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特開2024-170361排泄とシャワー浴が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッド。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024170361
(43)【公開日】2024-12-09
(54)【発明の名称】排泄とシャワー浴が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッド。
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/02 20060101AFI20241202BHJP
   A61H 33/00 20060101ALI20241202BHJP
   A61G 7/005 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
A61G7/02
A61H33/00 310P
A61G7/005
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023097327
(22)【出願日】2023-05-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】596175463
【氏名又は名称】渡邊 諒吉
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 諒吉
【テーマコード(参考)】
4C040
4C094
【Fターム(参考)】
4C040AA11
4C040AA12
4C040BB02
4C040BB06
4C040DD05
4C040DD06
4C040FF05
4C094AA01
4C094GG02
4C094GG07
(57)【要約】
【課題】介護を要する人達の排泄処理とシャワー浴と褥瘡予防が出来る介護用ベッドを提供して介護関係者の負担と苦痛を軽くする。
【解決手段】起伏して椅子状に変化するベッドのマットを、多数の穴が空いた耐水柔軟弾性材質して排泄洗浄及びシャワー浴が出来る様にし、マット及びマット床板を横倒し枠(6)に取り付けて、該枠を横転可能な横倒し枠受け台(7)にて支えて交互に、左または右へ傾斜させつつマットの適宜位置を縦方向に谷折れ屈折(9)させてL字状または逆L字状にマットを横倒しにし、ベッド利用者が側臥位になれる介護用ベッドを提供して、この課題を解決する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背側と臀部側と足側の三つのマット部分からなるマットが背上げ起伏し、足側のマット部分中程でL字状に谷折れ屈曲して膝上げ及び足下げ起伏し椅子状に変化する排泄の出来るベッドで、排泄物の排出位置に相当する臀部中央部分のマットの箇所に裂け目状の隙間を設けていて、マット及び脱落防止具装着のマット床板を載置しているマット横倒し枠が、ベッド縦方向の中心線を軸にして左または右に傾斜し横倒し出来る様にしてあり、この横倒し動作に応じた湾曲した安全カバーを設けてあって、マット床板は傾斜開始とほぼ同時に横端部が安全カバーに沿って複数設置されている屈折倣いレールに干渉して、ベッド上の仰臥身体の両腕端位置に相当するベッド縦方向の谷折れ線箇所を屈折させ該レールの弓なり形状に倣い傾斜しつつ横倒しになり、一定の間を置いた後に復帰作動して水平に戻って屈折倣いレールの干渉解徐で平坦な状態となって所定の時間経過後に右または左へ傾斜する動作を交互に繰り返す様にしてあり、この動きに連鎖してマットは平坦状態または縦折れ屈折しL字状又は逆L字状に変化するもので横倒し枠がベッド前後の横倒し枠受台により横転可能に支持されているベッドであって、洗浄湯水噴射装置並びに温風乾燥風発生送風装置を備えており、マットは、耐水柔軟弾性材質で外周や固定部等一部を除いて多数の穴を空けていて便座に相当する部分を含む範囲の臀部中央側周辺部位のマットは着脱式であり、マット床板は、強度に支障を生じる部分等を除いて多数の穴を空けており、背側と臀部側の両マット部分が連結するマット床板の屈曲部から一定量背側方向寄にずらした適宜の位置に起伏及び復帰作動支点を設け該支点部をマット横倒し枠に隙間を設けて据え付けていて、そして左右両横端側の所要位置に屈折倣いレールの干渉当て具を備え、それに又、マット横倒し時にはベッド利用者を保護する角度を変化させて身体に接近させる様にしている着脱可能で緩衝具を備えた転落防止具を設置してあり、ベッドが起伏し横方向に谷折れ屈曲する際は隣接の該防止具同士が干渉するのを防ぐ構造にしており、また更に、臀部側マット部分の床板と区切られて柔軟に連結されている臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板に、排泄穴を設けて裂け目状の形になった弾力性を有する圧して狭めた円筒を嵌め込み組付け部材にて該マット床板に取り付け、且つ上部に、臀部中央側周辺部位のマットを嵌着させる様にしてあって、該マット床板を押し下げた後に片方又は両方向から圧して狭めた円筒に力を加えて裂け目状の隙間を押し広げマットを拡張開口させる機構にし、排泄用開閉扉を兼ねる洗浄湯水等の飛散防止カバーにしていて、身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺に向けて洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風送風口又は吹付ノズルを、裂け目状の隙間周辺の適宜位置に複数配設し、そしてまたマット床板周辺の適宜位置に、ベッド上の身体並びにマット等に向けた温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設しており、また更に、マット横倒し枠にはマット起伏用と裂け目状の隙間を開口させる為のアクチュエーターや防水カバー等を備え起伏及び開口機構を設けてあり、この横倒し枠を支える横倒し枠受台には横倒し用のアクチュエーター等を備え横倒し機構を設けていて、尚更に湾曲した安全カバーはシャワー浴湯水等の回収及び飛散防止を兼ねる様にしているもので、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後の身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺を洗浄及び乾燥し、シャワー浴後の身体並びにマット等の乾燥が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後は臀部及び臀部周辺マットの洗浄及び乾燥が出来、シャワー浴後は身体及びマットの乾燥が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
介護を要する身体の不自由な人達の排泄処理と入浴と褥瘡対策は、介護分野に於いて苦痛と負担を強いる困難な問題であり、多くの関係者がこの三大重要課題を解決すべく様々な提案がなされている。
【0003】
ベッドが椅子状に変化してマットの臀部相当部分が開閉し便座になり、下方に設けた水洗便器等に排泄して洗浄するという排泄洗浄の出来る介護用ベッドが多種多様ある。
【0004】
そして、顔だけ出し湯水飛散防止カバーに覆われた身体に洗浄湯水を吹き付けて自動洗浄する入浴専用介護用ベッド等がある。
【0005】
そして又、寝返りをサポートする自動寝返り支援ベッドという優れたベッドもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7181513号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】カタログ シャワーベッドJS-B351NS
【非特許文献2】カタログ 自動寝返り支援ベッドFB-640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の排泄洗浄の出来るベッドやシャワー浴の出来るベッドや自動寝返り支援ベッドは各々優れているが、排泄処理と入浴問題と褥瘡対策の三つの重要課題を、夫々が個別にしか対応出来ず不便さを感じる人は多い。
【0009】
また高齢化が益々加速し、この三つの重要課題を解決するには経済性を無視できずシンプルさと、多機能性を進化させる事がこれからの介護分野に於いては大切である。
【0010】
本発明はこれらの状況を鑑み、オムツの廃止を可能にする排泄洗浄機能を備え、且つ、シャワー浴が出来る側臥位自動寝返りベッドを実現させて、三つの重要課題を一つのベッドで解決させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、背側と臀部側(17)の両マット部分が連結するマット床板の屈曲部から一定量ずらし、背側マット部分の床板側寄りの適宜位置にベッドの起伏及び復帰作動支点(5)を設けて該支点部をマット横倒し枠(6)に隙間を設けて取り付け、ベッドのマットを、背上げ起伏すると共に足側のマット部分を、マット中程で横方向に谷折れ屈曲する機構にして膝上げ及び足下げ起伏が出来る様にした。
【0012】
そして第2の解決手段として、背側と臀部側(17)と足側の三つのマット部分からなるベッドのマットを耐水柔軟弾性材質にし、便座に相当する部分を含む広さの臀部中央側周辺部位のマット(16)は、随時に交換出来る着脱式とし、マットは外周や固定部などの一部を除き多数の穴が空いたものにし、マット床板(23)も強度に問題を生じる恐れがある部分等を除き多数の穴が空いたものにした。
【0013】
そして第3の解決手段として、臀部側マット部分(17)の床板と区切られてあって弾性連結帯(27)により柔軟に連結されている臀部中央部分のマットの箇所(4)に隣接する部位のマットの床板(3)へ、排泄用の穴(1)を設けて裂け目状の形になっている弾力性を有する圧し狭めた円筒を嵌め込んで組付け部材(15)にて該マット床板(3)に取り付け、上部に臀部中央側周辺部位のマット(16)を嵌着させて、片方又は両方向から圧して狭めた円筒に力を加えて裂け目状の隙間(4)を拡張開口する様にした。そして更に、裂け目状の隙間周辺の適宜位置に身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺へ向けて排泄洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設した。
【0014】
