するための情報は、情報番号であってもよいし、名称であってもよい。
【0066】
図8は、本実施の形態の提示規則情報の一例を示す図である。図8に示す例では、提示規則情報は、テーブル形式の情報であり、待ち時間ごと(待ち時間の範囲ごと)の選択条件を含む。図8に示した例では、提示規則情報は、待ち時間がTW1未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D1までの範囲の小売店の地域提供情報を選択し、待ち時間がTW1以上TW2(TW2>TW1)未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D2までの範囲の小売店の地域提供情報を選択し、待ち時間がTW2以上TW3(TW3>TW2)未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D2までの範囲の飲食店の地域提供情報を選択するという選択条件を含む。このように、図8に示した例では、待ち時間の範囲ごとに、予約した乗車停留所から提示情報として選択する施設または場所までの距離と、小売店、飲食店といった種別とに関する選択条件が定められる。なお、各停留所の位置は、サービス決定部12が保持しているか、または、図示を省略した記憶部に格納されているとする。
【0067】
詳細には、例えば、種別ごとに一般的な滞在時間(所要時間)を定めておくとともに、D1,D2などの距離(距離のしきい値)と、TW1,TW2などの待ち時間のしきい値とをあらかじめ定めておく。例えば、小売店での一般的な滞在時間を10分とし、TW1を15分として定めた場合、D1は5分で往復できる距離、例えば200m程度に設定する。また、D2については、乗車停留所に隣接する停留所の周辺を含むように決定してもよい。例えば、乗車停留所に隣接する停留所までの距離を800mとするとき、D2を800mより長い例えば900mに設定することで、乗車停留所に隣接する停留所の周辺の小売店を含むようにしてもよい。このように、隣接する停留所の周辺の小売店の地域提供情報をユーザに提示することで、ユーザの回遊を促進することができ、車両3の運行エリアの活性化を図ることができる。
【0068】
なお、D2を乗車停留所に隣接する停留所の周辺も含むように決定する場合、乗車停留所から一定距離以上離れた小売店に関しては、隣接する停留所の距離がD1未満となる小売店だけを選択するようにしてもよい。また、図8に示した例では、待ち時間がTW1以上TW2未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D2までの範囲の小売店の地域提供情報を選択するようにしているが、これに限らず、待ち時間がTW1以上TW2未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D1以上距離D2までの範囲の小売店の地域提供情報を選択するようにしてもよい。また、例えば、飲食店での一般的な滞在時間を45分とした場合、45分にある程度の移動時間を加えてTW2を50分として設定してもよい。なお、図8に示した例では、待ち時間がTW2以上TW3未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D2までの範囲の小売店の地域提供情報を選択するという選択条件としているが、飲食店についても、さらに待ち時間に応じて距離D1までと距離D2までとに細分化してもよい。また、小売店と飲食店とを組み合わせて、選択条件を決めてもよい。例えば、待ち時間がTW1未満の場合には、予約した乗車停留所から、距離D1までの範囲の小売店の地域提供情報を選択し、待ち時間がTW1以上TW2未満であれば、予約した乗車停留所から、距離D2までの範囲の小売店の地域提供情報と距離D1までの範囲の飲食店の地域提供情報とのうち少なくとも一方を選択するという選択条件を設定してもよい。
【0069】
例えば、図6に示した例では、停留所端末4-1の設置されている停留所である停留所#1が乗車地であり、停留所端末4-1の周辺に小売店および飲食店が存在し、停留所#1に隣接する、停留所端末4-2に対応する停留所#2の周辺にも小売店および飲食店が存在する。このとき、例えば、待ち時間がTW1未満の場合には、停留所#1の周辺の小売店に対応する地域提供情報が提示情報として選択される。待ち時間がTW1以上TW2未満の場合には、停留所#1の周辺の小売店だけでなく、停留所#2の周辺の小売店に対応する地域提供情報が提示情報として選択される。また、待ち時間がTW2以上TW3未満の場合には、停留所#1の周辺の飲食店、および停留所#2の周辺の飲食店に対応する地域提供情報が提示情報として選択される。
【0070】
また、乗車停留所に隣接する停留所の周辺の地域提供情報が提示情報として選択されて提示され、ユーザが興味を持って、これらの地域提供情報に対応する店舗などを訪れるとする。この場合、予約結果に含まれる当初の乗車停留所ではなく、当該店舗などの最寄の停留所から車両3に乗車する方がユーザにとって効率的な場合がある。したがって、乗車停留所に隣接する停留所の周辺の地域提供情報が提示情報として提示される場合には、予約端末が、予約変更を受付けるような表示を行ってもよい。予約変更を受付ける表示の例と予約変更の詳細については後述する。
【0071】
なお、D1,D2などの距離(距離のしきい値)と、TW1,TW2などの待ち時間のしきい値とは、乗車停留所ごとに設定されてもよいし、乗車停留所によらず共通の値として設定されてもよい。また、上述した数値および各しきい値の決定方法は、一例であり、数値および各しきい値の決定方法は上述した例に限定されない。例えば、種別として、小売店と飲食店だけでなく、観光スポット、美術館なども一般的な滞在時間を決めておき、選択条件に含めるようにしてもよい。
【0072】
また、図8では、待ち時間を3段階以上に区分しているがこれに限定されず、例えば、TW1未満とTW1以上の2つの区分としてもよい。また、図8では、選択条件として、種別と乗車停留所からの距離との両方を、待ち時間の範囲に応じて変更しているが、いずれか一方だけを変更してもよい。例えば、待ち時間がTW1未満の場合には、乗車停留所からの距離が一定距離未満の施設および場所の地域提供情報を、種別と関係なく選択し、待ち時間がTW1以上の場合には、乗車停留所からの距離が一定距離以上の施設および場所の地域提供情報を、種別と関係なく選択するように、提示規則情報を定めてもよい。また、待ち時間がTW1未満の場合には、距離に関係なく、小売店の地域提供情報を選択し、待ち時間がTW1以上の場合には、距離に関係なく、飲食店の地域提供情報を選択するように、提示規則情報を定めてもよい。
【0073】
また、図8に示した例では、乗車地の周辺の小売店および飲食店の地域提供情報を選択するが、これに限らず、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報を選択するように、提示規則情報を定めてもよい。この場合、待ち時間に応じて乗車停留所からの距離を考慮する必要はないので、例えば、上述したように、待ち時間に応じて提示情報の情報量を変えてもよい。例えば、待ち時間に応じて、選択する地域提供情報の数を定めてもよいし、上述したように、地域提供情報の提示データとして情報量ごとの提示データを定めておくことで、待ち時間に応じて提示データが選択されるようにしてもよい。または、地域提供情報によって提示データの情報量が異なる場合には、提示データの情報量が、待ち時間に応じた情報量の制約を満たすように地域提供情報が選択されてもよい。
【0074】
目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報を選択するように、提示規則情報を定める場合、すなわち、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報を提示情報とする場合、目的地である降車停留所の周辺の施設や場所の地域提供情報だけでなく、降車停留所に隣接する停留所の周辺の施設や場所の地域提供情報を提示情報として含めるようにしてもよい。すなわち、サービス決定部12は、降車停留所より、降車停留所に隣接する停留所に近い施設または場所に関する情報を提示情報に含めてもよい。例えば、図6に示した例では、停留所#11が目的地であり、停留所#11の周辺に小売店および飲食店が存在し、停留所#11に隣接する、車両3の経路上停留所#11の1つ前に位置する停留所#10の周辺に小売店、美術館および飲食店が存在する。このとき、例えば、提示規則情報として、停留所#11の周辺の小売店および飲食店の地域提供情報を提示情報として選択するように提示規則情報が定められてもよいし、停留所#11に隣接する停留所#10の周辺の小売店、美術館および飲食店の地域提供情報も提示情報として選択するように提示規則情報が定められてもよい。これにより、ユーザの回遊を促すことができる。
【0075】
また、停留所#10の周辺の小売店、美術館および飲食店の地域提供情報の代わりに、または、停留所#10の周辺の小売店、美術館および飲食店の地域提供情報に加えて、停留所#11に隣接する、車両3の運行ルートにおいて停留所#11の1つ先に位置する停留所#12の周辺の飲食店の地域提供情報を提示情報として選択するように、提示規則情報を定めてもよい。または、停留所#11の周辺の施設や場所の地域提供情報が提示情報として選択されず、かつ、停留所#10および停留所#12のうちの少なくとも一方の周辺の施設や場所の地域提供情報を提示情報として選択するように、提示規則情報が定められることで、積極的にユーザの回遊を促してもよい。また、降車停留所に隣接する停留所の周辺の施設や場所の地域提供情報を提示情報として選択するように、提示規則情報を定める場合、乗車停留所に隣接する停留所の周辺の地域提供情報が提示情報として提示される場合と同様に、予約端末が、提示情報の提示の際に予約変更を受付けてもよい。
【0076】
例えば、待ち時間がTW1未満の場合には、2つの小売店に対応する地域提供情報を選択し、待ち時間がTW1以上TW2未満の場合には、4つの小売店に対応する地域提供情報を選択するといったように、待ち時間に応じて、選択する地域提供情報の数を、提示規則情報により定めておいてもよい。または、サービス決定部12が、待ち時間がしきい値未満の場合には、提示データの情報量が一定量未満の地域提供情報を選択し、待ち時間がしきい値以上の場合には、提示データの一定量以上の地域提供情報を選択するようにしてもよい。または、サービス決定部12が、待ち時間がしきい値未満の場合には、選択した地域提供情報における提示データのうちの一部を削除することでデータを削減することを決定し、待ち時間がしきい値以上の場合には、選択した地域提供情報における提示データ全体を提示するように決定してもよい。また、待ち時間ごとに、種別および距離の少なくとも一方に関する選択条件と情報量との両方を定めておいてもよい。
【0077】
また、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報を提示情報として選択する場合には、予約端末がユーザ端末5であれば、待ち時間の代わりに、待ち時間および乗車時間の両方に応じて、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報を選択するように、提示規則情報を定めてもよい。この場合、提示情報の送信先が、ユーザ端末5である場合と、停留所端末4である場合とのそれぞれに関して、提示規則情報が定められる。予約端末がユーザ端末5である場合、提示情報はユーザ端末5に表示されるため、ユーザは、待ち時間だけでなく乗車時間にも提示情報を確認することができる。このため、例えば、待ち時間+乗車時間に応じて、提示情報の情報量が決まるように提示規則情報が定められてもよい。また、待ち時間は情報量の決定では考慮されずに乗車時間に基づいて、提示情報の情報量が決定されてもよい。例えば、車両端末34に提示情報を送信する場合には、乗車時間に応じた情報量で、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報が選択されるように、提示規則情報を定めてもよい。
【0078】
また、乗車地の周辺の施設や場所の地域提供情報と、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報との両方を混在させて提示情報として選択するように、提示規則情報が定められてもよい。この場合も、例えば、乗車地の周辺の施設や場所の地域提供情報は待ち時間に応じて選択され、目的地の周辺の施設や場所の地域提供情報は、乗車時間に応じて選択されてもよいし待ち時間に応じて選択されてもよい。
【0079】
図9は、本実施の形態の提示規則情報の別の一例を示す図である。図9に示した例では、提示規則情報は、待ち時間および乗車時間ごとの、選択する地域提供情報を示す。例えば、図9に示すように、選択する地域提供情報は、待ち時間および乗車時間ごとの情報番号を含む。例えば、オペレータなどが、地域提供情報の種別、位置などに応じて、待ち時間および乗車時間の区分ごとに、どの地域提供情報を選択するかを決定し、提示規則情報として定めておく。図9の例の場合には、提示規則情報は、停留所ごとに定められる。なお、図9に示した例では、待ち時間および乗車時間ごとに、選択する地域提供情報が示されているが、乗車時間が考慮されずに、待ち時間に応じて地域提供情報が選択される場合にも、図9に示した例と同様に、選択する地域提供情報が定められてもよい。また、提示規則情報として、待ち時間および乗車時間ごとに、図8に示した例と同様に選択条件が定められてもよい。図8および図9は、例示であり、具体的な提示規則情報の形式および内容は、図8および図9に示した例に限定されない。
【0080】
また、提示規則情報は、過去の実績を用いて決定されてもよい。例えば、乗車停留所および待ち時間と、提示情報として提示された地域提供情報のうち有効であった地域提供情報を示す情報のデータセットを複数取得し、取得した複数のデータセットを用いて統計処理を行うことで、テーブル形式の提示規則情報が決定されてもよい。有効であった地域提供情報は、例えば、当該地域提供情報を含む提示情報が送信された後に、ユーザが実際に、対応する施設または場所を訪れた地域提供情報であり、有効でなかった地域提供情報は、ユーザが実際に、対応する施設または場所を訪れなかった地域提供情報である。ユーザが実際に訪れた施設または場所は、例えば、提示情報を送信した後のユーザ端末5の位置情報に基づいて推定されてもよいし、提示情報がクーポンを含む場合には、クーポンが使用された実績をクーポンが使用された店舗から取得することで推定されてもよい。ユーザが実際に訪れた施設または場所が推定できると、推定した施設または場所に対応する地域提供情報を特定することができる。例えば、待ち時間を複数段階に区分しておき、乗車停留所および待ち時間の区分の組み合わせごとに、有効であった地域提供情報を計数し、計数結果の数値の大きい順に定められた個数の地域提供情報を選択するように、提示規則情報を決定してもよい。また、有効であった地域提供情報を、種別および乗車停留所のうち少なくとも1つに基づいてグループ分けし、グループ単位で有効であった地域提供情報を計数することで、計数結果の数値の大きいグループの地域提供情報を選択するように、提示規則情報を決定してもよい。
【0081】
また、乗車停留所、目的地および待ち時間と、提示情報として提示された地域提供情報が有効であったか否かの結果とのデータセットを用いて同様に、提示規則情報が決定されてもよい。または、目的地、乗車時間および待ち時間と、提示情報として提示された地域提供情報が有効であったか否かの結果とのデータセットを用いて同様に、提示規則情報が決定されてもよいし、目的地および乗車時間と、提示情報として提示された地域提供情報が有効であったか否かの結果とのデータセットを用いて同様に、提示規則情報が決定されてもよい。
【0082】
また、提示規則情報は、過去の実績を用いて機械学習を行うことで決定されてもよい。すなわち、提示規則情報は、教師あり学習に生成された学習済モデルであってもよい。例えば、上述したデータセットを複数取得し、取得した複数のデータセットを用いて、教師あり学習により、学習済モデルを生成してもよい。例えば、乗車停留所および待ち時間と、提示情報として提示された地域提供情報が有効であったか否かの結果とのデータセットが取得される場合には、乗車停留所および待ち時間が特徴量(入力データ)であり、提示情報として提示された地域提供情報のうち有効であった地域提供情報を示す情報が、特徴量に対応する正解データとなる。特徴量は、上述したように、乗車停留所、目的地および待ち時間であってもよいし、目的地、乗車時間および待ち時間であってもよいし、目的地および乗車時間であってもよい。また、上述したように、地域提供情報を種別および乗車停留所のうち少なくとも1つに基づいてグループ分けし、グループ単位での当該グループに当該グループに属する地域提供情報が有効であったか否かを示す結果を正解データとして用いてもよい。学習済モデルは、サービス提供装置1におけるサービス決定部12によって生成されてもよいし、サービス提供装置1における図示しない学習部により生成されてもよいし、サービス提供装置1とは別の図示しない学習装置によって生成されてもよい。
【0083】
教師あり学習のアルゴリズムとしては、どのようなものを用いてもよいが、例えば、ニューラルネットワークモデルを用いることもできる。ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、および複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層、または2層以上でもよい。
【0084】
図10は、ニューラルネットワークの一例を示す模式図である。例えば、図10に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1-X3)に入力されると、その値に重みW1(w11-w16)を掛けて中間層(Y1-Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21-w26)を掛けて出力層(Z1-Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1の値と重みW2の値とによって変わる。
【0085】
本実施の形態においては、特徴量が入力されたときの出力層からの出力が正解データに近づくように、重みW1と重みW2とを調整することで、特徴量と正解データとの関係が学習される。なお、機械学習のアルゴリズムはニューラルネットワークに限定されない。
【0086】
サービス決定部12は、推論時、すなわち、提示情報を決定する際には、学習済モデルに、予約結果から抽出した特徴量を入力することで、有効な地域提供情報を取得し、取得した有効な地域提供情報を提示情報に決定する。グループ単位での結果を正確データとして用いる場合には、学習済モデルに、予約結果から抽出した特徴量を入力すると、有効なグループを取得することができるため、有効なグループに属する地域提供情報のなかから選択した地域提供情報を提示情報に決定する。この選択は、情報量に基づいて行われてもよいし、距離(乗車停留所からの距離)に基づいて行われてもよいし、その他の情報に基づいて行われてもよく、どのような方法で行われてもよい。
【0087】
図5の説明に戻る。ステップS8の後、サービス提供装置1は、提示情報を生成する(ステップS9)。詳細には、提示情報生成部13が、サービス決定部12から受け取った決定結果に基づいて提示情報を生成し、生成した提示情報を予約結果とともに送受信部11へ出力する。また、提示情報生成部13は、待ち時間、または待ち時間および乗車時間を、予約結果とともに送受信部11へ出力してもよい。ここでは、提示情報が予約結果とともに予約端末へ送信される例を示すが、予約結果と提示情報とは異なるタイミングで送信されてもよい。例えば、提示情報生成部13は、図7に例示した地域提供情報のうち、サービス決定部12から受け取った決定結果に対応する地域提供情報の提示データを含む提示情報を生成する。この場合、待ち時間、または待ち時間および乗車時間は、予約結果とともに表示されてもよいし、提示情報とともに表示されてもよいし、予約結果とともに表示されかつ提示情報とともに表示されてもよい。
【0088】
サービス提供装置1は、生成した提示情報を予約端末へ送信する(ステップS10)。詳細には、送受信部11が、予約結果とともに提示情報を、運用管理装置2を介して、または直接予約端末へ送信する。また、サービス提供装置1は、生成した提示情報を車両端末34へ送信する(ステップS11)(図5では、直接車両端末34へ送信される場合を図示している)。詳細には、送受信部11が、提示情報を車両搭載装置31を介して車両端末34へ送信する。なお、図5では、サービス提供装置1は、提示情報を車両端末34にも送信しているが、これに限らず、例えば乗車時間が短く車両端末34において提示情報がユーザに提示されない場合には、提示情報は車両端末34に送信されなくてもよい。また、車両端末34に送信される提示情報と、予約端末に送信される提示情報とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、提示情報として目的地の周辺の地域提供情報が予約端末に送信される場合には、車両端末34にも当該提示情報が送信されてもよい。また、提示情報として乗車地の周辺の地域提供情報が予約端末に送信される場合には、車両端末34には目的地の周辺の地域提供情報が提示情報として送信されてもよい。
【0089】
予約端末は、受信した提示情報をユーザに提示する(ステップS12)。ユーザへの提示は、例えば、表示および音の出力のうち少なくとも一方により行われてもよいし、紙への印刷により行われてもよい。車両端末34は、受信した提示情報をユーザに提示する(ステップS13)。車両端末34におけるユーザへの提示は、例えば、表示および音の出力のうち少なくとも一方により行われる。なお、上述したように、予約端末が停留所端末4である場合、複数のユーザに対応する提示情報が画面分割または時分割により表示されてもよい。車両端末34についても、同様に、複数のユーザに対応する提示情報が画面分割または時分割により表示されてもよい。
【0090】
図11および図12は、本実施の形態の予約端末における提示情報の表示画面の一例を示す図である。図11に示した例では、予約結果が領域201に表示され、待ち時間(乗車までの待ち時間)が領域202に表示され、提示情報が領域203に表示される。この例では、停留所#1であるK停留所が乗車地であり、待ち時間が12分である。ここでは、例えば、図8に例示した提示規則情報が用いられ、TW1が15分であるとする。この場合、例えば、図11に示すように、領域203には、地域提供情報としてK停留所の周辺の小売店の広告が表示される。
【0091】
図12に示した例では、図11に示した例と同様に、予約結果が領域201に表示され、待ち時間が領域202に表示される。また、図12に示した例では、提示情報が領域204および領域205に表示される。図12に示した例では、待ち時間が1時間10分であり、図11に示した例より待ち時間が長い。図8に例示した提示規則情報が用いられ、TW2が50分であったとする。この場合、例えば、図12に示すように、領域204には、K停留所の周辺の飲食店に関する地域提供情報が表示され、領域205には、K停留所に隣接するG停留所の周辺の飲食店に関する地域提供情報が表示される。また、図12に示すように、店舗の予約を行うためのボタン206が表示されるように提示情報が生成されてもよい。ユーザが予約端末を操作することでボタン206を押下すると、店舗の予約画面に遷移する。また、図12では、領域205には、飲食店までの地図が表示されている。このように、提示情報として、地域提供情報に対応する施設または場所までの地図が表示されてもよい。地図は、地域提供情報の提示データに含まれていてもよいし、提示情報生成部13が、施設または場所の位置と図示しない地図情報記憶部に記憶されている地図情報とに基づいて生成して提示データに付加してもよい。図12では、領域205に、店舗の予約を行うためのボタン206および地図が表示されているが、領域204にも、同様に、店舗の予約を行うためのボタンおよび地図が表示されてもよい。図12に示すように、図11に示した例より、待ち時間が長い場合には、提示する地域提供情報の数を増やすことで情報量を増やしてもよい。
【0092】
また、図12に示した例では、乗車停留所に隣接する停留所の周辺の施設または場所の地域提供情報が表示されるため、予約変更を受付ける予約変更ボタン207も表示されている。ユーザが予約端末を操作することで予約変更ボタン207が押下されると、はじめに予約を受付ける処理と同様に、予約端末は、再度予約に関する情報の入力を受付け、予約情報をサービス提供装置1へ送信する。すなわち、サービス決定部12は、乗車停留所より、乗車停留所に隣接する停留所に近い施設または場所に関する情報を提示情報に含めることを決定した場合、車両3の予約の変更を受付ける表示を予約端末に行わせるための表示情報を生成し、送受信部11が、表示情報を予約端末へ送信してもよい。表示情報は、例えば、上述したように、予約変更ボタン207を表示するための情報であるが、表示方法はこの例に限定されない。このように、予約変更を受付ける予約変更ボタン207が表示されることで、ユーザは、提示情報に興味を持った場合に、予約する経路の変更がしやすくなり、ユーザの回遊を促進することができる。