それから第4の解決手段として、裂け目状の隙間(4)を拡張開口させるのに先立って、アクチュエーターを利用するか、若しくは、ベッド背上げ時に背側マット部分床板の延長腕部(25)が下降する動きを利用して、臀部側のマット部分(17)の床板へ柔軟に連結されている臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板(3)を先に押し下げる機構にして、臀部中央側周辺部位のマット(16)の内で、臀部中央部分のマットの箇所(4)は押し下がり便座に相当する部分のマットは下降せず臀部を支える様にした。
【0015】
また第5の解決手段として、ベッド利用者が側臥位になれる様に、ベッドの頭側と足側に設置した二つの横倒し枠受台(7)によって横転可能に支持されていて、マット及びマット床板を載置しているマット横倒し枠(6)が、左又は右へ傾き横倒し出来る様にした。これにより脱落防止具(13)を装着したマット床板(23)は、傾斜開始とほぼ同時に横端部の回転部付き干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉してベッド縦方向の適宜位置を谷折れ線(9)にして屈折し弓なりに倣い傾斜しつつ横倒しになり、連鎖してマットも傾斜し横倒しになって平坦な状態から縦折れ屈折しL字状又は逆L字状に直角状態に屈折する機構にした。
【0016】
そして更に第6の解決手段として、マットが平坦な状態から右または左に傾斜し縦方向に谷折れ屈折し横倒しになり一定の間を置いた後に平坦状態に復帰し、そして又、一定の時間経過後左または右に横倒しになる様に、通常就寝状態の仰臥位から側臥位に体位を変更する時機及び横倒し方向或いは変更所要時間や側臥位の保持時間または、仰臥位への復帰時間やタイミングなどを制御機器にて制御しベッド利用者に合わせて配分調整が出来る様にした。
【0017】
それから第7の解決手段として、マット横倒し枠(6)の横倒し動作に応じた湾曲した安全カバー(10)を設置して、当該カバーに沿ってマット床板(23)及びマットを屈折させる為の弓なり状の屈折倣いレール(8)を適宜位置に複数併設した。
【0018】
そして第8の解決手段として、マット及びベッド上の身体に向けて温風乾燥風の送風口または吹付ノズルをマット床板(23)周辺の適宜位置に複数配設し、また更に、マット床板の左右両横端側の所要位置に、屈折倣いレール(8)の干渉当て具(14)と、マット横倒し時に側臥位状態のベッド利用者を守る転落防止具(12)を複数備え付けた。該転落防止具はベッドに移乗する時のために着脱が可能にしてありクッション等緩衝具(28)を備え付け、そして尚、ベッドが起伏して横折れ屈曲するのに伴い隣同士の間隔が狭くなり干渉するのを防ぐ過接近防止具(20)を備え付け、そして又、屈折倣いレール(8)に回転部付き干渉当て具(14)を干渉させてマットを縦折れ屈折させる原理と同様に、ベッドが縦折れ屈折して横倒しになる際には、転落防止具を取り付けているマット床板端部(21)に設けられた突出し状の干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉して転落防止具(12)のベッド利用者を守る保護角度が変化して身体に接近し、うつ伏せ事故を防ぎ優しく身体を支え守る様にした。
【0019】
そしてまた第9の解決手段としてマット横倒し枠(6)に、マット起伏用と裂け目状の隙間(4)を開口するためのアクチュエーターや防水カバー等を備え起伏及び開口機構を設け、横倒し枠受台(7)には横倒し用のアクチュエーター等と共に横倒し機構を設けた。
【0020】
上記第1の問題解決手段による作用は、マットの背上げのみならず足側のマット部分をL字状に谷折れ屈曲させる事により、膝上げ及び足下げが可能になりベッド利用者は無理の無い排泄姿勢を確保する事が出来る。また、起伏及び復帰作動支点(5)をずらし且つ、隙間を設けて取り付ける事により背上げ作動が開始されると同時に起伏及び復帰作動支点(5)を基準にして足側マット部分の方向へ向けて押す力が発生するが、足側マット部分の床板中程の谷折れ屈曲部は未作動のため、臀部側及び足側両マット部分の床板の連結部が上昇して足下げ起伏作動が円滑に行われる事になる。
【0021】
第2の問題解決手段による作用は、マット床板を多数の穴が空いたものにしてマットは多数の穴の空いた耐水柔軟弾性材質にする事により、ベッド利用者身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺を湯水にて洗浄が出来て更に、シャワー浴も可能となり、尚且つ、マットは希望角度に屈曲する事が簡単になり、また汚れや損耗が著しく交換が必要な臀部中央側周辺部位のマット(16)を着脱可能にする事により、利便性と清潔さは著しく向上する。
【0022】
次に、第3の解決手段による作用は、排泄時に於けるマットの裂け目状の隙間(4)の拡張開口や洗浄及び湯水飛散防止などの機構がシンプルとなり、第2の問題解決策と相まって利便性と清潔さは著しく向上する。そしてマットの裂け目状の隙間(4)を設ける事により小排泄は勿論、大排泄物が予期せずベッド利用者の意に反して排出されても洗浄対処が容易い。
【0023】
また第4の問題解決手段による作用は、便座に相当する部分のマットは下降せず身体を支え、且つ、臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板(3)は下降するため、排泄時に裂け目状の隙間(4)を開口させてもマット表面はベッド利用者身体の排泄物出口周辺に接触せず痛痒を感じさせずに済み、臀部中央部分のマットの箇所、即ち、裂け目状の隙間(4)は抵抗なく開口がスムーズに行われる。
【0024】
それから第5の問題解決手段による作用は、ベッドの起伏時に於ける横折れ屈曲方式とベッド横倒し時に於ける縦方向を谷折れ線(9)にして屈折する縦折れ屈折方式を併用する事により、ベッド利用者は背上げ及び膝上げと足下げの体位変更に加え側臥位になれるので褥瘡対策として大きく貢献出来る。
【0025】
また更に第6の問題解決手段による作用は、それぞれ体格や体調の異なる不特定多数のベッド利用者に対しても夫々個人に適した褥瘡対策を講じる事が出来る。
【0026】
そして第7乃至第9の問題解決による作用は、排泄洗浄及び乾燥と、シャワー浴及び乾燥が容易に出来るようになり、湿度の管理をサポートし被介護者を清潔で快適な環境に置けて、更に側臥位状態のベッド上の身体は偏りなく均等に配置された緩衝具(28)付きの転落防止具(12)に優しく支えられ、転落事故やうつ伏せ事故を防いでベッド起伏時には挟まれ事故を防ぎ、第5及び第6の解決策と相まって褥瘡の発症を抑える事が出来る。
【発明の効果】
【0027】
上述した様に、本発明による介護用ベッドを使用し既存の耐水網状シーツ等を工夫併用する事により、ベッドとベッド外との移動無く一つのベッドで排泄とシャワー浴と褥瘡予防が容易に出来る様になり、被介護者と介護関係者双方の負担を軽減し、介護従事者及び関係者を大いに悩ます三つの重要課題を解決する事が出来る様になる。また更に、本発明による介護ベッドを利用すれば必ずしもオムツを使用する必要はなく、既存の穴開き介護用パンツを使用してオムツは廃止すれば経費削減に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明介護用ベッドの傾斜開始時に於ける、片側の転落防止具を取り外した時の斜視図
図2図1のマットを取り外した時の図
図3】ベッド横倒し途中に於ける主な形態を示すベッド縦方向からの図
図4】ベッド横倒し時のマット横倒し枠の主な形態を示すベッド横方向からの図
図5】ベッド横倒し時に於ける、穴の表示を省いたベッド横方向からの図
図6】ベッドの通常時に於ける、主な起伏機構を示すベッド横方向からの図
図7】ベッドの、背上げ起伏開始時に於けるベッド横方向からの図
図8】背上げ及び膝上げ足下げ起伏した時の主な形態を示すベッド横方向からの図
図9】臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板と、圧して狭めた円筒の斜視図
図10】圧して狭めた円筒の組付け部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下発明を実施するための形態を、実施例に基づいて図面を参照にして説明する。
【0030】
背側と臀部側(17)の両マット部分の床板の屈曲部から一定量背側マット部分の床板側寄りにずらした適宜位置に、起伏及び復帰作動支点(5)を設けて該支点部をマット横倒し枠(6)の取付け台座に据え付け、アクチュエーター及び往復作動するコの字型材(18)やリンク(19)等を用いて、ベッドのマットが背上げ及び膝上げ起伏して尚且つ足下げが出来る様に、マット横倒し枠(6)の足側寄りの上部に凹み部を設け、且つ、安全カバー(10)にも一部膨らみを設けて、足側マット部分がマット中程で谷折れ屈曲出来る様にした。図1または図3及び図6乃至図8参照。
【0031】
また、オムツや下着パンツ等を着用しても良いが、面倒なオムツや下着パンツの上げ下げを省くため、無着用か、既存の身体排泄物出口周辺部分に穴を空けたパンツを穿いたままでも使用出来る様に、マットを耐水柔軟弾性材質にし、便座に相当する部分を含める臀部中央側周辺部位のマット(16)は交換出来る着脱式とし、マット夫々は外周や固定部など一部を除き多数の穴が空いたものにしてマット床板(23)も強度に問題を生じる部分等を除いて多数の穴が空いたものにした。尚マットは、一体物でなく制作容易な適宜の広さ或いはマットの部位に適した大きさ形のものを敷き連ねてマット床板(23)に取付ける様にしても良く市販品の使用が可能になりコスト削減になる。マット床板は防錆材質で強度を損なわない範囲で網状の部材も用いた。図1及び図2参照。
【0032】
尚ここの、臀部中央側周辺部位のマット(16)とは、臀部中央部分のマットの箇所(4)に隣接する部位のマットの床板(3)と、臀部側マット部分(17)の床板の一部である便座に相当する部分を含むマットの床板との双方に跨って覆う部位のマットの事である。図1または図2或いは図4及び図5参照。
【0033】
次に、臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板(3)へ、排泄及び排泄後の噴射洗浄効果に支障無い程度に通常の水洗トイレより狭い排泄用の穴(1)を設け、且つ、この穴に裂け目状の形になって弾力性を有する圧し狭めた円筒を嵌め込んで、片端を組付け部材(15)にて当該臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板(3)に取り付け、上部に臀部中央側周辺部位のマット(16)を嵌着させて、取り付け側の反対方向からワイヤー又は棒材等の引き具(2)を用い圧して狭めた円筒を自動または手動で引っ張り、裂け目状の隙間(4)を拡張開口する様にした。そして更に、身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺に向けて排泄洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを裂け目状の隙間の適宜位置に複数配設した。図2又は図4及び図6乃至図10参照。