【0093】
なお、再度予約に関する情報の入力を受付ける際には、現在の予約結果に対応する情報がデフォルト値として提示され、ユーザが変更したい項目を変更するようにしてもよい。また、このとき、図12の領域205に例示したように、現在の予約結果に対応する乗車地に隣接する停留所であるG停留所の周辺の地域提供情報が提示されている場合には、予約に関する情報の入力を受付ける画面で、乗車地としてG停留所があらかじめ入力されていてもよい。また、図12に示した例では、乗車地に基づく地域提供情報を提示しているが、目的地に基づく地域提供情報を提示する場合も、同様に、目的地の停留所に隣接する停留所の周辺の地域提供情報を提示する際に、予約変更を受付けてもよい。
【0094】
また、予約変更が行われると、待ち時間が変更になる場合もあり、乗車時間も変更になる場合がある。このため、サービス提供装置1は、変更後の予約情報に基づく予約結果を待ち時間とともに表示する際に、待ち時間(または待ち時間および乗車時間)を表示し、変更を取り消すためのボタンを表示してもよい。これにより、予約変更により待ち時間が増えてしまうなどのようにユーザにとって予約変更の結果が好ましくない場合に、ユーザは予約変更を容易に取り消すことができる。
【0095】
また、乗車停留所に隣接する停留所に対応する地域提供情報が提示される場合、乗車地を当該隣接する停留所に変更した場合の待ち時間をあらかじめ提示するようにしてもよい。すなわち、サービス決定部12は、乗車停留所より、乗車停留所に隣接する停留所に近い施設または場所に関する情報を提示情報に含めることを決定した場合、乗車停留所から乗車する場合における待ち時間を予約待ち時間とし、乗車する停留所を乗車停留所に隣接する停留所に変更した場合の待ち時間である経路変更待ち時間を取得し、予約待ち時間と経路変更待ち時間とを予約端末に表示させるための待ち時間表示情報を生成し、送受信部11が、待ち時間表示情報を予約端末へ送信してもよい。同様に、降車停留所に隣接する停留所に対応する地域提供情報が提示される場合、目的地を当該隣接する停留所に変更した場合の待ち時間(または待ち時間および乗車時間)をあらかじめ提示するようにしてもよい。このように、複数の経路の待ち時間(または待ち時間および乗車時間)をあらかじめ提示することで、ユーザが予約変更を行うか否かを判断しやすくなる。
【0096】
図13は、複数の経路の待ち時間を提示する場合の本実施の形態の予約端末における提示情報の表示画面の一例を示す図である。図13に示した例では、予約結果および待ち時間が領域208に表示され、予約変更を行った場合、すなわちルート変更を行った場合の待ち時間が領域209に表示され、予約変更を受付ける予約変更ボタン210が表示され、提示情報が領域211および領域205に表示される。このように、領域205および領域211にそれぞれ表示される地域提供情報の最寄の停留所を、乗車停留所および降車停留所にそれぞれ変更した場合の待ち時間を表示してもよい。また、図13に示した例では、乗車停留所および降車停留所のいずれか一方を変更した場合の待ち時間がユーザに提示される例を示しているが、乗車停留所および降車停留所の両方を変更したルートに関して待ち時間が提示されてもよい。
【0097】
ルート変更後の待ち時間(経路変更待ち時間)がユーザに提示される場合には、サービス決定部12は、予約情報を受信すると、決定した提示情報に応じてルート変更後の予約情報を仮予約情報として生成し、生成した仮予約情報を、送受信部11を介して運用管理装置2へ送信する。運用管理装置2は、仮予約情報に基づき、予約情報を受信した場合と同様に車両3の手配を行い、仮予約結果をサービス提供装置1へ送信する。なお、運用管理装置2は、仮予約結果については確定した予約とは扱わずに実際の車両3の手配には反映させない。サービス決定部12は、送受信部11を介して仮予約結果を受け取ると、仮予約結果に基づいて、ルート変更後の待ち時間を算出する。サービス決定部12は、予約情報に基づく提示情報の決定結果とともに、ルート変更後の待ち時間も提示情報生成部13へ出力する。提示情報生成部13は、提示情報および予約結果などを送受信部11へ送信する際に、ルート変更後の待ち時間も送受信部11へ出力する。これにより、予約端末によりルート変更後の待ち時間が提示される。同様に、ルート変更後の乗車時間がユーザに提示されてもよい。
【0098】
次に、本実施の形態のサービス提供装置1のハードウェア構成について説明する。本実施の形態のサービス提供装置1は、コンピュータシステム上で、サービス提供装置1における処理が記述されたプログラム(コンピュータプログラム)が実行されることにより、コンピュータシステムがサービス提供装置1として機能する。図14は、本実施の形態のサービス提供装置1を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図14に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
【0099】
図14において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、本実施の形態のサービス提供装置1における処理が記述されたプログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムの使用者が、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータ、などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。制御部101および記憶部103は、例えば、処理回路を構成する。処理回路は、1つの回路であってもよいし複数の回路であってもよい。表示部104は、ディスプレイ、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムの使用者に対して各種画面を表示する。なお、入力部102と表示部104が一体化され、タッチパネルなどにより実現されてもよい。通信部105は、通信処理を実施する受信機および送信機である。出力部106は、プリンタ、スピーカなどである。なお、図14は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図14の例に限定されない。例えば、コンピュータシステムは出力部106を備えていなくてもよい。
【0100】
ここで、本実施の形態のプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、プログラムの実行時に、記憶部103から読み出されたプログラムが記憶部103の主記憶領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態のサービス提供装置1としての処理を実行する。
【0101】
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、サービス提供装置1における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
【0102】
本実施の形態のプログラムは、例えば、コンピュータシステムに、予約により手配される移動体を利用するユーザの空き時間を取得し、空き時間を用いて、空き時間にユーザに対して提供されるサービスであって、移動体が運行される運行エリアを含む地域に関するサービスを決定するステップと、決定されたサービスをユーザに提供するための処理を行うステップと、を実行させる。
【0103】
図1に示したサービス決定部12、提示情報生成部13および登録処理部14は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。サービス決定部12、提示情報生成部13および登録処理部14の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図1に示した送受信部11は、図14に示した通信部105により実現される。また、地域提供情報記憶部15は、図14に示した記憶部103の一部である。図1に示したサービス提供装置1は複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。例えば、サービス提供装置1は、クラウドシステムにより実現されてもよい。
【0104】
また、図3に示した運用管理装置2も、コンピュータシステムにより実現される。例えば、図3に示した手配処理部21は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。手配処理部21の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図3に示した送受信部23は、図14に示した通信部105により実現される。また、図3に示した運行計画記憶部22および車両情報記憶部24は、図14に示した記憶部103の一部である。図3に示した運用管理装置2は複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。例えば、運用管理装置2は、クラウドシステムにより実現されてもよい。また、上述したように、サービス提供装置1と運用管理装置2とは一体化されていてもよい。
【0105】
また、図2に示した停留所端末4も、コンピュータシステムにより実現される。例えば、図2に示した予約情報生成部41は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。予約情報生成部41の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図2に示した送受信部42は、図14に示した通信部105により実現される。また、図2に示した情報提示部43は、図14に示した表示部104および出力部106のうち少なくとも一方により実現される。また、図2に示した入力受付部45は、図14に示した入力部102により実現される。図2に示したID取得部44は、上述したように、例えばカードリーダなどにより実現される。また、ユーザ端末5も、停留所端末4と同様に、コンピュータシステムにより実現される。なお、サービス提供装置1がWebページにより予約を受付ける場合には、ユーザ端末5の機能を実現するためのプログラムは、例えば、Webページの閲覧などを行う汎用プログラムであってもよい。また、ユーザ端末5にアプリがインストールされて予約を受付ける処理が行われる場合には、上記プログラムは、当該アプリのプログラムである。
【0106】
また、図4に示した車両搭載装置31も、コンピュータシステムにより実現される。例えば、図4に示した予約照合部313は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。予約照合部313の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図4に示した送受信部311は、図14に示した通信部105により実現される。また、図4に示した予約結果記憶部312は、図14に示した記憶部103の一部である。図4に示した車両端末34も、コンピュータシステムにより実現される。図4に示した受信部341は、図14に示した通信部105により実現される。図4に示した提示部342は、図14に示した表示部104および出力部106のうち少なくとも一方により実現される。なお、車両端末34は、ディスプレイ、モニタなどに受信機能が追加された表示端末であってもよいし、さらにスピーカも備えた表示端末であってもよい。
【0107】
以上のように、本実施の形態のサービス提供装置1は、オンデマンド型モビリティシステムにおける移動体の一例である車両3を利用するユーザの空き時間、すなわち、予約によって手配される車両3を利用するユーザの空き時間に応じて、ユーザに提示する提示情報を決定するようにした。これにより、オンデマンド型モビリティシステムの利用に関するユーザの空き時間の有効利用を図ることができる。
【0108】
実施の形態2.
図15は、実施の形態2にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。本実施の形態のサービス提供システム100aは、サービス提供装置1aと、運用管理装置2aとを備える。運用管理装置2aは、移動体の運用を管理する管制装置である。本実施の形態では、移動体は、実施の形態1と同様の車両3-1~3-nに加えて、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303を含む。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0109】
図15では、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303をそれぞれ1台図示しているが、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303のそれぞれの台数は、1台以上であればよい。なお、図1では、サービス提供装置1aと、運用管理装置2aとが別に設けられているが、実施の形態1と同様に、運用管理装置2a内にサービス提供装置1aが設けられてもよい。すなわち、運用管理装置2aが、サービス提供装置1aとしての機能も有していてもよい。
【0110】
移動販売車301は、移動販売を行う車両であり、移動トイレ車302は、トイレを搭載する車両であり、移動ゴミ箱車303は、ゴミ箱を搭載する車両である。車両3は、ユーザに移動のサービスを提供するが、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303は、移動とは別の付加的なサービスを提供する移動体の一例である。以下、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303を、付加サービス車両とも呼ぶ。なお、運用管理装置2aの運用管理の対象に、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303の全てが含まれていなくてもよく、後述するように、サービス提供システム100aが提供するサービスで用いられる付加サービス車両が含まれていればよい。なお、車両3-1~3-n、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303および停留所端末4のうち少なくとも一部をサービス提供システム100aに含めてもよい。
【0111】
サービス提供装置1aは、サービス決定部12および提示情報生成部13の代わりに、サービス決定部12aおよび手配要求生成部16を備える以外は、実施の形態1のサービス提供装置1と同様である。
【0112】
サービス決定部12aは、車両3を利用しようとするユーザの空き時間を用いて、車両3のユーザに提供するサービスを決定し、決定結果を手配要求生成部16へ出力する。本実施の形態では、ユーザに提供するサービスは、付加サービス車両の手配を含む。例えば、サービス決定部12aは、空き時間の一例である待ち時間および乗車停留所を用いて、手配する付加サービス車両と付加サービス車両が手配される場所とを決定し、決定結果を手配要求生成部16へ出力する。また、後述するように、サービス決定部12aは、空き時間の一例である乗車時間に基づいて手配する付加サービス車両を決定してもよい。
【0113】
例えば、サービス決定部12aは、待ち時間が第1のしきい値以上の場合に、移動販売車301を乗車停留所へ手配することを決定してもよい。また、サービス決定部12aは、待ち時間が第2のしきい値以上の場合に、移動ゴミ箱車303を乗車停留所へ手配することを決定してもよい。また、第1のしきい値と第2のしきい値とを同じ値にすることで、移動販売車301と移動ゴミ箱車303との両方を乗車停留所へ配車することを決定してもよい。また、サービス決定部12aは、待ち時間が第3のしきい値以上の場合に、移動トイレ車302を乗車停留所へ手配することを決定してもよい。
【0114】
手配要求生成部16は、サービス決定部12aによる決定結果に基づいて、ユーザに付加サービスを提供する付加サービス車両を手配するための処理を行う。例えば、手配要求生成部16は、サービス決定部12aから受け取った決定結果に基づいて付加サービス車両の手配を要求する手配要求を生成し、送受信部11へ出力する。送受信部11は、手配要求生成部16から受け取った手配要求を運用管理装置2aへ送信する。手配要求は、例えば、手配する付加サービス車両の種別と、配車する場所とを含む。手配要求は、付加サービス車両に対応する予約を識別する情報を含んでいてもよい。付加サービス車両に対応する予約を識別する情報は、ユーザIDであってもよいし、予約結果の全部または一部であってもよい。なお、サービス決定部12aは、待ち時間および乗車時間に基づいて手配する付加サービス車両を決定してもよいし、待ち時間を用いずに、乗車時間に基づいて手配する付加サービス車両を決定してもよい。付加サービス車両は、付加サービス移動体の一例であり、車両に限定されない。また、運用管理装置2aがユーザに移動のサービスを提供するための移動体と、付加サービス移動体とは、同一の種類の移動体であってもよいし、異なる種類の移動体であってもよい。例えば、運用管理装置2aがユーザに移動のサービスを提供するための移動体が車両3ではなく船である場合に、付加サービス移動体として、移動販売車301、移動トイレ車302、移動ゴミ箱車303などの車両が用いられてもよい。
【0115】
図16は、本実施の形態の運用管理装置2aの構成例を示す図である。運用管理装置2aは、手配処理部21の代わりに手配処理部21aを備える以外は、実施の形態1の運用管理装置2と同様である。本実施の形態では、運行計画記憶部22には、付加サービス車両の運行計画も記憶され、車両情報記憶部24には、付加サービス車両の車両情報も記憶される。また、本実施の形態では、送受信部23は、サービス提供装置1aから手配要求を受信すると手配処理部21aへ出力する。
【0116】
手配処理部21aは、予約情報に基づいて実施の形態1と同様に車両3の予約処理を行うとともに、サービス提供装置1aから送信された手配要求を、送受信部23から受け取ると、運行計画記憶部22に格納されている付加サービス車両の運行計画と手配要求と車両情報記憶部24に記憶されている付加サービス車両の車両情報とに基づいて付加サービス車両を手配する。手配処理部21aは、手配した結果を反映して運行計画を更新し、更新した運行計画を運行計画記憶部22に格納するとともに、送受信部23を介して運行計画を対応する付加サービス車両へ送信する。また、手配処理部21aは、手配した付加サービス車両の車両情報を、送受信部23へ出力し、送受信部23が車両情報をサービス提供装置1aへ送信してもよい。
【0117】
付加サービス車両は、自動運転車両であってもよいし、運転手によって運転される車両であってもよく、これらが混在していてもよい。付加サービス車両は、車両3と同様に、現在位置を示す車両情報を運用管理装置2aへ送信する。
【0118】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図17は、本実施の形態のサービス提供システム100aにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図である。図17に示したステップS3~S7は、実施の形態1のステップS3~S7と同様である。なお、ステップS6の後、サービス提供装置1aは、任意のタイミングで予約結果を予約端末へ送信する(ステップS20)。これにより、予約端末は、予約結果を表示する。
【0119】
ステップS3~S7の後、サービス提供装置1aは、待ち時間に基づいて手配する付加サービス車両を決定する(ステップS21)。詳細には、サービス決定部12aが、例えば、ステップS7で算出した待ち時間と、手配規則情報とに基づいて、手配する付加サービス車両を決定する。付加サービス車両は、例えば、ユーザの乗車停留所に配車されるよう手配される。手配規則情報は、待ち時間(または待ち時間および乗車時間)と提供するサービスとの対応を示す規則情報の一例である。なお、手配規則情報は、乗車時間と手配する付加サービス車両との対応を示す情報であってもよく、この場合、手配規則情報は、乗車時間と提供するサービスとの対応を示す規則情報の一例である。乗車時間に応じて、手配する付加サービス車両が決定される場合には、付加サービス車両は、乗車停留所に配車されるよう手配されてもよいし、降車停留所に配車されるよう手配されてもよい。手配規則情報は、例えば、テーブル形式の情報であるが、これに限定されない。
【0120】
図18は、本実施の形態の手配規則情報の一例を示す図である。図18に示した例では、手配規則情報によって、待ち時間がTW11未満の場合には、付加サービス車両の手配は無く、待ち時間がTW11以上TW12(TW12>TW11)未満の場合には、移動販売車301を手配し、待ち時間がTW13(TW13>TW12)以上の場合には、移動販売車301および移動ゴミ箱車303を手配することが定められている。なお、図18に示した例では、手配する付加サービス車両の決定結果には、付加サービス車両の手配が無い場合も含まれる。このように、待ち時間が長い場合には、移動販売車301が、乗車停留所に配車されるように手配されることで、ユーザは待ち時間の間移動販売車301で商品の閲覧、買い物などを行うことができる。また、さらに、待ち時間が長い場合には、移動販売車301および移動ゴミ箱車303が手配されることで、ユーザが待ち時間の間に、例えば飲料などを購入して飲料を飲んだ後のゴミを移動ゴミ箱車303により回収することができ、ユーザがゴミを持ち歩く必要がなくなる。
【0121】
なお、図18に示した例では一例であり、例えば、待ち時間がTW11未満の場合には、付加サービス車両の手配は無く、待ち時間がTW11以上の場合には、移動販売車301および移動ゴミ箱車303を手配するといったように2段階で定められてもよい。また、これに限らず、待ち時間がTW11未満の場合には、付加サービス車両の手配は無く、待ち時間がTW11以上の場合には、移動販売車301を手配するといったように、移動ゴミ箱車303が手配されなくてもよい。この場合、運用管理装置2aの管理対象に移動ゴミ箱車303が含まれなくてもよい。また、例えば、待ち時間がTW11未満の場合には、移動販売車301を手配し、待ち時間がTW11以上の場合には、移動販売車301および移動ゴミ箱車303を手配するといったように2段階で定められてもよい。
【0122】
また、移動販売車301が販売する商品が複数に分類できる場合には、移動販売車301を販売する商品に応じた種別に分類し、待ち時間に応じて種別についても指定してもよい。例えば、物品を販売する移動販売車301と例えばその場で飲食できる飲食物を提供する移動販売車301とがあるとする。この場合、待ち時間がTW11未満の場合には、付加サービス車両の手配は無く、待ち時間がTW11以上TW12未満の場合には、物品を販売する移動販売車301を手配し、待ち時間がTW13以上の場合には、飲食物を提供する移動販売車301および移動ゴミ箱車303を手配するといったように、移動販売車301の種別も指定されてもよい。
【0123】
図19は、本実施の形態の手配規則情報の別の一例を示す図である。図19に示した例では、手配規則情報により、待ち時間および乗車時間に基づいて、手配する付加サービス車両が定められる。具体的には、図19に示した手配規則情報により、待ち時間がTW11未満の場合には、付加サービス車両の手配は無く、待ち時間がTW11以上TW12未満でありかつ乗車時間がTR11未満の場合には、移動販売車301を手配し、待ち時間がTW11以上TW12未満でありかつ乗車時間がTR11以上の場合には、移動販売車301および移動トイレ車302を手配することが定められる。また、図19に示した手配規則情報により、待ち時間がTW13以上でありかつ乗車時間がTR11未満の場合には、移動販売車301および移動ゴミ箱車303を手配し、待ち時間がTW13以上でありかつ乗車時間がTR11以上であれば、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303を手配することが定められる。
【0124】
なお、図19に示した例では、待ち時間および乗車時間に基づいて、手配する付加サービス車両が決定されるが、これに限らず、待ち時間によらずに乗車時間に基づいて、手配する付加サービス車両が決定されてもよい。すなわち、サービス決定部12aは、ユーザが移動体を利用して移動している時間である利用時間を取得し、利用時間を用いてユーザに提供するサービスを決定してもよい。例えば、乗車時間がしきい値であるTR11未満の場合には、付加サービス車両の手配は無く、乗車時間がTR11以上の場合には、移動トイレ車302を手配するように手配規則情報が定められてもよい。乗車時間が長い場合に、移動トイレ車302が乗車停留所に配車されることで、ユーザは乗車に備えてトイレを探す必要がなく、利便性を向上させることができる。また、乗車時間が長い場合に、移動トイレ車302が手配される場合、移動トイレ車302は降車停留所に配車されてもよい。また、乗車時間がTR11未満の場合には、移動販売車301を手配し、乗車時間がTR11以上の場合には、移動販売車301および移動トイレ車302を手配するように手配規則情報が定められてもよい。また、乗車時間がTR11未満の場合には、移動販売車301および移動ゴミ箱車303を手配し、乗車時間がTR11以上の場合には、移動販売車301、移動トイレ車302および移動ゴミ箱車303を手配するように手配規則情報が定められてもよい。
【0125】
図18および図19は例示であり、具体的な手配規則情報の形式および内容は、図18および図19に示した例に限定されない。また、サービス提供装置1aは、運用管理装置2aから、手配要求によって手配された付加サービス車両の現在位置を示す車両情報を受信し、車両情報を予約端末へ送信してもよい。詳細には、送受信部11が、運用管理装置2aから車両情報を受信し、受信した車両情報を予約端末へ送信してもよい。予約端末は車両情報を受信すると、付加サービス車両の現在位置を表示する。これにより、ユーザの利便性が向上する。付加サービス車両の現在位置は、地図上に表示されてもよい。また、例えば、移動トイレ車302の位置については、移動トイレ車302に対応する予約が行われた予約端末が停留所端末4である場合には表示されず、移動トイレ車302に対応する予約が行われた予約端末がユーザ端末5である場合に、表示されるようにしてもよい。これにより、プライベート性を向上させることができる。
【0126】