【0034】
それから、排泄時の裂け目状の隙間(4)を拡張開口させるのに先立って、ベッドの背上げ起伏時に背側マット部分が一定量上昇すると背側マット部分床板の延長腕部(25)と足側マット部分床板の接続部材(26)とが連動下降する事を利用して、これらと臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板(3)を繋いで押し下げる機構にし、便座に相当する部分のマットは下がらずに身体を支え、臀部中央部分のマットの箇所(4)は下がる様にした。ここの場合、裂け目状の隙間(4)開口用のアクチュエーターを併用して背上げ起伏に関係なく押し下げ作動させる様にしても良い。図7及び図8又は図9参照。
【0035】
そして、ベッドの頭側と足側に設置した二つの横倒し枠受け台(7)によって横転可能に支持されていて、マット及び脱落防止具(13)を装着したマット床板(23)を載置しているマット横倒し枠(6)を、ベッド縦方向の左右中心線を軸にして左または右へ交互に傾け横倒しさせる様にした。そして、シャワー湯水等が速やかに落下し通過出来る様に該横倒し枠を(6)骨組み枠構造にした。図1及び図2または図4参照。
【0036】
ここのマット床板(23)の脱落防止具(13)は凹凸部を夫々組み合わせて背側と足側両マット部分のマット床板下側とこれに相対するマット横倒し枠(6)上部の適宜位置に取り付けて嵌合させる様にした。図7及び図8参照。
【0037】
次に、マット横倒し枠(6)の横倒し動作に応じた湾曲した形状の安全カバー(10)を設置して、当該カバーに沿ってマット床板及びマットを屈折させる為の弓なり状の屈折倣いレール(8)を適宜位置に複数併設した。図2または図3参照。
【0038】
これによりマット床板は、マット横倒し枠(6)の傾斜開始とほぼ同時に横端部が屈折倣いレール(8)に干渉し、ベッド縦方向の仰臥位身体の両肩端位置相当箇所を谷折れ線(9)にして屈折して弓なりに倣い動いて傾斜しつつ横倒しになり、連鎖してマットも傾斜し横倒しになる様にした。そしてタイマーや回転切り替えスイッチ等制御機器を用いてマットの平坦状態からL字状又は逆L字状に変化する切り替わり時機や、所要時間及び保持時間などを調整制御する様にした。マット床板は、復帰作動して水平に戻り屈折倣いレール(8)の干渉が解除されるとベッド縦方向の谷折れ屈折線(9)に沿って設置している反発弾性部材(22)による反発力と、重力とが相俟って屈折状態から平坦状態に確実に戻る様にしてあり、また横倒し作動の振れが大きくならぬ様にマットの高さと、横倒し作動の中心点が同等程度の高さ位置になる様にマット横倒し枠(6)の形をクランクの形状にした。図2または図3及び図6乃至図8参照。
【0039】
そしてまた、マット及びベッド上の身体に向けて温風乾燥風の送風口または吹付ノズルをマット床板周辺の適宜位置に複数配設し、更に、マット床板の左右両横端の所要位置に屈折倣いレール(8)の干渉当て具(14)を備え付けた。それから又、ベッドに移乗する時には取り外しが出来る様にしている手摺を兼ねた柵状の転落防止具(12)を取り付けているマット床板端部(21)に蝶番等を備え付けてマット床板(23)とは別個に縦方向谷折れ屈折の動きが出来る様にし、反発弾性部材(22)を該屈折線(9)に沿って設置した。そして尚、転落防止具(12)には、過接近防止具(20)を取付けてマットが起伏し横折れ屈曲すると、該過接近防止具(20)に押されて転落防止具(12)の一部が横移動して収縮し一定間隔を保つ様にした。図2または図6乃至図8参照。
【0040】
そして又更に、マット横倒し枠(6)が傾斜して屈折倣いレール(8)にマット床板(23)の回転部付き干渉当て具(14)が干渉して縦方向の適宜位置を谷折れ屈折(9)するのと同様に、手摺柵状の転落防止具(12)を取り付けているマット床板端部(21)に設けられた突き出し状の干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉して転落防止具の角度を変化させる様にし、マット横倒しの際には転落防止具(12)をベッド利用者方向へ傾けて身体に接近させる様にした。そして転落防止具(12)にはクッションの緩衝具(28)を備え付けた。ここの場合、足側マット部分側の転落防止具に関しては、必ずしも保護角度を変化させる必要はない。また、裂け目状の隙間を拡張開口させるのと同様に引き具(2)を用い、アクチュエーターにて転落防止具を取り付けたマット床板端部(21)の干渉当て具(14)を牽引操作して転落防止具(12)の保護角度を変更させても良い。図2または図3乃至図6参照。
【0041】
尚更に、マット横倒し枠(6)にマット起伏用と裂け目状の隙間(4)を開口するためのアクチュエーターや防水カバー等を取り付け起伏及び開口機構を設け、横倒し枠受け台(7)には横倒し用のアクチュエーター等を備え横倒し機構を設けた。図4または図6及び図8参照。
【0042】
それと横倒し枠受け台(7)の傍に、排泄洗浄湯水噴射装置並びに温風乾燥風発生送風装置(24)を設置し、また安全カバー(10)下方で排泄洗浄湯水及びシャワー浴汚水等を受け止めてベッドの外へ排出し、状況に応じて浄化槽や水洗トイレ等に接続出来る様にした。そしてシャワー浴は、給湯機器等の湯水を利用する様にした。図6参照。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る介護用ベッドは、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0044】
1 排泄用穴
2 引き具
3 臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板
4 裂け目状の隙間、即ち、臀部中央部分のマットの箇所
5 ベッドの起伏及び復帰作動支点
6 マット横倒し枠
7 横倒し枠受け台
8 屈折倣いレール
9 谷折れ屈折線
10 安全カバー
11 マット床板張り出し梁
12 転落防止具
13 脱落防止具
14 干渉当て具
15 組付け部材
16 臀部中央側周辺部位のマット
17 臀部側マット部分
18 コの字型材
19 リンク
20 過接近防止具
21 転落防止具を取付けたマット床板端部
22 反発弾性部材
23 マット床板
24 湯水噴射装置及び乾燥風発生送風装置
25 背側マット部分床板の延長腕部
26 足側マット部分床板の接続部材
27 弾性連結帯
28 緩衝具
29 横倒し枠張り出し梁
30 横倒し枠回転部付き張り出し梁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
これによりマット床板は、マット横倒し枠(6)の傾斜開始とほぼ同時に横端部が屈折倣いレール(8)に干渉し、ベッド縦方向の仰臥位身体の両肩端位置相当箇所を谷折れ線(9)にして屈折して弓なりに倣い動いて傾斜しつつ横倒しになり、連鎖してマットも傾斜し横倒しになる様にした。そしてタイマーや回転切り替えスイッチ等制御機器を用いてマットの平坦状態からL字状又は逆L字状に変化する切り替わり時機や、所要時間及び保持時間などを調整制御する様にした。マット床板は、復帰作動して水平に近づいて屈折倣いレール(8)の干渉が解除されるとベッド縦方向の谷折れ屈折線(9)に沿って設置している反発弾性部材(22)にる反発力と、重力とが相俟って屈折状態から平坦状態に確実に戻る様にしてあり、また横倒し作動の振れが大きくならぬ様にマットの高さと、横倒し作動の中心点が同等程度の高さ位置になる様にマット横倒し枠(6)の形をクランク状にした。図2または図3及び図6乃至図8参照。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背側と臀部側と足側の三つのマット部分からなるマットが背上げ起伏し、足側のマット部分中程でL字状に谷折れ屈曲して膝上げ及び足下げ起伏し椅子状に変化する排泄の出来るベッドで、排泄物の排泄位置に相当する臀部中央部分のマットの箇所に裂け目状の隙間を設けていて、マット及び脱落防止具装着のマット床板を載置しているマット横倒し枠が、ベッド縦方向の中心線を軸にして左または右に傾斜し横倒し出来る様にしてあり、この横倒し動作に応じた湾曲した安全カバーを設けてあって、マット床板は傾斜開始とほぼ同時に横端部が安全カバーに沿って複数設置されている屈折倣いレールに干渉して、ベッド上の仰臥身体の両腕端位置に相当するベッド縦方向の谷折れ線箇所を屈折させ該レールの弓なり形状に倣い傾斜しつつ横倒しになり、一定の間を置いた後に復帰作動して水平に近づいて屈折倣いレールの干渉解除で平坦な状態となって所定の時間経過後に右または左へ傾斜する動作を交互に繰り返す様にしてあり、この動きに連鎖してマットは平坦状態または縦折れ屈折しL字状又は逆L字状に変化するもので横倒し枠がベッド前後の横倒し枠受台により横転可能に支持されているベッドであって、洗浄湯水噴射装置並びに温風乾燥風発生送風装置を備えており、マットは、耐水柔軟弾性材質で外周や固定部等一部を除いて多数の穴を空けていて便座に相当する部分を含む範囲の臀部中央側周辺部位のマットは着脱式であり、マット床板は、強度に支障を生じる部分等を除いて多数の穴を空けており、背側と臀部側の両マット部分が連結するマット床板の屈曲部から一定量背側方向寄にずらした適宜の位置に起伏及び復帰作動支点を設け該支点部をマット横倒し枠に隙間を設けて据え付けていて、そして左右両横端側の所要位置に屈折倣いレールの干渉当て具を備え、それに又、マット横倒し時にはベッド利用者を保護する角度を変化させて身体に接近させる様にしている着脱可能で緩衝具を備えた転落防止具を設置してあり、ベッドが起伏し横方向に谷折れ屈曲する際は隣接の該防止具同士が干渉するのを防ぐ構造にしており、また更に、臀部側マット部分の床板と区切られて柔軟に連結されている臀部中央部分のマットの箇所に隣接する部位のマットの床板に、排泄穴を設けて裂け目状の形になった弾力性を有する圧し狭めた円筒を嵌め込み組付け部材にて該マット床板に取り付け、且つ上部に、臀部中央側周辺部位のマットを嵌着させる様にしてあって、該マット床板を押し下げた後に片方又は両方向から圧して狭めた円筒に力を加えて裂け目状の隙間を押し広げマットを拡張開口させる機構にし、排泄用開閉扉を兼ねる洗浄湯水等の飛散防止カバーにしていて、身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺に向けて洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風送風口又は吹付ノズルを、裂け目状の隙間周辺の適宜位置に複数配設し、そしてまたマット床板周辺の適宜位置に、ベッド上の身体並びにマット等に向けた温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設しており、また更に、マット横倒し枠にはマット起伏用と裂け目状の隙間を開口させる為のアクチュエーターや防水カバー等を備え起伏及び開口機構を設けてあり、この横倒し枠を支える横倒し枠受台には横倒し用のアクチュエーター等を備え横倒し機構を設けていて、尚更に湾曲した安全カバーはシャワー浴湯水等の回収及び飛散防止を兼ねる様にしているもので、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後の身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺を洗浄及び乾燥し、シャワー浴後の身体並びにマット等の乾燥が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッド。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後は臀部及び臀部周辺マットの洗浄及び乾燥が出来、シャワー浴後は身体及びマットの乾燥が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