図17の説明に戻る。ステップS21の後、サービス提供装置1aは、付加サービス車両の手配要求を生成する(ステップS22)。詳細には、手配要求生成部16が、サービス決定部12aによる決定結果に基づいて、付加サービス車両の手配を要求する手配要求を生成し、送受信部11へ出力する。サービス提供装置1aの送受信部11は、手配要求生成部16から受け取った手配要求を運用管理装置2aへ送信する(ステップS23)。
【0127】
運用管理装置2aは、手配要求を受信すると、付加サービス車両の手配処理を行う(ステップS24)。詳細には、送受信部23が、サービス提供装置1aから手配要求を受信し、受信した手配要求を手配処理部21aへ出力し、手配処理部21aは、送受信部23から手配要求を受け取ると、運行計画記憶部22に格納されている付加サービス車両の運行計画と手配要求と車両情報記憶部24に記憶されている付加サービス車両の車両情報とに基づいて付加サービス車両を手配する処理を行う。
【0128】
また、ユーザが、付加サービス車両の配車の要否を選択できるようにしてもよい。例えば、サービス決定部12aが、手配する付加サービス車両を決定すると、予約結果とともに、決定した付加サービス車両が配車される旨と当該付加サービス車を配車しないことを要求する入力を受付けるための表示情報とを、送受信部11を介して予約端末へ送信する。付加サービス車を配車しないことを要求する入力を受付けるための表示情報は、例えば、配車を希望しないと記載したボタンなどを表示するための情報であるが、これに限定されない。予約端末は、付加サービス車両が配車されることを表示するとともに、表示情報に基づいて当該付加サービス車を配車しないことを要求する入力を受付けるための表示を行い、ユーザの操作により、配車しないことを要求する入力があった場合に、付加サービス車の手配を取り消すことを示す取消情報をサービス提供装置1aへ送信する。サービス提供装置1aは、取消情報を受信すると、運用管理装置2aへ取消情報を送信することで、手配要求で手配した付加サービス車両の手配を取り消す。複数の付加サービス車両の配車が予定されている場合には、ユーザが、配車を希望しない車両を選択できるようにしてもよい。例えば、移動販売車301と移動トイレ車302とが配車される旨が予約端末に表示される場合、移動販売車301と移動トイレ車302とのそれぞれに関して配車の取消を要求するためのボタンが表示されてもよい。
【0129】
なお、図15に示した例では、サービス決定部12aが、実施の形態1で述べた提示情報の決定は行わずに、付加サービス車両の決定を行う例を説明したが、以下に述べる変形例のように、実施の形態1と同様に待ち時間に応じてユーザに提示する提示情報を決定するとともに、待ち時間に応じて手配する付加サービス車両を決定してもよい。
【0130】
図20は、本実施の形態の変形例にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。図20に示した変形例にかかるサービス提供システム100bは、サービス提供装置1bと、運用管理装置2aとを備える。図15に示した構成例または実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、図15または実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。サービス提供装置1bは、実施の形態1のサービス提供装置1に、図15に示したサービス提供装置1aの手配要求生成部16が追加され、実施の形態1のサービス決定部12の代わりにサービス決定部12bを備える。サービス決定部12bは、実施の形態1のサービス決定部12としての機能と、図15に示したサービス提供装置1aのサービス決定部12aとしての機能との両方を有する。これにより、図20に示した変形例にかかるサービス提供装置1bは、提示情報の提供と付加サービス車両の手配との両方のサービスを提供することができる。例えば、図18に示した手配規則情報が用いられる場合、待ち時間がTW11未満であれば、付加サービス車両は手配されないが、実施の形態1と同様に待ち時間に応じた提示情報がユーザに提示される。
【0131】
また、サービス決定部12bは、待ち時間に応じて、提供するサービスの種別を変えてもよい。例えば、サービス決定部12bは、待ち時間がしきい値未満であれば、実施の形態1で述べた、提示情報を提示するサービスを提供し、待ち時間がしきい値以上の場合に、本実施の形態で述べた付加サービス車両の手配を行うサービスを提供するように、サービスの種別を決定してもよい。
【0132】
本実施の形態のサービス提供装置1a,1bおよび運用管理装置2aも、それぞれコンピュータシステムにより実現される。例えば、図15に示したサービス決定部12aおよび手配要求生成部16は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。サービス決定部12aおよび手配要求生成部16の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図16に示した手配処理部21aは、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。手配処理部21aの実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図20に示したサービス決定部12bは、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。サービス決定部12bの実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。サービス提供装置1a,1bおよび運用管理装置2aは、それぞれが複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1a,1bおよび運用管理装置2aは、クラウドシステムにより実現されてもよい。上述したように、サービス提供装置1aと運用管理装置2aとは一体化されていてもよい。また、サービス提供装置1bと運用管理装置2aとは一体化されていてもよい。
【0133】
以上のように、本実施の形態では、待ち時間および乗車時間(利用時間)のうちの少なくとも一方に応じて、付加サービス車両を手配するようにした。これにより、オンデマンド型モビリティシステムの利用に関するユーザの空き時間の有効利用を図ることができる。また、乗車時間に応じて、付加サービス車両が手配されてもよく、これによりユーザの利便性を向上させることができる。なお、図15および図20に示す構成例では、運行管理装置2aが、車両3の運行管理と付加サービス車両の運行管理の両方を行っているが、本実施の形態はかかる例に限定されない。運行管理装置2aは車両3の運行管理のみを行い、付加サービス車両の運行管理を行う運行管理装置は別途設けられてもよい。その場合、付加サービス車両の運行計画と車両情報は、当該別途設けられる運行管理装置に記憶されており、運行管理装置2aは、サービス提供装置1a,1bから受け取った付加サービス車両の手配要求を当該別途設けられる運行管理装置に送信し、当該別途設けられる運行管理装置が、運行計画および車両情報に基づいて、その手配要求に合致する付加サービス車両の配車を手配してもよい。付加サービス車両の運行管理を行う運行管理装置は、サービス提供システム100a,100bの一部であってもよいし、サービス提供システム100a,100bとは別のシステムであってもよい。
【0134】
実施の形態3.
図21は、実施の形態3にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。本実施の形態のサービス提供システム100cは、サービス提供装置1cと、運用管理装置2とを備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0135】
本実施の形態では、ユーザに提供するサービスが、地元住民によるリアルタイムでの情報提供、観光ガイドなどを含む。すなわち、ユーザは、空き時間に、地元住民とのコミュニケーションにより、自身の得たい情報を得ることができる。
【0136】
サービス提供装置1cは、サービス決定部12、提示情報生成部13および地域提供情報記憶部15の代わりに、サービス決定部12c、アクセス情報生成部18および地元住民情報記憶部17を備える。
【0137】
本実施の形態では、登録処理部14は、送受信部11を介して、端末装置6から、各地元住民に関する情報である地元住民情報を取得し、地元住民情報を地元住民情報記憶部17に格納することで地元住民情報を登録する。地元住民情報は、例えば、地元住民の識別情報である住民識別情報と、提供可能な情報のカテゴリ(分類)、情報を提供可能な地理的な範囲、および運行エリアを含む地域に関する知識の度合いを示す知識ランクのうちの少なくとも1つとを含む。なお、地元住民情報は、少なくとも住民識別情報を含めばよく、具体的な内容はこれらに限定されない。例えば、地元住民情報は、住民がユーザとのリアルタイムのコミュニケーションに対応可能な時間を示す対応時間情報(曜日と時間帯など)を含んでいてもよい。また、例えば、地元住民情報は、外国語に関する能力(例えば、英語で会話可能であるか否かなど)を示す情報を含んでいてもよい。対応する地元住民情報が登録されている住民を、以下、登録されている住民とも呼ぶ。
【0138】
提供可能な情報のカテゴリは、例えば、飲食店(グルメ)、ショッピング、スポーツ、お土産物、温泉、文化施設、芸術、歴史、自然、アニメ(当該地域を舞台とするアニメ)などのうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。例えば、車両3の運行エリアが観光地であれば、個別の観光スポットをカテゴリに含めてもよいし、飲食店をさらに和食、洋食、イタリアンなどに細分化してもよい。情報を提供可能な地理的な範囲は、車両3の停留所単位で示されてもよいし、A地区、B地区といった観光エリア単位で示されてもよいし、住所の一部(地名)で示されてもよい。知識ランクは、地域に関する知識の量および深さのうちの少なくとも一方の度合いを示す情報であり、各地元住民の自己評価により決定されてもよいし、本実施の形態のサービス提供システム100cによってユーザにサービスを提供した回数であってもよいし、なんらかの資格の有無であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。資格は、地域に関する検定により得られる資格、観光に関する検定により得られる資格、歴史または遺産に関する検定により得られる資格などを例示できるがこれらに限定されない。
【0139】
サービス決定部12cは、送受信部11を介して、実施の形態1と同様に運用管理装置2から予約結果を受け取ると、予約結果に対応する予約情報に基づいて、予約情報に対応するユーザに、提供するサービスを決定する。本実施の形態では、ユーザに提供するサービスは、地元住民とのコミュニケーションであり、より具体的にはリアルタイムのコミュニケーションである。なお、ここでいうリアルタイムは、完全な遅延のないケースだけでなく、ある程度の遅延が発生する場合も含む。例えば、サービス決定部12cは、空き時間(すなわち、待ち時間および乗車時間の少なくともいずれか一方)がしきい値以上である場合、ユーザに地元住民とのコミュニケーションをサービスとして提供することを決定し、登録されている地元住民からユーザに対応する地元住民を選択する。なお、サービス決定部12cは、空き時間を考慮せずに、登録されている地元住民からユーザに対応する地元住民を選択してもよい。
【0140】
具体的には、予約情報と地元住民情報記憶部17に記憶されている地元住民情報とを用いて、登録されている住民のなかから、ユーザとリアルタイムのコミュニケーションをとる地元住民を決定し、決定結果をアクセス情報生成部18へ出力する。決定結果は、例えば、住民識別情報によって示されるがこれに限定されない。例えば、サービス決定部12cは、予約情報における目的地から推定されるユーザの目的(乗車の目的、またはユーザが運行エリアを含む地域を訪れた目的)および目的地のうち少なくとも一方に応じて、登録されている地元住民のなかから、ユーザに対応する地元住民を選択する。ユーザの目的は、予約情報に含まれる目的地から推定されてもよいし、予約端末を用いてユーザが入力し、予約端末が予約情報に目的を含めるようにしてもよい。目的は、例えば、観光、飲食、スポーツ、ビジネスなどであるがこれらに限定されない。
【0141】
目的に応じて地元住民を選択する場合、例えば、地元住民情報に上述したカテゴリ(観光、飲食、スポーツ、ビジネスなど)を設定しておき、目的とカテゴリとの対応をあらかじめ定めておく。サービス決定部12cは、当該対応を参照して、ユーザの目的に対応するカテゴリを決定する。そして、サービス決定部12cは、地元住民情報記憶部17に記憶されている地元住民情報のなかから、決定したカテゴリに合致する地元住民情報を抽出し、抽出した地元住民情報のなかから1つの地元住民情報を選択することで、ユーザに対応する地元住民を選択する。抽出した地元住民情報のなかから1つの地元住民情報を選択する際の選択方法は、どのように定められてもよいが、例えば、登録している地元住民の登録順に順次選択する方法であってもよいし、ランダムに選択する方法であってもよい。また、地元住民情報に知識ランクが含まれる場合には、さらに知識ランクの高い地元住民情報を抽出した上で、当該抽出したなかから地元住民情報を選択してもよい。また、サービス提供システム100cは、過去にサービスを利用したユーザから、対応した地元住民の評価結果を受信し、評価結果に基づき評価情報を生成し、地元住民情報に評価情報を付加しておき、評価情報に基づいて地元住民情報を選択してもよい。また、地元住民情報に対応時間情報が含まれている場合は、対応時間情報に基づいて地元住民情報を選択してもよい。
【0142】
目的地に応じて地元住民を選択する場合、例えば、目的地と地元住民情報に上述した地理的な範囲(情報を提供可能な地理的範囲)を含めておき、目的地と地理的な範囲との対応をあらかじめ定めておく。サービス決定部12cは、当該対応を参照して、ユーザの目的地に対応する地理的な範囲を決定する。そして、サービス決定部12cは、地元住民情報記憶部17に記憶されている地元住民情報のなかから、決定した地理的な範囲に合致する地元住民情報を抽出し、抽出した地元住民情報のなかから1つの地元住民情報を選択することで、ユーザに対応する地元住民を選択する。抽出した地元住民情報のなかから1つの地元住民情報を選択する際の選択方法は上述した例と同様である。または、目的地とカテゴリとの対応をあらかじめ定めておき、目的に応じて地元住民を選択する場合と同様に、地元住民情報に含まれるカテゴリに基づいて地元住民を選択してもよい。
【0143】
また、予約情報に、ユーザが情報の提供を希望するカテゴリ、ユーザが情報の提供を希望する地理的な範囲、希望する地元住民の知識ランクのうちの少なくとも1つを指定情報として含めるようにしてもよい。この場合、指定情報に含まれる項目を地元住民情報に含めておき、サービス決定部12cは、指定情報に合致する地元住民情報を抽出し、抽出した地元住民情報のなかから1つの地元住民情報を選択することで、ユーザに対応する地元住民を選択する。抽出した地元住民情報のなかから1つの地元住民情報を選択する際の選択方法は上述した例と同様である。あるいは、予約情報に、ユーザがコミュニケーションをとりたいと要望する地元住民を指定する情報が含まれてもよい。これにより、ユーザは、例えば、質の高い情報を提供可能な評判の良い地元住民を指名したり、過去に観光ガイドを務めてもらった際に好印象を抱いた地元住民を再度指名したり、等、特定の地元住民を指名することができる。従って、よりユーザの要望に合致する地元住民をマッチングすることが可能になる。
【0144】
また、決定された地元住民が、リアルタイムのコミュニケーションを行うことができない場合もある。このため、サービス決定部12cは、ユーザに対応する地元住民を一旦選択すると、当該地元住民に対応する端末装置6へリアルタイムのコミュニケーションを依頼することを示す依頼情報を生成し、生成した依頼情報を端末装置6へ送信してもよい。この場合、サービス決定部12cは、対応可能であることを示す応答を、送受信部11を介して端末装置6から受信した場合に、当該地元住民をユーザに対応する地元住民として確定させ、決定結果をアクセス情報生成部18へ出力してもよい。対応不可であることを示す応答を、送受信部11を介して端末装置6から受信した場合、または、一定期間経過しても応答が得られない場合には、サービス決定部12cは、当該地元住民の選択を取り消し、別の地元住民を選択して、同様に、上述した依頼情報の送信を行い同様の処理を行う。サービス決定部12cは、これらの処理を対応可能な地元住民がみつかるまで繰り返すようにしてもよい。
【0145】
なお、上述した例では、1つの地元住民情報を選択したが、対応する地元住民を複数選択するようにしてもよく、この場合には、サービス決定部12cは、あらかじめ定められた数の地元住民情報を選択する。
【0146】
サービス処理部であるアクセス情報生成部18は、サービス決定部12cから受け取った決定結果に基づいて、決定された地元住民がユーザにアクセスするためのアクセス情報を生成し、生成したアクセス情報を送受信部11へ出力する。アクセス情報は、サービス決定部12cによって選択された(決定された)地元住民の端末装置6と、ユーザが予約に用いた予約端末とを、ユーザと地元住民とがコミュニケーションを行うことができるように接続するための情報である。送受信部11は、アクセス情報を受け取ると、決定された地元住民に対応する端末装置6へアクセス情報を送信する。なお、地元住民に対応する端末装置6の識別情報は、地元住民情報に含まれていてもよいし、住民識別情報と端末装置6の識別情報との対応が別途保持されていてもよい。また、住民識別情報に電子メールアドレスを含めておくことで、送受信部11は、電子メールによってアクセス情報を送信してもよい。
【0147】
アクセス情報は、例えば、映像と音声によりユーザと地元住民とが会話できるように、ユーザが予約に用いた予約端末と決定された地元住民の端末装置6とをインターネット、携帯電話網などを介して接続するための情報であり、URL(Uniform Resource Locator)などによって表現されてもよいし他の方法で表現されてもよい。また、アクセス情報は、予約端末にも送信されてもよいし、予約端末は、アクセス情報を必要とせずに端末装置6からのアクセスがあると自動で接続されてもよい。また、ここでは、映像と音声によりユーザと地元住民とが会話する例を示したが、これに限らず、音声のみによりユーザと地元住民とが会話してもよいし、チャットのように文字で会話をしてもよい。また、ここでは、予約端末と地元住民の端末装置6とを接続する例を説明したが、これに限らず、車両端末34と地元住民の端末装置6とを接続し、車両端末34および端末装置6を介してユーザと地元住民とが会話できるようにしてもよい。この場合、サービス決定部12cは、ユーザの乗車予定時刻も端末装置6へ送信することで、地元住民にユーザの乗車予定時刻を通知する。
【0148】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図22は、本実施の形態のサービス提供システム100cにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図である。図22に示すように、端末装置6は、地元住民情報をサービス提供装置1cへ送信する(ステップS31)。地元住民情報は、地元住民からの入力に基づいて生成される。
【0149】
サービス提供装置1cは、地元住民情報を登録する(ステップS32)。詳細には、送受信部11が端末装置6から地元住民情報を受信し、登録処理部14へ出力し、登録処理部14は、地元住民情報を地元住民情報記憶部17に格納することで地元住民情報を登録する。ステップS3~S6は、実施の形態1と同様である。なお、図示は省略しているが、ステップS6の後、サービス提供装置1cは、任意のタイミングで予約結果を予約端末へ送信する。これにより、予約端末は、予約結果を表示する。
【0150】
サービス提供装置1cは、ユーザの目的に基づいて対応する地元住民を決定する(ステップS33)。詳細には、サービス決定部12cは、予約情報に基づいて目的を決定し、目的に対応する地元住民情報を抽出し、抽出した地元住民情報から、定められた数の地元住民情報を選択することで対応する地元住民を決定し、決定結果をアクセス情報生成部18へ出力する。定められた数は1以上であればよい。なお、図22に示す例では、ステップS33においてユーザの目的に基づいて対応する地元住民を決定する処理が行われているが、対応する地元住民を決定する方法はかかる例に限定されず、上述したサービス決定部12cによるいずれかの方法によりユーザに対応する地元住民が決定されてよい。
【0151】
サービス提供装置1cは、アクセス情報を生成する(ステップS34)。詳細には、アクセス情報生成部18が、端末装置6が予約端末と接続するためのアクセス情報を生成し、生成したアクセス情報を送受信部11へ出力する。
【0152】
サービス提供装置1cの送受信部11は、アクセス情報を端末装置6へ送信する(ステップS35)。端末装置6がアクセス情報に基づいて予約端末との間で接続処理を行う(ステップS36)。これにより、予約端末と端末装置6とを介してユーザと地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションが開始される。
【0153】
なお、図22では、ステップS6の後に、ステップS33以降の処理を行っているが、これに限らず、ステップS3の後にステップS33以降の処理を行ってもよい。ステップS33以降の処理を実施するタイミングは、ステップS3以降であればよく、図22に示した例に限定されない。
【0154】
また、上述したように、サービス提供装置1cが、車両端末34にアクセス情報を送信することで、車両端末34と端末装置6を介してユーザと地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションが行われてもよい。例えば、サービス決定部12cは、乗車時間がしきい値以上である場合、ユーザに地元住民とのコミュニケーションをサービスとして提供することを決定し、登録されている地元住民からユーザに対応する地元住民を選択する。そして、アクセス情報生成部18は、サービス決定部12cによって選択された地元住民の端末装置6と、予約により手配される移動体に搭載される移動体端末の一例である車両端末34とを、ユーザと地元住民とがコミュニケーションを行うことができるように接続するための情報であるアクセス情報を生成する。そして、送受信部11は、アクセス情報を車両端末34へ送信する。また、地元住民が車両3に搭乗し、ユーザと直接コミュニケーションをとってもよい。この場合においても、サービス決定部12cが、同様に、乗車時間を用いて当該サービスを提供するか否かを決定してもよい。この場合、アクセス情報生成部18は、予約により手配される車両3に、サービス決定部12cによって選択された地元住民を搭乗させるための情報であるアクセス情報を生成する。この場合、アクセス情報は、例えば、地元住民に車両3への搭乗を依頼する情報と地元住民が車両3に乗車する場所とを含む。そして、送受信部11は、アクセス情報を地元住民の端末装置6へ送信する。
【0155】
なお、サービス決定部12cは、乗車時間によらずに、予約情報を受け取ると、ユーザに地元住民とのコミュニケーションをサービスとして提供することを決定し、登録されている地元住民からユーザに対応する地元住民を選択するようにしてもよい。
【0156】
また、上述した例では、リモートでユーザと地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションが行われたが、これに限らず、決定された地元住民が直接ユーザの乗車停留所に出向いてユーザとコミュニケーションをとってもよい。また、上述したように、決定された地元住民がユーザの乗車する車両3にユーザとともに乗車することでユーザとコミュニケーションをとってもよい。この場合、車両3が無人運転車両であれば、同乗している地元住民が、万一の際に手動運転に対応するセーフティドライバーを兼ねてもよい。車両3のセーフティドライバーを地元住民で賄うことで、ユーザと地元住民とのコミュニティ醸成のメリットに加えてコスト削減効果も期待できる。
【0157】
地元住民が直接ユーザとコミュニケーションをとる場合には、アクセス情報生成部18は、アクセス情報として、ユーザとの合流地点を示す情報と乗車予定時刻を示す情報とを含む情報を生成する。合流地点は、例えば、乗車停留所である。すなわち、アクセス情報生成部18は、アクセス情報として、乗車停留所へ、サービス決定部12cによって選択された地元住民をコミュニケーションのために移動させるための情報を生成する。地元住民は、端末装置6を介してアクセス情報を確認することで、乗車停留所へ移動し、ユーザと直接会話することができる。また、地元住民が車両3に乗車する場合、地元住民は乗車停留所に到着するより前に車両3に乗車してもよく、この場合には、地元住民が車両3に乗車する時刻と場所を示す情報とがアクセス情報に含まれる。
【0158】
また、サービス決定部12cは、空き時間に応じて、ユーザに対応する地元住民のコミュニケーションの手段を変えてもよい。例えば、サービス決定部12cは、空き時間がしきい値未満の場合にはリモートのコミュニケーションを実施し、空き時間がしきい値以上の場合には、地元住民が直接ユーザとコミュニケーションをとるといったように、リモートとするか否かを空き時間に応じて決定してもよい。また、例えば、サービス決定部12cは、空き時間がしきい値未満の場合には地元住民を1人選択し、空き時間がしきい値以上の場合には、地元住民を複数選択するといったように、選択する地元住民の数を変えてもよい。
【0159】
また、サービス決定部12cは、空き時間に応じて提供するサービスの種別を決定してもよい。例えば、空き時間がしきい値未満であれば、実施の形態1で述べたように提示情報を提示するサービスを提供し、空き時間がしきい値以上の場合に、本実施の形態で述べたユーザと地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスを提供するように、サービスの種別を決定してもよい。また、さらに、実施の形態2で述べた機能を追加し、空き時間がしきい値未満であれば、実施の形態2で述べたように付加サービス車両を手配するサービスを提供し、空き時間がしきい値以上の場合に、本実施の形態で述べたユーザと地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスを提供するように、サービスの種別を決定してもよい。さらに、サービス決定部12cは、空き時間に応じて、提示情報を提示するサービス、付加サービス車両を手配するサービスおよび地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスの3つのサービスのうちのいずれかを選択するようにしてもよい。空き時間に応じたサービスの種別の決定方法は、上述した例に限定されない。
【0160】
また、上述した例では、ユーザの予約を契機として、サービス決定部12cが、ユーザに地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスを提供するための処理を開始したが、契機はユーザの予約に限定されない。例えば、サービス提供装置1cは、ユーザが停留所端末4へ近づいたことを検出すると、対応する地元住民を決定し、決定された地元住民が、停留所端末4越しにユーザへ話かけるようにしてもよい。
【0161】
図23は、本実施の形態のサービス提供システム100cにおけるサービス提供に関する動作の別の一例を示すシーケンス図である。ステップS31,S32は、図22に示した例と同様である。停留所端末4には、例えば、カメラ、人感センサなどのセンサが設置され、停留所端末4は、センサによって取得された情報を監視情報としてサービス提供装置1cへ送信する(ステップS41)。例えば、センサがカメラである場合には、停留所端末4は、カメラで取得された映像を監視情報としてサービス提供装置1cへ送信する。例えば、センサが人感センサなどである場合には、停留所端末4は、人が検出されたときに人が検出されたことを示す監視情報をサービス提供装置1cへ送信してもよいし、定期的に人が検出されたか否かを示す監視情報をサービス提供装置1cへ送信してもよい。なお、センサは、停留所端末4とは別の停留所の周辺に設置されていてもよい。また、停留所端末4は、停留所端末4のタッチパネルなどをユーザがタッチした場合に、ユーザが停留所に接近したことを示す監視情報をサービス提供装置1cへ送信してもよい。
【0162】