介護を要する身体の不自由な人達の排泄処理と入浴と褥瘡対策は、介護分野に於いて苦痛と負担を強いる困難な問題であり、多くの関係者がこの三大重要課題を解決すべく様々な提案がなされている。
【0003】
ベッドが椅子状に変化してマットの臀部相当部分が開閉し便座になり、下方に設けた水洗便器等に排泄して洗浄するという排泄洗浄の出来る介護用ベッドが多種多様ある。
【0004】
そして、顔だけ出し湯水飛散防止カバーに覆われた身体に洗浄湯水を吹き付けて自動洗浄する入浴専用介護用ベッド等がある。
【0005】
そして又、寝返りをサポートする自動寝返り支援ベッドという優れたベッドもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7181513号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】カタログ シャワーベッドJS―B351NS
【非特許文献2】カタログ 自動寝返り支援ベッドFB―640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の排泄洗浄の出来るベッドやシャワー浴の出来るベッドや自動寝返り支援ベッドは各々優れているが、排泄処理と入浴問題と褥瘡対策の三つの重要課題を、夫々が個別にしか対応出来ず不便さを感じる人は多い。
【0009】
また高齢化が益々加速し、この三つの重要課題を解決するには経済性を無視できずシンプルさと、多機能性を進化させる事がこれからの介護分野に於いては大切である。
【0010】
本発明はこれらの状況を鑑み、オムツの廃止を可能にする排泄洗浄機能を備え、且つ、シャワー浴が出来る側臥位自動寝返りベッドを実現させて、三つの重要課題を一つのベッドで解決させるものである。
【課題を解決する手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、背側と臀部側(17)の両マット部分が連結するマット床板の屈曲部から一定量背側方向へ寄せた位置に、ベッドの起伏及び復帰作動支点(5)を設けて該支点部をマット横倒し枠(6)に隙間を設けて取り付け、ベッドのマットを、背上げさせると共に足側のマット部分を、マット中程でL字状に横方向へ谷折れ屈曲する機構にして膝上げ及び足下げ起伏が出来る様にした。
【0012】
そして第2の解決手段として、背側と臀部側(17)と足側の三つのマット部分からなるベッドのマットを耐水柔軟弾性材質にし、便座に相当する部分を含む広さの臀部中央側周辺部位のマット(16)は、随時に交換出来る着脱式とし、マットは外周や固定部を除複数の穴が空いたものにし、マット床板(23)もマットと同様に複数の穴の空いたものにした。
【0013】
それから第3の解決手段として、臀部側マット部分(17)の床板と区切られてあって弾性連結帯(27)により柔軟に連結されている裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板(3)へ排泄用の穴(1)を設け、この穴に、円筒を圧し狭める事により弾力性を有する様になった裂け目形状筒(31)を、立て縦長に嵌め込み頂部を、床板に準じた高さに揃えて該マット床板(3)の下方に位置する胴部は、形状変化が容易な柔軟帯(32)で巻着して軸穴や取付け部を設けた尖端部(33)の片方又は両方を組付け部材(15)を介しベッド縦方向へ可動状態にして該マット床板(3)下方へ吊設し、裂け目形状筒(31)の頂部に、臀部中央側周辺部位のマット(16)の裏面へ裂け目形状の隙間(4)の縁に沿い設けてある溝部を嵌合させてマットを嵌着し、凸状の裂け目形状筒と凹状のマット溝部を合致させ、恰も、手の指で両端から口唇を押圧し、又は、片方を押さえ反対側から押圧して唇を開かせるのと同様に、裂け目形状筒(31)を縦方向へ可動状態にしている片方又は両方の柔軟帯尖端部(33)を押圧し、該筒(31)と共に頂部に嵌着しているマ ットの裂け目状の隙間(4)を排泄用の穴(1)に制約される限度まで拡張開口する様にした。更に、裂け目状の隙間周辺には、ベッド上身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺へ向けて排泄洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設した。
【0014】
次に第4の解決手段として、身体臀部とマットとの摩擦抵抗を無くす為に裂け目状の隙間(4)を拡張開口させるのに先立って、アクチュエーターを利用するか、若しくは、ベッド背上げ時に背側マット部分床板の延長腕部(25)が下降する動きを利用して、臀部側のマット部分(17)の床板へ柔軟に連結されている裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板(3)を先に押し下げる機構にして、臀部中央側周辺部位のマット(16)の内で、臀部中央部分のマットの箇所、即ち、裂け目状の隙間(4)は押し下がり便座に相当する部分のマットは下降せず臀部を支える様にした。
【0015】
また第5の解決手段としてベッド利用者が側臥位になれる様に、ベッドの前後に設置した横倒し枠受け台(7)によって横倒し可能に支持されていて、マット及びマット床板を載置しているマット横倒し枠(6)が、左又は右へ傾き横倒し出来る様にした。これにより脱落防止具(13)を装着したマット床板(23)は、傾斜開始とほぼ同時に左右両横端部へ設置している回転部付き干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉して、ベッド上の仰臥身体の両腕端位置に相当するベッド縦方向の谷折れ箇所(9)を屈折させ該レール(8)の弓なり形状に倣い傾斜しつつ横倒しになり、連鎖してマットも傾斜し横倒しになって平坦な状態から縦折れ屈折しL字状又は逆L字状に直角状態に屈折出来る機構にした。
【0016】
そして更に第6の解決手段として、一定の時間経過後にマットが平坦な状態から右または左に傾斜し縦方向に谷折れ屈折し横倒しになり一定の間を置いた後に平坦状態に復帰し、そして又、一定の時間経過後逆に左または右に横倒しになる様に、通常就寝状態の仰臥位から側臥位に体位を変更する時機及び横倒し方向或いは体位変更所要時間や、仰臥位及び側臥位の保持時間や復帰時間やタイミングを制御機器にて制御し、ベッド利用者に合わせて配分調整が出来る様にした。
【0017】
それから第7の解決手段として、マット横倒し枠(6)の横倒し動作に応じた湾曲した安全カバー(10)を設置して、当該カバーに沿ってマット床板(23)及びマットを屈折させる為の弓なり状の屈折倣いレール(8)を複数併設した。そして又、マット及びベッド上の身体に向けて温風乾燥風の送風口または吹付ノズルをマット床板(23)周辺に複数配設した。
【0018】
そして第8の解決手段としてマット床板の左右両横端部に屈折倣いレール(8)の干渉当て具(14)を複数取付け、また更にこの横端部に、傾け可動端部(21)を設けてマット横倒し時に側臥位状態のベッド利用者を守る為の転落防止具(12)を複数備え付けた。この転落防止具はベッドに移乗する時のために着脱が可能にしてあり、緩衝具(28)と過接近防止具(20)を装着してあって、更に、一部がスライド又は回転部の回転による移動収縮或いは変形収縮が出来る様にしており、ベッドが起伏して横折れ屈曲する際には該過接近防止具(20)が、ぶつかり合う状態で接近する隣接し合う転落防止具(12)を、押止押圧し収縮させて干渉を防ぐ仕組みにしてあり、そして又、屈折倣いレール(8)に回転部付き干渉当て具(14)を干渉させてマット床板(23)を縦折れ屈折させる仕組みと同様に、ベッドが縦折れ屈折して横倒しになる際には転落防止具(12)を備え付けているマット床板端部の、傾け可動端部(21)に設けられた突き出し状の干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉し、該傾け可動端部(21)をベッド横方向内向きに縦谷折れ傾斜させる事により、転落防止具(12)のベッド利用者を守る保護角度が変化して身体に接近し、転落やうつ伏せ事故を防ぎクッション緩衝具(28)で優しく身体を支え守る様にした。
【0019】
また第9の解決手段としてマット横倒し枠(6)に、マット起伏用と裂け目状の隙間(4)を拡張開口するためのアクチュエーターや防水カバーを備え付け起伏及び開口機構を設け、横倒し枠受け台(7)には横倒し用のアクチュエーターと共に横倒し機構を設けた。
【0020】
上記第1の問題解決手段による作用は、マットの背上げのみならず足側のマット部分中程をL字状に谷折れ屈曲させる事により、膝上げ及び足下げが可能になりベッド利用者は無理の無い排泄姿勢を確保する事が出来る。また、起伏及び復帰作動支点(5)を、背側方向寄りにずらし且つ、隙間を設けて取り付ける事により背上げ作動が開始されると同時に起伏及び復帰作動支点(5)を基準にして足側のマット部分の方向へ向けて押す力が発生するが、足側マット部分の床板中程の横谷折れ屈曲部は、この押す力の発生後に遅れて作動するため、臀部側及び足側両マット部分の床板の連結部がに上昇して足下げ起伏作動が円滑に行われる事になる。
【0021】
第2の問題解決手段による作用は、マット床板を複数の穴が空いたものにしてマットも同様に複数の穴の空いた耐水柔軟弾性材質にする事により、ベッド利用者身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺を湯水にて洗浄が出来て更に、シャワー浴も可能となり、尚且つ、マットは希望角度に屈曲屈折する事が簡単になり、また汚れや損耗が著しく交換が必要な臀部中央側周辺部位のマット(16)を着脱可能にする事により利便性と清潔さは著しく向上する。