サービス提供装置1cは、監視情報に基づいて、ユーザが停留所に接近したことを検出する(ステップS42)と、対応する地元住民を決定する(ステップS43)。詳細には、ステップS42では、送受信部11が、監視情報を受信し、受信した監視情報を、サービス決定部12cへ出力する。サービス決定部12cは、センサがカメラである場合には、監視情報である映像を画像解析することで停留所に接近した人すなわち停留所に接近したユーザがいるか否かを判定する。監視情報が、人が接近したことを示す情報である場合には、サービス決定部12cは、監視情報を受け取ることで、ユーザが停留所に接近したことを検出する。サービス決定部12cは、例えば、車両の停留所からの距離がしきい値以下となる範囲に、ユーザが位置するか否かを判定し、ユーザが上記範囲内に位置すると判定した場合、登録されている地元住民からユーザに対応する地元住民を選択する。
【0163】
ステップS43では、サービス決定部12cが、登録されている地元住民のなかから、ユーザとリアルタイムのコミュニケーションをとる地元住民を選択することで、対応する地元住民を決定し、決定結果をアクセス情報生成部18へ送信する。図23に示した例では、図22に示した例とは異なりサービス提供装置1cが予約情報を受信していないため、サービス決定部12cは、予約情報は用いずに、任意の方法で、登録されている地元住民のなかから地元住民を選択する。例えば、登録している地元住民の登録順に順次選択する方法であってもよいし、ランダムに選択する方法であってもよいし、地元住民情報に知識ランクが含まれる場合には、知識ランクが選択に用いられてもよい。また、サービス提供システム100cが、上述した過去の評価結果に基づき評価情報を生成して地元住民情報に評価情報を付加している場合には、評価情報が選択に用いられてもよい。地元住民の選択方法はこれらに限定されない。
【0164】
サービス提供装置1cは、アクセス情報を生成する(ステップS44)。詳細には、アクセス情報生成部18は、サービス決定部12cによって決定された地元住民の端末装置6と、停留所に設置された停留所端末4とを、ユーザと地元住民とがコミュニケーションを行うことができるように接続するためのアクセス情報を生成し、送受信部11へ出力する。
【0165】
サービス提供装置1cは、アクセス情報を端末装置6へ送信する(ステップS45)。詳細には、送受信部11が、アクセス情報を、サービス決定部12cによって決定された地元住民に対応する端末装置6へ送信する。これにより、端末装置6と停留所端末4との間で接続処理が行われる(ステップS46)。ステップS46の後、地元住民が、停留所端末4越しにユーザへ話かけることで、ユーザと地元住民との会話が開始される。この会話によって、地元住民がおすすめの施設や場所を提案することで、ユーザが車両3の予約時に入力する目的地を、地元住民または地域にメリットのある目的地に誘導してもよい。ユーザは、地元住民からの提案に基づいて、車両3の目的地を決定してもよい。この会話が行われた後に、実施の形態1と同様にステップS3が実施される。図示を省略しているが、この後に、実施の形態1と同様にステップS4~S6が行われる。ステップS6の後に、予約結果が停留所端末4に送信される。また、ステップS6の後に、図22と同様にステップS33以降の処理が行われてもよいし、行われなくてもよい。
【0166】
本実施の形態のサービス提供装置1cも、コンピュータシステムにより実現される。例えば、図21に示したサービス決定部12cおよびアクセス情報生成部18は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。サービス決定部12cおよびアクセス情報生成部18の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図21に示した地元住民情報記憶部17は、図14に示した記憶部103の一部である。サービス提供装置1cは、複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1cは、クラウドシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1cと運用管理装置2とは一体化されていてもよい。
【0167】
以上のように、本実施の形態では、ユーザに、地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスを提供するようにした。これにより、オンデマンド型モビリティシステムの利用に関するユーザの空き時間の有効利用を図ることができる。また、地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションによって、実施の形態1に比べてよりきめ細かい情報およびサービスの提供が可能になる。地元住民側も、リアルタイムに宣伝などを行うことができるため、自分の店舗に来客が少ないタイミングで宣伝を行うといったように、タイムリーに集客活動を行うことができる。また、地元住民として高齢者などの外出が難しい人に登録してもらうことで、社会との接点を生み出すこともできる。また、地元住民を雇用する形態とすることにより、地方での雇用を創出することもできる。
【0168】
なお、本実施の形態のサービス提供装置1cに、実施の形態1の提示情報生成部13を追加し、サービス決定部12cが実施の形態1のサービス決定部12としての機能も有するようにすることで、本実施の形態の地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスと、実施の形態1の提示情報の提示のサービスとの両方をユーザに提供してもよい。また、本実施の形態のサービス提供装置1cに、実施の形態2の手配要求生成部16を追加し、サービス決定部12cが実施の形態2のサービス決定部12aとしての機能も有するようにすることで、本実施の形態の地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスと、実施の形態2の付加サービス車両の手配のサービスとの両方をユーザに提供してもよい。同様に、本実施の形態のサービス提供装置1cに、実施の形態1で述べた機能と実施の形態2で述べた機能との両方を追加することで、本実施の形態の地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスと、実施の形態1の提示情報の提示のサービスと、実施の形態2の付加サービス車両の手配のサービスとの両方をユーザに提供してもよい。
【0169】
実施の形態4.
図24は、実施の形態4にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。本実施の形態のサービス提供システム100dは、サービス提供装置1dと、運用管理装置2とを備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0170】
本実施の形態では、空き時間に加えて、ユーザの属性を示す属性情報に基づいて、ユーザに提供するサービスを決定する。属性情報は、例えば、ユーザの性別、年齢、人数(ユーザとともに車両3に乗車する同行者とユーザとを含む人数)、グループの属性(家族連れ、カップルなど)、状態などのうちの少なくとも1つを示す情報を含む。年齢は、年齢自体であってもよいし、10代、20代などのように年代であってもよいし、子供または大人といった区分であってもよい。グループは、ユーザと同行者とで構成されるグループの属性を示す。状態は、例えば、ユーザおよび同行者のうちの少なくとも一方が、寒そうであるか、暑そうであるか、などであるがこれらに限定されない。
【0171】
サービス提供装置1dは、例えば、停留所の周辺を撮影する撮影装置9によって撮影された映像に基づいて属性情報を取得することができる。撮影装置9は、停留所端末4に設置されてもよいし、停留所端末4とは別の場所に設置されてもよい。また、予約情報の入力の際に属性情報がユーザによって予約端末に入力され、予約端末がサービス提供装置1dへ属性情報を送信してもよい。また、ユーザが、車両3の予約を利用するための登録をする際に、ユーザ端末5を用いて属性情報を入力してもよい。さらに、撮影装置9に代えて、または撮影装置9に加えて、人感センサ、温度センサ等の各種のセンサが用いられてもよい。例えば、人感センサにより、停留所付近に人(ユーザ、同行者)がいるかどうかを検出することができる。また、例えば、温度センサにより気温ならびにユーザおよび同行者の体表面温度を検出することで、ユーザおよび同行者のうちの少なくとも一方が、寒そうであるか、暑そうであるかなどの状態を判断するための情報を取得することができる。また、属性情報は、これらの取得方法の組み合わせによって取得されてもよい。
【0172】
サービス提供装置1dは、サービス決定部12の代わりにサービス決定部12dを備える以外は実施の形態1のサービス提供装置1と同様である。サービス決定部12dは、空き時間に加えて、属性情報に基づいて、ユーザに提供するサービスを決定する。属性情報が、予約端末から送信される場合には、サービス決定部12dは、空き時間に加えて、送受信部11を介して受信した属性情報を用いてユーザに提供するサービスを決定する。撮影装置9によって撮影された映像に基づいて属性情報を取得する場合には、サービス決定部12dは、送受信部11を介して、撮影装置9によって撮影されたカメラ映像を受け取ると、カメラ映像に対して画像処理を行うことで、属性情報を取得する。
【0173】
サービス決定部12dは、例えば、カメラ映像から、停留所付近の人を検出することで、ユーザ、またはユーザおよび同行者を抽出する。例えば、停留所付近の人が一人であれば、検出された人が車両3を予約したユーザであると判定し、検出された人が複数であれば、検出された人の動作を解析することで予約の操作を行ったと推定される人をユーザであると判定する。また、検出された他の人がユーザと推定された人の近くに存在したり、ユーザと推定された人と会話をしていると推定されたりする場合には、これらの人をユーザの同行者と判定することで、車両3に乗車する人数を推定することができる。また、サービス決定部12dは、ユーザと推定された人の画像を解析することで、性別、年齢などを推定する。また、同行者がいると推定される場合には、同行者の性別、年齢、ユーザと同行者との動作(手をつないでいるなど)などを推定することで、家族連れであるか、カップルであるか、これら以外であるかなどを推定する。また、サービス決定部12dは、推定したユーザ、またはユーザおよび同行者の状態を画像解析により推定することができる。
【0174】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図25は、本実施の形態のサービス提供システム100dにおけるサービス提供に関する動作の一例を示すシーケンス図である。図25では、カメラ映像から属性情報を取得する例を示している。ステップS1~S3は実施の形態1と同様である。ステップS3の後、サービス提供装置1dは、撮影装置9からカメラ映像を受信する(ステップS51)。なお、図25では、サービス提供装置1dが撮影装置9からカメラ映像を受信する例を示しているが、停留所端末4が撮影装置9からカメラ映像を受信し、停留所端末4が、カメラ映像をサービス提供装置1dへ送信してもよい。
【0175】
ステップS4~S7は、実施の形態1と同様である。ステップS7の後、待ち時間および属性情報に基づいて提示情報を決定する(ステップS8a)。詳細には、サービス決定部12dは、例えば、実施の形態1と同様に、待ち時間に応じて地域提供情報を選択した後、選択した地域提供情報のなかから属性情報に基づいて提示情報として提示する地域提供情報を選択する。例えば、サービス決定部12dは、性別、年齢およびグループの属性のうちの1つ以上の属性と、選択する地域提供情報との対応を属性対応情報として保持しておき、属性対応情報を用いて、属性情報が示す属性に応じた地域提供情報を選択する。または、例えば、地域提供情報に、女性におすすめ、家族連れ、カップル、若者におすすめ、子供におすすめなどの推奨する対象を示す推奨対象情報を含めておくことで、サービス決定部12dが、推奨対象情報を用いて、属性情報に対応する地域提供情報を選択してもよい。
【0176】
ステップS9~S11は、実施の形態1と同様である。また、図25では、カメラ映像から属性情報を取得する例を示したが、上述したように、属性情報はユーザによって入力されてもよく、この場合、属性情報はユーザ端末5からサービス提供装置1dへ送信される。
【0177】
なお、図24および図25では、ユーザに提供するサービスが実施の形態1と同様に提示情報の提示である例を示したが、実施の形態2と同様の付加サービス車両の手配を行う場合に属性情報が考慮されてもよく、実施の形態3と同様の地元住民とのリアルタイムのコミュニケーションのサービスが提供される場合に属性情報が考慮されてもよい。また、実施の形態1から実施の形態3で述べたサービスのうち2つ以上を組み合わせたサービスが提供される場合に属性情報が考慮されてもよい。例えば、実施の形態2のサービス決定部12aが、付加サービス車両の手配を行う場合には、待ち時間に応じて移動販売車301を手配すると決定した後、ユーザの状態が、暑そうな状態である場合には、冷たい飲み物を提供する移動販売車301を手配し、ユーザの状態が、寒そうな状態である場合には、温かい飲み物を提供する移動販売車301を手配するようにしてもよい。あるいは、ユーザの状態として、ユーザが手にごみを持っていることを検出した場合には、移動ゴミ箱車303を手配するようにしてもよい。属性情報と手配する付加サービス車両との対応は属性対応情報として保持されてもよい。また、実施の形態3のサービス決定部12cが、対応する地元住民を決定する際に属性情報を用いて地元住民を決定してもよい。例えば、地元住民情報に、年齢、性別などを含めておき、これらの情報に基づいて属性情報と対応する地元住民との対応をあらかじめ定めて属性対応情報として保持しておいてもよいし、地元住民情報に、対応可能な属性を含めておいてもよい。
【0178】
本実施の形態のサービス提供装置1dも、コンピュータシステムにより実現される。例えば、図24に示したサービス決定部12dは、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。サービス決定部12dの実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。サービス提供装置1dは、複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1dは、クラウドシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1dと運用管理装置2とは一体化されていてもよい。
【0179】
以上のように、本実施の形態では、ユーザに提供するサービスを決定する際に、属性情報を考慮するようにした。これにより、属性を考慮しない場合に比べてより適切な、すなわちユーザのニーズに合致したサービスの提供が可能になる。
【0180】
実施の形態5.