【0022】
次に、第3の解決手段による作用は、排泄時に於けるマットの裂け目状の隙間(4)の拡張開口や洗浄及び湯水飛散防止の機構がシンプルとなり、第2の問題解決策と相まって利便性と清潔さは更に向上する。そしてマットに裂け目状の隙間(4)を設ける事により小排泄は勿論、大排泄物が予期せずベッド利用者の意に反して排出されても洗浄対処が容易い。
【0023】
また第4の問題解決手段による作用は、便座に相当する部分のマットは下降せず身体を支え、且つ、裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板(3)は下降するため、排泄時に裂け目状の隙間(4)を拡張開口させてもマット表面はベッド利用者身体の排泄物出口周辺に接触せず痛痒を感じさせずに済み、臀部中央部分のマットの箇所、即ち、裂け目状の隙間(4)は抵抗なく開口がスムーズに行われる。
【0024】
それから第5の問題解決手段による作用は、ベッドの起伏時に於ける横折れ屈曲方式とベッド横倒し時に於ける縦方向を谷折れ線(9)にして屈折する縦折れ屈折方式を併用する事により、ベッド利用者は背上げ及び膝上げと足下げの体位変更に加え側臥位になれるので褥瘡対策として大きく貢献出来る。
【0025】
また更に第6の問題解決手段による作用は、それぞれ体格や体調の異なる不特定多数のベッド利用者に対しても夫々個人に適した褥瘡対策を講じる事が出来る。
【0026】
そして第7乃至第9の問題解決手段による作用は、排泄洗浄及び乾燥と、シャワー浴及び乾燥が容易に出来るようになり、湿度の管理をサポートし被介護者を清潔で快適な環境に置けて、更に側臥位状態のベッド上の身体は偏りなく配置された緩衝具(28)付きの転落防止具(12)に優しく支えられ、転落事故やうつ伏せ事故を防いでベッド起伏時には挟まれ事故を防ぎ、第5及び第6の解決策と相まって褥瘡の発症を抑える事が出来る。
【発明の効果】
【0027】
上述した様に、本発明による介護用ベッドを使用し既存の耐水網状シーツ類を工夫併用する事により、ベッドとベッド外との移動無く一つのベッドで排泄とシャワー浴と褥瘡予防が容易に出来る様になり、被介護者と介護関係者双方の負担を軽減し、介護従事者及び関係者を大いに悩ます三つの重要課題を解決する事が出来る様になる。また更に、本発明による介護用ベッドを利用すれば必ずしもオムツを使用する必要はなく、既存の穴開き介護用パンツを使用してオムツは廃止すれば経費削減に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明介護用ベッドの傾斜開始時に於ける、片側の転落防止具を取り外した時の斜視図
図2図1のマットを取り外した時の図
図3】ベッド横倒し途中に於ける主な形態を示すベッド縦方向からの図
図4】ベッド横倒し時のマット横倒し枠の主な形態を示すベッド横方向からの図
図5】ベッド横倒し時に於ける、複数の穴の表示を省いたベッド横方向からの図
図6】ベッドの通常時に於ける、主な起伏機構を示すベッド横方向からの図
図7】ベッドの、背上げ起伏開始時に於けるベッド横方向からの図
図8】背上げ及び膝上げ足下げ起伏した時の主な形態を示すベッド横方向からの図
図9裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板と、裂け目形状筒の斜視図
図10裂け目形状筒の組付け部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下発明を実施するための形態を、実施例に基づいて図面を参照にして説明する。
【0030】
背側と臀部側(17)の両マット部分の床板の屈曲部から一定量背側マット部分の床板側寄りの位置に、起伏及び復帰作動支点(5)を設けて該支点部をマット横倒し枠(6)の取付け台座に据え付け、アクチュエーター及び往復作動するコの字型材(18)やリンク(19)用いベッドのマットが背上げ出来る様にし、また、足側のマット部分の床板中程に谷折れ屈曲部を設け、該床板中程より足先側下方のマット横倒し枠に、回転部付き張り出し梁(30)を取り付けて当該屈曲部を斜め下へ下降及び復帰作動させる様にし、そして、マット横倒し枠(6)の足側寄りの上部に凹み部を設け、且つ、安全カバー(10)にも一部膨らみを設けて、当該屈曲部が干渉されずに下降して足側マット部分がマット中程で谷折れ屈曲出来る様にし、膝上げ及び足下げを可能にさせた。図1または図3及び図6乃至図8参照。
【0031】
また、オムツや下着パンツを着用しても良いが、面倒なオムツや下着パンツの上げ下げを省くため無着用か、既存の身体排泄物出口周辺部分に穴を空けたパンツを穿いたままでも使用出来る様にマットを耐水柔軟弾性材質にし、便座に相当する部分を含める臀部中央側周辺部位のマット(16)は交換出来る着脱式とし、マット夫々は外周や固定部をいて複数の穴が空いたものにしてマット床板(23)も複数の穴の空いたものにした。尚マットは、一体物でなく制作容易な広さ或いはマットの部位に適した大きさ形のものを敷き連ねてマット床板(23)に取り付ける様にしても良く市販品の使用が可能になりコスト削減になる。マット床板は防錆材質の物を用いたが部位によっては網状の部材も使用した。図1及び図2参照。
【0032】
尚ここの、臀部中央側周辺部位のマット(16)とは、裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板(3)と、臀部側マット部分(17)の床板の一部である便座に相当する部分を含むマットの床板との双方に跨って覆う部位のマットの事である。図1または図2或いは図4及び図5参照。
【0033】
次に、裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板(3)へ通常の水洗トイレより細長の排泄用の穴(1)を設け、この穴に、裂け目形状筒(31)を、立て縦長に嵌め込み頂部を床板の高さに近づけ、二本一組の柔軟帯(32)で該マット床板(3)下方に位置する胴部を巻着し、この帯(32)の縦軸穴を設けている背側方向寄りの尖端部(33)を、組付け部材(15)を介して、背側方向の排泄穴(1)の尖端部に近い位置の、裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板(3)の下方に、長尺ボルト又は長ネジにて縦軸穴を挿通しネジ止め吊設して押さえ側とし、もう片方の縦方向可動状態にした柔軟帯の尖端部(33)へワイヤー又は棒材の引き具(2)を取り付けて自動または手動で牽引し押圧する様にした。そして、マット裏面に裂け目形状の隙間の縁に沿って溝部を設けている臀部中央側周辺部位のマット(16)を、裂け目形状筒(31)の頂部に嵌着させて凸部と凹部を合致させ、該筒(31)が排泄用の穴(1)に制約されるまで押圧拡張すればマットの裂け目状の隙間(4)も拡張開口し、該筒(31)が裂け目状に収縮すると、マットも同様に収 縮する様にした。尚、両方向から押圧し裂け目状の隙間を拡張開口させる方式の場合は、裂け目形状筒(31)を巻着した柔軟帯の両尖端部(33)に横軸穴を設けこの穴へ水平に棒材を夫々挿通して縦方向を可動状態にし、向かい合う二つのコの字型材に棒材を組み込みスライドさせる様にしてベッドの背上げ及び足下げ起伏作動の往復移動の仕組みを応用すれば良い。それから又、身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺に向けて排泄洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを裂け目形状の隙間周辺に複数配設した。図2又は図4及び図6乃至図10参照。
【0034】
それから、排泄時に裂け目状の隙間(4)を拡張開口させるのに先立って、ベッドの背上げ起伏時に背側マット部分が一定量上昇すると背側マット部分床板の延長腕部(25)と足側マット部分床板の接続部材(26)とが連動下降する事を利用して、これらと裂け目形状の隙間周辺部位のマットの床板(3)を繋いで押し下げる機構にし、便座に相当する部分のマットは下がらず身体を支え、臀部中央部分のマットの箇所(4)は下がる様にした。ここの場合、裂け目形状の隙間(4)開口用のアクチュエーターを併用して背上げ起伏に関係なく押し下げ作動させる様にしても良い。図7及び図8又は図9参照。
【0035】
そして、ベッドの頭側と足側に設置した二つの横倒し枠受け台(7)によって横倒し可能に支持されていて、マット及び脱落防止具(13)を装着したマット床板(23)を載置しているマット横倒し枠(6)を、ベッド縦方向の左右中心線を軸にして左または右へ傾け横倒しさせる様にした。そして、シャワー洗浄水が速やかに落下し通過出来る様にマット横倒し枠(6)を骨組み枠構造にした。図1及び図2または図4参照。
【0036】
ここのマット床板(23)の脱落防止具(13)は上下の凸部と凹部を組み合わせて合致させ脱落を防止する様にし、背側と足側の両マット部分のマット床板下側とこれに相対するマット横倒し枠(6)上部の位置に凸部と凹部を夫々取り付けて嵌合させる様にした。図7及び図8参照。
【0037】
次に、マット横倒し枠(6)の横倒し動作に応じた湾曲した形状の安全カバー(10)を設置して、当該カバーに沿ってマット床板及びマットを縦谷折れ屈折させる為の弓なり状の屈折倣いレール(8)を複数併設した。図2または図3参照。
【0038】
これによりマット床板(23)は、マット横倒し枠(6)の傾斜開始とほぼ同時に横端部が屈折倣いレール(8)に干渉し、ベッド縦方向の仰臥位身体の両肩端位置相当箇所を谷折れ線(9)にして屈折して弓なりに倣い傾斜しつつ横倒しになり、連鎖してマットも傾斜し横倒しになる様にした。そしてタイマーや回転切り替えスイッチ類を含む制御機器を用いてマットの平坦状態からL字状又は逆L字状に変化する切り替わり時機や、所要時間及び保持時間を調整制御する様にした。マット床板(23)は、復帰作動して水平に戻るのとほぼ同時に屈折倣いレール(8)の干渉が解除されベッド縦方向の谷折れ屈折線(9)に沿って設置している反発弾性部材(22)による反発力と、重力とが相俟って屈折状態から平坦状態に確実に戻る様にしてあり、また横倒し作動の振れが大きくならぬ様にマットの高さと、横倒し作動の中心点が同等程度の高さになる様にマット横倒し枠(6)の形をクランク状にした。図2または図3及び図6乃至図8参照。
【0039】
また、マット及びベッド上の身体に向けて温風乾燥風の送風口または吹付ノズルをマット床板周辺に複数配設し、更に、マット床板の左右両横端部に屈折倣いレール(8)の干渉当て具(14)を複数備え付けた。それから又、この両横端部には蝶番を用いた傾け可動端部(21)を設けて、クッション(28)と過接近防止具(20)を装着した手摺を兼ね柵状の転落防止具(12)を備え付け、マット床板(23)とは別個に縦方向谷折れ屈折の動きが出来る様にし、反発弾性部材(22)を該屈折線(9)に沿って設置した。尚、転落防止具(12)は差し込み式で取り外しが出来る様にしてあり、又、一部分を引き戸や引き出し式に出し入れも出来る様にしていて、過接近防止具(20)で押圧すると一部がスライドし収縮する様にした。図2または図6乃至図8参照。
【0040】
そして、マット横倒し枠(6)が傾斜して屈折倣いレール(8)にマット床板横端部の回転部付き干渉当て具(14)が干渉してマット縦方向を谷折れ屈折(9)するのと同様に、手摺柵状の転落防止具(12)を備え付けているマット床板端部の傾け可動端部(21)に設けられた突き出し状の干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉して当該傾け可動端部(21)を傾ける様にし、マット横倒しの際には転落防止具(12)をベッド利用者方向へ傾けて身体に接近させ万一の場合はクッション緩衝具(28)で優しく守る様にした。ここの場合、足側マット部分側の転落防止具に関しては、必ずしも保護角度を変化させる必要があるとは限らない。また、裂け目状の隙間を拡張開口させるのと同様に引き具(2)を用い、アクチュエーターにて転落防止具を取り付けたマット床板の傾け可動端部(21)の干渉当て具(14)を押圧及び牽引操作して転落防止具(12)の保護角度を変更させても良い。図2または図3乃至図6参照。
【0041】
更に、マット横倒し枠(6)にマット起伏用と裂け目状の隙間(4)を拡張開口するためのアクチュエーターや防水カバーを取り付け起伏及び開口機構を設け、横倒し枠受け台(7)には横倒し用のアクチュエーターを備え付け横倒し機構を設けた。図4または図6及び図8参照。
【0042】
それと横倒し枠受け台(7)の傍に、排泄洗浄湯水噴射装置並びに温風乾燥風発生送風装置(24)を設置した。また安全カバー(10)下方で排泄洗浄湯水及びシャワー浴汚水を受け止めて、ベッドの外へ排出状況に応じて浄化槽や水洗トイレに接続出来る様にした。そしてシャワー浴は、近くに備えた給湯機器の湯水を利用する様にした。図6参照。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る介護用ベッドは、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0044】
1 排泄用穴
2 引き具
裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板
4 裂け目状の隙間、即ち、臀部中央部分のマットの箇所
5 ベッドの起伏及び復帰作動支点
6 マット横倒し枠
7 横倒し枠受け台
8 屈折倣いレール
9 谷折れ屈折線
10 安全カバー
11 マット床板の張り出し梁
12 転落防止具
13 脱落防止具
14 干渉当て具
15 組付け部材
16 臀部中央側周辺部位のマット
17 臀部側マット部分
18 コの字型材
19 リンク
20 過接近防止具
21 転落防止具を取り付けたマット床板端部の傾け可動端部
22 反発弾性部材
23 マット床板
24 湯水噴射装置及び乾燥風発生送風装置
25 背側マット部分床板の延長腕部
26 足側のマット部分床板の接続部材
27 弾性連結帯
28 緩衝具
29 横倒し枠張り出し梁
30 横倒し枠のマット床板斜め下降及び復帰用回転部付き張り出し梁
31 円筒を圧し狭めた裂け目形状筒
32 組付け部材用柔軟帯
33 組付け部材用柔軟帯の尖端部
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背側と臀部側と足側の三つのマット部分からなるマットが背上げし、足側のマット部分中程でL字状に横谷折れ屈曲して膝上げ及び足下げ起伏し椅子状に変化する排泄の出来るベッドで、排泄物の排出位置に相当する臀部中央部分のマットの箇所へ縦長に裂け目状の隙間を設けていて、マット及び脱落防止具装着のマット床板を載置したマット横倒し枠が、ベッド縦方向の中心線を軸にして左または右に傾斜し横倒し出来る様にしてあり、この横倒し動作に応じた湾曲した安全カバーを設けていて、マット床板は傾斜開始とほぼ同時に横端部が安全カバーに沿って複数設置された屈折倣いレールに干渉し、ベッド上の仰臥身体の両腕端位置に相当するベッド縦方向の谷折れ線箇所を屈折させ該レールの形状に倣い傾斜しつつ横倒しになり、左右いずれかに傾斜する動作と水平に戻る動作を一定の間を置いて繰り返す様にしてあり、これに伴いマットは平坦状態または縦折れ屈折しL字状又は逆L字状に変化するもので横倒し枠がベッド前後の横倒し枠受台により横倒し可能に支持されているベッドであって、洗浄湯水噴射装置並びに温風乾燥風発生送風装置を備えており、マットは耐水柔軟弾性材質で外周や固定部を除いて複数の穴を空けていて便座に相当する部分を含む範囲の臀部中央側周辺部位のマットは着脱式であって、マット床板は複数の穴を空けており背側と臀部側の両マット部分が連結するマット床板の屈曲部から一定量背側方向寄りの位置に起伏及び復帰作動支点を設けてマット横倒し枠に隙間を空けて据え付けていて、左右両横端部に屈折倣いレールの干渉当て具を複数備え付けてあり、また該横端部には、傾け可動端部を設けて緩衝具と過接近防止具を装着した脱着可能で収縮も可能な転落防止具を備え付けており、マット横倒し時には該傾け可動端部を縦谷折れ傾斜させベッド利用者を保護する転落防止具をマット表面寄りに傾けて身体の近くで守る様にしていて、更に、ベッドが起伏し谷折れ屈曲する際に接近する隣接し合う転落防止具を過接近防止具が押止し、移動収縮又は変形収縮させて干渉を防ぐ機構にしており、それから、臀部側マット部分の床板と区切られて柔軟に連結されている裂け目状の隙間周辺部位のマットの床板に、排泄用の穴を設けて円筒を圧し狭めた裂け目形状筒を、立て縦長に填め込み頂部を床板に準ずる高さに揃えて、該床板の下側に位置する胴部は柔軟帯で巻着し、この帯の取付け部を設けた尖端部の片方又は両方を、縦方向可動状態にして組付け部材を介して該マット床板へ吊設し、裂け目形状筒の頂部に、臀部中央側周辺部位のマットの裏面へ裂け目状の隙間の縁に沿い設けてある溝部を嵌合させてマットを嵌着し、該マット床板を押し下げた後に、恰も、手の指で両端から口唇を押圧し、又は片方を押さえ反対側から押圧して唇を開口させる様に、片方又は両方向から裂け目形状筒の縦方向可動の柔軟帯尖端部を押圧し、裂け目形状筒と共に頂部に嵌着しているマットの裂け目状の隙間を押し広げ、排泄用開閉扉を兼ねる洗浄湯水の飛散防止カバーにしていて、身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺に向けて洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風送風口又は吹付ノズルを、裂け目状の隙間周辺に複数配し、マット床板周辺にはベッド上の身体とマトにけ温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設しており、更に、マット横倒し枠にマット起伏用と裂け目状の隙間開口用のアクチュエーターや防水カバーを備え付け起伏及び開口機構を設けてあり、この横倒し枠を支える横倒し枠受け台には、横倒し用のアクチュエーターを備え付け横倒し機構を設けていて、安全カバーはシャワー洗浄湯水の回収及び飛散防止を兼ねる様にしており、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後の身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺を洗浄及び乾燥させ、シャワー浴後の身体並びにマットの乾燥が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッド。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後は臀部及び臀部周辺マットの洗浄及び乾燥が出来、シャワー浴後は身体及びマットの乾燥が出来る側臥位自動寝返り介護用ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
介護を要する身体の不自由な人達の排泄処理と入浴と褥瘡対策は、介護分野に於いて苦痛と負担を強いる困難な問題であり、多くの関係者がこの三大重要課題を解決すべく様々な提案がなされている。
【0003】
ベッドが椅子状に変化してマットの臀部相当部分が開閉し便座になり、下方に設けた水洗便器等に排泄して洗浄するという排泄洗浄の出来る介護用ベッドが多種多様ある。
【0004】
そして、顔だけ出し湯水飛散防止カバーに覆われた身体に洗浄湯水を吹き付けて自動洗浄する入浴専用介護用ベッド等がある。
【0005】
そして又、寝返りをサポートする自動寝返り支援ベッドという優れたベッドもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7181513号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】カタログ シャワーベッドJS―B351NS
【非特許文献2】カタログ 自動寝返り支援ベッドFB―640
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の排泄洗浄の出来るベッドやシャワー浴の出来るベッドや自動寝返り支援ベッドは各々優れているが、排泄処理と入浴問題と褥瘡対策の三つの重要課題を、夫々が個別にしか対応出来ず不便さを感じる人は多い。
【0009】
また高齢化が益々加速し、この三つの重要課題を解決するには経済性を無視できずシンプルさと、多機能性を進化させる事がこれからの介護分野に於いては大切である。
【0010】
本発明はこれらの状況を鑑み、オムツの廃止を可能にする排泄洗浄機能を備え、且つ、シャワー浴が出来る側臥位自動寝返りベッドを実現させて、三つの重要課題を一つのベッドで解決させるものである。
【課題を解決する手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するため、背側と臀部側(17)と足側の三つのマット部分からなるマットが背上げし、足側のマット部分中程でL字状に横谷折れ屈曲して膝上げ足下げ起伏し椅子状に変化する排泄の出来るベッドの仕組みを作り、洗浄湯水噴射装置と温風乾燥風発生装置を備えた。
【0012】
そして第2の解決手段として、マットは耐水柔軟弾性材質で外周や固定部を除き複数の穴が空いてあり、マット床板(23)も複数の穴が空いていて、便座に相当する部分を含む範囲の臀部中央側周辺部位のマット(16)は着脱式にしており、排泄物の排泄位置に相当する臀部中央部分のマットの箇所(4)に裂け目状の隙間を設けた。