図26は、実施の形態5にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。本実施の形態のサービス提供システム100eは、サービス提供装置1eと、運用管理装置2とを備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
【0181】
本実施の形態では、地元住民に対して、ユーザへ提供するサービスに関する登録を促すために、実績に応じて地元住民にインセンティブ(報酬)を支払う。例えば、図26に示した例のように、ユーザに提供するサービスが提示情報の提示である場合、地域提供情報1件当たりのインセンティブの単価を定め、地域提供情報を登録した件数に応じたインセンティブが支払われてもよい。また、地域提供情報のユーザによる利用の実績に基づいて、インセンティブが支払われてもよい。ユーザの利用実績は、例えば、ユーザが参照した実績、およびユーザが提供された情報に対応する施設や場所を訪れた実績のうちの少なくとも一方を含む。例えば、地域提供情報に、施設および場所に関するWebページへのリンクが含まれている場合、当該リンクからWebページがユーザによってアクセスされた回数をカウントし、回数に応じてインセンティブを支払うことで広告などの提示データの質を向上させてもよい。または、クーポンが提示データに含まれている場合、クーポンが利用された回数を計数し、回数に応じてインセンティブを支払ってもよい。
【0182】
また、予約端末がユーザ端末5である場合、ユーザ端末5の位置情報を取得し、提示情報によって提示された地域提供情報に対応する場所にユーザが移動した場合に、ユーザが当該地域提供情報を利用したと判断し、ユーザによって利用された回数を計数し、回数に応じてインセンティブを支払ってもよい。また、以上述べた方法のうちの2つ以上を組み合わせてインセンティブを支払ってもよい。
【0183】
サービス提供装置1eは、利用実績判定部51、利用実績記憶部52および支払額決定部53が追加される以外は、実施の形態1のサービス提供装置1と同様である。利用実績判定部51は、提示情報として提示された地域提供情報のユーザによる利用の実績を示す情報を、送受信部11を介して取得し、取得した情報に基づいて提示情報として提示された各地域提供情報が利用された実績を求める。利用実績判定部51は、求めた実績に基づいて利用実績記憶部52に実績情報として格納する。また、利用実績判定部51は、利用実績記憶部52に実績情報が既に記憶されている地域提供情報に関して、地域提供情報のユーザによる利用の実績を示す情報を新たに受信すると、受信した情報に利用実績記憶部52に記憶されている実績情報を更新する。
【0184】
実績情報は、例えば、ユーザが地域提供情報(地域提供情報における提示データ)を参照した実績、クーポンの利用実績、および地域提供情報に対応する施設や場所を訪れた実績のうちの少なくとも1つの実績を示す情報を含む。実績情報は、例えば、利用された回数であるが、ユーザに提示された回数に対する利用された回数の比率などであってもよく、利用された回数に限定されない。利用実績判定部51は、例えば、提示情報生成部13から、提示先のユーザ(ユーザ端末5)ごとに提示される提示情報を取得し、ユーザ端末5から、送受信部11を介して、提示情報として提示された地域提供情報(地域提供情報における提示データ)のユーザによる利用の実績を示す情報を取得する。提示情報として提示された地域提供情報のユーザによる利用の実績を示す情報は、上述したように、例えば、リンクからWebページが参照されたことを示す情報、ユーザ端末5の位置情報、クーポンが利用されたことを示す情報などである。クーポンが利用されたことを示す情報は、ユーザ端末5から取得される代わりに、クーポンが利用された施設の端末から取得されてもよい。また、利用実績判定部51は、利用実績を示す情報をオペレータなどからの入力を受付けることで実績を取得し、地域提供情報の実績情報を更新してもよい。
【0185】
なお、ここでは、地域提供情報ごとに実績情報が記憶される例を説明するが、利用実績判定部51が、地域提供情報記憶部15に記憶されている地域提供情報を参照し、地域提供情報に対応する登録者を取得し、登録者、すなわち地元住民ごとに、実績情報を利用実績記憶部52に格納するようにしてもよい。
【0186】
利用実績記憶部52は、実績情報を地域提供情報ごとに記憶する。支払額決定部53は、地元住民の地域提供情報に関する実績に基づいて地元住民に支払うインセンティブの額を算出する。具体的には、支払額決定部53は、利用実績記憶部52に記憶されている実績情報、および地域提供情報記憶部15に記憶されている地域提供情報のうち少なくとも一方に基づいて、地元住民ごとにインセンティブとして支払う支払金額を決定する。例えば、登録件数に応じてインセンティブを支払う場合には、支払額決定部53は、地域提供情報記憶部15に記憶されている地域提供情報を参照して、登録者ごとの登録件数をカウントし、登録件数に定められた単価を乗じることで支払額を決定する。なお、これに限らず、例えば、登録件数が5件以下は同一の第1の額、6件から10件以下は同一の第2の額(第1の額より多い)といったように段階的に支払額を決定してもよい。
【0187】
また、利用実績に基づいてインセンティブを支払う場合は、支払額決定部53は、利用実績記憶部52に記憶されている実績情報と地域提供情報記憶部15に記憶されている地域提供情報とに基づいて、登録者ごとの利用実績を求め、利用実績に定められた単価を乗じることで支払額を決定する。なお、実績情報が登録者ごとに記憶されている場合には、支払額決定部53は、登録者ごとの実績情報が示す利用実績に、定められた単価を乗じることで支払額を決定する。なお、登録件数、地域提供情報が参照された実績、クーポンの利用実績、および地域提供情報に対応する施設や場所を訪れた実績のうちの2種類以上の実績のそれぞれに関してインセンティブを支払うこととし、支払額決定部53は、2種類以上の実績に対応する支払額をそれぞれ算出し、算出した支払い額の合計額を登録者ごとに求めてもよい。インセンティブは、お金として支払われる例に限定されず、ポイントサービスなどにおけるポイントとして付与されてもよいし、物品であってもよいし、定められた商品またはサービスにおける割引額であってもよい。また、サービス提供装置1eは、支払額の決定の後、地元住民への支払を行う決済処理を行ってもよい。
【0188】
また、図26では、実施の形態1にインセンティブの支払額を算出する機能を追加する例を説明したが、これに限らず、実施の形態3,4にインセンティブの支払額を算出する機能を追加してもよい。また、実施の形態1と実施の形態2~4の1つ以上とを組み合わせる場合に、インセンティブの支払額を算出する機能を追加してもよい。実施の形態3のように、地元住民がユーザとコミュニケーションを行う場合には、例えば、支払額決定部53は、コミュニケーションに関する実績に基づいて地元住民に支払うインセンティブの額を算出する。コミュニケーションに関する実績は、例えば、コミュニケーションを行った回数であってもよい。地元住民がリアルタイムのコミュニケーションを行う場合、支払額決定部53は、実施の形態3で述べた知識ランクおよび評価情報のうちの少なくとも一方をさらに用いて支払額を決定してもよい。例えば、知識ランクごとに知識ランクが高いほど単価が高くなるように単価を定めてもよいし、評価情報が示す評価結果が良いほど単価が高くなるように単価を定めてもよいし、これら以外の方法で、知識ランクおよび評価情報のうちの少なくとも一方を支払額へ反映させてもよい。
【0189】
本実施の形態のサービス提供装置1eも、コンピュータシステムにより実現される。例えば、図26に示した利用実績判定部51および支払額決定部53は、図14に示した記憶部103に記憶されたプログラムが図14に示した制御部101により実行されることにより実現される。利用実績判定部51および支払額決定部53の実現には、図14に示した記憶部103も用いられる。図26に示した利用実績記憶部52は、図14に示した記憶部103の一部である。サービス提供装置1eは、複数のコンピュータシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1eは、クラウドシステムにより実現されてもよい。サービス提供装置1eと運用管理装置2とは一体化されていてもよい。
【0190】
以上のように、本実施の形態では、地元住民に対して、実績に応じてインセンティブを支払うようにした。これにより、地元住民による情報の登録を促すことができ、地元住民から提供される情報の質を向上させることができる。また、提供される情報の量および質の少なくとも一方が向上することで、ユーザの利便性を高めることができるとともに、サービスの提供に協力した地元住民のモチベーションの維持および向上を図ることができる。
【0191】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0192】
1,1a,1b,1c,1d,1e サービス提供装置、2,2a 運用管理装置、3,3-1~3-n 車両、4 停留所端末、5 ユーザ端末、6 端末装置、9 撮影装置、11,23,42,311 送受信部、12,12a,12b,12c,12d サービス決定部、13 提示情報生成部、14 登録処理部、15 地域提供情報記憶部、16 手配要求生成部、17 地元住民情報記憶部、18 アクセス情報生成部、21,21a 手配処理部、22 運行計画記憶部、24 車両情報記憶部、31 車両搭載装置、32 ID取得装置、33 走行制御装置、34 車両端末、35 機器、36 位置取得部、41 予約情報生成部、43 情報提示部、44 ID取得部、45 入力受付部、51 利用実績判定部、52 利用実績記憶部、53 支払額決定部、100,100a,100b,100c,100d,100e サービス提供システム、201,202,203,204,205,208,209,211 領域、206 ボタン、207,210 予約変更ボタン、301 移動販売車、302 移動トイレ車、303 移動ゴミ箱車、312 予約結果記憶部、313 予約照合部、341 受信部、342 提示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26