【0013】
それから第3の解決手段として、マット及び脱落防止具(13)装着のマット床板(23)を載置したマット横倒し枠(6)を、ベッド前後の横倒し枠受け台(7)にて横倒し可能に支持し、ベッド縦方向の中心線を軸にして左または右に傾斜させ横倒し出来る様にして、そして又、この横倒し動作に応じた湾曲した安全カバー(10)を設け、該カバーに沿って屈折倣いレール(8)を複数設置した。
【0014】
次に第4の解決手段として、マット床板は傾斜開始とほぼ同時に横端部が屈折倣いレール(8)に干渉し、ベッド上の仰臥身体の両腕端位置に相当するベッド縦方向の谷折れ線(9)箇所を屈折させ、該レールの形状に倣い傾斜して横倒しとなり、一定の間を置いた後に復帰作動して屈折倣いレールの干渉解除で水平に戻る仕組みにし、マット床板が左右いずれかに傾斜し横倒しする動作と水平に戻る動作を繰り返すのに連動して、マットも平坦状態から縦折れ屈折しL字状に、そして又、平坦状態から逆L字状に変化する様にした。
【0015】
また第5の解決手段として、背側と臀部側両マット部分が連結するマット床板の屈曲部 から背側寄りに一定量ずらした位置に、起伏及び復帰作動支点(5)を設けマット横倒し枠(6)に隙間を空けて取り付け、そして、マット床板の左右両横端の所要位置に、屈折倣いレールの干渉当て具(14)を複数備え付け、且つ、マット横倒し時にベッド利用者を保護する角度を変化させ身体に接近させる様にした脱着可能で緩衝具(28)を備え付けた転落防止具(12)を取り付け、更に、該転落防止具に過接近防止具(20)を装着して、ベッドが起伏し横方向に谷折れ屈曲する際は、この過接近防止具(20)が近づく隣接の転落防止具(12)を押して一部分を収縮させ、干渉を防ぐ仕組みにした。
【0016】
そして更に第6の解決手段として、臀部側マット部分の床板と区切られて柔軟に連結されている、裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板(3)に排泄用の穴(1)を設け、圧して狭めた円筒(31)を嵌め込み、組付け部材(15)にて該マット床板(3)に取り付け、圧して狭めた円筒(31)の上部に臀部中央側周辺部位のマット(16)を嵌着させて、該マット床板(3)を押し下げた後に圧し狭めた円筒へ片方又は両方向から力を加えて押し広げ、嵌着の臀部中央側周辺部位のマットと共に拡張させ裂け目状の隙間(4)を開口させる仕組みにし、排泄用開閉扉を兼ねる洗浄湯水飛散防止カバーにした。
【0017】
それから第7の解決手段として、身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺に向けて洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風送風口又は吹付ノズルを裂け目状の隙間周辺に複数配設し、マット床板周辺にはベッド上の身体とマットに向け温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設して、更に、マット横倒し枠(6)にマット起伏用と裂け目状の隙間開口用のアクチュエーターや防水カバーを備え付け起伏及び開口機構を設けて、このマット横倒し枠(6)を支える横倒し枠受け台(7)には、横倒し用のアクチュエーターを備え付け横倒し機構を設けて、安全カバー(10)はシャワー洗浄湯水の回収及び飛散防止を兼ねる様にし、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後の身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺を洗浄及び乾燥させ、シャワー浴後の身体並びにマットの乾燥が出来る事を特徴とする側臥位自動寝返り介護用ベッドを提供する。
【0018】
上記第1の問題解決手段による作用は、マットの背上げのみならず足側のマット部分中程をL字状に横谷折れ屈曲させる事により、膝上げ及び足下げが可能になりベッド利用者は無理の無い排泄姿勢を確保する事が出来る。
【0019】
第2の問題解決手段による作用は、マット床板を複数の穴が空いたものにしてマットは複数の穴の空いた耐水柔軟弾性材質にする事により、ベッド利用者身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺を湯水にて洗浄が出来て更に、シャワー浴も可能となり、尚且つ、マットは希望角度に屈曲屈折する事が簡単になり、また汚れや損耗が著しく交換が必要な臀部中央側周辺部位のマット(16)を着脱可能にする事により利便性と清潔さは著しく向上する。そして、裂け目状の隙間(4)を設ける事により小排泄は勿論、大排泄が予期せずベッド利用者の意に反して排出されても洗浄対処が容易い。
【0020】
次に、第3及び第4の解決手段による作用は、ベッドの起伏時に於ける横折れ屈曲方式 とベッド横倒し時に於ける縦方向を谷折れ線(9)にして屈折する縦折れ屈折方式を併用する事により、ベッド利用者は背上げ及び膝上げと足下げの体位変更に加えて側臥位になれるので褥瘡の発症を抑え褥瘡対策として大きく貢献出来る。
【0021】
また第5の問題解決手段による作用は、起伏及び復帰作動支点(5)をずらし、且つ、隙間を設けてマット横倒し枠(6)に取り付ける事により、ベッドの背上げ作動が開始されると同時に起伏及び復帰作動支点を基準にして足側マット部分の方向へ向けて押す力が発生するが、足側マット部分の床板中程の谷折れ屈曲部は未作動ため臀部側及び足側両マット部分の床板の連結部が先に上昇し足下げ起伏作動が円滑に行われる事になる。また、マットが縦折れ屈折しL字或いは逆L字状に変化した場合には、側臥位状態のベッド上の身体は偏りなく配置された緩衝具(28)付きの転落防止具(12)に優しく支えられ、転落事故やうつ伏せ事故を防ぎ、ベッド起伏時には挟まれ事故を防ぐ。
【0022】
それから第6の問題解決手段による作用は、便座に相当する部分のマットは下降せず身体を支え、且つ、裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板(3)は下降するため、排泄時に裂け目状の隙間を開口させてもマット表面はベッド利用者身体の排泄物出口周辺に接触せず痛痒を感じさせずに済み、臀部中央部分のマットの箇所(4)、即ち、裂け目状の隙間は抵抗なく開口がスムーズに行われる。また、排泄時に於ける裂け目状の隙間開口や洗浄及び湯水飛散防止の機構がシンプルとなり利便性と清潔さが向上する。
【0023】
そして第7の問題解決手段による作用は、排泄洗浄及び乾燥と、シャワー浴及び乾燥が容易に出来るようになり、湿度の管理をサポートし被介護者を清潔で快適な環境に置ける。
【発明の効果】
【0024】
上述した様に、本発明による介護用ベッドを使用し既存の耐水網状シーツ類を工夫併用する事により、ベッドとベッド外との移動無く一つのベッドで排泄とシャワー浴と褥瘡予防が容易に出来る様になり、被介護者と介護関係者双方の負担を軽減し、介護従事者及び関係者を大いに悩ます三つの重要課題を解決する事が出来る様になる。また更に、本発明による介護用ベッドを利用すれば必ずしもオムツを使用する必要はなく、既存の穴開き介護用パンツを使用してオムツは廃止すれば経費削減に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明介護用ベッドの傾斜開始時に於ける、片側の転落防止具を取り外した時の斜視図
図2図1のマットを取り外した時の図
図3】ベッド横倒し途中に於ける主な形態を示すベッド縦方向からの図
図4】ベッド横倒し時のマット横倒し枠の主な形態を示すベッド横方向からの図
図5】ベッド横倒し時に於ける、複数の穴の表示を省いたベッド横方向からの図
図6】ベッドの通常時に於ける、主な起伏機構を示すベッド横方向からの図
図7】ベッドの、背上げ起伏開始時に於けるベッド横方向からの図
図8】背上げ及び膝上げ足下げ起伏した時の主な形態を示すベッド横方向からの図
図9裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板と、圧し狭めた円筒の斜視図
図10】圧して狭めた円筒の組付け部材の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下発明を実施するための形態を、実施例に基づいて図面を参照にして説明する。
【0027】
背側と臀部側(17)の両マット部分の床板の屈曲部から一定量背側マット部分の床板側寄りにずらした位置に、起伏及び復帰作動支点(5)を設けて該支点部をマット横倒し枠(6)の取付け台座に据え付け、アクチュエーター及び往復作動するコの字型材(18)やリンク(19)を用いてベッドのマットが背上げ及び膝上げ起伏して尚且つ足下げが出来る様に、マット横倒し枠(6)の足側寄りの上部に凹み部を設け、且つ、安全カバー(10)にも一部膨らみを設けて、足側マット部分がマット中程で横谷折れ屈曲出来る様にした。図1または図3及び図6乃至図8参照。
【0028】
また、オムツや下着パンツを着用しても良いが、面倒なオムツや下着パンツの上げ下げを省くため、無着用か、既存の身体排泄物出口周辺部分に穴を空けたパンツを穿いたままでも使用出来る様に、マットを耐水柔軟弾性材質にし、便座に相当する部分を含める臀部中央側周辺部位のマット(16)は交換出来る着脱式とし、マット夫々は外周や固定部を除いて複数の穴が空いたものにしてマット床板(23)も複数の穴の空いたものにした。尚マットは、一体物でなく制作容易な広さ或いはマットの部位に適した大きさ形のものを敷き連ねてマット床板(23)に取り付ける様にしても良く市販品の使用が可能になりコスト削減になる。マット床板は防錆材質で網状の部材も用いた。図1及び図2参照。
【0029】
尚ここの、臀部中央側周辺部位のマット(16)とは、裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板(3)と、臀部側マット部分(17)の床板の一部である便座に相当する部分を含むマットの床板との双方に跨って覆う部位のマットの事である。図1または図2或いは図4及び図5参照。
【0030】
次に、裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板(3)へ、排泄及び排泄後の噴射洗浄効果に支障ない程度に通常の水洗トイレより狭い排泄用の穴(1)を設け、且つ、この穴に裂け目状の形になって弾力性を有する圧し狭めた円筒(31)を嵌め込んで、片端を組付け部材(15)にて当該裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板(3)に取り付け、上部に臀部中央側周辺部位のマット(16)を嵌着させて、取り付け側の反対方向からワイヤー又は棒材の引き具(2)を用い圧して狭めた円筒を自動または手動で引っ張り、裂け目状の隙間(4)を拡張開口する様にした。そして更に、身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所(4)周辺に向けて排泄洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを裂け目状の隙間周辺に複数配設した。図2又は図4及び図6乃至図10参照。
【0031】
それから、排泄時に裂け目状の隙間(4)を拡張開口させるのに先立って、ベッドの背上げ起伏時に背側マット部分が一定量上昇すると背側マット部分床板の延長腕部(25)と足側マット部分床板の接続部材(26)とが連動下降する事を利用して、これらと裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板(3)を繋いで押し下げる機構にし、便座に相当する部分のマットは下がらずに身体を支え、臀部中央部分のマットの箇所(4)は下がる様にした。ここの場合、裂け目状の隙間(4)開口用のアクチュエーターを併用して背上げ起伏に関係なく押し下げ作動させる様にしても良い。図7及び図8又は図9参照。
【0032】
そして、ベッドの頭側と足側に設置した二つの横倒し枠受け台(7)によって横倒し可能に支持されていて、マット及び脱落防止具(13)を装着したマット床板(23)を載置しているマット横倒し枠(6)を、ベッド縦方向の左右中心線を軸にして左または右へ傾け横倒しさせる仕組みにしてマット床板が左右いずれかに傾斜し横倒しする動作と水平に戻る動作を繰り返す様にした。そして、シャワー洗浄湯水が速やかに落下し通過出来る様にマット横倒し枠(6)を骨組み枠構造にした。図1及び図2または図4参照。
【0033】
ここのマット床板(23)の脱落防止具(13)は凹部と凸部を夫々組み合わせて背側と足側両マット部分のマット床板下側とこれに相対するマット横倒し枠(6)上部の位置に取り付けて嵌合させる様にした。図7及び図8参照。
【0034】
次に、マット横倒し枠(6)の横倒し動作に応じた湾曲した形状の安全カバー(10)を設置して、当該カバーに沿ってマット床板及びマットを縦谷折れ屈折させる為の弓なり状の屈折倣いレール(8)を所要位置に複数併設した。図2または図3参照。
【0035】
これによりマット床板(23)は、マット横倒し枠(6)の傾斜開始とほぼ同時に端部が屈折倣いレール(8)に干渉し、ベッド縦方向の仰臥位身体の両肩端位置相当箇所を谷折れ線(9)にして屈折して弓なりに倣い動いて傾斜しつつ横倒しになり、連鎖してマットも傾斜し横倒しになる様にした。そしてタイマーや回転切り替えスイッチを含む制御機器を用いてマットの平坦状態からL字状又は平坦状態から逆L字状に変化する切り替わり時機や、所要時間及び保持時間を調整制御する様にした。マット床板(23)は、復帰作動して水平に戻るのとほぼ同時に屈折倣いレール(8)の干渉が解除されるとベッド縦方向の谷折れ屈折線(9)に沿って設置している反発弾性部材(22)による反発力と、重力とが相俟って屈折状態から平坦状態に確実に戻る様にしてあり、また横倒し作動の振れが大きくならぬ様にマットの高さと、横倒し作動の中心点が同等程度の高さ位置になる様にマット横倒し枠(6)の形をクランク状にした。図2または図3及び図6乃至図8参照。
【0036】
そしてまた、マット及びベッド上の身体に向けて温風乾燥風の送風口または吹付ノズルをマット床板周辺に複数配設し、更に、マット床板の左右両横端の所要位置に屈折倣いレール(8)の干渉当て具(14)を複数備え付けた。それから又、ベッドに移乗する時には取り外しが出来る様にしている手摺を兼ねた柵状の転落防止具(12)を取り付けているマット床板横端部(21)に蝶番を備え付けてマット床板(23)とは別個に縦方向を谷折れ屈折の動きが出来る様にし、反発弾性部材(22)を該屈折線(9)に沿って設置した。そして尚、転落防止具(12)には、過接近防止具(20)を取り付けてマットが起伏し横折れ屈曲すると、該過接近防止具(20)に押されて転落防止具(12)の一部が横移動して収縮し一定間隔を保つ様にした。図2または図6乃至図8参照。
【0037】
そして又更に、マット横倒し枠(6)が傾斜して屈折倣いレール(8)にマット床板(23)の回転部付き干渉当て具(14)が干渉してマット縦方向の特定位置を谷折れ屈折(9)するのと同様に、手摺柵状の転落防止具(12)を取り付けているマット床板横端部(21)に設けられた突き出し状の干渉当て具(14)が屈折倣いレール(8)に干渉して転落防止具の角度を変化させる様にし、マット横倒しの際には転落防止具(12)をベッド利用者方向へ傾けて身体に接近させる様にした。そして転落防止具(12)にはクッションの緩衝具(28)を備え付けた。ここの場合、足側マット部分側の転落防止具に関しては、必ず保護角度を変化させる必要がある訳ではない。また、裂け目状の隙間を拡張開口させるのと同様に引き具(2)を用い、アクチュエーターにて転落防止具を取り付けたマット床板横端部(21)の干渉当て具(14)を牽引操作して転落防止具(12)の保護角度を変更させても良い。図2または図3乃至図6参照。
【0038】
尚更に、マット横倒し枠(6)にマット起伏用と裂け目状の隙間(4)を開口するためのアクチュエーターや防水カバーを取り付け起伏及び開口機構を設け、横倒し枠受け台(7)には横倒し用のアクチュエーターを備え付け横倒し機構を設けた。図4または図6及び図8参照。
【0039】
それと横倒し枠受け台(7)の傍に、排泄洗浄湯水噴射装置並びに温風乾燥風発生送風装置(24)を設置し、また安全カバー(10)下方で排泄洗浄湯水及びシャワー浴汚水を受け止めてベッドの外へ排出し、状況に応じて浄化槽や水洗トイレに接続出来る様にした。そしてシャワー浴は、給湯機器の湯水を利用する様にした。図6参照。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る介護用ベッドは、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0041】
1 排泄用穴
2 引き具
裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板
4 裂け目状の隙間、即ち、臀部中央部分のマットの箇所
5 ベッドの起伏及び復帰作動支点
6 マット横倒し枠
7 横倒し枠受け台
8 屈折倣いレール
9 谷折れ屈折線
10 安全カバー
11 マット床板張り出し梁
12 転落防止具
13 脱落防止具
14 干渉当て具
15 組付け部材
16 臀部中央側周辺部位のマット
17 臀部側マット部分
18 コの字型材
19 リンク
20 過接近防止具
21 転落防止具を取り付けたマット床板端部
22 反発弾性部材
23 マット床板
24 湯水噴射装置及び乾燥風発生送風装置
25 背側マット部分床板の延長腕部
26 足側マット部分床板の接続部材
27 弾性連結帯
28 緩衝具
29 横倒し枠張り出し梁
30 横倒し枠回転部付き張り出し梁
31 圧し狭めた裂け目形状の円筒
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)背側と臀部側と足側の三つのマット部分からなるマットが背上げし、足側のマット部分中程でL字状に横谷折れ屈曲して膝上げ足下げ起伏し椅子状に変化する排泄の出来るベッドの仕組みを作り、洗浄湯水噴射装置と温風乾燥風発生装置を備えた。
2)マットは耐水柔軟弾性材質で外周や固定部を除き複数の穴が空いてあり、マット床板も複数の穴が空いていて、便座に相当する部分を含む範囲の臀部中央側週辺部位のマットは着脱式にしており、排泄物の排泄位置に相当する臀部中央部分のマットの箇所に裂け目状の隙間を設けた。
3)マット及び脱落防止具装着のマット床板を載置したマット横倒し枠を、ベッド前後の横倒し枠受け台にて横倒し可能に支持し、ベッド縦方向の中心線を軸にして左ま たは右に傾斜させ横倒し出来る様にして、そして又、この横倒し動作に応じた湾曲した安全カバーを設け、該カバーに沿って屈折倣いレールを複数設置した。
4)マット床板は傾斜開始とほぼ同時に横端部が屈折倣いレールに干渉し、ベッド上の仰臥身体の両腕端位置に相当するベッド縦方向の谷折れ線箇所を屈折させ、該レールの形状に倣い傾斜して横倒しとなり、一定の間を置いた後に復帰作動して屈折倣いレールの干渉解除で水平に戻る仕組みにし、マット床板が左右いずれかに傾斜し横倒しする動作と水平に戻る動作を繰り返すのに連動して、マットも平坦状態から縦折れ屈折しL字状に、そして又、平坦状態から逆L字状に変化する様にした。
5)背側と臀部側両マット部分が連結するマット床板の屈曲部から背側寄りに一定量ずらした位置に、起伏及び復帰作動支点を設けマット横倒し枠に隙間を空けて取り付け、そして、マット床板の左右両横端の所要位置に、屈折倣いレールの干渉当て具を複数備え付け、且つ、マット横倒し時にベッド利用者を保護する角度を変化させ身体に接近させる様にした脱着可能で緩衝具を備え付けた転落防止具を取り付け、更に、該転落防止具に過接近防止具を装着して、ベッドが起伏し横方向に谷折れ屈曲する際は、この過接近防止具が近づく隣接の転落防止具を押して一部分を収縮させ、干渉を防ぐ仕組みにした。
6)臀部側マット部分の床板と区切られて、柔軟に連結されている裂け目状の隙間に隣接する部位のマットの床板に排泄用の穴を設け、裂け目形状の圧して狭めた円筒を嵌め込み、組付け部材にて該マット床板に取り付け、圧して狭めた円筒の上部に臀部中央側周辺部位のマットを嵌着させて、該マット床板を押し下げた後に圧し狭めた円筒へ片方又は両方向から力を加えて押し広げ、嵌着の臀部中央側周辺部位のマットと共に拡張させ裂け目状の隙間を開口させる仕組みにして、排泄用開閉扉を兼ねる洗浄湯水飛散防止カバーにした。
7)身体の排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺に向けて洗浄湯水噴射ノズルと温風乾燥風送風口又は吹付ノズルを裂け目状の隙間周辺に複数配設し、マット床板周辺にはベッド上の身体とマットに向け温風乾燥風の送風口または吹付ノズルを複数配設して、更に、マット横倒し枠にマット起伏用と裂け目状の隙間開口用のアクチュエーターや防水カバーを備え付け起伏及び開口機構を設けて、このマット横倒し枠を支える横倒し枠受け台には、横倒し用のアクチュエーターを備え付け横倒し機構を設けて、安全カバーはシャワー洗浄湯水の回収及び飛散防止を兼ねる様にし、排泄とシャワー浴が出来て、排泄後の身体排泄物出口及び臀部中央部分のマットの箇所周辺を洗浄及び乾燥させ、シャワー浴後の身体並びにマットの乾燥が出来る事を特徴とする側臥位自動寝返り介護用ベッド。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9